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昭和63年第 1回定例会−03月01日-03号

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  1. 札幌市議会 1988-03-01
    昭和63年第 1回定例会−03月01日-03号


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    最終取得日: 2021-04-26
    昭和63年第 1回定例会−03月01日-03号昭和63年第 1回定例会                昭和63年    第1回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )             昭和63年3月1日(火曜日)午後1時開議           ―――――――――――――――――――――――― 〇議事日程(第3号) 第1 議案第1号から第64号まで(市長提出)  ―――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 昭和63年度札幌市一般会計予算  議案第2号 昭和63年度札幌市土地区画整理会計予算  議案第3号 昭和63年度札幌市団地造成会計予算  議案第4号 昭和63年度札幌市母子福祉資金貸付会計予算  議案第5号 昭和63年度札幌市寡婦福祉資金貸付会計予算  議案第6号 昭和63年度札幌市国民健康保険会計予算  議案第7号 昭和63年度札幌市老人医療会計予算
     議案第8号 昭和63年度札幌市基金会計予算  議案第9号 昭和63年度札幌市公共用地先行取得会計予算  議案第10号 昭和63年度札幌市砂防用地先行取得会計予算  議案第11号 昭和63年度札幌市交通災害共済会計予算  議案第12号 昭和63年度札幌市公債会計予算  議案第13号 昭和63年度札幌市病院事業会計予算  議案第14号 昭和63年度札幌市中央卸売市場事業会計予算  議案第15号 昭和63年度札幌市交通事業会計予算  議案第16号 昭和63年度札幌市高速電車事業会計予算  議案第17号 昭和63年度札幌市水道事業会計予算  議案第18号 昭和63年度札幌市下水道事業会計予算  議案第19号 札幌市証明等手数料条例の一部を改正する条例案  議案第20号 札幌市区民センター条例の一部を改正する条例案  議案第21号 札幌市地区集会所条例の一部を改正する条例案  議案第22号 札幌市青少年センター条例の一部を改正する条例案  議案第23号 札幌市婦人文化センター条例の一部を改正する条例案  議案第24号 札幌市生活館条例の一部を改正する条例案  議案第25号 札幌市墓地条例の一部を改正する条例案  議案第26号 札幌市食品の製造販売行商等衛生条例の一部を改正する条例案  議案第27号 札幌市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例案  議案第28号 札幌市技能訓練会館条例の一部を改正する条例案  議案第29号 札幌市道路占用料条例の一部を改正する条例案  議案第30号 札幌市都市公園条例の一部を改正する条例案  議案第31号 札幌市バスターミナル条例の一部を改正する条例案  議案第32号 市立札幌病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案  議案第33号 札幌市立高等看護学院条例の一部を改正する条例案  議案第34号 札幌市立幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第35号 札幌市体育施設条例の一部を改正する条例案  議案第36号 札幌市民会館条例の一部を改正する条例案  議案第37号 札幌市手稲記念館条例の一部を改正する条例案  議案第38号 札幌市公民館条例の一部を改正する条例案  議案第39号 札幌市教育文化会館条例の一部を改正する条例案  議案第40号 札幌市青少年科学館条例の一部を改正する条例案  議案第41号 札幌市民ギャラリー条例の一部を改正する条例案  議案第42号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案  議案第43号 札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案  議案第44号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案  議案第45号 札幌市藻岩山観光自動車道路条例を廃止する条例案  議案第46号 札幌市駐車場条例の一部を改正する条例案  議案第47号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件  議案第48号 昭和63年度当せん金付証票の発売限度額を定める件  議案第49号 札幌市事務分掌条例の一部を改正する条例案  議案第50号 札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案  議案第51号 札幌市外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例案  議案第52号 札幌市福祉センター条例の一部を改正する条例案  議案第53号 札幌市地区計画区域内建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案  議案第54号 市道の認定及び変更の件  議案第55号 昭和62年度札幌市一般会計補正予算(第6号)  議案第56号 昭和62年度札幌市国民健康保険会計補正予算(第2号)  議案第57号 昭和62年度札幌市公債会計補正予算(第4号)  議案第58号 昭和62年度札幌市交通事業会計補正予算(第1号)  議案第59号 昭和62年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第1号)  議案第60号 昭和62年度札幌市水道事業会計補正予算(第3号)  議案第61号 昭和62年度札幌市下水道事業会計補正予算(第4号)  議案第62号 財産の取得の件(土木事業所用地)  議案第63号 財産の取得の件(公園用地)  議案第64号 財産の取得の件(学校用地)  ―――――――――――――――――― 〇出席議員(70人) 議   長       吉 野 晃 司 君 副 議 長       滝 沢   隆 君 議   員       宮 本 吉 人 君 議   員       武 市 憲 一 君 議   員       大 越 誠 幸 君 議   員       高 橋 忠 明 君 議   員       猪 熊 輝 夫 君 議   員       西 村 茂 樹 君 議   員       松 浦   忠 君 議   員       長 内 順 一 君 議   員       柿 崎   勲 君 議   員       春 原 良 雄 君 議   員       関 ロ 英 一 君 議   員       千 葉 英 守 君 議   員       飯 坂 宗 子 君 議   員       福 土   勝 君 議   員       常 本 省 三 君 議   員       佐 藤 美智夫 君 議   員       佐 藤 寿 雄 君 議   員       室 橋 一 郎 君 議   員       川口谷   正 君 議   員       加 藤   斉 君 議   員       南   二 郎 君 議   員       吉 田 哲 男 君 議   員       小 田 信 孝 君 議   員       丹 野   勝 君 議   員       森   健 次 君 議   員       村 山 優 治 君 議   員       生 駒 正 尚 君 議   員       田 中 昭 男 君 議   員       柴 田 薫 心 君 議   員       山 田 信市郎 君 議   員       青 木   護 君 議   員       須 合 一 雄 君 議   員       富 田 新 一 君 議   員       澤 木 繁 成 君 議   員       伊与部 敏 雄 君 議   員       水 由 正 美 君 議   員       赤 田   司 君 議   員       本 舘 嘉 三 君 議   員       唯   博 幸 君
    議   員       小 谷 俵 藏 君 議   員       八 田 信 之 君 議   員       小 川 勝 美 君 議   員       見 延 順 章 君 議   員       加 藤 隆 司 君 議   員       田 畑 光 雄 君 議   員       朝 川 利 雄 君 議   員       野 間 義 男 君 議   員       湊 谷   隆 君 議   員       工 藤   勲 君 議   員       宮 ロ 健太郎 君 議   員       政 氏   雅 君 議   員       常 見 寿 夫 君 議   員       磯 野 開 丈 君 議   員       長 岡 武 夫 君 議   員       斎 藤 忠 治 君 議   員       荒 川 尚 次 君 議   員       越 智 健 一 君 議   員       宮 川 新 市 君 議   員       山 田 長 吉 君 議   員       岡 本 修 造 君 議   員       山 崎 七 郎 君 議   員       藤 田 雅 弘 君 議   員       山 本 長 和 君 議   員       田 畔   満 君 議   員       吉 田 一 郎 君 議   員       高 橋 重 人 君 議   員       菊 田 勝 雄 君 議   員       菅 井   盈 君  ―――――――――――――――――― 〇欠席議員(なし)  ―――――――――――――――――― 〇説明員 市   長       板 垣 武 四 君 助   役       桂   信 雄 君 助   役       蒲 谷 亮 一 君 助   役       勝 田 義 孝 君 収 入 役       朝 倉   賢 君 交通事業管理者 交 通 局 長     秋 山 忠 禧 君 水道事業管理者 水 道 局 長     藤 井 憲 次 君 総務局長        杉 本   拓 君 企画調整局長      伊 東 義 昭 君 財政局長        長 部 幸 一 君 市民局長        森     清 君 民生局長        石 原 弘 之 君 衛生局長        柴 田 浩 英 君 環境局長        本 間   雄 君 経済局長        木 戸 喜一郎 君 建設局長        魚 住 昌 也 君 下水道局長       岡   貞 夫 君 建築局長        西 本   弘 君 市立札幌病院長     斯 波 光 生 君 消防局長        中 目 啓 市 君 教育委員会委員     村 田 忠 良 君 教育委員会教育長    松 村 郁 夫 君 選挙管理委員会委員長  大 橋 八 郎 君 選挙管理委員会委員   長 谷 信 一 君 人事委員会委員長    山 岡   暸 君 人事委員会事務局長   貴 志   功 君 監査委員        寺 島 伸 治 君 監査委員        山 本   穫 君 監査委員        山 本 長 和 君 監査委員        吉 田 一 郎 君  ―――――――――――――――――― 〇事務局出席職員 事務局長        山 本 浩 介 君 事務局次長       鍛冶沢   徹 君 総務課長        丸 岩 公 充 君 議事課長        入 江 一 郎 君 資料係長        佐 藤 正 明 君 議事係長        英   俊 彦 君 記録係長        谷 川 輝 雄 君 委員会一係長      田 中 博 之 君 委員会二係長      土 屋   逞 君 書   記       獅々堀 秀 利 君 書   記       土 屋 康 博 君 書   記       佐 藤 比登利 君 書   記       長 瀬   宏 君 書   記       吉 田 雅 博 君 書   記       高 佐 三緒子 君  ―――――――――――――――――― ○議長(吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,62人であります。  ―――――――――――――――――― ○議長(吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として水由正美君,福土 勝君を指名します。  ―――――――――――――――――― ○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(山本浩介君) 報告いたします。  見延順章議員,須合一雄議員及び吉田一郎議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。  昨日,市長から,菊田勝雄議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写を各議員控室に配付いたしました。  本日の議事日程,請願・陳情の受理付託一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。  ――――――――――――――――――  ―――――――――――――――――― ○議長(吉野晃司君) これにより議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第64号までの64件を一括議題といたします。  昨日に引き続きまして代表質問を行います。  通告がありますので,順次発言を許します。常見寿夫君。  (常見寿夫君登壇・拍手)
    ◆常見寿夫君 私は,ただいまから,公明党議員団を代表しまして,今定例会に市長より提案のありました諸案件及び市政全般につきまして,順次質問を申し上げます。  まず,財政問題についてであります。  市長は昭和63年度予算の提案説明の中で,「本市は今年創建120年を迎え,北国の厳しい自然環境の中で開拓のくわがおろされて以来わずか120年で,人口160万人を擁する近代的な都市へと発展した北の拠点都市」と強調しているのであります。  このように,先人の不屈な開拓精神によって築き上げられた貴重な歴史を踏まえ,このような意義深い年に,来たるべき21世紀を見据えた社会経済の新しい潮流に対応していくため,札幌市の基本構想を改訂されたものと思います。  この計画によりますと,昭和80年本市総人口を190万人から200万人と想定し,個々の計画を設定する場合には,200万都市を想定した計画となっているところであります。  計画の一端に目を向けてみますと,市民総生産額については,60年ベースで3兆8,355億円であったものが,8兆2,769億円で約2.2倍,また,市民1人当たり所得も,211万円から344万円と約1.6倍となるものと想定しており,私も,これらの目標がスムーズにそして着実に達成されることを強く望んでおります。  このような背景を受けた昭和63年度予算は,分区に備え,区役所・区民センター・保健所・消防署など本格的な工事を盛り込んだことや,国際交流事業の基礎固めとも言うべきノーザンクロス構想の積極的な推進を考慮し,国際交流接遇施設の調査を初め種々の事業を織り込むなど,一般会計予算も7.1%増を確保し,全会計合わせて1兆円の大台を初めて超える大規模かつ積極型の予算を提案されたのであります。  これらの主な理由としましては,NTT株式売却益の活用による地方への無利子貸付の増額も大きく寄与しているものであり,公共投資分は全国ベースで実に1兆2,000億円,歳出総額の2.1%を占めるなど,本市ベースで見ましても79億円に上っているのが実情であります。  また,市税につきましても,近年低い伸び率で低迷しておりましたが,景気の緩るやかな回復と財テクブームと相まって,59年度9.6%に次ぐ8.9%という高い率を確保し得たのであり,このように見てまいりますと,国も地方も財政危機が叫ばれて以来,ほっと一息という感じがします。  しかし,一方,国庫補助負担率の一律カットにつきましては,一応3年間の暫定期間もいよいよ63年度で期限が切れるわけでありますが,これとても現時点では不透明でありますし,国の財政の中期展望によれば,65年度特別公債の発行をゼロに抑えると,要調整額が5兆5,500億円から6兆6,000億円も生ずる試算がなされており,まだまだ予断を許さない状況にあると考えざるを得ないのであります。  加えて,NTT株式売却益の活用も,66年度まで1兆1,300億円を継続予定しており,無利子という負担軽減措置はあるものの,地方が現実に償還期に入りますと,通常の国庫補助総額は目減りの影響も受けるのではないでしょうか。  さらに,本市の深刻な問題として,国民健康保険会計があります。国は63年度から,保険基盤の安定制度や高額医療共同事業など,一部制度の,改正を行ったのでありますが,まだまだ国保制度の抜本的な改正にはほど遠い感じがします。本市の国保会計の61年度末の累積赤字は157億円と巨額になっており,この勢いでいきますと,やがて財政調整基金の保有額を超える額になるのも間近であると危惧の念を禁じ得ないのであります。  私なりに種々申し述べてまいりましたが,いずれにいたしましても,将来財政事情が大きく好転するような状況が見出せないのが現状であり,したがって,このようなときこそ,長期的かつ計画的な行財政運営が強く望まれるところであります。  そこで,経常収支率についてお伺いしたいのであります。  5年計画の策定に当たっては,経常収入と経常支出の差,すなわち,経常収支差がどの程度見込めるかが,臨時事業をどれだけ取り込めるかの重要な要素となることは周知のとおりであります。第3次5年計画では経常収支率78.1%であったものが,新5年計画の予定では,79.3%と1.2%上昇しているのであります。もちろん,推計に当たっては,種々の前提条件を置かなければ将来を推計できませんが,その条件設定によっては,収支率も大きく変動するのではないでしょうか。この収支率の変動させる主な理由をお示しをしていただきたいと思います。また,5年間の収支率の見通しについてもあわせてお伺いしたいのであります。  次に,財政調整基金についてでありますが,財政調整基金の計上額は,昭和57年度から61年度まで100億円を計上し,62年度も80億円計上しておりました。しかし,63年度は25億円と約4分の1程度に減少しているのであります。ここで市長は,昨日の本会議場のご答弁で,国保料金や使用料・手数料の引上げの抑制策として財政調整基金の運用をする考えはないというお考えを示されたわけであります。そこで,この25億円と63年度は減少している理由と,今後の財政調整基金の支消についての基本的な考え方をお示ししていただきたいのであります。  次に,固定資産税の評価替えの問題についてお伺いをいたします。  東京都の23区内を頂点とする首都圏や地方の主要都市における異常な地価高騰は,いまや大きな社会問題となっているところであり,地価抑制のための方策について,各方面でいろいろな議論を呼んでいるところであります。  最近発表されました相続税や贈与税の課税の基準となります昭和63年の宅地の最高路線価を見てみますと,全国の県庁所在都市47都市の平均上昇率は23.8%で,昭和46年から昭和48年の列島改造ブーム前後の上昇率に匹敵する大幅な上昇といわれているのであります。  道内においては,札幌市の三越前が1平方メートル当たり387万円で,前年対比39.2%ときわめて高い上昇率となっているのであります。その反面,道内の主要都市における上昇率はさほど高いものとはなっておらず,比較的安定しており,いわゆる二極分化が鮮明になっております。  本市において地価高騰が著しいのは,東京都心の土地売却による代替地需要や,余裕資金による不動産投資などによるものとされており,東京の実勢価格がやや鎮静化の傾向にあるといわれてはいるものの,本市のような地方主要都市の地価は一向に落ちつく気配を見せていないのが現状なのであります。  このように地価高騰している状況のもとで,本年は3年ごとに行われることになっている国定資産税の評価替えの年に当たっておりますが,市民は異常な地価高騰の中で迎える評価替えであるだけに,強い関心と大きな不安を抱いていると思うのであります。市長はさきの議会において,評価替えによる全市の宅地の平均上昇率は,前回の25%を大幅に下回る,過去最低の14%前後になるものとご答弁されており,また,市民への影響については,作業中でもあり,明らかではないと答えられているところであります。  そこでお伺いするものでありますが,そろそろ評価替えの作業も煮詰まっているものと思われますので,その後の固定資産税の評価替えの状況及び,過去の評価替えと比較して今回の評価替えはどのような特徴があるかをお聞きしたいのであります。また,評価替えによって市民の税負担がどのようになるかをあわせてお伺いをいたします。  次に,新5年計画についてお伺いします。  先般の臨時市議会において議決されました新しい札幌市基本構想では「北方圏の拠点都市」「新しい時代に対応した生活都市」という二つの都市像を設定し,快適な都市空間の形成を初めとした6本の方針により,昭和80年を見通した今後の札幌のまちづくりの方法が示されたところであります。さらに,この基本構想に基づく第3次札幌市長期総合計画と,その実施計画である新5年計画の概要が明らかとなり,ここに21世紀を迎える札幌市が,新たな視点に立ったまちづくりを行うための体制が整ったわけであります。  いまさら申し上げるまでもなく,51年に策定されました新札幌市長期総合計画のもとにおける3次にわたる5年計画の実施により,道路・地下鉄・上下水道・公園など,市民生活に欠くことのできない都市の基盤的施設は比較的順調に整備され,その水準も,全国の大都市の中では上位に位置するものであります。  また,地区図書館・コミュニティセンター・区体育館あるいは各種福祉施設など,地域・地区レベルの施設の整備によって,市民相互の交流が活発となり,心豊かな札幌市民をはぐくむ土台が築かれてまいりました。  全市的レベルの施設につきましても,エレクトロニクスセンターを中心とした札幌テクノパーク,あるいは札幌芸術の森に代表されるような全国的に注目を浴びた事業を行ってきたことは周知の事実でもあります。  昭和47年の政令指定都市移行を契機として,道都札幌にふさわしいまちづくりが一層進められ,今日このような緑豊かで快適な市民生活の実現を見ることができたのは,これまでの着実で計画的な都市づくりの所産であり,明確な計画,目標を持った施策の推進がいかに重要であるかを示すものであり,今後のまちづくりにおいても,従前にも増してそれが強く求められるものであります。  特に,新5年計画の最終年次でもある昭和67年には,政令指定都市移行20周年という成人の年,を迎えるわけであり,その間には白石区と西区の分区が予定されるなど,これからの5年間は,札幌かさらに成人した大都市ヘと飛躍を行う重要な時期になろうとしているのであります。  そこで,今回発表されました新5年計画について見てみますと,都市空間計画に始まり,交通,産業振興,生活環境,生涯福祉,生涯教育,そして市民交流という七つの部門別計画と,21世紀プロジェクト推進という八つの柱で構成されております。また,今後5年間の総事業費は1兆4,890億円で,現計画に比べ8.8%の伸びということであります。  以下,新5年計画の内容について,その考え方について数点お伺いをいたします。  質問の第1点は,第3次長期総合計画のスタートに当たり,新5年計画は,さきに述べましたように部門別に計画されているのでありますが,今後の社会は,各部門に横断的に関連する問題,すなわち,国際化,情報化,高齢化などの諸情勢の変化が一段と進むといわれております。  本市について見ましても,昭和66年に開催されるユニバーシアード札幌大会は,国際的な交流の輪を広げる大きな機会となりましょうし,情報化,高齢化などそれぞれについても,すでにその変化の潮流があらわれてきているものと思うのであります。これら社会的変化に対する要請に札幌市はどう取り組んでいこうとしているのか,それが新5年計画の中でどのように具体化されようとしているのかを,お考えを示していただきたいのであります。  質問の第2点は,21世紀ブロジェクトの推進についてであります。  第3次札幌市長期総合計画において,「世界に結ぶサッポロプログラム」「札幌イノベーションプログラム」そして「札幌ライフ創造プログラム」の三つの札幌21世紀プログラムが掲げられ,多様な施策・事業を複合的に展開する必要があるとして,各プログラムについて具体的なプロジェクトが組まれているのであります。  これらのプロジェクトは皆魅力にあふれ,その実現を待望するものでありますが,21世紀を迎えるころには,ぜひそのプロジェクトの実施を望みたいと思うのでありますが,そこで,新5年計画で計画されたこれらのプロジェクトについて,どのように展開を図ろうとしているのでありましょうか。すなわち,このプロジェクトの中には,その展開の過程で,さまざまな市民の要望あるいは各方面の意見を取り入れながら進めるべきものが数多くあると思うのでありますが,施策の推進に当たってどのような姿勢で臨むのか,その基本的な考え方についてお伺いをいたします。  質問の第3点は,新5年計画の重点施策とされた公共事業の積極的な推進についてであります。  すでにご案内のとおり,北海道の発展を支えてきた石炭・鉄鋼などの基幹産業は,相次ぐ閉山,操業停止に追い込まれ,さらには昨年来より続く円高不況の影響等によって,北海道経済は長い低迷を続けてまいりました。最近になってようやく回復基調に入ったとはいえ,まだまだ厳しい経済環境にあるのが実態であります。したがいまして,札幌市が行う公共事業に対しては,大きな期待が寄せられているのでありましょうし,また,その果たす役割も大きなものがあると思うのでありますが,このような中で,今後の5年計画において,公共事業を積極的に推進することを明確に打ち出したことは,札幌市の経済,ひいては北海道全体の経済に明るい展望を開くものと評価をいたすところであります。  そこでお伺いをしたいのでありますが,今回計画されました公共事業の規模はどのようなものであり,またそれが,現計画よりもさらに多くのものであってほしいと期待するわけでありますが,この点どのように計画されたのでありましょうか。さらに,公共事業は国の動向に左右されることが多いわけでありますが,新5年計画の公共事業の活性について,その見通しをお聞かせ願いたいのであります。  次に,国際化推進に当たっての施策及び本市留学生への対応についてお尋ねをいたします。  いま世界は,国境を越えての相互依存関係が深まってきております。特に日本は,世界GNPの1割国家となり,国際社会におけるわが国の役割はますます増大しつつあり,地方の隅々まで,しかも,生活に密着した形で浸透してきております。まさに国際化の時代とも言えるわけであります。  国際化とは何かということについては,必ずしも統一された見解はありませんが,私は物の流れ,人の往来,情報や文化の交流などについて,日本と外国との国境を取り払っていく過程であろうと考えております。  国際化にはいろいろなご意見もありましょう。国際化を進める前に市民の生活基盤をまず整備すべきであり,これらが完備した段階で国際化に対応した施策を行うべきであると主張する考えもあります。しかし,今日の状況を考えると,国際社会から理解される広い国際感覚を持つことが求められているのであります。特にこれからは,あらゆる行政を国際化という視点で見直していくことが重要になってまいると思います。  ここで私が強調したいのは,確かに,物の流れは,企業の国際化によって非常な勢いで進んでいくことになるでしょう。そこで,今後の課題は,人の国際化ではないかということであります。  人の往来を国の調査で見ると,61年の日本人海外旅行者は,過去最高の551万人となっており,前年比11%増であります。これに対して,訪日外国人数は,前年比11%減少し206万人となっており,円高の影響を反映しているとはいえ,49年以来の減少になっているのであります。したがいまして,真の相互理解につながる文化交流や生きた情報のもととも言える人の交流を進めていくべきであると思うのであります。  幸い本市は,昭和34年におけるポートランド市との姉妹提携を初めとして,ミュンヘン市,瀋陽市との提携,また,冬季オリンピックの開催や北方都市会議の提唱など,国際化を積極的に推し進めてきたことは評価をしているところであります。  さらに,これらの交流がどちらかといいますと北方圏が主体でありましたが,新しい第3次総合計画では,ノーザンクロス構想が組み込まれております。これはご承知のとおり,北方圏交流に加え,アジア諸国との交流を図ることを目的とするものであり,私も共鳴をするところであります。  しかし,この構想を進めていくには,さまざまな困難な問題もあると思います。これまで,ともすれば西欧諸国に目を奪われがちであった交流対象をアジアを中心とした諸国に向けていくことには,市民個々の意識改革も必要になってくるでありましょう。ここに,日本人を対象とした興味深い意識調査の結果があります。  すなわち,「あなたは国際化の対象としてどこの国を思い浮かべますか」と質問をしたところ,3分の2の人が「アメリカ・イギリス・フランス・西ドイツ」等の西欧の国と答えており,「アジア諸国その他」を思い浮かべる人は4人に1人しかいないのであります。  しかし,実態としては,マレーシアの「日本から学べ」というスローガンに代表されるように,日本に対する東南アジア諸国の期待感も非常に大きく,また,経済的な相互依存関係も不可分の状況にあります。このような現実を踏まえ,私は特に,積極的にアジア諸国との関係を大切にしていくべきであると切望するものであります。  現在,本市の大学,企業における留学生及び研修生は約400人を数え,そのうち,アジア諸国の人が大きな割合を占めていると聞いております。これらの方々には,円高という現在の経済情勢の中,大変苦しい生活を強いられており,中でも私費留学生には,その影響が大きいようであります。  そこで,昨今,これら留学生に対する自治体レベルでの救済策が講じられていると聞いております。  埼玉県では,短大以上の私費留学生に,住居費として月額5,000円の補助を決定しているほか,静岡・宮城・兵庫の各県においても,私費留学生を対象とした措置がとられるようであります。  また,市の関連で見ますと,武蔵野市が私費留学生に対し月額の5,000円の奨学援助金支給を決定したことに続き,横浜・神戸・福岡においても,類似の補助がなされていると伺っております。  そのほかにも,東京都では,留学生救済のための基金設立,熊本では,県費留学生への補助等,各自治体において救済策が広がってきております。  本市の61年度世論調査におきましても,「札幌が国際都市として発展していくためにはどのような施策が行われるべきか」との質問に対し,「留学生・研修生との交流を盛んにする」と答えている人が20%となっております。これは,15の回答項目のうち,「国際的イベントをふやす」,「スポーツ,芸術・文化団体の交流を盛んにする」,「国際交流の場をさらに整備する」,「千歳空港の国際化促進」に次いで第5番目に位置するものであります。したがって,私は,札幌市も積極的に留学生のための施策を行うべきであると考えております。  そこでこの留学生問題についてまず一つには,留学生の現状と,留学生に対してどのような対応を行っているかをお尋ねいたしたいのであります。  二つには,留学生への対策については,本来,国あるいは道の役割であると考えられますが,札幌市としては,これらの機関との調整を図りながら,いかに実施していくべきとお考えなのか,ご所見をお伺いをいたします。  次に,国際交流接遇施設についてお尋ねをいたします。  この施設の設置につきましては,さきの本会議においてわが党からご提言申し上げたところであります。近年ますます交流分野の多様化が進む本市の国際交流において,特に文化,学術,経済,コンベンション等の分野で長期にわたり滞在される外国人がふえており,これらの方々に落ちついた環境の中で学術,文化などの研究に従事していただく施設は,ますますその必要が高まってくるでありましょう。  そこで,今後は具体的な調査設計作業に入っていくわけでありますが,この場合まず重点的なことは,緑を取り入れながら,落ちついた雰囲気の中で研究や交流ができるよう配慮すること,また,日本の伝統文化にも触れることが肝要かと存じます。さらに,私が強調したいのは,この施設が外国人だけに利用される閉鎖的な施設ではなく,多くの市民あるいは在札の研究者との交流が広く行われるような開放的な施設でなくてはならないということであります。このためには,外国人と地域住民,すなわち,人と人との心の触れ合いが可能となるよう配慮をしていただきたいと思うのであります。  このような見地から,現在予定している当該施設の規模及び機能の基本的な考えについてお示しを願いたいのであります。  次に,本市の新5年計画における道路整備についてお伺いをいたします。  ご承知のとおり,昭和58年度からスタートした国の第9次道路整備5年計画は,計画の前半は予算の横ばいが続き,その達成ぶりが危ぶまれましたが,61年度予算の久しぶりの伸びと62年度の大型補正予算により,一般道路事業ではほぼ満額の達成で終了しようとしております。  引き続き63年からは,第10次道路整備5年計画が新たにスタートするわけてありますが,この策定方針としては,経済安定成長,高度情報化,国際化,そしてますます進展化する高齢化等,大きく変化しつつある社会の潮流の中で,第四次全国総合開発計画の目指す多極分散型国土の形成や地域社会の活性化等とも整合を図り,1万4,000キロメートルの高規格幹線道路網の構築など,21世紀初頭を目指す道路整備の長期計画に基づき,道路整備の立ちおくれに適切に対処するため,向こう5年間に緊急に整備する事業を推進するとしておるわけであります。  今日,わが国は,本格的な車社会の到来を迎え,自動車は経済活動,日常生活において必要不可欠な交通手段となっております。貨物輸送の面を見ても,自動車交通は,機械・金属・電気製品などの高付加価値製品や,生鮮食料品・日用品など,日常生活に不可欠な生活物資の輸送のほとんどを担うようになっております。  このように自動車交通の役割が増大する中で,わが国の道路ストックはいまだに貧弱であり,たとえば高速道路の許容延長は,西欧諸国の約2分の1にすぎません。また,市街地における都市計画道路は,いまだ整備率は低く,道路の交通容量の確保が不十分であるため,都心部では路上駐車なども加わり,交通混雑に拍車をかけているのが現状であります。  このため,第10次道路整備5年計画では,高規格幹線道路を初めとする幹線道路ネットワークの整備を強化し,多極分散型の国土形成を図り,大都市や地方都市における環状線,バイパスなどの整備により,円滑な都市交通を確保するとともに,生活圏の広域化などに対応して,そしてテクノポリスやリゾート開発など,地域振興プロジェクトに関連する道路の整備を図り,地域社会の活性化を促そうとするものであります。  一方では,良好な都市環境を整備するため,歩行者の安全確保や歩道整備やボトルネックの解消事業,そして単なる機能性だけでない親しみある道路の整備によるサービス向上など,いずれもわが国が直面し,緊急に対応しなければならない事業について具体的に示しております。  総投資規模は,前5年計画の約40%増の53兆円という,いままでにない大規模なものとなっております。この財源の確保としては,暫定税率を5年延長した揮発油等の道路特定財源諸税や,自動車重量税の全額充当,そして62年度補正予算から新たに加わったNTT株式売却収入を財源としているわけであります。これが計画どおり実施されるとしますと,道路予算は2けたの伸び率が期待されることから,関係者にとっては久しぶりに明るい材料と言えるわけであります。  道路整備は,建設時に有効需要を生み出すだけでなく,輸送条件や土地利用条件を改善し,生産力を拡大する効果があり,言いかえれば,内需を拡大し,雇用の安定確保や地域経済の活性化をもたらすものであり,北海道のように公共事業に多大な影響を受ける地域にとっては,期待もまた非常に大きいものであります。  63年度の政府原案である道路関係予算を見ても,貿易黒字や円高の進展に対処するため,内需主導型経済成長への速やかな転換の必要から,積極予算となっておりまして,揮発油税収の4分の1相当を道路整備特別会計へ直入することによって,緊急地方道路整備事業存続が図られるとともに,NTT株式売却収入を積極的に活用することによって,62年度の16%増の約6兆6,814億円となっておるわけであります。  そこで私は,国の道路整備5年計画とともに,本市の整備計画について市長のご見解をお伺いしたいのであります。  さきに述べましたように,63年度の国の大型予算を受けて,本市の道路関係予算につきましても,前年に比べ大幅な伸び率になっております。本市の新5年計画では,63年初冬にJR函館本線の連続立体交差の開通,環状線や放射線道路の整備推進,豊平川橋梁であるミュンヘン大橋,そして札幌駅北口広場の整備や幹線道路の整備など,着々と札幌市の都市基盤の整備が行われようとしております。この道路関係予算の総投資規模も,約2,500億円という大規模なものであると聞いておりますが,以下数点にわたりお伺いをいたします。  第1点は,幹線道路の整備についてであります。  昭和80年を目標とした第3次長期総合計画の中で,将来の交通需要に対応するため,新たに2バイパス・2環状・13放射道路を骨格とした交通網体系の整備を進めるとしておりますが,新5年計画ではどのような整備水準を目標としているのかを,まずお伺いをいたします。  第2点は,潤いと親しみのある道路についてであります。今日までの道路づくりは,単に自動車の交通に対応するためのみにつくられたと言っても過言ではないでありましょう。道路にはそれぞれ違った用途と目的があり,そのために道路の機能に応じた道路づくり,地域や土地に合った道路づくりが必要ではないでしょうか。そして市民に潤いと親しみを与えるような道路づくりを考えてもらいたいものであります。親しみのある道路整備についての本市の新計画では,どのように取り組んでおられるのかをお伺いをいたします。  第3点は,札幌の新しい顔づくりについてであります。  昨年,都心部の西2丁目通に,周辺の商店街の総意と協力により,二番街という立派なストリートができております。また,これを契機に,他の商店街でも検討していると聞いており,このように民間ベースによって積極的にまちづくりに取り組む機運が高まってきているわけであります。  札幌市は北海道の道都として,また北方圏の拠点都市としてもますます国際化が求められ,それに伴う国際都市にふさわしい風格と魅力を持った都市に導くことが必要であります。このためには,まず都市の顔づくりを行うべきであると考えます。大通や駅前通などにアメニティ計画やシンボルロード整備事業などを考えているようですが,私は,線的な整備をするのではなく,都心部地域を面的に整備することによって,札幌の新しい顔を創造してはいかがかと思うわけであります。快適で魅力ある街は,人々を札幌に引きつけるとともに,中心部の活性化をさらに高めることとなるでありましょう。このような札幌の新しい顔づくりについて,官民一体となって取り組んではいかがでありましょうか。市長のご見解をお伺いしたいのであります。  第4は,踏切の立体交差化についてであります。  63年度の初冬に,念願のJR函館本線の立体交差化が図られ,幾つかの開かずの踏切が解消されるとともに,南北市街地の均衡ある発展に大いに寄与するものと期待しております。しかしながら,一方では,立体交差の都市計画決定がなされておりながら,いまだ未整備の箇所が幾つかあります。いずれも交通安全確保と隘路の解消のための整備が急がれており,特にJRの増便により,さらに交通混雑に拍車がかかっている現状であり,これらの立体交差整備に対する市民要望は非常に強いものがあります。新5年計画では,どのような整備計画を待っておられるのかをお伺いをいたします。  次に,社会福祉総合センターについてお尋ねします。  昨年10月に大通西19丁目に着工いたしました社会福祉総合センターは,64年3月の竣工を目指し,現在基礎工事が行われ,雪解けごろには私どもの前に建物の骨格があらわれるというわけであります。建設に当たっては,隣接する婦人文化センターとの調和を考え,壁面を落ちついたれんが色にし,さらには入口部分に大きな円形ガラス張りとして,自然採光による温かい雰囲気づくりに努めるなど,福祉施設にふさわしい細やかな配慮が随所になされており,64年春には,周辺の都市景観は面目を一新することになろうと思われるわけであります。  市長におかれましては,さきに公表されました長期総合計画の中で,社会福祉について,これまで本市が実施してきたさまざまな老人福祉施設に加え,既存の枠組みを越えて保健医療,住宅,教育,就労,生活環境,生活関連サービスなど,すべての分野を対象として,総合的観点から社会システムを構築する必要がある。また,福祉施策の展開に当たっては,ノーマライゼーション思想に基づき,地域コミュニティーの場で,施設福祉と在宅福祉が有効に機能するよう努めるべきであることが重要であると述べ,新たな観点での福祉施策に取り組む決意を披瀝しておるわけであります。  計画の具体的成果を強く期待するものであり,さて,昭和62年度第2回定例市議会で,わが党の丹野議員が代表質問の中でも取り上げ,社会福祉総合センターの入居団体についてお尋ねしたところでありますが,その答弁によりますと,札幌市社会福祉協議会,老人クラブ連合会,母子・寡婦福祉連合会,民生児童委員連盟及び福祉事業団の団体が入居する予定ということであります。  これらの団体は,いずれも多数の会員を擁する福祉団体であり,施設福祉,在宅福祉のサービスを推進するに当たって,大きな役割を果たすことが期待されてる団体ばかりであります。社会福祉総合センターは,こうした団体を中心とした市民福祉活動の拠点施設であり,いわば札幌市の福祉のシンボルとも言うべき施設であります。そういう意味で,社会福祉総合センターに各種の福祉団体が入居することに伴いまして,福祉活動の輪がより大きく広がるとともに,福祉社会の実現に向けて大きな役割を果たすことを期待するものであります。  私の調査によりますと,東京都,横浜,大阪,名古屋,京都,神戸,川崎市など各市においては,すでに社会福祉関係の複合施設が設置されております。これらの施設には,社会福祉協議会を初め,老人クラブ連合,ボランティア団体なども入居し,それぞれの分野での活動を展開しているところでありますが,各団体の協調体制,各事業の一体的展開については,必ずしも十分ではないように見受けられたところであります。市長におかれましては,社会福祉総合センターのオープンに向けて,これらの管理運営について検討を進められているものと思いますが,この場合,他都市の類似施設の運営実態を十分調査をし,新しい福祉社会の構築へ向け,名実ともにすばらしい福祉活動の拠点としての運営体制をつくっていただきたいと思うのであります。  そこで,以下数点にわたりお尋ねをいたします。  第1点は,社会福祉総合センターに入居する団体の連携体制についてであります。  先ほどから申し上げましたように,社会福祉総合センターは,本市の福祉施策の全般について,民間サイドに立ってその推進に大きな役割を果たすことが期待されてるわけですが,こうした期待にこたえるためには,入居する各種福祉団体が常に情報交換をし,事業の企画実施に当たっては,共同,連携して行うことなどにより,さらに大きな事業の効果も期待できると思うわけですので,こういった点から,ぜひとも団体間の連携体制づくりが必要と考えますが,この点についてどうなのかをお尋ねをいたします。  次に第2点として,社会福祉総合センターの建設に合わせて改築が進められている長生園とセンターとの関係についてであります。  長生園は,今回の改築に当たりまして,時代の趨勢に合わせて個室化が進められる等,従来と比べて非常に快適な生活環境が確保されると聞いておりますが,複合施設ということから,長生園に入居されるお年寄りにもセンター機能を活用していただくべく,積極的に生きがい対策を講ずる必要があると思うわけであります。  そこで,社会福祉総合センター内の各施設が,長生園の入居者にどのように利用されるのか,また,長生園の施設が入居者以外の方にどのようなサービスを提供するのか。複合施設としてのメリットといった面でどう考えているのかをお尋ねをいたします。  次に,第3点は,情報センターについてであります。  福祉に関するさまざまな相談や問い合わせに対して,図書・資料の設置,コンピューターを活用して福祉関係情報の的確,かつ迅速な提供をしようとする情報センターは,社会福祉総合センターの特筆すべき機能の一つであろうと思います。  そこで,昭和63年度予算には,情報センタープログラム開発として7,450万円が計上されておりますが,具体的にどのようなプログラムをお考えになっておるのかをお尋ねをいたします。また,このセンターを福祉情報の拠点として位置づけるとき,たとえば,各区ごとに設置を予定されている社会福祉協議会にも端末機を置く等,ネットワークづくりを進めることにより,市民の利用も一層向上するものと考えますが,情報センターの将来計画についてもあわせてお尋ねをしたいと思います。  最後に,ボランティアセンターと情報センターの関係についててあります。  今後の福祉施策は,施設福祉と在宅福祉の調和をとりながら進めていかなければなりませんが,それには,立ちおくれている在宅福祉に必然的に力を入れていくことになるわけですが,この在宅福祉の運用をスムーズに推進するためには,ボランティア活動の一層の充実・強化が必要であります。そのためには,市民の各階層にボランティアの輪を広げていかなければならないと考えております。
     市長は,昭和60年度からボランティア団体に対する助成を行い,また,新年度からはボランティア奨励賞,貢献賞の贈呈を行うなど,ボランティアの啓発,普及に取り組んでいるわけでありますが,私が聞くところによりますと,ボランティア団体の悩みの一つに,打ち合わせ場所がなかなか得にくいといったことが挙げられておりますが,社会福祉総合センターの建設に合わせて現在のボランティアセンターが移設され,面積も現在の約2倍に拡充されるということであります。  そういう意味では,ボランティア団体の皆さんの悩みも相当解消されることになり,結構なことだと思いますが,今回のボランティアセンターの社会福祉総合センターヘの移設を契機に,情報センターとボランティアセンターの有機的に連携させることにより,ボランティア活動の一層の振興が図られるのではないかと思うのでありますが,いかがなものか,社会福祉総合センターの機能の活用も含めてお尋ねをいたすわけであります。  次に,国民健康保険についてお伺いをいたします。  21世紀を目前に控え,高齢化社会の進展は,わが国にとって数多くの解決すべき諸問題を提起していると言わなければなりません。その中で最も大きな問題の一つは,何といっても医療保険問題であります。特に,地域保険としてわが国の皆保険制度を支える国民健康保険は,昭和13年に創設されて以来今年で50年を迎え,いまや国民の健康維持に欠くことのできない制度として定着しているところであります。しかし,その運営については多くの問題を抱え,特に財政的危機については,各自治体にとって最も頭の痛い大きな行政課題の一つとなっているのであります。  累積赤字が全国一という本市の内容を分析いたしますと,何といっても1人当たりの医療費が異常に高いということは明らかであります。高齢化が進展すればするほど有病率も高くなり,医療費が増加することはある程度やむを得ないとしても,全国的に見ても余りにも高過ぎると思うのであります。  本市の老人病院は,現在42ヵ所あり,全国的に見ても,病院数はもちろん,病床数,入院割合が飛び抜けて多くなっていることが総医療費を押し上げているわけであります。  国民が直面している財政危機は,本市だけの問題あるいは国保だけの問題ではなく,21世紀にはやがて訪れるであろう高齢化社会におけるわが国の医療保険制度の縮図であると言っても過言ではないと思うのであります。したがって,現在,財政的にも制度的にも危機に立たされている国保制度の抜本的改革を実施し,制度として健全な運営が確保できれば,将来,わが国の医療保険問題はおおむね解決したも同然と考えてもよいのではないかと思うのであります。  国保制度の改善によって,国では近い将来,医療保険制度の一元化を目指し,これまでも退職者医療制度の創設,老人保健法の改正,あるいは63年度から実施される保険基盤安定制度の創設など,それなりの努力を重ねているところでありますが,いずれの改善も,結果的には地方への財政負担をしていることになっていることは,まことに遺憾であると思うのであります。  現在,道で計画をしている地域医療計画は,今年の4月から実施されることになっているようでありますが,遅きに失した感がなきにしもあらずと思うのでありますが,その間,いわゆる駆け込み増床と言われる申請が出され,63年度には例年の2倍以上のベット数が増加することが明らかになっております。  老人病院を一例にとっても,61年度に35ヵ所であった病院が62年度中で8ヵ所ふえ,実に1,700床もふえているのであります。当然のことながら,ベット数が増加することは,これに伴って医療費も増加し,ますます本市の医療費を押し上げる結果になるわけでありますが,道内33%の医療施設が札幌に集中し,医師の超過密と言っても過言ではないと思うのであります。  医療機関や医師数が多いことは,住民にとっては好ましいことと言えるかもしれませんが,その分医療費がかさみ,その負担も大きくなることは当然の帰結であり,現在の医療保険制度の安定化を図るためには,何といっても,その基本となる医療費の抑制策に触れざるを得ないのであります。  高齢化の進展,医療技術の進歩,高度医療機器の改善等,時代の進展とともに医療費の増高はある程度やむを得ないとしても,国民医療費が毎年1兆円ずつふえ続け,62年度末では実に18兆円の総医療費になろうと予想されていることは,もはや,このまま推移するとすれば,国保に限らずすべての医療保険制度が破綻を来たすことは明らかであります。  医療費の増高は,当然に保険料の値上げあるいは一般会計からの繰り入れの増加につながるわけでありますが,63年度の本市の予算におきましても,実に昨年の2倍80億円の一般会計からの繰り入れをし,5%の保険料値上げを予定していたところでありますが,わが党を初め各界からの強い抑制要求を踏まえ,最終的には4.5%の引上げにとどめ得たこと自体は,一応評価をするものであります。とはいえ,天井知らずで増加する医療費,それと連動して毎年保険料が引き上げられる実態の中で,高額所得番付の中に多くの医師が含まれている現実を眺めるとき,いま一つ複雑な気持ちを持たざるを得ないのは,私だけではないと思います。  国保会計の健全化を図るには,何といっても医療費の抑制がきわめて重要であります。本市もこれまでレセプト点検強化を図り,医療費の適正化に努力しているところでありますが,保険者として医療費を抑制できる手だてに限界があることは,十分承知しておりますが,いま一度,事業を拡大するなどにより,医療費を抑制できないものか考えるところであります。  そこで私は,次の諸点についてお伺いをします。  1点目は,昭和63年度から実施される医療保険適正化プログラムも含めて,医療費の抑制対策をどのように進めようとしているのか,その基本的な考え方についてお伺いをするものであります。  第2点目は,現在の対症的な改善ではなく,抜本的な制度改正が必要と思うのでありますが,将来展望も含めて市長の考え方をお伺いしたいのであります。  3点目は,駆け込み増床と言われている実態と,これに対してどのような対応をなされようとしているのかをお伺いします。また,例年に比べ倍増するベッド数は,当然医療費を押し上げることになると思いますが,どのような展望を持っておられるのかもお伺いをいたします。  第4点目は,以前にも私が代表質問でご質問したことがありますが,長期的に見た場合保健活動の充実・強化はきわめて重要と思うものでありますが,現在の保健活動の実態と,今後の拡充を図ろうとする施策を考えられておるのであれば,お知らせを願いたいのであります。  第5点は,本市が医療費適正化対策の一つとして,60年から独自に実施しておりますレセプト点検について,62年度においてどのくらいの効果がある予定なのか,その実績についてお知らせを願いたいのであります。また,さらに点検体制を強化し拡充すべきと考えますが,市長のお考えはいかがでありましょうか。  以上で,私の代表質問はすべて終わります。長時間のご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。 ◎市長(板垣武四君) まず,第1点の財政問題中の1点目,5年計画における収支率の変動要因及び見通しについてでございます。  経常収支率は,人件費,公債費等の義務的経費の増高や,市税,交付税等の経常収入の伸びなどの要因によって変動するものでございます。そこで新5年計画における経常収支率の見通しについてでございますが,将来の経済動向を予測するということは非常に困難ではございますが,消費者物価や金利の動向及び名目経済成長率などの現下の経済情勢が,今後も維持されるという前提条件で試算をいたしますと,78%から80%程度で推移するものと見込んでおります。したがいまして,お話にもございましたように,新5年計画では現計画よりも僅少の上昇にとどまる見込みであり,本市財政の健全性はなお堅持されるものと考えております。  次に,財政調整基金の支消についての基本的考え方についてでございますが,この基金は,年度間の財源調整を図ることによって,安定的な事業の執行を確保していくための貴重な財産でございますので,財政状況に応じて5年計画など長期的な視点に立って,有効に活用すべきものであると,このように考えているところでございます。  そこで,63年度は,ご承知のとおり,新しい5年計画をスタートさせる年でもありますため,重要な施策をできるだけ盛り込んだ積極的な予算を編成したところでございますが,幸いにいたしまして,景気の緩やかな回復に伴う税収の好転が見込まれますことや,経費の節減に意を用いたこと,さらには,交付税の留保額を例年の半分程度の20億円にしたことなどによりまして,財政調整基金の予算計上額を25億円にとどめることができたものでございます。  次に,今回の固定資産税の評価替えについての問題でございますが,土地の評価額について見ますと,宅地で平均13.2%と過去最低の上昇率となる見込みでございますが,これは前回までの評価替えでは,住宅地の上昇率が都心商業地の上昇率を上回った形で推移しておりましたが,今回はこれとは逆に,住宅地の上昇率が低くなっていることが大きな要因となっているところでございます。  また,在来家屋につきましては,全棟数のうち7割程度の棟数は評価額を据え置くこととし,残余の棟数は評価額が減ぜられる対象となるものでございまして,新築家屋の評価額につきましては,建築物価に大きな変動が見られませんことから,ほぼ横ばいになっているところでございます。  なお,評価替えによる税負担でございますが,土地につきましては,従来にもまして緩やかな負担調整措置が講ぜられる予定でございますので,平均的な住宅地で5%程度の上昇になるものと考えております。  次に,新5年計画についてでございます。  第1点目の社会的変化に対する取り組みについてでございますが,わが国の社会経済の大きな変化への対応は,本市におきましても避けて通れない問題であり,いままでより以上に的確な対応を図っていくことが重要でございます。  新5年計画におきましては,社会的変化に対応した事業として,健康づくり総合センター,福祉情報センター,都心コンベンションの創出等多くの事業を予定いたしておりますが,これらの事業の執行に当たりましては,行政,産・学界,市民等多くの力を結集するとともに,関係部局の連携をより一層図りながら,事業の推進を図っていくことが必要であると考えております。  第2点は,21世紀プログラムに基づく各プロジェクトの展開についてでございます。  今後の施策の推進に当たりましては,市民ニーズの多様化あるいは社会的変化に柔軟に対処していくことが,一層求められると考えております。したがいまして,新5年計画で計画をいたしました各事業の実施に当たりましても,日常的,恒常的な市民と行政との意見の交流が,さらに図られるように努め,また,民間の創意,発想,技術等が有効に生かされる環境づくりを進めながら,市民の理解と積極的な参加のもとに,よりよい街づくりが行われるよう,計画事業の弾力的な展開を図ってまいりたいと考えております。  第3点の公共事業の計画規模についてでございますが,都市基盤の計画的な整備とあわせ,景気浮揚対策が重要な課題となっております折から,新5年計画では,現計画に比べて約15%増の公共事業費を盛り込んでおりまして,事業費の規模では,道路,街路,河川,公園等の主要な事業につきまして見た場合に,5,200億円強となり,また,その他の建設事業を加えた公共投資の総額は,1兆円を超えるものと考えております。  なお,公共事業の執行に当たりましては,予定した国の補助金等の確保に全力を挙げ,計画事業の完全な執行に努力をいたす所存でございます。  次に,国際交流についてでございます。  まず,留学生に関するご質問についてお答えを申し上げます。  現在,札幌市内の大学,短大に通う留学生の数は289人で,そのうち91%に当たる264人が北大に通学をいたしております。これを出身国別に見ますと,37カ国のうち,中国が最も多く130人,次いで韓国43人,アメリカ13人,マレーシア9人と続いております。学費の状況を見ますと,国費留学生は131人,私費の留学生等は158人でございます。このうち,円高によって生活に影響を受けているであろうと考えられるのは,主に私費の留学生でございます。  これらの留学生に対し,国際交流プラザでは,アルバイトや住宅問題等について種々のアドバイスをいたしております。また,最近,留学生を支援する市民活動も活発になってきておりまして,これらのボランティア活動に対し,札幌市として積極的に協力,援助をする所存でございます。また,留学生対策は,これはご指摘にもございましたが,本来,国の役割でございますけれども,国際都市を目指す本市にとって,市内で学ぶ留学生には,よい印象を持って帰国していただくことは,これは大変重要なことでございます。現在,留学生の生活状況調査というのを行っておりますので,その結果を踏まえて,自治体として,さらにできるだけのことをいたしたいと考えております。  次に,第2点目の国際交流接遇施設の規模,及び機能の基本的考え方についての問題でございます。  この施設は,宿泊施設としての機能のほかに,研究と交流の機能をもあわせ持つものでございます。この施設の内容につきましては,5室程度の宿泊棟と,サロンや会議室,茶室等を設けたセンターハウスで構成をし,宿泊棟につきましては個別研究を行う場として,センターハウスにつきましては,共同研究,あるいは地域との交流を行う場とする考えでおります。  これからの国際化を推進していくためには,ご意見のとおり,外国人と市民との交流が重要になってまいりますので,今後,この施設の利用に当たりましては,市民との親密な交流を行えるように,十分配慮してまいりたいと考えております。  次に,今後の道路整備の基本的な考え方についてでございます。  第1点目の第3次長期総合計画にあります2バイパス・2環状・13放射道路の整備についてでございますが,この計画は,昭和80年を目標としたものであり,新5年計画では,従来の1環状・5放射道路の整備を最優先と考えております。したがいまして,環状通は,全区間の開通を目指し事業を推進いたしますほか,5放射道路につきましても全路線を完成させたいと考えております。  また,今回,新たに追加されました道路のうち,未整備の追分通,新川通,伏古拓北通等につきましては,できるだけ早期に開通をするように整備を進めてまいりたいと,このように考えております。  第2点目の潤いと親しみのある道路整備についてでございますが,これまでも,本郷通や樽川通などのコミュニテイー道路,あるいは白石サイクリングロードなどの歩行者・自転車道路の整備を行ってまいりましたが,新5年計画でも引き続き積極的に推進をしてまいりたいと考えております。さらに,美術館や図書館などの公共施設周辺道路を初め,ジョギングコースや水辺に親しむ散策路など,その地域の特色を取り入れた道づくりを進めてまいりたいと考えております。  第3点目の都心部の魅力ある道路づくりについてでございますが,私も,21世紀へ向けて,国際都市にふさわしい風格のあるまちづくりが必要てあると考えております。そのため,都心地域における電線類の地中化を進めることにより,安全で快適な歩行者空間を確保する計画でありますし,現在,大通につきましては,シンボルロード整備事業に着手いたしておりますが,駅前通,北3条通,さらには札幌駅北口などにつきましても,それぞれの性格に応じた一体的な整備を行いたいと,このように考えております。また,親しみとゆとりのある道路とするためには,建物や広告物などの景観規制を行う必要がありますので,今後とも市民の協力を得ながら,快適で魅力ある都心部の道路整備を進めてまいりたいと考えております。  第4点目の立体交差事業の整備計画についてでございます。  ご指摘のように,この事業は,交通混雑の解消,安全の確保の上で重要な事業であると考えております。したがいまして,新5年計画では,現在事業中であります苗穂・丘珠通等の整備促進を図るほか,札幌新道以南の未整備箇所すべてに着手する考えであります。また,札幌新道以北につきましても,追分通等3ヵ所の整備を行う計画であり,これらの整備によって,67年度までに4ヵ所の立体交差が開通する見込みでございます。  私からの最後に,国民健康保険の問題についてでございます。  その第1点目は,医療費の抑制対策についてでございます。  今回の制度改正の一つに,医療費水準のきわめて高い地方団体については,いわゆる医療費適正化プログラムを作成をして,国,都道府県,市町村及び保険者が協力をして医療費の適正化に取り組む体制を整備することにされたところでございます。  本市といたしましても,これまで実施してまいりました重複受診者の指導,あるいは老人の在宅療養,教育事業等の推進を図る一方,新年度に作成される適正化プログラムに基づき,積極的に医療費の適正化対策に取り組んでいきたいと考えております。  第2点目は,抜本的な制度改正の将来展望についてでございます。  医療保険の中核をなす国保制度の改革は,国保の自立と長期的な安定を確立することでなければならない。私も機会あるごとにこの点を主張してきたところでございます。国では,昭和65年度にも医療保険の一元化を実施するために,制度間の給付等,負担の公平化を図る改革を段階的に実施しようとしておりますが,抜本的な制度改正に向け,関係機関とも連携をとりながら意見を反映していきたいと考えております。  第3点目は,駆け込み申請の実態とその対応策についてでございます。  道の医療計画が昭和63年4月から実施されることもあり,62年における病床の増加申請は,例年の約2倍に当たる4,152床でございました。病院開設の許可につきましては,これは知事の権限になっておりますが,本市といたしましては,事前に相談を受ける際,道の医療計画案の趣旨を十分に説明をし,開設許可申請の自粛または取り下げを指導し,申請書の受理に際しましても,医師,看護婦等の医療従事者が,病院開設後必ずその病院に勤務する旨の確約書を提出させるなど,従前にも増して厳しい対応を行い,道の計画の趣旨に沿った指導を行ってきたところでございます。  また,ご指摘のとおり,これまでの経緯から,ベッド数がふえることは,医療費の増加と深くかかわりがございますので,私としても大変この点,心配をしているところでございます。したがいまして,これらの実態を十分踏まえながら,全体的な医療費適正化計画の中で対応してまいりたいと考えております。  第4点目は,保健活動の充実強化についてであります。  高齢化社会の進展に伴い,市民の健康に対する意識も高まっており,保健所行政も,これまでの定例的な業務に加え,健康づくりや成人病対策,さらには,在宅療養者に対する訪問指導などを一層充実・強化させる必要が生じてきているところでございます。こうした観点から,まず健康づくりに関しましては,健康づくり推進員の養成を初め,モデル地区の指定,さらには,健康づくりセンターにおいて,地域における運動推進の核になるリーダーを養成するなど,各種の事業を実施しているところでございます。  今後,地域における健康づくりは,あらゆる機会を通して市民ぐるみの運動を展開する必要がございますので,保健所と町内会,あるいは各種団体が密接な連携のもとに,健康づくり運動の推進や健康教育の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に,成人病の予防や早期発見のための健康診査事業につきましては,従来の胃がん,子宮がん検診などに加え,昭和62年度から乳がん検診を導入したのを初め,来年度からは,所外における健康相談の内容を充実するなど,きめ細かな成人病対策を図ってまいりたいと考えております。  また,在宅療養者に対する訪問指導につきましても,保健,福祉等との連携を密にするとともに,その内容の充実を図ってまいりたいと考えております。こうした観点から,これらの事業をより積極的に推進するために,保健所の機構改革を行ってその機能の充実強化を図る予定でございます。  第5点目は,レセプト点検の実績と点検体制の強化についてでございます。  本市のレセプト点検は,60年の5月から専門職員を充てて実施をしてまいっているところでございます。その実績は,60年度で2,700万円,61年度で6,600万円の誤謬を発見をして,その過誤調整を行ってきたところでございますが,62年度の額は約1億円になると見込んでおります。  なお,現在の点検体制につきましては,必要に応じて強化を図っていく必要があると,このように考えております。以上でございます。 ○議長(吉野晃司君) 蒲谷助役。 ◎助役(蒲谷亮一君) 5番目の社会福祉総合センターについてお答えをいたします。  第1点目は,入居団体の連携体制についてでございます。  ご指摘のとおり,入居団体がそれぞれの事業を積極的に推進するとともに,相互に連携をとり合うことが,センターの機能を高める上で,きわめて重要なことであると認識をいたしております。  そこで,事務室は個室化をせず,一つの大きな部屋に入居をすることによりまして,各団体の職員の方々に一体感を持っていただけるよう配慮をしております。また,相互理解と福祉活動の一体的な展開が図られますように,入居団体の代表者,本市の職員からなります運営委員会のような機関を設置をして,協力関係の推進を図ってまいりたいと考えております。  ご質問の第2点目は,長生園とセンターとの関係についてでございます。  施設の有効利用という観点から,長生園と社会福祉総合センターとは,一,二階の部分を廊下で結んでおります。このことによりまして,長生園に入居される方々が,老人福祉センターの機能回復訓練室,娯楽室を初め,情報センターの図書室や各種の相談コーナーを容易に利用できるように配慮をいたしております。また,ディ・サービス事業のうち,給食サービスの実施に当たりましては,長生園の食堂を活用をすることとし,さらに,長生園における寝たきり老人等短期保護事業の実施についても検討を進めて,入居者以外の方々にも利用される施設にいたしたいと考えております。  ご質問の第3点目は,情報センターについてでございます。  情報センターは,行政機関や福祉団体などが持っております情報を幅広く収集し,市民からの福祉に関するさまざまな相談,問い合わせに,迅速かつ的確に対応しようとするものでございます。今回,開発を予定いたしておりますプログラムは,大別して六つでございます。すなわち,福祉関連の各種制度施策の情報,民間福祉推進団体に関する福祉情報,ボランティアグループの情報,ひとり暮らしのお年寄りなど介護を必要とされる方々の情報,高齢者,障害者の方々が日常生活上で必要とされる福祉機器の情報,図書・資料に関する情報でございます。  64年の開館時には,社会福祉総合センター内の必要箇所や相談コーナーに端末機を設置をすることにいたしまして,引き続き,情報を最大限に活用するため,ご提案のございました区の社会福祉協議会を含めた情報のネットワークづくりにつきましても,積極的に検討してまいりたいと思っております。  第4点目は,ボランティアセンターと情報センターの関係についてでございます。  ボランティア活動の振興策の一環として,情報センターの機能を活用するということは,全くそのとおりだと存じます。特に,情報センターにおいて収集されますボランティアの情報と介護を必要とされる方々の情報の相互利用によりまして,これまで以上に市民参加の輪を広げることができるものと考えております。また,社会福祉総合センターには,500人程度収容可能な大研修室を初め,視聴覚室,会議室も設けられまして,専門的な研修の場を確保いたしておりますので,これらの施設を利用することによりまして,ボランティア活動の一層の充実が図られるものと期待をしております。以上であります。 ○議長(吉野晃司君) ここで,およそ20分間休憩いたします。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後2時20分      再 開 午後2時40分  ―――――――――――――――――― ○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問の続行であります。斎藤忠治君。   (斎藤忠治君登壇・拍手) ◆斎藤忠治君 私は,ただいまから,自民クラブを代表いたしまして,市長から提案されました昭和63年度予算案及び諸議案並びに当面する市政の問題について質問いたしたいと存じます。  理事者におかれましては,明快なるご答弁を期待いたすものであります。  まず最初に,将来における財政運営のあり方を中心に,財政問題についてお尋ねいたします。  市長は,このたび,昭和80年度を目標年次とし,いわゆる21世紀都市さっぽろを展望した第3次長期総合計画を提示され,それに沿うた5年計画を策定し,北の拠点都市としてさらに飛躍しようとしている前向きの姿勢と意欲に大いに期待いたしているところであります。  そこで,昭和63年度の予算規模について見ますと,一般会計では,前年度より355億円,7.1%増の5,384億円,特別会計,企業会計,合わせた総額が1兆62億という積極的な予算を計上しているのであります。この新年度予算案の作成に当たって,その背景をなすものは国家予算案でありますが,一般会計は4.8%増で,一般歳出についても,過去5年間マイナスであったものが,1.2%増とプラスに転じており,また,公共事業につきましては,社会資本整備事業を含めて19.7%増ときわめて高い伸び率となっているのであります。この要因は,内需拡大の要請にこたえるため,好調に推移している税収入に加えて,NTT株式の売却収入の一般会計繰入れ分が1兆3,000億円あるためであり,必然的に北海道開発予算も15.2%増と高い伸び率となっており,いままで厳しい財政環境にあっただけに,その著しいさま変わりに驚きの感がするのであります。  また,地方財政計画の総額は,前年度対比で6.3%増と昭和56年度の7%増以来7年ぶりの高い伸び率が示されているのでありますが,特に,その中の地方財政対策について注目する必要があると思われるのであります。すなわち,昭和63年度までに暫定措置として実施されている国の補助率カットに伴う地方負担の増額分が1兆6,569億円,国民健康保険制度の見直しによる地方負担増加分が690億円で,新年度の地方財政の財源不足額は1兆7,259億円であります。これを補うため,地方交付税で2,045億円を特別加算するほか,地方たばこ消費税の特例税率継続で1,200億円,建設地方債の増発分1兆4,014億円で賄うこととしているのであります。  したがって,こうした措置が本市にどのような影響を及ぼすかという点が重要になるわけでありますが,本市の場合には,経常経費系統で90億円,投資的経費系統では62億円,合計152億円の負担増と見込んでおります。しかし,先ほど申し上げました地方財源対策として,財源の補てん措置が完全になされるものと確信いたしており,新たな税負担増が生ずることのないように切望しているところであります。  このような国家予算等の背景のもとで本市の新年度予算案が編成されているわけでありますが,まず歳入について,その構造がどんな状態にあり,どんな伸びを示しているのか重要であります。歳入の大宗をなす市税について,現在,景気の好転を見通し,前年度予算比で8.9%増を見込んでおりますが,この伸びは,昭和59年度の9.6%以来の伸び率でありますし,地方交付税は,国税3税の伸びに伴い11.2%増,また,市債については,地財対策やNTT株の無利子貸付け分を含めて550億円で29.7%増となっているのであります。  次に,歳出について見ますと,経常費は,一般的事務経費を極力節減することにより4.3%増と抑えられ,一方,臨時費は,前年度の伸び1.6%を大幅に上回る10.9%増と近年にない大きな期待が持たれるのであります。  しかしながら,将来における財政運営の展望をしてみるときに,必ずしも明るい材料ばかりではなく,今後,確実に訪れるであろう問題,すなわち,国際化,高度情報化,高齢化及び都市化の進展などがあり,さらに,価値観の多様化,そして,変動の時代に直面する地域経済のあり方など,課題は山積しており,これらに対応するために,新たな財政需要の増大は必至であり,これに加え,財源不足を補うための巨額な地方債借入金残高を抱え,その償還が,将来大きな負担となることを考え合わせますと,きわめて厳しい状況であり,これを裏づける財源見通しが気がかりなところであります。  一方,こうした中で,先般大蔵省が示した財政中期展望では,赤字国債発行脱却は昭和65年を目標にしており,このこと自体は望ましいことでありますが,その陰には,昭和63年度に期限切れとなる国庫補助金の補助率一律カットを,64年度以降継続しないと達成見通しはないものと言われており,地方にとっては大きな陰りが残されているのではないかと憂慮しているところであります。  このような21世紀に向けて岐路に立つ地方公共団体が,このことを十分認識し,克服することが,当面,最大の課題であり,これには地方財源の大宗を占める主要財源の充実が必要であるとともに,その原動力となる税務運営の強化も必要となってくるのではないかと考えるところであります。  そこで,以下3点につきましてお伺いをいたします。
     まず第1点は,第3次長期総合計画に沿った5年計画で,総計画事業費1兆4,890億円を計上しているところでありますが,その裏づけとなる財源,特に一般財源については市税及び地方交付税を中心とするものと思われますが,一般財源の基本的な見通しと,公債依存度の動向をどのように見通しておられるのかお伺いいたします。  第2点は,先ほど申し上げましたように,国における赤字国債発行の早期脱却のため,財政削減としての地方に対する補助率一律カットの継続に対し,どのように受けとめ,その歯どめにどう対応しようと考えておられるのかお伺いいたします。  第3点は,5年計画事業のみならず,諸事業を遂行するためには,今後自主財源充実に期待することにあり,その重要性は一層高まってまいりますが,特に市税について,時代の変革に関係なく,市民の理解のもとに公平・適正な課税と円滑な納税推進は欠くことができないと考えますので,その原動力となる税務運営について,税収入対策のあり方及び税務全体の体制のあり方について,どのような展望をお持ちなのかお伺いいたしたいのであります。  次に,札幌市の国際化に関する諸問題について質問いたします。  わが会派は,これまで,北方都市会議を初めとする北方圏交流,姉妹都市交流,国際理解教育の推進,国際化時代に対応した都市環境の整備の諸問題について,国際都市さっぽろの実現という観点から一貫して取り上げてまいりました。  すなわち,開拓当時から国際的なかかわりの中で発展してきた本市が,今後,21世紀へ向けてより成熟した大都市の道を歩み続けていくためには,国際化の潮流に積極的に対応していくことが特に重要と考えるからであります。  本市は,これまで諸外国都市とのさまざまな交流を通し,広く世界に開かれた国際都市としての性格を年々強めておりますが,中でも四半世紀に及ぶ姉妹都市交流,国際的な冬の観光行事に発展した雪まつり,昭和47年に開催された冬季オリンピック大会は,国際都市さっぽろの名を世界に広め,市民の国際感覚の向上にも大きな貢献をしているのであります。  また,さきの臨時市議会で可決された新しい本市の基本構想におきましても,21世紀に向けた札幌の目指すべき方向の一つに「世界に結ぶ」と掲げております。また,その実現のために,現在策定中の第3次札幌市長期総合計画の基本課題の一つに「国際性を高める」を設定し,あらゆる分野で世界的な視野に立つ都市づくりを推進する考えでおるとお聞きしており,国際都市さっぽろに向けた市長の積極的な姿勢を高く評価するものであります。  私は,ここで本市の国際化の方向に関して改めて指摘しておきたいことが2点ほどございます。  一つは,本市が創建時から厳しい冬を克服しながらも,欧米を初め北方圏諸地域との結びつきの中で発展してきたという点であります。  これは,わが国の他の大都市と異なる大きな特徴であり,これまで進めてきた北方圏交流をより一層充実したものにしていくことが,本市の国際交流の最も基本的な方向であろうと考えるのであります。  二つ目は,およそ国際都市と言われる都市は,ニューヨーク,パリ,ウィーンの例を申し上げるまでもなく,独自の文化,産業,情報など,都市機能を背景に国際社会に大きな影響力を持った個性的な都市であるという点であります。  したがいまして,北方圏の拠点都市を目指す本市におきましては,北国の気候風土に根差した個性的な都市環境を初め,独自の文化,産業を創造していくことが特に重要な課題になってくると言えるでありましょう。  このような観点から本市の国際交流のあり方を考えますと,私は,札幌市が提唱してきた北方都市会議の目覚ましい発展に大変注目し,また非常に大きな期待を寄せているのであります。昭和57年に開催されました第1回会議は,6カ国9都市という比較的小規模な会議でありましたが,本市の都市づくりに非常に大きな影響を与えました。  また,本年2月第3回エドモントン会議では,12カ国17都市という大規模なものとなり,さらに一般参加が可能な冬の都市フォーラムや企業が参加する国際冬の見本市があわせて開催され,まさに北国情報が一堂に会する国際的複合コンベンションに発展したのであります。  また,エドモントン会議では,札幌市に北方都市会議の国際本部を設置することが決定されたとお聞きし,この会議を提唱した市長の先見性とリーダーシップに対し,改めて敬意を表したいと考えます。  私は,このような北方都市圏社会の中で札幌市が指導性を発揮していくことは,わが国の政府間外交を補完し,ひいては国際社会の発展と世界平和の実現に大きな貢献をしていくものと確信いたしておりますと同時に,市民の一人として大変誇りに思う次第であります。  しかしながら,本市に国際本部が設置され,北方都市会議がさらに発展を続けていくことに従い,国際社会に対する本市の責任と役割はますます大きなものになるでありましょう。また,本市の都市づくりや市民の生活の面で,会議の成果をどのように反映していくのかも重要な課題と考えるのであります。  そこで,北方都市会議の現状と将来方向,あるいは本市の都市づくりに果たす役割などについて,改めて市長のご所見を賜りたいと存じます。  第1点は,過去3回の会議を通して,具体的にどのような成果があったのか。特に,去る2月に行われました第3回の会議の成果と,それをどのように市政に反映していく考えなのかを,フォーラム,見本市等の関連行事を含めてご報告願いたいと存じます。  第2点目は,国際本部機構の内容についてでありますが,現在どのようなものをお考えになっているのか。また,将来北方都市会議の発展方向や今後の開催都市の見通しなどについても伺いたいと考えます。続きまして,本市の国際交流とコンベンションの推進施策について,そのソフト面を中心にお尋ねいたします。  本市の国際交流につきましては,先ほど申し上げましたように,多くの実績を積み重ねてきたところでありますが,特に姉妹都市交流は,相手都市との1対1の姉妹都市交流からさらに進んで,本市を中心としたポートランド,ミュンヘン,瀋陽の4都市間の面的交流へと新しい展開が図られております。  この国際交流を根底から支えてきたのは,市民による国際交流ボランティア活動であることは,だれしも認めるところであります。20年にわたろうとするホームステイ登録制度,10年を超えたボランティア通訳の登録制度は,いわば草の根交流とも言えるものであり,市民の国際感覚を育て,相互理解の輪を広げてきたのであります。  また,近年は,国際交流と並んで,あるいは地方自治体に,国際化の関連でコンベンションが注目され,国際的相互理解の促進と新しい情報が創出し,また都市機能のレベルアップ化,さらに都市化経済への波及など,コンベンション開催による効果はきわめて大きく,また多面的であります。  運輸省の調査によりますと,全国で120を超えている地方自治体が,このコンベンションに積極的姿勢を示しているとのことであり,本市ももちろんその一つであることは十分承知しております。昨年末,運輸省は,ソフト面,ハード面である程度条件が整っている自治体を国際コンベンションシティーに指定し,重点的な振興施策を講ずるという構想を打ち出しましたが,本市も先ごろ,正式な都市指定の申請を行ったと聞いております。こうした国際交流とコンベンションの動向の中で本市が進めている施策で注目されますのは,国際交流がコンベンションを生み出し,逆にコンベンションが国際交流を促進するという関係に視点を当てた両者の統一的推進組織,すなわち昨年6月,札幌国際交流プラザの設立であります。  この国際交流プラザは,他都市がそれぞれ別々に推進組織を設置しているのとは異なり,国際交流とコンベンションを有機的に連携させた組織として,全国的にもきわめて珍しいケースであり,札幌方式として他都市から注目を集めているところであります。  この国際交流プラザの活動については,開設以来本年1月まで1万4,000人余りの利用者があり,このうち2,000人程度が外国の方々と聞いておりますので,利用者数から見ても予想以上の成果を上げているものと評価できるものであります。  そこで,私は次の2点につきご質問いたします。  第1点は,国際交流プラザに対するニーズの大きさは高い利用率が示しているのでありますが,昨年6月の開館以来,これまでどのような事業を企画し,実施してきたのか。また,昭和63年度にどのような事業計画を持っているのか。国際交流とコンベンションの両面からお尋ねいたします。  第2点目は,国際交流プラザの組織形態についてであります。  指定都市の国際交流に関する組織を見ますと,横浜市,神戸市,名古屋市など10都市中6都市に財団法人の組織が設立されております。また,コンベンションの誘致受け入れなどの業務を行うコンベンションビューローにつきましては,神戸市,福岡市がすでに法人化されており,他の都市についても法人化を検討しているところが多いと聞いております。  現在の国際交流プラザは,その収入の大部分が札幌市の補助金であり,今後国際交流とコンベンションを積極的に進めていくためには,その推進組織と相応の財政的基盤が必要でないかと考えるのであります。  そこで,他都市の現況を踏まえ,また将来に向けて堅固な地盤を持つ推進組織の必要性を考慮し,国際交流プラザを現在の任意団体から法人化する考えがおありかどうかお伺いします。  以上4点について,市長の率直なご所見をお聞かせ願いたいと存じます。  次に,国民健康保険についてお伺いいたします。  国保の現状を見ますと,高齢者層の増加とともに,医療費は急激に伸びております。医療費の伸びに連動し,当然保険料も引き上げられ,国保の安定した財政運営が次第に困難になってくるところであります。国保事業を円滑に運営していくためには,歳入面と支出面にわたる経営努力を徹底していく必要がありますが,もはや国保だけの努力で解決のできない多くの問題を抱えていると思うのであります。  現在,被保険者にとっては,何といっても保険料の負担が大きな問題となっており,特に年金生活者の保険料負担は,もはや限度であるとの声が寄せられているところであります。  本市の保険料は,指定都市中で京都市と並んで最も高額でありますが,その基本となる医療費が高い以上,保険料も高くなるのは当然と言えばそれまででありますが,保険料が高過ぎて払うことができないという市民の声があることも事実であります。  今回,来年度の保険料のアップを,当初予定していた5%から4.5%に引き下げたことは一応評価できるものでありますが,保険料を値上げすることによって滞納がふえ,累積赤字をさらに増す結果になるのではないかと危惧をいたしているところであります。  しかしながら,そうはいっても,国保は加入者の医療費を支払うための保険であり,加入者が使った医療費を加入者みずから負担しなければならないのは当然であり,医療費が増加する限り保険料を引き上げざるを得ない実態であります。保険料が低いにこしたことはありませんが,そのためには,医療費の抑制がすべてと言って過言でありません。しかしながら,医療費は抑制の適正な手段が見出せない今日,今後,いまのままでは国保制度が維持存続していくことができるかどうか,きわめて憂慮しているところであります。  そこでお伺いいたしますが,今後の保険料の定め方について,基本的な考えについてお示しを願いたいのであります。  次に,収納率の確保の見通しについてであります。  保険料の収納率向上は,国民健康保険の財政基盤の強化と被保険者の負担公平を確保する上で,きわめて重要な課題であります。しかしながら,保険料の高騰,所得の伸びの鈍化などの要因も加わり,収納率の向上を図ることがきわめて困難な状況ではないかと思うのであります。しかし,どのような困難な事情があるにせよ,保険料の徴収は国保制度の根幹であり,なお一層の努力をしなければならないのであります。  本市の収納率は,昭和49年度以来年々低下し,55年度には90%を割り,57年度は83.76%まで低下したのであります。59年度を初年度とする収納率向上3ヵ年計画を策定し,種々の対策を実施することにより61年度は92.13%を確保し,収納率向上に努めたことは評価するところであります。本市においても,低所得者や高齢者等を多く抱え,滞納の形態も複雑化しており,収納対策はきわめて困難となっているものと思いますが,保険料の未収入金は,累積赤字の大きな要因となっております。  そこでお伺いいたしますが,昭和62年度の保険料の収縮率の見通しは,どのようになっているのか,お示しいただきたいのであります。  次に,累積赤字について。国保会計では,昭和61年度末までに157億円の累積赤字が生じ,事業そのものの存続が危ぶまれているところであります。この157億円の累積赤字のうち,59年度までの累積赤字93億円につきましては,これを解消するために,基金受け入れ等を行いながら対応などを講じているところであります。しかし,近年の情勢の変化,とりわけ医療費の異常な増高により,赤字額がふえ,157億円にもなった今日,そして今後もさらにふえるであろう累積赤字を考えたとき,制度の存続すら危ういというのではないかと危惧をしているところであります。  そこでお伺いいたしますが,市長はこの累積赤字の解消策をどのように考えておられるのか,お示しいただきたいのであります。  次に,転入医療についてであります。  現在の国保財政は,異常な医療費の増高から,道内各市町村はきわめて厳しい状況にあります。その中で,医療を受けるために大きな病院,高度医療の整った大都市に患者が集中するのは,ある意味ではやむを得ない現状でありますが,特に本市の集中は顕著なものになっております。  札幌市には,現在,全道の33%の医療施設が集中しており,特に高度専門医療施設が多く立地していることから,他市町村からの転入にかかわる医療費が年々増高する傾向にあります。  これに対して,59年度から,転入入院分についても道費助成の対象とされておりますが,この転入入院分にかかわる医療費負担は,国保財政の大きな負担となっており,自民クラブとしても道費助成の増額を強く要請していたところであります。したがって,このような本市の実情を十分説明し,道費の補助増額に市長も道に対し強く要請すべきと考えますがいかがでありましょうか。また,63年度の増額の見通しについてもお伺いしたいと存じます。  次に,保育料についてであります。  今回,市長から本市の保育料改定について,国の徴収基準額の改正動向や他都市の現状などを勘案して,平均3.7%の改定を行いたいとの提案がございました。保育所は,要するに経費については国と市の公費で負担するほか,保育所を利用する保護者にその一部を負担していただくという現行の保育所措置制度の趣旨は理解できるのでありますが,保育所を利用している小さなお子さんをお育てになっている若いお父さん,お母さんが大部分であると考えるのであります。  そう考えますと,改定で値上げになる額としては,入所児童1人当たりの平均にしますと月にして421円,年にして約5,000円ということでありますが,若年層の多い保育所利用者にとっては,毎年の改定は当然なことと理解するよりも,むしろ負担の強化というイメージをより一層強めているのではないでしょうか。あるいは,負担能力を無視しているとの批判を受けるのではないかと思うのであります。  確かに,今回の改定内容を見ますと,厳しい財政事情の中にあって,12億円余りの市費を持ち出し,保護者負担を緩和すべく配慮しているのは理解できますし,その結果,いわゆる国の徴収基準額に対する本市の軽減率は40%になっており,他の指定都市に比べて軽減率については評価するものであります。  最近の子供の出生率が減少傾向にありますが,反面婦人の就労機会が増加の傾向にあり,保育所を利用し共働きをなさっているご家庭が多くなっていると考えるのでありますが,適正な保育料によって,保育所がより多くの人の利用できる社会的施設であってほしいと願うものであります。  そこで質問いたしますが,13年連続して保育料を改定するということは,私も保育所を運営する者の一人として,本市が好んで改定しようとしているとは決して考えているものではありません。値上げという問題は,必ず反対感情が伴うだけに,いま一度行政の責任者として広く市民の納得のいく改定理由をお聞かせいただきたいと思うのであります。  質問の第2点は,先ほど申し上げましたとおり,保護者の適正な負担という面から,保育所の保育料のあり方については,今後どのような展望に立って,どのようにしていこうと考えているのか,お聞かせ願いたいのであります。  次に,屋内長水路プールの計画について提案を含め質問いたします。  私は,屋内長水路プール建設については,かねてから競泳者や水泳愛好者から,札幌市に建設されるのが長年の夢であったと聞いております。また,本市の議会におきましても,昭和53年以降,本会議や委員会におきまして,たびたび論議を重ねてきた経過の中で,昭和60年12月25日には約1万2,000名の署名運動をもとに,札幌水泳協会から屋内長水路ブール早期建設の請願が提出されるなど,一般市民の関心も一段と高まり,建設要望の声が強く叫ばれたのも,いまだ記憶に新しいところであります。  これらの経緯を踏まえて,昭和63年度からいよいよ実現に向けて工事に着手する計画となり,この大きな計画を英断されました市長に深く敬意を表するものであります。  このような長水路プール建設は,札幌市の体育行政においても傑出した事業となると思います。それだけに計画当初から広く識者の意見を聞くなど,準備に万全を期していただきたいと考えているのであります。工事費約30億円の多額な経費をかけるわけでありますから,慎重かつ大胆な発想のもとに,未来に誇りを待って残せる札幌の施設になるよう計画してほしいと願うのは,私一人だけではないと思うのであります。  このような大規模施設の計画に当たって,私が常日ごろ主張しておりますのは,豪華さより機能性に重点を置いた施設づくりであるべきと考えております。このような観点から,長水路プールについては,最近目立ってふえているといわれている水泳人口と,子供から大人までできる年齢層の幅広い日常的スポーツであり,水泳という大衆性を考慮した施設づくりをしていだだきたいと思うのであります。  そこで質問いたしますが,長水路プール建設に当たって基本的姿勢及び既設プールにはない特徴もあわせてお伺いいたします。  第2点の質問でありますが,長水路プールといいますと,かなり大規模な施設になると推察されます。札幌市内で初めての屋内長水路ブールでありますから,有効活用を積極的に進めていく必要があろうかと思います。  前段で述べましたとおり,広く一般への開放も当然なことですが,やはり全道規模の競技大会は言うに及ばず,全国・国際レベルの競技大会を開催してほしいと願っているわけであります。競技団体からのお話ですと,札幌では全国や国際レベルの大会は開催できなかったが,この長水路プールが完成すると,待望のこれらの大会ができるのではないかと大きな期待を持っているとのことであります。  そこで質問でありますが,国際大会等を開催するには,いろいろな規則があると聞いておりますが,現在の設計段階では,これらの願望にこたえる施設計画になっているのかお伺いいたします。また,あわせて,国際大会等の具体的な計画があるのかもあわせてお伺いいたします。  第3点は,運営のあり方についてであります。  長年の夢でありました屋内長水路ブールの建設に63年度からいよいよ着手するわけでありますが,建設計画と管理運営のあり方は,表裏一体の関係ではないかと考えております。この意味から,いまの計画の段階から,プールの管理運営の問題点を十分分析しながら検討に入っていく必要があろうかと思います。  私は運営について,過去の運営にとらわれず,いつももっと柔軟な姿勢で取り組むべきであると考えます。そこで,水泳シーズンの7月・8月は,現在のプールで行われている毎週1回の休館日はやめて,月1回にするとか,また,開館時間も延長するなど,安全対策にも一層意を用いて前向きの検討をしていただきたいと提案いたしますが,市長のご見解をお伺いいたします。  次に,西区に関する事項として,西区の自然環境・公園緑地を取り上げて,その現状や将来の展望について,日ごろ考えていることを申し述べながら,西区及び北区を含めた五つの連合町内会を流域にもつ新川の河川緑地構想及び62年度に取得されました農試公園の拡張計画とウインターパーク構想についてお伺いいたします。  西区の地理・地勢は,ご承知のごとく,広大な手稲山系から五天山・三角山につながる山並み,琴似発寒川・新川等の大小の河川,そして発寒川扇状地から石狩湾に向かう広大な平野部という三つの要素から成り立っております。すなわち,標高1,000メートルから数メートルの低地帯にまたがる,きわめて雄大なスケールの自然条件と自然資源を擁しているところであります。  一方,西区の近年の都市開発動向は,全市中でも最も活発であり,人口増加を一例にとりましても,過去5年間,昭和57年から62年まで実に12.7%の増加率で,また,今後の5ヵ年間の62年から67年で約10%増が想定されており,分区も昭和64年時に見込まれているわけですが,このようなまちづくりの進展に伴い,区内の自然環境の重要性や公園緑地の重要性はいよいよ高まるばかりであります。本市のまちづくりが開拓以来120年を経て,いよいよ21世紀に向け仕上げの段階に入っている今日,残された自然環境の重要な価値を適切な保全策として市政の中で位置づけ,取り組まれる必要をまず指摘し,要望しておきたいと考えるのであります。  さて,直接質問につながる河川についてでありますが,今日までに,琴似発寒川を北海道の砂防事業の進行に合わせ緑地化を進めてこられたように,区内の河川すべてに緑地計画を樹立し,河川改修工事と整合性を確保していただきたいものであります。とりわけ,西区管内の東西に延長約8キロにわたって貫流する新川は,大変貴重な緑地軸であり,利用の仕方によっては,大変魅力的な河川であります。西区及び北区を含めて五つの連合町内会にまたがる流域の住民は,その緑地化を一日千秋の思いでいると言っても過言でありません。この点に関しましては,私は,河川整備の段階や民意等,機は熟しておると考えるのでありますが,市長はいかがお考えでありましょうか,お伺いいたします。  次に,区内の公園についてでありますが,先ほど触れたとおり,区内の開発動向はきわめて活発であり,しかしながら,このような時期こそ,必要な公共施設用地を先行取得し確保し得る最後のチャンスではないでしょうか。おそらく最後と申すのは,現在の一連の開発がおさまりますと,他の大都市に例を見るまでもなく,本市も日ならずして,さまざまな用地取得難のために,土地の確保がほとんど不可能となることが予測されるのであります。  ところで,都市公園は,今日の高齢化社会への移行や自然との触れ合い,あるいは健康への関心が高まる中で,さらにその必要性や役割が高まってきております。その点で,本予算案に対前年比170%増の公園用地費が計上されておりますことは,以上のような認識の上に立った積極的な市長の姿勢を反映するものとして大いに歓迎するものでありますが,同時に,膨大な投資に見合った,よく利用される,市民の期待にこたえる公園であらねばならないということは言うまでもないところであります。  西区の公園については,従来より,旧琴似地域においても大規模な公園計画が立案されず,かねがね私どもとしては案じていたところでしたが,このたび農試公園の拡張用地を確保され,63年度より整備に取り組まれることは,大変喜ばしいことと考えております。本公園は,周辺地域にとりましては,やがて分区した暁には,区を代表する公園として,かつ,区としてのさまざまなイベントの場として活用されることになる重要な公園であり,その整備内容に注目しているところであります。  私は,本公園事業は,このような分区記念事業としての性格を有していると考えておりますが,ぜひとも従来にない画期的な公園づくりが強力に推進されることを願うものであります。そこで,本農試公園の整備概要を明らかにしていただきたいと考えるものであります。  次に,市長は,公約でウインターパーク構想の推進を掲げておられましたが,本農試公園において冬期間の公園利用についてどのようなお考えなのかお伺いしたいのであります。  以上述べてまいりましたように,山と川という西区の固有の自然的要素の条件をまず尊重し,適切な保全策と活用策を立て,これと町の中の公園計画を有機的に結合した緑濃いまちづくりを推進していくことを重ねて要望するものであります。  次に,JR札沼線と下手稲通の立体交差についてお尋ねいたします。  現在,JR函館本線及びJR札沼線の高架事業は,本年11月を完成のめどとして工事が進められており,従来,計画によりますと,JR札沼線の終点は下手稲通でございまして,この地点は在来線に接続され,下手稲通跨線橋の下を通る計画になっております。しかしながら,八軒,この地域は住宅密集地でございまして,下手稲通とJR札沼線により町が4分割されており,都市機能を生かす上から見ましても,最も効率の悪いところになっております。  特に,この札沼線沿線には琴似中央小学校がございまして,登下校の生徒が,およそ300人の児童生徒が八軒7条踏切を利用して通学しており,さらに,札沼線を挾んだ両側の公園に行き来する幼児も多いことから,父兄は常に事故の不安が絶えない状況にあります。  事実,札沼線にかかわる列車事故につきましては,以前から発生しておりますが,ごく最近では,昨年の3月に小学校1年生の子供が踏切で死亡し,さらに5月には,2歳と3歳の幼児が2人,線路わきで遊んで死亡するなど,とうとい命が失われており,地域住民より,踏切事故の絶滅に関して抜本的な解決要望の多いところとなっております。  一方,生活面におきましても,札沼線の西側,琴似栄町通を基幹とする商業地域が形成されており,さらに,JR琴似駅を初めとする交通・経済の一大ゾーンにつながるため,南北を分断するJR札沼線には,その利便性においても,最も最大のネックではないかと思われます。  市長は昨年,議会におきまして,新川通及び琴似栄町通にかかわるJR札沼線の高架促進につきましては,連続して高架をする方途とのご答弁をされており,地域住民はともども,大いに期待をいたしているところであります。地域活性化を図る意味で,八軒地区の分割化を避けるためにも,ぜひ現在の国鉄高架終点からさらに延長して連続高架とし,下手稲通の跨線橋を撤去したほうが,今後のまちづくりの上で最も利点が多いのではないかと思うのであります。  この連続の高架により,4ヵ所の踏切が解消され,危険箇所がなくなり,踏切事故を初めとする列車事故の絶滅の悲願が達成されるのであります。また,分断されている地域の解消されますことと,沿道商店街により一層大きな振興を助長し,地域経済の活性化となることになり,市長が常に提唱しております地域格差の是正を図ることにもつながるものと思います。  したがいまして,私は,この高架化を,本来の目的を達成するために,地域百年の大計から,JR札沼線を連続高架とするとともに,下手稲通の跨線橋を改修し,平面で同高架の下を通すよう計画を変更し,英断をもって事業を進めるべきと考えますが,このことにつきまして市長のお考えをお伺いいたしたいのであります。  以上をもちまして,私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。 ◎市長(板垣武四君) まず第1点の,新5年計画における一般財源の見通し及び公債依存度の動向についてでございます。  今日のように先行き不透明な経済情勢及び国の財政状況を考えますとき,5年計画の財政状況を見通すということは,非常に難しい点が多いのでございます。先ほど常見議員にもお答えを申し上げましたとおり,新5年計画における市税や地方交付税などの一般財源の算定につきましては,現下の経済情勢が今後も維持されるという前提条件で試算したところでございますが,経済情勢に大きな変化が生じない限り,十分確保できるものと考えております。  また,公債依存度につきましても,本市の予算規模の推移や適債事業の実施状況及び毎年度の地方財政対策など不確的な要因が多いために,正確な見通しは立てにくいわけでございますけれども,新5年計画事業における起債依存割合は,現5年計画に比べ若干下回る36%と見込んでおり,また,一般会計ベースでの公債依存率で申し上げますと,最近5ヵ年間と同じ程度の9%前後で推移するものと思われます。  次に第2点目の,国における国庫補助負担率の引下げにかかわる問題でございますが,国におきましては,最近の景気の回復による税収の増や,NTT株の売却による収入の好転などにより,一時は絶望視されておりました65年度財政再建実現の可能性ができたと報道されております。しかし,そのためには,64年度以降,国債償還にかかわる定率繰り入れを中止するということ,国庫補助負担率引下げの継続など,一般歳出の伸び率を0.7%程度に抑制することが前提とされているように聞いております。  しかしながら,昨日松浦議員にお答えを申し上げましたとおり,現在行われているような,単に国の歳出削減のみを先行させた国庫補助負担率の引下げは強く反対してきたところであり,64年度以降も同様の措置が継続されないように,関係団体ともども,国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  第3点目の税務についての問題でございますが,お話にございますように,市税の確保につきましては,市民負担の公平の見地からも,税務運営の基本でありますことから,これまでも,公平適正な課税と,納税者の方々との面接による納税相談などを通じて,でき得る限り賦課徴収に努力を払っているところでございます。しかしなから,納税者の中には,担税力の弱い方も多くございまして,このことも未収額の増加を招いている大きな要因になっております。  そこで,来たるべき社会情勢に対応した税務行政についても検討していかなければならない時期に来ており,今後,時代の変革に対応した税務運営のあり方の見直しや,納税者の実態に対応した適切な措置を行うことが望ましいと考えておりますので,将来を見通し,体制をどうすべきかということについてさらに総合的に調査・研究を進め,税務全体について効果的な執行体制の確立を図ってまいりたいと考えております。  次に,本市の国際化に関する諸問題についてお答えをいたします。  第1点目の,北方都市会議の成果についてでございます。  北方都市会議は,このたびの会議で3回目になりますが,参加都市が第1回会議の2倍に増加するなど,多様な国際交流の場として著しく発展をしてきており,これまでの努力が実を結んだと,こう実感をいたしております。
     本市では,これまで,冬の都市景観づくりや省エネルギー対策など,会議の成果を数多く市政に反映させてまいりました。今回も,たとえば,ミネアポリス市のスカイウェー計画,ストックホルム市の自然と調和したコンパクトな都市づくり,エドモントン市の屋内公園の普及など,興味深い報告があり,今後十分参考にしてまいりたいと考えております。  さらに,雪対策や省エネルギーの技術など,本市が市民とともに取り組んでまいりましたさまざまな技術開発が,ようやく世界の都市から注目され始めたことも,今回の大きな成果であると考えます。  第2点目は,北方都市会議の国際事務局の設置と将来方向についてでございます。  これまで,北方都市会議の開催都市は,札幌市が提唱都市の立場で調整をしてまいりましたが,多くの都市がこの会議の開催意向を示すなど,世界的な関心が高まってまいりました中で,本格的な事務局の設置が強く求められ,これに対して,札幌市と五つの都市で構成する北方都市会議委員会を結成をして,その本部事務局を札幌に置くことに決定されたのでございます。  北方都市会議は,北方圏の都市間相互交流に今後さらに大きな役割を果たすものであり,2年ごとに北方圏各地で開催することを基本とし,テーマにつきましても,十分検討を加えながら,その発展に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,国際交流プラザについての第1点目のご質問でございますが,国際交流の面では,サロンディスカッションや各種セミナー,そして在札外国人のための日本語教室など,数多くの交流事業を実施をし,その成果も予想以上のものがあったと存じております。同時に,ボランティア活動の窓口として,ホームスティやボランティア通訳の登録・紹介などの業務を行っております。  また,コンベンションにつきましては,今年度はビューローの基礎固めの年として,各種コンベンション資料の作成そして整備,そしてホテル・旅行代理店・運輸業者といったコンベンション関連業界との懇談会,セミナー等を通じて連携を深める努力をしてまいりました。  63年度は,これらの事業をさらに推進するとともに,国際交流につきましては,新たな視点から,市民ニーズに合った交流プログラムを企画するとともに,特に市民からの要望が強い海外生活情報の整備拡充を図ることといたしております。  また,コンベンションにつきましては,情報等の基盤整備を進めるとともに,コンベンションの企画や誘致活動に取り組んでいくことといたしております。さらに,本市内でのコンベンション開催に関する相談あるいは照会がすでに多く寄せられており,これらに対しても積極的な支援をすることにいたしております。  第2点目のご質問でございますが,国際交流とコンベンションを推進するためには,民間の活力を生かしながら,民間と行政が協力していくということが重要であり,そのための組織といたしましては,両者が手を携えた公益的な形態のものが必要でございます。この考えのもとに,国際交流プラザは,現在,任意団体として市と民間の方による委員会で運営をし,市と商工会議所からの派遣職員で事業を実施いたしており,これまでの事業成果が予想をはるかに上回っておりますことは,これはご承知をいただいているところだと存じます。  ご指摘の法人化の問題につきましては,事業の拡大を図る上での課題であると認識をしておりますので,今後の事業展開を見きわめながら検討を進めてまいりたい,このように考えております。  次に,一つ飛びまして保育料についてでございます。  ご質問の第1点目は,その改定の理由でございます。  本市は従来から,国の保有料の基準額を大幅に軽減をし,自主的に独自の保育料を設定してきたところでございます。国の基準額は,児童の給食材料費の改善や職員の給与の改定による措置費の上昇があれば,必ずそれに連動して改正されてきており,昭和63年度におきましても,その改正が見込まれているわけでございます。  こうした状況の中で,保育料を据え置くということは,市民負担の公平を失することになるとともに,後年度に大きな負担をもたらすことにもなります。また保育料を軽減することは,多額の一般財源を持ち出すということでもあり,これにもおのずから限度があろうかと考えております。  したがいまして,国と市と受益者である保護者で負担を分かち合うという原則のもとで,それぞれが応分の負担をすることが適切であると考えているものでございます。以上申し上げました観点から,このたびの3.78%の改定をお願いするものでございます。  ご質間の第2点目は,保育料のあり方についてでございます。  本市は,昭和51年1月26日にいただきました児童福祉審議会のご意見を基本として,社会・経済情勢の変化,他都市の状況なども参考にしながら,特に近年は,政令指定都市の平均的な水準を一応の日的として改定をしてまいりましたが,昨年の第2回定例会におきまして八田議員のご質問にお答えを申し上げましたように,現在,本市社会福祉審議会児童福祉専門分科会において,改めて,今後の保育料のあり方についてご審議をいただいているところでございます。したがいまして,そのご意見をいただいた段階で,本市としての今後の保育料のあり方について慎重に検討をしたい,このように考えております。  次に,屋内長水路プールについての問題でございます。  ご質問の第1点目の,建設計画の基本姿勢と特徴についてでございますが,屋内長水路プールの建設は,一般遊泳者から,あるいは競技者までのいわゆる水泳愛好者から,ぜび長水路で泳ぎたいという熱望にこたえるために計画に踏み切ったものでございます。したがいまして,建設の基本姿勢は,これらのご要望に沿うように,50メーター公認プールを設け,さらに,一般開放の場合は初心者用,競技大会の場合は練習用になる25メートルプールもあわせて配置をする計画でございます。また,特徴についてでございますが,機能面では,一般遊泳者の利用及び競技大会にも対応てきるような配置計画や観客収容の配慮,また設備面では,保温効果を高め,同時に,水泳種目や対象者に応じて水の深さが調整できる,プールの底の床可動装置,床が上下できる装置の計画と特徴を持った施設にしたいと考えております。その他具体的なことは,現在進めております設計諸案を待って明らかにしたいと考えております。  ご質問の第2点目の,国際大会にこたえられる施設計画になっているかどうかという点でありますが,計画内容は,公認50メーターと25メータープールの設置,また,固定,仮設を合わせて約2,000人収容の観客席を計画いたしておりますので,国内の主要大会や日本水泳連盟が主催する国際大会の開催は可能となります。  これらの大会の具体的計画でございますが,来年は9月下旬から札幌市で,全国身体障害者スポーツ大会の水泳競技大会を予定しております。さらに,アジア地域における国際大会を誘致すべく準備中でございます。  第3点目の,運営にかかわります開館の期間あるいは時間に対するご提案がございましたが,ご趣旨に沿いますように,その実現に向けて努力をしたい,こう考えております。  次に,西区に関する諸問題についてでございます。  第1点目の河川の緑地化についてでありますが,全市的にも河川が貴重な緑地資源であり,従来までも,豊平川あるいは発寒川などの整備をしてまいりましたが,市民の整備に対する要望も高まりつつあることから,今後も重点的に整備を進めていきたいと考えております。新川の緑地化につきましても,現在,河川管理者である北海道と協議を進めており,5年計画において,緑化に必要な法的手続を行い,整備を進めてまいりたいと考えております。  第2点目の農試公園に関するご質問でございますが,農試公園は昭和62年度に約4ヘクタールの用地を確保し,既存部分と合わせて12.4ヘクタールの運動公園として,昭和63年度から4ヵ年をかけて整備をする予定でございます。整備に当たりましては,既存部分の一部手直しを含め,周辺地域住民の健康増進のために,日常的に気軽に利用できる健康運動型の公園整備を考えております。  また,ウインターパーク構想のモデル事業として位置づけ,屋内広場を核に,雪の広場や歩くスキーコース,スキースロープ等の各種冬季利用施設を設けて,市民とともにイベントを企画し,冬でも生き生きとした公園づくりを考えているところでございます。  次に,3点目のJR札沼線と下手稲通の立体交差についてでございます。  この交差部は,現在,跨線橋として立体交差化されておりますが,札沼線は,この跨線橋を挾んで桑園側では函館本線に関連して高架工事が行われ,また,新琴似側では新川通にかかわる高架を計画しているところでございます。  そこで,ご質問にありましたように,下手稲通の跨線橋をなくし,この二つの高架を連続して一体的な高架としたほうが,線路で分断されている地域の交流が図れるなど,一層事業効果が大きく,将来のまちづくりの上からも理想的であろうと存じますので,今後,そのような方向で関係機関と協議を進めてまいりたい,このように考えております。私から以上でございます。 ○議長(吉野晃司君) 蒲谷助役。 ◎助役(蒲谷亮一君) ご質問の3番目の国民健康保険の問題についてお答えをいたします。  第1点目は,保険料決定の基本的な考え方についてでございます。  国民健康保険制度といたしましては,医療費を中心とする歳出に連動をして,保険料を引き上げなければならない仕組みになっております。したがいまして,基本的には,医療費の増加に伴って保険料を引き上げざるを得ないと考えておりますが,従来と同様,被保険者の負担をできるだけ緩和をするように,十分配慮をしてまいりたいと考えております。  第2点目は,収納率確保の見通しについてでございます。  現在における収納率は,前年度とほぼ同じ推移を示しておりまして,目標の93%の達成につきましては,非常に厳しい状況にございますが,なお,最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  第3点目は,累積赤字についてでございます。  本市の国保会計は,昭和54年度に赤字決算となりまして以来,昭和61年度末までの累積赤字は157億円になっております。国保財政の健全化を図りますためには,保険料徴収率の向上,医療費適正化対策の推進など,保険者として最大限の経営努力をし,まず収支のバランスのとれた国保財政の運用を目指すことが,何よりも大切でございます。  ご指摘のとおり,59年度末までの累積赤字93億円につきましては,一般会計からの繰り入れを行って解消を図っているところでございますが,新たに発生をした赤字額につきましては,制度改正による影響分の国の補てん措置,あるいは,今後の制度改正の展望を踏まえながら解消策を検討してまいりたいと考えております。  4点目は,転入医療についてでございます。  道費補助の増額につきましては,本市の置かれている実情を十分説明し,知事に直接要請を行ったところでございますが,きわめて厳しい状況でございます。今後も引き続き本市の実情を訴え,増額要請を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(吉野晃司君) ここで,およそ20分間休憩いたします。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後3時58分      再 開 午後4時21分  ―――――――――――――――――― ○副議長(滝沢隆君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問の続行であります。菊田勝雄君。  (菊田勝雄君登壇・拍手) ◆菊田勝雄君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,昭和63年度予算案を初めとして,当面する市民の切実な要求を柱として市長並びに教育長に質問をするものであります。  なお,質問に先立ちまして,私が要請をいたしました文書質問に対して,その調整に当たられました関係職員の皆さんに対して,この場合,改めて感謝を申し上げる次第であります。  私の最初の質問は,予算編成の基本と新5年計画についてであります。  昨年末に決められた国の63年度予算案は,引き続き国庫負担金・補助金のカットを進め,地方への財政負担を押しつけるものでありますが,このようなやり方は,地方自治体がみずから,福祉,教育の切り捨ての先兵となるようにし向けることをねらったものであります。1年限りの約束を強調した60年度の5,800億円のカット,61年度には,それをあっさりほごにして3年間の時限措置にし,カット額も1兆2,800億円に拡大。これ以上のカットは行わないと文書による約束をしたにもかかわらず,これをも投げ捨てて2,170億円ものカットを上乗せして昭和62年度,そしてこのカットの継続と国民健康保険制度の改悪が63年度の予算であります。  時限措置による63年度への影響額は,61年度カット分が1兆4,000億円,62年度カット上乗せ分が2,569億円,合計1兆6,569億円に膨らんでおります。ところが,この巨額のカットの補てんは,またもやその大半が建設地方債の増発であります。すなわち,このための建設地方債は,63年度1兆3,874億円で,カット額の84%を占めております。これは第1に,国のカット分を地方の借金に肩がわりをさせるという点で,第2に,福祉,教育に充てられる財源を削っておきながら,投資的事業にしか充てられない建設地方債を増発させることによって,地方財政を福祉・教育切り捨て型に,そして公共事業拡大型への構造転換を促進するという点で,二重に許すことができない内容であります。  地方財政の借金体質は,そのほかにも,ふるさとづくり特別対策事業など,地方単独事業のための地方債の増発が加わり,一層深まることになるでありましょう。地方の借金総額ともいうべき地方債残高は,63年度すでに地方財政規模を上回る約67兆円に達しております。60年度決算で,起債制限を受ける公債比率20%を超える自治体が全体の31.4%に及んでいるのを見るとき,国庫負担の一方的なカットなどによる借金の押しつけがいかに地方財政の危機を拡大しているか,明らかであります。  ところが,高率補助金,国庫負担金カットの時限措置は63年度で期限切れになるにもかかわらず,政府自民党はこの無期限延長をねらっており,これを許すのか,それとももとに戻させるのかは,政府と地方自治体の今年の最大の闘争課題ともなっているのであります。  このような中で編成をされた63年度の本市予算案は,基本的には,第1に,「選挙の翌年は値上げ」のサイクルを貫く市民負担強化の予算。第2に,政府のにせ物の行政改革に忠実に従う予算。第3に,新長期総合計画のもとでの新たな大企業奉仕のまちづくり推進の,予算。第4に,大企業優遇の一方で,市民の切実な教育,福祉,暮らしの要求に背を向けた予算と言えるでありましょう。  さらに,さきの臨時市議会でのわが党の反対を押し切って可決した本市の基本構想並びに新長計が,第1に,旧計画の総括と反省に立っていないこと。第2に,目標とする都市像から生活都市,非核平和都市の理念が欠落をしたこと。第3に,人口抑制基調を放棄して人口膨張政策に転換をしたこと。第4に,札幌複合交流圏を設定して,苫東など破綻した北海道の大型プロジェクトに新たな接近を開始したこと。第5に,計画への市民参加が図られていないこと。第6に,後退した市民福祉にかかわる指標の設定と,問題を含むプログラム方式による計画推進など,政府追随,市民不在,大企業奉仕の計画であるだけに,この計画をベースにした5年計画や予算編成もまた,市民との矛盾が今後一層拡大するのであろうことは必至であると考えるものであります。  以上の観点から,以下5点の質問を行います。  質問の第1は,政府の予算編成方針と地方財政対策についてであります。  60年度1年限りの措置として強行された国庫補助負担率の引下げが,61年度以降は3年間の暫定措置として定着をさせられ,今日に至っているのでありますが,赤字国債の解消など,国の財政対策として打ち出された地方無視のこのような暴挙のもとで,地方自治体の借金依存がかつてなく高まり,この3年間で,公債費比率,これが20%を超える自治体が545から1,036自治体へと倍増し,地方債残高が10兆円も増大した現状を市長はどのように認識しているのでありましょうか,まずお示しを願いたいのであります。  64年度以降,現行ルールに基づく国庫補助負担金制度が間違いなく回復するとの見通しを持っておられるのかどうか。もし,仮に約束違反の新たな事態が生じた場合,政府にどう対応されようとしているのか,お示しを願いたいのであります。  また,地方自治体の予算編成に対する国の指導として,今年1月21日,都道府県総務部長・指定都市財政局長会議における自治省財政課長の報告に見られるように,職員定数の削減,経常経費の縮減,民間委託の推進,使用料・手数料の適正化などが強調されているのでありますが,これは,市民サービスの低下と市民負担の強化を求めるものであります。市長は,すでにこのような国の方針に忠実に従った市政執行を図っているようでありますが,この機会に改めて,このような政府の住民無視の姿勢についてどう受けとめておられるのか,見解を明らかにしていただきたいのであります。  質問の第2は,政府が財界と一体となって進める地方行革の中で,その基調的理念として押し出されてきている,いわゆる都市経営論についてであります。  鈴木東京都知事を委員長とし,自治省が全面的にバックアップをした都市行財政研究委員会が9年前に発表した「新しい都市経営の方向」についての報告は,政府関係者などから「都市経営の憲法」とまで持ち上げられているものでありますが,この報告で強調されているのは,都市に権限と財源を思い切って委譲することによって,自治の基盤強化を図ることが必要だとしながらも,市民は,負担をしながら自治体に都市経営を委託する要求だけの参加から,負担を伴う市民参加への転換を図る。自治体は何でも国に求めるのではなく,自分たちのことは自分たちでやるよう姿勢と意識の転換を図る。そのためにも,効率的な都市経営が欠かせない。社会的公正を考え,弱者対策の拡大を抑え,市民福祉にかかわる事業にも原価主義を持ち込み,受益と負担の適正化を図る,ということであります。  必要な権限と財源を事業とあわせて国から地方に回すことは,地方自治,住民自治の確立にとって欠かせない課題であり,また一方,国民が負担した税を,国,地方の行政を通して社会にどう還元するか,必要な市民福祉の事業をその中でどう確保するかが大前提でありますのに,いわゆる都市経営論は,その前提が外されてひとり歩きをして,効率的行政の名のもとに市民福祉の事業が抑えられ,市民負担を求める理論的根拠とされているのであります。  改訂された本市基本構想の中に,あえて 「都市経営」の字句を挿入された市長は私が指摘をした問題点を含め,いわゆる都市経営論についてどのような評価をお持ちでありましょうか,明らかにしていただきたいのであります。  質問の第3は,一斉の使用料・手数料の値上げについてであります。  30項目にも及ぶ軒並みの使用料・手数料の値上げの根拠は一体何でありましょう。国民健康保険料を除く一般の使用料・手数料の値上げに伴う増収は,およそ10億円と見込まれておりますが,そのうち,道路占用料や清掃手数料など,特定企業などの負担にかかわるものを除くと,一般市民の負担にかかわるものはおよそ5億円でありますが,この背景に,値上げしなければどうにもならないというほどのせっぱ詰まった事情は全く見られないのであります。  62年度の決算見込みでも,市税収入が予算に比して91億円も増収になっているではありませんか。そのうちの20億円を62年度最後の補正予算財源としながらも,なお71億円は予算に計上しないまま決算に持ち込むという異常な財政運営を一方でやっているではありませんか。諸物価も上がっているなどという理由は成り立ちません。  一方で,市民の生活実態はどうでしょうか。最近の発表でも,勤労市民の実質賃金は低下をしており,このことは個人市民税の伸び悩みにもはっきりあらわれております。要は,4年に1回,選挙の翌年は値上げ,板垣市長が続けてきたこのパターンを崩さない,原価主義からいっても値上げは必要だということのようであります。実態を踏まえての値上げでないことは,新5年計画の財源見通しの中に,67年度においても,使用料・手数料の値上げが組み込まれていることでも証明されるのであります。  青少年料学館などの社会教育施設,市民の体育・文化の振興に欠かせない各種体育・文化施設,地域コミュニティーの場として利用されている集会施設などは,本来無料か,ごくごく低廉な使用料とすべきものであります。現に,円山動物園や藻岩山ロープウェーなどは,子供たちに無料開放しており,児童会館などで使用料を取っていないのも当然のことなのであります。  今回の一連の値上げは,行政目的からいってもきわめて不当であります。また,他との均衡などを理由にしての高等看護学院の50%もの授業料値上げを初め,保育所と市立幼稚園の保育料の値上げ提案などは,民間施設の値上げを誘発する悪循環となりかねないものであり,窓口での各種証明等の手数料の大幅値上げとあわせて,市民の生活実態を無視するものと言わなければなりません。行政目的を遂行する上での配慮や,市民負担の抑制についての配慮がどのように行われたのでありましょうか。政治抜きの原価主義が大手を振るって値上げを決めているように思えてならないのでありますが,いかがでありましょうか。  質問の第4は,市民福祉にかかわる事業の抑制についてであります。  新5年計画を見てまず目につくのは,市民の要求の強い事業が盛り込まれていないことであり,市民福祉の事業が抑制されていることであります。たとえばいま,教育環境整備についての市民の要求は,マンモス学校・すし詰め学級の解消とあわせて,中学校の完全給食,学童保育の事業拡充,学校プールの設置などでありますが,学校給食や学童保育の事業は5年計画に盛り込まれず,学校整備とプールの設置も,前計画とさほど変わりばえのしない内容であります。保育所や老人福祉センター,特別養護老人ホーム,これらの建設計画もトーンダウン。児童公園など公園造成事業,歩道整備,市営住宅建設などは,前計画よりも相当落ち込むといった状況であります。  このことは,当然のことながら63年度予算案にも反映しております。前5年計画の進捗状況を見ても,総じてこれらの事業はおくれており,計画自体の問題とあわせて,その推進にももう一つの問題があるというのが実態であります。  市民の命と暮らしに直結するこれらの事業が,計画の段階で抑制をされ,実施の段階でもう一度抑制される市政の実態は,一方では,テクノパークなどに進出する大企業等に1社当たり1億円の助成,10億円の融資,しかも,市がじきじきに債務保証を行うという,至れり尽くせりの優遇措置をとっているのと比較するとき,5年計画でも国際化,情報化などのまちづくり事業の最優先とされていることを比較するとき,市民が願う市民福祉の事業との間には,天と地ほどの差があることを感ぜざるを得ないのでありますが,63年度予算や新5年計画を踏まえて,市長はこのことをどのように市民に説明をされるのか,明らかにしていただきたいのであります。  質問の第5は,新大型間接税の問題についてであります。  昨年の一斉地方選挙で争点の一つに売上税が座ったように,この問題は国政の問題でありながら,地方政治にかかわる者が避けて通れない課題となり,市民の関心事となっているのであります。まだ全容がはっきりしないと言われながらも,国会や税調の論議などを通して次第にその姿をあらわしてきた新型間接税は,非課税品目を設けずに,10兆円前後の税収をもくろむなど,国民の反対でつぶされた売上税にまさるとも劣らない悪税であることが今日鮮明になってきたのであります。担税力に応じた税負担や,生活費非課税といった今日の日本の現制度の根幹をなしている原則が根底から覆される最悪の大衆課税の強行について,国民的な反対世論が広まり,改めて市民の導入反対の運動も高まってきている今日,市長は市民生活を守る立場で,反対の意思表示を行うとともに,市民の運動の先頭に立つべきだと考えますが,いかがでありましょうか。明快なご答弁を得たいものであります。  次に,国民健康保険についてお尋ねをします。  昨年,自民党政府は,国民健康保険の財政危機を口実に,低所得者を国保本体から切り離し,国の負担を大幅に削減しながら,それを地方自治体に転嫁する「福祉医療制度」の創設を打ち出しましたが,全国の自治体初め国民の強い批判を受けて,実施をすることができなかったのであります。ところが政府は,強い国民の批判を無視して,地域差調整システムや老人医療への国庫負担のカット,そして長期入院患者の追い出しなどの改悪を強行し,今国会では,国民健康保険法の改悪を進めようとしているのでありますが,断じて容認できないところであります。  わが党は,国保財政の危機打開は,国の負担と責任で進めるべきであり,国保の制度上の矛盾を安易に国民にしわ寄せをすべきではありません。当然本市においても,18年連続の国保料の値上げは撤回すべきであることを強く主張する立場から,以下6点の質問をいたします。  質問の第1は,今回の制度改悪についてであります。  今回,国は1円も負担をふやさずに,都道府県と市町村にそれぞれ250億円を負担させる保険基盤安定制度を創設する一方で,老人保険拠出金への国庫負担を460億円もこれを削減しております。市長は,このような国のやり方が,真に国保財政の危機打開につながると認識されているのかどうか,まずこの評価についてお尋ねをいたします。  また,国保財政の危機打開は,国の責任において財政的裏づけをもってなされるべきであり,当面,国庫負担の削減をやめさせ,退職者医療制度創設時に削減をされた国庫負担率38.5%をもとの45%に戻すこと。52年度から61年度までの10年間だけでも48億円に上る本市の国保事務費に対する超過負担の速やかな解消を国に強く要求すべきと考えますが,市長の対処方針についてお尋ねをします。  質問の第2は,地域医療適正化プログラムについてであります。  今回の改悪の中心とも言えるこの事業は,63年度,64年度の医療費の実績を見て,全国平均の医療費を基準医療費と設定をし,これを上回る医療費の自治体を対象に65年度から実施に移し,地方自治体に対するぺナルティーとして国庫負担を削減し,保険料値上げを自治体に迫るものであります。これは,すでに老人医療費において調整外対象医療費として実施されているものを,国保全体に広げることをねらったものであります。これが実施に移された場合,本市の場合,最も大きな影響を受けることになるのであります。地域のさまざまな特殊な事情,実態を無視して,国庫負担削減のための医療費抑制を目的に一律にぺナルティーをかけるこのようなやり方は絶対に容認できないところであり,強く反対すべきだと考えますが,老人医療の調整外対象医療費も含めての市長の見解並びに対処方針についてお尋ねをいたします。  質問の第3は,退職者医療等にかかわる国庫負担の未補てんについてであります。  退職者医療創設時の国の移行人員の見込み違いから生じた1,008億円の未補てん分については,今国会での補正予算によって処理されたところであります。しかし,これによる本市分は,わずかに10億円程度しか見込まれず,本市の実態と大きく離れたものであります。本市の場合,これらによる未補てん額は43億円に上っており,国が今回補てんしようとした対象年度分だけでも23億円に達しております。このような実態とかけ離れた国の補てんをどう考えておられるのか。43億円全額を措置させるべきだと考えますが,市長の対処方針,さらには見通しについてお示しを願いたいのであります。  質問の第4は,国保に対する道費補助についてであります。  札幌市外から本市に流入してきて,しかも病院に住所を置き入院をしている,いわゆる転入入院が,61年度で見ても延べ1万人を超え,月平均で860人にも上っており,そのための医療費は27億円であり,62年度は30億円にもなると言われています。医療機関が集中する本市で,必要な医療を受けようとするこれら道民の要求は当然のことでありますが,これに要する医療費については,本市国保加入者の保険料で賄うということは問題であります。これは,当然,全道に広域的な行政責任を負う道が,財政的にも責任をもって負担すべきものでありますが,現在,道の本市国保への補助金は3億5,000万円にとどまっております。医療費に見合った補助の大幅増額を道に強く求めるべきだと考えますが,いかがでありましょうか。また,市外からの転入入院に伴う医療費については,医療費計算の基礎から外し,別枠として,本市国保加入者の保険料にはね返らないようにすべきだと考えますが,いかがでありましょうかお尋ねをいたします。  質問の第5は,保険料の値上げについてであります。  新年度の保険料の値上げは前年比4.5%で,9億円の増収を図ろうとするものでありますが,すでに国保料は,国保加入者の支払い能力をはるかに超えており,これ以上の値上げは,とうてい容認できるものではありません。保険料軽減のための一般会計からの繰り入れは,62年度約25億円を新年度は49億円へと増額しておりますが,さらに9億円繰り入れをふやすならば値上げを抑えることができるのであります。あと9億円の繰り入れができないその理由は一体どこにあるのか,お示しを願います。  また,新年度も保険料の負担割合を低所得層により負担が高くなるように所得割を2%削減し,均等割を2%ふやしている問題についてでありますが,特に,資産割を廃止したときに,均等割,平等割を引き上げたのに続いて,60年度以降,毎年所得割を引き上げ,その分,均等割や平等割に転嫁をしてきた結果,平均改定率が4.5%と説明されている今回の値上げで,3人モデルで年収160万円以下の世帯は14%以上の値上げになるのであります。  このように,低所得者層に重い負担となるやり方,すなわち,応能負担分は削減しながら,応益負担分をふやすやり方を改めるべきだと考えますが,そのお考えがおありかどうか,市長のご所見を伺うものであります。  質問の第6は,長期入院患者の追い出しについてであります。  厚生省は,昨年8月19日付の国民健康保険課長名の「長期入院患者の家庭復帰等促進モデル事業の実施について」という通知を出し,モデルとして,全国で10ヵ所の国保連合会を対象に実施しようとするものです。これを受けて北海道国保連合会も,老人の在宅医療にかかおる被保険者教育事業と称して,6ヵ月以上の老人の長期入院患者をリストアップし,病院から追い出し,在宅療養への切りかえを図ろうとしております。本市もこれを積極的に推進しようとしているのであります。  本市では,昨年10月と本年1月の2回のリストアップによる2,899件のうち,精神や結核などの患者を除外した2,244件を対象とし,当面,これら患者が集中している11医療機関での抽出調査を行うもので,51件のケースで実施しようとしております。これら対象となる患者は老人であり,通院が困難な患者が多く,在宅医療に切りかえられた場合に,十分な医療も受けられず,風邪をこじらすと肺炎を併発し,寿命を縮めることが容易に予想をされるのであります。現在,在宅療養の条件整備がなされていない状況のもとでのこのような事業は実施すべきではないと考えますが,市長の対処方針をお示し願いたいのであります。  次に,教育問題について質問をいたします。  質問の第1は,臨教審答申に基づく初任者研修制度についてであります。
     今日,いじめや非行,学力の落ちこぼれなど教育の荒廃が深刻化しているだけに,学校教育とその中心的担い手である教職員に課せられた責任は,きわめて大きなものがあります。それだけに,教員みずからが不断にその力量を高め,人格陶冶に努めて,教育の専門家として,父母や国民の期待にこたえ得るよう全力を挙げなければならないことは当然のことであります。とりわけ新任の教員は,新鮮な意欲と情熱を発揮し,子供たちとの触れ合いを通じ,教職員集団の相互援助と切磋琢磨の中で大いに力量を培うことが要求されております。  ところが,市教委が63年度試行しようとしている初任者研修は,文部省の指示に従い,70日間の校内研修,25日間の校外研修,4泊5日の宿泊研修など,週3日間は研修に充てられ,しかも,一人一人には指導教員が配置をされ,その監視と指導のもとに「研修生」として扱われ,条件つき採用期間が,現行の6ヵ月から1年に延長され,身分的にもきわめて不安定な状態に置かれるものにほかなりません。  いま,教員の力量を高めるために求められているのは,教育公務員特別法に基づいて,「自主的研修」を行政が十分な予算を確保して保障し,学校運営を初め,学校教育の自主性を尊重することであります。  さらに,教員の力量が学校教育の場で生かされ,多様多彩な創意あふれる教育活動が展開されるためには,40人以下の学級の実現やマンモス校の解消を初め,必要な教職員の増員など教育条件の整備こそが必要不可欠であると考えるわけであります。  文部省は,昭和64年度,つまり,1年後から本格的に初任者研修制度を実施する計画のもとに,すでに62年度から36都府県等で2,000人を対象に実施をしてきたのでありますが,さまざまな弊害が指摘をされているのであります。それは,教材研究の時間がない。自由に発言し,自分の考えで教育実践が行えない。いつも監視されている状態で,大変苦痛である等々であります。  教員の自主性,自発性,相互の対等平等な関係が否定され,また,教職員の連帯や教師集団の民主的形成が壊され,全教師が協力して,全児童・生徒の教育に責任を果たすという原点が損われるなどの否定的な影響がすでに指摘されておりますが,このような弊害をもたらす初任者研修制度を,現場教師の反対の声がきわめて強いにもかかわらず,あえて導入しようとする必要性は一体どこにあるのか。本市の教育現場の実態や父母の要求,あるいは研修の本来のあり方から見ても大きな問題であり,返上すべきであると考えますが,明快な答弁を求めるものであります。  あわせて,現場の教員から,「研修費が非常に少ないために自主研には自費で参加せざるを得ない。」あるいは「会議などで毎日多忙をきわめ,教材研究などの時間が十分とれない。」,「図書券などの研究費も他都市に比べてきわめて少ない。」など,改善を求める要求が出されておりますが,この切実な声にどうこたえ研修の充実を図るお考えなのか,明快な答弁を求めるものであります。  質問の第2は,過密学級の問題についてであります。  昨年の第3回定例議会でも取り上げましたが,事態は一層深刻になっております。12月末の調査では,小学校33校89学級,中学校19校45学級,合計52校134学級もの基準を超えたすし詰め学級になっているのであります。しかも,たとえば,白石の厚別北小学校のように,2月には56人学級にもなるなど,過密学級では,一人一人の子供たちへの個別指導,いわゆる机間指導もできない現状であります。  40人学級の早期実現が強く求められている今日,本市のこのような実態は,一刻も猶予できないものであります。5月1日クラス編制の弊害の是正のために,63年度から4月1日クラス編制の実施に踏み出すわけでありますが,現状のままでは,一層,年度途中の過密学級を生ずる結果になりかねません。新興住宅街など,あらかじめ生徒増の見込める学校におきましては,道や市の単費で教員を配置し,4月当初から余裕を持ったクラス編制をするなどして,過密学級解消を抜本的に図るべきであると考えますが,具体的な対処方針についてお尋ねをいたします。  質問の第3は,中学校の完全給食についてであります。  過日の文教委員会でも,わが党の飯坂委員が指摘をしたところでありますが,給食未実施校で100%実施するためには,従来の方針,すなわち,「当該校の増改築計画あるいは新設分離に伴う校舎の改修計画等に合わせて実施する」というだけでは不十分であります。実施計画が明らかになっていない19校につきまして,1校ずつ調査・分析を徹底するとともに,具体的方策を新たに施すべきであると考えますが,いかがでありましょうかお尋ねをいたします。  また,残り少なくなった未実施校の関係者の大きな期待にこたえて,遅くとも新5年計画で100%実施をすべきであると考えますが,市長並びに教育長の決意のほどを改めてお伺いするものであります。  質問の第4は,学校経常費についてであります。  幼稚園・小中高等学校の経常予算が軒並み削減され,その主な理由は,電気・ガス料金の値下げ,灯油・重油の値下げによるものと言われておりますが,用紙など消耗品及び備品購入費,修繕費は不十分な現状であり,学校現場で,画用紙,西洋紙等の節約を余儀なくされ,一部父母負担を押しつけている中での経常費削減は許すことができません。円高差益による経費の軽減によって得られた財政的な余裕は,教材費の充実や父母負担の軽減にこれを充てるべきであると考えます。すなわち,黒板の補修など,これらの修繕費を増額したり,画用紙,西洋紙などの父母負担をやめ,学校教育に必要な消耗品を十分保障すべきであると考えますが,いかがでありましょうか,お答えをいただきたいと存じます。  次の質問は,いま大きな問題となっている学童保育の問題についてであります。  本市議会には,22万余の署名をつけた陳情を初めとして,39件に及ぶ学童保育の充実を求める請願・陳情が提出をされていますが,公的施設の提供,共同学童保育への助成強化,これらを初めとするさまざまな学童保育要求を支持して,その実現を図る立場から直ちに質問に入ります。  質問の,第1は,児童会館への移行に当たって,学童保育連絡協議会の父母,指導員など,学童保育関係者の理解と協力を得る問題についてであります。  社会教育部が共同学童保育を児童会館に移行させる具体案,すなわち,児童会館から300メートル以内の8ヵ所の共同学童保育を,4月6日開設に向けて児童会館に移行させるという方針を父母,指導員など学童保育関係者に示したのは,2月19日の学童保育連絡協議会と社会教育部との話し合いの席上であり,関係者にとっては,まさに寝耳に水,4月6日開設までに1ヵ月半しかない,きわめて時間的にせっぱ詰まった状況の中でありました。  移行の対象とされた8ヵ所を含め,共同学童保育所では,すでに新入会者の募集を初めとする新年度に向けた準備作業が進められていたところであり,社会教育部が突然示した児童会館での4月6日開設という提案は,2月19日の話し合いに見られるように,学童保育父母,関係者の大きな怒りを買ったのであります。このまま4月6日開設が強行されるならば,事態の悪化は必至であり,子供を巻き込んだ大きな混乱を引き起こし,本市の児童健全育成事業の歴史の中に一大汚点を残しかねない状況となっており,慎重かつ適切な対処が求められているところであります。  あわせて,児童会館の受け入れ態勢についても,本市職員組合が,教育委員会の示す案では,現場での受け入れは困難であり,条件整備が整っていないことを理由に反対をしていることも指摘をしておかなければなりません。  教育長は,議会において再三にわたって説明をしてきたように,児童会館への移行については,学童保育連絡協議会の父母,指導員など関係者との十分な話し合いのもとに理解と協力を得て進める。また,2月19日の話し合いの席上で,社会教育部長が学童保育連絡協議会に表明した4月6日開設は強行しない,凍結するとの約束を誠実に守るべきだと考えますが,いかがでありましょうか,教育長の明快なる答弁を求めるものであります。  質問の第2は,児童会館の児童クラブの内容についてであります。  社会教育部は,「児童クラブのあらまし」という文書を作成し,児童会館で行われる留守家庭児童対策の内容を示しております。その内容の主要な点は,一般児童会館では,第2種非常勤嘱託職員としての指導員が現行2名のところを1名ふやして3名とする。また,留守家庭児童に,専用ではないが専用的な部屋を用意するというものであります。これは,すでに四つの児童会館で行われている児童クラブの扱いと同じ内容であります。  私ども共産党議員団は,すでに行われている児童会館の現地調査を行い,実態を見てまいりましたが,さまざまな問題があり,ここに吸収される共同学童保育の父母など関係者の納得を得るには,留守家庭児童対策にとって不可欠である保護機能の拡充が図られなければならないことを一層痛感してきたのであります。  留守家庭児童を対象とした学童保育に求められるものは,親・保護者が家庭にいる一般児童とは違って,放課後,家庭にかわる生活の拠点を用意することであります。それは,子供の生活の場であり,憩いの場,遊びの場,学習の場であり,単に遊ばせればよいというものではありません。放課後,真っすぐ家庭に帰れない子供たちであり,毎日そこで生活をする子供たちでありますから,時には,具合の悪い,体調の悪い子供も出てまいります。静養,休養も含めた全生活を一定の継続した時間,そこで過ごさなければならないのでありますから,学童保育の施設は,たとえ一部屋であったとしても,それは,子供たちにとっては専用でなければなりません。  児童会館の施設面を見ますと,確かに,体育室,図書室,工作室など,全体のスペースは広く,立派であります。しかしながら,これらは一般の児童との共用であり,留守家庭児童が家庭のかわりに生活の拠点とする部屋は,狭く,しかも,専門でないために,一般の児童の出入りもあり,「家庭にかわる生活の場」,「自分たちの住みか」が確保できないという矛盾を抱えているのであります。移行に当たって,学童保育父母が心配しているのはまずこの点にあり,調査の結果からも,父母の心配はうなずけるものがあります。  次に,指導員の配置とクラブの運営についてでありますが,家庭にかわる生活の拠点には,お母さんがわりになる指導員が必要であります。学童保育の指導員は,集団の子供たちの生活指導をすることから,複数体制が常識となっており,それが必要とされているのでありますが,児童会館では,増員になった1名のみの配置であります。しかも,児童会館によっては,一応1年間の担当指導員を決めてやっているところもありましたが,担当を決めていないところや,決めていても,連絡帳の記入とおやつのときだけつくという実態であります。  こうした指導員の運用は,児童会館の運営方針にかかわって行われているのでありますが,留守家庭児童のために1名増員しているといっても,現場では,一般児童を対象にした考え方が強く,児童会館では,通常2名の指導員配置のところ,1名増員になって助かっているという程度の受けとめ方と運営にしかなっていないという問題があります。学童保育父母が,専任の指導員の複数配置を要求し,児童会館に入ったら指導はどうなるのか,子供たちの生活はどうなるのかと心配している二つ目の問題はここにあるのであります。  以上のように,児童会館への移行に父母,関係者がいまだ大きな不安を抱いている中で,不安を解消し,移行を円滑に進めるためには,どのようにしたら理解と協力が得られるかを,今日,真剣に探求すべきであります。これまで長年にわたって,みずからの負担と犠牲的な献身によって運営を続け,児童の健全育成という側面からも大きな役割を果たしてきた共同学童保育を吸収するのでありますから,それらの父母,関係者が真剣かつ切実に提起している課題,すなわち施設問題では,一般児童との矛盾解消のために,別の専用出入口としての玄関設置など,増改策等も含めた専用室の確保や,運営指導の問題では,専門的知識,経験と情熱を有する専任指導員の採用・複数配置など,児童会館内児童クラブ事業のレベルアップの方向を検討し,父母,関係者の理解と協力を得られるようにすべきと考えますが,いかがでありましょうか。また,こうした課題での話し合いが煮詰まらないうちに,本市が助成する社会的事業ともなっている共同学童保育の破壊,消滅に通ずるような一方的な児童会館児童クラブ開設はやめるべきだと考えますが,いかがでありましょうか,教育長の対処方針について伺うものであります。  質問の第3は,現行の共同学童保育及び学校方式の充実についてであります。  共同学童保育及び学校方式の児童育成会を児童会館へ移行する場合に,連絡協議会との基本的な一致が必要となり,基本点での一致があったとしても,さらに個々のクラブ育成会との具体的な合意が必要であり,問題の性格から言って時間を要するものであります。したがって,本市の留守家庭児童の柱であり,実際に役割を果たしている現行の共同学童保育及び学校方式育成会の改善こそが,当面,迫まられている現実の課題となっているのであります。  現在,共同学童保育は,公的施設の提供,助成の強化など,また,学校方式育成会は,休会日の短縮,指導員配置基準の緩和など,これらを求めており,本市議会や教育委員会に大きな期待を寄せてきたところでありますが,これらの目の前の切実な要望である学校方式,共同学童保育の改善を図ることこそが,22万余名の陳情,そして39件に及ぶ請願・陳情に示された関係者の願いにこたえる道であると考えますが,いかがでありましょうか。基本的な考え方と当面の具体的な改善の措置についてお尋ねをいたします。  次に,地下鉄東豊線開業に伴う市バス路線の再編成等について質問をいたします。  現在,12月開業に向けて,東区内における市営バス路線の全面的な見直し,再編成が進められようとしておりますが,バス路線の再編成とともに,東豊線の開業によっていやおうなしに東区民の人の流れが大きく変えられていくことは明らかであります。さらには,地下鉄駅並びにその沿線を標的にした節度をわきまえない利益追及第一主義が広がり,これまでの南北線,東西線の開業の教訓を見るまでもなく,いわゆる公序良俗に反する環境の悪化,風俗営業の集中などが発生するなどのおそれも,また,住民ひとしく不安に思うところであります。  また,一方では,南北線開業に伴って,北大前周辺の商店街や石狩街道商店街等に見られるように,バス路線の撤退もしくは間引きとともに,人の流れの変化は,これまでの商店街の活気を一気に奪い去ることに連動するのであります。  また,地下鉄のエリアから外れている地域でも,効率性の名のものに,無理やりバス路線が地下鉄駅に短絡させられることにより,不利益,不便が押しつけられる不安も広がっております。  以上のように,さまざまな市民の不安を解消するためには,交通局はもちろんのことでありますが,経済局商工部,企画調整局計画部,建築局建築指導部,さらには保健所等も含めた関係部局の対応により,指導,監督.誘導,援助など,用途地域の調整も含めた土地利用の規制などの活用を通して,より好ましい良好な環境を発展させるように,これまでの教訓を生かして対処すべきであると考えるものであります。  私は,去る1月19日,さまざまな要望が出される中で,当面するバス路線再編成に向けての交通局の方針についてただすべく,地域住民代表らとともに自動車部長と話し合うその場所を持ちましたが,住民や利用者にとっては,一日も早く当局の具体案を発表してもらい,地区住民にとっての要望をも組み込まれた十分なコンセンサスのもとに,理解と納得の上で協力すべく考えているところでありますから,あくまでも利用者である住民本位の,民主的な手続によって,より便利で安心できる公共交通網をつくり上げるべきであります。  以上の観点から,以下7点の質問をいたします。  質問の第1は,住民本位の立場に立ったバス路線再編成についてであります。  とりわけ東区においては,現在,ごく一部を除いて,ほとんどが市営バスを最大の公共交通機関として,生活に密着しながら運行されてきたところであります。それだけに,バス路線の再編成がどのように展開されるかは,市民生活にとって重大な意味を持っているのであります。もちろん,地下鉄営業開始によるメリットも大ききいわけでありますが,この場合,バス路線再編成によるデメリットは,最小限となるように検討されなければなりません。そのためには,あくまでも市民の利便性を第1に,地域住民の要望をできるだけ反映させたものでなけれぱなりませんし,人の流れの変化を的確に見きわめながら,住民の理解と協力を前提に,地域ごとの説明会を通して,時間をかけ,より民主的な方法で取り組むべきであると考えますが,今後どのような基本的な方針とスケジュールで進められるのか,まず明らかにされたいと存じます。  質問の第2は,東区商業基本計画答申書の位置づけと今後の活用についてであります。  地下鉄東豊線の開業と並行して,東区内における交通の流れ,人の流れが根本的に,急激に変化をするであろうことを予測をして,商業近代化推進会議から,特に,各地域ごとの商店街などが受けるであろう今後の影響とその対策,今後予想される展開の方向,さらには,現行バス路線の再編成に対する意見など,地域構造の変化に対応するさまざまな要望や提言を内容とする東区商業基本計画答申書がまとめられ,すでに,去る12月22目,これが発表されております。  これらは,中小商業者の立場からのものとはいえ,東区内における地域・地区ごとの今後の人の流れの変化をもとにして,かなり具体的な展望と問題点,さらには行政としてのかかわり方と具体的対応策が示されており,将来,東区全体が秩序ある発展を遂げようとするために必要な一定の方策,提言も数多く盛り込まれているところであります。この答申を,本市としてどのように位置づけて受けとめておられるのか。また,具体的な方策,提言についても,それぞれの本市行政を通してどのように具体化していく方針でおられるのか,対処方針について質問をいたします。  質問の第3は,これまでも機会あるごとに要望を重ねてまいりましたが,交通当局はなかなか実行に移そうとしてこなかった新しい路線の営業についてであります。  東区は,白石区と隣接していながら,交通上,豊平川に遮られて特に不便を余儀なくされてまいりました。しかし近年,北13条大橋,環状通大橋,さらには札幌新道大橋等,超大橋がかけられてから久しいのでありますのに,いまだに公共交通機関である市バスは1本も通されていないのであります。  したがって,白石区,東区の市民はそれぞれ,マイカーは別として,通勤,通学,買い物,所用などで交通機関を利用する場合は,一たん大通,バスセンター経由でわざわざ遠回りをしなければならないなど,きわめて不便,不利益,不自然な現状にあるわけであります。なぜこの3本の橋における市バスの運行を認めないのか,まことに不都合なことであると言わねばなりません。  南区から中央区へ,あるいは中央区から豊平区へと,東橋から上流はいずれも相互に乗り入れて,市民の利便にそれぞれ橋が役立てられているのであります。白石区,東区相互に求められているこのバス路線の新設を早急に実施に移すよう重ねて強く要求するものであります。  なお,できるならばこの春から,夏ダイヤから実施をされるように新設をすべきであると考えますが,当局の具体的な見解を求めたいものであります。  質問の第4は,地下鉄開業,バス路線再編成の中で,人の流れの変化と相まって,このままではかつての北大周辺,西5丁目の商店街や石狩街道商店街に続いて,東8丁目通,北光線商店街も同じような低迷と衰退の方向に追いやられるのではないかという不安が広がっています。商店街独自の努力で,新たなイメージアップとともに,近代化を図ることによって集客の努力を重ねるとしても,おのずから限界があることはこれまでの例を引くまでもなく明らかだと思うのであります。  いわゆる,商工サイドからの側面だけではなく,最大限人の流れを現状に押し込めるかどうかは見きわめが困難だとしても,北光線の市バスの間引きを抑えるとか,新たに東8丁目線を渡る東西のルールをふやすことを検討するなどによる,交通局としての技術的な側面からの対策もあわせて検討すべきだと考えるのでありますが,対処方針についてご質問をいたします。  質問の第5は,現在南北線札幌駅以北の麻生駅に至る各主要駅に東区内から短絡しているそれぞれのバス路線はどうなるのかという問題であります。東豊線の主なる駅と南北線の駅との短絡は,一体どのような展開となるのか,ご説明を願いたいと存じます。  質問の第6は,地下鉄開業により積極的な利便を受けない地域への方針についてであります。  こうした地域の住民からは,これまでどおり都心直結ルートを残しながら,一部を地下鉄との短絡にというのが共通した強い要求であります。  たとえば,苗穂線の北8条経由バスセンター並びに札幌駅北口ルート,さらには近く開通予定の苗穂丘珠通立体交差,いわゆる苗穂踏切経由苗穂線,さらには中沼・東苗穂・雁来経由の札苗線,豊畑東線等々がありますが,以上のような都心直結バス路線を残してほしいとする要求は,十二分に理解できるところであります。これらに対する方針はどのように考えておられるか,お答えをいただきたいと存じます。  質問の第7は,都市計画道路・苗穂通のバス路線統合と一部延長についてであります。  この苗穂通は,苗穂町商店街,本町商店街,伏古商店街を経て札幌新道を渡り,土日の量販店であるカウボーイ,市民生協,石黒ホーマー大型店,さらには,本年度予算で地質調査費が計上された伏古地区センター建築予定地が配置されております。  しかし,そのバス路線は,苗穂線が途中から東営業所に右折し,一たんとぎれてから伏古線が入ってきて,伏古10条3丁目,札幌新道の手前が終点といったぐあいで,市民の不便はこの上ない現状であります。このままでは一般市民の買い物,通勤にも支障があるばかりか,せっかく建設される予定のコミュニケーションセンターとしての地区会館の利用にも不便を来たすことになるわけでありますから,苗穂から札幌新道を渡って伏古12条3丁目まで,地域住民の利便に沿って一本化したバスルートとして改善を図るべきだと考えるのでありますが,今後の対処方針について明らかにされたいと存ずる次第であります。  以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴を心から感謝を申し上げます。(拍手) ○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。板垣市長。 ◎市長(板垣武四君) 私から,財政問題と国保問題についてご答弁を申し上げます。  まず,財政問題の中の第1点の,政府の予算編成方針と地方財政対策についてでございます。  最初に,公債費負担の増高に対する認識ということでございますが,お話にもございました国庫補助負担率の引下げに対する補てん,また,それ以前の昭和50年度以降における地方の大幅な収支不足に対する補てん策として,地方債などによって当面の財政運営に支障が生じない措置が講ぜられてきたことなどから,公債費負担比率というのは高まる傾向にございます。  したがいまして,将来の安定的な地方財政の運営を考えますとき,財源不足に対する基本的な対策につきましては,これまでの単年度ごとの措置ではなくて,国と地方の事務配分の見直しなど,抜本的な地方行財政制度の改正が望まれると認識をいたしております。  次に,64年度以降の国庫補助負担率の問題についてでございます。  国におきましては,最近の景気の回復による税の増収などが見られるとはいえ,依然として厳しい財政状況にあり,財政再建の実現には,引き続き歳出の抑制などを図る必要があると言われておりますことやら,この問題の決着にはなお予断を許さない状況にあると,このように考えているところでございます。  しかしながら,単に国の歳出削減のみを先行させた補助負担率の引下げには,従来からも強く反対をしてきたところであり,64年度以降もそのまま継続されることなく,地方にとって納得のいく結論が得られるように,議会のご協力もいただきながら,関係団体ともども国に対し働きかけてまいりたいと,このように考えております。  次に,地方の予算編成に対する国の基本的姿勢についてでございますが,私は,国も地方も常に財政のあり方を見直し,簡素で効率的な運営を行い,最小の経費で最大の効果を上げて,より一層の福祉の増進を図ることが大切であると常々考えているところでございます。したがいまして,このような基本的な考え方は,国も地方も変わることはないと,こう考えております。  次に,第2点目の都市経営論についてでございます。  市民の市政に対する要望は,今後量的に増大するばかりでなく,質的にも多様化,高度化し,その一方では,本市を取り巻く行財政環境は厳しい状態が続くものと予想されます。  しかし,市民福祉の一層の向上を図っていくためには,従来にも増して効率的,積極的な施策事業の展開が求められてまいります。このため,民間の発想,経験,技術などの導入,各種の都市施設の多目的有効活用,さらに社会経済情勢の変化に柔軟に対応し得る組織・機構や,また事務事業の見直しなどを進める必要があります。したがいまして,このような考えから,基本構想におきまして,都市経営的視点と明記をしたものでございます。  次に,第3点目の使用料・手数料の改定についてでございます。  住民相互の負担の公平を図るという趣旨から,必要最小限の改定をお願いしているところでございまして,その算定に当たりましては,原価計算を基礎としながら,他都市やあるいは類似施設との均衡,さらには,提供する行政サービスの公共的な意義などについて総合的に勘案の上,それぞれの改定額を決定しているものでございます。  第4点目の市民福祉にかかる事業についてでございますが,私は,行政執行に当たっては,常々,市民の生活環境や福祉の向上を優先し,生活道路や上下水道の整備,小中学校の建設,福祉・コミュニティー施設の整備など,潤いと安らぎに満ちた施策を進めてまいったつもりであります。  新5年計画の策定や昭和63年度の予算編成におきましても,教育施設の整備については,童生徒数などに対応した教育環境の整備を図ると同時に,生活福祉施設につきましても,必要とされる量的整備に引き続き,生活の快適性と利便性を高めるようなきめ細かな質的整備を図ることにし,また,本市の経済活力を高めることによって,市民生活をより豊かなものにすることが重要であると,この認識のもとに事業の選択を行っているものでございます。  次に,第5点目の新型間接税についてでございますが,この問題につきましては,現在地方の公聴会や国政の場で議論をされているところでございまして,まだ具体的な内容につきましては明らかな段階ではございません。  ただ,私はさきの議会でもご答弁申し上げておりますとおり,この種の税につきましては,何よりも国民の理解と協力が必要であると,こう考えております。したがいまして,今後国政の場で十分審議を尽くし,国民の納得が得られるような結論となるように望んでいるところでございます。  次に,国民健康保険問題についてでございます。  第1点目は,国保の制度改正についてでございます。  まず,このたびの制度改正の評価でありますが,総体的には国保にとってプラスに働く改正になっておりますので,一応は評価できるものと思っております。  次に,退職者医療制度の創設に伴い引き下げられた国庫負担率の問題につきましては,制度上,国保会計にとり特に影響はないと考えております。  なお,事務費の超過負担につきましては,従来からその解消に向けて努力をしてきたところでございますが,引き続き関係団体と連携を図りながら,粘り強く要望をしていきたいと考えております。  第2点目は,地域医療費適正化プログラムについてでございます。  医療費の適正化を図ることは,国保事業の安定化を図る上からもきわめて重要なことでありますので,新年度に作成される適正化プログラムに基づき,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また,単に医療費が高いという理由のみで設定された調整対象外医療費につきましては,まことに遺憾であり,国に対し,基準の廃止について強く要望してまいりたいと考えているところでございます。  なお,昨年の第3回定例市議会におきましても,この制度の廃止について意見書として議決をいただいているところでございます。  第3点目は,制度改正による影響分についてでございます。  今国会で補てんされた1,008億円の具体的な配分につきましては,まだ明確になっておりませんけれども,本市としては一応10億円の補てんを見込んでいるところでございます。  いずれにいたしましても,以前から私が議会で申し上げているとおり,制度改正に伴う影響額につきましては,全額国の責任において措置すべきものと考えておりますので,不足分の補てんにつきましては,なお議会の協力も得ながら,引き続き国に対して強く要請してまいりたいと考えております。  第4点目は,転入医療についてでございます。  道費補助の増額につきましては,今後もなお引き続き要請をしてまいりたいと存じます。  また,転入医療費を別扱いにすることにつきましては,現行制度上これは不可能でありますが,入院実態等について調査をし,生活の本拠地を把握することによって資格の適正化を図ることが緊要だと,こう考えております。  第5点目は,63年度の保険料についてでございます。  このたびの保険料の改定につきましては,厳しい財政事情の中で多額の繰り入れを行い,引上げ幅を最小限にとどめたところでございます。  また,賦課割合の変更につきましては,他の政令都市との均衡を考慮し,応能割合の負担を少しでも緩和するために,賦課割合の変更をしているものでございます。  第6点目は,在宅療養についてでございます。  病状が安定をし,在宅療養が可能な方につきまして,在宅療養の教育事業を全道的に推進しようとするものでございまして,医師会主治医を初め,患者,家族の方々の協力を得ながら実施をしてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(滝沢隆君) 勝田助役。 ◎助役(勝田義孝君) 私のほうから,地下鉄東豊線開業に伴う市バス路線再編成についてでございますが,まず第1点目の再編成の基本的な方針につきましては,従前から,札幌地方陸上交通審議会及び札幌市総合交通対策調査審議会の答申の趣旨に沿って行ってきており,今回も同様に次のように考えております。
     その第1は,可能な限り最寄りの地下鉄駅に連絡するバス路線を設定する。第2は,地下鉄と近接並行している路線はできる限り整理統合し,都心部へ直行することが効率的な地域における路線は存続を検討する。第3は,輸送需要の動向を勘案して,地域相互間を連絡するバス路線の設定を検討する。第4は,地域幹線路線を主体として,これと近接並行している路線は,できる限り集約する,以上が再編成に当たっての基本的な方針であります。  また,今後のスケジュールでございますが,現在,再編成に不可欠な諸条件の資料収集及びこれの分析を終わり,取りまとめの最終段階に入っておりまして,再編成計画の具体的な内容につきましては,近く議会にご説明の後,関係機関と協議の上,できるだけ早い機会に地元説明をいたしたいと考えております。  それから次に,第2点目の東区商業基本計画についてでございますが,この計画は,昭和58年度に本市及び関係機関によって策定いたしました札幌地域商業近代化実施計画を補完する目的で,札幌市商業近代化推進協議会が調査研究を進めていたものでございます。  この基本計画は,商業地の秩序ある発展と地域の活性化という観点から,地下鉄東豊線の開通による地域構造の変動を分析し,望ましい構造への誘導計画を提案いたしております。  本市におきましては,先ほど述べました実施計画を商業近代化の活動指針に据えて施策を実施しており,したがいまして,この基本計画につきましても,同様の位置づけで考える所存でございます。  また,対処方針といたしましては,商業活動が地域の活性化のための重要な要素であるとともに,都市計画にも深いかかわりを持ちますことから,環境整備,土地利用,交通体系,施設配置等,総合的なまちづくりの視点でこの計画の活用を図ってまいりたいと考えております。  次に,第3点目から第7点目までの再編成にかかる段々のご質問についてでございますが,お話にございました路線につきましては,地下鉄との効率的な輸送,あるいは地域の実情などを配慮し,さらに,短絡が困難な地域の直行便の存続,また地域間の連絡輸送等について,基本方針に沿って検討し,できるだけ努力したいと考えております。 ○副議長(滝沢隆君) 松村教育長。 ◎教育長(松村郁夫君) まず,教育問題についてお答えいたします。  ご質問の第1点目の初任者研修の試行と研修の充実についてでございますが,申すまでもなく,教員にとって研修は欠かせないものであり,ご指摘のとおり,その職務の持つ意味からも,みずから研さんし,専門性を高めていくことが重要なことでございます。とりわけ,新しく教職につく教員にとりましては,最初の1年の研修のあり方はきわめて重要であり,その後の教員のあり方を左右するとさえ言われております。  その意味で,さきの代表質問にお答えしておりますとおり,初任者研修の試行に当たっては,本市の実情に合った望ましい研修のあり方について,関係各方面の意見を聞きながら,本市の責任において実施する考えでございます。  現在,本市としての試行については,道の要綱のもとに,本市としての要綱案を作成する一方,関係団体に理解を求めるべく努力をしているところでございます。  また,その他の研修の充実についてでございますが,厳しい財政状況下にあっても,従来から特に力を入れてきたところはご承知のとおりでございます。63年度の予算編成に当たっても,教員研修委託費の増額,学校研修委託の拡大等の見通しを得ておりますが,今後とも最大の努力を続けてまいりたいと考えております。  ご質問の第2点目の学級編制にかかわる問題でございますが,年度当初における学級編制に当たりましては,可能な限り的確な児童生徒数を把握し,進めているところでございます。  こ質問のように,新興住宅地など児童生徒数がふえ続けていく地域においては,年度の途中で基準を超えた学級が生ずることもあります。この場合,超過の実態,時期などを考慮し,学校の意見を十分尊重しながら,道教委と連携をとり,編制替えをすべきものは編制替えをする操作をしております。  なお,急激な増加が予想される地域に,あらかじめ市費負担で教員を配置することはできませんが,ご指摘の例に挙げられました厚別北小学校のような極端な場合には,父母や学校の理解を得て,適正規模の学級編制が行えるよう,委員会としても今後十分注意し,指導してまいりたいと,こう思います。  ご質問の第3点目,中学校の完全給食についてでございますが,ご承知のように本市の小中学校には,今後分離新設する必要のある学校がまだ数多くございます。したがいまして,いままで明らかにしてきましたとおり,当分の間,増改築計画あるいは新設分離に伴う校舎の改修計画に合わせて完全給食の拡充を図っていくことを基本としてまいる考えでございます。  その意味で,毎年2ないし3校のミルク給食校を,近隣における中学校の新設計画や既設調理校の給食調理能力などを総合的に勘案しながら完全給食校化している現状でありますので,この新5年計画の中で相当数の解消が図られるものと考えております。ご理解をお願いいたします。  第4番目は,学校経常費についてでございます。  ご指摘のとおり,燃料費や電気・ガスなどの光熱費は,前年度に比して減額計上しているところでございますが,学校教育における経費につきましては,公費,私費の負担区分を明確にしながら,消耗品費,教材費や修理費など,公費で負担すべきものはそれぞれ必要な額を計上しているつもりでございます。  次に,留守家庭児童対策についてお答えをしたいと思います。  まず,児童会館のクラブ開設の時期についてでございますが,本市の留守家庭児童対策については,それまでの経緯を踏まえながら,昭和57年度より児童会館において,一般の児童と分け隔てなく指導するということを基本方針として,また,児童会館が各地域に整備されるまでの間は,当面学校方式,民間方式を児童育成会と位置づけて,この事業を実施してまいったところでございます。  この流れにつきましては,議会でもいろいろ論議がなされ,ご理解を得ているところと考えております。したがいまして,私どもは児童会館の建設に全力を,傾けてまいったわけでございます。  しかして,昨年来,議会に多数の請願・陳情が提出されました。そして,これに対して,議会でもまたいろんな意見が出され審議がなされました。  そこで,私どもは,これらの経過を踏まえて具体的な施策を立て,このたび本事業を実施しております札幌市児童育成会運営委員会のご了解を得て,過日関係者に第1回目の具体的内容の説明を申し上げたところでございます。今後もご理解とご協力を得るように話し合いを行って,4月新学期の開設を目指してまいりたいと考えております。  また,ご指摘の凍結についてでございますが,2回目,つまり次回の関係者との話し合いまでの間,父母に対する文書の発送を見合わせるということであり,この計画そのものを凍結するということではありません。この間の事情につきましては,2月20日の文教委員会で,すでにご報告いたしたところでございます。  したがって,私どもは,できるだけ早い時期に直接,当該父母,地元育成会役員の皆さんに対して具体的な説明をさせていただき,ご理解を得るように努めてまいりたいと考えております。  次に,児童会館における保護機能及び指導体制の問題についてでございますが,児童会館では,日常すべての児童の校外での自由な交流を通して自立性や社会性を育成し,各種の文化活動の中から豊かな情操を育てることをねらいとして指導が行われております。  そこで,留守家庭児童への対応でございますが,私どもは,児童の身体の安全,精神の安定など,子供の成長の過程におけるさまざまな動きに的確な援助ができるよう,会館での指導体制を整えていきたいと考えております。  なお,このために教育委員会には,このたび専門の所管する課を新設する手はずを整えて,その充実を図っていく考えでございます。このことによって,漸次父母の皆さんのご理解が得られるものと考えております。  なお,内容,指導面の充実のため,今後も研究検討を重ねてまいりたいと存じます。  また,現在会館は職員1名,指導員2名で運営しておりますが,さらに指導員1名を増員し,4名の連携の中で指導の充実を図っていきたいと考えているところでございます。  3番目でございますが,現在の児童健全育成事業の充実についてでありますが,この事業の関係者から多数の請願・陳情が提出されることに対して,事業を推進する者として真剣に対応していかなければならないと考えております。  請願・陳情の趣旨である父母負担の軽減,公的施設の提供等,関係者の方々の抱えている問題は,札幌市が各地域に整備を進めている児童会館の建設を推進することにより,抜本的に解決されるものと考えております。  この児童会館の建設は,新5年計画で28館の新設を予定し,既存のものを合わせて78館となります。しかしながら,児童会館の建設が行き渡らない地域にある学校・民間方式育成会の改善につきましては,当面,学校方式の事業水準をもとに十分考慮してまいりたいと思っております。以上でございます。  (菊田勝雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(滝沢隆君) 菊田勝雄君。 ◆菊田勝雄君 かいつまんだ答弁があったり,不十分と思われる内容もたくさんあるわけですが,これらを主体として予算特別委員会の中でさらに質疑を展開していきたいと思いますが,最初に,勝田助役の答弁にありました最後の,いわゆる東豊線のバス路線の再編成に絡んで,以下具体的な3,4,5,6,7,これらについてまとめて答弁があったわけです。  それについては,今後努力できるものはできるだけ努力したいと,こういう答弁で,私も積極的な面として受けとめたいんだけれども,いまさしあたり,いやこれはできないよというものがあって,そういう表現なのか,そこのところをひとつ明らかにしていただきたいと思います。  それから,教育長にお答えをいただきたいと思います。  いま,学童保育,留守家庭児童会についていろいろ答弁がありました。私も昨年の第3回定例議会決算特別委員会で,この問題が今後展開されるであろう方向について示唆がありましたから,そのときにも,保護機能の問題や設備改善の問題等々いろいろ含めて,山田議員も発言もしましたが,私も質疑を重ねました。  そこで,その前提になる児童会館のいわば全面展開といっても,数が足りないわけだから,積極的に児童会館を今度の5年計画では鋭意ふやすべきである,それがどの程度ふえるかと。さらには,管理運営について一元化をしたいと,それについてもどう一元化するかというあれこれの問題がある。さらには,現在の児童クラブでやっているものをふやしたい。ふやす場合にも,父母やあるいは関係者との理解と協力という問題もある。それらを踏まえて全体としての基本的な展開の方向が,数も含めて大体いつごろ出るんだというたしかあなたに質問を私はしました。  それに答えて,あなたのほうからは,かいつまんで言いますが,父母の理解と協力が前提であるという私の指摘に対して,全くそれはご指摘のとおり当然でありますと,こう認めておられた。いまもそのことは答弁の中で否定はしていないわけですけれども,しかし,そしてその結論として,少なくとも12月の初めには大まか議会の皆さんにもご説明できると思いますと,最後はそれで終わったんです。  ところが,12月になってもまとまらない,まとまらないからといって,まだまとまっていないので,年が明けますという報告もない,われわれに対して。そして今度は,文教委員会で説明をしたと言うんです。したと言うんだけれども,文教委員会ではなくて,正規には,それは非公式の文教委員の諸君の集まりであなたが説明をされたと。これが2月12日ですね。  ですが,私自身が質問した経緯からいっても,当然関心を持っていたから,何が説明されたのかといって文書を見たら,すでにそれは20日前後に文書を発送したいとか,どうとかこうとかということ,スケジュールが書いてあった。それが一言も議会の側に,その決算特別委員会の経緯からいっても,その後どうなりましたということもなしに突如として説明があって,何か後から聞くと,おおよそ理解を得ているからとかといって,父母の関係の皆さんには説明をされているとかいって今日まで来ているわけですけれども,私は不遜だと思うんです,そういう態度は。みずから認めているように,やはり父母と関係者の理解と協力がなければ,これは成り立つものではないとお認めになっていながら,そのことについてのその後の展開について,あなたは一言も私に話もないじゃないですか。議会側にも。  ぼくはいま部屋に行きましていただきました。これはナンバー110号3月5日付の「札幌の教育」この中であなたがいみじくも言っておられる。初めに謙虚な反省からということで,63年度のいわゆる教育行政の執行方針をこもごも語っておられますね。教育者であればあるほど,まずこの姿勢でなければならないということを強調されていることは,私も全くそのとおりだと敬服しています。  そのことと,いま学童保育あるいは児童健全育成事業についてのこの経過は全く乖離して,これはこれ,建前だと。しかし,実際にはわれわれどんどんやらせていただきますよという構えがあるとすれば,これは全くとんでもない話だと。これは,市長も果たしてこのことをご存じの上でそうなっているのかどうかということを私は疑いたくなるほどなんです,そういう点では。  私は,少なくとも教育長を信頼しながら今日まで協力をしているつもりではありますけれども,その意味で,いまの時点ですから,今後においても,いまあなたは否定はしなかったけれども,答弁の中で,父母の理解と協力,関係者の協力が前提でありますと,こうおっしゃいましたが,今後もその姿勢と,いま私が指摘した視点も含めて堅持して,十分な協力と理解のもとに,これの具体的な展開を名実ともに,皆さんにも喜ばれる内容で進めたいという気持ちであるのだなと私は理解したいんですが,どうですか。その点だけ質問しておきます。(傍聴席で拍手あり) ○副議長(滝沢隆君) 静粛に願います。勝田助役。 ◎助役(勝田義孝君) 段々のご質問の中には,確かに非常に困難なものもないわけではございません。これらのことについては,十分検討させていただきます。 ○副議長(滝沢隆君) 松村教育長。 ◎教育長(松村郁夫君) 私の人間的な生き方に対して不遜であるというようなご指摘をいただいたことについては,みずから至らなかったことについては,それはおわびしたいと思いますけれども,児童会館そのものの考え方につきましては,文教委員会を通し,何を通してあらゆる機会で,代表質問に何回もございましたが,それからいままでの経緯がいろいろございましたので,ご説明申し上げておりましたから,ご理解を議会の中では漸次得ているものというふうに思っておりました。  ただ,この問題については,私どもだけの知恵では,これは非常に大きな問題でございますから,私どもには幸いにこういう社会教育に関係する委員もございますので,そこにはたくさんの学識経験者もおりますので,そこで教育長の,これは議会でも明らかにしているのでありますが,諮問をしながら,われわれの考え方を深めて,さらに問題点はないか,内部ではいろんな形で論議をして進めているところであります。  したがいまして,私どもがある時期にそういうものの全体像を明らかにしていかなければならんということはそのとおりでございまして,それから理解と協力につきましても,誠心誠意この問題は理解と協力を得る努力を私どもは積み上げていきたいと。しかし,その理解と協力という物の考え方でございますけれども,私どもは,一方において,公的な施設を早く提供しなさい,そしてお金のかからない方法をしなさいという一つの提議があり,論議がございます。それに報いる方法は何かと言ったときに,公的な施設を次々といまつくっていただいております。ですから,その近くにある者の方は,この会ができることによって喜んでいただけるだろう,こういう理解のもとに,その運営の中身については,十分父母の皆さんの意見を聞きながら対応してまいりたいと,こういうつもりでございます。以上でございます。  (菊田勝雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(滝沢隆君) 菊田勝雄君。 ◆菊田勝雄君 いや,これ以上ここで議論を避けておきたいと思います。時間の関係もありますからと言っては何ですけれども,これまた予算委員会の中で引き続き延長線で深めていきたいと思いますので,少なくとも,父母と関係者の理解と協力を得て進めていきたいというこの精神は,名実ともにより一層実効の上がるように努力をしていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。 ○副議長(滝沢隆君) お諮りします。  本日の会議はこれをもって終了し,明3月2日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(滝沢隆君) ご異議なしと認めます。よってさよう決定されました。  ―――――――――――――――――― ○副議長(滝沢隆君) 本日は,これで散会いたします。  ――――――――――――――――――      散 会 午後5時51分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長        吉   野   晃   司  副議長         滝   沢       隆  署名議員        水   由   正   美  署名議員        福   士       勝...