政府は、2015年に
食料自給率を45%に回復する目標を掲げました。
食料自給率が上がれば日本の輸入量が減り、その分の食料とその生産に必要な海外農地が他国の食料供給に回されるので、世界の食料需給安定につながることになります。
穀物価格の高騰、諸外国における輸出規制など、世界の食料事情が大きく変化し、食料需給の逼迫の度合いが迫っている中、食料の多くを海外に依存している我が国においては、国内の食料供給力を強化し、
食料自給率の向上を目指していくことが喫緊の課題となっております。このため、水田等を有効活用するための麦・大豆・米粉用米、飼料用米等の生産対策や、地域における担い手の育成・確保対策を一層推進していくこととあわせて、これらの
農業生産経営が展開される基礎的な資源としての農地について、優良な状態で確保し、その有効利用が図られるようにし、もって意欲のある者に農地が集積されるようにすることが極めて重要であるとして、昨年12月に農水省が「
農地改革プラン」を公表いたしました。
農林水産省がまとめた
農地改革プランの中身は、一つに、農地減少に歯止めをかける、二つに、借用の
原則自由化、三つに、面的集積の促進を目的としています。世界的な穀物価格の高騰が家計を直撃し、農薬や化学薬品の混入など、食をめぐる事件も相次いでおります。安全な食料の安定的な供給を求める声が一段と高まっており、
食料安全保障の確立が必要となっております。しかし、日本の農業は危機的な状況に置かれております。特に農地は、1961年の609万ヘクタールから、ことしは463万ヘクタールへ大幅に減少し、農業従事者の高齢化や後継者難のため、耕し手のいない
耕作放棄地が38万6000ヘクタールにも達しています。つまり、食料の供給力の基盤が弱っているのです。
農地減少を防ぐため、今回の
改革プランでは
農地転用規制を強化します。これまで、病院や学校などの公共施設への転用には許可が不要でしたが、これを許可制に改めるとともに、違反転用に対する罰則も強化します。また、2ヘクタール以下の農地の転用許可は都道府県が行いますが、不適切なケースに関しては、国が是正を指示できるようにします。まとまった優良農地である農用地区域の農地については転用を認めないこととする一方、区域内の農地編入を促します。
1952年(昭和27年)に制定された農地法は、耕作する者が自ら農地を所有することが望ましいとする自作農主義を掲げ、「所有」に重点を置いてきました。しかし今日、
農地所有者が自ら耕作できないケースがふえ、
耕作放棄地になっています。農地を有効利用するため、
改革プランでは農地法を改正し、「所有」から「利用」へと理念を転換する方針を示しました。戦後最大の大改革となります。
いわゆる賃貸など農地に関する権利を有する者には、農地を適正かつ効率的に利用する責務があることを、法律上明確にします。その上で、農地の賃借を自由化し、企業やJA、NPOなど農業に参入しやすいようにします。
また、さきに決定した来年度の
与党税制改正大綱において、農地を相続した人が農業を続けた場合に、納税を猶予される
相続税納税猶予制度について、
市街化区域外の農地を貸し付けた場合には適用できるようにしました。農地を効率的に利用するためには、面的にまとめることが重要です。このため
改革プランには、面的集積を促進するための新しい試みとして、農地の貸し付けや売り渡しを仲介する仕組みを全市町村に導入します。市町村が基本的な方針を決定し、自ら実施したり、市町村公社やJA、土地改良区などが仲介事業の実施主体になることもできます。
新経済対策に盛り込まれた
農林水産関連予算は、1兆302億円に上り、将来にわたり持続的な食料供給を可能にする農業基盤の強化を軸にしております。
具体的には、農地の効率的な利用を図る「
農地集積加速化事業」に2979億円を計上、農地を貸したい小規模・高齢農家に10アール当たり年間1万5000円を交付し、担い手に農地を貸しやすい環境を整えます。また担い手の確保や育成のため、農業法人などが就農希望者などに行う実践研修「農」の雇用事業も大幅に拡充、
農林漁業セーフティーネット貸し付けなど経営支援も充実させるとともに、都市部の直売所の整備や地産地消、
農商工連携事業の拡充で、農産物の販売を促進するとしています。
説明が長くなりましたが、私が言わんとするところは、いかに自給率を高めるかと、売れる農産物の生産で農業経営が将来的に安定できるようにするため、市当局は国・県と十分な連携を図り、農業振興にもっと力を入れてもらいたいとの思いからであります。市当局の対応を、お聞きいたします。
学校給食の地産地消の取り組みについては、前畑市長の提唱で学校給食においてすでに実施されておりますが、作り手の農家とはどのようにつながり、及び流通経路はどうかなどを、お聞きしたいと思います。
質問の第3、
スクールニューディール構想について質問します。
2009年度の補正予算が成立、総額13兆9256億円にも上り、地方には
緊急経済対策としてさまざまな
臨時交付金が配分されます。その中で文部科学省は、「
スクールニューディール構想」、学校施設における耐震化・エコ化・
ICT化等を掲げ、これに総額1兆3174億円を計上しています。
主な内容は、一つに、
学校耐震化の早期推進、
太陽光パネルをはじめとしたエコ改修の拡大では、
公立小中学校を耐震化、
公立小中学校の
太陽パネル等エコ改修、
特別支援学校教室不足解消、私立学校の耐震化を推進、私立学校における
太陽光パネル設置などの
エコキャンパス事業を推進があります。二つに、
地上デジタルテレビ(電子黒板を含む)の整備では、公立学校及び公民館で現在使用されているテレビを
デジタルテレビに整備、私立学校の
デジタルテレビ等の整備があります。三つに、学校のICT環境の整備、公立学校では教育用・
公務用コンピューターの整備、校内LANの整備があります。
以上、学校施設にふさわしい学校施設について、耐震・エコ・ICT化を抜本拡大するもので、「21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実と雇用創出、
経済波及効果、
地域活性化及び国際競争力の向上を目指そうというものです。
荒尾市では、耐震化の計画にあわせた「
スクール・ニューディール構想」をどのように考えておられるか、お尋ねいたします。
質問の第4、
地球温暖化対策について質問します。
G8
北海道洞爺湖サミット後の対策と成果については、荒尾市としては何らか新しい取り組みがあったかどうか、また従来からの取り組みについての成果について、お尋ねします。
G8
洞爺湖サミットでは、期待された
温室効果ガス削減目標でしたが、2050年までに
温室効果ガスの排出量を世界全体で半減、つまり50%半減するというもので、玉虫色との批判がありました。
まず、「2050年までに50%削減」という長期的な目標だけで、それを細分化したもの、短期的あるいは中期的な細かい実行計画、目標が何も発表されませんでした。ドイツでは、次期の
国際的温暖化対策の枠組みを協議する作業部会が6月5日から開催中であります。
麻生首相は10日夕、首相官邸での記者会見で、日本の
温室効果ガス排出量を2020年に2005年比で15%削減の中間目標を発表いたしました。これには外国との排出権取引や森林吸収分は含めず、太陽光発電や省エネなど国内での削減努力で達成を図るとして、達成に全力を上げる決意を表明いたしました。同時に、国だけが頑張っても実現できないと、国民に協力を呼びかけました。
政府は、家計部門では1
世帯当たり年間7万6000円の負担増が生じると試算しております。南アフリカなど発展途上国などからは、「期待水準にはほど遠く」との批判がありますが、目標達成には相当な努力が要ります。
このようなニュースを聞けば差し迫っていることと思いますが、国や県からの通達や要請はあっておりますか。また、荒尾市が取り組んでいる対策は、どんなことですか。このことを踏まえて、G8後の対策と成果についてお尋ねいたします。
思い当たる削減努力は、小さいことからでも始めなければならないことから、地域の公民館単位では旧来の白熱球の街灯や防犯灯がまだあります。これを時代に合った
省エネ型街路灯や
省エネ防犯灯の設置あるいは普及について、取り組みをお聞きしたいと思います。
最後に、
クールアースデーの取り組みを提案したいと思います。
昨年の議会でも、七夕さんの
ライトダウンを提案いたしました。これは2008年7月7日、七夕の夜8時から9時までの間、町のビルや看板、家庭の電気等を消灯し、みんなで天の川を眺めようということです。
インターネットで、航空写真を取りました。真っ黒で見えないと思います。みなさん、取ってください。
これによりますと、真っ暗なときですからね。だけれども、日本全体が明々と光輝いております。あとはイギリス、ドイツなど、欧州ですね。それからアメリカ、ここが光輝いております。ここに輝いておるのは、ネオンや電飾などの電気の光です。日本は、これにあるように、どこにも負けないくらいこうこうと明るく照らされております。世界中でどこが一番電気がついておるかが、わかると思います。
この日本の輝きを一瞬でも暗くしたい、また
北海道洞爺湖サミットの開催日である7月の夜に実行し、みんなで美しい天の川を眺めたい、そんな思いから、志のある若者たちを中心として、
七夕ライトダウンは生まれましたという経過が、
インターネットに載っておりました。
そこで早速、昨年の6月に提案いたしまして、前畑市長のほうから、庁内で徹底するというようなお約束をいただきました。今回も、ぜひこのようなことを徹底してほしいと思います。時間がちょっとありますが、データもありますけれども。
以上で、壇上よりの質問を終わらせていただいて、質問席から再質問を議長にお願いして降壇したいと思います。
4:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 前畑市長。
〔
市長前畑淳治君登壇〕
5:◯市長(前畑淳治君) ◯市長(前畑淳治君)
百田勝義議員の御質問のうち1番目の3)
経済危機対策臨時交付金で荒尾市が取り組む事業について、お答えいたします。
議員のお話のとおり、この
臨時交付金は国の平成21年度一次補正予算の中にあるものでございます。
戦後最大とされる
世界同時不況の中で、この経済危機を克服するため、政府・与党会議及び
経済対策閣僚会議の合同会議により、4月10日「
経済危機対策」が決定されました。
その具体的施策としては、四つの項目が挙げられております。
まず緊急的な対策として、雇用対策、金融対策及び事業の前倒しによる「底割れの回避」でございます。
次に、低炭素革命、健康長寿・子育て支援、21
世紀型インフラ整備による「成長戦略、未来への投資」でございます。
残る二つが、「安心と活力の実現―政策総動員」と「税制改正」でございますが、この「安心と活力の実現―政策総動員」の中に、「
地方公共団体への配慮」という項目があります。二つの
臨時交付金が、具体的な施策として挙げられております。双方とも
地域活性化という言葉が頭に付きますが、
公共投資臨時交付金が約1.4兆円と、
経済危機対策臨時交付金約1兆円でございます。このうち
経済危機対策交付金の荒尾市への
交付上限額は、約2億900万円ということになっております。これは
普通交付税の需要額算定による
地方再生対策費を算定根拠とされているものでございまして、第1次産業への就業者数などを計算式の一つとされているものでございます。
もう一つの
公共投資臨時交付金は、国の
公共事業等の追加に伴う
地方負担軽減のため、補正予算債による手当とともに交付されるものでございまして、対象事業につきましては庁内各所管において県を通じ調整中でございます。
御質問の
経済危機対策臨時交付金2億900万円をもって取り組む事業でございますが、現在、各所管から事業を集約し、対象事業となるかの問い合わせを行っている段階でございます。
概略といたしましては、財源の都合でなかなか実施できてこなかった事業、あるいは今回だけの
国庫補助事業など有利なものを中心に、公共施設の改修、地域環境の整備、平成22年度県民体育祭に向けた準備、
学校情報機器の充実、
プレミアム商品券事業への補助などを予定しております。なお、今月末が
事業申請期限と予定されておりまして、予算案が確定した際は議会での審議のほどをよろしくお願いいたします。
機会を逃さず、今回の
臨時交付金及びその他経済対策を有効に活用し、市民生活の向上、
住民サービスにつなげていきたいと考えております。
なお、その他の事項につきましては、副市長及び教育長並びに担当部長より答弁いたします。
6:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 吉永副市長。
〔副
市長吉永一夫君登壇〕
7:◯副市長(吉永一夫君) ◯副市長(吉永一夫君)
百田勝義議員の御質問に、お答えいたします。
大きな4番目、
地球温暖化対策についての1)G8後の対策と成果につきましては、昨年7月に開催された
洞爺湖サミットにおいて議長国であった我が国は、低
炭素化社会の実現のための国際社会の新たな枠組みとして、中・長期の世界全体の
温室効果ガスの削減に、G8と中国などを含む
拡大会合メンバーで合意できるように取りまとめの努力がなされましたが、各国の思惑もあり残念ながら十分な合意までは至っておりません。
一方、我が国においては、京都議定書において1990年比で2008年度から2012年度までの期間中に6%を削減することを約束しておりますが、公表されておる最新の2007年度のデータによりますと、基準年である1990年度より約9%増加しており、このことで2012年度までにさらなる削減努力が必要となっている状況でございます。また今月10日、麻生首相は中期目標として、2005年比で2020年度までに15%を削減するとの方針を記者会見で述べられております。
温暖化対策に対し国・県からの通達や要請につきましては、国から直接的に通知等はあっておりませんが、通常は県からの
取り組み通知に基づき協力体制をとっているところでございます。
例えば、
太陽光発電システム設置助成や熊本県
ストップ温暖化県民総ぐるみ運動、それと
熊本エコファミリーなどについては、具体的な紹介及び普及に努めております。
このような中、本市におきましては荒尾市
地球温暖化対策実行計画を推進するため、
庁内エコオフィス活動の実施や公用車としての
ハイブリッド車の購入など、さらに低
炭素化社会の実現に努めていきたいと考えているところでございます。
しかし、低
炭素化社会を実現するためには、一人ひとりが当事者であり主役であることを忘れてはならないと思っておりますので、本市においては
エコパートナー荒尾市民会議をはじめ、環境活動をしておられる皆様と協力しながら、さらに市民の皆様への
普及啓発等対策を呼びかけていきたいと思っております。
なお、本年度は庁舎2階の一部に試験的ではありますが、緑の
カーテンづくりを実施するための準備も進めております。この植栽の土づくりには、
エコパートナー荒尾市民会議の皆さんと協働して実施しております、
ごみ減量化ためのダンボールコンポストを活用した肥料を使いたいと考えておりまして、御協力を依頼しておるところでございます。
次に2)
省エネ型街灯、防犯灯の普及につきましては、平成18年度から防犯灯の新規設置の際に、地域からの要望を受けて現地調査を行い、必要箇所に
防犯灯設置助成金を交付しております。設置後の電球交換や電気代等の維持管理費については、地域の負担となっております。
防犯灯は近年、低炭素化された機器や電気代が不要な
ソーラータイプなど、その種類がふえつつありますが、現在設置している防犯灯より高価であるため、地域への普及は進んでおりません。しかし、今後は地球環境に配慮した
省エネ型防犯灯の導入促進に努めていくことも必要であると考えておるところでございます。
次に3)、
クールアースデーの取り組みにつきましては、
洞爺湖サミットにおいて当時の福田首相が
クールアース推進構想に関連して7月7日を
クールアースデーに制定し、消灯による電力消費量の抑制と地球温暖化問題の啓発を目的に制定された記念日であり、本年は6月21日に「
ブラックイルミネーション2009」、7月7日に「
七夕ライドダウン」と称して、午後8時から10時まで2時間消灯するなど、全国的な取り組みが実施されるものであります。
個別的な問題として、防犯やライフラインにかかわり
ライトダウンは困難であると思われますが、
地球温暖化対策を考えるよい機会でありますので、市民の皆様や市職員に、広報や市の
ホームページ等でお知らせし、
地球温暖化対策推進の普及啓発に努めていきたいと考えておるところでございます。
地球温暖化対策は、次世代によりよい環境を継承するため、解決しなければならない問題でありますが、低
炭素化社会への移行は負担だけでなく新たな経済成長の機会ととらえていきたいと考えております。
8:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君)
柏井建設経済部長。
〔
建設経済部長柏井澄人君登壇〕
9
:◯建設経済部長(柏井澄人君)
◯建設経済部長(柏井澄人君)
百田勝義議員の御質問のうち1番目の、
地域活性化、
経済危機対策臨時交付金の活用についての中の、
緊急雇用創出基金事業についてと、
ふるさと雇用再生特別基金事業についての御質問に、お答えいたします。
雇用対策基金事業つきましては、国における現下の雇用・失業情勢の緊急対策といたしまして、「
緊急雇用創出事業」で1500億円、「
ふるさと雇用再生特別交付金事業」で2500億円が計上され、これらの交付金を財源といたしまして県に基金を造成し、県、市町村で100%の補助事業として雇用対策を行うこととされているものでございます。
この二つの基金事業の認定要件の違いはと申しますと、「
緊急雇用創出事業」は一時的な短期雇用・就業機会を創出・提供する事業でございまして、雇用及び就業期間は6カ月未満とされているのに対しまして、「
ふるさと雇用再生特別交付金事業」は、安定的・継続的な雇用機会の創造を図ることを目的とし、地域内にニーズがあり、かつ今後の地域発展に資すると見込まれる事業であり、雇用期間は原則1年以上とし、なおかつ更新ができるものとされているところでございます。
それぞれの事業につきましては、庁内でその要件を満たす事業の募集を行いましたところ、「
緊急雇用創出事業」は現在、県に申請中の1事業を含めまして7事業、また、「
ふるさと雇用再生特別交付金事業」は1事業を実施するものとしております。
すでに認定されているその事業内容は、
緊急雇用創出事業関係が1、小・中学校の校外環境整備事業、2、荒尾運動公園環境整備事業、3、都市公園環境整備事業、4、不法投棄物の撤去及び防止のための特別対策事業、5、荒尾の海・自然再生事業、6、事業所実態調査事業の6事業でございまして、予算総額が2189万円、雇用人数は38名程度の雇用創出事業を実施することとしており、シルバー人材センターや民間企業、NPO法人、漁業協同組合などへの委託事業として実施したいと考えております。
なお、「小・中学校の校外環境整備事業」と「荒尾の海・自然再生事業」につきましては5月より実施しており、残りの事業につきましても順次実施するものとしております。
また、現在、県に申請中でございます「生活保護制度円滑実施支援事業」につきましては、県の事業採択を受けた後で補正計上させていただく予定でございます。
また、「
ふるさと雇用再生特別交付金事業」といたしましては、地域文化財を活用した観光周遊ルートの開拓と、
ガイド育成事業の155万円で、1名の雇用創出事業を実施する計画でございます。
この事業につきましては、本議会で補正計上させていただいておりますので、御審議方よろしくお願いいたします。
さらに、国の平成21年度補正予算により「
緊急雇用創出事業臨時特例交付金」が交付され、「
緊急雇用創出事業」につきまして積み増し・追加配分が予定されているところでございます。
このような国の経済対策に対応し、これらの財源をより効果的に活用することにより速やかな事業実施を図り、一人でも多くの雇用の確保・創出に努めてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、
地域農業再生についての御質問に、お答えいたします。
農地改革プランにつきましては、百田議員が先ほど述べられましたとおり、今国会におきましてプランに即した農地法の改正案が審議されているところでございます。
さて、我が国の
食料自給率は、百田議員御指摘のとおり、平成19年度におけるカロリーベースで、わずか40%であり、主要先進国の中では最低のレベルでございます。ちなみに、他の国では、オーストラリアがトップで237%、次いでカナダの145%、アメリカで128%、お隣の韓国は47%となっております。
食料供給の大半を外国からの輸入に頼る我が国にとりまして、近年の世界的な異常気象による穀物不足に起因する原材料の高騰や外国農産物の汚染問題によりまして、安全で安心な国内生産物に大きな期待が寄せられているところでございます。
これらを踏まえ農水省では、平成20年12月に、10年後に
食料自給率を50%に引き上げる方針を表明いたしました。この目標を実現するためには農地の確保が必要不可欠であり、現存する
耕作放棄地を再生させ、営農再開を行うことが重要であることは言うまでもございません。農地は一旦耕作を放棄されますと農業生産力の低下、病害虫の発生、有害鳥獣の繁殖、多面的機能の低下、不法投棄の温床など、さまざまな問題を引き起こすことにもなります。
本市におきまして
耕作放棄地の実態を把握する必要性があることから、昨年9月から11月にかけまして農業委員の方々によりまして、市内全域の農地を調査し
耕作放棄地マップを作成いたしまして、
耕作放棄地の場所、面積、放棄状態、所有者等の状況を把握しているところでございます。
国におきましては、農地法改正の最重要課題として位置づけし、平成21年度から平成25年までの5年間の新規事業として、「
耕作放棄地再生利用緊急対策事業」が予算化されております。
この事業の内容は、所有者にかわり農振農用地に存在する
耕作放棄地の障害物の除去、深耕、整地等を行った後、5年以上耕作する者に対し荒廃の程度によりまして10アール当たり3万円または5万円を交付すること、また土壌の改良を行う者に対しては10アール当たり2万5000円を交付することとなっております。
さらに熊本県でも、国の対策を補完する形の
耕作放棄地解消緊急対策事業が予算化されており、農振農用地区域外の
耕作放棄地を解消された農業者等に対しまして、10アール当たり3万円を交付することになっております。
本市におきましても、この事業を最大限に活用するため、農業団体等の有識者による「
耕作放棄地再生利用協議会」を本年4月に設立し、1、
耕作放棄地については農業上の利用促進を基本とし、
農地所有者自身による耕作が困難な場合は、可能な限り新規就農者や規模拡大を目指す農業者等の担い手への利用集積を図り、安心して農業が継続できる状況を構築する。2、生産条件が悪く、農業上の利用が極めて困難な農地につきましては、状況に応じて林地化するなど、農業以外の利用も検討する、といったような協議を行い、
耕作放棄地の解消・再生に努力してまいる所存でございます。
さらに、担い手に対する農地の集積を進めるため、これまでの「農地保有合理化事業」が見直され、新たな「農地利用集積円滑化事業」を実施するための農業経営基盤強化促進法の改正案も、今国会に提出されております。
これまでの「農地保有合理化事業」は、農地保有合理化法人の資格を持つ農業公社が、農地を貸借や売買によって一度農地の権利を取得してから担い手に貸したり売ったりして農地利用の調整を行ってまいりましたが、新しい農地利用集積円滑化事業は、全市町村に設置される農地利用集積円滑化団体が所有者からの委任を受けまして、代理人として担い手に農地を貸し付ける仲介者役を果たすことができることになっており、一旦推進機関に委任代理を行えば、利用者が変わっても面倒な手続きなしに貸し付けることができますので、従来の制度よりも取り組みやすくなります。
なお、農地利用集積円滑化団体は市町村だけではなく、担い手育成総合支援協議会等の公益的な任意団体もできますが、営利を目的とする不動産業者は認められないことになっております。
本市といたしましては、これらの方策に積極的に参加して、農地の有効利用と農業者の農業経営の安定化・継続化を図り、ひいては
食料自給率の向上に努めてまいりたいと考えております。
10:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 中嶋教育長。
〔教育長中嶋國治君登壇〕
11:◯教育長(中嶋國治君) ◯教育長(中嶋國治君)
百田勝義議員の、学校給食の地産地消の取り組みについての御質問に、お答えいたします。
荒尾市の学校給食では、地元で生産されている食品を利用したもの、いわゆる「地産地消」の取り組みとして、荒尾市の特産品である「荒尾梨」をその出荷時期にデザートとして献立に加えて、「デザート梨の日」として実施しております。これは、JA梨部会に依頼して提供していただいているものでございます。また調味料として「梨酢」、上井手上区の折敷田生活改善グループが生産している「折敷田味噌」を使用するほか、「有明海産の海苔」も使用いたしております。
米・パンなどの基本物資につきましては、財団法人熊本県学校給食会を通じて購入し、米はすべて県内産のものでございます。パンの原料である小麦粉は、国内産が10%、アメリカ産が10%、カナダ産が10%割合で、熊本県パン協同組合が製造し、組合員である地元業者が各学校に配送しております。
なお牛乳につきましては、熊本県農政部畜産課が窓口となり、熊本県ミルクセンター協同組合が納入しております。配送は、それぞれ地元業者が担当いたしております。
昨年6月に、地場産物の活用率を調査いたしました。これは、1週間の食材の総使用品目数のうち、県産の品目数の割合を求めたものでございます。総使用品目数が195品のうち、県産品目数が67品で、活用率としては34.36%でございます。
なお、納入業者の構成としましては、荒尾市内が17業者、長洲町が8業者、大牟田市が6業者、玉名市が2業者、熊本市近郊が2業者の、計35業者となっております。
荒尾市では毎日6400食の給食を各学校に配送しており、「食材を一括して安定的に仕入れ調理を行う」という大枠としての考えもございますが、地場産品を通じた食文化への理解促進といった食育の観点からも、さらに地場産品を使った給食の提供を求める方向で努力をしていきたいと考えております。
次に、
スクール・ニューディール構想について、お答えいたします。
まず初めに、「
スクール・ニューディール構想」とは何かということでございます。「21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実を図ることにより、雇用創出、
経済波及効果あるいは
地域活性化、国際競争力の向上を目指そうというものでございます。これには三つのポイントがあり、一つ目は安全・安心な学校施設の確保、地域の防災拠点としての機能強化の点から、耐震性のない校舎、体育館等の耐震化を図るというもの、二つ目は、CO2削減による環境負荷の低減、環境教育の教材としての活用の点から、太陽光発電等の自然エネルギーの利用をはじめとしたエコ化を推進するというもの、三つ目が、子どもの学力・IT活用能力の向上等の点から、最先端のICT機器──例えば
デジタルテレビあるいは電子黒板、パソコン等でございます──それから校内LAN等を駆使したわかりやすい授業を実現するICT化を進めるというものでございます。
教育委員会といたしましても調査・研究を行い、国の
地域活性化、
経済危機対策臨時交付金や
地域活性化・
公共投資臨時交付金をうまく活用し、調整を行いながら、この構想に対処してまいりたいと考えているところでございます。
まず1点目の、耐震化についてお答えいたします。
現在、1次診断と2次診断を合わせて14学校、26棟で行っており、現在、診断結果を待っている状況でございます。
耐震診断の完了後、速やかに今回の
公共投資臨時交付金を活用し、早急な耐震補強を行いたいと考えております。
市の持ち出しが少ないとはいえ、
学校耐震化には多額の費用が必要になります。財政当局と十分協議を行いながら、
学校耐震化の早期実現に向けて取り組んでいく所存でございます。
続きまして、2番目のエコ化についてお答えをいたします。
スクール・ニューディール構想の中に、
太陽光パネルの設置が盛り込まれております。太陽光発電を実施することにより、地球温暖化防止といった環境への配慮が身近なのもとなり、児童・生徒への教育的視野が広がると考えます。また、事業費に対する市の持ち出しが少ないこと、並びに、今後の電気料金の削減、余剰電力を電力会社へ売電することによる収入といったメリットが考えられます。
設置するに当たっては、校舎等の構造なども関係しますので、総合的に検討し、なるべく多くの設置ができるよう努めたいと考えております。
最後に、ICT化についてお答えいたします。
平成23年7月から、テレビ放送が地上デジタルへ移行することから、学校施設のアンテナ改修が12の学校で必要となってきます。来年度に予算計上を考えておりましたが、今回の
公共投資臨時交付金で文部科学省の補助事業に新たに補助対象となったことから、事業を前倒しし今年度にアンテナ改修を行いたいと考えております。
また、ICTの中には
デジタルテレビ購入補助、電子黒板機能付き
デジタルテレビ購入補助、校内パソコン購入補助などが盛り込まれており、この三つにつきましてもあわせて
経済危機対策臨時交付金の事業計画に乗せ、整備促進を図りたいと考えております。
12:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 中嶋教育長。
〔教育長中嶋國治君登壇〕
13:◯教育長(中嶋國治君) ◯教育長(中嶋國治君) ただいまの答弁の中で、訂正をさせていただきたいと思います。
パンの原料である小麦粉で国内産が10%、アメリカ産が「10%」と申し上げましたけれども、アメリカ産は「80%」の間違いでございます。
おわびして、訂正を申し上げます。
14
:◯百田勝義君
◯百田勝義君 答弁をいただきました。なかなか問題が深くありますので、私も飲み込めないところがありましたけれども、十分な答弁をいただきましたので、幾つか集約しながら質問したいと思います。
緊急雇用対策交付金については、まだこれから十分、今月中によく精査して検討されるということですので、荒尾市で活用できるものはどんどん活用していただきたいと思います。
農業再生につきましては、荒尾市にはそんなに大きな耕作農家を持っている人はいないのではないか、このように聞いております。余り、こういう施策も役に立たないのではないかという声も聞きますけれども、それであきらめておったら、荒尾市の農業が枯れてしまうのではないかと危惧いたします。
荒尾市には、おいしい米をつくっているところも、高付加価値の果樹をつくっているところもあり、やり方次第では横島のトマトやイチゴのハウスで大成功を収めて御殿を建てたという人もあると聞いております。私の親戚も、その一人でありました。農林水産課は十分力をいれて、この農業対策に取り組んでほしいと思います。
それからあと、この
改革プランで、まだ法案は通ったわけではありませんけれども、このような方向で行くということですので、むやみな農地転用がないようにと、
耕作放棄地をなくして農地が適切・効率に利用されるように、しっかりしたチェックをしていくということで、農業委員会の役目が大事になると思います。農業委員会とは十分な連携をとっておられますので、よろしくお願いしたいと思います。
質問の三つ目の、
スクール・ニューディール構想についてですね。ここに政府の補正予算があり、緊急雇用対策でも十分な対策がされると思いますので、今のこのチャンスを逃さずにしっかりやっていきたいと思います。
それから、教育長もお答えになりました。この学校施設において耐震、エコ、IC化を抜本拡大するということは、21世紀の学校にふさわしい教育環境の抜本的充実と雇用創出、
経済波及効果、
地域活性化及び国際協力の向上を目指すというもので、学校現場でこれを実施することで、エコについての学校教育を十分行っていただきたいと思います。
それから、これはパソコンと組み合わせた大きなスクリーンの付いておるプロジェクターですかね、こういうものの購入は1校でも多く購入して欲しいが現状ではどうでしょうか。
地球温暖化対策ですね、荒尾市
地球温暖化対策実行計画の取り組み結果については、平成19年度版の実施というのがホームページに載っておりましたけれども、これは平成20年度はまだできておらんのでしょうかね。
それから、これには指定管理者に移行したところ、これは対象外となっておりますけれども、できるだけこういうところも含めてほしいと思います。
水道事業に伴うこの電気料なんかも、これは省くとされておりますけれども、こういうところは削減目標方向を強固にするために、こういうところも入れるような努力をされたらいかがでしょうか。何か取り組みやすいようなことが、こういうところで載っておるように思いますけれども、平成19年度はかなりの削減になっております。今後のことを考えたら、荒尾市庁舎に
太陽光パネルなんかも考えて、できるだけこういうエコ化に努めてほしいと思います。
それから市内の事業者に対しては、大きなところは成果報告が義務化されておりますけれども、この辺のところをきちんとなさっておるかどうか、この辺のところも強化をお願いしたいと思います。
それから、日本が2020年度までに
温室効果ガスの目標15%減らすということでしたけれども、これは相当な努力が要ります。今聞きましたところ9%ふえておるというようなことで、またこの平成31年までにこれが達成できるかというと、なかなか困難なことでありますけれども、これから十分な取り組みをしていかねばできないと思います。こういう取り組み、太陽光発電とか次世代車、住宅、高効率の給湯機、あと原子力発電、あと企業とか各家庭での相当な努力が要ると思います。
このようなことを実施するためには、投資する多額な費用がかかると思います。今回の
緊急経済対策などの基金を活用するものがあれば活用して、そのような対策もしていかねばできないと思っております。
すみません、時間がありませんので簡単に……。
15:◯教育長(中嶋國治君) ◯教育長(中嶋國治君) 再質問に、お答えします。
学校でプロジェクタースクリーンの導入ということでのお話ですけれども、現在このプロジェクタースクリーンにつきましては、各学校で利用いたしております。
16:◯副市長(吉永一夫君) ◯副市長(吉永一夫君) 自席から、お答えいたします。
環境問題に対する市の実行計画の平成20年度の実績でございますが、現在取りまとめ中でございますので、今後公表させていただきます。よろしくお願いします。
17
:◯百田勝義君
◯百田勝義君 時間がありませんので、集約したいと思います。
販売が伸びずに低迷していた自動車メーカーが、エコカーの補助金及び減税の効果があり、ホンダがハイブリット車・インサイトを発売、4月に1万台を突破して、トヨタのプリウスを抜いて1位になりました。にわかにエコカーが脚光を浴びてきました。続いて5月にはトヨタが、3代目プリウスを発売、一気にインサイトを抜き、1万915台で1位となりました。ちなみに、インサイトは8183台でありました。
一方、省エネ家電も好調であります。調査会社のジー・エフ・ケー・ジャパンによりますと、薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫の5月11日から17日間の売り上げは、前年同期の3割から5割増に達したと言われております。いずれも15日スタートのエコポイント制度の対象で、特にポイント数の多い大型商品が好調ということです。ポイント効果が消費を押し上げているということでありました。いわゆる、オバマ大統領が推進している
地球温暖化対策を念頭に置いた環境エネルギー政策の日本版グリーンディールが今後の経済再生のポイントになるのではないでしょうか。
地域活性化緊急
経済危機対策臨時交付金を活用した事業には、太陽光発電など数多くの
地球温暖化対策など、計画次第では有効な施策だと思います。
当局には、副市長はじめ優秀なスタッフがおそろいであります。ここは腕の見せ所だと思います。
クールアースデーの7月の日は天の川を眺め、家じゅうの電気を消し、妻とキャンドルタイムを楽しもうかと思っておりますが、皆様方もいかがでありましょうか。
もしも私の地域で星が見えないときは、真っ暗な府本の浜崎議員のところにお邪魔して、(笑声)ここで天の川を見たいと思っております。どうぞ、よろしくお願いします。
18:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 3番野田ゆみ議員。
〔3番野田ゆみ君登壇〕
19:◯野田ゆみ君 ◯野田ゆみ君 第4回定例市議会に当たり、発言通告書に基づき一般質問を2件について順次行ってまいりますので、答弁を求めます。
質問の1点目、子どもの健全育成についてです。
まず1)学校施設内禁煙について、お尋ねいたします。ここで学校施設とは、校舎だけでなく、運動場、体育館も含みますので、その点よろしくお願いいたします。
先般、公立小・中・高校の敷地内禁煙率、熊本18%、47都道府県の中で最低で、全国平均61.6%の3分の1にも満たない達成率。何とも興味深い記事が掲載されていました。受動喫煙防止推進の必要性が早くから指摘されていたにもかかわらず、改善されていない状況に、愕然といたしました。たばこは、喫煙者自身の健康と、受動喫煙によって非喫煙者への健康も害します。受動喫煙は、もちろん大人の健康への影響もありますが、特に成長過程にある子どもは健康被害を受けやすくなっています。また喫煙年齢の低年齢化や中・高生の喫煙に対する関心の高さは決して低いとは言えない状況で、教師の喫煙が子どもの喫煙を助長する可能性も指摘されており、子どもの健全な教育環境を整備する上で早急な対策を講ずる必要があります。
荒尾市の小・中学校における学校施設内禁煙の現状と、今後の方向性についてお聞かせください。
次は2)放課後子どもプランの総括と今後について、お尋ねいたします。
女性の社会進出も著しく、核家族で共働きの家庭も増加傾向の中で、働きながら子育てを両立している保護者にとって、放課後の子どもたちの安全で健やかな居場所づくりを進める「放課後子どもプラン」の充実は、早急に取り組んでいただきたいことの願いの一つだと思います。
荒尾市では、共働き家庭などの、主に小学校低学年の児童を対象とする放課後児童クラブが5カ所、すべての児童を対象に、さまざまな体験活動を行う放課後子ども教室が1カ所、平成19年6月13日からだったと思いますが、桜山小学校に設立されました。桜山小シエスタ桜山は、開講当時は10数名、13名だったと記憶しておりますが、年々利用者もふえているようです。設置後2年経過し、その他の学校にも設置されるのかと見守ってきましたが、現在も1校のままです。私は、放課後子ども教室への積極的な取り組みの促進と、さらなる支援を期待しているのですが、放課後子ども教室の総括と今後についてお聞かせください。
質問3)、教育特区の取得についてお尋ねいたします。
教育特区とは、特色のある教育を実施することや、その仕組みをつくることで地域社会の活性化につなげていこうというもので、これについても立場によってさまざまな見解があるようです。
さて、教育分野で地域社会の活性化になるのは、どういう場合なのでしょうか。山村僻地、過疎地などで、学校を維持するために特別なプログラムを行うのもその一つですが、全国には実にさまざまな事例があります。地域の実態を反映した新しい科目をつくり、特色ある教育として尼崎市のそろばんを活用した計算科や静岡県伊東市の書道科、市区町村単位での教員の採用を行う広島県三次市、これは20人学級という少人数制を確立していくために、足りない教員を市で雇用していこうというものですが、ほかにもたくさんの事例があります。
荒尾市には、世界遺産を目指す万田坑があります。4月には万田坑ステーションもオープンし、たくさんの方が利用されておりますが、万田坑関連施設は貴重な観光資源であるとともに、とてもすばらしい教育資源だと思います。エネルギーの変遷、労働史や人権学習など、とてもすばらしい学習資源です。もっと活用できるような取り組みはできないのでしょうか。お考えをお聞かせください。
先ほど三次市の事例を紹介いたしましたけれども、一人ひとりの子どもたちにゆっくりと向き合う時間が取れ、基礎・基本の徹底による学力の定着を図れるように手厚い職員の配置ができないものかと願うところですが、教育長のお考えをお聞かせください。
子どもの健全育成について、4)シングルマザーに対する支援・施策の充実について、お尋ねいたします。
生活保護を受給している一人親世帯に加算されていた母子加算は、2005年度より段階的に減らされ、ことし4月より完全廃止となり、頑張っている母子世帯を打ちのめすものです。その結果、さらなる生活費の切りつめを余儀なくされ、小さい子どもを抱え仕事を幾つも掛け持ちし、精神的にも肉体的にも局限の状態で生活をし、子どもと過ごす時間が減り、子育てに不安を感じたり、進学や進級をあきらめざるを得ない状況を招くなど、生活や子どもたちの健全育成に深刻な状況を与えています。なぜ、セーフティーネットを崩す必要があるのでしょうか。一般母子世帯の平均収入よりも受給母子世帯の年間生活費が高いことを理由にしているようですが、むしろ手厚くする必要があるのではないでしょうか。
国は、母子世帯への支援を「経済的援助」から「就労支援」へと移行し、就労促進費を創設いたしましたが、母子家庭の就労率は8割を超えており、就労支援は実態に則しておらず、キリャアアップを図るための母子家庭教育訓練給付事業なども使いにくい面があり、功を奏していないのではないでしょうか。就労支援というのであれば、働いてもなお低収入である現実をきちんと把握し、支援の充実を図るべきなのではないかと思います。
子育て世帯の生活が一層厳しくなっている中で、子どもの貧困克服のために、母子加算は復活されるべきですし、さらなる施策の充実を図るべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。
質問の2点目、水環境について。水質確保に向けた環境活動について、お尋ねいたします。
私たちが毎日あたりまえのように口にしている水、もし何らかの影響で口にすることができなくなってしまったら、それはとても恐ろしいことです。人体の60%は水でできていると言われております。水がなければ、人間は生きていけません。ヒトが1日に必要とする水の摂取量は、2リットルないし3リットルと言われておりますが、実際の生活では炊事や洗濯など、生活用水として多くの水が必要で、最低限1日1人20リットル程度の清潔な水が必要だそうです。水も、限られた資源です。私も、できる限り水に配慮した生活を心がけていかなければと、できることから取り組んでいるところです。
昨今では、水不足や水質汚染などが重要な問題とされています。地下水汚染が生活や人体に与える影響や、水が私たちの体と生活にどれほど密着にかかわっているのかを考えると、限られた水資源をいかにして子々孫々まで残していくか、これは私たちに課せられた責務だと思います。
水道水の水源の多くを地下水に依存している荒尾市ですので、地下水の保全は特に取り組まなければならない重要課題だと思います。水資源確保に向けた環境活動について、お答えください。
以上、壇上よりの質問終わり、再質問を議長にお願いして、降壇させていただきます。
20:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 前畑市長。
〔
市長前畑淳治君登壇〕
21:◯市長(前畑淳治君) ◯市長(前畑淳治君) 野田議員御質問の大きな2点目、水環境についての、水資源確保に向けた環境活動について、お答えいたします。
はじめに、本市水道水について少し説明させていただきます。
本市水道水の水源は、多くは地下水に依存しておりますが、近年、海岸沿岸部において地下水の水位低下に伴い、塩水化が進行しておりまして、給水系における水の腐食性の判定指標になるランゲリア指数が小さくなる傾向が見受けられます。
このランゲリア指数が小さいほど、炭酸カルシウムが溶解しやすく、金属の腐食性が強まります。本市のランゲリア指数は、現在マイナス1程度で推移しており、水道水質基準においてはゼロからマイナス1程度を目標値と定めており、本市の水道水は目標値に近いものであると考えております。
このような中で、水道一元化に伴う需要増への対応、さらには地下水水質保全の観点から新たな水源の確保が必要となり、今回、菊池川の竜門ダムより河川表流水の水利権を8000トン獲得いたしました。この工業用水確保に伴い、大牟田市と共同で水の位置エネルギーを有効活用し、ろ過動力を削減させることで省エネルギー化を図り、環境にやさしい浄水場をDBO方式により大牟田市臼井地区に建設してまいります。
本浄水場は、平成24年度より供用開始が行える予定でありますので、供用開始後は地下水と河川水をブレンドすることによりランゲリア指数も改善されるものと考えております。
なお、今年度は「安全でおいしい水の安定した供給」をキャッチフレーズに、水道ビジョンを策定いたしました。「安心」・「安定」・「持続」・「環境」の四つの政策課題として、水道の現状と将来の見通しを分析し、今後の目指すべき将来像を描き、その実現のための方策等を示しております。
本市の水道事業は昭和28年に事業計画し、昭和32年より市内に給水を開始いたしました。それ以降、50年の長きにわたり、安全で良質な水道水を供給してまいりました。
これまで安定した水源の確保、配水地域の構築、マッピングシステム等の維持管理システムの整備を進めてまいりましたが、最近では老朽施設の更新、耐震化対策など、さまざまな問題が顕在化しております。未来永劫においても安全で良質な水道水の供給を行っていくためにも、水源確保のための地下水保全や充実した維持管理体制、健全な経営など、それぞれをバランスよく発展させていくことは大事だと考えております。
水道事業は、循環資源である水を利用する事業であるため、水循環系が健全に機能していることは重要でありまして、そのため上下水道展をはじめ、さまざまなイベントにおいてイメージキャラクター「あらぞうくん」を中心に、市民の方々が水道に関する興味を持っていただき、水の大切さや節水をアピールしていきたいと考えております。
市民アンケートの結果、水道施設の見学会の要望が多く、子どもたちだけでなく市民を対象とした見学会の実施など、積極的な情報提供に努めていきたいと考えております。
また水源の上流部の山間部に涵養林の植樹を行うなど、貴重な財産である水資源を後世に守り伝えていくことが、今、私どもに課せられた責務であると考えておりますので、関係団体と連携し、水源水質保全対策に取り組んでまいりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
なお、その他の事項につきましては、教育長及び担当部次長より答弁いたします。
22:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 月田市民福祉部次長。
〔市民福祉部次長月田八重子君登壇〕
23:◯市民福祉部次長(月田八重子君) ◯市民福祉部次長(月田八重子君) 野田議員御質問の子どもの健全育成についてのうち4)シングルマザーに対する支援・施策について、にお答えいたします。
平成17年の国勢調査による全国の母子世帯数は74万9048世帯で、平成12年の62万5904世帯と比べて19.7%増加しており、母子世帯となった理由は、離婚79.7%、死別9.7%、未婚時の出産6.7%等となっています。
ちなみに、平成18年の国民生活基礎調査による母子世帯の1世帯当たり平均所得金額は211万9000円で、全世帯の1世帯当たり平均所得金額563万8000円と比べて極めて低い水準であり、暮らし向きについての意識調査でも「大変苦しい」が48.8%、「やや苦しい」が40.7%と、9割の方が生活の苦しさを感じておられます。平成18年段階で、母子世帯の母の約85%が就業しており、そのうち常用雇用者と臨時・パートの非正規雇用が半数ずつの割合となっています。
母子家庭の増加に伴って、経済的支援策としての児童扶養手当受給者数も増加しています。本市の平成21年4月末時点での児童扶養手当受給者数は585世帯で、昨年4月末の570世帯と比べて、この1年間で15世帯増加しております。平成20年度の支給総額は、延べ人数6939人の2億6928万6000円でありました。
ちなみに、児童扶養手当額は、養育する児童が1人の場合、月額4万1720円が支給され、2人のときは5000円加算され、3人目からは3000円が加算されます。ただし、前年度の所得額に応じて支給制限が設けられております。
その他の支援策といたしましては、母子家庭医療費助成、市内の産交バス無料乗車、JR通勤定期の3割引、保育所への優先入所、母子向け市営住宅への入居、母子自立支援教育訓練給付金事業、母子家庭
高等職業訓練促進給付金事業、母子寡婦福祉資金貸付等の制度があります。
また、福祉課内には「女性福祉相談員」を1名配置しまして、就業相談、生活相談、母子寡婦福祉資金貸付相談に対応しております。昨年度の相談件数は、母子寡婦福祉資金貸付が20件、教育訓練給付金6件、高等職業訓練促進給付金8件、児童扶養手当27件、母子世帯向け市営住宅1件、その他の相談が17件の、合計79件の相談があっております。
現在、3名の方が看護師や美容師資格を目指して勉学に励まれておられます。平成21年度はまだ2カ月しかたっておりませんが、すでに各種の相談が32件あっておりまして、中でも無利子で借り入れができる修学資金等福祉資金貸付の相談が15件と高く、今日の経済不況の影響が強く感じられる結果となっております。
国におきましては、従来の母子家庭に対する支援を福祉から、昨年度から実施されている就労自立支援への対策へと、事業を転換いたしております。
具体的には、平成20年4月1日施行の3歳以上の児童を扶養する5年以上受給する世帯の給付を半額にするというものですが、就労意欲の認められる世帯については、一部支給停止適用除外事由届出書により減額適用せず、自立支援教育訓練給付金事業や
高等職業訓練促進給付金事業に見られますように、自立支援のための各種の資格取得のための給付金事業を手厚くする中身になっております。直近の平成21年6月5日付けで、国の「
緊急経済対策にかかる高等職業訓練促進事業」が公布されたところでありまして、これまでの給付金事業がさらに期間延長、給付額が改定される内容となっております。
本市におきましては、引き続き母子家庭の母親が安心して子育てと仕事を両立できるよう、さまざまな相談に対応しながら、専門機関と連携を密にして、母子家庭の自立に向けた支援策を実施してまいりたいと考えております。
24:◯議長(島田 稔君) ◯議長(島田 稔君) 中嶋教育長。
〔教育長中嶋國治君登壇〕
25:◯教育長(中嶋國治君) ◯教育長(中嶋國治君) 野田議員の1点目の御質問であります、学校施設内禁煙について、お答えをいたします。
平成15年5月1日に施行された「健康増進法」により、学校、体育館、病院等多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないことになりました。
特に小・中学校では、教育上格段の配慮が必要とされ、喫煙防止教育において中心的な役割を担っております。
そこで、各市町村での取り組みも始まり、敷地内禁煙、施設内禁煙・分煙、こういった動きが出てきております。小・中学校においても、保健の授業で「たばこの害」について指導したり、学校医を講師に招いての講話等を行ったりして、喫煙防止教育を推進しているところでございます。
議員お述べになりましたように、6月7日の熊本日日新聞に、公立小中高校の敷地内禁煙率が、熊本県は全国最低の18.4%という記事が載っておりました。
県内の状況を御説明しますと、敷地内禁煙は小学校で平成19年度が20.3%、平成20年度が19.4%、それから中学校で平成19年度が17.4%、平成20年度が19.2%となっております。