札幌市議会 1988-06-07
昭和63年第 2回定例会−06月07日-03号
昭和63年第 2回定例会−06月07日-03号昭和63年第 2回定例会
昭和63年 第2回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )
昭和63年6月7日(火曜日)午後1時開議
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〇議事日程(第3号)
第1 議案第1号,議案第6号から第12号まで,議案第19号から第26号まで,諮問第1号(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1
議案第1号 昭和63年度札幌市
一般会計補正予算(第1号)
議案第6号 昭和63年度札幌市
公債会計補正予算(第1号)
議案第7号 専決処分承認の件(一般会計予算の補正)
議案第8号 札幌市外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び
札幌市立高等学校及び幼稚園職員の給与,勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市
子ども人形劇場条例の一部を改正する条例案
議案第10号 札幌市
衛生研究所条例の一部を改正する条例案
議案第11号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市体育施設条例の一部を改正する条例案
議案第19号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第20号 財産の取得の件(公園用地)
議案第21号 財産の取得の件(学校用地)
議案第22号 財産の取得の件(
バスターミナル施設等建物)
議案第23号 財産の取得の件(遊戯施設)
議案第24号 町の区域を新たに画し,及び変更する件
議案第25号 町の区域を新たに画し,及び変更することに伴う関係条例の整理に関する条例案
議案第26号 市道の認定及び変更の件
諮問第1号 鉄道事業法第61条第1項ただし書の規定による線路の敷設許可についての意見に関する件
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〇出席議員(69人)
議 長 吉 野 晃 司 君
副 議 長 滝 沢 隆 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 長 内 順 一 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 南 二 郎 君
議 員 吉 田 哲 男 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 須 合 一 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 見 延 順 章 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 朝 川 利 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 宮 口 健太郎 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 磯 野 開 丈 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 斎 藤 忠 治 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 宮 川 新 市 君
議 員 山 田 長 吉 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 山 本 長 和 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 吉 田 一 郎 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(1人)
議 員 小 川 勝 美 君
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〇説明員
市 長 板 垣 武 四 君
助 役 桂 信 雄 君
助 役 蒲 谷 亮 一 君
助 役 勝 田 義 孝 君
交通事業管理者
交 通 局 長 秋 山 忠 禧 君
水道事業管理者
水 道 局 長 藤 井 憲 次 君
総務局長 杉 本 拓 君
企画調整局長 伊 東 義 昭 君
財政局長 長 部 幸 一 君
市民局長 森 清 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 柴 田 浩 英 君
環境局長 本 間 雄 君
経済局長 木 戸 喜一郎 君
建設局長 魚 住 昌 也 君
下水道局長 岡 貞 夫 君
建築局長 西 本 弘 君
国民体育大会事務局長 河 崎 快 二 君
市立札幌病院長 斯 波 光 生 君
消防局長 谷 裕 之 君
教育委員会委員 小野寺 彰 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君
選挙管理委員会委員 高 橋 光 義 君
選挙管理委員会委員 越 智 喜代秋 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 貴 志 功 君
監査委員 中 目 啓 市 君
監査委員 山 本 長 和 君
監査委員 吉 田 一 郎 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 山 本 浩 介 君
事務局次長 鍛冶沢 徹 君
総務課長 丸 岩 公 充 君
議事課長 坂 野 嵩 君
調査係長 大久保 裕 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 英 俊 彦 君
記録係長 谷 川 輝 雄 君
委員会一係長 田 中 博 之 君
委員会二係長 土 屋 逞 君
書 記 谷 葛 磨 君
書 記 獅々堀 秀 利 君
書 記 長 瀬 宏 君
書 記 木 内 二 朗 君
書 記 吉 田 雅 博 君
書 記 高 佐 三緒子 君
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○議長(吉野晃司君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は67人であります。
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○議長(吉野晃司君) 本日の
会議録署名議員として加藤 斉君,吉田一郎君を指名します。
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○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(山本浩介君) 報告いたします。
小川勝美議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,見延順章議員及び
山田信市郎議員は所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
また,朝倉収入役は公務出張のため,本日以降本定例会中の会議を欠席する旨,届け出がございました。
去る6月1日,
人事委員会委員長から,議案第8号 札幌市外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び
札幌市立高等学校及び幼稚園職員の給与,勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正せる条例案に対する意見書が提出されましたので,その写を各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程,質問順序表及び陳情の
受理付託一覧表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○議長(吉野晃司君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号,議案第6号から第12号まで,議案第19号から第26号まで及び諮問第1号の17件を一括議題といたします。
ただいまから代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。武市憲一君。
(武市憲一君登壇・拍手)
◆武市憲一君 私は,ただいまから,
自由民主党議員会を代表しまして,当面する市政の諸問題について,提案を含めながら,順次質問をいたします。
まず最初に,地域産業の国際交流についてお伺いをいたします。
わが国におきましては,その経済的発展を背景として,急速に国際化が進展しておりますが,特に情報通信技術や航空網の発達に伴い,地方都市においても国際社会との直接的な結びつきが一段と強まり,本市におきましても,国際化への積極的な対応は重要な政策課題となっております。
とりわけ,経済基盤の弱さが指摘されている本市におきましては,友好親善を主体とした国際交流のみならず,今後は,経済交流の分野に力点を置いていくことが重要であると考えるのであります。
本市におきましては,これまでいろいろな施策を講じながら,
国際経済交流の促進に着実な成果を上げており,市長の積極的な姿勢を高く評価するものであります。
たとえば,過去2回にわたり成功裏に開催された
札幌国際見本市を初め,ハワイ島で継続的に開催している海外物産展などは,国内外に向けた
ビジネスチャンスの拡大に大きな貢献をしてまいりました。また,本年2月,エドモントン市で行われた第3回北方都市会議において,市長は演説の中で本市の産業を積極的にPRされましたし,特に,同時開催された国際冬の見本市では,札幌コーナーが大変な人気を集め,数多くの商談が持ち込まれたと聞き及んでおります。このことは,国際市場の中でも十分通用する地場産業が着実に育ちつつあることを物語っているのであります。しかしながら,現実の動きを振り返ってみますと,国際的には輸入超過のまま,依然として貿易実績の低迷状態にあり,国内的には域際収支の赤字が指摘されるなど,国際化へのいろいろな努力にもかかわらず,必ずしも望ましい結果が得られていないのであります。
したがいまして,今後北方圏の拠点都市にふさわしい活力に満ちた国際都市さっぽろを実現していくためには,国際的に競争力のある質の高い産業の振興とともに,
情報ネットワークの整備など,新しい
国際経済交流支援システムを設け,従来にも増して積極的な国際化施策が必要と考えるのであります。
こうした観点から,私は,地場産業の国際化や
ビジネスチャンスの拡大策等について,幾つかの提言を交えながら質問をいたします。
まず第1点目は,
国際経済交流の促進に関する具体策についてであります。
第3次
長期総合計画や新5年計画によりますと,国際的な流通基盤の整備を初め,コンベンションと結びついた特色ある見本市の開催,国内外での物産会への参加,
海外貿易情報拠点の整備など,総合的な視点に立った
経済交流施策が数多く示されております。
しかし,今年度予算を見る限り,新しい
長期総合計画のスタート年度にあるにもかかわらず,事業内容がいまひとつ具体性,実効性に乏しいように見受けられるのであります。
そこで,
国際経済交流の促進に向けて,今後どのような取り組みをされるお考えなのか。特に,本年度事業についてお尋ねをしたいのであります。
次に,商取引機会の拡大,貿易振興等に大きな役割を果たす見本市や物産展の開催,また参加の促進についてであります。
まず,先ほど申し上げました
札幌国際見本市については,これを継続的に開催し,その実績の上に立って,特色ある見本市が数多く開催されるよう誘導していくことが重要であると考えますが,今後本市が開催しようとする見本市について,計画があればお聞かせをいただきたいのであります。
また,海外における見本市への参加促進についてでありますが,たとえばミュンヘン市で開催される見本市は,この2年間だけでも27件ほどあり,こうした姉妹都市のネットワークを生かした参加形態も検討すべきであります。さらに,地場中小企業に対する参加促進策として,海外見本市に参加する場合,その経費の一部を補助するような制度を設けてはどうかと思うのでありますが,いかがでありましょうか,お尋ねをいたします。
第3点目は,
海外駐在員制度など,いわゆる国際的な
経済情報拠点の整備についてであります。
自治省では,地方自治体の
国際交流事業を支援するため,欧米を対象に自治体が共同利用できる海外事務所の設置計画を進めております。昭和64年にはワシントン,ロンドンに本部事務所を開設し,その後各国主要都市に順次駐在員事務所を設置して,海外の物産展やイベント等に関する連絡調整,現地情報の収集・提供などを行おうとしているのであります。
また,最近では,現地の自治体職員や民間企業に対し必要な経済情報の提供やレポートの作成等を委託する,
通称アドバイザリー制度を実施している自治体も見られるのであります。
特に,本市の経済活動の主体である中小企業にとって,新たに情報ルートを開拓し,自前で経済交流を展開することは非常に困難な状況にありますので,地場企業の経済交流を積極的に支援していく上で,これらの制度の導入を早急に取り入れるべきであると思われますが,市長のご所見をお伺いいたします。
第4点は,経済交流を促進するための地元の組織,体制の問題であります。
海外における情報拠点の整備とともに,その受け皿ともなる地元の体制づくりが必要なことは言うまでもありません。
そこで,昨年10月に結成された
札幌国際見本市協会を法人化し,国内外の見本市を対象とした幅広い
参加支援システムを設けるなど,見本市に関する総合的・戦略的な拠点として組織の強化を図るとともに,本市の中小企業を主体として,民間主導による新しい貿易振興団体の設立なども行うべきだと思いますが,いかがでありましょうか,お伺いをいたします。
さらに,行政内部の体制についてでありますが,他の政令市においては,貿易振興のために,貿易課あるいは貿易係というセクションを設けている例が多く見受けられるのであります。本市におきましても,
海外経済情報や協会の指導など,
国際経済交流を促進するための組織の充実,機構の見直しを検討する必要があると考えますが,いかがでしょうか,市長のご所見をお聞かせいただきたいのであります。
次に,札幌市博物館構想についてお伺いをいたします。
近年,博物館のあり方が変化をしてきております。従来の博物館は,とかく博物館行きなどと言われるように古い物,珍しい物だけが集められ,陳列されているというイメージがありました。それだけに入館者数も多くはなく,一部の人を除いて,年に同じ館に何度も足を運ぶということも少なかったのであります。
しかし,最近は開かれた博物館,市民参加の博物館として,身近なものにしようとする声が高まっております。本市は,他都市と比べ歴史が浅いということで,歴史資料などが乏しいというのは事実であります。しかし,歴史資料が乏しくとも,本市のシンボルを創出し,歴史的遺産を未来に継承していくことは大事なことであります。本市は,他都市と違った都市形成の歩みを持ち,ユニークな都市目的のもとに開拓され,今日に至っているという特殊性,短期間に世界に類を見ない発展を遂げたという実績,さらに,地理的にも動物,植物,昆虫の分布も特異で,興味深い地域でもあります。
それだけに新博物館は,話題と情報を集積した情報センターとしてとらえてみる必要があると思います。情報館としての新しいイメージを持つ博物館は,時代の要請でもあろうと思うのであります。こういう性格,方向性のある博物館の建設は,文化振興の拠点となるだけでなく,地元経済への波及効果も大きいと考えるのであります。
国立民族学博物館をモデルとして行われた文化施設の経済効果に関する調査研究において,文化施設と道路,公園などの公共投資の比較を行っておりますが,それによりますと,道路や住宅とも余り差がないぐらい経済効果が高いとの報告がされているのであります。
このような視点も,今後の博物館計画に当たっては,考慮の一端に含めていくことが大切であります。
そこで,質問の第1点は,この新博物館はどのような特徴を持たせ,どのような基本的な性格を考えておられるのかということであります。博物館は,新たな文化創造の出発点として位置づけられるべきものであります。
先ほども述べましたように,博物館は物を展示するのみならず,収蔵,調査,研究,教育普及等にその使命がありますが,しかし,これだけ豊かな自然に恵まれた札幌市だけに,自然を生かしながら魅力ある博物館にするためには,市民が自由に施設や設備を活用することができ,知的レジャーや遊びの場とすることも大いに必要と思いますが,いかがでしょうか。
質問の2点目は,市内の各種類似施設とのかかわりについてであります。
郷土としての札幌市を考えてみたとき,市民がどれだけ札幌の自然や人についての歴史的な情報を得られるだろうか。また,他都市のお客さんに札幌を理解してもらうために,案内を十分し得るところはあるだろうか。私は,総合的な情報や将来の展望を提供できる施設は現在ないように思います。
本市における博物館の現状は,法による博物館としては,青少年科学館と円山動物園があり,類似施設として札幌歴史館,資料館,冬の
スポーツ博物館,平岸・清田の郷土館,手稲記念館などがあります。このように,
歴史的生活文化にかかわる資料も分散されており,その管理も一元化されていないのであります。
そこで,各種施設に分散している資料を極力情報化し,新博物館において情報の一元管理をする必要があると思いますが,いかがでしょうか。
3点目は,国際化時代にどう対応するかであります。
姉妹都市を初めとする北方圏諸都市との関係情報機能を持つ博物館を建設することにより,真の北方圏の拠点都市としての位置づけを確かなものにできると思いますが,いかがでしょうか。
4点目は,当面の課題として,昭和63年度中の基本構想の策定にかかわる一般市民の参加と庁内の
検討チーム設置についてであります。
大学などの研究機関や専門家との連携も必要でありますが,庁内の各部局による検討や広範な市民層の意見をも十分踏まえて検討することも大切であると考えますが,いかがでありましょうか。
最後に,新博物館の建設規模,日程,場所についてであります。
博物館の新設は,基本構想の策定から調査研究,収集,完成までに5年から10年ぐらいかかると言われておりますので,いまから計画的に進めていくべきと考えますが,市長のお考えをお示しいただきたいのであります。
次に,都市緑化の推進についてお伺いをいたします。
さきに策定された第3次
長期総合計画を見ますと,本市が取り組むべき基本課題の一つとして,札幌の自然を生かした都市の形成は,かけがえのない財産として21世紀に継承するとともに,北の地理的条件,自然的特性を今後のまちづくりに積極的に生かしていくことが重要であるとしております。
そこで,私は,緑豊かな都市環境を維持する上で,市街地の中での緑を考えますとき,公園や街路樹等の公共の緑,街の中に残る自然の緑,そして事業所や個人の庭の緑,これらが総合的にかみ合い,補完し合って初めて,潤いのある都市環境が形成されると思うのであります。公園や街路樹等の緑については,ここ10年間に面積,本数が着実に増加し,緑化の成果が上がっているのでありますが,しかし,市街地内の約5割を占める民有地の庭などの緑化が進められているとは思えないのであります。
私が昨年9月にヨーロッパを視察したときに,ミュンヘンやパリなどの美しい街並みは,道路に面した家々の芝生や花に演出されており,民有地の緑が都市の景観を形成しているのであります。このように考えてまいりますと,どうしても,民有地の緑化の推進を図る必要があると思うのであります。
そこで質問の第1点目は,札幌市
緑化推進条例施行後の成果についてであります。
昭和52年に制定された条例により,民間施設の緑化協議制度,緑の協定,緑化推進地区など,市民とともに各種の事業を進めてまいりましたが,その結果として,昭和61年に実施した市政世論調査によれば,「あなたは市内の緑がふえていると思いますか」の問いに対し,「ふえている」と答えた人が30%,「減っている」が28%,「変わらない」が30%,ほぼ三者同率となっております。これで見る限り,市民の意識のレベルでは,緑化の成果は必ずしもあらわれていないと思うのであります。
ふえていると答えた人にその要因を尋ねたところ,公園緑地が整備されたという理由が73%でトップで,自分で緑を植えたと,地域等で緑を植えたという人はそれぞれ10%程度で,市民緑化という面ではまだまだ成果が認められている段階には至っていないように思われますが,いかがでしょうかお伺いをいたします。
質問の第2点目は,
都市緑化基金についてであります。
昭和59年に,民有地の緑化を進めるため,札幌市
都市緑化基金が設立されております。10年間で3億円の基金の造成を目標とし,その果実の運用により,民有地緑化の援助や緑化普及啓発を進めていくという趣旨であります。設立後4年を経過し,この基金の活用がいま一つ明らかになっていない気がするのでありますが,今日までの
都市緑化基金の造成状況とその果実による活用はどのように展開されているのかお尋ねをいたします。さらに,この基金の活用と市の緑化施策の役割分担をどういう方針で行っているかも,あわせてお伺いをいたします。
最後に,私が日ごろから考えている緑と花のまちづくりについて提案をしながら質問をいたします。
まず,魅力ある都市景観には,緑と花を抜きには考えられません。ヨーロッパの街の美しさは,まさに花,花,花であります。一昨年の花と緑の博覧会でも,あのすばらしい花の美しさは目をみはるものがありました。あの美しさを,ぜひ街の隅々まで再現したいものであります。これを官民挙げて取り組む必要があり,そのためには,まず,ユリの名所の百合が原公園のように,四季を通した花の名所の公園をもっと拡大していくべきであります。
二つ目には,道路や河川の可能なスペースを,単に役所だけが行うのではなく,市民の参加を得て,フラワーロード,フラワーリバーとして花で飾るなどの工夫をすべきであります。
三つ目として,市民の触れ合いとコミュニティーの効用についてであります。最近,特に雪による隣り近所の仲たがいや,マンション建設で見られるような町内での住民間のトラブルを聞くのであります。そこで,各区役所にそれぞれシンボルマークがあるように,区の花を制定し,緑の協定のように,花についても町内会と協定を結び,触れ合いを高める上でも,区独自の花いっぱい運動を展開すべきだと思いますが,いかがでしょうか。また,小学生に花の種を配り,情緒教育の一つとして花を育てるなど,市民の手による花のまちづくりを進めてはどうかと思うのであります。
花の消費は文化のバロメーターと言われております。観光課や北東開発公庫の調査では,11大都市中,札幌が生活環境のよさやイメージがトップとなっております。
21世紀の札幌を名実ともに文化の香り高い花の街にするためにも,これらの事業は必要であると考えるのでありますが,いかがでありましょうか,市長のご所見をお伺いいたします。
次に,福祉行政についてお伺いいたします。
まず,教育・福祉コースの職員の採用と配置状況についてであります。
私は,61年の第3回定例会において,福祉に携る専門職員の採用について質問をし,その結果,市長の英断により,一般事務職Bコース,すなわち,教育・福祉コースの職員採用試験が実施されましたことに対し敬意を表するところであります。
そこで,教育・福祉コースの職員の採用と配置状況,及び本年度以降の計画について,どのようにお考えなのかお伺いをいたします。
次に,障害乳幼児についてであります。
本市における障害乳幼児に対する相談指導は,保健所での乳幼児健診・精神発育相談室があり,自閉症児に対しては市立病院静寮院,肢体不自由児は母子訓練センター,みかほ・ひまわり両整肢園で行い,言語障害児についてはことばの教室で相談指導し,福祉的な相談及び手続は児童相談所等で行うなど,相談窓口は全国有数な形で整備され,保育園,幼稚園における障害児保育も非常に進んでいるのであります。
しかし,残念なことに,窓口はたくさんあるが,相互のネットワークが確立していないため,障害を持った子供と母親が各相談機関を転々としております。また,相談する場所はあるが,定期的に通い,療育訓練を受ける場が必ずしも十分でないと思われるのであります。そこで,お尋ねをいたします。
質問の1点目は,衛生局と民生局が連携して各相談・医療機関のネットワークを確立し,障害幼児の実情を把握するなど,体系的な市民サービスを検討すべきだと思いますが,いかがでしょうか。
質問の2点目は,障害を持った幼児の早期の療育援助についてであります。
昨年5月に厚生省から,保健所の1歳半健康診査の後の精神発達にかかわる精密検診を児童相談所で実施する旨通達がありましたが,本市ではどのように取り扱いをされているのか。また,3歳児の精神発達にかかわる精密検診と事後指導もこれからの予定と聞いておりますが,この辺についてもお聞かせいただきたいのであります。
さらに,1歳半にせよ,3歳児にせよ,精密検診で障害があると判明した場合,その子供さんへの療育と援助の場が必要となります。現状では,知恵おくれの子の通園施設がかしわ学園1ヵ所のみという実情であります。それだけに当面,療育機能の強化・充実の必要があると思うのであります。児童相談所や民間でも障害児グループをつくって指導しているようでありますが,これら療育機能の強化・充実についてのお考えがあるかどうか,お尋ねをいたします。
質問の3点目は,通園施設についてであります。
いま全国的に,心身に障害を持った乳幼児の超早期からの対応について,急速に制度が確立してきており,各政令市でもいろいろな試みがなされていると聞いております。たとえば,年齢が小さくなればなるほど,肢体不自由なのか,知恵おくれなのか,区別がつきにくくなるため,総合的にスタッフを配置した通園施設が必要という話も聞くのであります。札幌市の場合,各機関はそれぞれ充実しておりますので,地域に母と子が通いやすい療育訓練の場を含めた施策の検討は十分可能と思われますし,医療と福祉・教育が十分連携がとれ,障害を持った乳幼児が適切に療育の場が確保されるような行政としてのプランを検討する委員会など設置してはどうかと思うのであります。いかがでしようか,お伺いをいたします。
次に,冬季スポーツの普及振興を図る方策として,50メートル級ジャンプ台の新設についてお伺いをいたします。
冬季スポーツを代表するものと言えば,各種スキー競技を挙げられる方が多いと思いますが,中でもジャンプ競技は,近年,特に人気の高い競技として市民の間に定着してきたのであります。
思い起こせば,昭和47年2月に開催された冬季オリンピック札幌大会において,宮の森ジャンプ競技場を舞台に,笠谷選手等の活躍により3本の日の丸が翻ったときの感激は,私のみならず,市民の心にも強く印象づけられたものであります。冬季オリンピックを初め,各種世界的大会においてあの感動と栄光を再現することを,市民はもちろん,日本じゅうのだれもが切望し期待していることを思えば,世界に通用する名ジャンパーの育成こそが急務ではないかと思うのであります。
本市としても,札幌冬季オリンピック大会を契機にジャンプ少年団が結成され,荒井山のジャンプ台において,日増しにその成果を上げております。これはまさに,将来の日本ジャンプ界に明るい展望をはぐくむものと大いに期待するものであります。
昨年12月本市で開催されたワールドカップジャンプ大会で,フィンランドの,マッチ・ニッカネン選手が70メートル及び90メートル級のいずれにおいても圧倒的な強さで優勝し,また,ことしの2月開催された冬季オリンピック・カルガリー大会においても,これまた予想どおり優勝したことは,いまなお記憶に新しいところであります。
無敵を誇る王者ニッカネン選手は,聞くところによれば,弱冠7歳のころからジャンプ競技を志し,フィンランドの恵まれた自然環境と豊富な練習施設の中で,その素質と才能を開花させ,いまや世界を代表する名ジャンパーとして国民の英雄となり,青少年のあこがれの的となったのであります。
そこで,私は,各国における選手の育成強化の方法及び施設整備の状況を調査したところ,その結果として,各国とも,少年期から一貫した指導育成が徹底されており,技術力に応じ段階的にジャンプ台が整備され,名ジャンパーを生み出す土壌が完成されているとの結論を得たのであります。
ご承知のとおり,ジャンプ競技は,技術力はもちろんのこと,高さに対する恐怖心に打ちかつ精神力と判断力,そして強靭なばねを持った身体が要求される過酷な競技であります。これらの条件を克服し,技術力を磨くためには,その競技能力の向上に従って,段階的に高さの異なるジャンプ台での練習を積み重ねることが,自信を高め,勇気をはぐくむ大きな要素になると考えるのであります。
いま少し,諸外国の例を具体的に申し上げます。
各国とも30メートル,50メートル,70メートル,90メートル級のジャンプ台を段階的に整備しているのが実情であり,中でもノルウェーでは,30メートルから90メートルまで10メートルごとに7段階のジャンプ台を設置しているのであります。
それでは,本市の現状はどうかと申しますと,荒井山に20メートルと35メートルが設置され,主にジャンプ少年団が練習をしております。その次の段階と言えば,一気に宮の森ジャンプ競技場の70メートル級,そして大倉山ジャンプ競技場の90メートル級となるわけで,35メートルから70メートルに至る間に段階的なジャンプ台がないということは,競技力を培う意味でも,また,危険性を伴う競技だけに,心配せざるを得ない現状にあると言えるのであります。
札幌市が冬のスポーツの普及振興に先駆的な役割を果たし,国際的にもその評価が高まってきている現状下にもあり,しかも,市民の見るスポーツとして,ジャンプ競技の人気が定着し,より親しまれていることをも考え合わせますと,諸外国の例にも見られるように,50メートル級ジャンプ台を早急に設置し,ジャンパーの競技能力を養成し,向上させることが必要ではないかと考えるのであります。
そこで,現在荒井山にある35メートル級のジャンプ台については,近年,これの損傷がきわめて著しい状況にあって,早期の改修が望まれております。したがって,これらの改修の際に,35メートルと50メートル級を併設したジャンプ台として整備する考えはないかどうかお伺いいたします。
次に,もし,この併設の方法が不可能な場合,他の場所に新たに50メートル級ジャンプ台をつくることについて,その考えをお伺いしたいのであります。
最後に,分区についてお伺いいたします。
来年11月に予定されております西区と白石区の分区を1年半後に控えたいま,区役所を初めとする直接関連施設の整備は着実に進んでおり,また,分区の根幹であります分区線につきましても,先ごろその原案が示されたところであります。
今回示された原案については,白石区は特に問題がないようでありますが,西区は,長年築き上げてきた町内会組織を分断し,さらには,手稲側に分区される住民にとってみれば,新区役所に行くにしても都心と逆方向になり,不便を感じるというのが多くの住民の意見であります。
また,従前の7区は,少なくとも都心である中央区と接点を持っておりますが,今回分区される手稲及び厚別については,都心から遠く離れているのであります。分区は,札幌の将来のまちづくりという高い視点に立ち,慎重かつ大胆に取り組むべきものであります。しかし,私が,いま最も危惧するところは,分区が実施された時点で,市民サービスがどの程度充実されるのかという点であります。
私は,両区の分区が論議されて以来,これらの地区について,住民要望として提起されている課題がどの程度あり,それがどう解決されるのか,あるいは,都市基盤の整備水準などが既存の区と比べてどうなのかについて,調査をしてまいりましたが,その結果,仮称厚別区は,副都心として整備が進んでいるのに対して,一方の仮称手稲区については,道路網等の都市基盤整備が大幅に立ちおくれている現実を指摘せざるを得ないのであります。
厚別区は,副都心を形成するとして,すでに20年以上に及ぶ期間,計画的な投資の中で整備が進められての分区であり,一方の手稲区は,こうした計画によらず,民間等による開発によって人口の増加が続き,このような格差が生ずる結果になったと思うのであります。
もちろん,分区によって区役所,区民センター,保健所を初め,1区1施設としている施設については,他区同様に整備されるという点においては,新区民としてひとしいサービスを享受できるわけでありますが,地区センターや老人福祉施設等の公共施設,道路網や新しい区役所に行くための交通体系など,日常の生活に密着している部分についての格差は余りにも大き過ぎるのであります。
そこで,手稲地区は本市の西方の拠点として,今後ますます発展が期待されている地区であり,分区は一つの行政単位としてきめ細かい行政サービスを行うのが目的でありますから,この分区を大きな契機として,駅南口周辺の活性化,駅北口周辺の健全な市街地育成,そして南北一体となった地域中心核の形成を図るため,計画的で積極的な公共投資を行い,整備を急ぎ,数多い住民要望に一日も早くこたえるべきと強く訴えるのであります。
以上のような観点から,以下数点についてお尋ねをいたします。
質問の第1点は,JR手稲駅周辺の整備に関してであります。
私は,手稲駅が道内JR駅の中で札幌駅に次ぐ乗降客数を有し,かつ,駅北口には仮称手稲区の区役所等の行政施設も予定されており,今後,手稲駅周辺は区の中心として,ますます発展するものと期待するものであります。
手稲駅周辺は,第3次札幌市
長期総合計画では,「各種公共施設の整備を進めること。あわせて商業機能を強化し,魅力的な地域中心核としての整備を促進する」とされているのであります。しかしながら,現状を見ますと,駅南口地区については,地域中心商店街としての整備・魅力づけが他区と比較しておくれており,また駅北口地区については,区役所の位置は確定したものの,その周辺は工場その他の空き地が目立ち,道路等の基盤整備はもとより,区役所周辺にふさわしい商業業務地としての整備がきわめて立ちおくれているのであります。
そこで,このことに対し,次の2点についてお伺いいたします。
まず,駅南口地区については,本市の市街地整備のためのマスタープランであります「札幌市都市再開発方針」の中で明確な位置づけを行い,再開発を積極的に誘導し,魅力的な商店街として再整備を進める必要があると考えるのでありますが,いかがでありましょうか。
次に,駅北口地区については,区役所周辺にふさわしい健全な商業業務地としての整備誘導を図るため,土地利用の考え方,道路,バスターミナルなどの交通関連施設及び南北市街地の有機的な連携を図るため,樽川・花畔人道橋などを含む快適な歩行者動線の確保等について,早急に市のマスタープランを策定すべきと考えるのでありますが,市長のご所見を承りたいのであります。
質問の第2点目は,手稲地区における道路網の整備についてであります。
道路は,都市基盤の整備の上で最も基本となるものであります。とりわけ,都市計画道路として位置づけられた幹線道路は,その根幹をなすものであります。しっかりとした道路網計画を立て,その上で整備を進めていくことが肝要であり,地域の無秩序な開発が行われる前に,行政がその指針を示すべきであると私は考えるのであります。
まちづくりの基本となる手稲区の都市計画道路については,私の調査によりますと,他の区と比べその割合はきわめて低く,特に新区役所へのアクセス道路も不足しており,現在計画されている都市計画道路についても,その整備はおくれていると言わざるを得ないのであります。
まず,都市計画道路網を充実する上で,特に緊急を要する地区としては,国道5号線から山側の住宅市街地であり,この地区は,手稲区の中でも地区幹線道路の整備が大幅に立ちおくれているところであります。
その中で,市道手稲高台線は,国道と並行して,この地域を東西に結ぶ唯一の道路でありますが,その整備は進んでいないのであります。この状況を解消するためにも,この道路をこの地区の幹線道路として位置づけし,都市計画道路として整備促進すべきと考えますが,いかがでありましょうか。
二つ目は,都市計画道路の整備には,相当な年月と莫大な資金を要することは私も十分承知をしておりますが,分区を契機として新区の発展を熱望する新区民の期待にこたえるためにも,整備のおくれている手稲地区の都市計画道路に集中的に公共資本を投下し,積極的に整備を図る考えはないかどうか。たとえば,下手稲通の樽川通から星置まで,二十四軒手稲通の宮の沢から星置間,そして手稲駅北通の石狩・手稲通への接続部分がいまだ整備されておりません。したがいまして,これらの整備計画についても,あわせてお伺いをいたします。
また,手稲地区の幹線道路の中には,勾配がかなりきつくなっているところもあり,冬季間の安全走行に支障となっている箇所もあります。
たとえば,国道5号線と手稲駅前通,石狩・手稲通との交差付近では勾配がきつく,ロードヒーティング等の設備を設けることが必要と考えますが,いかがでありましょうか。
第3点目は,バス路線網の整備についてであります。
手稲区と厚別区のバス停留所について私が調べたところ,手稲区は93ヵ所,厚別区は148ヵ所。
これを1停留所当たりの市街化区域面積で見ますと,手稲区は22ヘクタール,厚別区が12ヘクタールとなっており,このことは,利用者にとってバス停までの距離が長く,手稲区のバスサービス水準は低いと言わざるを得ません。したがいまして,分区に際しては,手稲区の交通の利便を確保すべく,既存のバス路線網をさらに充実させる必要があります。
また,手稲駅北口地区については,公共施設を中心とした地域中心核を形成していくことになるため,区役所等への利用者の足を確保しなければなりません。そのためには,ここに連絡するバスの利便性を向上させる必要があると考えるのであります。
たとえば,近年人口の伸びが著しい新川沿いの発寒地区については,現在手稲駅北口に至る路線として,下手稲通を走る市営バスがあるのみで,新川と下手稲通の間は,いわばバス空白地帯となっているのであります。そこで,市道稲積7号線及び稲積・前田連絡線が整備されることから,北口に至るバス路線を新設することができると思いますが,いかがでしょうか。
さらに,下手稲通の路線についても,1日往復10便しかないことから,きわめて不便であると言わざるを得ず,この路線の増便を図る必要があると思います。
また,函館本線南側の宮の沢,富丘,星置,金山,稲穂などの地区についても新区役所へ至る路線がないのであります。そこで,国道5号線から石狩陸橋を渡って区役所へ至る路線等の新設がぜひとも必要であります。
さらに,これらの点については,JR・中央・市営バスの3事業者が競合する地域でありますので,バス路線の新設,増便に当たっては,市としてどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいのであります。
質問の最後は,手稲区の公共施設の早期整備についてであります。
私は,手稲区の住民は,札幌市民として当然,ひとしく行政サービスを享受すべきであり,他区の住民とのバランスを欠くようなことがあってはならないと強く考えるものであります。そこで,区役所,区民センター,保健所など,1区に一つ設置することとしている公共施設は,分区までに完成させるべく建設に取りかかっているところでありますが,手稲区において,こうした公共施設のほかに,きめ細かい行政を執行するための施設が必要と考えるのであります。
すなわち,一例を挙げますと,分区により町内会組織がやむなく分割され再編成を余儀なくされる発寒地区及び宮の沢地区について見ますと,ここは人口の急増地域の一つであり,かつ手稲区の東端に位置することとなります。地区センター,連絡所,児童会館等の新設が必要と考えますが,市長のご所見をお伺いしたいのであります。
以上で,私の質問のすべてを終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず第1に,地域産業の
国際経済交流についてお答えを申し上げます。
私といたしましても真の国際都市さっぽろを実現をしていく上で,また一方,足腰の強い産業構造を実現するためにも,地域産業の国際化はきわめて重要なテーマであると認識をいたしております。
そこで,第1点目の
国際経済交流に関する具体策についてでありますが,今年度の事業といたしましては,関係機関との連携のもとに,パリの国際食品見本市や,シンガポール島で開催される東南アジア物産展あるいはオーストラリアの国際レジャー博覧会などへ参加することを予定いたしております。また,去る4月には,ストックホルム市長一行を招いてストックホルム経済セミナーを開催し,ハイテク分野における情報・技術交流の提携を行うなどの成果を得ることができましたがこのほか,北方都市会議に連動した北欧経済セミナーを初め,ポートランドなど姉妹都市を対象とする経済セミナー,商談会,展示会などもまた,積極的・継続的に開催する予定でございます。
第2点目は,国際的な見本市,物産展の開催とそれへの参加促進についてでございます。
ご指摘のありました
札幌国際見本市につきましては,昭和65年に第3回目を開催をする方向で,すでに諸準備を進めているところでございますが,商取引機能の一層の強化を図りながら,本市にふさわしい特色のある見本市を目指してまいりたいと考えております。
今後は,北方都市会議や姉妹都市等の都市ネットワークを活用して,世界各地にさまざまな経済交流拠点をつくり出し,見本市や物産展の開催・参加を通じて,地域産業の国際化を総合的に促進してまいる考えでございます。
また,海外の見本市への参加補助の問題でありますが,札幌物産協会や北海道貿易物産振興会が主催する事業,あるいは,北方都市会議関連事業である国際冬の見本市など,これまでも必要に応じて随時実施をしてまいりましたが,今後は,より一層のこの点充実を図っていきたいと存じております。
第3点目は,海外における
経済情報拠点の整備についてでございます。
海外駐在員制度など,地城産業の国際化に向けた直接的な情報システムの構築はきわめて重要な課題であると認識をしており,ご指摘のありました自治省の海外共同事務所,これへの参加,あるいはジェトロの海外研修員制度への参加等につきまして,積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
また,
通称アドバイザリー制度につきましては,予算上の負担が軽く,比較的早期に実現可能とも考えられますが,先ほど申し上げました海外共同事務所との機能分担や関係機関との連携の可能性などを考慮しながら,海外
経済情報拠点の効率的な整備の一環として総合的に検討してまいりたいと存じます。
第4点目は,経済交流推進のための地元の組織・体制の問題でございます。
現在のところ,市内には90余りのさまざまな国際交流団体があり,文化,経済,技術など幅広い分野で活発な交流活動を展開をいたしておりますが,地場企業の経済交流促進に向けた体制づくりに当たりましては,まず,これら既存組織の充実・強化が先決であろうかと考えます。したがいまして,ご提言のございました
札幌国際見本市協会の法人化,あるいは民間貿易促進団体の設置等につきましては,今後,関係の諸団体の動向を見きわめながら検討していきたい,こう考えます。
また,行政内部の体制強化の必要性につきましては,ご指摘のとおりであると思われますので,できるだけ早い時期に関係部局の機構の見直しに取り組ませたいと考えております。
次に,都市緑化の推進についての問題でございますが,第1点目の市民緑化の成果につきましては,昭和52年に緑化推進条例を制定以来12年目でございますが,民有地の敷地に関する緑化協議では,累計で2,500件,植えられた樹木の数で言いますと24万7,000本に上ります。ちなみにこの数で言いますと,本市街路樹総数の約7割に相当するものでございます。
また,町内会等地域団体との緑の協定は,現在,25団体,708ヘクタール,9,700戸を対象に5万800本の植樹がなされております。
緑化推進地区は,現在,伏古地区のみでございますが,地元協議会では,緑化推進計画の策定,緑化セミナーの実施,コミュニティ道路の計画,あるいは伏古の木と花の選定等,大変ユニークな活動を展開しております。したがいまして,市民緑化につきましては,ある程度の成果が上がっているものと私どもは判断をいたしております。
第2点目の
都市緑化基金につきまして,当初,昭和68年度までの10年間で3億円を目標といたしておりましたが,すでに昭和62年度末で2億9,226万4,000円が造成をされましたので,68年の目標年次を昭和65年度ぐらいまで短縮いたしたところでございます。この果実の運用による事業内容は,普及啓発のための各種のポスター,パンフレット等の発行,各種園芸祭の主催・協賛・後援等から,町内会及び商店街等へのフラワーポットの貸出し事業,苗木の配布事業等でございまして,札幌市
都市緑化基金の役割である民有地の緑化事業の推進に役立っていると考えております。
第3点目のうち,花の名所の公園づくりにつきましては,ご存じのとおり,平岡公園の梅林,モエレ沼公園の桜の森等を造成中でございまして,私も先だって,そのいずれをも視察をしてまいりましたが,この開花の時期には,市民の皆さんに楽しんでいただくということで大変,人も入っておりましたが,特に平岡公園の梅林につきましては,ことし3万数千人の来園者がございました。今後のまちづくりに当たりましては,ご提言の趣旨を踏まえ,たとえば区の花が制定されました折には,その花を生かした特色ある公園,道路あるいは河川を整備をし,市民の皆さんと一体になって潤いのあるまちづくりを進めてまいろうと,このように考えております。
次に,福祉行政の問題でございます。
ご指摘の中にもございましたが,まず,教育・福祉コースの職員の採用と配置状況及び今年度以降の計画についてでございます。
昭和62年度の職員採用試験におきましては,大学の部一般事務の試験区分の中に,主に社会・社会福祉・教育系の問題を出題するBコースを新たに設けまして,これに合格した6名全員を本年4月1日付をもって採用して,児童相談所あるいは福祉事務所等の福祉関係職場に配置をしたところでございます。
今年度以降につきましても,応募状況及び採用後の実績等を踏まえながら,教育・福祉関係を志向する人材を確保するために,引き続いてBコースの採用試験を実施してまいろうと,こう考えております。
次に,障害乳幼児についてでございます。
第1点目の,体系的な市民サービスについてでございますが,ご指摘のように,障害乳幼児の早期発見・早期療育には,保健,福祉,医療,さらには教育の緊密な連携が必要であると私も認識をいたしております。現在は,それぞれの関係機関が個別に連絡をとりながら相談・判定・療育訓練などを進めているところでございますが,総合的・体系的により充実した対応ができるように,衛生局と民生局が連携してその具体的な方策を検討してまいりたいと存じます。
第2点目のご質問のうち,前段の障害を持った幼児の早期の療養についてでございますが,現在保健所で実施しております1歳6カ月児及び3歳児の健康診査の結果,精神発達面の精密健康診断を必要とするお子さんにつきましては,保健所の乳幼児精神発育相談の中で対応しており,必要に応じ専門医療機関を紹介するなど,適切な保健指導を行っております。しかし,お話にもございましたように,昨年,厚生省の通知によって,3歳児に加え,1歳6ヵ月児の精神発達面の精密健康診査につきましても,事後指導も含めて児童相談所で実施することとされましたので,その趣旨に沿って現在検討を進めているところでございます。
また,後段の療育機能の強化・拡充についてでございますが,関連いたしますので,第3点目の療育訓練機関の連携と検討委員会の設置についてのご質問とあわせてお答えを申し上げます。
本市では,心身障害児の通園施設や障害児を受け入れる保育所・幼稚園などが療育訓練に当たっておりまして,相当な成果を上げていると存じております。しかしながら,お話にございましたように,年齢が低い時期にありましては,肢体不自由児か知恵おくれか,これは容易に判断がつかない事例や重複障害の事例もふえておりますところから,これらの事態に対応した早期からの療育の場のあり方,療育機能の強化・拡充,療育訓練の訓練機関の連携などにつきまして,ご指摘のような検討委員会を設けて積極的に取り組ませようと考えております。
次に,50メーター級ジャンプについてお答えを申し上げます。
お話にもございましたが,72年の冬季オリンピック札幌大会のジャンプ競技の感動を再現しようと,こういうことで,日ごろから精進をし努力しておりますジャンプ少年団の皆さんのことは,私もよく承知をいたしております。将来の名ジャンパーの出現を大いに期待をしているところでございます。
そこで,荒井山の35メーター級ジャンプ台の改修に当たりまして,50メーター級ジャンプ台を併設できないかというご質問でございますが,現状を考え合わせますと,技術的にはちょっと難しいかと思われます。なお,他の場所に新設することにいたしましても,立地条件等,適地の選定はなかなか大変でございますが,しかし,そういうことからいたしますと,早期に実現するというのはちょっと難しいんでないかなあとは考えますけれども,しかし,ご質問の趣旨及びその必要については私も十分理解ができますので,今後,関係競技団体との協議を重ね,できるだけその実現を図るように検討してまいりたいと考えます。
私からの最後に,分区に関連しての問題でお答えいたします。
1点目のJR手稲駅周辺の整備についてでございますが,当駅周辺地区につきましては,第3次札幌市
長期総合計画におきまして,新しい区の地域中心核として位置づけられており,今後,地域特性を生かした,新区にふさわしい魅力ある生活都市づくりを誘導していく必要があると考えております。したがいまして,駅南口地区につきましては,敷地の共同化等による魅力ある商業機能の整備促進が図られるように,昭和65年ごろに予定されております市街化区域の見直しのときに,都市再開発方針の区域に指定する方向で検討をしてまいろうと考えております。
次に,駅の北口地区につきましては,現在,新区役所の位置も確定しましたので,地域中心核にふさわしい商業業務地として,計画的な市街地の形成が図られるよう誘導していく必要があると考えておりますので,民間開発の誘導指針になるヤスタープランの策定を行っていきたいと考えております。
2点目は,手稲地区における道路網の整備についてでございます。
まず,市道の高台線を都市計画道路として整備促進をしてはどうかと,こういうご質問でございますが,当該道路が走る地域は国道5号線から山側で,奥行き約600メートルの帯状の地域であり,地域中央に国道と並行する生活幹線道路が必要であると考えております。その地域のうち,稲穂・富丘などにつきましては,今年度から土地区画整理事業の基本構想を作成するための調査を実施することにいたしておりますので,この調査とあわせて検討をしてまいりたいと考えております。
次に都市計画道路の整備促進についてでございます。
都市計画道路の整備につきましては,交通事情,道路の性格,事業効果等を総合的に勘案して整備路線を選択し,事業計画を立てているところでございますが,手稲地区における整備の必要性は十分理解ができますので,最大限の努力を傾注して整備促進を進めてまいりたいと考えております。
ご質問の二十四軒手稲通及び下手稲通につきましては,これは現在事業中の区間の整備を急いで,引き続き西側についても事業を着手してまいりたいと考えております。
なお,手稲駅北通につきましては,現在用地交渉を進めておりまして,解決次第速やかに工事に着手したいと考えております。
次に,手稲地区のロードヒーティングの整備についてでございますが,確かに,手稲地区の幹線道路には急勾配の箇所が多くございます。特にご質問の箇所につきましては,車の安全走行の上から,できるだけ早期にロードヒーティングを実施をする必要があると考えております。
3点目のバス路線網の整備についてでございますが,現在,函館本線の北側を運行している市営バスの路線といたしましては,下手稲通の発寒線と新川通の新川線とがございます。両路線の中間に位置する市道稲積7号線につきましては,本年の冬ダイヤからバス路線の新設を計画をしております。この路線につきましては,開拓橋付近を終点に予定をいたしておりますが,橋梁の改修及びその先の稲積・前田連絡線の整備後は,手稲駅北口まで延長したいと考えております。また,発寒線の増便の件でございますが,利用実態を勘案しながら対処してまいりたいと考えます。
さらに,函館本線南側地区から新区役所に至るバス路線の新設につきましても,市民の足を確保するためにはぜひとも必要であると考えております。そこで,これらの路線延長・増便につきましては,バス事業者間の調整等難しい問題もございますけれども,関係機関に働きかけ,その実現に努力をしてまいりたいと存じます。
次に,4点目の公共施設の整備についてでございますが,お話のように,1区1施設としております体育館と図書館はすでに完成をし,ご利用いただいているところでございますし,区の基幹となります区役所は,区民センター,それから保健所を複合させて着工の運びになったのでございます。また消防署につきましては,本年度は調査・設計でございますが,申し上げましたこれらの施設は,明年11月の分区時点までにはすべて整う予定でございます。
そこで,ご指摘ございました市民の利便施設,たとえば連絡所とか児童会館でございますが,こうした利便施設の問題でありますが,これらにつきましても,地域に強い要望があることをそれぞれの地域で承知をいたしておりますし,地理的にも設置が必要と判断をされる場所もございますので,具体的には,地区の皆さんの要望を参酌しながら逐次整備に努めてまいりたいと,このように考えております。以上であります。
○議長(吉野晃司君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) 私から,博物館構想についてお答えいたします。
まず第1点の,新博物館の特徴と基本的性格につきましては,昭和60年度以来,各界のご意見を幅広く拝聴するとともに,道内外の状況を慎重に調査・検討してまいりました。
現在道内には,人文史系を中心とする北海道開拓記念館を初め,理工系の札幌市青少年科学館など,数多くの博物館や類似の施設がございますが,自然史系の本格的な博物館がないのは事実でございます。さらに,札幌市は,大都市としてきわめて豊かな自然に恵まれ,人と自然の共生の可能性がきわめて高い街でございます。そのようなことから,本市に設置する博物館は,人と自然のかかわりをテーマとする自然史系を中心とした新しいタイプのミュージアムが望ましい,とのご意見があるわけでございます。
そこで本市といたしましては,以上のことを踏まえ,さらに,人と自然の共生への今日的な関心の高まりに基づいて,自然史系を中心とした博物館などについて,その新しいあり方を含めて慎重に検討してまいりたいと存じます。
さらに,ご質問の知的レジャーや遊びの場につきましても,ハイテクを十分に活用した動きのある展示など,今日の目覚ましい科学技術の発達や学術研究の進展を生かしたディスプレーの方法などについての研究を重ねてまいりたいと存じます。
次に第2点でございますが,現在本市にあります各種施設は,設立にかかわったそれぞれの部局が,施設の生い立ち及び特性を生かしながら,持ち味が出るように管理しております。しかし,それらの施設をより多くの市民に活用してもらうためには,ご指摘のとおり,情報資料の一元化はきわめて重要と存じますので,新博物館の設置に当たりましては,各施設間に情報や資料整備,調査・研究等のネットワークを張り,相乗効果の実を上げ得るよう研究してまいりたいと存じます。
次に,第3点についてでございますが,国際化を標榜する札幌市といたしましては,世界各国との連携は不可欠のものと存じますので,ハイテク等を十分活用して,北方圏諸都市を中心とした世界各地の関係施設と何らかのネットワークを張り,新博物館の情報・資料収集,さらには調査・研究,展示,教育・普及等の諸活動を充実してまいりたいと存じます。
次に,第4点についてでございますが,これまでは,大学関係者や専門の方々の自由なご意見を拝聴してまいりましたが,今後はさらに,青少年,主婦,各種職業人,高齢者等を含めた幅広い市民の方々のご意見を伺い,それらを基本構想策定に反映させたいと存じます。
また,庁内の検討チームにつきましては,昭和59年以来,教育委員会内に設置してまいりましたが,今後は,全庁的な規模で自由に意見を述べる場を設定してまいる所存でございます。
最後の,新博物館の建設規模,日程,場所についてのご質問でございます。まず,建設規模についてでございますが,収集保存,調査研究,展示,教育普及の四つの基本的な機能を十分生かせるような施設規模,さらには,国際都市さっぽろにふさわしい風格と容量をもつ敷地規模について,その適切なあり方を検討してまいりたいと存じます。
次に,日程でございますが,ご説のとおり,博物館は建物を建てる以前の長期にわたる調査・研究,収集などの基礎的・基本的な活動が生命でございますので,基本構想の策定に着手いたしました今期の5年計画で十分慎重にベースを固め,さらに,次期5年計画で完成のめどを探ってまいりたいと存じます。
次に,場所についてでございますが,市民のみならず,本市にお見えの多くの方々をお迎えする博物館としての性格上,交通事情をも十分勘案して,慎重に検討してまいる所存でございます。以上でございます。
O議長(吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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――――――――――――――――
休 憩 午後2時17分
再 開 午後2時51分
――
――――――――――――――――
○副議長(滝沢隆君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。伊与部敏雄君。
(伊与部敏雄君登壇・拍手)
◆伊与部敏雄君 私は,ただいまから,社会党議員会を代表いたしまして,通告に基づき順次質問をいたします。
まず最初に,本市の医療費等にかかわる諸問題についてお伺いいたします。
市長は,去る3月25日の第1回定例市議会終了直後,すなわち3月31日に,横路知事に対し,次のような文書要請を行っております。すなわち,「療養取扱い機関の申し出にかかわる対応について」という表題で,その内容は,「札幌市の国保財政は,医療費の増高により危機的な状況にあります。その大きな要因は,入院医療費にあります。本年4月実施予定の北海道地域保健医療計画によりますと,札幌圏の現行病床数はすでに必要病床数を大幅に上回っており,病床数の増加が医療費増大と密接な関係にあることから,きわめて憂慮すべき状況にあります。医療の需要に対応した適切な病床配置は,医療費抑制に大きく寄与するばかりでなく,安定的な医療供給の上からも重要なことと思われます。つきましては,既存の病床数の適正化についてご指導いただくとともに,療養取扱い機関の申し出に際しましては,本市の窮状を十分ご理解の上,その対応について特段のご配慮をお願い申し上げます。」,以上のような文書要請を行ったのでありますが,この行為は,本市の医療費の内容を分析したならば,きわめて当を得たものであり,私も同感であります。
本市の63年度予算を見ましても,一般会計から特別会計に対する繰出金は,前年度に比べ45億8,600万円の増額を見ており,合計176億2,200万円となっております。そのうち,66.3%に当たる116億7,700万円が国民健康保険会計に対して繰り出しており,同時に,老人医療会計に対しましても,24.2%の42億7,400万円を出し,この二つの会計で,特別会計に対する一般会計からの繰出し率は,何と90.5%に達しているのであります。
さらに,予算全体から見ますと,国民健康保険会計は,前年度と比べ約153億7,000万円の増額を行い,老人保健会計も前年度と比べ92億6,700万円ふえており,合わせて246億3,700万円の増額を見ており,同時に,生活保護費約463億円のうち,約51%の238億円が医療扶助費であります。本市の総予算1兆62億円,前年度と比べて約530億円の伸びを示したのでありますが,これを純計予算で比較すると456億円の増となり,このうち,国保,老人,生活保護など医療関係予算の増分は261億円であります。本市予算増の実に57%になっているのであります。したがって,本市の予算総額に占める医療費関係予算がきわめて大きな比重を占めることになり,本市の財政運営上無視できない状態になっているのであります。
本市の医療費の増高の一つとして,市長も知事に対する要請文書の中でも言っているように,その大きな要因は入院医療費にあることは,過去の実績,統計上から見ても明らかであります。そこで問題になるのは,本市における適正な病床数であります。北海道地域保健医療計画の中で,札幌圈の必要病床数,すなわち医療法第30条の3第2項第3号に規定する必要病床数は2万6,253病床となっており,札幌市内における医療法で言う必要病床数は,おおむね2万3,530病床と言われているのであります。
現在,札幌市には幾ら一般病床数があるかというと,3月31日現在3万1,753病床になっており,さらに,現在病院の開設許可は出ているが,まだ使用許可が出ていない病床数1,462病床を加えると3万3,215病床になり,医療法で言われている必要病床数と比べ,9,685病床も多いことになっているのであります。
特に北海道地域保健医療計画では,本年4月以降5年間にわたって病院の開設許可を出さない方針が決定したのでありますが,この方針決定以前に駆け込み病院開設がふえ,昭和62年1月1日から63年3月31日までに許可された開設病院数は43ヵ所,病床数の増加は7,002病床にもなっているのであります。ちなみに,札幌市内に設置されている郵便ポストの数は1,172ヵ所でありまして,本市内の医療施設数は昨年末現在で2,008ヵ所もあり,まさに郵便ポストの数よりも多いことになっているのであります。
病院の病床数増加等については,本市の人口増加などさまざまな要因があると同時に,既存の病床の使用を制限することもなかなか至難であることはわかるにしても,何らかの方策をとらなければ,本市の財政全体に大きな影響を与えることは明らかであります。
そこでお伺いいたしますが,新設病院数43ヵ所,増加病床数7,002病床の増加に伴ってふえると思われる総医療費はどのぐらいになるのか。さらに,本市の国保に影響する医療費について,試算していれば明らかにしていただきたいのであります。
同時に,市長が知事に対して,医療費の増大が本市の財政を圧迫しており,その窮状を十分理解の上,対応していただきたいという要請の中には,病床数の制限等が含んでいるとは思いますが,保健所が行っている医療監視業務の中で,病床数の実態調査はどのように行われているのかお伺いいたしたいのであります。あわせて,不適合の病床数を使用している事実が過去においてあったかどうか,その対応も含めて明らかにしていただきたいのであります。
いずれにいたしましても,市長みずからが本市の医療費増高の実態を各関係団体に明らかにする中で,特に医師会等に対して,病床数の自主規制等積極的に働きかけることは,きわめて重要なことと思うのであります。
そこでお伺いいたしますが,病床数の適正化のための具体的な方策について,何か考えておられるのかどうか。また,そのことについて道と協議した経過及び協議していくことが考えられるかどうかについて,お伺いいたしたいのでございます。
次に,
看護婦問題についてお伺いいたします。
病院の開設がふえ,また病床数がふえることによって,当然
看護婦不足の状況が生まれるのではないかと思うのでありますが,第1回定例議会の中で理事者から,本市における
看護婦数については,数字的には2,690人超過していると答弁がありました。すなわち,本市における病院数は3月末現在224施設があり,62年度の医療監視による状況調査によると,不足している病院数は69ヵ所556人の
看護婦が不足していると言われています。さらに147ヵ所の病院で3,246人の
看護婦が超過しており,1病院平均22人超過していることになっているのであります。
しかし,この数は,あくまでも医療法で定められている数を単純にあらわしただけのものであって,医療法に定められている数だけ配置されていればよいというのは,現実にそぐわないのであります。すなわち端的に言って,医療法で定めている数よりも超過していなければ完全看護,夜間看護など看護体制が充実できないのが現実であり,超過しているとは言えないのであります。むしろ
看護婦が超過しているというより,充実していると言っていいのではないかと思うのであります。
したがって,医療監視調査で明らかになった超過
看護婦3,246人から
看護婦不足をしている病院数69ヵ所,
看護婦556人を単純に差し引き,その差が2,690人の
看護婦超過ということにはならないのであります。むしろ,医療法で定められている
看護婦数に満たない69ヵ所の病院施設556人の
看護婦不足をどのように充足させるかが問題だと思うのでありますが,本市における
看護婦配置に対して,どのような見解を持っており,どのような指導を行っているのかお伺いいたしたいのであります。
同時に,本年1月以降,病院の開設許可がなされ,かつまた,いまだに病院の使用許可が出ていないところの
看護婦体制の状況はどのようになっており,どのように対応させようとしているのか,お伺いいたしたいのであります。
また,いわゆる駆け込み申請によって,市内の病院間では,医師,
看護婦の引き合いが行われ,特に
看護婦については,いまや深刻な社会問題さえ発生していると言われているのであります。この現象は今後も続くものと思われますが,過去において,医師,
看護婦の不足を来たしたまま診療を行っていた事例がどのぐらいあったのかお伺いすると同時に,その場合どんな措置をとり,その結果,すべて改善されたのかどうかお伺いいたしたいのでございます。
次に,札幌駅周辺の再開発推進についてお伺いいたします。
ご承知のように,本市の南北を分断している鉄道線路の高架化事業は,いよいよ本年11月初旬に鉄道高架の開通がなされ,石狩街道並びに西5丁目通の陸橋が解消され,西5丁目通は65年度,石狩街道は66年度に,高架事業に関連する道路整備が完全に終了することになっており,さらに地下鉄東豊線の開業が本年12月2日に行われ,この地下鉄東豊線の開業と同時に,東豊線さっぽろ駅コンコースがJR駅構内に連携し,さらに国鉄高架事業関連で,幅員30メートルの中央コンコース並びに幅員20メートルの西4丁目コンコースの開通,そして既存の西4丁目地下歩道の改良など,札幌駅を中心とする南北の歩車道の整備が大きく前進すると同時に,札幌駅周辺の街並みもきわめて大きな変貌を遂げようとしております。本市は,昭和53年度に,駅局辺地区約60ヘクタールについて,委員会方式により札幌駅周辺地区整備構想を策定いたしましたが,その地区の基本方針の中では,第1は,南北市街地の一体化を基本として,人及び車の動線を南北で密接に結びつけること,ゆとりある駅前広場の確保と南北広場の一体化を図ること,グリーンベルトや街路樹などによる視覚的一体感の確保を図ることなどを提唱しております。
そして第2は,駅周辺地区の振興を行うためには,核になる施設の導入を図ることとしています。核施設の導入は,地区整備の内容に特色を与えると同時に,地区の開発の方向を明確にするものであり,街としての雰囲気をつくり出す意味からも有力な手段であると考えられ,民間の積極的な開発の潜在能力を活用しながら,その導入を図ることとしています。
そして具体的には,官公庁,多目的ホール,事務所,金融・保険会社,観光センター,国際会議場,北方圈文化交流及び貿易センター,外国語研修教育施設,さらに文化・学術機能の発展を図る観点に立って,出版印刷機能,ブックセンター等の導入を検討することになっています。
そして第3は,既存の緑地施設の活用や再生を図るほか,面的整備の中で,オープンスペースや緑地の確保など環境の緑化保全を図り,快適な街並みを創造するなどのほかに,都心圈という位置づけから,宅地の統合化,建物の共同化を推進し,さらに再開発事業と総合設計制度等の活用を図ることにより,土地の高度利用化を目指すことになっております。
このような地区整備の基本方針を踏まえて,本市の働きかけにより,すでに札幌中央郵便局が昭和60年9月にオープンしており,札幌第一地方合同庁舎は64年6月の完成予定であり,さらに南口地区では,地元組合の施行により,札幌駅前北4西5北地区市街地再開発事業が完成し,ビルの名称もアスティ45と決まっております。同時に,北4西5南第二地区優良再開発地区建築物整備促進事業を三井生命保険相互会社が中心となり実施することになっており,65年4月に完成する予定になっております。さらに,五番館の駅前増床計画が進み,64年度には完成することになっており,まさに札幌駅周辺地区は,ことしから65年度に至るまで大変貌を来たすことになるのであります。
その中で私は,当面,最も注目をしなければならないのは,現在の札幌駅の施設がどうなのかということであります。すなわち,JR札幌駅の業務施設が鉄道高架下に移転をすることになれば,当然現在の施設の位置,機能の見直しが可能となります。本市が53年に作成した札幌駅周辺地区市街地整備計画図によれば,現在のJR北海道本社建物部分については,すべての用地が札幌駅南口駅前広場の計画となっておりますが,駅前広場という公共施設に対応することで結論が出ているのかどうか。もし結論が出ていないのならば,本市はJR北海道並びに関係機関に対して,どのような方針で協議,申し入れをしようとしているのか。また時期的にも,鉄道高架が開通した後,少なくとも65年度中に着工,66年度中には完成する見通しを持った方針で協議をし解決を図らなければ,札幌駅周辺地区整備との整合性がなされないことにもなるのではないかと思いますが,高架開通後の在来線跡地の活用の方針どもあわせて,市長の見解をお伺いいたしたいのでございます。一方,札幌駅北口広場の整備についても,鉄道高架事業の完成と整合を図りながら,南口駅前広場同様に,公共施設整備の一環として,昭和56年度から今日まで継続して用地の先行取得を行っており,本年2月には土地所有者である第一生命との交渉がまとまり,全地を取得したことも明らかにされております。しかし,残り1名の土地所有者,すなわち八重州ホテル経営の八重州企業については,いまだに結論が出ていないと聞いております。八重州企業は,北口駅前周辺の代替地を希望しており,その確保に努力しているとのことでありますが,八重州企業の希望する代替地が提供できるかどうか。また,都市開発資金の対象外のため,街路整備事業で買収することになっていると言われておりますが,これらについて,鉄道高架事業が開業する今年11月までに結論が出ることが望ましいと考えますが,その見通しについてお伺いをいたしたいのでございます。
次に,札幌駅北口再開発については,札幌駅北口地区再開発基本計画に基づき,北方圏の拠点都市にふさわしい土地の高度利用と都市機能の高進を図るため,昭和58年1月に高度利用地区の指定を行い,これにより狭小宅地の統合や建築物の共同化による民間再開発等を推進していると言われています。
昭和55年には北7条並びに北8条1丁目の再開発基本計画が策定され,同時に,北7条西4丁目,北8条西3丁目については再開発事業推進計画が策定されたのでありますが,その後,今日まで約8年間を費やしている状況の中で,何ら開発が進んでいないのであります。
特に注目しなければならないのは,本市大手企業が土地の所有者になっている地区は,隣接等の狭小宅地所有者との統合や共同化による民間再開発はきわめて至難であると言われておりますが,本市は再開発計画策定から今日まで,再開発に向けてどのような指導を行ってきたのか。同時に,現在,どのような状況になっているのか,その内容について明らかにしていただきたいのであります。
また,北口駅前広場正面の北8条西3丁目地区については,駅北口地区の中でも再開発重点地区として位置づけられており,地元では再開発協議会を設立し,事業の具体化に向けて諸行動を展開していると言われておりますが,地区整備の基本方針で掲げている核施設の具体化,すなわち,JR線,地下鉄線その他の交通結節点としての施設の導入が具体的に配置できる見通しがあるのかどうかお伺いすると同時に,民間の開発に対し,本市は具体的にどのような施設配置の指導を行っていこうとしているのか,お尋ねをいたしたいのでございます。
次に,環状通建設にかかわる問題についてお伺いをいたします。
本市の幹線街路網の中心的な役割を担っている環状通の建設は,現段階では,北区管内には残念ながら1メートルも建設されておらず,北区管内に入ると交通渋滞を起こすという現象を招いているのであります。鉄道高架事業と関連する道路整備事業が進み,札幌駅を中心とする南北の交通体系が整備される見通しを得た状態の中で,今後,集中的かつ積極的に取り組み,実現させなければならないのが環状通の完成であると思います。
この環状通については,第3次札幌市
長期総合計画に基づく5年計画において,北大構内の900メートルを除き大部分が事業予定になっており,残るは北大構内900メートルのみという状態になってきました。北大構内に対する環状通建設については,本市と北大とを合わせて環状通技術検討委員会を,昭和56年12月17日から今日まで6年半の経過を来たしているのでありますが,何ら結論が出ていないし,具体的な進展がないのであります。
北大側から,環状通が北大の試験研究あるいは自然環境などを損なわないことを基本とする姿勢が示され,今日まで7回にわたる委員会協議がなされているのでありますが,この中で本市側では,北大構内の環境保全に加えて,沿線施設には精密機器を持つ試験研究施設などが隣接していることから,種々検討を行い,幾つかの線形,構造等を提示し,双方協議を行い修正を加え,現在,地下トンネル案を基本としながら,交通量,騒音,振動などについて調査・検討を重ねてきたわけでありますが,昭和61年5月12日に行われた第7回の委員会以降今日まで,2年間にわたって委員会が中断されているのであります。
過去7回の委員会の開催は,昭和56年度1回,57,58年度各2回,60,61各1回と,年に1回ないし2回ペースの委員会開催では,環状通完成はいつになるのか見通しは立たないのであります。私は,本件については,少なくとも来年度中には北大側と合意をするぐらいのスピードで委員会の開催を展開するなど,積極的な姿勢が必要であると思いますが,今後の対応についてお伺いいたしたいのであります。
同時に,札幌市
長期総合計画,5年計画の中では,北大構内の環状通建設事業費が予算計上されていないのでありますが,北大側との合意が5年計画中になされた場合には,建設省その他関係機関の了承は当然でありますが,北大構内900メートル,そのうち400メートルが地下トンネルの環状通建設を優先して事業の実施を行うことができないものか,お伺いいたしたいのでございます。
次に,競艇及び競輪の場外発売場建設にかかわる諸問題についてお伺いをいたします。
まず最初に,豊平区清田地区に建設計画がある場外舟券売り場についてであります。
本件については,富士観光株式会社が地元町内会及び区役所等の説明に配布されたリクレックスレジャーセンター札幌構想案の中で明らかにされているのであります。
すなわち,富士観光株式会社のあいさつ文によると,「レジャーセンターの一角に公営競技の一つである場外舟券売場の設置計画を行うものであり,当社がその設置運営を希望する場外舟券売場事業は,昭和60年9月のモーターボート競走法施行規則の一部を改正する運輸省令により,公営競技でありまして,当社は,ポートピアの設置者として,地元の皆様とも調和を図り,共存共栄をモットーとして設置運営していく所存であります。」と言っているのでありますが,私は,これら一連の動向は,まさに法律に違反する行為ではないかと疑うものであります。
すなわち,モーターボート競走法第2条第1項,競走の施行の規定で掲げられているのは,「都道府県及び人口,財政等を考慮して自治大臣が指定する市町村(以下「施行者」という。)は,その議会の議決を経て,この法律の規定により,モーターボート競走を行うことができる。」と記載されており,同時に,第2条第5項には「施行者以外の者は,勝舟投票券その他これに類似するものを発売して,競走を行ってはならない。」と記載しており,さらにモーターボート競走法施行規則第8条第1項,場外発売場の設置等の規定では,「施行者は,場外発売場を設けようとするときは,当該場外発売場がその位置,構造及び設備に関し,告示で定める基準に適合するものであることについて,運輸大臣の確認を受けなければならない。」と明記されているのであります。
そして,場外発売場の位置,構造及び設備の基準,すなわち昭和60年9月14日運輸省告示第392号には,場外発売場の位置,構造及び設備の基準の第1項で,「文教施設及び医療施設から適当な距離を有し,文教上又は衛生上著しい支障をきたすおそれがないこと。」と明確に記載されているのであります。
このように一連の法律関係条文から見ても明らかなように,本件は,まず施行者である都道府県及び自治大臣が指定する市町村が明確にされていない状況の中で,富士観光株式会社が地元町内会等に対し,あたかも,みずからが施行者もしくはその代行者であるような行動をし,同時に,あいさつ文の中でも設置運営を行うなどの言動は,まさに言語道断と言ってもよろしいのではないかと思うのであります。
このような観点に立ち質問いたしますが,一つは,法律で定められている施行者は,本件の場合どこの都道府県及び指定市町村なのか。本市に対してどこからどのような連絡があったのか明らかにしていただきたいのであります。
二つ目は,富士観光株式会社が地元説明会等の動向が明らかになった時点で,それらの行為は施行者以外できないことを指導し,住民に不安を与えるべきでなからたのではないかと思いますが,本市は富士観光株式会社に対して,どのような対応を行ってきたのか明らかにしていただきたいのであります。
三つ目は,施行者が確認申請書を提出する場合,地元及び管轄警察署との調整が十分とれていることを証明する書類を添付することになっていますが,本市は,この地元ということをどのように解釈しているのか,そしてどのような対応をしようとしているのか,明らかにしていただきたいのであります。
次に,競輪場外車券売場計画についてお伺いいたします。
本年2月19日に,情報産業株式会社が行った地元説明会によると,中央区南2条東2丁目に建設するテナントビル・フォーラム札幌ビル内に競輪場外車券場を開設したいという計画内容であります。
自転車競技法第1条第1項には,「都道府県及び人口,財政等を勘案して自治大臣が指定する市町村は,自転車その他の機械の改良及び輸出の振興,機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに,地方財政の健全化を図るため,この法律により,自転車競走を行うことができる。」,同時に,この「第1条第1項に掲げる者以外の者は,勝者投票券その他これに類似するものを発売して,自転車競走を行ってはならない。」と同条第5項に定めており,さらに自転車競技法施行規則第4条の2の10には,「申請者が当該場外車券売場に係る競輪場の競輪施行者以外の者であるときは,競輪施行者がその場外車券売場を使用する予定であることを証明する書類」を通産大臣に提出しなければならないことになっています。
2月19日に行われた説明会においては,舟券売場と同様,施行者である都道府県及び指定市町村の具体的な名前が出てこず,ただ,東京地区の1級競輪本場というだけであります。
自転車競技法第4条第1項には,「車券の発売施設を競輪場外に設置しようとする者は,命令の定めるところにより,通商産業大臣の許可を受けなければならない。」と,同時に,「通商産業大臣は,‥‥‥施設の位置,構造及び設備が命令で定める基準に適合する場合に限り,その許可をすることができる。」と記載されております。
また,許可申請に当たって,通商産業省の指導では,市長の同意が得られるなど,地域社会との調整を十分行うことになっております。
そこで質問いたしますが,本件についても,施行者である関係地方自治体から,本市に対してどのような連絡があったのか明らかにしていただきたいのであります。
また,情報産業開発株式会社から,本市に対してどのような内容説明がなされ,どのような対応を行ってきたのか明らかにしていただきたいのであります。
さらに,本件については市長の同意が必要であり,地域社会との調整が十分行われることとされておりますが,市長はどのような見解を持ち,どのような対応をしようとしているのか,お尋ねをいたしたいのであります。
同時に,場外舟券売場にしろ,場外車券売場にしろ,その施設の設置場所は,本市の健全な社会環境を乱すおそれがあり,本市にとって何らのメリットはないと思うのでありますが,市長のはっきりした態度の表明をお伺いいたしたいのであります。
また,このような場外売場については,既存の中央競馬馬券センター並びに函館競輪場外車券センターがおのおの設置されておりますが,今後場外売場については,いわゆる風俗関連企業禁止外地域及びそれに隣設する地域に限定するなどの方向を明確にする必要があると考えるのであります。
次に,泊原子力発電所にかかわる諸問題について。
北海道電力泊原発は,7月,核燃料搬入,10月には試運転とも言われており,1986年4月25日,ソビエトウクライナ地方の農村で突然の大惨事が発生し,世界じゅうを核汚染の恐怖に陥れたのであります。いわゆるチェルノブイリの大事故であります。この大惨事では,30キロ圏内に居住していた13万5,000人の住民が直接避難の対象とされ,特に食品汚染は,いまも地球上で拡大していると言われております。
政府や電力関係者は,日本の原子力発電所は,安全性の高い技術を持った原子炉を使用しており,チェルノブイリのような事故は絶対にないと言っているのであります。
しかし,1979年3月には,スリーマイルの大事故が発生し,この施設は,日本で一般に使われているものであり,泊原発と同型なのであります。
特に,近年,原子力発電所問題については,その危険性から,人類生命保護,平和を願う全世界の人々が解決しなければならない緊急課題と言われているのであります。
そこで質問に入りますが,本市にも影響大であると思われる泊原発にかかわる問題について,次の3点についてお尋ねいたしたいのであります。
第1点目は,現在消防庁は,万が一の事故に備えて原発の防災計画を立てております。この万が一の事故とは,どのような事故で,住民にどのような影響が想定されるとしているのか。同時に,泊原発で万が一の事故が発生した場合,汚染を避けるため避難先を本市に求めてくると思われますが,本市における市民の防護対策をどのように考えておられるのか,お伺いいたしたいのであります。
第2点目は,事故に備えて緊急医療機関の指定,医療品の確保など,医療体制の確立を早急に立てる必要があると考えますが,いかがでありましょうか,お伺いいたします。
第3点目は,食料汚染から市民の食生活を守るため,本市として微量放射線検出器を配備し,検査体制の確立を図るべきであると思いますが,いかがでありましょうか。
以上3点の基本的な質問にとどめましたが,本市議会においての原発にかかわる独自の質問は初めてであると思いますが,市民にとってはきわめて関心の高いものでございますから,あえて市長の見解を求めるものでございます。
次に,本市が出資している団体に関連する諸問題についてお伺いいたします。
本市が出資している団体は,現在79団体に上っているのであります。その内容を分析しますと,指定団体,すなわち地方自治法施行令第140条の3に定める法人と,本市の総務局長指定法人,合わせて42団体があり,これら団体については,札幌市出資団体指導調整事務実施要綱に定めるところにより,必要な調整が行われることになっており,指定団体以外の団体は37団体であります。
次に,出資の内容でございますが,63年3月31日現在,42の指定団体に対して47億6,783万3,000円の出資をしており,また指定団体以外の37団体に対する出資額は10億565万8,000円となっており,出資団体に対する出資額の合計は,57億7,349万1,000円に上っているのであります。
また,団体の種類を分析しますと,社団法人4件,財団法人40件,株式会社28社,特別法人4件,組合1件,地方公社2件となっているのであります。
本市の出資額57億7,349万1,000円の団体別内訳は,社団法人4件に対する出資額1億642万5,000円,財団法人、40件に対する出資額30億9,693万2,000円,株式会社28社に対する出資額23億1,822万4,000円,特別法人4件に対する出資額2億2,288万円,組合に対する出資額303万円,地方公社2件に対する出資額2,600万円であります。
私は,このうち株式会社28社に対する出資に注目したいのであります。
株式会社28社に対して,約23億1,800万円の出資をしており,これに対して62年度本市の一般会計並びに基金会計に入った配当金額は,一般会計に3,828万7,880円,基金会計に1,264万2,325円,合計5,093万205円となっております。
出資している株式会社28社のうち,15社から本市に配当されているのであります。その配当の占める割合は,出資総額の2.3%にすぎないのであります。
一方,本年設立した札幌総合情報センター,札幌ケーブルテレビジョン,そしてまだ始動していない札幌エネルギー供給公社については,配当できないのは当然であると同時に,収支が赤字になっている団体,また収益がほとんどない団体等もあり,これらの団体についても配当できないことを承知しております。
しかし,その中で,昭和44年4月22日から4回にわたって総額6億円を出資し,出資比率30%を占めている北海道熱供給公社を見ると,今日まで19年間にわたって一銭も配当されていないのであります。
同社は,円高や原油価格の低落により,料金の引き下げを3回にわたって行ったものの,多くの利益を生み,利益処分を行って別途積立金として5億円累積しているのであります。
また,北海道熱供給公社の役員11名のうち,社長,常務取締役3名,常勤監査役1名,そして非常勤の取締役相談役2名,合わせて7名が62年度役員報酬を受けているのであります。
そこで役員報酬について見ますと,61年度は6名分で年額5,712万円,62年度以降は,現時点の役員報酬の月額分を合計すると,7名分で6,252万円と540万円の増額になっているのであります。中でも非常勤相談役2名の報酬は,年額1,044万円にもなっているのであります。会社設立以来の役員報酬の支出は膨大な数字に上るのと同時に,多くの利益を出している会社が,19年間にわたって市民に対して何らの配当をしていない状態を市長は一体どのように見ているのか。また,有能な本市のOB等が役員になり,多くの報酬を受け,そして利益を上げている会社が,出資者である市民に対して配当をする姿勢があってもよろしいのではないかと思いますが,同社はいつになったら配当できるのか,その見通しをお伺いいたしたいのであり,さらにもう1社,札幌リゾート開発株式会社であります。
同社に対して本市は,昭和48年12月から4回にわたって総額1億8,000万円を出資したのでありますが,会社設立以来今日まで15年間にわたって,これまた配当金ゼロであります。有能な本市のOBが社長,専務などに配置され,61年度決算では約3億円の利益を計上しており,同時に,62年度の役員報酬を見ると年額4,092万円に上ることが予想されます。
この2団体に共通するのは,非常勤的役員,すなわち名目的役員に対する報酬が多いということであります。それでいてなおかつ,多くの収益を計上しているにもかかわらず,配当金は会社設立以来一銭も出していないのが現状であります。
本市の出資金は,もちろん公共性の高い事業に出資し,市民全体が何らかの利益を与えられるということを期待するものであり,決して役員報酬を多く出すことが主たる目的ではないはずであります。職員の待遇は余りよくないと言われております。市長は,この2団体の役員報酬について,どのような見解を持っているのか。また,多くの利益を上げているにもかかわらず,会社設立以来無配当の状況をどのように見ており,今後どのようにしようと考えているのかお尋ねをいたしたいのであります。
次に,本市職員の出資団体への再就職数についで見ますと,本市があっせんし,役員として再就職している者は49名,役員以外として再就職している者は67名,合計116名に上っているのであります。そのうち,現在65歳を過ぎてなお報酬を得ている者は,株式会社6名,財団法人2名,合計8名であります。
さきの第1回定例市議会でも,公明党の田畔議員から,60年10月につくった市職員の再就職に関する取扱要領は甘いのではないかという指摘がありました。確かに,この取扱要領は在職基準を定めたものであり,その他の基準は何ら示されていないのでありますから,本市は先般小委員会を発足させ,在職基準の見直しを含め,改善に取り組む姿勢をもって作業を進めているらしいのでありますが,どのような基本方針を持って改善しようとしているのか,お伺いいたしたいのであります。
私は,北海道職員の再就職に関する取扱要領を参考とし,札幌市においても,在職期間,年齢,報酬等を道の基準と同程度にすべきでないかと思うのであります。
すなわち,北海道職員の再就職に関する取扱要領では,非営利団体に再就職する場合においては,役員に就任した者の在職期間を原則として,任期を通算して8年以内とし,またそれ以外の者の在職期間を満63歳に達した日の属する年度の末日までとすると定めております。報酬または給料の基準額は,退職時の職が特別職の場合は,年額600万円から660万円,また部長等の場合は年額380万から490万円,以下次長職,課長職等,それぞれ若干下回る年額となっており,この基準額の改定は,原則として道の特別職の給料改定後に見直すこととなっているのであります。
さらに,諸手当,退職手当及び功労金は支給しないことを原則とすることになっており,再就職者は,この要領により就職する旨の承諾書を提出することにもなっているのであります。
また,対象団体以外の団体,すなわち道が相当額の出資または補助金等の助成をしている団体についても,おおむねこれに準じた取扱いをすることになっているのであります。
そして,この再就職に関する取扱要領は,昭和59年の4月1日から施行すると同時に,施行日以前の再就職者についても,この要領に準じて取り扱うものとすることになっているのであります。
本市の再就職に関する取扱要領には,これら報酬及び給料,諸手当の基準が明確になっていないのでありますから,北海道職員の再就職に関する取扱要領に準じた基準を作成してはどうかと思いますが,市長の見解をお伺いいたしたいのであります。
最後に,市長の後継者問題についてお伺いいたします。
市長は,昨年12月29日18時30分に行われました報道番組において,ニュースキャスターの質問,すなわち「市長の後継者は育っていらっしゃいますか」との質問に対して,市長は,「後継者は育っていると思っていますけれどもね,立派な後継者を選べると思っています」と答え,さらにニュースキャスターの「市長の任期中には固めていけますか」との質問に対して,市長は,「任期中というよりも,できるだけ早い時期に,きちっとした名のりを上げれるようにしないといけないと思いながらやっています」と答えでいるのであります。
この報道番組を素直に見た市民は,板垣市長は,今期限りでおやめになり,後継者は育っているし,立派な後継者にバトンタッチすると受けとめたのは当然であります。市長は本当に,今期限りで後継者にバトンタッチする決意を固め,おやめになるお気持ちになっているのかどうか,明らかにしていただきたいのであります。
同時に,任期中というよりも,できるだけ早い時期に立派な後継者を選び,きちっとした名のりを上げるようにしたいと思いながらやっていますと言っているのでありますが,その時期は,市長の任期の中である今年度中にはっきりするのかどうか,お尋ねをいたします。
そこで,市長はその後継者については,市役所内部から選ぼうとしているのか,市役所以外から選ぼうとしているのか,その真意をお尋ねをいたしまして,私の質問をすべて終わらせていただきます。
ご清聴大変どりもありがとうございました。(拍手)
○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) 私からは,質問の第2番目にございました札幌駅周辺地区の再開発促進についての問題からご答弁を申し上げます。
第1点目の,札幌駅南口に関連する整備計画につきましては,昭和53年度に策定をいたしました札幌駅周辺地区整備構想において,駅前広場は,その規模を,現在約1.2ヘクタールから,将来は約2ヘクタールに拡大することの提案がなされており,高架開通後は,現在の駅舎部分を駅前広場に当てることに予定をいたしておりました。
また,在来線部分につきましては,北海道新幹線を想定した計画で進んでまいりましたが,構想策定後10年を経過いたしました現在では,国鉄が民営・分割化され,在来線部分の土地が国鉄清算事業団に変わること,高架下コンコースの位置が変更になったこと,またリニアモーターカーを含む新しい都市交通システム構想が出てきたことなどから,これらに対応し得る土地利用を再検討する必要が生じてまいりました。
したがいまして,本市といたしましては,さきの構想を基本としながら,こうした最近の状況の変化も踏まえ,風格ある国際都市さっぽろの玄関口にふさわしい駅南口の土地利用のあり方,駅前広場等の公共施設の配置計画及びその整備手法等につきまして,本年度から,国鉄清算事業団,JR北海道と共同で調査を行うことになっておりまして,64年度末には結論を得たいものと考えております。
なお,事業化につきましては,その調査結果に基づいて,関係機関の協力も得て,早期に着工できるように努力をしてまいりたいと存じます。
次に,2点目の,北口駅前広場の整備にかかわる八重州企業の移転についてでございますが,八重州企業は北口に代替地を希望しておりますので,現在本市といたしましても,その周辺の代替地を提示し,早期の解決を図るべく鋭意折衝を重ねているところでございます。
次に,第3点目の北口地区の再開発についてでございますが,基本計画を策定以来,地元説明会等を通し,町内会や関係利権者の方々にまちづくりの考え方を説明し,狭小宅地の統合や建物の共同化に向けての指導,助言を続けてまいりましたが,複雑な権利調整のこともあって,なかなか進まなかったのが実情でございます。
しかし,最近では地権者の再開発事業ヘの機運も高まりまして,北8条西4丁目北地区,北8条西1丁目南地区においては,すでに研究会が発足をし,再開発に向けての調査・研究を始めている状況でございます。また,北口地区再開発のメーンになります北8条西3丁目地区につきましては,より具体的に事業の推進を図るため,本年夏ごろをめどに再開発準備組合の設立を予定いたしておりますので,本市といたしましても,53年の整備構想の基本方針に沿って,さらに積極的な指導・協力を行ってまいりたいと考えております。
次に,環状通の新設にかかわる問題についててございます。
北大との今後の対応についてでございますが,北大構内の900メートルにつきましては,研究の場である北大構内の環境保全に努める必要がありますことから,一般市街地とは異質な配慮が必要であると考えております。
このため,本市と北大とで環状通技術検討委員会を設置をして,ご指摘にもございましたが,これまでに7回にわたって協議,検討を重ねてまいりました。その結果,問題点といたしましては,主として試験研究施設の環境にかかわるきわめて技術的なことに絞られており,これらの調査・検討に時間を要したところでございます。次回の委員会を7月上旬に開催すべく,現在準備を進めているところでございます。
したがいまして,今後は,一日も早く北大の合意が得られるように精力的に協議を進めてまいりたいと考えております。
次に,事業実施につきましては,北大との合意が得られ次第,北大構内の事業に着手し,その早期の完成を図ってまいる所存でございます。
次に,競艇の場外発売場についてでございます。
第1点目につきましては,富士観光が豊平区の清田地区に建設を計画している場外発売場の施行者は,現在のところ,どこからも連絡がなく,どこの自治体か特定できない状態であります。
第2点目につきましては,施行者になり得ない同社が,地元説明を進めてきたことにつきましては,全くこれは遺憾でございます。場外発売場の設置は,運輸省の行政指導に属することであり,法的には本市が直接関与できず,地元及び管轄警察との調整が要件となっておりますので,その推移を見守ってまいりました。
しかしながら,本市としても先般,北海道運輸局及び北海道警察に対しまして,地元住民を初め世論の動向を踏まえて,反対の意向を伝えてきたところでございます。
第3点目の,地元とは,施設の立地規模等によって影響を及ぼす範囲とされ,所轄官庁が個々のケースに応じて判断をすることになっております。
本市といたしましては,単に清田地区を中心とした生活圏の問題としてではなく,安全快適な都市の全体イメージと健全な市民生活を保持する上から,世論の動向や議会の意見等を尊重し,対応してまいりたいと考えております。
次に,競輪の場外発売場についてでございます。
関係自治体から何ら連絡がなく,明らかではございません。競輪の場合は,競艇の場合と異なり,設置に当たり,地元の首長等の同意が必要とされております。そこで,情報産業開発株式会社ですか,より説明がありましたが,その際,地域社会との十分な調整等が図られるものでなければ正式協議に応じることができない旨を回答したところでございます。
したがいまして,本市に対して同意の要請がありましても,競艇と同様の基本的な姿勢で対応しなければならないと考えております。
次に,公営競技についてでありますが,本市には現在中央競馬,函館競輪の場外発売揚があり,これらは歴史的な経過があって設置されております。
しかし,本市といたしましては,こうした公営競技を直接行わないという従来からの基本姿勢を堅持し,明るく健全な市民の生活環境づくりと財政運営のために,市民の皆様とともに努力をしてまいりました。今後とも,競技場及び場外発売場の設置を問わず,こういった事業の設置に対しては,本市行政を進める上では,地域住民の意向を尊重しながら抑制をすると,こういう立場で対処してまいりたいと存じております。
次に,原子力発電所にかかわる諸問題についてでございます。
第1点目の,防護対策に関する本市の考え方と,第2点目の緊急医療体制の確立につきまして,関連がございますので一括してお答えを申し上げます。
原子力行政は,本来国の責任であり,国及び道がこの施策を進めるに当たって,十分な配慮を持って進めているものと考えておりますので,私どもは,国や道の対応を信頼しているところでございます。原子力発電所につきましては,何よりも安全性の確保が大前提であり,厳重な安全管理によって万全を期さなければなりませんし,事故は絶対にあってはならないと考えております。
この原子力発電所周辺の防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲は,昭和55年に決定した国の指針によりまして,半径約8キロメートルから10キロメートル圏内を目安としております。この考え方は,昨年5月の国の原子力安全委員会の報告においても再確認をされているところでございます。目下,泊発電所の周辺10キロメートル圏内に及ぶ4ヵ町村が,道の指導のもとに防災計画を作成中と聞いておりますが,本市は約60キロメートル離れておりますので,その防災計画の対象にはなっておりません。
しかしながら,現に米国やソ連での事故の例などから,大きな関心を持って国及び道の対応に注目しているところでございますし,また,現在作成中である4カ町村の防災計画も十分見きわめてまいりたいと考えております。
第3点目の食品の検査体制についてでございますが,道では,泊原発に関する環境モニタリングとして,キャベツや牛乳などの農畜産物や,カレイ・ウニなどの海産物について幅広く放射能検査を実施するとともに,海水や河川水,海底や陸上の土壌などを対象に,環境中の放射能の監視を行い,これを公表することにいたしております。したがいまして,このような監視体制により,食品の安全性は出荷地において十分に確保されるべきだと,こう考えております。
しかしながら,今後,輸入食品の流通の増大等も考えられますことから,検査の体制については,国の動向等を見守りながら,食品衛生全体の中で検討,対応をしてまいりたいと存じます。
次に,出資団体問題についてお答えを申し上げます。
まず初めに,1点目と2点目の配当に関するご質問でございます。一括してお答えを申し上げます。
株式会社として,出資者への配当は,会社経営の基本として当然念頭に置くべきことと考えております。しかしながら,本市の出資しております株式会社は,営利のみを追求する目的で設立しているものとは異なり,公共性,公益性の色彩の強い性格を有しているものであることは,ご承知のとおりでございます。
そこで,北海道熱供給公社の経営状況でありますが,昭和57年度以降,公社全体としては,累積赤字を解消し,以後,一応黒字となってはおりますが,光星地区では事業面で不安定な要素を抱えており,また,省エネルギーの浸透あるいは他エネルギーとの競合など,需要面で厳しい事業環境にありますこと,さらには,設備の老朽化に伴う補修費の増加等が予想されますことから,配当は行わず,内部留保資金の充実に努めているところでございます。したがいまして,同公社に対しては,引き続き,エネルギー源の転換などなお一層の経営努力をお願いをし,熱供給という公益性を十分考慮しながら,安定的な会社経営の見通しが得られた時点で,配当できるように働きかけてまいりたいと考えております。
次は,札幌リゾート開発公社の経営状況についてであります。
同公社は,オイルショックなどの経済情勢の変化の中で,ようやく黒字決算に至ったのが5年前でございます。この間,ゲレンデや施設の再整備費用等を留保する必要があるため,安定経営の見通しがつくまで配当を控えていたものでございます。
しかし,最近,5ヵ年間の経営の実績を踏まえて,おおむね経営が軌道に乗ってきたという判断から,近々配当を実施する方向で検討中でございますので,その検討結果をまって対応をしたいと考えております。
次に,役員報酬等についてでございますが,本市が出資している株式会社といえども,独立した人格,独自の意思決定機関を持っており,経営規模や,就任する地位,責任の度合い等を総合的に判断をし,決定しているものでございます。
また,決定に当たりましては,社会的批判を招くことのない適正な額を決めていただくように指導調整を図っているところでございます。
また,3点目と4点目は基準の見直しに関する質問でございますので,一括してお答えをいたします。
在職基準の見直し等につきましては,4月下旬に検討のためのプロジェクトを設け,現行基準の見直しを含め,在職期間並びに報酬等の検討を進めているところでございます。
この見直しに当たりましては,ご提言のありました,北海道職員の再就職に関する取扱要領を参考とし,また,現在他都市の状況等も調査中でございますので,これらを考え合わせ,十分検討を加えてまいりたいと存じます。
私からの最後に,私の後継者問題に対する質問でございます。
私は常々,行政の責任を負う者は,何か市民のためになるのか,そして,将来を厳しく展望しながら,いま何をしなければならないかを深く考え,かつ果敢に実行しなければならないと考えております。同時に,行政は永遠に続くものでありますことから,常に長期の展望に立って定めた目標を立てて仕事を進めることが大切であり,したがって,常にその目標に向かって市政を継承し,そして,さらにそれを発展させることができる人材を育成するのもまた,責任者たる者の重要な責務であると考えております。市民のため,後顧に憂いのないようにするということの責務を私は忘れたことはございません。また,そのような気持ちがお話の報道番組の中でもあらわれたのではなかろうかと存じます。
そこで,私は現在,今期4年間,市民の負託を受けて市政をお預かりし,まだ,その任期を1年と少々過ごしただけでございますが,今期をもって有終の美を飾るつもりで全力を挙げて努力をしているところでごさいます。したがいまして,本市の将来を私なりに考え,市民の大多数の皆さんが,なるほどいい人材だと,この人材であるならば,次の札幌市政を託するにふさわしい人物だと判断をしていただけるような後継者を,内外を含め,早い時期に得たいものだと,このように思っております。
○副議長(滝沢隆君) 桂助役。
◎助役(桂信雄君) 医療費等にかかわる諸問題について,私からお答えをいたします。
第1点目の,7,002増床に伴う総医療費の推計でございますが,61年度の実績を参考に試算いたしますと,平年度でおよそ240億円程度の医療費がふえるのではないかと思われます。また,このうち,本市の国保にかかわる分につきましては,約50億円ないし60億円と見込まれるところでございます。
次に,保健所が行う病床の実態調査についてでございますが,各保健所においては毎年,医療監視チームをつくり,個々の病院へ出向いて病床数の確認を行っております。
昨年度の医療監視結果におきましては,市内の一般病院182施設中,17病院で,許可病床数を上回る患者が収容されておりましたので,早急に改善するよう指導を行ったところであります。この結果,一般の病院については,直ちに改善されておりますが,いわゆる老人病院については,患者の処遇上,早急な是正には難しい面もございますので,今後,道とも十分協議し,その改善に努めてまいりたいと考えております。
第2点目のご質問は,病床数適正化に向けての対応についてでございます。
病床数の適正化は,医療費抑制という面からばかりでなく,市民に適切な医療を提供するという観点からも,きわめて重要な問題と認識しております。こうした観点から,病床数の適正化のための具体的な抑制策を国に要望するとともに,病院の開設許可申請に際しては,医療従事者の確約書を提出させるなど,道と密接に協議しながら厳しく対応をしてきたところであります。
今後は,医療計画の施行により,札幌圏での病床の新増設に大きな歯どめがかかったわけでございますが,さらに,本年5月30日の厚生省通知により,医療従事者が著しく不足しかつ病床利用率も極端に低い病院に対しては,病床数削減の指導を行い得ることになりましたので,この通知の趣旨に沿って指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。
第3点目のご質問は,医師・看護婦の配置とその対応についてでございます。
本来,病院には,法令に定められた医師・看護婦が配置されるべきものと認識しており,そのような立場からこれまでも指導を行ってまいりました。しかし,ご指摘にもありましたように,看護婦については,総体で標準数を上回っておりながら,個々の病院について見ますと,69病院で不足をしており,医師についても同様の状況にございます。
次に,本年開設が予定され,いまだ使用許可を得ていない病院における看護婦体制についてでございますが,開設許可時にはすべて充足されております。しかし,開設許可以来時間の経過もございますので,使用許可の時点において改めて確認を行い,万全を期してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,本市では,医療従事者が標準数に満たない病院に対しましては,新たな入院患者の自粛など,その指導改善に努めているところでございますが,医療従事者の確保には,病院側の理解と努力に負うところが大きいこともございまして,いまだ全体的な改善に至っていない状況にございます。
こうした状況の中で,先ごろ国においては,著しく医療従事者の不足する病院に対して,診療報酬の一部カットの方針を示しており,本市におきましても,適正な医療従事者の確保のため,随時の重点監視を行うなど,対策を強化してまいりたいと考えております。以上です。
(伊与部敏雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(滝沢隆君) 伊与部敏雄君。
◆伊与部敏雄君 ただいま段々の答弁がございましだけれども,答弁を聞いていますと,まさに,一連的な筋の通った答弁でなくて,もうばらばらな答弁に聞こえます。特に,私は,泊原発の問題で市長が答弁いたしましたけれども,本件については,国並びに道の動向を見守るというだけで,札幌市独自の市長の具体的な対応策が全然出ていない。いまの答弁では,市民はまさに不安を何ら解消することは何もないというふうに言っても過言ではありません。
同時にまた,私は,この1番目の,いま助役が答弁した医療費等にかかわる問題でございますが,これは医療費の増高は,札幌市の財政全体にかかわる大変な重要な問題でありますから,こわは市長がみずから積極的に医師会等に働きかける具体的な行動があってしかるべきではないかと思います。
2点目の札幌駅周辺の問題でありますが,この札幌駅の施設の問題については,これまたJR本社の社長と,直接板垣市長が会うぐらいの積極的な姿勢が必要ではないか。
3点目の環状通北大構内の問題ですが,これまた,北大の学長と市長が直接会うような具体的な行動が必要ではないか。
出資団体にかかわる諸問題についても,北海道熱供給公社並びにリゾート,こういうような関係諸団体に対して,きちっとした,市長の任期中に整理をし解決することが,市長が言っている今期をもって有終の美を飾ることになるのではないかと私は思うんであります。
そういう観点から言いますと,これらの多くの問題を,わが会派は今後委員会並びに特別委員会等で,積極的に議論を展開することを表明して終わります。
○副議長(滝沢隆君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明6月8日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) 異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○副議長(滝沢隆君) 本日はこれで散会いたします。
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散 会 午後4時6分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 吉 野 晃 司
副議長 滝 沢 隆
署名議員 加 藤 斉
署名議員 吉 田 一 郎...