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平成 9年第二部予算特別委員会−03月07日-02号
平成 9年第一部予算特別委員会−03月07日-02号

  • "法律案要綱"(/)
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  1. 札幌市議会 1997-03-07
    平成 9年第二部予算特別委員会−03月07日-02号


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    平成 9年第二部予算特別委員会−03月07日-02号平成 9年第二部予算特別委員会             札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第2号)                 平成9年3月7日(金曜日)       ─────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人(欠は欠席者)     委 員 長  千 葉 英 守 君        副委員長  柿 崎   勲 君     委   員  小 谷 俵 藏 君     欠 委   員  室 橋 一 郎 君     委   員  佐 藤 美智夫 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  高 橋 忠 明 君       委   員  村 山 優 治 君     委   員  原 口 伸 一 君       委   員  伊 藤 知 光 君   欠 委   員  道 見 重 信 君       委   員  佐々木   肇 君     委   員  笹 出 昭 夫 君       委   員  宮 村 素 子 君     委   員  新 山 やすし 君       委   員  勝 木 勇 人 君     委   員  湊 谷   隆 君       委   員  伊与部 敏 雄 君     委   員  澤 木 繁 成 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  猪 熊 輝 夫 君       委   員  大 西 利 夫 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  春 原 良 雄 君       委   員  小 田 信 孝 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  本 郷 俊 史 君
        委   員  高 橋 重 人 君       委   員  飯 坂 宗 子 君     委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  山 口 た か 君     委   員  菅 井   盈 君       委   員  北 川 一 夫 君       ───────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○千葉 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,道見委員からは欠席する旨,本舘委員からは遅参する旨の届け出がございました。  なお,本日,趣旨説明を受けます陳情第143 号の提出者から資料が提出されていますので,お手元にお配りをさせていただきました。  議事に入ります。  なお,本日は請願・陳情の提出者8名から趣旨説明を受け,また質疑予定者も24名に及ぶために,質疑・答弁は,簡潔明瞭にお願いをしたいと存じます。  水道料金の改定に関する請願第142 号から第186 号まで,及び保育料金の改定に関する陳情第142 号から第145 号までの合計49件を一括議題といたします。  提出者から趣旨説明を受けるため,委員会を暫時休憩いたします。     ───────────────       休 憩 午後1時1分       再 開 午後1時49分     ─────────────── ○千葉 委員長  委員会を再開いたします。  なお,ただいまの請願・陳情についての理事者に対する質疑は,関連する項または会計でお受けしますので,よろしくお願いをいたします。  また,質疑に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。なお,答弁が続行する場合は,最初だけで結構です。  また,委員から特に答弁者を指名した場合は,その方に答弁をしていただきます。  以上,よろしくご協力のほどをお願い申し上げます。  次に,3月19日に行われます聴聞会で陳述を行う参考人の氏名及び発言順序についてでありますが,お手元に配付のとおり決定することでご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○千葉 委員長  異議なしと認め,そのように決定させていただきます。  なお,参考人の方々に対しては,委員会条例第24条の規定に基づき,議長を通じて要請を行うことといたします。  それでは,議案第1号 平成9年度札幌市一般会計予算中関係分ほか,付託議案22件及び請願・陳情49件を一括議題といたします。  初めに,第3款 民生費 第1項 社会福祉費及び第4条地方債のうち関係分について質疑を行います。 ◆佐々木[肇] 委員  私は,平成9年度予算案,第3款 民生費につきまして,今後の民生行政のあり方について大きく3点に分けて質問いたします。  このたび提案されました予算と市政執行方針を見てもわかるように,市長は厳しい財政運営の中で,第1番に福祉・保健医療施策の充実を掲げておりまして,その推進のために行政改革を積極的に進め,限られた財源の中で,重点的にその施策遂行に当たると,このように述べられております。その方針のもとでご努力をされる職員の皆さんのご苦労も,大変大なるものがあろうと思います。  そこで,保健と福祉の連携を図るための本市の行政機構のあり方について質問をいたします。  1点目,民生・衛生の2局の統合による機構改革に当たりまして,縦割り行政の弊害の是正という観点から申し上げますと,本格的な少子・高齢社会の到来を目前に控えまして,保健・医療・福祉に関する市民ニーズが多様化,増加し,そしてさらに高度化しているにもかかわらず,対応する部課が分かれておりますが,市民にわかりづらいということがあってはいけないわけでありまして,これによって,関係する部課の統廃合を行い,より一層の連携強化を図って,市民サービスの向上と組織の活性化を図るという観点から,その必要性が増しているわけであります。  そこで,新機構改革の見通しと,その効果を具体的にどのように図られようとしているのかお伺いいたします。  2点目,本年11月をめどに設置を目指すとされております保健福祉センターについてお伺いしますが,保健・医療・福祉の連携の立場から,機構改革を実施することによりまして,高齢者,障害者等の施策の一層の向上を,具体的にはどのように図られるのか。  また一方,関連の希薄な独立的な生活保護であるとか,国保・年金,これは他市においては市民局のような場所でとり行っているところもありますし,税務でとり行っているところもあります。また,対物保健サービスなど,機構の統合になじまない事業というものがあるわけでありますが,この点はどうされようとしているのか。これは民生局で,まずお聞きします。  次に,保健事業の場合,周産期から始まり,乳幼児・成人・高齢者と一貫した保健行政が必要であることから,今後は,対象者には横断的に配慮していかなければならない,こういったことについてはどう考えているのか。  また,保健婦業務を一つ例にとってみましても,従来の業務の枠にとらわれず,各位の意識改革を図って,現在99人おるというわけでありますが,本来の専門職種にふさわしい取り組みを期待するものであります。これが,組織の統合によりまして,どのように行政サービスを高めていくのか,この点について,これは衛生局の関係でご答弁いただきたいと思うのであります。  次に,大きな3点目でありますが,現在,さまざまな保健・福祉サービスが,保健所や各区の福祉部を窓口として提供されておりますが,その組織的連携に向けてのサービス提供はどのような実態か把握されているのか,調査も行ったはずでございますから,それを含めてお答えをいただきたいのであります。  なお,このたびは2局の統合問題でありますだけに,衛生局長,部長にもご出席を賜っていることについてご理解をいただければと,このように思っております。  以上であります。 ◎藤井 社会部長  ご質問の3点のうち民生局関係分につきまして,私からお答えをさせていただきます。  まず,第1点目の民生局と衛生局の統合につきましては,去る2月4日に,札幌市における行政改革の取り組み状況として市長が明らかにいたしましたように,平成10年4月を目標に検討を進めることにしてございます。  また,局を統合することによる具体的な効果といたしましては,一つには,統合することによって行政サービスが一元化され,市民にとってわかりやすくなると。それから二つ目には,市民の福祉ニーズに対応いたしました総合的な施策の企画立案が可能となると。それから三つ目には,それぞれ重複して行っていた部分が効率化されると,こういったことなどを挙げることができると考えております。  次に,2点目の保健福祉センターについてでございますが,機構の統合に際しましては,例えば,従前はほかの部門との関連が薄かった国保や年金についても,今後予定されております公的保険制度の導入に際しましては,綿密な関連が必要になってまいります。したがいまして,保健福祉センターとして一つ屋根の下に入ることで,より連携が図りやすく,効率的な仕事ができるようになると考えております。  以上のような観点から,問題点につきましても,関係部署による内部検討委員会において一定の整理,検討を行いまして,最終的な統合案をまとめてまいることにしているところでございます。  次に3点目でございますが,現在のサービス提供の実態の把握についてでございます。  昨年の6月,2区を抽出いたしまして,要介護高齢者介護サービスの受給状況について調査を行ったところでございます。その結果,多くの介護高齢者が,保健・医療・福祉の複数のサービスを受給しているなどの実態が明らかになったわけでございます。その場合でも,同一人の情報について見ますと,保健所と福祉部の両方が把握している割合は約50%程度でございました。したがいまして,保健・医療・福祉の緊密な連携や,サービスの総合的あるいは一元的,一体的な提供の必要性がより高いものと,このように思っているわけでございます。  以上でございます。 ◎佐々木 保健衛生部長  お尋ねの周産期から高齢者までの一貫した保健行政サービスの提供についてでございますが,衛生局といたしましても,ただいま社会部長からもご説明いたしましたように,内部検討委員会で前向きに具体的検討を進めているところでございます。  本年4月の新しい地域保健体制では,保健センターとして区の機構に編入して,地域に密着をした市民サービスを行う計画でありまして,この新体制の中で,市民ニーズに沿った新たな事業の展開を図るとともに,事務事業の見直しを積極的に進め,効率的な行政運営を心がけるなど,委員ご指摘の内容も十分考慮しながら,検討を進めてまいりたいと考えております。  次に,保健婦職の本来の果たすべき業務についてでございますが,地域での介護等における総合調整の担い手としての保健婦など,看護専門職の重要性は十分認識をいたしております。生活者個人の立場に立った地域でのきめ細かな保健・福祉サービスの提供を目指して,この4月からスタートをいたします新しい体制の中で,業務執行の検証をしながら,業務実績等について十分検討をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[肇] 委員  機構改革といいますと,一見華々しく見えるようでありますが,実態は,地道な積み重ねの上に立つものと,私はこのように思っております。いずれ,事務分掌条例の改正案やら,あるいは事務分掌規則,さらには規程,会計規則に至るまで,多くの職員の手を煩わせて,そして一つの形ができ上がっていくものではないかと,このように思うと,大変な積み重ねをこれからしなければならない,そう思うのであります。  その中で,私は,一例を挙げて申し上げましたが,保健婦さんの活躍について,本来の専門職としてふさわしい,そういう取り組みをやっていたかどうか,これを大いに見直すべきではないか,このように思うのであります。そして,新しく移行するに当たって,具体的にはどんな研修計画を持っているのか。職員の質の向上,戦力アップを図るという観点から,私は,一例を挙げて指摘したところであります。  いずれにいたしましても,保健・福祉サービスを総合的に,また機動性を発揮するために,組織の一元化を図って市民サービスの向上にこたえるのだという,そういう趣旨はよく理解できます。  行政組織の統合,すなわち機構改革を強調するゆえんは,ただ単に2局を合わせるというだけでは許されないわけでありまして,改革によって組織の効率化,スリム化を図るものでなければならない,私はこのように考えております。  そこで1点目,人員のスリム化をどう図ろうとしているのかお伺いいたします。  機構改革に伴い,人の問題は,いつも痛みと苦労を伴うことが多いわけでありますが,民生局の職員は約800 人,4月に児童に関する部の新設が実現いたしますと,約900 人になると予想されます。加えて,衛生局の約630 人余の職員を単純に加えますと,職員数1,500 人規模の局が出現することになります。その組織の一元化によってスリム化ができる部署は,どういう部署があるのか,この点についてお伺いします。  また,他の部局に移行した方がよいと思われる部署,こういったことについて,定員管理の是正を図る上での基本方針をお伺いするものであります。  次に,機構改革に伴いまして,当然,財政的なメリットを生み出さなければいけない,そして,その浮いた予算を新しい分野に振り向けるという,そういうことが今後必要になってくると思うのでありますが,予算面から見ますと,民生費は約1,408 億円,実はこの民生費1,408 億円のうち扶助費が約1,000 億円を占めるのであります。ですから,福祉予算と一概に言われているけれども,そういう分析をしますと,衛生費の357 億円,これも膨大なものでありまして,合計いたしますと1,865 億円以上になります。これも,今の歳出予算中トップを占めることになります。  その中で,一般事務的経費10%削減と,事務事業の見直しと委託化を市長は明確に方針を出しているわけでありますが,今後進めようと努力,検討されている具体的な方策として,私は,数値目標をしっかり持って取り組むべきと思うのでありますが,機構改革効果の予算面への反映についてお答えを願いたいのであります。  次に三つ目でありますが,保健福祉センターは,これからも精力的に部局間のよりよい意思疎通を図りながら進められると思うのでありますが,保健・福祉・医療の総合的な展開を図るための組織化と職員のレベルアップが強く望まれるわけであります。  そこで,例えば高齢者の問題だけに絞ってみますと,この具体的な施策については,在宅介護支援センター訪問看護ステーション在宅福祉サービス協会福祉事業団等々,さまざまな団体がサービスを分担しております。そのほかに,市が補助・交付を行っている福祉団体があるわけでありまして,私は,市民の個々のニーズに応じた効果的なサービス提供という観点から,保健福祉センターとこれら団体との緊密なネットワーク化や情報の共有化を図ることが必要と思うのでありますが,その点のご見解を賜ります。  時代の推移とともに,その展望の中でいろいろと考えるわけでありますが,福祉三セクという言葉が的確かどうか,私の造語でありますが,仮称福祉三セクの集約化とか一元化といったことを将来検討する必要もあるのではないか,そういった点から,ご所見を賜りたいと思うのであります。  この2回目の質問については,両局にまたがったり,各部にまたがることが多い質問でございますから,民生局長,衛生局長にお答えを願います。 ◎佐々木 民生局長  それでは,民生局にかかわる部分についてお答えいたします。  第1点目の,一元化をすることによってスリム化ができる部署は,具体的にどういうところがあるかというお尋ねでございますが,民生局と衛生局の統合に当たりましては,既にそういう統合を実施している他都市などの例を見ますと,一般的には,予算経理や人事といった,そういったところを所管する庶務関係の部署,あるいはその施設を管理する部署,あるいは関係団体の指導や各種専門委員会等の事務を所管する部署については,まず第1に,統合することによってスリム化ができるというふうに思っております。  なお,他の部門についても,業務分析をさらに行って,徹底して効率化を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから,他の部局へ移行できる部署があるかどうかと,移行した方がよいと考えているところがあるかどうかということでございますが,他の部局との関連性等も考慮して,どのように移行させることが市民サービスの向上につながるかという立場から,検討させていただきたいというふうに考えております。  それから,予算面への反映についてございましたが,予算面も,先ほどスリム化のところでもお答えいたしましたように,それぞれの局が所管しております事務事業について,具体的に検討を加えていくことによって,数値的な見きわめも可能になってくると思いますが,一般的な経費の削減については,相当の効果が期待できるのではないかというふうに考えておりますし,事務事業の委託につきましても,それぞれの民間の技術,ノウハウを活用することによって効率化されるものというふうに考えております。  それから,各福祉団体との情報の共有化と連携をどう図っていくかということでございますが,まず第1に,保健と福祉の組織の統合によりまして,行政側の情報が一元化されることになります。行政側の情報が一元化されることによって,言ってみれば,他の外部の団体との情報の一元化,ネットワーク化が可能になってくるであろうというふうに理解しております。そのためにも,まずは私どもの情報の一元化と具体的なOA化が必要でございますから,新年度から福祉情報の総合的なシステムの構築に向けて,既に検討を開始しているところでございます。  それから,具体的に福祉三セクというような言葉を使っておられましたが,在宅福祉サービス協会福祉事業団については,歴史的ないろいろな経緯があって,それぞれのニーズに応じて設立されたというふうに理解しておりますが,その後,社会状況も変化してきておりますし,例えば介護保険なんかも,家事援助と介護との役割分担等というような必要性も出てまいりますので,そういうようなことを頭に入れながら,予算の効率的な執行,あるいは相互の役割分担を考えて,積極的にその一元化等も含めた検討を行いたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎上村 衛生局長  お答えいたします。  1点目の人員のスリム化についてでございますが,衛生局といたしましては,本年4月から実施する予定としております新しい地域保健体制を構築するに当たりまして,市民サービスの向上を図ることを第一として検討をし,さらに組織の活性化や事務事業の見直しの検討を行ってまいりました。その上で,保健センターとして,この機構に編入をする計画でございます。  また,局の統合に当たりましては,さらに事務の効率化と人員のスリム化へ向けて積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。  また,他の局に移行できると思われる部署があるかどうかというご質問でございますが,現在,衛生局が所管しております法律及び事務事業につきましては,高い専門性と資格・免許が必要な業務が多いことから,他部局への移行につきましては慎重な検討が必要ではありますが,他の部局が所管しております事務事業との関連性や事業の委託化など,あらゆる方向から多面的に検討を行い,組織の活性化と職員の効率的で適正な配置を行い,市民サービスの向上を図りたいと考えております。  また,予算執行の上での予算の削減,節約でございますが,ただいま申し上げました事務事業の見直しの中で,あくまでも市民サービスの向上を第一とした中で,結果として出てくるものと考えております。  また,他の団体とのネットワークにつきましても,既に,現在,保健行政を進める中で努力しているところでございますが,今後,さらに保健センターとして区の機構に入った中で推進してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆佐々木[肇] 委員  両局長におかれましては,これからいろいろと取り組む過程のことも想像されまして,具体的な答弁が大変しづらいような感じでございましたけれども,今後の決意のほどというものが,そしてまた,大事を進めるわけでありますから,その基本方針というか,基本姿勢というものが全職員に伝わるような姿勢で取り組んでもらいたい,このように思います。  佐々木民生局長は,市立病院をつくるに当たりまして,新しい器に新しい魂を吹き込んできた方であります。どうか,いま一度,新しい局への移行に当たりましては,行政改革の趣旨というものをしっかりと踏まえまして,今後,指揮,監督,督励に当たってもらいたいと,このように思います。  その中で,職員参加,また議会のチェック,こういうコンセンサスづくりというものも大変大事ではありますけれども,やはりトップダウンというか,時にはそういう勇断も必要であります。どうか,そういった点で,ただいまお答えがありましたスリム化あるいは委託化,そしてまた節約化ということについて強い決意で臨んでもらいたいと,このように思うのであります。  そこで,具体的に,改革の予算面への反映でありますが,一例を挙げますと,物件費については,市長の答弁にもありましたように,このたび21億円の節約をした,その中で物件費は約10億円であります。ところが,物件費はこれだけあって,その中からこれだけ節約するぞということを,なかなか予算執行の面ではしづらいのであります。終わった後,これだけ節約しましたよということはわかるのでありますが,当初予算の中からそれをつまみ出して,これだけの中からこれだけやるぞということは,なかなか難しい。それだけに,私は,職員の意識の改革が大事であると,このように思っているのであります。  また,委託でありますが,市長は答弁の中で,定型的な業務や,施設的,時間的変動の大きな業務については積極的に進めると,このように述べておられます。その具体的な問題については,現場の職員の皆様方のやはり創意工夫が必要であります。私は,一般事務も委託できる部分というのがあるのではないか,このように思うのであります。  私は,日本の事務機構の中で,生産の部門については,TQCなどの導入によって高まっておりますが,事務部門はやはりまだまだおくれているなと日ごろ思っている一人であります。どうか,そんな意味で民間の手法,活力,そういうものを検査,研究されまして,経費の節約と,また事務委託等も含めた積極的な取り組みをお願いしたいということでございます。  その中で,再々でまことに申しわけありませんが,例えば高等看護学院,霊園の担当,動物管理センター,市場検査,こういったところは,他の局への移行であるとか,委託だとか,あるいは定員管理だとか,そういったことで,いろんな手法を駆使して研究する必要があると私は思うのでありますが,確かに法の縛りがあるというものの,どのような所見を持って今後取り組むのか,いま一度決意のほどをお示し願えればと,このように思っております。  また,福祉の出資団体の件でありますが,その事業規模だとか,人員だとか,出向職員であるとか,市のOBの職員の実態というのがどうなっているのか。人の関係とか予算の面からも,新たな時代背景でいろいろと見直すべきと,このように思っておりますが,これらの福祉三セクの現状認識について,わかる範囲でお示しいただければと,このように思っております。  最後になりますが,民生行政の執行体制についてご質問申し上げます。  新しい機構改革に基づく事務分掌の諸改定もあるわけでございますが,スリムな体制に工夫される中で,これら巨大な人員管理とより効率的な予算執行のために,新しい局内に人事担当,さらには予算担当のセクションが必要になることも予想されるわけでありますが,その方向性についてご見解をお示しいただければと,このように思います。この最後の点については,助役からご答弁を願います。 ◎上村 衛生局長  お答えいたします。  先ほどお答え申し上げましたとおり,法律等の厳しい規制がありますが,所管施設の管理等の業務委託につきまして,検討の俎上にのせること,また人員の適正管理につきましても,積極的に取り組むべき課題と認識しておりますので,今後,検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎佐々木 民生局長  外郭団体といいますか,札幌市シルバー人材センター及び在宅福祉サービス協会,それから福祉事業団についての事業の概要についてのお尋ねであったと思いますので,その点についてお答えいたします。  札幌市シルバー人材センターは,総職員数26名でございます。総事業費約10億円,そのうち札幌市からの委託料補助金,札幌市からのお金は1億2,000 万,それから派遣職員は4名でございます。  それから在宅福祉サービス協会は,総職員252 人,事業費は9億2,000 万円,委託料は8億6,200 万円でございます。札幌市からの派遣職員は12名。  それから,福祉事業団は113 名の規模でございまして,札幌市から2名,事業規模は11億1,400 万円,札幌市からの補助金あるいは事務費,委託料等につきましては,補助金が5,300 万円,委託料7億1,200 万円,こういう概要になってございます。  以上でございます。 ◎田中 助役  最後にお尋ねの新しい局における人事とか財政面に関するセクションの問題でございますけれども,確かに,新しい局ができますと,人員の数の問題,あるいは事業内容が多岐にわたることを考えると,非常に大事なセクションになるわけでありますから,人事面とか予算面に関しては,非常に大きな配慮が要ると思います。まだ結論的なことを言う段階ではございませんけれども,新しい局の中に,例えばですけれども,財政課とか部とか,あるいは職員部とか職員課とか,必ずしもそういうものをその中で独自に持つ必要がないのではないかというふうに考えます。しかし,当然にして,どういうふうな体制になろうとも,新しい局において特に配慮すべき問題はあります。
     例えば,人事面でいきますと,いわゆる一般事務職のほかに,医師職あるいは保健婦というような,違う職種が一緒になって仕事をするわけでありますから,それぞれが役割分担に配慮しながらも,全体がうまく機能して,一つの目的に向かってむだなく歯車がかみ合っていく,そういうことが大事であります。  これは,言葉で言うよりも,現場では大変な問題もあろうかと思います。今までの経過もありますし,それぞれの役割分担といっても,本当にうまくかみ合うのかどうかという問題もありますので,そこら辺のところは大いに配慮をする必要があろうと思います。この新しい局の中にそういうセクションをつくらないとしても,それぞれ意識をしながら,かつまた,総務局になると思いますけれども,そこのところでも,市長も含めて,そこら辺の人事面,予算面の配慮は必要と思います。  ご質問の新しいところにつくるかどうかということに関しましては,申しわけないけれども,そこでの独立のセクションというのは,ちょっと私は消極的でありますが,お話しの意図するところは十分わかりますので,十分に配慮すべき問題だと思っております。 ◆佐々木[肇] 委員  私,質問の仕方が悪かったせいか,新しい部,課をつくれという意味ではないのであります。  人事担当のセクション,予算担当のセクション,調整役も含めて,そういう取り組みをする必要があるのではないかと,こういう意味であります。そこのところは,これから十分検討されて取り組まれると思うので,期待するものであります。  何といいましても,大きな組織での人そして予算,こういったことについて精通した職員がふえるということは,組織として大きな戦力アップになるわけであります。そういうご苦労なさった職員というのは,必ず成長するわけでありますから,人材育成という観点からも,私は,人事,予算にかかわる職員を養成する必要がある,こういう観点から述べたので,その点でご理解をいただきたい。  以上であります。 ◆小野 委員  私は,昨年9月に札幌市で開催された第5回ゆうあいピック北海道大会,これを踏まえて,知的障害者のスポーツ大会といいますか,スポーツ振興策あるいは知的障害児・者の余暇活用などについて,質問させていただきたいと思います。  ご承知のとおり,昨年9月に開催されたゆうあいピック大会には,私ども議員も,それから行政の皆さん,特に民生局の皆さんはほとんどの方がかかわっていらっしゃったと思います。全国から約4,300 人,過去最大規模の選手が参加をして開催されたわけで,新聞・テレビなどでも大きく報道されました。特集番組などもありまして,そういうものを見ましても,約1万人を超える市民のボランティアの皆さん,プレ大会も含めて若い学生,特に女子学生などが非常に協力をされて,知的障害者と触れ合う中での感動というか,経験というか,そういうものが非常に強調されていて,知的障害者に対する理解,認識が深まる,いわゆるノーマライゼーションの前進という点で,非常に意義があったと思います。  それから,知的障害児・者,特に養護学級の子供たちは,スポーツに触れる機会が今までほとんどなかったわけですね。よくて合同体育大会とか,そういったところだったと思うのですが,スポーツに興味を持つ,参加をすると,そういった点でも非常にいい面があったのではないかと思うわけです。  まず第1点目として,昨年のゆうあいピック北海道大会に,本市としても相当力を入れて取り組んできたわけですが,その後,どのように評価をしているのか,その点お聞きをしたいと思います。  それから2点目としては,せっかく昨年,全国規模のこういうスポーツ大会が行われたわけですが,今後も札幌で全国大会をやるということになれば,恐らく相当期間,離れるわけで,できれば毎年こうした大会を開いてほしいという希望が強いわけで,もちろん私自身は,そういう必要性があると思っています。そういう面で,本市として,知的障害者のスポーツ振興あるいはスポーツ大会について,今後どのように取り組まれようとしているのか,その点をお聞きします。  それから3点目に,来年度の予算にも,具体的に昨年のメモリアル大会ということで計上されているわけですが,これは,いつ,どこで開催をされるのか。昨年の場合には,市の職員の皆さんも相当かかわってこられたわけですが,これを毎年開催していくとなれば,そうはいかないわけで,やはり当事者や関係者,ボランティアの皆さんのさまざまな協力をいただくことになると思うのですが,そういう意味での特色といいますか,どのような内容をもって準備をされるのか,開催をされるのか,その点をお聞きしたいと思います。 ◎清水 障害福祉部長  ただいまの小野議員のご質問は3点だと思いますが,一つは,昨年行われました大会の評価,それから二つは今後の継続の必要性,三つは新年度の大会の開催内容と,こういうことだと思います。  まず,第1点の北海道大会の評価についてでございますが,ご指摘のとおり,昨年の9月21日・22日の両日,札幌市内で開催いたしました,ゆうあいピック北海道大会は,全国から過去最大規模の選手団が集まりまして,市民ボランティアや大会関係者の見守る中で,多数の市民の皆様のご声援をいただき,大成功のうちにその幕を閉じることができました。大会を通じまして,大会の成功はもとより,今後の障害者福祉を高めるための多くの教訓を得たところでございます。  あえて申し上げますならば,その一つは,1万名に及ぶ個人・団体のボランティア参加によりまして,知的障害にかかわります市民の正しい理解が飛躍的に高まったことであります。  二つは,知的障害者みずからの自覚に伴いまして,日常的なスポーツ活動,あるいは社会参加への意欲が高まったことであります。  三つは,知的障害者とスポーツを結ぶ多くの指導者層が発掘されまして,さらに継続的に指導をしてくださるという,ありがたい申し出をしてくださっていることなどであります。  二つ目のこの大会継続の必要性についてでございますが,ゆうあいピック大会は,平成4年の東京大会を第1回とする,まだ大変歴史の浅い大会でございます。昨年32回目を数えました身体障害者のスポーツ大会に比べまして,知的障害者の参加は著しく立ちおくれている,こういうような指摘もございます。しかしながら,全国大会の開始以来,選手及び関係者の努力もございまして,ここ数年間のスポーツの技能的な面での向上は,目覚ましいものがございます。  お話しのありましたメモリアル大会につきましては,知的障害者関係5団体からの強い要望に加えまして,昨年の大会でお手伝いいただきましたコンパニオンやボランティアの皆さんの中からも,大会開催をさらに継続するよう強く望む声がございます。したがいまして,知的障害者の健康増進あるいは社会参加を積極的に進めると,こういった見地から,また知的障害者が目標を持ってスポーツへの取り組みをする,そうしたことを支援するためにも,平成9年度から広く市民ボランティアの方々のご協力もいただいて,札幌市独自の形式にとらわれないオープンな大会を開催すべく,検討を進めているところでございます。  最後の3点目,この開催内容についてでございますが,第1回大会につきましては,本年7月20日に開催を予定しております。会場は,東区に新設されますコミュニティドームをメーン会場といたしまして,競技種目にもよりますが,可能な限り会場を分散しない方向での検討を進めているところでございます。  競技種目も,全国大会の公式競技と同じく,個人競技・団体競技合わせまして10競技の開催を目標にしてございまして,参加資格及び参加者数については,大会と同じように,札幌市内に居住する中学1年生以上を年齢要件として募集することになるとは思いますけれども,選手数につきましては,ゆうあいピック北海道大会に出場いたしました札幌市選手団282 名,この2倍近くの選手数を見込んでいるところでございます。  以上でございます。 ◆小野 委員  ゆうあいピック北海道大会の成果を踏まえて,知的障害者のスポーツ振興,さらにノーマライゼーション社会の前進のために,札幌市としては,知的障害者のスポーツ大会は第1回となるわけですね,まだ名前などを確定していないと思いますけれども,ぜひ知的障害児・者を含めて,親しまれる名称をつけていただいて,その成功のために関係の方のご努力をお願いしたいと思います。  次の質問ですけれども,こうした年1回のスポーツ大会を開催していくことも大変重要なことなのですけれども,日常的なこういうスポーツ振興あるいは知的障害児・者の余暇活動,とりわけ学童にとっては放課後対策,放課後をどのように豊かに過ごすことができるかという課題があるわけです。  小学生,中学生という点でいえば,行政分野としては教育委員会ということで,民生局での議論や具体的な施策も多くはないわけなのです。その点,特に障害児を児童クラブや学童保育所で受け入れようという議論もあるのですが,私自身の子供も養護学級に通っているという経験では,低学年のうちは地域の健常児とも一緒に遊べるのですね,結構,それなりに参加できるのです。ただ,高学年あるいは中学生になっていくと,なかなかそうはいかなくて,どうしても学校と家庭の2点間運動とか,それから家の中に閉じこもってファミコンをやったりCDを聞いたり,そういう格好になっているわけです。そういった点が障害児の社会性発達の妨げ,あるいは家族にとっても非常に精神的な負担にもなっているわけですね。  そんな中で,昨年9月に手稲区で保健所の保健婦さんの協力もいただきながら,障害児を持つ親のグループができたわけです。その中でもいろいろと議論しているのですが,例えば1区に1カ所でもいいから,知的障害児を中心にした遊べる場所,そういった事業がないものかという思いがあるのです。行政に期待をしていても,なかなか具体的に実現しないという思いもありまして,まず保護者がみずからやってみようじゃないかということで,この2月に,区民センターのホールを借りて,土曜日の午後ですけれども,学童の集いを開きました。教育大の特殊教育を学んでいる学生3人ほどに来ていただいて,ゲームの指導をしてもらう,あるいは,手稲高校の高校生が来て,ボランティアとして,障害児あるいはその兄弟を含めて子供一人一人についていただくわけですね。そうすると,親は子供から離れることができる。そして,手稲区の大道芸同好会の人に皿回しとか,南京玉すだれなんかをやっていただいたり,非常に楽しいひとときを過ごしました。  高校生も,初めて知的障害児に触れるという経験を通して,ボランティア活動を含めて,非常にいい成果があったと思っています。  そんなことを含めて,今後とも,私たち自身も,自主的なこういう活動を継続して,知的障害児にとって,どのようなものがふさわしいのかということを検討していきたいと思っているのです。  そういったことで質問をしたいと思いますが,1点目として,今,私の方でお話ししましたけれども,知的障害児の放課後対策,あるいは障害児・者の余暇の過ごし方について,どのような実態にあるのか,あるいは,どうあらねばならないのかという点で,どういう認識を持っておられるのか。さらには,本市として,今後,こういった課題について,どのように取り組んでいくのか,支援策などについて考えているのか。  例えば,5年計画の中で基本構想を策定することになっている知的障害者福祉センター,そういった事業展開の中で,障害児・者のスポーツなり余暇活用などについて,何らかの事業展開を図る課題として検討しているものがないのかどうか,その点お聞きをしたいと思います。  それから3点目として,今,手稲区の私たちの経験などを含めて,地域の中で,そういう当事者あるいは理解ある人々の自主的ないろんな取り組みが芽生えてきているわけですけれども,先ほど教育大の学生がゲームのリーダーと言いましたけれども,まだまだ経験不足なわけです。そういう面では,日常的に知的障害者と実際に接触をしている施設の職員の皆さん方の協力をいただくことも,必要なことじゃないかなと思っています。そういう人たちを紹介していただく,あるいは来ていただくためには一定の財源的な措置も必要なわけで,そういう支援策を含めて考えている点がないのかお聞きをしたいと思います。 ◎清水 障害福祉部長  ただいまのご質問は3点でございまして,まず実態への取り組み,認識,それから今後の取り組み姿勢の問題,さらには現在行われている活動への支援,この3点と承りました。  関連しておりますので,総括的にお答えいたしますけれども,障害児・者が,ボランティアの方々の協力を得ながら,みずから積極的に地域と交流を図るということは,市民に障害を正しく理解される啓発活動でもございますし,また,それを取り巻く福祉ボランティア,そういった方々の醸成にもつながっていくものだと,これは,まさに今言われておりますノーマライゼーションの理念に合致する活動であると,こう考えてございます。  知的障害者の余暇活動をも含めた今後の地域社会への参加の推進につきましては,現在の5年計画の中で基本構想の策定を予定しております知的障害者福祉センター,先ほど委員からもご指摘ありました知的障害者福祉センターのあり方論議をこれから続けてまいりますが,そういったところで,例えば,料理や買い物,映画館等の施設利用の習得のための地域生活プログラム事業,あるいはレクリエーション教室開催事業,こういったものもメニューとして持っているわけですが,これらを具体的に実施をしていくと,そういうことも想定して,知的障害者福祉センターのあり方について論議をしてまいりたいと,こう思います。  また,現在,特に保護者の方々の力によって行われております,お話しのありました活動等につきましては,当面,各地域に点在いたしております各種障害児の施設あるいは障害者の施設,大人の施設ですね,そういったところの人的・物的な力を有効な社会資源と考えておりますことから,当事者の方々の諸活動の実態を見きわめながら,また新たな支援策について模索をしてまいりたいと,前向きに検討してまいりたいと,こう考えてございます。 ◆本郷 委員  私は,特別養護老人ホームなどの社会福祉施設に対する指導監査と,社会福祉法人事業法の一部改正による権限移譲事務に関して,何点かお伺いをいたします。  まず,社会福祉法人が運営する社会福祉施設に対する指導監査状況についてであります。  国の通知によれば,毎年1回は指導監査を行うようになっており,本市においても,それにのっとって監査が行われていると思いますが,その指導監査の基本的な考え方と監査の実施状況をお聞きいたします。  それから,これらの施設は,当然,法令等に照らして適正な運営が要求されるところでありますけれども,指導監査の結果,是正または改善を求めた施設はどのくらいあり,その割合と内容についてお伺いをいたします。  さらに,今回,社会福祉事業法の一部改正に伴い,都道府県知事の事務の一部が政令指定都市並びに中核市に移譲されるとお聞きをしております。具体的に,いつから,どのような事務が移譲されるのか,その件数も含めてお伺いをいたします。  4点目に,今回の権限移譲により,新たに社会福祉法人の指導監査ができるとのことでありますが,現行の施設の指導監査を行う上で,どのようなメリットがあるのかお伺いをいたします。 ◎藤井 社会部長  まず,第1点目の施設指導監査の基本的な考え方についてでございます。  申すまでもなく,社会福祉事業は収益を目的としない,極めて公共性の高い事業でございますので,社会福祉施設を設置できるのは,原則といたしまして,国,地方公共団体あるいは社会福祉法人に限られているところでございまして,国民の期待も大きいわけでございます。したがいまして,指導監査は,法令や国の通知等に照らしまして適正な施設運営が確保されているかどうかを検証いたしまして,適正を欠いている事項に対しましては指導や指摘を行いまして,是正や改善をしていただくのがねらいでございます。この視点に立ちまして,入所者の処遇あるいは給食,防災,経理事務あるいは職員の処遇などの分野について,指導監査をしているところでございます。  次に,本市の実施状況でございますが,8年度はただいま途中でございますので,まず7年度の状況について申し上げますと,老人福祉施設あるいは児童福祉施設など対象224 施設中222 施設に対しまして,入所者の処遇について重点的に行い,施設運営全般についても実施したところでございます。そのうち19施設につきましては,施設指導の実効を上げると申しますか,そういう意味で,北海道が持っております法人指導監査,それにあわせて,いわゆる同時監査と申しておりますが,同時監査を実施したところでございます。  次に,第2点目の是正または改善を求めた施設の割合等でございますが,指導監査を実施した222 施設のうち,是正または改善を求めましたのは,そのうち24%に当たります54施設でございます。施設別で申し上げますと,保育所の対象施設は157 ございますが,そのうち22施設と,件数的には一番多くなってございます。  次に,是正または改善を求めた内容でございますが,例えば,施設会計から法人会計への資金の繰り入れが,これはある一定のルールがございまして認められているわけですが,その限度額を超えている,そういった経理事務に関するものが44件,それから正職員の配置が基準に満たないと,いわゆる臨時職員で補われていたというもの,あるいは夜間の避難訓練が適切に実施されていなかったと,そういった施設の運営に関するものが17件,それから夜間の勤務体制の改善など,職員の処遇に関するものが16件,その他ということでございます。  これらの指摘に対しましては,施設を運営する法人から,改善する旨,あるいは改善した旨の回答をいただいておりまして,平成8年度に入りまして,実施指導監査の際に,そのほとんどが改善されていることを確認しているところでございます。  次に,第3点目の権限移譲の事務内容とその時期についてでございます。  一つには,社会福祉法人の設立認可と,その法人に対する指導監督の事務でございます。  その内容といたしましては,法人の設立認可,あるいは定款の変更認可,基本財産の処分と担保提供の承認,あるいは理事長変更届の受理,そのほか法人に対する指導事務などでございます。対象となる法人でございますが,法人の事務所が札幌市の区域内にございまして,その行う事業も札幌市内と,そういった社会福祉法人でございまして,現在のところ,社会福祉協議会をも含めて125 法人が移管される予定でございます。  移譲の二つには,社会福祉事業法により設置されております精神薄弱者援護施設,それから老人福祉センター等の37施設に対する指導監査事務でございます。これらの事務につきましては,いずれも4月1日から権限移譲されるものでございます。  最後に4点目でございますが,それでは,権限移譲によって,どのようなメリットがあるかというお尋ねだと思いますが,この点に関しましては,通常,施設指導監査の中だけではわからない,貴重な情報を直接入手できるということが最大のメリットであると,このように考えております。  例えば,施設の増改築や大規模改修,あるいは職員の配置,給与関係,そういった法人としての社会福祉や施設に対する考え方,それから施設運営に大きな影響を与える重要な意思決定,これはいずれも法人側が行うわけでございまして,そういったことをじかにお伺いできると。それから,あとは財務上,法人会計あるいは施設会計が一体として監査できるということで,法人全体の資産状況の把握ができるようになることが大きなメリットだと,このように考えております。  このように法人,施設両面にわたりまして,より有機的に把握することができるわけでございまして,なお一層実効のある施設の指導監査ができるものと,このように考えております。  以上でございます。 ◆本郷 委員  ただいまのご答弁で,既存の社会福祉施設においても,全体の約4分の1の改善指導を行っているということでございました。  これは一つの例ですけれども,精神薄弱者のグループホームがございまして,ここから,障害者雇用促進法にのっとって障害者の方を受け入れている会社へ通われていらっしゃる方が,朝食をとらないで職場に来て,とても仕事にならないだとか,あるいは朝,出勤をしてこなくて,そこの会社の社長さんが施設の方に電話をしても,生活指導員さんのどなたも電話に出られないような実態を実はお聞きしていることもございまして,これらの施設も,今のご答弁によりますと,移管される37施設の中に入ってくるわけでございますね。  そうしますと,現状でも細かいところまでなかなか目が届かない状況の中で,法人においては125 法人が移譲されるということになってきますと,今,社会部にある監査指導課,現在は4名体制でございますけれども,甚だこれは心もとない状況かと思います。したがって,人員も含めて,組織強化という面が必要かと思われます。  また,社会部は,社会福祉協議会等への助成や,あるいはその施設整備等も所管をしているというところから,特に昨年来,全国的に問題となっております社会福祉法人の不祥事等を考えますと,この監査部門の独立性ということが,より強く求められてくるところであろうかと思います。  そこで,今後,この権限移譲に伴って指導監査に当たって,本市としてどのような体制強化と,また独立性の確保を考えていらっしゃるかお伺いをいたします。 ◎藤井 社会部長  体制の強化でございますが,ただいま申し上げましたように,新しく法人関係の事務や法人,施設の指導監査等が移譲されますことから,ただいま委員がおっしゃったように,体制の強化と指導監査の一層の徹底のために,人事当局に対しまして,救護施設,いわゆる生活保護の施設でございますけれども,社会部が施設整備等も所管していることから,独立した組織といたしまして監査指導室,仮称でございますけれども,そういったところの新設と,それから職員の増員を求めているところでございます。  なお,これらの事務を行うに当たりましては,施設整備を所管しておりますそれぞれの事業担当課,あるいは法人関係につきましては,北海道から移譲されるわけですけれども,経験豊富な北海道等の助言もいただきながら,公正で的確な指導に全力を挙げてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆高橋[重] 委員  それでは,私から,障害者の問題で何点か質問をいたします。  まず,今回の予算の中に,地下鉄のエレベーターを澄川駅に整備という形で載っておりますけれども,過去数年間を見ますと,2ないし3駅にエレベーターの設置をやってきたといういきさつから,新年度予算は非常に後退をした印象を逸れません。  そこで,本市議会においても,陳情・請願が採択をされて,全駅にエレベーターの設置ということが確認され,そういう方針で市当局も努力をされてきた経過があるわけです。そういうことからも,この分野の後退は許されませんので,この点で,特に南北線の34条駅,麻生駅等においての利用増を考えますと,そこにはいろいろな問題があるのでしょうけれども,その問題を一つ一つ解決しながら,地下鉄エレベーターの設置について積極的に努力をされるように,まず冒頭,要望をしておきます。  それでは質問をいたしますが,障害者の中で,特に視力障害にかかわって3点質問いたします。  その第1点は,いわゆる白杖歩行訓練と言われている問題ですが,かつて北海道盲導犬協会がやっていたものを,札幌市身体障害者福祉協会に委託先を変更したといういきさつがあって,そこで十分な訓練ができるかできないかというようなことも問われておりました。その点で,現在の実施状況はどうなっておるのか,専門指導員の配置がどうなっておるのか。そして,これからこの指導体制をどのように強めていくお考えなのか,まず第1点,その点をお伺いいたします。  第2点は,視聴覚障害者情報センターというものが,現在,教育研究所の移転後の建物を利用してつくられるという構想が発表になっております。平成12年度をめどにつくっていこうというような計画であると伺っておりますが,あの場所は,地下鉄の東札幌駅からも結構な距離があるということで,視力障害者の方々から,非常に利用しづらいと,もっと地下鉄の駅に近いところにというような要望が出されて,これも障害福祉部の方に再三要望してきたといういきさつを聞いております。その関係者の要望を受けとめて,どう対処されるお考えなのか,その点をまずお伺いしたいわけです。これが第2の質問です。  それから第3の質問は,障害者,特に視力障害者に伺ってみますと,今,障害者の暮らしをめぐって,ハード面・ソフト面でいろいろな施策が講じられてきたと。その点では,かつてよりも,かなり生活条件といいますか,範囲が広がるといいますか,なってきたけれども,しかし,まだ改善してほしいことはたくさんあると。例えば,公文書の通知一つを見ても,視力障害者にはわかりづらいというようなことであるとか,あるいは,施設面を見ても,点字ブロックがまだ足りないとか,あるいはまた,除雪が十分でないために車いすでの歩行が困難であるとか,まだまだいろんな問題がたくさん横たわっていることが指摘をされておりますけれども,その点で,特に新年度の予算の中に,どう改善が盛り込まれておるのか,この点をまず明らかにしていただきたいと思うわけです。  次に,障害者全般にかかわる問題でありますけれども,本市の機構の中に,市民の暮らしに関するいろんな行政分野がございますが,そのすべてにわたって,障害者と結びつく問題が横たわっております。障害の問題というのは,障害福祉部だけで処理するのではなくて,全庁を挙げて取り組まなければならない,そういう内容にもなっております。  そこで,本市においては,そういう担当する窓口の課長,部長,局長等を集めて福祉の街づくり推進協議会というものを設置して,総合的に対策を進めるということに平成元年から取り組まれていると。推進協議会運営要綱というものもいただいて,拝見をしましたけれども,そういう形で全庁的に取り組むことが非常に大事です。しかし,各部署でやっておるのを見ますと,まだまだ障害者に対する配慮が欠けておる,そういう行政の実態もございます。せっかく福祉の街づくり推進協議会というような横の連携機関を設けても,それが十分働いていないとすれば,問題なわけです。  そこで私は,そういうものが十分機能していないのではないかという疑問を持つわけですけれども,それについて,民生局としてはどのように認識され,どう改善されるか,お考えがあればお示しを願いたい,これが4点目です。  5点目としては,いろいろ障害者の問題を考える上で,先ほど小野委員からもノーマライゼーションというようなことも言われて,まさに障害者の問題は,障害者みずからの問題であるとともに,それを包んでおる健常者,行政はもとより全市民の理解・協力,こういうことが非常に大きな問題だろうと思うのです。  その点で,一般市民が,障害者に対して正しい認識を持ち,正しい理解をし,できればボランティア等を通じて協力をしていくということが大事ですので,その点に対する啓蒙啓発活動ということもまた,障害者問題を進めていく上では重要な課題になっておるわけです。そういう位置づけの中で,市民の理解を求める活動がどうされておるか,特に,新年度の中で新たな事業展開を考えられているのかいないのか,この点を明確にしていただきたい。  以上です。 ◎清水 障害福祉部長  大変数が多うございますので,一つ一つお答えしてまいりますが,答弁漏れがありましたらご指摘いただきたいと思います。  まず第1点目,白杖歩行訓練事業の委託がえに関する問題でございます。  昨年の3定でもご指摘のございました白杖歩行訓練事業の委託がえについては,大変ご心配をおかけいたしておりました。  平成8年9月1日から,社団法人札幌市身体障害者福祉協会というところに,盲導犬協会から委託がえをさせていただきました。その後の実施状況についてでございますが,平成8年9月から4名の方が訓練を受けておりまして,現在,待機は2名となってございます。実施後,約6カ月経過いたしておりますが,その間の実績をもとに1年間の訓練回数を推計いたしますと,1人当たりの平均訓練回数は年間約44回,また平均訓練時間は約76時間になる見込みでありまして,従前の北海道盲導犬協会での1人当たり年間訓練回数約14回,訓練時間約21時間,これと比較をいたしましても,大変密度の高い訓練を実施していくことができるものと考えてございます。  白杖歩行訓練の体制でございますが,現在は4名の指導員による1対1での指導でございます。白杖歩行の専門指導員は配置しておりませんけれども,いずれも一般教諭免許のほかに盲学校の教諭免許を持ち,盲学校で養護訓練,歩行訓練などを手がけられた教諭経験者に指導をゆだねているところでございます。  訓練の内容といたしましては,自宅を起点といたしまして,幹線道路や住宅周辺の道路の確認,病院,商店,郵便局などへの往復歩行訓練,また,バス・地下鉄を利用して区役所まで歩行ができるようにとの訓練も実施しています。お子さんのために,病院に薬をもらいに行けるように頑張りたい,あるいは,バスに乗り地下鉄駅まで往復することができるようになったと,こういった喜びの声が,私どもに届いているところでございます。  平成9年度の指導体制でございますけれども,委託がえの時点で新たな指導体制についての不安をお伺いいたしましたので,早急に専門指導員を配置できるよう検討しておりましたけれども,委託先の身体障害者福祉協会では,平成9年4月から,白杖歩行訓練や社会適応訓練を専門に行う指導員として,国立の身体障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害生活訓練専門職員養成課程卒業者と,こういう長い名前でありますが,その学院を卒業した方を1名採用する予定でございます。この課程を終了した方を採用することによりまして,なお一層専門的な知識と指導技術を高めた訓練が実施できると,こう考えているところでございます。  第2点目の視聴覚障害者情報文化センターの関係でありますが,これはまだ検討段階でありまして,仮称とご理解いただきたいと思います。  視聴覚障害者情報文化センターの設置につきましては,かねてから関係者や多くの方々からの要望もありまして,本5年計画の中に位置づけまして,視聴覚情報を提供するための設備として図書室や音楽室等が有効に活用できますことから,移転であくことになります現在の教育研究所の建物を利用することにしたものでございます。  その立地につきましては,平成8年の決算特別委員会において,飯坂議員からも,不便であるとのご指摘があったところでございます。地下鉄東札幌駅からこの予定地までの距離は,771 メートルございます。一方,現在の視力障害者福祉センターは,地下鉄の西11丁目駅から618 メートルで,150 メートルほど遠くなりますが,これに対応いたしますために,経路上の環境整備をすることといたしまして,例えば,点字ブロック等による誘導を含めた歩道の整備,あるいは音響式信号機の設置,あるいは除排雪体制の確保などの具体的な方策を,今後,開設に向けまして関係部局と十分協議をしてまいりたいと考えてございます。  3番目の,障害者が安心してこの街で生活できるための施策ということであろうと思いますが,ご指摘にありましたとおり,視覚障害のある方々が都市生活を送る上で,現在,相当の不便を感じておられることは否めない事実と受けとめてございます。  近年,一部の企業におきましては,領収書や通知文などを点字化してお送りする配慮も見受けられるようになってきておりますが,障害のある方々にとって十分に満足のいく状況とは言えませんで,今後の大きな課題の一つと考えております。また,従前は,視覚障害のある方々の外出機会が少なかったと,こういったこともありまして,利用される施設設置者自体の認識が不十分であったことも,施設整備のおくれている一因であると考えてございます。  したがいまして,今後の施策の方向づけといたしましては,第一義的には,各種商業施設等市民利用施設提供者において,みずから認識を深めていただくことが重要であると考えてございます。また,二つ目には,公的な力,例えば福祉の街づくり条例などで,さらに効果を高める手法も検討してみる必要があると考えます。さらに三つ目には,日常において,機会あるごとに,関係企業などに対しまして個別に理解を求めていくことも大切なことと考えておりまして,本市としても率先して,例えば,身近にございます市役所の食堂あるいは自動販売機などの点字対応等についても,早急に実施する方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。  第4点目の福祉の街づくり推進協議会についてのご指摘であります。  この推進協議会につきましては,障害者が明るく住みよい環境のもとで生活できる街づくりを総合的かつ効果的に推進する,そのための庁内組織として平成元年に設置したものでありまして,現在は18名の関係部長による協議会,それから課長による幹事会,これをそれぞれ年1回開催してございます。その議題といたしまして,街づくりにおけるハード部分の整備に関して話し合うばかりではなくて,例えば,民間の飲食店が障害者に配慮した実例や,市営住宅での点字シールの張りつけなど,ソフト部分も含めた多方面からの試みを取り上げ,より市民生活に密着した福祉施策の推進に努めているところでございます。  今後におきましても,市内部での連携を一層深めながら,それぞれの部局においても,常に障害者に優しい視点から取り組んでいけますよう,協議会の機能を充実してまいりたいと考えてございます。  最後は,障害者に対する正しい理解の促進ということであろうかと思います。  障害者への正しい理解の促進についてでございますが,本市の障害者福祉計画では,広報・啓発活動の充実を大きな柱の一つとしてございまして,障害のある方々が地域で暮らすためには,周囲の理解の深まりが不可欠であると認識しているところでございます。しかしながら,本市などが行う施設建設計画に対し,地域住民の間で一部反対の声が上がることもあるなど,必ずしも,障害のある方々への理解が進んでいないという面もあるかと考えております。  こうした状況において,本市におきましても,小学生向け社会科副読本の発行のほか,毎年10月に行う身体障害者福祉月間行事での各種イベントや,12月9日の障害者の日記念事業の実施,あるいはゆうあいピック北海道大会を初めとするスポーツ大会,こういった多くの機会を設けて,さらに理解を深めるよう努力をしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆高橋[重] 委員  今,ご答弁をいただいたわけですが,まず第1点の白杖者の訓練については,強めていただきたいと思います。  第2点の障害者情報文化センターについては,現在よりも150 メートル程度であるから利用できる範囲ではないかと,こういう認識なのですけれども,視力障害者の方にお聞きいたしますと,やっぱり遠いという声が強いわけです。そこのところを受けとめて近いところにできれば一番いいわけですけれども,跡地利用ということからいけば,一歩譲らざるを得ないという面もわからぬわけではありません。しかし,その点で,関係者は地下鉄に近いところを強く望んでいるのだというところを受けとめていただきたいというのが,私の質問の趣旨であります。  中でも,これをつくる上で,関係者を集めて検討委員会を設置すると,こういうことも伺っておるわけですが,この検討委員会の中にいろんな立場の方を網羅して,本当に関係者の意見が反映されたものにしていくということが大事なのです。立地についての議論も,もちろんその中に入るわけですが,その点での見解をお聞きしたいのと,それから,つくっていく情報文化センターの事業の中身をより充実したものにしていくということも求められておりますが,その点でどういう見解を持っておられるか,これをまずお伺いしたい。
     それから,3点目の安心して暮らせる都市生活の中で,ガイドヘルパーの問題があります。  現在,視力障害者,平成7年度で5,547 人,あるいは肢体不自由者が3万6,835 人と,こういうふうに統計に出ております。ガイドヘルパーの派遣数を見ますと,視力の方が2,789 人,肢体不自由の方が1,125 人と出ておりまして,いずれもボランティアのヘルパーさんが頑張っておられます。しかし,視力障害や肢体不自由の人から見れば,例えば,9時から5時までのみならず,夜間の外出についても手伝ってもらえるならば助かると,こういう声もあるわけですけれども,その点ではまだ難しいというような状況も伺っております。その点を改善するためには,ボランティアになっていただく方にもっとたくさん応募していただくと同時に,夜間の適用について,積極的に障害福祉部が取り組んでいくということが求められておりますので,その点でのご見解を伺いたいと思うわけです。  それから,4点目の推進協議会の点で,協議会の機能を充実していきたいと,こういうご答弁でありますが,例えば市営住宅一つを見ても,障害者用に十分になっているのかというと,必ずしもそうはいかない,まだまだ改良の余地がある。あるいは,地下鉄の利用はどうなのか,点字ブロック一つを見ても十分とは言えないとか,選挙が時々ございますけれども,障害者向けの選挙公報が十分ではないとか,協議会の中で各部局を網羅して障害者対策を相談し検討して,一定の努力をしているにもかかわらず,障害者の立場で見れば,もうちょっとやってほしいのだということがあるわけです。その点,先ほどのご答弁で,機能の充実ということを言われましたけれども,具体的にこういう問題で,じゃ,どうなのかという点での見解をお示し願いたいと思います。  それから,市民の理解の上では,まさに国際障害者年が1981年,83年から1992年までは国連障害者の10年で,障害に対する市民の理解が一層前進したというふうに思いますけれども,こういうような経験を踏まえて,先ほどのご答弁でも,障害のある人とない人との交流の機会をふやしていくというようなご答弁がございましたけれども,日常的に障害者と健常者が共同生活のできる場をもっともっと広げていくということが大事だと思いますが,その点で,新たな施策は今のところ,特別ご答弁ではありません。今年度の中で,ひとつぜひ検討していただきたいと思いますが,改めてご見解をお示しください。 ◎清水 障害福祉部長  4点ばかりございましたけれども,視力障害者センターの関係でありますが,現在あります視力障害者センター,北2条西12丁目にあります建物の機能をそっくり持っていきます。それから,身体障害者福祉協会の中にあります聴力部門の機能も,そっくり持っていきたいという希望が一つありますが,さらに,そういった中から新たにビデオライブラリーの制作を始めてみたいとか,情報機器の貸し出し・展示等もやってみたいとか,これらにつきましては,先ほどご指摘ありましたように,検討委員会の中に当事者の方々も入っていただいて,十分検討を深めていくという予定でございます。  それから二つ目は,ガイドヘルパーの関係ですが,平成8年度からガイドヘルパーについての規制緩和をしたところでありまして,例えば,派遣回数を週1回としておりましたものを月10回にしてみたり,日曜・祝日は派遣しておりませんでしたものを,ことしはその制約を外しております。  それから,一方では,そういった派遣機会を拡大することに伴いまして,供給する側の数の問題もございます。それで,養成講座等も進めておりまして,例えば,全身性の重度障害者向けのガイドヘルパーでは,従来は12人でありましたものが,今年度は32人にふえているということもございます。さらに,視聴覚障害者向けのガイドヘルパーをこの3月には20人増員をしたいということで,養成講座等の募集もしているところでございます。  三つ目は,推進協議会の関係でありますが,エレベーターづくりでまだ庁内関係の連携が足りないと,こういうご指摘でありまして,必ずしも完全とは申しませんけれども,エレベーターをつくりますときの障害福祉・建築・交通との連係プレーは,非常に密に行っているところであります。あるいは,公営住宅法の改正等もありまして,知的障害者のグループホームを公営住宅の中に設けることができるというような制度もございますので,そういったことを契機に,さらに障害福祉・建築局関係の連携が深まっていると。  ともあれ,これは会議をして環境が変わっていくものではありませんで,常々それぞれのセクションで,障害者に思いをいたした街づくりを心がけていただきたいものと,こう考えているところであります。  それから,障害者との交流につきましては,まさに,日常の活動の中で障害に対する理解を深めていくことだろうと思います。障害者福祉計画を忠実に実施していくことによりまして,市民と障害者の方々の友好関係が構築されていくと,こう考えているところであります。  以上です。 ◆高橋[重] 委員  最後に,要望しておきますけれども,先ほどの情報文化センターの中で,視覚障害のある方々にも十分利用いただける距離であるという認識を部長は表明されましたけれども,これは,やっぱり認識違いじゃないかと。十分利用できない距離だけれども,跡地ということからいくと,やむを得ないわけで,この点では,実際に視力障害者の方から「いいものはできた。しかし,利用できない,行くことができない,大変だ。」,こういう声が既に出ておるわけですので,その点は重く受けとめて,考えていただきたいということを要望しておきます。 ◆山口 委員  私は,福祉の街づくり条例についてお伺いをいたします。  これは,さきの代表質問でも,これからの福祉の街づくりは,防災と福祉が相まった街づくりが必要ではないかというような趣旨で,質問をさせていただきました。さらに,それを詳しく伺いたいと思いますけれども,現在,本市では,福祉の街づくり要綱というものが適用されておりまして,さまざまな建築物に対するいろんな要綱が定められておりますが,これを条例とすべきだということを,4年前から私どもは提案をしております。  当初,市から5年計画の早期にというご答弁をいただいていたのですが,なぜか,途中から5年計画の中以降というふうにトーンダウンをいたしまして,非常に納得できない思いでいたところでございます。北海道の動向を見ながら制定するというようなお答えでしたけれども,北海道では,既に新年度条例制定というふうに聞いております。  そこでお尋ねをいたしますが,本市における福祉の街づくり条例の策定のスケジュール,それについてお伺いをしたいと思います。  しかも,障害を持つ方たちは,さまざまな障害があるわけで,代表者を選ぶといっても,だれがだれを代表するかというのは大変難しい部分がありまして,できるだけ多くの方の参加というものが望ましいわけですけれども,障害者,高齢者を含め,当事者参加をどのように保障していくのかについても伺います。  それから2点目ですけれども,条例制定の内容についてお伺いをいたします。  さきの代質で申し上げましたように,札幌市は条例がおくれているということで,逆に,阪神大震災を経験したという意味では,防災の視点を福祉の街づくり条例に盛り込むべきではないかというふうな質問をいたしました。  例えば,仮設住宅がほとんど身体障害者の方は使えなかったとか,それから,避難所である古い学校では,洋式のトイレがほとんどない。あるいは,避難所の公園の入り口が1カ所だったということで,樹木が折れたり,倒れたりして,体の不自由な方は入るところがなかったとかいうことがございまして,福祉の街づくり条例制定に当たっては,ぜひそのような阪神大震災の経験も盛り込んだ,防災の視点も含めた条例にすべきというふうに考えますけれども,その2点,内容とそのスケジュールをあわせてお伺いいたします。 ◎清水 障害福祉部長  福祉の街づくり条例の2点の質問でございますが,まず福祉の街づくり条例につきましては,道の条例との整合性に配慮しながら作業を進めてございまして,平成10年度中に制定する予定で進めてまいりたいと。その後,一定の周知期間を置き,施行については若干時期がずれていくかと,こう考えております。  また,具体的な手法といたしましては,検討委員会を設置いたしまして,条例の具体的な内容を審議する一方で,市民の理解を深めていただきながら広く意見をお聞きする機会,あるいは障害者・高齢者など条例に深くかかわりのある方々の参加もいただいた懇談会なども考えてまいりたいと,こう考えています。  また,盛り込む内容についてでございますが,条例化に当たりましては,道条例に関する情報や,既に制定が済んでおります23都府県及び二つの指定都市の条文を比較しながら,さらには,その他の都市の動向あるいは検討課題も参考にしながら,基本的な検討を行っておりますが,現在,本市にあります要綱も踏まえて,不特定多数の方が利用する建築物に加え,公共交通機関,道路,公園及びこれらの附帯施設などを対象とする考え方でありまして,その具体的な範囲等につきましては,今後,検討委員会で論議をしながら,規則等にゆだねていくという方法も考えてまいりたいと思います。  また,ご指摘の災害時の仮設住宅につきましては,緊急に大量の供給をすることが災害時には最優先されるために,現在の建築基準法においても,短期間の存続を前提とした一定のものについては,建築基準法の適用が除外されております。こういったことも含めて,条例等で一律に規制対象とすることについては,なお十分に論議をして検討してまいりたいと考えております。 ◆山口 委員  平成10年度中に条例策定ということにつきましては,遅くなったとはいえ,評価をしたいと思いますし,つくる以上は,今まで申し上げてきたような,十分に納得できる内容にしていただきたいと思うわけです。  今の部長のご答弁ですと,仮設については緊急で難しいというようなことでございましたけれども,例えば,札幌市内に建てる建築物,構造物について条例を適用する,そして,緊急の場合,やむを得ない場合については別途協議するとか,今の要綱でも,構造上とか地形上やむを得ない場合は,別途の協議ということが盛り込まれてあるわけですから,基本的には,そのような仮設住宅も含めて条例の対象にするというふうに考えていくことを,阪神大震災を経験した後にできた条例に当然盛り込むべきことだというふうに私は考えるわけなのですね。それについて,再度お答えをいただきたいと思います。  先ほどから,高橋議員の質問に点字のお話がたびたび出てまいりましたが,阪神大震災復興計画に関する障害者の要望書というのを見ますと,点字案内図,あるいは指でさわって案内をする触知案内図と言われるものがよく見受けられますが,あれは全く役に立たないというふうな答えが出ております。点字だけで空間を認知できる障害者は皆無であるというふうな報告もされております。  現在の街づくり要綱には,18のところに,緊急避難設備として,音と点滅式の誘導灯とかが規定をされており,災害時,非常時における視覚障害者の避難,誘導などの説明書は,点字などによる案内を考慮しておくことが望ましいというふうになっていますが,点字は,災害のときは全く役に立たないというような障害者の声,これは40グループと2,000 人の障害者,家族の聞き取り調査で明らかになっております。そのようなことも出ておりまして,代表質問の答弁のときは,日常的に福祉の街づくりを進めることが結局は災害時の対応につながるのだというようなお答えでしたが,条例ができても,そのような場合に役に立たないということであれば,やはり意味が半減するわけなのですね。  そのような意味で,防災の視点を入れ,なおかつ阪神大震災の障害者の方たちの声も参考にしてつくるということで,再度お答えをいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 ◎清水 障害福祉部長  いずれにしましても,条例制定の目的は,障害者や高齢者が安心して暮らせる街をつくるということが大前提にあるわけでありますから,それに合致した条項はできるだけ多く盛り込んでいくだろうと,こう考えております。  それから,災害に強い条例ということなのでしょうけれども,阪神・淡路大震災の記録,提言集等も私どもつぶさに検討させていただいておりまして,そういったものが必ずや条例の条文等,あるいは規則,あるいは要綱等の中に生きてまいるであろうと,こう考えております。 ◆山口 委員  必ず生かしていただきたいというふうに考えます。平常時が大事ということもわかりますが,逆に,過酷な,最も厳しい状態も想定した条例,そういうものができれば,当然それは平常時,日常時にも十分に役に立つという,そういう考え方でいくべきだというふうに考えますし,先ほどの点字も含めまして,今まであって当然と思われていたのが,実は当事者にとってみると,余り役に立っていなかったというものが随分あるということが改めてわかりましたので,当然のようにつけられていたもののチェックも含めまして,実効性のあるものをぜひつくっていただきたいと。これは要望になります。終わりたいと思います。 ◆勝木 委員  私の方からは,3項目4点,障害者の福祉の観点から質問させていただきたいと思います。簡潔にやりたいと思います。  1点目は,知的障害者の生活態様,難しい言葉ですけれども,これの認識について質問します。  予算案に見られる在宅介護料助成,交通費助成,小規模授産事業のレベルアップ,こういったものが,障害者が地域社会で生活できるための基礎をしっかりと支えるものとして,大変喜ばしいものだと思います。しかし,こうした庇護的な政策のみで,障害者の人格権と申しますか,人間としての最低限のプライドまでもが保障されるのかと申しますと,大いに疑問が残るというところだと思われます。就労を含めまして,地域社会活動への積極的な参加といったところに,知的障害者本人またはその両親にとっての非常に重要な要件があるのではないかと思われるところでございます。  そこで質問でございますけれども,現在,本市内には6,000 名余の知的障害者が確認されております。その方々は,就労,施設入所,在宅,通学など,それぞれみずからの選択で生活しているようなのですけれども,札幌市では,これらの障害児また障害者が,現在,どのような生活実態にあると心得ているのか,その実情と申しますか,先ほど申しました態様に関する認識をお伺いいたします。  また,最近のノーマライゼーションの考え方の普及や労働関係法の整備などに伴いまして,障害者の就労も相当進んでいると思うわけですけれども,しかし,その一方では,悪意を持った障害者の雇用の実態などもあると思われます。例えば,毎日新聞の「福祉を食う」といったようなシリーズの記事が紹介されています。本市は,ことしから,そうした障害者の安定した雇用継続を確保するとの観点から,企業に対する就労相談主任手当の支給を始めましたけれども,この1年間の様子やその効用などについてお伺いしたい。  また,新年度の計画について考えているところをお示しいただきたい。  また,障害者の雇用の実態について,さらに的確に把握するための調査なども考えるべきだと思うわけですけれども,いかがなものでございましょうか。  2点目は,先ほどの高橋議員の演説の中にもありましたけれども,地下鉄エレベーターの設置問題,(発言する者あり)私もこの質問で,いわゆるエレベーター議員の仲間入りを果たしたいと思うわけですが,さて,平成8年度において,議会は「地下鉄全駅にエレベーターの設置を」という請願・陳情を採択したところでございます。しかしながら,新年度予算におきましては,先ほどもお話しありましたけれども,澄川駅の基本設計のみということになっておりまして,全駅の47駅中31駅にしか設置されていないという現状でございます。この水準に関しましては,多少不満足ということなのでございます。障害者の交通費助成を含めまして,社会参加のための支援策を幾ら充実したとしても,公共交通機関の基本である地下鉄利用を充実しなければ,多くの策は,相当部分その意味合いを失うのではないかと思われます。  今後,エレベーターを設置することについての考え方はどうなっていくのか。土地や駅舎の構造上の問題や,周辺住民,商店街等の同意が難しいなどの高いハードルがあることは十分承知しておりますけれども,それを踏まえた上で,エレベーター整備についての基本的な考え方には,また新たな発想を持つ必要があるのではないかと考えるところでございますけれども,この点いかがなものでございましょうか。  最後に,知的障害者福祉センターの建設計画について確認しておきたいと思います。  本市は,今般の5年計画で,知的障害者福祉センター建設の基本構想策定を予定しており,知的障害のある当事者ばかりでなく,その関係者・団体,また建設が予定されている地区の住民,連合町内会などからも熱い期待が寄せられているところでございます。  障害のある当事者みずからが,自己の社会的自立はもちろんのこと,さらにみずからが持てる力を社会に還元すべく,ボランティア活動などへの取り組みをも模索しているこの時期にあって,それらを積極的に支援するための総合的なセンター機能を持つ拠点施設の整備は,極めて急を要するものと考えます。  伺うところによれば,その構想策定は5年計画の後年次になるようでございますけれども,この建設に関しては大きな期待を寄せている関係諸団体もあることですし,可及的速やかに構想を策定し,さらに建設へと取り組むべきと考えるわけでございますけれども,その点に関しまして,当局の考え方をお伺いしたいと思います。 ◆小谷 委員  (関連)それでは,私から,勝木委員の地下鉄駅エレベーター設置状況にかかわる関係で,関連させていただきたいと思います。お許しをいただきたいと思います。  このことは,私も何年来,大きな関心を持ち期待をしておりました。段々の質問の中にもありましたけれども,現在,47駅中31駅が設置をされている。特に,東豊線については,当初から設置を計画し実現をしているところで,全駅についている。東西線についてはおおむね6割,そして南北線については4割程度,こんなような状況にあります。  残っている駅については,それぞれいろいろな問題があって,簡単につかない。すなわち,札幌市有地でないとか,条件整備が難しいとか,いろいろあるのだろうと思いますが,その中で主な駅を今見ておるのですが,例えば円山公園駅,ここは1日1万2,745 名の方が平成7年で利用されております。このあたりは,障害者の方あるいはお年寄りを含めて非常に出入りが多い,利用が多いのではないかなと思いますが,ここがまだ未設置になっている。あるいは中島公園駅,ここも今すばらしい音楽施設が完成を見ようとしておりますが,未設置である。それから,すすきの駅は,どちらかというと健常者が利用する部分も多いのかもしれませんけれども,2万4,000 人の方が毎日利用している。  そこで,特に麻生駅,六つのそれぞれの末端駅の中で一番利用の多い3万3,476 人。さっぽろ駅あるいは大通駅のように都心基幹駅を除きますと,ほかの駅に比べて断トツに多いのですね。2番目の新さっぽろ駅に比しましても1.34倍と,こんな数字に実はなっております。そのほかの駅の,例えば極端に少ない栄町駅なんかに比較しますと,4.619 倍の利用者があると,こういうことにもなります。残念ながら麻生は,そんな中にあって,できていない。  実は,私は非常にこのことを憂えております。多くの市民の方からよく言われるものですから,仕事の前の時間,一昨日朝7時から8時まで,きのうは午前6時30分から7時30分まで,それぞれ1時間かけて,八つの出入り口がありますけれども,何回も上がったりおりたりしながら,どこかいい場所ないかなと思って,見て歩きました。しまいに,出たら,方向音痴になっちゃって,100 メーターほど違う方向に行ってしまった。あるいはまた,そのほかのこともあったりして,いろいろ勉強になりました。(発言する者あり)地下鉄には時々乗っておりますが,私が乗っているのは北の方でございますので,南の方は余り歩いておりません。そういう中で,これは非常に問題が多いなと,こういう思いをいたしております。  いろいろ考えていたのですが,まず地下鉄エレベーターを実際利用されている現況,せっかく立派なものをつくっても利用状況はどうか,このことがまず一番ポイントになろうかと思います。  そこで,身体に障害のある方々の現在のエレベーターの利用状況はどうか,それから,お年寄りの方々はどうか,この辺をひとつわかればお示しをいただきたい。  それから,今まで市有地のない場所について,設置したところがあるか。結局,直接持っている土地以外の民有地等に,いろいろ協力を願って設置した場所はあるのかないのか。また,今後,市有地以外のところにつくるに当たっては,どんなようなことがあるのか。特に,麻生については,今までどういう経緯があったのか。現在の状況を見ますと,大変な状況でございますので,その辺を含めてひとつお願いをいたしたいと思います。 ◎清水 障害福祉部長  エレベーターの問題の一部を除きまして,私の方から。  まず,知的障害者の生活の実態をどう把握しているかということでございますが,平成8年3月31日現在で,札幌市で療育手帳の交付を受けた方は,児童で2,529 人,成人で3,971 人,合計6,500 人でございます。これらの方々の生活の実態は,児童の場合,幼稚園,保育所に在籍している方が450 人,それから法定施設380 人,あるいはさまざまな公的な事業160 人,小・中学校の特殊学級800 人,養護学校,高等養護学校等で282 人,239 人,計2,311 人となってございます。また,成人では,法定施設に1,990 人,小規模授産施設に210 人,一般の企業への就労686 人,計2,886 人でございます。  この結果,児童では218 人,これはほとんどが幼児とお考えいただいて結構だと思いますが,成人では1,085 人,合計1,303 人が,現在,公的な福祉施策の外にある在宅の知的障害者の方々の数であるというふうに認識してございます。  第2点目の知的障害者の雇用の促進の問題でございますが,就労相談主任手当は,就労の促進及び長期安定,そういったことを目的に,平成8年度から予算564 万円を計上いたしまして,90数社の企業を対象として支給を開始しました。しかしながら,事業の周知に伴って,その90の対象事業数も現在では拡大する傾向にございます。したがいまして,新年度につきましては,支給対象の事業所も大幅に増加する見込みでございますので,200 社を対象に,予算額1,200 万円の計上をさせていただいたところでございます。  また,雇用の実態調査についてでございますが,従来から,職業安定所の法定雇用率などの調査結果を参考数値として使わせていただいてまいりましたけれども,在宅の障害者の生活状況を把握する上で,個々の障害者の雇用の実態把握の必要性は十分認識しているところでございます。しかしながら,関係者の同意のない調査につきましてはプライバシー保護の問題や,公的機関の調査には,ある種の警戒感を持たせるなど,実施することに難しいところもございます。  そこで,私どもといたしましては,この種の調査は,民間の組織や機関において,企業や保護者等の理解を得た上で実施されることが望ましいと考えておりますので,そうした組織などでの調査に多くを期待しているところでございます。  なお,現在では,社団法人札幌市精神薄弱者職親会において,さきに申し上げました就労相談主任手当の支給を契機といたしまして,大変好意的な理解をいただきながら,市内企業の雇用の実態把握に努めておりますので,これらの業務に対しての支援を考えているところでございます。  3点目の知的障害者福祉センターの建設でございます。  知的障害者福祉センター建設への取り組みは,これは知的障害者の社会生活を支援するための中核施設として設置を予定しているものでございますが,このような施設は全国でもまだ例の少ない施設でございますので,その実施事業や施設内容等をよく検討するために,5年計画で建設基本構想を策定することとなってございます。  しかし,ご指摘のとおり,知的障害者の社会生活のあり方がいろいろな可能性を示しつつあるこの時期に,同センターの果たすべき役割は非常に大きいこと,また,それに寄せる関係者の期待も切実であることは十分承知しておりますので,今後,関係団体や地元のご意見もお聞きしながら,建設基本構想を策定していくとともに,できる限り早期に施設建設ができるよう努力をしてまいりたいと考えてございます。  それから,エレベーターの高齢者,障害者の各駅の使用状況等については,大変申しわけございませんけれども,現在,手持ちで調査をしたものはございませんので,ご容赦いただきたいと思います。  それから,市有地,交通局所有地以外で従来エレベーターを設置したところ,これについては,従来,市有地,交通局用地等以外に設置という考え方を持っておりませんでしたことから,ないものと考えております。  以上です。 ◆勝木 委員  ただいま,3項目4点にわたる答弁をいただいたところでございますけれども,障害者の福祉に関する一定程度の努力が感じられまして,大変喜ばしいことだと思います。  ちなみに,市長の画期的な英断によります本市独自の就労相談主任手当が,今年度に比して倍増になっていることからも,この制度が相当なインパクトを企業に与えたものと思われます。近い将来には,委託単価の増額等についてもご検討願いたいと強く要望しておきたいと考えます。  そこで再質問ですけれども,確認のため,もう2点についてお尋ねいたしたいと思います。  その一つは,障害者の就労支援のあり方でございます。  本市は,平成10年10月の稼動を目指して,資源選別施設の建設を進めておられるようでございますけれども,北九州市などの先例に見られますように,こうした施設での障害者雇用を促進すべきと思うわけですが,この施設の建設にかかわる障害者雇用のあり方について,目下,考えていることがございましたら,お示し願いたいと思うところでございます。  また,2点目でございますけれども,知的障害者福祉センターの建設計画について,再度確認させていただきたいと思います。  この施設は,地域住民からも排除されることなく,むしろ積極的に受け入れようとする態度が表明されたりいたしているわけで,この時期を逃さず,一刻も早く整備されるべきと思うわけですが,本市の財政的な諸事情については,少なからず理解しているつもりです。早期実現に向けて,市の意欲のほどをお示しいただいて終わりたいと思います。できれば,局長の答弁をいただいて終わりたいと思うのですけれども,よろしくお願いします。 ◎佐々木 民生局長  地下鉄のエレベーター整備に関する考え方について,小谷委員からもありましたので,あわせてお答えいたします。  まず第1は,地下鉄のエレベーターは,全駅に整備すると。ですから,時間的な差はいろいろありますけれども,全駅に何とか整備していきたいと。これは,既定の方針として決まっているわけでございます。  ただ,問題は,しかもそれをできるだけ早期にやりたいということになります。その場合,結果的には,土地の手当てができるところに,できるだけ早期に当たってきたわけでして,土地の問題のないところは既に整備が終わったということになっております。  それで,残っておりますのは,したがって,これから土地の手当てを別途しなければならないところが,問題として残ってきている。そういう意味では,麻生だとか平岸だとか,おっしゃっている駅がいろいろありますけれども,そういうところがそういう駅に該当しているわけでございます。  しかし,もう一つの考え方としては,ホームからコンコースまでのエレベーター,エスカレーターといいますか,何らの方法で整備すると。土地の問題が絡んでくるのは地上部ですから。地上部の問題の解決に時間をかけていたのでは,大変問題が大きくなるので,できるところからという意味の一つの便法としては,まずコンコースからホームまでの間,これを整備すると,そういう考え方も一つの方法としてあります。  したがって,これからは,土地問題について,鋭意精力的に我々はその解決を目指していきますけれども,あわせてそういうもう一つの方法も視野に入れて,検討していきたいというふうに考えております。  それで,麻生駅についても,非常に利用率が高いということも,あの駅は終点駅ですから,当然乗降客が多いのも承知しております。  それから,一時,三角地帯,ご存じの五差路の近辺を中心に我々は調査検討をいたしました。しかし,残念ながら,あの地域の地権者の理解を得られなくて着手できないということが,かつてはありました。ただ,そのほかの候補地についても,いろいろ検討の可能性というのはあるわけですから,そういうことも含めて検討してまいりたいと。できるだけ早期に着手できるようにしたいと考えています。  それから,知的障害者の福祉センターを早くつくれと,早期着手ということでございますけれども,こういう多様な社会生活のあり方を支援していくための機能を集積した施設の整備は急務だと考えておりますので,できる限り早期に着手できるよう努力してまいりたいというふうに思っています。  以上でございます。 ◎清水 障害福祉部長  資源選別施設に関係してお答えいたしたいと思いますが,資源選別施設建設にかかわる知的障害者の雇用のあり方についてでございます。  私どもも,北九州市に例がございまして,視察をしてまいりました。これらの施設の仕事内容が,知的障害者の就労の場としてふさわしいものであると,こう考えてございます。  したがいまして,現在,本市内で整備計画が進められております施設で,知的障害者が何らかの形で就労ができますように,関係部局に対します働きかけをしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆猪熊 委員  私は,全身性重度障害者介護料助成制度についてのみ質問をさせていただきたいと,こう思っています。  この制度は,皆さんご存じと思いますけれども,すべての生活を車いすまたはベッドで過ごして,かつ身内には全く介護者を見出せない最重度の障害を持つ人々,こういった人方が,さまざまな困難にもかかわらず,在宅生活を希望して,地域社会への参加を強く志向している,こういった人方に対する助成制度と,こう理解をさせていただいているところでございますが,こういった人方が平成7年6月に,介護料の増額ということで,本当に切実な思いで陳情を出されてきた。実は,私はそのときの厚生常任委員会の委員長をさせていただいておりました。それで,当時の委員会のメンバーは,極めて積極的にこのことについて発言をなされまして,全会一致で,1カ月かからない状況で採択をした,こういう経過がございます。  これを受けて,平成8年度では,180 時間を求めているところでございますが,ホームヘルパーが1日4時間で週24時間,4週で96時間,ですから180 時間という点では残り84時間。ところが,当時は48時間ということでこの制度が実施をされていた。  それで,その願意について,民生局は本当に受けとめていただいたと思いますが,この種の問題というのは,すぐ,平成8年度で全部36時間乗せればいいと,こう思いますけれども,大変な努力の中で,平成8年度は12時間上乗せということで努力をされた。このままいけば12時間,12時間ということで,平成10年度で思いに達するのかなと期待をして眺めていましたら,ところが,平成9年度の予算は,12時間が6時間増ということで半分にダウンした。こういう経過で,この平成9年度の予算がつくられております。  議会でこの陳情を採択したということを受けて,そうしなければいけないという,いわゆる義務がないことは承知をしております。しかし,当時の議会のやりとり,こういったものなどからいけば,少なからず尊重されていかなければいけませんし,民生局あるいは財政局を含めて,そういったやりとりの経緯などについては十分承知をしていることですから,少なくとも,こういった人方の期待にこたえるという点での責任ある予算構成というものが当然なされるであろうと,こう期待をしていたところでございます。しかし,残念ながら,今言ったような状況ですから,あえてこの機会に,二つのことについてまず質問をいたします。  陳情者の切実なる願いをどう受けとめているか。施設を出て,可能な限り自分の力を発揮して努力をしようという,こういった考え方をどう受けとめて,こたえようとしているのかということについて,ひとつはっきり答弁してもらいたい。これが一つ。  それからもう一つは,一昨年の陳情審議の際,私たちは,障害者の皆さんの置かれている状況の緊急性,こういったものを念頭に置いて,大幅な時間の増あるいは単価の増が必要と,こういった観点で,先ほども申し上げましたけれども,全会一致の上で採択をしたと,こういう経過です。そういう意味で,皆さん方は,この制度改正についての目標値を具体的に設定して対応しようとしているのか,こういった考え方を持っているのだとすれば,この機会に明らかにしてもらいたい。  まず,この2点から。 ◎清水 障害福祉部長  全身性重度障害者介護料の問題にお答えいたしますが,第1点目の重度障害者のこうした思いに対します,本市としての受けとめでございます。  障害のある方が,一方的にケアを受けるだけの生活から抜け出て,持てる力を最大限に発揮して,地域社会で自立を目指すと。そのことをもって,人としての尊厳を確立しようとする,その考え方は,この札幌の地のみならず,日本,世界に共通する福祉の大きな流れと受けとめてございます。それゆえに,この制度の維持・充実には,かねてからも力を注いでまいったところでございます。  福祉ニーズの多様化に伴いまして,福祉のためのコストもまた急激に増嵩しておりまして,福祉サービスの受け手の応分の負担も必要となっております昨今でございます。障害者である当事者が,みずから好む選択であること,それから施設型福祉から在宅型福祉への流れを具現するという観点からしましても,福祉サービスの送り手,受け手,双方が最大限の努力をもって,そのコストを分担することになりますこの障害者の動向は,本市としても歓迎すべきでありますし,また前向きで支えていくべきものと考えてございます。  第2点目の具体的な数値目標のことでございますが,一昨年の陳情当時には,障害者の方は一定の整備水準を挙げておられました。一方,本市といたしましては,重度障害者の在宅生活を支えるための方策として,ホームヘルパー派遣,デイサービス事業,入浴サービスあるいは車いすガイドヘルパー派遣など,ほかにもサービスが重複する諸制度もございますことから,具体的な数値目標については明示しなかったものであります。  今後にありましても,申し上げました諸施策それぞれの改革を図ってまいります中で,対応が可能となる部分もございますので,国及び本市の施策の整備充実の内容に注目してまいりたいと考えております。
     しかしながら,当面はそれらの施策を統合しても,なお全身性の在宅重度障害者のニーズに対して足らざる部分もあると考えておりますので,当事者との定例的な面談を通じ,あるいは庁内関係部局との協議も重ねつつ,適切な対応を心がけてまいりたいと存じます。  以上です。 ◆猪熊 委員  姿勢については理解します。  そこで,180 時間という点で,残り18時間乗せればいいことになるわけですけれども,大阪や神戸などなど他都市では,この部分だけでも,例えば大阪は153 時間,神戸は120 時間,これを限度としてという形で,実態としてやっておられますね。  陳情を出された人方は,その部分で言えば,84時間という思いを寄せているわけですよ。ですから,大阪や神戸ということでなく,せめてここまでと,こう訴えているわけですね。もちろん,ヘルパーや,今,部長の言った,いろいろなことがあるということについては承知をしています。しかし,当時,数字は具体的には出さないで,そこは訂正をいただいて,願意はこうなっているのですよ。他都市の例を参考に大幅に引き上げることということで,その願意を受けとめて,この陳情を採択しようということで,私は率直に申し上げて,この申請者のお宅にも行って,議員全体がその意を受けて,採択をしていこうという思いがあると,一方,行政側もそのことについては前向きだと,そこはぜひひとつ信頼してほしいということを含めて,本当にひざ詰めで議論をして,およそ2時間ぐらい議論して,そして,よし,委員長,そして役所,そして厚生常任委員の皆さん方の言っていただいていることを信頼するということで,一部修正をしてここまで来たのですよ。  だから,そういうようなことを含めて考えていったときに,一気にいけばいいものを,12時間,12時間,12時間でせめて3年で解決しようという思いだなと思って期待したのが,6時間になった。それでは,来年度,一気に18時間乗せるのかと,乗せてもらわなきゃ困るぞと,こう実は考えているのですけれども,どうですか。 ◎清水 障害福祉部長  先ほど申し上げましたように,具体的な数値目標を,現在,この場で申し上げるのは大変難しいと,こう思います。  今後とも,一昨年当時の採択の経緯も,当時,私もおりましたので,十分承知しておりますところから,なお関係部局との協議を精力的に進めさせていただきたいと,こう思っております。 ◆猪熊 委員  関係部局とも協議ということなのですけれども,いわゆる金の出どころですよ。財政局と民生局とが心一つになってもらわなきゃ困る。しかも,18時間乗せるのに何ぼかかるかというと,6時間乗せるのに300 万円ですよ。ですから,18時間乗せるのに900 万弱です。このお金が出せないというのなら,福祉は語れませんよ。一番重い部分,情熱を持って,施設入所ではなく在宅で頑張るのだというその部分に対して,この程度の手だてができないということなら,福祉は語れませんよ。  どうしてかというと,部長も言われたけれども,本来,施設入所でこられた方々なのですよ。今も,そういう人方が多いのです。しかし,1人入所したら,およそ月30万はいくのじゃないですか。そうしましたら,在宅ということを求めている人の生きがいを保障して,そして安上がりなのですよ。これになぜ反対するのか,わからない。  そういう意味で,僕は,民生局が全力を挙げるとするなら,そのことに対して財政は,民生局からこの関係で予算要求があった部分については,平成10年度では100 %認めるのか,認めべきだと考えるがどうかという点で,きょうは課長の出席を求めさせていただいておりますので,あえてその考え方を求めたいと思います。 ◎横山 財政課長  今後の時間数の増ということについて,平成10年度はどうだと,こういうことでございますけれども,今ご提案しているのは9年度予算ということで,6時間の増ということの措置をさせていただいたところでありますので,今後につきましては,今,委員お話しのいろいろなご趣旨もございますので,障害福祉部と十分協議を行ってまいりたいと,こういうふうに考えております。 ◎佐々木 民生局長  民生局サイドで,過去の経緯も踏まえてお答えいたしますけれども,当時,確かに84時間の大幅な要求という形で,84時間と48時間の差,約40時間分の要求という形で議論がありました。一気にそういう形に実現できないので,順次努力しながらやっていくと。そういうことを踏まえて,具体的な数字を外していただいて,当時の委員長さんに大変労いただいて,大幅なという表現になったというふうに理解しています。  したがいまして,民生局サイド,我々といたしましては,あくまでもそういう趣旨を踏まえて,今年度スローダウンしたのは否めない事実ですけれども,そのスローダウンした部分を回復するように努力したいと。  ただ,財政も来ていますけれども,予算という形で財政を責めても,単年度主義の原則で,なかなか具体的な約束というのはできないと思いますが,原局としてはそういう姿勢で実現に努力したいというふうに思っています。 ◆猪熊 委員  それで,僕がここで言いたいのは,原局で積み上げてきているのですよ。削るのも仕事かもしれないけれども,やっぱりしっかりつけなきゃならぬものは,つけなきゃいかぬですよ。この部分に十二分な手だてができない段階で,福祉は本当に後退しますよ。ここから出発するのだ。一番重い部分,歯を食いしばって地域で生活しようという部分に対して,手だてが十二分にいっているかいかないかというのは,福祉の原点ですから。  そこで,具体的にもう一回提案したいと思いますが,今回,12時間が6時間にスローダウンした。あと6時間,僕はやっぱり回復してやってほしいと。そして,おおむね3年という形で。本当は,これは単年度でどっといっておかしくない問題なのですよ。しかし,あえてそういう形で進んできていることですから,そこはぶり返さないまでも,残りの6時間,これをどうやって回復するかという点で,民生局が予算執行の段階で一定程度節約できるものはしながら,毎年やっておられると思うけれども,9月段階ぐらいで後半の見通しがついて,そうなるとおよそ半分ですから150 万ぐらい,こういったことで乗せても,単年度予算枠の中で執行できると,こういう見通しがついた場合に,僕は,残りの6時間を,年度途中といえども補正を組んで乗せるというような血の通ったことをぜひやってもらいたいと思いますが,どうですか。 ◎佐々木 民生局長  これからの努力になりますけれども,ただいまご提案があったようなことも考えに入れて対応したいと思います。 ◆猪熊 委員  局長,長い間ご苦労いただいて,いずれにしても身を引かれるという予定になっているものですから,引き継ぎという部分で,本当にここは大事ですから,よろしく頼みたいというのと,あえて発言を求めた課長には,ぜひひとつ後半,そういったことが来たときには,財政としては誠心誠意理解を示すということを強く求めて,その動向を私は見守りながら,場合によっては決算議会などでは思い切って発言させていただくということで,よろしくお願いします。 ○千葉 委員長  以上で,第1項 社会福祉費及び第4条のうち関係分の質疑を終了いたします。  ここで,およそ20分間休憩をいたします。     ───────────────       休 憩 午後4時17分       再 開 午後4時40分     ─────────────── ○千葉 委員長  委員会を再開いたします。  冒頭にまたお願いを申し上げておきますが,現在のところ,質疑者が7名でございます。あと相当数残っておりまして,1人頭20分質疑をしますと,11時ころになりそうであります。よって,質疑者も理事者側も簡潔に,ひとつご協力をいただきますようにお願いをいたします。  次に,第2項 児童福祉費のうち関係分及び議案第5号 平成9年度札幌市母子寡婦福祉資金貸付会計予算について,一括して質疑を行います。 ◆大西 委員  私は,本市の保育行政について,数点お伺いをしたいと思います。  今回,本市は平均2.69%の保育料の値上げを提案しております。保育所の運営は,国と市の公費負担のほか,保護者も負担能力に応じて負担することになってございます。それにしても,今回の値上げで22年間連続の値上げでございまして,利用者の負担感を強めておりまして,できる限り値上げをしないことが好ましいと考えている次第であります。  しかし,保育料は,国の徴収金基準額が基本になっておりまして,これが毎年改正される中で,本年は多子世帯の軽減の拡充や,各階層間の軽減率の調整を図るなど,努力されていることが認められるのであります。  今,国会では,児童福祉法の改正案を今国会に提出されると,こう聞いておりまして,本市の保育料についても,この機会に抜本的な検討が必要と考えているところであります。  そこで質問でありますが,第1点目に,本市の少子化対策についてお伺いをいたします。  ご案内のとおり,今日,年々少子化の傾向にございまして,全国的には合計出生率が1.42,本市においてはさらに減少してございまして,1.15となっているのであります。将来の高齢化を考えますと,社会を維持していくためには最低2.0 人が必要と言われておりますが,当面,到底その域にまで及びそうにもないというのが実態だというふうに思います。  そこで,端的にお伺いいたしますが,本市として,この先,具体的な少子化対応策として,どのような施策を考えているのかお伺いをいたします。特に,札幌市子育て支援計画の中で,平成9年度はどの施策に重点を置いて取り組んでいくつもりかお伺いをいたします。  第2点目に,児童福祉法の改正についてでございます。  国では,児童福祉法が制定され50年を迎え,新しい時代に対応した質の高い子育ての環境づくりを目指して,制度として再構築を図る目的で,中央児童福祉審議会基本問題部会で審議された中間報告が,昨年の12月3日提出されているのであります。これを受けて,今国会に児童福祉法の改定案として提案されると聞いてございます。  そこで,この法律要綱を見てまいりますと,保育園については,措置方式から,利用者が希望する保育所に登録をして,市町村がその保育を行う,そういう方式へ移行される。そしてまた,保育料については,所得に応じた応能負担方式から,保育コストを基礎とした児童の年齢などに応じて定める額にすること。納付が困難であるものについては,市町村がその額を減額することができるなどとされているのであります。  そこで,本市としては,この内容をどのように分析し,また評価をしているのかお伺いをいたします。  3点目に,地域子育て支援センターについてお伺いをいたします。  このたび,本市が仲よし子ども館の質的転換事業として考えられている内容は,現在,厚生省の補助事業であります地域子育て支援センター事業と全く類似しているのであります。新年度からの機構では,保育園と同じ部に所属をし,同じ名前の名称を使って実施されようとしているのであります。  そこで質問でありますが,児童会館で実施の新事業と保育園で実施の事業の違いがあるのかないのか。また,市民にも非常にわかりづらい,こういう声を聞くわけでありますが,どのように考えているのか,内容も含めてお伺いをいたします。  4点目でありますが,保育部で1月末に実施しましたアンケート調査についてでございます。  今,私の手元にもございますが,乳幼児健康支援デイサービス事業,日曜・祝日事業などに関する調査として,公私立認可保育園を利用されている保護者全員約1万1,000 名でありますが,この皆さんに対して,調査設問が25ページにもわたる膨大な調査を実施いたしました。  その調査項目,すなわち病後児保育及び日曜・祝日保育については,既に子育て支援計画において,おのおの1カ所ずつ開設することになっていると私は記憶をいたしております。  そこで,今改めてそのニーズ調査の必要があるのかどうか,その理由についてお伺いをいたします。  私は,もしこういう調査をするとすれば,今言いました子育て支援計画の計画段階でこの調査をするのであればわかるけれども,既に本市の方針が決まっているにもかかわらず,この膨大な調査をする理由がどこにあったのかお尋ねをいたします。  また,この膨大なアンケート調査は,当然,委託業務となるように思うのでありますが,どこに委託をされたのか,その点についてお伺いをいたします。 ◎池田 保育部長  ご質問は4点ほどございましたけれども,第1点目の少子化対策として今後どのような施策を考えているのかということでございますが,今日の少子化傾向は,高齢化とあわせて大変大きな問題でありますし,喫緊の課題であるというふうに認識をいたしております。  ご承知のように,少子化の要因というのは,女性の社会進出等に伴う晩婚化や非婚化,さらに子育てに係る心理的・身体的負担,あるいは子育て経費の負担増大など,さまざまな要素が複雑に重なり合ってこういった現象が生じてきている状況にあろうかと思います。また一方では,結婚や出産,子育ては,個人の生き方,価値観に深くかかわる問題でもあります。  このことから,少子化に対する施策につきましては,抜本的な解決策といったものはありませんけれども,社会全体で少子化の要因となるものを少しでも取り除き,子供が健やかにたくましく育つ環境をつくるために,昨年策定いたしました札幌市子育て支援計画の六つの目標と,100 余りに及ぶ施策を着実に推進していくことといたしているところでございます。  平成9年度におきましては,時間延長型保育や一時的保育事業などの拡充を盛り込んでいるところでございます。  2点目の国の児童福祉法の改正の件でございますけれども,児童福祉法の改正につきましては,ただいま委員から段々のお話がございましたけれども,児童福祉法の一部を改正する法律案要綱の要点,保育所に関する事項につきましては,一つは,保育所への入所の仕組みに関すること,二つには,保育所による情報提供及び保育相談機能に関すること,三つ目には,保育料に関することの3点でございます。  しかし,内容が具体的でないために,すべてを分析,評価はできませんけれども,現時点で考えられることにつきましては,一つは,保育所入所の仕組みの変更に当たっては,市町村の公的責任を踏まえた入所に係る調整が行われ,サービスの低下や市町村の負担が増大することのないようにすること。二つには,保育料の設定に当たっては,本市を初め各都市とも国の徴収金基準額を軽減している状況から,実情に見合ったものとなるよう国庫負担を拡充すること,それから,保護者負担の軽減を図ること,さらには,早急に具体的な保育料額の水準等を示すこと等であります。これらの事項につきましては,全国市長会,13大都市民生主管課長会議等を通じて,国に対して緊急要望をしているところでございます。  それから,3点目の保育園での実施の事業と仲よし子ども館の質的転換の関係でございます。  保育園で実施しております地域子育て支援センター事業と,新年度から実施を予定しております仲よし子ども館の質的転換事業,これは両方とも地域での子育て家庭への支援でありまして,基本的な考え方は同一であると考えております。  しかし,保育園での支援事業は主に保育室を利用して実施をしており,質的転換事業は主に児童会館を利用しての実施というその環境の違いから,事業内容やその対応に多少の違いはあるものと考えますけれども,基本的な事業内容であります親子での遊びを支援するあそびのひろば,あるいは子育てサークルの育成・支援,育児相談等については同一の内容でありまして,市民にとっては,近くの保育園あるいは児童会館において,子育て支援を利用できるものと考えております。  なお,事業の内容,実施につきましては,広報誌等を通じPRに努めたいと考えております。  それから,4点目の乳幼児健康支援デイサービス関係のアンケート調査でございますけれども,3点ほどございました。  第1点目の改めて調査を行う必要があるかどうかということでございますけれども,乳幼児健康支援デイサービス事業及び日曜・祝日保育事業につきましては,児童福祉の分野における保育需要の多様化に対応するための新たな取り組みとして,第3次5年計画の中で,基礎調査の実施のみを計画したところでありますけれども,一方で,昨年7月に策定した子育て支援計画においては,両事業とも「需要等の調査を行い,当面5年間で1カ所の整備を目指します。さらに,需要動向を見きわめながら,拠点的配置を目指します」と言及をいたしているところでございます。  この趣旨は,乳幼児健康支援デイサービスについては,国において平成6年4月から事業開始をしていること,及び平成7年10月に実施の市政モニター調査結果にもありますように,就学前の子供のいる方が,「利用しやすい保育所にするために必要なこと」として,乳幼児健康支援デイサービスにあっては,その調査結果では24.8%,また日曜・祝日保育にあっては35.1%が実施を求めている状況にあることなどから,これらを総合的に判断いたしまして,計画に盛り込んだものでございます。  次に,今回の調査の理由でありますけれども,このたびの調査は,5年計画及び子育て支援計画に基づき,今後,事業を実施するに当たって,事業の実施形態であるとか実施方法などについて,保育所を利用している市民の方々の意向も伺いながら,具体的な事業に向けての資料とするために行ったものでございます。  また,調査委託につきましては,社団法人札幌市私立保育所連合会に委託をしているところでございます。  以上です。 ◆大西 委員  今,段々のお話を聞かせていただきました。  少子化にどう歯どめをかけていくかという点では,本市もエンゼルプランが提起されてございまして,その具体的なこれからの推進というのが大変大事なことになっていくわけでありますが,時間もありませんので,その点については改めてまた議論をさせていただきたいと思います。  そこで,今,このたびの国の制度の変更について,るる検討されているわけであります。時代は刻々と変化をしてございまして,その中における少子化をどう解消し,そして,地方における保育のあり方について,具体的な研究をしているわけであります。  本市としても,昭和63年に,札幌市地方社会福祉審議会において,保育行政,特に保育料について,適正な公費負担や保護者負担軽減のあり方,多子家庭の保育料など多面的に検討され,意見具申が出されてございまして,今日,本市の保育料のあり方については,この審議会の中で検討された結果をもって進められてきていると,こう思うわけであります。  しかし,先ほど私が述べましたように,22年間もの間,保育料が毎年毎年改定されるということに対する市民の思いというのは,大変厳しいものがあるというふうに私は受けとめざるを得ないと思うのであります。したがって,私は,この際,本市においても,とりわけ保育料について,もちろん保育行政のあり方全般についてでありますけれども,審議会に早急に諮問をして,できる限り早い時期に,保育料の問題についての抜本的な改正・改定協議というものを進めていくべきではないかと,こういうふうに考えてございまして,この点についてどのように考えているかお尋ねをいたします。  2点目に,アンケート調査の件についてであります。  先ほどのアンケート調査は,私保連に委託をされたと。目的は,こうこうこういう目的であるということを言われました。しかし,計画をする前に市民の皆さんの意向はどうかということを聞くのが,アンケートのとり方の一般的な考え方ではないかと,私はこう思っているわけであります。  そこで,私保連に委託されたのは,全体で1万1,000 件,27項目にわたって25ページ,大変膨大な数でございます。したがって,この発送,集約そして分析,この種の作業は,大変量が多いものだというふうに私は考えてございます。いろいろお聞きいたしますと,札幌市でお願いをしているわけでありますが,これだけの量の仕事を私保連がこなすということは,事務局段階では到底できないのではないか,そういうお話も聞かされてございますし,私自身も,私保連の事務局体制がどういう状況になっているかということについて調べさせていただきました。したがって,私保連をこの種の大変膨大な仕事の委託契約の相手方として選考されたことについて,問題はなかったのかどうかということについて,1点お伺いをいたします。  また,この際,印刷費を含めた全体の費用はどの程度かかったのか。もちろん,これには委託費も含まれると思うのでありますが,聞かせていただきたいと思います。  また,これだけの膨大な量ですから,私保連の事務局でできないとすれば,これは再委託ということも考えられるわけでありますが,今回の場合,再委託されるのかどうか。  それからもう一つは,本市の場合は,この種の委託については原則的には再委託を認めないと,こうお聞きをいたしておりますけれども,その辺のことについて問題はないのかどうかお尋ねをしたいと思います。 ◎池田 保育部長  2点ほどございましたけれども,1点目の児童福祉法の関係で,本市審議会に諮る考えはないのかということだと思いますけれども,今回の法改正につきましては,保育所入所制度の根幹にかかわる改正であると認識をしておりますので,その具体的な内容を確認,把握の上,しかるべき時期に,保育料のあり方をも含めまして,本市の地方社会福祉審議会のご意見を伺うことも必要であろうというふうに考えております。  それから,2点目の調査関係で3点ほどございましたけれども,一つは,委託に問題はなかったのかということでございますけれども,このたびの調査につきましては,調査票の配付・回収,集計業務を,ただいま申し上げました社団法人札幌市私立保育所連合会に委託をして,分析につきましては,その集計結果をもとに本市において行い,事業の実施に向けての検討材料とするということといたしております。  ご質問の当連合会に対する委託についてでありますけれども,この調査というのは,一つには,対象が認可保育所の利用者であることから,調査票の配付・回収,集計業務については,認可保育所を通じて行うことが効率的であること。また二つには,保育所に関する幅広い知識と経験を有するものに業務を委託することにより,一体として業務の遂行ができること。さらには,会員である各保育所の積極的な協力も期待できることから,認可保育所に関する事業を行っている当連合会に委託をいたしたものでございます。  それから,二つ目の全体の費用でございます。  印刷費を含めた費用でありますけれども,郵送料等を含めた調査票の配付・回収及び集計の経費として,143 万円で契約を締結いたしているところでございます。調査票につきましては,本市の印刷センターで作成をいたしたものでございます。  三つ目の再委託の関係でございますけれども,本市が,民間その他を相手方として委託や請負の契約を締結する場合に,相手方を信頼して業務を遂行させるものであることから,一般論としては,受託者,請負者がさらに第三者に委託・請負させることは想定をしていないところでありますけれども,契約の中で規定している場合においては,その条項に基づいて再委託等ができることとなっております。  このたびの当連合会に対する委託業務につきましては,乳幼児健康支援デイサービス事業及び日曜・祝日の保育事業等基礎調査に係る調査票配付・回収,集計業務としておりますが,受託業務の中で一部をさらに外部等に委託することにつきましては,当該契約に基づきまして,本市が認める場合に限定して実施ができることといたしております。  以上でございます。 ◆大西 委員  保育行政全般はもちろんでありますが,とりわけ今,保育料が市民の皆さんの大変な負担になっていると,こういう話を聞かされておりまして,この抜本的な見直しについてお尋ねをしたところであります。  今の答弁によりますと,これからややしばらく時間がかかると,そういうふうに私は受け取りましたけれども,既に法律要綱案もできておりますし,国会でこの要綱案はこのとおり通るだろうと,そういうふうに私は実は聞いてございます。  したがって,そうであれば,できるだけ早い時期に,とりわけ問題とされている保育料,これについての抜本的な見直しは,ぜひ私はやるべきだと。今の状況でいきますと,来年また値上げをしなきゃいかぬ。23年間値上げと,またこうなるわけでありまして,市民の目から見ますと,これまた大変な批判につながるわけでありますから,ぜひひとつ市民の皆さんの意向も体しつつ,審議会を開催して,保育料だけでも抜本的な改正をするべきだということを,もう一度お伺いをしたいというふうに思います。  最後に,子育ての支援にかかわる事業,エンゼルプランから子育て支援事業から機構改革を含めて,あれやこれや大変多種多彩になってきているわけでありまして,市民の皆さんからよく聞かれますのは,さっき申し上げましたように,事業がどういうふうに変わってきて,自分たちがどのサービスを受けられるのかということについて,知らされていない部分がたくさんあるわけであります。ぜひ,この際,市民の皆さんに具体的に,地域の中で皆さんはこういうサービスを受けられるということについての啓蒙・宣伝,このことをしっかりとやっていただきたいということを要望して,終わりたいと思います。 ◎池田 保育部長  保育料の関係だけでもということでございますけれども,保育料は,保育所の入所に伴い発生する問題でございますので,できるだけ早い時期に,本市の社会福祉審議会に意見を聞くべく段取りをしてまいりたいというふうに思います。 ◆本郷 委員  私からは,重症心身障害児・者の福祉向上と,来年度新たに実施を予定されておりますメンタルフレンド事業について,大きくこの2点にわたって質問をさせていただきます。  初めに,重症心身障害児・者の福祉向上についてでありますが,重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している重症心身障害児・者をお持ちの世帯にとっては,障害の程度が非常に重いことから,これらのお子さんを抱え,大変に厳しい状況にございます。  これらの家庭では,そのほとんどが母親の献身的な介護によって支えられているわけですが,その心身の負担が非常に大きい状況にあります。介護者が,疾病等により介護が難しくなったときの入所施設である重症心身障害児施設についても,市内の2施設を初め,道内の施設全体が常に満床で,市内だけでも20数名が入所待機をしているというふうにお聞きをしております。  昨今,ともすると高齢化社会の視点から,在宅福祉が論じられているわけですけれども,人数は確かに少ないとはいえ,重症心身障害児・者の在宅支援について,これこそ障害福祉の原点としてとらえ,施策を展開していくべきものと考えるものでございます。  国においても一昨年,障害者プランを策定し,ノーマライゼーション7カ年戦略において,障害児・者の施策の飛躍的な進展を期しているところであり,本市においても,財政事情は厳しいものがあるとしても,この重症心身障害児・者こそ,最も福祉の支援をするべきものと考えものでございます。  そこで,まず第1点,昨年,在宅重症心身障害児・者世帯について,その実態調査を実施したとのことでありますけれども,どのような視点でその調査をされたのか。また,その調査結果において,これらの家庭あるいは保護者の方々から,どのような意見があったのかをお伺いいたします。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  第1点の在宅重症心身障害児・者世帯の実態調査でありますが,本市では,昨年,重症心身障害児・者に対する福祉施策を効果的に進めるための基礎資料を得ることを目的に,児童相談所で把握をする在宅重症心身障害児・者世帯を中心として,全体で414 世帯にアンケートによる実態調査をいたしまして,そのうち301 世帯から回答を得ました。  その結果でありますが,重症心身障害児・者の介護は,301 世帯の95%に当たる286 世帯の家庭で母親が行っており,母親の献身的な介護により重症心身障害児・者の在宅生活が成り立っている反面,介護者の3分の2に心身に大きな負担がかかっている状況にございます。  これらの世帯からは,ショートステイ,それから一時的な家事・介護援助,通園事業の利用要望が多く,在宅福祉サービスの充実が望まれております。  一方,重症心身障害児施設の利用については251 世帯と,8割以上の世帯が利用を望んでおり,施設に期待する利用形態としては,通園・通所,ショートステイ等となっており,施設を在宅福祉サービスの利用場所と考えている傾向が強くあらわれております。  以上です。 ◆本郷 委員  ただいまのご答弁からも,在宅の重症心身障害児・者世帯の要望としては,ショートステイや通園事業の利用要望が多いように,在宅福祉サービスの充実を切実に望んでいることがうかがえるわけであります。
     そこでお伺いをしたいわけでありますが,今5年計画で計画,事業化している市内重症心身障害児施設の増改築事業について,西区の緑ケ丘療育園の改築事業に当たって,どのような施設づくりを考えているのかお伺いをいたします。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  ご質問の緑ケ丘療育園の老朽改築につきましては,国の国庫補助が決まり次第,予算化をいたしたいと,そういうふうに考えておりますが,現時点での改築に当たっての施設づくりについて申し上げたいと思います。  まず,施設の老朽度が大変高いので,全面改築をし,施設建設面積をふやして,入所者の処遇改善を図るとともに,入所待機者の状況を勘案し,緊急性の高い者の入所を図るべく,定員増も考えております。  また,重症心身障害児・者の介護者の疾病等の一時的利用に対応できるように,ショートステイの専用ベッドの整備と,施設機能を活用した在宅福祉サービスの推進を図っていきたいと,このように考えております。 ◆本郷 委員  実態調査で回答のあった301 人の約8割の方が,通園事業を利用したいとのことでありますけれども,昨年11月から,重症心身障害児施設札幌あゆみの園で実施をしている重症心身障害児・者通園事業,これは利用日数が1日5名,1週当たり25名ということでありますが,まだまだその需要に応じている状況にあるとは言えません。  在宅の重症心身障害児・者は,自宅の狭い空間に閉じこもりがちであり,この通園事業により,週1回でも家庭を離れ,専門スタッフにより心身の状況が把握をされ,運動機能の低下防止が図られることは非常に有意義であり,全体的に通園事業の枠を広げる必要があるものと考えます。  現在,通園事業を実施しているあゆみの園の所在地,これは豊平区真栄であり,市域の東の外れであります。通園に要する時間を考えますと,特に手稲区,西区方面から,冬期間を含め通うということは大変難しいことでもあり,通園事業の趣旨からして,今後どのように考えておられるかお伺いをいたします。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  重症心身障害児の通園事業につきましては,先ほど申し上げました実態調査の中でも,通園事業の利用要望が大変強いわけでございます。また,今,ご指摘のように,通園するための時間帯を考えますと,今の市域の東方面だけでは必ずしも十分とは言えないわけでありまして,やはり最低限西方面にも必要ではないかと,このように考えております。  したがって,西区にある重症心身障害児施設の緑ケ丘療育園の改築にあわせて,実施箇所の拡大について,国や財政当局とも今後協議をしてまいりたいと,このように考えております。 ◆本郷 委員  それでは次に,メンタルフレンド事業についてであります。  この事業は,ご承知のように,家に引きこもりがちな子供や,あるいは学校へ行きたがらない子供たちが,自分と年齢の近い人には心を開く傾向があることから,その結果,急激に変わっていくケースもあるということで,平成元年に岡山県で事業化をされ,これをモデルに,平成3年度に厚生省がふれあい心の友訪問援助事業,通称メンタルフレンド事業として発足をさせ,北海道においても,平成4年度から実施をされているものであります。  本市においても,不登校の児童数が年々増加傾向にある中で,私はこの新規事業に大変関心を持つと同時に,期待をするものであります。  そこで,何点か質問をさせていただきますが,2月の新聞報道によりますと,新年度,福祉・教育・心理学などを専攻する大学生30名に登録をしていただいて,不登校児童のうち,特に家に引きこもっている児童十四,五名を対象に,週1回派遣するとのことであります。  ただ,東京都で実施をしまして,実際にそういう子供たちとかかわったボランティアの学生の方が書かれている活動報告を見ましても,確かにそういう専門的な教育を受けていても,実際そういう子供さんを目の前にして,大変戸惑ったりだとか,なかなか大変な面があるようでございます。  また,都の場合は,一般公募で167 名が応募をしまして,3日間の研修の後,実際にフレンドとして登録をしていただいた方が103 名と。実際に研修を受ける中で,これはなかなか大変だなということで,登録をされなかった方も大勢いらっしゃると。こういうようなことを考えますと,この事業を円滑に進めていくためには,事前の準備が大変に重要になるかと思います。  そこで,登録者の選考についてでありますが,1点目,具体的に選考されているということでありますけれども,学校,あるいは,4年生となればゼミだとかいろんなことがありましょうから,学年,あるいはその応募の仕方,公募なのか他の方法なのかをお示し願いたいと思います。  2点目として,研修の内容でありますが,本市の活動予定を見ますと,事前説明会が1回,事前の研修会が1回ということになっております。東京都の例で言いますと,事前の研修会は3回ということで,この辺の研修の体制は大丈夫なのか。また,そのスタッフですけれども,どういった方がこの学生に対して研修を行うのか。また,ボランティアに携わった経験等,今後,登録していただく方に極力多くの事例を勉強していただくために,参加をしていただくだとか,そういった具体的な研修の内容についてお聞かせを願いたいと思います。  それから,スケジュールですけれども,6月の末ぐらいから実際に家庭訪問等を行いたいというようなことをお聞きしておりますが,学生に登録をしていただいて,研修を受けて,さらにその相手の家庭の事情,あるいはお子さんとのお見合いというのでしょうか,その組み合わせ等を考えましたときに,果たしてこのスケジュールでいけるものなのか,この点もあわせてお伺いをいたします。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  第1点目でありますが,登録者の選考については,ボランティアの学生が引きこもり児童とのかかわりを持つためには,相当の熱意と努力がなければならないのではないかというふうに考えます。そういう意味では,私どもといたしましては,福祉や心理学の基礎的な知識を持った,そういう学生を対象に選定をしていきたいと,このように考えておりまして,ただいま,近郊の大学で福祉学を学ぶ者,あるいは心理学,教育学を学ぶ者,そういう者の推薦をいただいて,実施をしていきたいというふうに考えております。やり方としては,公募方法ではなくて,そういう特定の大学のゼミ生等を対象に選んでいきたいというふうに考えております。  それから,2点目の研修でありますが,メンタルフレンドと児童とのかかわりを持つ事前研修として,事業に対する説明と,引きこもり児童の特性や接し方についての研修を行っていかなければならないというふうに思っております。東京都の例が出ましたけれども,私どもは1回,必要があればさらにというような形の中でやっていきたいというふうに思っております。  この研修は,当児童相談所の児童福祉司,また心理判定員を中心に実施をいたしますが,大学の先生の講話や,それから道が先行してやっておりますけれども,道のメンタルフレンド登録者の体験発表など,外部からも講師を招いて行いたいというふうに考えております。  また,事業実施後の研修としては,メンタルフレンド相互の資質の向上を図るためにも,年4回程度,実践体験の発表をする事例検討会,そういうようなものも行っていきたいというふうに思っております。  それから,メンタルフレンド事業につきましては,一応7月からスタートをしていきたいというふうに考えております。開始まで3カ月の準備期間でありますけれども,この中でメンタルフレンドを選考し,登録者に対する事業説明及び研修の実施というような形で,児童相談所の児童福祉司による引きこもり児童の保護者に対する派遣意向調査の実施,そういうもろもろの準備をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆本郷 委員  最後に,この事業の効果についてでございます。  これはメンタルな部分ということで,この事業をやって,すぐ数値であらわせるような効果にはないという新聞の報道でございますけれども,しかしながら,先ほどお話ししました岡山県の派遣後の結果をいただいておりますが,これによりますと,実施後5カ月から10カ月を経過した後の報告でございますけれども,派遣をした18人のうち,登校開始あるいは高校進学,就職と,著しく好転されたという方が10人,またパーセントで言えば55%ということです。また,条件つきながら学校に行くようになった,あるいは児童相談所に通所をするようになった,そういう方が3名という結果も出ております。  また,私は,対象の子供たちの効果もさることながら,ボランティアとして,実際に学生たちがこの事業の実践活動を通して学ぶことの意義,そういった大変大きな効果があるというふうに考えております。  本市におきます地域福祉社会計画でも,地域福祉を支える市民ボランティアの養成ということがうたわれております。メンタルフレンドのボランティアは,こういった日常的な活動を展開して,その活動を次代に継承していくものであり,まさにボランティアの育成・養成事業としても大きく期待できるものと思っております。  このことも含めて,最後に,本市としてどのような効果を期待されておられるのかお伺いをいたします。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  事業の効果についてでありますが,この事業は,そもそもすぐ効果があらわれるというようなものではないのではないか。岡山のケースがありましたけれども,そういう形で改善をしても,それが長続きをするというような形になりますには,相当の時間がかかりますでしょうし,それから学校時代あるいは社会に出て,どこでその効果があらわれるか,これもなかなか定かではないのではないかと思いますが,我々といたしましては,この事業を通じまして,1人でも2人でも多くの児童が社会適応ができるように支援をしていきたいというふうに思っております。  それから,メンタルフレンド自身が,ボランティアをやっていただいて,そこでいろんな体験を積まれて,また社会に対する貢献ができる,あるいはボランティアとしての役割が果たせる,そういう意味の効果もあわせ,期待をいたしているところであります。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  私は,保育料値上げ問題と児童福祉法改正問題について,二つのテーマで質問させていただきます。  まずは,保育料値上げについてでございますが,市長から今議会に22年連続値上げの提案がされて,先ほど来,いろいろ議論がありましたが,平均2.69%という値上げ案が提案されたわけです。まず,この値上げ案が市民にどのように影響を与えるか,このことにつきましてご質問したいわけです。  先ほど4人の方から切々たる陳情の訴えがございましたけれども,無認可の場合の質問に入りますが,その前に,過日の代表質問で我が党の質問「他都市で据え置いているところもあるにもかかわらず,本市がなぜ連続値上げにこだわるのか」と,こういうふうに質問しましたら,市長は「適正な負担という面から,応分の負担をしていただく」と,こういうふうに答弁されたわけなのですが,先ほどの陳情者の訴えにもありましたが,無認可保育所の場合は,公的助成というのは,国の保育単価の65%から本市の保育料の65%を引いて助成すると,こういうシステムになっておりますから,保育単価が多少上がったとしても助成額が減ることにもなりますし,しかも,今回の値上げが実施されれば,今でさえ負担の大きい無認可保育園の運営及び父母負担を,さらに深刻な状況に追い込むことになるというふうに考えるわけです。  先日,厚生常任委員会といたしまして,視察をさせていただいた無認可保育園の場合,直接お話を伺いましたが,月10万円近くの保育料を払っている父母の方がいらっしゃいましたし,また,認可園に入所したいと思ったのだけれども,あいていなくて入所できない,とりあえず,そこの無認可に入所させたと,こういう母子世帯の方の場合でも,最低でも4万円くらいからスタートしなければならないと。園が独自に一定額を助成しても,なお生活費を大変圧迫しているという状況などが語られました。  認可園であれば,生保世帯とか非課税世帯など,保育料を取らない,あるいは減免措置などもあるわけなのですけれども,無認可であるがためにこういった重い負担をせざるを得ない,こういう状況があるわけです。負担能力の限界を超えた,こういった本市の状況を考えて,なおこうした高額負担も適正応分の負担と,こういうふうに言い切れるのかどうか,この点を明らかにしていただきたいのが1点です。  それから2点目は,これも先ほどの陳情者の声の中にありましたが,実質,生活費は低くなっているので,ぜひ値上げはやめてほしい,こういう訴えでした。新年度もまた保育料の軽減率を1.0 %引き下げて市民負担を拡大する,このことは市民生活の実態を無視する不当な対応ではないか,これも過日の代表質問で質問いたしました。そうしましたら,市長は「軽減率の引き下げを図ることもやむを得ない」と,こういうふうに答弁されたのです。しかし,この答弁は,子育て支援都市さっぽろ,この計画を策定して初年度の予算編成なのですが,この考え方と非常に矛盾するのではないかというふうに私は考えるのです。  なぜならば,本市が昨年策定した子育て支援計画の基本目標の柱の一つに,子育てに伴う経済的負担の軽減,これをはっきり書いているのですよ。そして,その推進施策として,子育て家庭の保育料などの負担軽減,これもはっきり書いているのですね。そして,このことについて,国への要望はしていきますと市は従来言っているのですが,国への要望だけでは,私はだめだと思うのです。要望すると同時に,本市自身が子育て支援都市にふさわしく負担軽減を図る。そのためには,むしろ軽減率を引き上げて,公的助成をふやしてこそ,この子育て支援計画に基づく事業,こういうふうに言えるのではないかというふうに思うのですが,この矛盾についてはどうお考えになるのか,ご答弁いただきます。 ◎池田 保育部長  1点目の22年連続値上げと無認可保育所の関係でございますけれども,従来から,無認可,いわゆる指定無認可でございますけれども,保育措置制度の関係からいっても,認可保育所を私どもは意図して進めているわけですが,そういう中で指定無認可というのは,ご案内のように,待機児童対策としての位置づけをしているわけでございます。  そういった中で,私どもは,指定無認可に対しまして,運営費等の助成をしてきているわけであります。今までに,算定基礎とする定員の改善や措置基準の助成率のアップだとか,さらには乳児保育加算の実施など,可能な限りの内容の改善を図ってきたところでありまして,今後においても(「委員長,そんなこと聞いてないのだわ。議事進行のために,負担が適正応分と言えるのかと聞いているのだから,そのことに答えてちょうだい。無認可の事業の話を聞いているのじゃない  。」と呼ぶ者あり)そういう意味からいって,指定無認可は,待機児童対策としてやっている関係,それから認可保育所との制度上の違いからいって,指定無認可に対しての運営費については,今日まで努力をしてきておりますけれど も,そういった今回の問題に絡んでも,今後において,財政状況を見きわめながら財政支援をしてまいりたいというふうに思っております。  それから,2番目の子育て支援の関係で,逆行といいますか,おかしいのじゃないかということでございますけれども,保育料に関しましては,本市の子育て支援計画の中では,子育てに伴う負担軽減を図るため,多子世帯の負担軽減をさらに拡充していきますと。また,今,委員からご指摘のありました,国に対して国庫負担割合,徴収基準などの改善,見直しを要望していきますと述べておるわけであります。  したがいまして,平成9年度予算案におきましても,多子世帯の負担軽減策として,D13までの2子目軽減割合を50%から65%までに拡大して,総体といたしまして約10億3,000 万円の市費を投入して,国の基準額を36.18 %軽減したというような状況になっております。  一方では,保育所の入所児童につきましては,就学前の児童の1割強となっております。それから,保育所の運営経費を見ますと,2割弱を保護者が負担をし,残りの8割強を公費で負担している実態にあります。  このような状況の中で,保育料というものを据え置くということは,経費の増額分を,多くの保育所を利用していない方々を含めた市民全体で負担することとなりますことから,非利用者との関係におきましても,負担の公平と均衡に配慮をすることも重要ではないかというようなことで,私どもは,子育て支援計画の中に盛り込んでおります子育ての経済的負担の軽減というものに対しましては,多子世帯に意を用いて,今後も努力するつもりでおります。  以上です。 ◆飯坂 委員  適正応分の負担と言えるのかという私の1点目の質問に対しては,指定無認可についての助成策を今後も強めていきたいという今の部長の答弁なのですが,現実として,とても適正応分の負担なんていうものではないということを厳しく指摘しておきます。  それから2点目,軽減率を下げているという問題についても,今,利用者とそれから利用していない方との負担の公平などという答弁がされたのですが,先ほど,水道の値上げ反対の請願説明者が,本市の市民の所得状況について,他都市に比べて月額7万円も低いということをおっしゃいましたよね。そういうこともありますし,また,保育の方の陳情者からも,参考資料として私ども議員各位にも配られておりますし,本市がつくった子育て支援計画の34から35ページにも書かれているのですが,市民の意識調査の結果というのがそこに出ているわけです。子育てに対する経済的負担が大きい,こういうふうに答えている方が平均で30%,24歳以下では48%の方が負担は大きい,こういうふうに答えている。これは,本市がやった調査結果ですよね。しかも,1975年から94年までの20年間の総合物価指数もこのページに出ているのですが,伸びは1.8 倍に対してD15の階層の保育料,3歳未満児の保育料は何と4.3 倍にもなっていると,これが皆さんのお手元に配られている資料の数字です。そうしますと,物価指数の伸びに比べても,この上昇率を比較すると,2倍以上保育料が上がっていると,この階層についてはということなのですが,率が違ったとしても,全体にかなり大幅な負担増になっているということははっきりしているわけです。  このような客観的な事実に照らせば,当然22年連続値上げというのはやめるべきではないのか。新年度は保育料の値上げを見送って,市民負担の軽減を図ると,これが子育て支援都市さっぽろのやるべき事業でないかなというふうに思うのですが,もう一度お答えください。 ◎池田 保育部長  ちょっと質問とずれるかもしれませんけれども,今,子育てに負担が大きいと,子育て支援計画に確かに我々盛り込んでおりますが,今,就学前のお子さんをとらえてみますと,約9万9,000 人ほどおるわけですけれども,その中には幼稚園に行っておられる方,また,在家庭でもってお育てになっている方々,あるいはカルチャーに通っておられる方と,さまざまな方々がおりまして,その中で,調査の結果で子育てにお金がかかると,経済的負担がかかるというようなデータが出ておるわけです。その中の一つが,保育園に入所されているお子さん方の,今,委員がご指摘の保育料が高いということだと思います。  今ご指摘のあった,倍近い云々ということございますけれども,札幌市の保育料体系全体を見ますと,3歳未満児,3歳児,4歳以上児という中で,どの部分をとらえればということはありますけれども,今回改定させていただくのは,低所得者世帯でいけば300 円の部分でしょうし,高額の方になりますと1,700 円というような部分が,この保育料体系全体の中にあるわけです。  私ども,保育料を算定する場合に,国の徴収基準を,本市の場合,27階層に分けておるものですから,そういう中にいろいろと軽減率の差が出てくるわけです。そういう中で,どこの部分が軽減率が低くて,高くなるのか安くなるのかという,そういう問題が生じてくるのではなかろうかと思いますけれども,負担増というところでいけば,所得に対する保育料の割合はどうなるのかというものも含めて,札幌市の保育料体系を設定をしているという状況にあるところでございます。  以上です。 ◆飯坂 委員  負担能力の限界を超えている今回の保育料値上げは,当然やるべきでないと,撤回を求めておきます。  それと,公的負担のあり方ということが,やはり国と地方自治体の負担のあり方ということにも大きくかかわってくると思いますので,次の児童福祉法改定問題に質問を移ります。  先ほど来,質疑もありましたが,今国会で公布50周年を迎えた児童福祉法の改正という動きがありますので,この機会に理事者の認識をお尋ねしたいと思います。  まず1点目は,児童福祉法の趣旨と根拠についてでありますが,憲法第25条の生存権,国の社会的使命,これを子供について具体化したのが児童福祉法の趣旨であるというふうに思います。また,憲法第26条の教育を受ける権利の保障,特に保育所の場合は,第27条の勤労者の権利保障という側面も持っていますし,民主的な家族の形成,確立,維持の権利,いわば人権としての家族条項とも言うべき憲法第24条も大きくかかわっているというふうに思います。  さらに,国際的には,国際人権規約というのがありますし,子どもの権利条約が日本でも効力を持っております。あわせて,憲法とともに,ことし施行50周年を迎える地方自治法では,住民の安全・健康・福祉の保持が自治体の仕事である,このように明記しております。これらを子供に関して具体的に展開しているのが児童福祉法であると私は考えておりますが,保育行政に携わる理事者の皆さんは,児童福祉法についてどのように認識されているのか,まず最初にお尋ねします。  2点目は,児童福祉法第24条についてでありますが,ここに乳児・幼児等の保育について規定しております。市町村は,保護者の労働または疾病等の事由により,保育に欠ける乳児,幼児,児童を保育所に入所させて保育する措置をとらなければならない,こういうふうに規定しております。この措置とは,国民の権利要求にこたえるべき公的な義務,責任を表明している制度です。  厚生省は,今回の法改正に当たって,児童福祉法の第24条は,選択の自由を認めず,市町村が決めた保育所にしか入れない,すなわち国民の権利を認めない制度だからよくない,このようなことを言っておりますが,この考え方は,先ほど私が紹介した児童福祉法の趣旨に照らして間違っているというふうに思いますが,いかがか。措置制度について,どのように認識されているのかお尋ねしたいと思います。 ◎池田 保育部長  児童福祉法の認識の件でございますけれども,児童福祉法は,第1条で「すべて国民は,児童が心身ともに健やかに生まれ,且つ,育成されるよう努めなければならない。すべて児童は,ひとしくその生活を保障され,愛護されなければならない。」という基本理念を示しているわけです。第2条で国及び地方公共団体の児童育成の責任を明らかにしており,これら児童の福祉を保障するための原理を定めた児童福祉法に関する基本法であると認識をいたしております。  また,この原理については,児童福祉法制定50年を経る今日においても全く変わっておりませんし,また将来においても変わらないものであると考えております。  それから,2点目の措置制度の関係でございますけれども,国の考えは,あくまでも法第24条の文言上では,どこの保育所に入所させるかについては,市町村が決める仕組みになっていると考えられると思います。  それから,措置制度というのは,いわゆる入所に当たっての行政処分と認識をいたしております。 ◎佐々木 民生局長  2点目の措置制度をめぐる問題について,細かい質問がございましたけれども,措置制度をめぐっては,かねてからいろいろな議論があることは,飯坂委員ご承知のとおりだろうと思います。  それで,質問の中でおっしゃっていました要入所者の権利の問題,これにつきましては,措置制度そのものをめぐる問題点の第1番目に,権利として,もう少し明確化すべきではないかという意見が強くあります。しかし,現実には,国の行政解釈というのは,これは権利でなくて反射的利益であるということを言っているわけです。  それから2点目といたしまして,福祉の措置について,もう少し権限付与的規定ではなくて,義務的規定に変えるべきだという意見が問題点の一つとしてありまして,措置制度そのものをもう少し義務として明確化すべきだという意見。  それからもう一つは,この措置制度に関連して,もっと措置の範囲というのを広げるべきだという,一部既に同じような,例えばケアハウスなんかは措置制度ではなくて,契約型が導入されていますけれども,そういうものも含めて,社会福祉事業法全体について措置制度を拡大すべきだと,そういういろんな議論が今,今というより,これはかねてからある議論でございます。  それで,今回,児童福祉法の改正を契機に,またいろいろ議論が交わされていると。恐らく,今回の児童福祉法の改正に当たって,国会のレベルで,国を含めてこの辺の議論が交わされる,あるいは一定の考え方が出てくるものというふうに思っておりますので,私どもといたしましては,今回の措置制度に絡みますいろいろな問題点を十分認識しながら,国レベルの議論の推移を見きわめてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  今,局長も,社会福祉サービスということでご答弁されましたが,社会福祉サービスというのは,保育に限らず,一人一人に何が適切なのかと,こう考える個別性の原則が基本となるものだというふうに思うのですね。  措置に当たっては,個々人の希望が尊重されるというのは当然です。保育所の入所の手続のときには,どの保育所に入りたいかを書くことになっております。憲法の思想・信条の自由からいっても,措置制度がそれを無視するようなものであってはいけないのは当然であり,選択の自由が尊重されるのは当たり前だというふうに私は考えております。  それにしても,肝心の保育所が十分なければ,選択の余地というのが非常に少ないことになります。本市においても,1月1日現在の保育所待機児童は864 人にも上っておりますし,また,過日の厚生常任委員会での保育所問題に関する陳情審査の際にも,具体的な事例が示されましたけれども,認可保育所に入れたくても入れない,認可の延長保育園が身近にないために,父母負担の大きい無認可保育園に入れざるを得ない,こういう声が市民から今上がっているわけですよね。  こういう状況ですから,つまり,行政の立ちおくれが市民の選択の自由を奪っているのではないかというふうに私は考えるわけです。この点については本市としてどう考え,また今後どのように対処していこうと考えておられるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎池田 保育部長  この点どう考えているかということでございますけれども,保育所の入所に当たりましては,申請時に第3希望まで希望する保育所をお伺いして,できるだけ利用者の選択におこたえできるように配慮をいたしているところでございます。  今後,どのように対処するのかということでございますけれども,今後におきましても,待機児童が多いというお話もございましたけれども,保育に欠ける児童が希望する保育所に入所できるように,市民の皆様のニーズを的確に把握しながら,保育所の量的・質的な整備,例えば既存施設の定員増や保育所の創設,あるいは改築などを進めた中で対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆飯坂 委員  部長が,今の答弁そのとおりやってくれれば本当にすばらしいのですが,いずれにしましても,今,本市の保育行政も,市民ニーズからは大変かけ離れた実態になっているということで,ぜひ強化していただきたいのです。  国の保育所措置制度改悪の動きというのは,何の根拠もないというふうに思うのですね。むしろ,先ほど部長が紹介してくださったように,すべての児童は健やかに育成される権利がある,これが児童福祉法の第1条です。そして第2条,国と地方自治体は,児童の保護者とともに,児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うという理念・原理に基づいて行われているというふうに思うのですね。子どもの権利条約の批准国にふさわしく,また男女共同参画型社会を目指している本市としても,保育行政における公的役割を十分果たしつつ,国にも働きかける必要があるというふうに思いますけれども,先ほど局長のご答弁もいただきましたが,この点について再度確認したいというふうに思いますが,いかがでしょうか。 ◎池田 保育部長  今回の法改正に当たってですけれども,児童の権利に関する条約及び現行の児童福祉法の理念を尊重するとともに,公的責任が後退することがないように,今後も全国市長会,13大都市主管局長会議等でもって,国に対して要望すべきものは要望していきたいというふうに考えております。 ◆飯坂 委員  最後に,本市議会としましても,93年12月の本会議におきまして,保育所措置制度の堅持等に関する意見書というのを全会一致で議決しておりますので,行政としても,議会の意思を踏まえて,今後行動していただきたい。今,国会でのそういう動きがありますので,あえてそのことを申し上げて終わります。 ◆山口 委員  私は,3点ほどお伺いいたしますが,簡潔に質問いたしますので,前向きな答弁をいただければ,すぐ終わるかと思います。  1点目ですけれども,子どもの権利条約に関連いたしまして何度も質問しておりますが,特に学校に通っている子供たちにつきましては,小学校と中学校で,それぞれ権利条約のノートが配付されるような状況になりまして,少しずつですが子供たちにも知れ渡ってきたと。いじめの問題とかの解消にも,少しは効果が出るのではないかなと思っているところですが,子どもの権利につきまして,家庭で育っている子供たちとは違う状況にあります施設入所の子供たちに,集団生活の中でおろそかにされがちなプライバシーとか,人間しての尊厳などの確立を目指すことを目的とした,一般に学校で配られているものとは別な子どもの権利ノートというものが必要ではないかということをかねてから申し上げてまいりまして,これ2年前にも申し上げているのですが,その後,作成の経過が見えてこないものですから,どのようになっているのか,進捗状況と,つくるおつもりがあるのであれば,その完成の見通しについてお伺いをしたいと思います。  それから2点目ですけれども,児童相談所における子供たちの早期療育についてお伺いをいたします。  現在,発達に心配のある子供たちの支援ということで,さまざまな施策があることは承知をしておりますし,私も,保健所の1歳半健診あるいは3歳児健診で,発達に心配があると言われた子供の親が,その後,経過観察ということで何のフォローもされていない,そのような相談を受けたことから,早期療育ということの重要性というのを改めて認識をしたような次第です。その当時は,クリスチャンセンターと麦の子がまだ公的な制度に乗っていないということで,大変ご苦労をされながら,ほとんどボランティア状態で発達に心配のある子へのいろんな支援をしていたという中で,それが心身障害児通園事業に乗るとかということで,少しずつですが前進をしてきたなと,私も大変評価をしたいと思っております。  今年度,子ども館の質的転換事業ということで,新たに地域子育て支援事業というのが入ってまいりましたが,そのような中で,当然,発達に不安があるというようなケース,あるいは相談なども出てくるかというふうに感じております。一方,保健所の発達相談でも区によってばらつきがあったり,もっと相談を受けたいのだというような声も寄せられていると。そのような中で,児童相談所として,新たな早期療育の充実についてどのようなお考えをお持ちで,どのような事業をなさろうとしているのか,これが2点目です。  3点目ですが,先ほど本郷委員から,重度心身障害児・者の事業についての質問がありましたので,重複しない部分でお伺いをいたします。  先ほども,実態調査ということで,所長からもご答弁がありましたが,昨年11月から始まりましたあゆみの園の重身の通園事業ですが,非常に交通の便が悪いということが先ほどからありましたけれども,これの送迎についての心配が当初からやっぱりあったわけですが,この冬などは,一人も通ってこれないと,通園ゼロという日もあったというふうに聞いておりますし,早急に送迎などの工夫をしないと,せっかくのいい事業ですから,何とかしないといけないのではないかというふうに考えるわけです。  先ほどの中でも,通園事業の希望が大変多いということで,所長から,西方面にも1カ所という前向きなお答えがありましたので,箇所についてはふえるということですが,ぜひその辺の送迎の問題を含め,現在の通園の困難な状況をどのように考えていらっしゃるか,改善などについてお示しいただきたいと思います。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  第1点目の子ども権利ノート作成の進捗状況でございますが,これにつきましては,今,鋭意作成中でございます。  ただ,北海道児童相談所あるいは受け入れ施設の方との協議・調整というような部分が残っておりますので,それを可及的速やかに行いまして,ことしの秋までには何とかつくりたいというふうに考えております。  それから,発達に心配のある子供たちへの療育支援についてでありますが,市内7カ所の心身障害乳幼児通園施設及び2カ所の心身障害児通園事業を設置いたしまして,早期療育の充実を行っており,ハード面ではほぼ整備をされたというふうに考えております。  そこで,平成9年度には,子育て支援事業の一環といたしまして,障害もしくは障害の疑いのある幼児の療育支援を行っていきたいというふうに考えております。  具体的には,心理判定員,保母,セラピストで構成する1チーム5名のスタッフを2チームつくりまして,市内の療育施設の少ない地域の児童会館等4カ所に出向いて,週1回程度のサテライト療育を実施いたしたい。また,保健センター,区民センター等において,定期的な相談・療育をニーズに応じて実施をしていきたいというふうに考えております。  それから,通園事業の足の確保でございますが,昨年11月からスタートいたしました通園事業におきましては,通園バスによる送迎というものは行っておりません。本市といたしましても,利用人数が5名であっても,通園バスが付加されるように,この事業でひとつ国の方にも働きかけていきたいというふうに考えております。  それから,あゆみの園がかなり離れたところにございますので,冬期間を含め,通うのが大変であるということでございまして,先ほど申し上げましたように,西地区の方向での通園事業も考えていきたいというふうに考えております。 ◆山口 委員  1点目,子どもの権利ノートにつきましては,秋に完成ということですので,期待をしたいというふうに思います。  それから2点目ですけれども,サテライト型といいますか,出前型の巡回でということは,利用する親子にとっても非常にいいことではないかなというふうに思いますので,これもぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。  それから3点目ですけれども,通園のことを含めまして,国へ引き続き働きかけていきたいと思いますし,もし国がなかなか送迎を認めないということでありましたら,市としても,何らかの形で足の確保ということを考えていただきたいというふうに思います。  関連をいたしまして,児童相談所がそのように頑張っていらっしゃることは評価をいたしますが,実は,相談に行っても,医師が不在のときがあるという声を聞きまして,かねてから常勤のドクターの配置がぜひ必要ではないかと考えておりましたけれども,その充実についてどうお考えか。  それから,療育支援の部分では,引き続きサテライト,出前の拡大を含めまして,ハード面では充実をしたと,大方整備が終わったというふうなお答えでありましたけれども,私はまだまだ足りないと,もっと頑張っていただきたいと思っているわけです。
     例えば,かしわ学園などが老朽化しておりますし,平岸一帯は交通の便利もいい,そして福祉ゾーンという位置づけもあるということであれば,その辺の整備の中で,子供の療育体制を充実させるような,そういう施設も必要ではないかと。東と西の拠点みたいな形で必要ではないかと考えるわけですが,今後の療育支援はどうあるべきかということについて,お考えを伺いたいと思います。  それから,重身の通園事業ですけれども,内容が親のニーズとちょっとずれているというような声も父母の方から出ております。この事業概要によりますと,理学療法,作業療法,言語療法など,機能回復訓練に重きが置かれているのですけれども,実際はもっと仲間づくりとか人間関係を豊かにしたいとか,それから,いろんなイベント,クリスマスとかお誕生会とか,そういう楽しむ部分が求められているというのが,先ほどの実態調査の中でも出ておりまして,そういう意味では,そのニーズ把握も含めまして,利用者の方の声を反映させるような内容に変えていくということも必要ではないかと考えますが,それについてどうかということを伺います。  最後ですけれども,重身の方たちのニーズということでショートステイというのが出ておりまして,私もこのショートステイのことも引き続き質問をしたいと思っておりましたらば,これは児童相談所ではなくて,担当が障害福祉部だというお話を聞きました。同じ重度心身障害児・者の施策でありながら,事業内容によって児童相談所,ショートステイは障害福祉ということで,同じ民生の中でもさらに縦割りというような,何年かたつと障害児も障害者になるわけですから,その辺の一体的な展開がないと途切れてしまうということがあるかと思うのですが,その辺の組織についてどうお考えか伺います。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  まず,1点目の常勤医師の配置についてでありますが,児童相談所におきましては,従来,8名の嘱託医による医学的診断というのを行ってまいりました。そういうことで,常時,医者がいるということではございませんでしたので,常時,医学的診断ができるようにということで,新年度から常勤医師の配置について,人事当局にお願いをいたしているところであります。  それから,療育の今後のあり方,あるべき姿ということでありますが,委員がおっしゃられたことも含めまして,今後,私どもといたしましても,他都市のニーズを見ながら,あるいは児童福祉審議会のご意見を聞きながら,将来,どのような療育支援システムがよいのか検討をさせていただきたいと思います。  それから,通園事業の具体的な内容でありますけれども,この事業は訓練ばかりではないと思うわけでありまして,子供への指導,それから保護者の悩み事や家庭における療育についての相談に応じることも,また重要なことではないかと思っております。それからまた,行事等で親子が一緒に楽しむ機会も必要と考えておりますので,利用する世帯が,通ってきてよかったと満足できるような事業内容の向上に努めてまいりたいと思っております。  それから,障害児と者の施策の一体化ということでございまして,厚生省におきましても,大臣官房に障害保健福祉部を創設いたして,児・者を一体化させているわけであります。そういうことで,本市におきましても,障害福祉の児・者一貫した施策推進のため,企画,計画担当部署を一元化したいと,新年度に向けてそういう方向で見直しをしていきたいと,このように考えております。 ◆宮村 委員  私,先ほど大西議員の質問にもございました乳幼児健康支援デイサービス事業等の調査につきまして,簡単に質問したいと思います。  まず,質問の前に,近年,女性の社会進出が一段と強まっているということは明らかでございまして,平成7年度国勢調査第2次基本調査結果によりますと,女性の就業者数は,平成2年の同調査の結果と比べてみましても,男性が5.6 %の増加に対しまして女性は11.4%と大変な増加を示しているところでございます。  このような中で,母親が就業している家庭にありましては,子育てと仕事の両立を調和させるために保育所の存在が重要であることは,今さら申すまでもありません。ただいまも,各議員の質問で,保育にかかわる本市の諸問題につきまして論議されたところでございます。  私も,随分前になりますけれども,保育所を利用させていただきましたが,そういったことを思い起こしながら,子供たちが毎日,保育所で安全で心豊かに生活できるということは,母親にとりましても父親にとりましても,家庭が円満にいく一つだなというふうに思っているわけでございます。  母親にかわりまして,子供を母親のようにかわいがってくれているなと感じる保育所の実態というのを母親が目にしたときに,本当に,ああ,きょうも一日よかったなと,どんなに安心することかと思います。そういった面では,質を確保するということが大変大事ですし,そのための費用負担も当然していかなければならないと思っているところでございます。  また,きょうは,保育料のあり方を抜本的に協議すべきとの意見もございましたし,これからの検討に当たりまして,人が人をお世話するということの意味,重みといいますか,その部分を中心に据えまして,そういった検討の時期には,ぜひその部分を忘れないでほしいと,これは私の意見でございますが,そう思うところでございます。  今日,保育所に対する需要は,ますます多様化,複雑化しております。さまざまな特例保育事業を連携させて,子育て支援につなげていかなければならないと考えるところでございます。  本市では,乳児保育,時間延長保育,児童相談事業など,今でも積極的に推進しているわけでございますが,まだ大きな課題として病児保育または休日保育があると思います。休日に働かなければならない家庭や,子供の病気のときに,病院に行くまでもないけれども,保育所に行くことでほかのお子さんへ,例えば水ぼうそうの後のぼつぼつが乾いてきて,伝染する力はないというときでも,お母さん方は,もしかしたらうつるのでないかという,そんな思いなんかを持ちますので,集団保育には適さないそういった時期,現状の保育では困るわけです。  そこで,先ほどの質問の中で,本年度,乳幼児健康支援デイサービス事業等の大変膨大な調査が実施されたと伺いましたが,その調査の内容はどのようなものなのか,24項目ですか,25ページにわたるというふうにお聞きしましたけれども,その内容を伺いたい。  それと,今後,その調査の結果を踏まえまして,早期に実現化へ向けてどのように取り組んでいこうとされているのか,明確に考えを伺いたいと思います。 ◎池田 保育部長  ただいまの乳幼児健康支援デイサービス等の調査の内容と今後の取り組みということでございますけれども,このたびの調査は,保育所に入所している児童の保護者全員,約1万1,000 世帯を対象に,1月の末に実施したところでございます。  その調査内容でありますけれども,今回の調査の主目的であります乳幼児健康支援デイサービス事業の必要性,また日曜・祝日保育事業の必要性を中心に288 の記入スペースを盛り込んだ調査となっているものでございます。  特に,乳幼児健康支援デイサービス事業に係る部分につきましては,札幌市の園医研究会とも連携をとりながら調査項目を決定したところでありまして,その内容も子供の予防接種の接種状況や,子供が過去1年間に保育所を休むに至った病名とか日数,そして,その際に保護者が仕事を休むことができたのかどうかなどを盛り込んでありますし,また,日曜・祝日保育事業に係る部分にありましては,保護者の休日や,休日に勤務する状況,そして休日勤務の場合に,子供の世話を他に頼んだ場合の状況など,子供と保護者の実態をできるだけ細かく把握いたしまして,今後の事業実施に向けての具体的な資料となるべき調査としているところでございます。  今後の取り組みについてでございますけれども,現在,札幌市私立保育所連合会において,回収した調査票の集計を随時行っているところでありまして,本年度中に集計結果が出される予定になっております。  この事業につきましては,実施形態や実施内容においてクリアすべき課題も多いところでありますが,本市といたしましては,この集計結果を深く分析いたしまして,園医研究会などとも十分に協議をしながら,早期の具体化に向けて検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村 委員  最後に要望になりますけれども,年度内に結果が出るということでございますので,いろんな越えなければならないハードルというのがあるのだと思いますけれども,ぜひそれを越えて,やはり一つの保育ニーズに対応するという意味で,前進してほしいというふうに思います。  私も,2月に,東京の狛江市の病児保育の実態を視察してまいりました。日本の中でも,病児保育を実践しているところは大変少なくて,狛江市におきましては,近隣の他市から,子供が病気のときに一時預けたいと,そういった問い合わせが大変多いということと,視察につきましても,他都市からの見学,問い合わせが大変あって,対処に困っているような状況でございました。本当にこれはニーズが高い状況でございます。  また,利用者からは,ここは病院併設型でございまして,医師を含め,看護婦,保母の配置で,安心して子供を預けられると,大変アットホームな中で子供の安定が図られるということで好評でございましたので,再三申し上げますけれども,導入に向けて,要望するところでございます。 ◆武藤 委員  私から,簡潔に3点お尋ねいたします。  まず1点目は,8年度4月から開始された児童相談所でやっている子どもショートステイ事業についてです。  これは,地域の子育て支援事業の一貫として行われたものなのですが,国の国庫補助事業ともなっていまして,1年間の利用状態を見させていただいたのですが,初めてできた事業であるにもかかわらず,昨年4月からことしの1月末までの利用状況を見ましても,累計で74人,日数で592 人の利用があるということで,非常にニーズにこたえた事業なのかなというように,この数字を見ると感じるわけなのです。理由を見ましても,疾病,出産,出張,看護,冠婚葬祭,いろいろな理由があるわけですね。  これは新しく始まった事業なのですが,それまでは,例えば疾病だとか出産だとかで,どうしても子供を保護してもらう場所が見つからない場合,児童相談所の方で一時保護という形で預かっていたのではないのかなと私は記憶をしているのですが,かつて児童相談所でやっていた一時保護と新しく始まった子どもショートステイ,この二つの事業の大きな違いを,まず1点お示しいただきたいと思います。  それから2点目に,先ほどもお話が出ていましたけれども,療育支援事業についてです。  これもまた,子育て支援事業の一環として新しく新年度から始まるわけなのですが,療育支援事業というのは,現在も療育センターの方で,幾つかのグループに分かれて既に実施されている事業なのですね。これを,今度は,札幌市が仲よし子ども館にかえてやろうとしている地域子育て事業の療育部門ということで,やはり児童会館を使って,そこに2チームを派遣して,午前・午後という形で幾つかの組を指導していこうと,こういうようなことで,これまでやっていた療育センターの出張ですよね,こういうことが新たに考えられているわけなのですが,私は,この事業そのものに対しては,非常に結構なことだと思っているのです。  現在,利用されている数を見ましても,かなりいるわけですよね。先天性障害児早期療育事業で見ても,2グループに分かれて合計25人,1歳児でも23名,2歳児30名,3歳児39名,こういうようにして,各年齢層が療育グループに参加しながらやっているわけなのですけれども,これがさらに場所を変えて,多くの人たちに利用してもらえるということには賛成するわけなのですが,場所が児童会館だということで,非常に心配があるわけなのです。  お聞きしたところによりますと,現在の療育センターで,こういう子供たちがグループ分けされて,1グループが大体11人から12人ぐらいですね,多いところで15人になるのでしょうか。療育センター自体は100 平米あって,そこで,こういう子供たちの療育をやっている。こういう場所でやっている同じような中身を,場所を変えて,児童会館でやるわけですよね。そうなってくると,児童会館の面積は,どこの児童会館もおおよそ決まっているわけなのですが,例えば体育館を使うのであれば約188 平米あると,クラブ室を使うのであれば42平米,図書室を使うのであれば36平米,プレールームが92平米,大体この前後になっているのですね。  児童会館というのは,いつもあいていて使えるという場所ではないのですね。夏休み・冬休みは子供たちが朝から来ますし,この療育事業自体も,児童会館で午前・午後に分けて,1日に2コースやるのだということでお聞きしているところなのですが,日常的に,児童会館というのは,午後は子供たちが帰ってきて,遊ぶ場所になるわけですね。新年度は,とりあえず2カ所だというお話も聞いているのですが,この辺での問題はないのかどうか,この点についてお尋ねしたいと思います。  それから3点目,これも先ほどお話が出ていたのですが,札幌市のメンタルフレンド派遣事業について,1点だけちょっとお尋ねしたいのです。  これも,国保補助事業になっていますね。ことしの予算措置で120 万ついていて,その2分の1を国が持つと,こういう事業内容になっていますが,この内訳,何に対して120 万かかるのかということでお尋ねしましたところ,ボランティアの交通費だと。交通費の支給の仕方を聞きますと,遠い近いにかかかわらず,一律およそ2,335 円だというようにお伺いしました。  メンタルフレンドは学生を対象にして登録を募るということでは,学生自体貧しいですから,アルバイトも一生懸命やらなきゃならないような人たちの力をかりようとするわけですから,私は,交通費の支給については,近くの人に2,300 円を払う必要もないでしょうし,遠くの人には500 円で済ませる必要もないでしょうし,やはり交通費は実費支給でやることを原則にすべきだと思うのですが,この点についてどうかお尋ねしたいと思います。  以上3点です。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  ショートステイ事業と児童相談所の一時保護の違いでありますが,児童相談所の一時保護所における一時保護については,棄児,いわゆる捨て子であるとか家出児童,それから,現に適当な保護者がいないため,緊急に児童を保護する必要がある場合,あるいは虐待であるとか,乱暴行為であるとか,不純異性交遊等のための今後の処遇指針を定めるための調査,判定,行動観察等を行う必要がある場合にとる職権による措置であります。ショートステイというのは,保護者の申請に基づきまして,保護者の疾病であるとか,出産であるとか,あるいは冠婚葬祭等社会的事由によって一時的に家庭で養育できない場合に,養護施設等で1週間というような形であります。したがいまして,両事業の趣旨はおのずと違うわけであります。今までは,ショートステイがないがために,この一時保護を万やむを得ず活用させたということはございますが,本来,ショートステイと一時保護の中身については違うということでございます。  それから,発達に心配のある子の療育でありますが,先ほど言われましたように,児童会館を活用させていただく。ただし,サテライト方式としては4カ所でやってまいりますが,その場合,2カ所の児童会館を使ってやります。確かに面積的には狭いのでありますけれども,人数的には,1回大体10人程度でございますから,いわゆる児童福祉総合センターのスペースほどは,その1回1回においては必要ないと,そういうことで児童会館を活用させていただくというこでございます。  それから,児童会館につきましても,現に使っている方々にご迷惑のかからないような形で,あいているところを活用しながらやっていきたいというふうに思っております。  それから,メンタルフレンドの交通費でございますが,ボランティアの方には活動費という形でお支払いをいたしたいというふうに考えておりまして,したがいまして,交通費というような形では支給をいたしませんが,しかしながら,交通費が活動費を上回るようなそういう場合には,やはりボランティアに負担をかけないような形を我々としても考えていきたいというふうに思っております。 ◆武藤 委員  今,最後にお答えいただいたメンタルフレンドの問題については,ぜひ若者たちの意欲を本当に引き出すためにも,そういうような配慮をしていただきたいということを,改めてお願いしておきたいと思います。  それから,最初の子供のショートステイの問題なのですけれども,確かに昨年度までやっていた児童相談所における一時保護というのは,中身が全く違うわけですよね。ただ,8年以前は,子どもショートステイ事業そのものがなかったために,例えばお母さんが出産間際で,上の子を預けるところがどうしてもない,何とかしてほしいと,子供の駆け込み寺的に児童相談所が利用されてきたという側面もあったと確かに思うのです。  ですから,過去の数字をお聞きしましても,そういうような事情で,児童相談所で一時保護したのは,年間通じて大体20人ぐらいずついたというお話も伺っているのですが,それは,ショートステイ事業がなかったから,やむを得ず児相で一時保護したということですよね。つまり,ショートステイができたために,行き場所がなくなった子もいるのではないかなというのを私は非常に感じるわけなのです。なぜならば,最初にお話ししたように,利用者は非常に多いですよね。ただ,このショートステイというのは,料金制になっていまして,一般世帯でいくと2歳未満児で1日6,300 円,2歳以上児になると4,500 円,非課税世帯で無料の制度はいっぱいあるのですが,ここについては2歳未満児の非課税世帯でも1日2,300 円,2歳以上児で1,790 円,こういうような料金設定がされているわけなのですね。  子供を預かる施設がないがために,児童相談所で肩がわりをしていた当時は,こういう料金設定はなかったわけなのです。  今,市民生活が非常に混乱状態,お金の面でも非常に苦しくなってきている。それから,きょうは子育て支援の問題が中心的に議論されていますけれども,仲よし子ども館が,今度,地域子育て支援事業だということで,親も子も助けるのだと理事者はおっしゃるわけなのですが,そういう意味からしても,子どもショートステイ事業がもっと多くの人たちに利用され,本当に困った人たちを救うためには,こういう料金設定だけではなくて,例えば非課税なら無料にするとか,こういう配慮が私は必要ではないのかと思うのです。  実際に保育部だとか児童相談所には,出産が1週間後と近いのだけれども,親のぐあいが悪くてどうしても見てもらえない,何とか子供を預かってもらえないだろうかと。そして,そういう人たちが料金を聞いて,びっくりするわけですよね。ある人は,非課税なのに2,300 円を払うと。生活保護を受けなければならない状態だけれども,今,仕事先が変われれば,少し高い給料をもらえて何とか暮らせるからと,生活保護を受けないで頑張っている。あるいは,課税世帯であっても,所得税で1万6,800 円までの人は,課税されていたとしても,いわゆる出産費用ですね,入院助産制度を受けることができるわけなのですよ。そういう制度で保障されているのに,そういう人たちでも,ここでいくと一般世帯で,子供を預けるのに,2歳未満児で1日6,300 円かかってしまうわけなのですね。ですから,そういう意味からすれば,本当に子どもショートステイ事業というのが,子育て支援事業なのだろうかと,こう疑わざるを得ない状況があるわけなのです。  私は,かつて児童相談所でお世話になっていたたくさんの親子,そういう人たちから児童相談所の方が安心だったと言われることがいいか悪いかと言ったら,やっぱり正常ではないだろうと思うのですね,肩がわりしてきただけですから。けれども,入院助産を受けなければならないような妊婦や,それから病院代がかかって大変な人たちからお金を徴収するということ自体が,子育て支援に反しているのじゃないだろうか。  だから,こういう高い金額があってもいいとは思うのです。ただ,この区切りだけだと,やっぱり足りないのですね。この枠をもっと細かく分けるだとか,そういうご検討をぜひしていただきたいなと思うわけなのです。その点についてどうか,もう一度お尋ねしたいと思います。  それから,2点目の療育事業の問題について,児童会館に迷惑をかけないようにと言っているのですが,実際には新しい家庭児童部というのができて,そこでやるようになるみたいですけれども,地域子育て事業そのものも,今,札幌市にある80館の児童会館を対象に行おうとしているわけなのですね。そことあわせて,現在,教育委員会の社会教育部の管轄で利用されている児童会館,ここには児童クラブもあるし,それから今度は,児童会館活性化事業ということで既に試行が始まっているわけなのですが,一般の子供たちも留守家庭児童と同じように,お弁当を持って,朝からずっと児童会館で過ごすことができる,これが今,試行的に数カ所の児童会館で始まっているわけなのですけれども,そうなってくると,夏休みだとか春休み・冬休みというのは,朝から,今まで以上に多い子供たちであふれ返るわけなのですね。こういう時期は,療育事業をどうしていくのか。こういう中でも児童会館を確保しようとしているのかどうか。そのサイクルがありますよね,だから,その点についてもどうお考えなのか。  それから,いろいろな子供たちの利用と,今,皆さんが考えていらっしゃる2カ所,これは当然,利用の少ないところを選んでやっていくのでしょうけれども,将来的にこの2カ所で終わるわけではないだろうと思うのですね。ですから,新年度は2カ所でスタートということなのですが,そういう先の見通しをどうお考えなのか。それから,児童会館利用についてもどうなのか,この点についてお尋ねしたいと思います。 ◎宮本 児童福祉総合センター所長  最初のシ  ョートステイでございますが,確かに,一時保護とショートステイを比べますと,片方は無料で片方は有料だという形はあります。しかしなが ら,ここに預けられる子供の環境ということを考えれば,やはり養護施設でショートステイでの対応というのが適当ではないか。そういう意味で は,子育て支援として前進をしたのではないかというふうに考えております。  それから,料金設定でありますけれども,これも,いわゆる非課税世帯につきましては,母子世帯・父子世帯はすべて非課税世帯という形で対応するわけでありまして,しかも,その料金は,かかる経費の20%弱というような形で,配慮させていただいております。  それから,次の児童会館を使うことでありますけれども,夏休み・冬休み,これはどういう状況かはわかりませんけれども,先ほど申し上げましたように,なるべくその間を縫って,現在ご使用の方に迷惑のかからないような対応の中でやっていきたい。それから,夏休み・冬休みの期間の療育というものをどういうスケジュールでやるかというのは,これからのことでありますので,その中でも考えていきたいというふうに思っております。  この先も,療育の事業をいろいろな場所で拡大をしていかなくてはならないと思いますけれども,現在のところは,いわゆる児童会館は児童のための施設というふうに思っておりますので,子育て支援という意味で,児童会館を利用させていただきたいと,こう思っております。 ◆武藤 委員  最後なのですけれども,今の子どもショートステイの問題では,私は,ちゃんとこういう事業を確立されたということは非常にすばらしいことだと思うのです。しかし,先ほどから言っているように,料金設定の仕方で,利用したくても利用できない,相談に行っても,この金額を聞いて,預けられなかったという人もたくさんいるわけなのです。相談件数はどのぐらいなのか,皆さん方は押さえていないようですけれども,保育部だとか,区の何でも相談の窓口だとかから児童相談所に直接連絡が行っているはずなのですが,この1年間に結構行っているわけなのですね。  ですから,今後の課題としても,お金がないから子供を預けられないということではなくて,そういうすべての人たちのニーズにこたえられるような,充実した施策にしていただきたいということをお願いしておきたいと思うのです。  それから,児童会館の利用の問題なのですが,私は,社会教育部の方にちょっとお尋ねしましたら,夏休み・冬休みは利用してもらわないようにするというお話をしているのですね。私も,それは当然だろうなと思って聞いていたのです。新年度から,随分新しい事業が各部局で始まるようなのですが,この療育事業一つ見ましても,こういうように,まだ中身について十分,横の関係では話がついていないということなのですよね。だから,教育委員会の方では,当然,夏・冬休みは,子供たちが朝から来るわけだから,そういうことでは使ってもらわないように考えていますよと,こう言うわけですけれども,今,所長のお話でしたら,これからということですよね。  ですから,私は,そういう中身が確定しないものを新年度予算に盛り込んで,旗だけ掲げていいのかなという思いも非常にするわけなのですけれども,実際に,療育事業そのものは,多くの障害を持つ子供たちや親にとっても,期待されている事業であるわけなのです。そういう意味では,中途半端なものであってほしくない。療育事業というのは期間がないわけですからね,子育て支援事業と違いまして。子育て支援事業は週1回,2カ月で終わりますけれども。次の保育園に入るだとか,施設に入るだとか,結論が出るところまで一緒にやっていこうというのが療育センターのこれまでのお仕事ですので,ぜひその辺も含めて,中途半端なスタートだけはしないでもらいたいと。そのためにも,各関係機関とも十分な議論をした上で,場所の設定についても,これでいいのかどうか,十分なご議論をした上で実施していただくよう強く求めて,質問を終わりたいと思います。 ○千葉 委員長  以上で,第2項 児童福祉費のうち関係分及び議案第5号の質疑を終了いたします。  次に,第3項 老人福祉費及び第5款 労働費第1項 労働費のうち関係分について,一括して質疑を行います。 ◆涌井 委員  私は,今国会で審議しているところの公的介護保険につきまして,質問をさせていただきたいというふうに思います。  3年後の実施に向けて,本市としても,この公的介護保険の取り組みについては,さまざまな課題はありますが,しっかりとした体制で臨んでいただきたいものであると,こういうふうに思います。  私は,特に今回の介護保険制度について,介護認定審査とケアプランの作成という,大事な,今までにはない新しい仕組みで組み込まれております二つのシステムというものが,どういうふうに機能していくかが,制度運営上,極めて重要なことであると,こういうふうに思うわけでございます。  8年度につきましては,介護保険制度のモデル地域として,本市は厚生省の指定を受けて,介護認定審査をモデル的に行って,現在取りまとめ中であると,こういうことでございます。  さらに,平成9年度につきましては,ケアプランの作成について,高齢者ケアサービス体制整備モデル事業ということで実施する予定と伺っておるわけでございます。在宅での療養を希望する高齢者の人々が,安心して地域で生活していくためには,どのような組み合わせのサービスを受けることができるのか。また,十分なサービスが受けられるのかどうかが,非常に大きな問題となっているわけであります。  昨年の8月に,我が会派といいますか,公明で,在宅介護の家族の方々にいろいろ実態調査を行ったときに,要介護者の家族の方から,どのような状態になったときに,どのようなサービスが幾らぐらいの自己負担で受けられるのかとか,希望どおりのサービスが十分に受けられるのか,施設に入りたくても入れないといった事態は解消されるのか,現在のサービスよりも,質・量ともによくなるのかという,こういった声が寄せられていたわけであります。  私は,一人一人の高齢者の状態やそのニーズに合わせてサービスの組み合わせを決めるケアプランの作成といったものは,介護保険制度の導入いかんにかかわらず,しっかり取り組んでいかなければならない重要な課題であると,こういうふうに思うわけでございます。  そこで質問でございますけれども,まず第1点目といたしまして,介護情報あるいは一人一人の要介護者に合ったケアプランを作成するため,9年度に実施する予定でありますところのケアプラン作成に関するモデル事業の具体的な内容についてお尋ねいたします。  さらに2点目といたしまして,現在,ケアプランの作成がどこでどのように行われているのか,その現状についてお伺いをしたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  質問の1点目でございますが,9年度に予定をしております介護保険にかかわるモデル事業の内容についてということでございます。  厚生省におきましては,今,ご質問にもありましたように,8年度におきまして,介護認定審査に関するモデル事業というものを実施いたしております。我が市におきましては,現在,北区でこれを実際にモデル事業として実施をいたしております。それから,同じく8年度事業として,ケアマネジャー指導者研修という事業を国は考えております。その事業実績を踏まえながら,9年度にケアプランの作成に関するモデル事業を考えている,そういうような状況でございます。  それで,9年度で考えておりますケアプラン作成のモデル事業の内容については,現在,明らかにされておりません。ただ,公式には明らかにされておりませんけれども,いろんな情報で我々承知をしている範囲で,どういう実施体制かということをとらえておりますので,その範囲でお答えをさせていただきますと,9年度のケアプラン作成モデル事業というものは,まず高齢者ケアマネジメント機関というものを設置し,その中にケアチームというものを構成する。ケアチームは,医師,保健婦,社会福祉士,ホームヘルパー等専門職で構成をして,そのケアチームがケアカンファレンス会議を開いて,具体的に介護認定に基づいた一人一人のケアプランというものを,モデル的に実際に行ってみようというような内容と聞いております。  次に,2点目のケアプランの作成の現状でございます。  昭和63年度から,ご承知のように,本市では,高齢者等サービス調整委員会というものを設けて,高齢者対策をやっておりますが,その下部組織として,サービス調整チームと在宅処遇検討専門部会というものがございます。この二つの下部組織は,情報交換及び処遇困難な高齢者の対応をどうするかということを検討いたす場でございます。  ただ,この場におきましては,処遇困難と思われるケースを検討するわけですから,すべてのケースについてケアプランを立てるというようなことではございません。そういう意味で,今現在,すべての高齢者について,介護保険で想定してしておりますようなケアプランを立てるというような現状になっていないということでございます。  以上でございます。 ◆涌井 委員  9年度のモデル事業につきましては,8年度の介護認定審査のモデル事業の結果を踏まえながら実施をしていくということで,詳細につきましては,まだ明らかにされていないようでありますが,このモデル事業によって実効ある成果を上げていただき,3年後の本番につなげていただきたいと強く望んでいるところであります。  また,現状では,ケアプラン作成の内容が,まだ厚生省の方から明らかにされていないということもあって,作成が不十分という答弁がございました。  私は,高齢者にとって必要な情報サービスがばらばらに提供されるのではなくて,本人の希望を取り入れたケアプランとして,目に見える形で高齢者に提示される,またサービス提供にあっては,保健,それと医療・福祉の担当者が,それぞれの役割に共通認識を持ちながら,調整のとれたサービスを高齢者に提供することが重要であると,こういうふうに考えます。その意味では,現在,各区で行われているサービス調整チーム活動のより一層の活性化を図ることが求められていると思いますが,日常的にサービス調整を進めやすい体制づくりについて考えてみますと,少なくとも国が示しています保健と福祉の連携というよりも,保健と福祉の組織を統合してしまうことが最も効果的ではないかと,こういうふうに思うわけであります。  そこで,平成9年11月には,区の福祉部と保健センターを統合し,保健福祉センターを創設すると聞いておりますけれども,3点目の質問としまして,サービス調整を充実強化し,ケアプランにつなげていくという視点から,保健福祉センターではどのように体制を整備しようとしているのか,そのお考えをお伺いいたします。  さらに4点目の質問になりますが,介護保険制度の導入準備に関しまして,9年度に予定されている高齢者移動実態基礎調査という事業があります。この調査について,その具体的な目的と内容について,あわせてお尋ねしたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  お答えをいたします。  ケアプラン作成にかかわる保健福祉センターの体制整備の点でございます。  保健福祉センターのあり方につきましては,現在,関係部長職で構成をしております内部検討委員会というのがございますが,そこで検討をいたしております。この委員会において,ケアプランと申しますか,高齢者にどういうような対応をしたらいいのか,今後,どうあるべきかということで,そういうサービス部門として,どういうのがいいかということの検討を現在しておるわけですが,その際に,福祉の担当者と保健婦さん,いわば福祉と保健の機能が,一つの課の中で一体となってサービス調整や連携が図られるような体制,それが市民の方には喜んでもらえる体制ではないだろうかというような観点で,そういう体制づくりを目指して,今,検討委員会では案を練っているということでございます。  次に,2点目の高齢者移動実態基礎調査の目的,内容でございますが,これは9年度の新規事業として,一応,この調査を予算に計上させていただいているものでございます。  この調査の目的でございますけれども,高齢者の方々が移動をする,道内でも移動しますし,市内でも移動をいたしますが,基本的には,その移動する方々の移動の目的は何だろうかというようなことを調査するということでございまして,現在,8年度中に札幌市から転出した高齢者というのは,5,000 人というふうな数字もございます。その方々は,どういう目的でというようなことを調べてみたいということでございます。  こういうようなことで,高齢者の方々の移動の実態を明らかにしていく中で,将来の高齢者介護の問題も掌握しつつ,そういうようなことが介護保険の基礎資料にもなるだろうというふうな認識をいたしております。  この調査の内容としては,現在示されているところによりますと,転出入の高齢者約3,500 人ぐらいを抽出して,郵送によるアンケート方式で,移動の理由,それから福祉・医療等のサービスの利用状況等々について調査をしてみたいなというふうに考えておるところでございます。  以上です。 ◆涌井 委員  本市は,道都として,医療機関あるいは特別養護老人ホームといった施設サービスなどは,他市から比べるとかなり充実しているということもありまして,他の市町村から転入した長期入院者の医療費が老人医療会計の赤字の一因と,こういうふうにも言われております。  介護保険が導入され,介護サービス基盤の整備が立ちおくれている市町村から,要介護高齢者の転入が増加した場合には,介護給付費の増大,あるいはサービス基盤の不足を招くことが懸念されるわけでございます。そういう意味では,高齢者の移動が何を目的として行われているのか,しっかりと調査を行っていただき,その結果によっては,介護保険制度の導入に伴う高齢者の大幅な転入超過を見込んだ介護基盤整備計画の策定,見直しは平成11年というふうに言われていますけれども,サービス水準の広域的な調整なども念頭に置いて対応をしていく必要があるのではないかと,こういうふうに考えます。  いずれにいたしましても,ケアプランの作成に関するモデル事業あるいは実態調査の結果を十分に踏まえながら,介護保険制度の導入に向けた万全な体制づくりを進めていただくよう強く要望して,質問を終わります。 ○千葉 委員長  ここで,おおよそ30分ほど休憩をとりたいと存じますので,よろしくお願いいたします。     ───────────────       休 憩 午後6時58分       再 開 午後7時29分     ─────────────── ○千葉 委員長  委員会を再開いたします。
    ◆武藤 委員  私から,高齢者福祉にかかわって,数点お尋ねしたいと思います。  ことしは,新年度予算の概要の中でも述べられているとおり,99年の目標年次を2年後に控えての新年度予算となるわけなのですが,市長の説明の中でもあったように,高齢者福祉についても,前年度に比べて多く予算化しているというようなことも報告されていますけれども,実際にこの進捗状況を見ますと,高齢者保健福祉計画の中身は,たくさんの項目がありますが,今,特別養護老人ホームで見ましても,昨年12月末の時点でも,まだ1,200 人からの待機者が存在しているわけなのです。新年度で幾つか新設もされますけれども,その方々がすべて入所できるような特養の建設は見込めない。  さらには,それをカバーするための在宅福祉の充実がどうなのかといえば,在宅福祉の3本柱と言われているホームヘルプサービス,デイサービス,ショートステイ。デイサービスは,進捗率を見ましても9年度末で81.6%,ショートステイで見ても93.9%と,こういう予定がされていますけれども,問題は,最も肝心なホームヘルプサービスのヘルパーの数です。  毎年毎年,数字の上ではふえてはきていますけれども,ヘルパーの中身を見ますと,これまで私たちも何度も予・決算で議論してきたところですが,94年度で見ましても,常勤で102 名,そしてパートで137 名,95年度でも,常勤117 ,パート280 ,96年度でも,常勤140 ,そしてパートが489 名というように,在宅福祉で最も頼みの綱とされているヘルパーが,常勤者を中心として構成されるのではなくパートを中心とした構成になって,ますます大きく常勤とパートの開きが出てきている,こういうように実感せざるを得ない数字なわけです。94年度で見ましても43対57,これが常勤者とパートの比率になっています。95年度を見ましても29対71,96年度で見ましても22対78,こういうようになっているわけなのですね。  その到達を見ましても,9年度末で到達は50.3%にしか至らないと。目標にしている数字は,皆さん方がよく使う常勤換算という言葉で言いましても,910 名にならなければならないわけなのですね。この数年間の推移を見てみますと,先ほど示しました数字というのは,前年比で見まして,毎年おおよそ64%ずつふえてはきています。この流れで,また9年度,10年度と64%の枠でしか広げられないとすれば,99年度910 名というヘルパーを確保することができるのかどうか,この点について,まず1点お尋ねしたいと思います。  それと,常勤を中心としたヘルパーの確保ではなく,パートを中心としたヘルパーの確保という点について,たとえ910 名に到達したとしても,この流れから行くと,さらに比率は開くようになっていくのかどうか,常勤とパートがこのような比率になっていく要因は何なのか,この点についてまずお尋ねしたいと思います。  それと2点目ですけれども,現在,ケアハウスがたくさんつくられてきていますが,このケアハウスは札幌市老人ホーム条例というので規定されていまして,いわゆる札幌市の白石区にある菊寿園,軽費老人ホームと同じ条例に基づいてつくられています。その中で,こういうようなことが現在起こっています。  この条例自体は,昭和45年にでき上がったまま,それ以後,何の調整もされてきていないわけなのですが,実はこの条例の規則という中に,こういうことが書かれています。「利用料の減免又は徴収猶予は,別に定める基準により次の各号の一に該当する場合に行なうものとする。」ということで,その減免や徴収猶予について述べられている第24条というのが,この条例の中に盛り込まれています。  実は,ここにかかわっての問題があるわけなのですが,現在,軽費老人ホームにおきましても,またケアハウスにおきましても,入院あるいは長期外出,こういう日にちが既にわかっていて,事前に知らせていても,いなくなってから5日間は給食費を徴収される,こういうことが今,入居者に求められています。その裏づけになっているのが,今読み上げましたこの第24条に書かれている5日間以上外泊したものについては減免しますよと,こういう規定になっているわけなのですね。ですから,昭和45年につくられたその当時の状況がこうさせたのかどうかはわかりませんが,この裏づけが一体何なのか。これが,今の時代に合っているのかどうか,この点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。  3点目は,敬老パスの問題です。  昨年の暮れから,各新聞の読者の欄にも,敬老パスの問題が随分と登場しました。その中には,いろいろな記事がありましたが,高齢者の方々の投稿が非常に多かったのですね。その中に「札幌市の交通局が赤字だと言っている。そういう赤字を抱えて苦しんでいる中で,自分たちは,敬老パスをただで使っていいのだろうか。収入制限したらいいのじゃないだろうか。だけれども,敬老パスはなくさないでほしい。ありがたいものなのだけれども,ここですごくお年寄りの方々は悩んでいる」というような記事がたくさん載りました。  私は,この問いに対して交通局としてきちんと明快な答弁をするべきだということで,交通局とはお話をしたわけなのですが,それから数日後,実は札幌市民生局高齢化対策推進部長の名前で,「お答えします」ということで道新に掲載されたわけなのですね。その中では,以前に投稿された多くのお年寄りの方々に対してお答えしますということで,きちんと,この乗車証利用に伴う費用は,対象者の1年間の利用実績に基づき,市予算の一般会計から,交通局を初め各民間交通機関へ料金相当分を支払っているのですよと,したがって,財政面で交通局の負担とはなっておりませんと,こういうように載せていただくことができました。この結果,新聞には,かつていっぱい出たようなことは一切起こっていません。これは,実にすばらしいことだと,私も評価しているところです。  それで,この文章の最後のところにも,高齢者福祉の充実を図ってまいりますので,ご理解とご協力をと書いているのですが,その前段でも,この制度につきましては,今後も広く市民の皆様のご意見をお聞きしながら,内容を検討していきたいと,こういうことも,あわせて書かれているわけなのです。そして,今,本市がやろうとしている,既に実施されてきていますけれども,行政改革という名のもとに,今,敬老パスについても見直しをしようということが,9年度に行われようとしています。  この点について質問をしたいのですが,その敬老優待乗車証事業の見直し,一体どういう見直しを理事者として検討されているのか,この点について,3点目質問したいと思います。  以上です。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  1点目のヘルパーの関係でございます。常勤とパートの割合,それから達成の見込みというようなことでございます。  今,いろいろご指摘ございましたけれども,現実に,常勤・パートの組み合わせの中で札幌市のホームヘルプ事業は実施をされております。これは事実でございます。パートはパートの利点と申しますか,長所もございますし,そういうような長所と,それから需要者,いわばユーザーの需要状況というようなものを全体として有機的にかみ合わせてやる上では,やはり常勤・パートの組み合わせの中で実態的に対応していくのがいいだろうということで,これまでもやってまいりました。今後も,やはりその方向でやってまいりたいというふうに考えております。  2点目でございます。菊寿園の例がございました。菊寿園の給食の関係でございます。  何日か園をあけたときに,給食代というものを,いわば事前に言っているのだから,すぐやめればいい,すぐ停止すればいいのに,それが,何日分かは取られるという話でございまして,それがご質問の要点でございます。  45年に,確かにそういう決まりがつくられております。規則という形で出ております。45年ですからもう20何年か前なわけですが,当時,どういう発想でそういう取り決めをされたのか,そういう規則をつくったのか,ちょっと調べてみたのですが,なかなかわかりませんでした。恐らくそのときの給食材料の準備だとか,そういうようなことの都合で,そのような取り決めをしたのだと思います。  いずれにいたしましても,現状では,事前に,1日でも2日前でも,翌日,翌々日は食べないと言えば,それに対応した給食の準備はできるはずだと思いますので,そういうようなことで,実態に応じた対応の方向をちょっと検討してみたいと。同じような園が政令市の中にもございますので,そのようなところでどういうふうにやっているかも参考にして,検討してみたいというふうに思っております。  それから,敬老パスのことでございますが,今後の対応でございます。  敬老優待乗車証制度は,昭和50年1月にスタートして,既に20年以上の歴史がございます。市民の間に根づいた施策だというふうに思っております。ただ,これも,事業開始の時期と現在とでは非常に時間を経ておりますので,その時間の経過の中で,高齢者を取り巻く社会環境も変わっております。その中で,この制度については,市民の方々の間でもいろいろな意見がございますので,今後,この制度のあり方について,市民各層のご意見を賜って,できれば検討懇話会というような形で,意見を聞かせていただく場を設定したいなというふうに考えております。  以上です。 ◆武藤 委員  1点目のヘルパーの問題なのですが,これからもパートの採用をやっていくのだというお話で,910 名に到達させるためには,パート2名で常勤換算1名ですから,正規職員と比べても倍以上にも,倍どころか,本当に8対1,9対1ぐらいの割合で,常勤が1,残りがパートというような形でやっていくように考えているのかなと思うわけなのですね。  サービス協会がパートヘルパーさんに対して行った意向調査,その結果がここにありますけれども,その中で,常勤ヘルパーになりたいと希望している方は,全体の44%を占めていると,こういう回答が出ています。実際に,受験者数,既にこれまで3回,1年に1回ずつ採用試験が行われたようなのですが,常勤ヘルパーになりたいと言って受験した人たち,3年前では88名の受験者に対して採用者数は17名,競争率が19.3倍,翌年には受験者数78名で採用者数が7名,競争率も9.0 倍,次は145 名の受験者数に採用者数が19名,13.1倍,こういうぐあいになっているわけなのですね。  ですから,この受験者数の中身を見ましても,実際に,先ほど言ったパートヘルパーを現在やっていて常勤ヘルパーになりたいと希望している44%の人たちも,この受験者数の中に多く含まれているということも,サービス協会の方から何度も何度も,何年も前から聞いている話なのです。  私は,実際に働いている人たちが,単に自分の労働条件だけではなくて,常勤としてしっかりとした仕事をしたいのだと,こういう希望を持っているということも事実だと思うのですね。  現在,サービス協会では,パートヘルパーの人たちにどういう対応をしているかといいますと,常勤ヘルパーの人は,パートの人に付き添って仕事の引き継ぎをやる,そしてそのほかに,自分のところへ行って仕事をやる,こういうように,以前にも増して常勤者の仕事はふえているわけなのです。パートの人たちが次から次と入ってくるものですから,真っ白な人たちに仕事を引き継ぐために,数少ない常勤者がフル回転しても,なお足りない。もうくたくただという常勤者の声も聞かれているところなのです。  私は,保育でも病院の看護婦でも医者でもそうですけれども,患者にとって,子供にとって,それからヘルプを受ける利用者にとっても,一番いい環境というのは,ヘルパーさんの待遇をよくすること,そこだと思うのですね。ですから,そういう意味では,本当に安心して仕事を頼むことができる,そういう形に,ヘルパーの中身についても検討していくべきじゃないか。  常勤換算という言葉は,非常にごまかしが多過ぎる。だから,そういう意味では,常勤でどこまでの比率で持っていくのか。あと2年後の話ですから,このことも,99年の910 名の中の比率として,皆さんの中にもうあるのではないかなと思うわけなのですが,この点についての考え方を改めてお尋ねしたいと思います。  そして,現在,9年度の予定をやったとしても進捗状況は50%ですから,あと2年間で50%をどうやってやり切るお考えなのか,この点についても,あわせてお尋ねしたいと思います。  それから,軽費老人ホームのお話で,根拠のない話だというのが,今,部長の答弁でもはっきりしたわけですね。先ほども言いましたけれども,外泊する,入院をするというのは,当日にわかるというのはほとんどないわけなのです。事前にわかっているから,それについて,いなくなる日から5日間も徴収すること自体,やっぱり非現実的な話だと思うのですね。実際に今,ケアハウスのあちこちでは,どうして5日間,給食代がかかるのですかと,事務に問い合わせをすると,札幌市の条例で決められているからですと,こういう答えがどこでも返ってきているのです。ですから,札幌市が,この条例の規則で決められているここの部分を早急に見直しをして,各軽費老人ホームやケアハウスについても,札幌市の責任で通達を出していただきたい,このことを改めてお尋ねしたいと思います。  それから,3点目の敬老パスの問題ですが,部長のご答弁の中で,新年度に向けて,懇話会を開いていくのだというお話がありましたね。この懇話会は,市民の意見を聞くという,先ほどの新聞の記事にもあったように,市民各層の意見を聞くための懇話会だろうと思うのですが,私は,こういう話し合いをするというのはいいことだと思っています。ただ,どういうメンバーを集めてくるのか,ここがやはり問題じゃないかなと思うのですね。ですから,懇話会の設置の仕方についても,ぜひ一般公募を含めて懇話会のメンバーを募っていただきたい。そうすべきだと思うのですが,この点についていかがかお尋ねします。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  お答えをいたします。  ホームヘルパーの常勤とパートの比率の話でございます。従来から,私どもは申し上げてまいっておるのですが,あくまでも実態的な対応の中で考えてまいりたい。何対何,これだという計数でぴしっと置いてと,今のところ,そういう対応ではなくて,実態に応じてやっていきたいと,これまで,そういう対応でまいっております。要はユーザーと申しますか,必要な方に必要なサービスを提供するということが大事なわけでございますから,そういう形を目指しながら,今申し上げたようなことで対応していきたいというふうに考えております。  次に,先ほどの給食の話でございます。  ご指摘のように,確かに私どもは,市の施設としては菊寿園だけでございますけれども,他のケアハウス等にも,やはり市の菊寿園に準じた扱いということで,横並びというような取り扱いをしているところもございます。そういうことでございますので,同じような扱いをしている施設と,今後,よく協議をして,我々の考え方を理解してもらうなり,意見を聞かしてもらうなり,そういう形で検討してまいりたいと思います。  それから,敬老パスの懇話会の話でございます。  懇話会に関して,委員の選び方をどうするかという話で,公募はどうだというご指摘でございました。市には,いろいろな形の研究会とか懇談会とかございます。私どもは,そういうような団体の委員を選ぶ際に,どういう選び方をしているかというようなことも十分参考にさせていただきながら,この選出方法を考えていきたいというふうに思っております。  以上です。 ◆武藤 委員  今,最後のご答弁なのですが,確かに,協議会だとか審議会だとか,この間,いっぱいつくられてきましたよね。最近,住宅対策協議会というのもありましたけれども,公営住宅のことを議論するのに,その中に入居者は一人も入っていない,こういう協議会もあるわけなのです。ですから,参考にするものも,いいものであればいいのですけれども,既設のものを念頭に置いてやるのではなくて,市民の立場に立って,全市民的な意見を聞くために,どういう懇話会を開くのかと。ここのところを中心的に,これからつくっていくわけですから,検討して,それから札幌市の広報という立派なお知らせする手段もあるわけですから,そういうところでも,ぜひ一般市民からも募るような公募の仕方も,前向きにご検討いただきたいということをお願いしたいと思います。  それから,軽費老人ホームの問題では,先ほど言いましたように,ケアハウスの方では,札幌市の条例で決まっているからだと,これしかないのですよ。だから,相談するとか云々かんぬんという問題ではなくて,札幌市が今度こういうことにしますよと言えば済む話なのですね。ですから,ぜひ責任あるご答弁を局長からいただきたいと思います。  それと,ヘルパーの問題では,実情に応じたと言いますけれども,実際にやってきていること自体は,常勤者を少なく,パートを多目にということで,結果としては安上がりの在宅福祉なわけなのですよ。先ほど私が言いましたように,今,常勤ヘルパーの人たちは,パートの人のお世話もし,そして利用者の方々のところにも飛んでいきと,こういうようなせっぱ詰まったところまで来ているのだと,そこのところを,ぜひサービス協会の実情もきちんととらえた上で予算化すべきじゃないかと思うわけなのですね。  これから新しく,試行的にもう開始されていますけれども,24時間巡回型ホームヘルプサービスということで,既に民間2カ所に委託して,18世帯が利用されて,試行がされているわけなのですが,これについても,いろいろな事業はやるけれども,中身がないというのであれば何もならないわけですね。  新年度予算でも,この24時間巡回型ホームヘルプサービス,これまで2カ所だったのを,さらに2カ所を試行的に追加していこうというお話も伺っています。  そこで,これまでやってきた2カ所に,さらに2カ所を追加してやっていこうというお話の前提には,期間も短いですけれども,何カ月間か試行した皆さん方の評価,どのように評価されて,さらに2カ所ふやして試行的に進めようとしているのか。そしてさらには,これの本格実施を検討されるところまで来ているのかどうか,最後にこの点だけお尋ねしたいと思います。 ◆高橋[重] 委員  (関連)敬老パスのことで関連して一言,田中助役に質問をいたします。  この敬老パスは,市民に非常に喜ばれている制度であるということは,皆さんご理解のとおりです。  今,見直しということで,市民の意見を聞きながらというようなやり方をしようとしていますが,少なくともこれが改悪になるというようなことは,断じて許されるものではありません。そういうことを踏まえてやられるのかどうか。  多くの市民に喜ばれる制度は,むしろ充実させていくという角度での市民の意見を聞くのであれば,それはそれで意義のあることですけれども,意見を聞きながら改悪をしていくというのであれば,これは多くの市民の期待を裏切ることになりますから,その点についての見解を伺いたいと思います。 ◎田中 助役  私の方から先にお答えをいたしますけれども,敬老パスの問題に関しましては,背景には,一方には,とにかくきめ細かな福祉サービスをますます充実させなくちゃならぬという要請があり,一方においては,そのためには,いろいろな見直しもまたあわせてやっていかなくちゃならぬ,行政改革もありますし,それからいろいろいろな意味の合理化等も含めてやっていこうという時代の背景があると思います。  そこで,改悪と言うか,改善と言うか,言葉はともかくとしまして,ちょっとそれは置いておいて,敬老パスに関しましては,先ほど武藤委員の方からもお話がありましたけれども,市民の中にも,いろいろな問題点があるぞというご指摘があります。それは,交通局が赤字なのに大変だなということで(発言する者あり)それは誤解としても,例えば,それは一般会計から出しているのだから,交通局の赤字には関係ないよと,そういうような誤解はあったかもわかりません。しかし,そうしたら,一般会計でやることがいいのかという別な問題がありまして,同じお金を使うのだったら,もっとこういうふうな方に使ってほしいという声だってやっぱりあるわけであります。  そこで,そういうことを背景にして,長年続いてきた敬老パスの問題に関して,ここで改めて再検討しようと。もちろん,単にやめるばかりじゃなくて,例えばその代替というか,それをやるのだったらこっちを選択といいますか,そういうことを含めた検討でありますので,幅広い検討になります。したがって,ただ改悪,改悪と,悪く悪くとるようなことはしないで,もっと私たちのやることを見ていていただきたいと思います。決して我々は悪いことをあえてやるというようなことはしませんから,その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。 ◎佐々木 民生局長  軽費老人ホームの利用料の減免についてお答えいたします。  札幌市の施設がこういうことになっているがために,ほかの施設が,それに準拠してそういうふうになっているというようなお話もごさいましたけれども,札幌市の施設の基準は,できるだけ早急に見直しをするということで考えております。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  24時間巡回型ホームヘルプサービスの実績と評価について申し上げます。  この制度は,寝たきりや重度の痴呆性の方を対象に,現在,南と豊平の2地区で18世帯を対象にやっておりまして,実際の訪問活動では,深夜から早朝にかけて行く回数が全派遣回数の半分を占めているということでございます。  その対象になっている世帯の方々は,病院から退院をして,今,在宅でというふうな方が4割を占めておりまして,そういう意味では,病院の退院者にとっては,安心して在宅で過ごせるということで評価されているのではないかというふうに思っております。  今後のこの制度の進め方でございますが,そういうようなことで評価されている,我々も評価しているというか,利点がいっぱいあると思っておりますので,今後,充実してまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 ◆武藤 委員  ご答弁はいただかなくても結構なのですけれども,田中助役のお話の中で,市民の中のいろいろな意見については,確かにあると思うのですね。ただ,私は,いろいろ議論することは必要なことだけれども,先ほど高橋委員も言ったように,市民の意向というのは,新聞に掲載されたもの,それから地域の中で,今,話題になっていることも含めまして,今の敬老パスのレベルを下げてもらいたくないというのが,要求として一番強くあるわけなのです。ですから,そういう人たちの声も反映できるような懇話会にしていただきたいということが,私たちの願いでもあるわけですので,ですから,先ほど言ったように,必ずそういう一部分の人たちだけの懇話会ではなくて,すべての人たちを網羅できるような懇話会。  本市におきましても,エンゼルプランのときは,たくさんのグループをつくって,一つのグループに何十人もの代表を入れて,何回にもわたってやってきたという経過があるのです。だから,そういう意味では,そういうような一般公募を含めてやることもできるわけですから,現在,何人でやるのかお尋ねしていませんけれども,まだまだこれからですから,そういう枠についても,これからご検討されることと思いますので,その点をぜひ改めて強調しておきたいと思います。  以上です。 ◆山口 委員  私は,高齢者保健福祉計画に関連して,2点質問をいたします。  在宅福祉3本柱の議論は,それぞれの委員がいろんな場で展開されておりますので,私は,別な角度からさせていただきたいと思います。  福祉計画のちょうど中盤に入りまして,見直しとか,あるいは進捗率の議論がされておりますけれども,特に私は,その中で,計画の中に盛り込まれております市民参加型福祉について,まずお尋ねをいたします。  計画の中には,最近,活発化しつつある市民参加型の援助活動や,事業団体などと連携をとりながら地域福祉を進めていくというふうに,そういう文言が載っておりますけれども,これが果たしてどの程度連携をとって,この間,活動がされてきたのかということについて伺いたいというふうに思います。  もちろん,これは市民参加型の援助活動ですから,町内会,社協,NPO,NGO,それから阪神大震災以降非常に注目を集めておりますボランティアというふうに,さまざまな住民の団体があるわけですけれども,それについてどう取り組んでこられたのかということをお伺いしたいと思います。  それから2点目ですけれども,特別養護老人ホームの待機者のことが問題になっておりまして,3定のときは1,000 名というのが,どんどんどんどんふえまして,現在はもう1,300 名に届こうとしているというふうな状態であります。3定のときに申し上げましたのは,待機をしている方たちが,一体地域でどのような暮らしをしているのか,その実態を把握しているのかどうかということでお尋ねをいたしましたところ,抽出というか,ピックアップをして何点かは調べたけれども,待機者全体の状況は把握をしていないという,そういうお話でありました。  待機者として申請が出ているわけですから,当然,要介護,虚弱あるいは痴呆という状態で地域に置かれていることが十分想像されるわけですが,そういう方たちをどう支えながら待っているのか,どう家族が担っているのかを含めまして,これは抽出ではなくて,きっちりした実態調査が必要だということも3定のときに申し上げましたけれども,それについて果たして実態調査をなさったのかどうなのか,したとすれば,結果はどのようなものが見えてきたのか,それについてお伺いをいたします。 ◎藤井 社会部長  まず,1点目の市民参加型福祉についての取り組みでございます。  確かに,今までは在宅福祉サービス協会や,あるいはボランティア団体については,活動費の援助などを中心といたしまして,行ってきたところでございます。しかし,近年の傾向といたしまして,市民参加型の援助活動や事業団体の活動が活発化するとともに,その内容についても成熟しつつあることから,こういった団体と連携していくことは,住民にとってもサービスの選択肢がふえることになりますから,今後,その連携の具体的方策につきまして検討し,それが在宅福祉サービスの充実につながるように進めてまいりたいと,このように思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  私の方から,特養の待機者の実態についてお話をさせていただきます。  特養の待機者は,平成8年12月末現在で1,256 人おられます。そのうち,在宅で待機をしている方は247 名ということで,待機者全体の19.7%になっております。これらの待機者について,どういう状況にあるかということの実態調査をしたかというお話でございますが,一応,実態調査をしています。その内容を一部申し上げますと,これら在宅で待機しておられる方々が,いわば在宅サービスをどれくらい受給しているかというようなことも,前回の質問であったわけでありますが,そのことも一応調べてみましたところ約71%,175 名の人が何らかの形で在宅福祉サービスを利用しているという状況になっております。  以上でございます。 ◆山口 委員  1点目ですけれども,具体策の検討をということをおっしゃいました。  高齢者保健福祉計画が策定されたころは,住民の福祉への参加というものが,今ほど活発ではなかったというふうに認識をしておりますし,そういう意味では,この計画自体,重く思われないで書かれたのかなという気が実はしているのですね。具体策の検討は,実は計画に盛り込んだ段階でしなくてはいけないはずで,今のご答弁で具体策を検討したいというのは,時期的にちょっとおかしいのではないかなというふうに感じております。  現在,いつも私どもが申しております市民参加型福祉事業,ワーカーズ・コレクティブを含めまして,微助人クラブですとか,計画ができたときは予想もしなかったいろいろな形の市民事業が出ているという中で,実はワーカーズ・コレクティブなんかにも,市が情報提供をしてくださったおかげで依頼があったり,逆にいろんな報道なんかで問い合わせがありまして,ホームヘルプサービスの依頼などがあるのですけれども,その内容を見ますと,例えば,深夜の2回だけ,夜中におむつを交換に来てほしいとか,あるいは鼻腔栄養をつけたまま退院をして,その方の食事の介助を何とかしてほしいとか,そのようなハードな部分というのは,当然,市民参加型福祉事業よりは,もっと専門性といいますか,プロフェッショナルがやらなければいけないような部分でも,実は市民参加型福祉事業に依頼が来ていると。これは,いろんな経済的な制約などで公的なサービスから外されるとか,そういう状況もあるかとは思いますけれども,その辺の役割分担を含めまして,明確に議論をすべき時期にもう来ているのではないかというふうに感じるわけです。  一方では,声かけ見回りのような近隣型の,例えば福祉のまち推進センターがねらっているような部分の活動というのも出てまいりまして,私ども,地域にどんなボランティア団体が登録されているのか,連携をとりたいということで,社協に問い合わせをいたしましても,守秘義務ということで情報がいただけないというような状況になっておりまして,いろんなネットワーク化をして地域福祉の厚みを増していかなければいけないときに,守秘義務というのがなじむのかどうかというふうな疑問もあるわけですけれども,その守秘義務について,どのように市としてはお考えかということをちょっと再質問させてください。  それから,特養待機者の問題なのですけれども,在宅で待機している247 名のうちの70.9%が在宅福祉サービスを利用されているという今のご答弁でしたけれども,この数が高いのか低いのかと考えたときに,私は,決して高い数字ではないだろうと。先ほども申しましたように,申請を受けているわけですから,残りの20%なり,あるいはこの70%の方たちも,一体どれぐらいのサービスを受けているのか。いつ入れるとも当てのない待機を続けておられるということについては,サービス提供あるいは情報提供が決して十分ではないというふうに考えるわけなのですね。この7 0.9 %の数字について,どのように市としてはお考えになっているのか,それについて2点目お伺いをいたします。  それから,今後の高齢者保健福祉計画の見直しに,この調査をどう生かしていくのか。当然,レベルアップということも考えるべきだと思いますし,この中でもっと多様なサービスを受けられれば,待機じゃなくて,実は在宅で頑張れるのかもしれないという方も,相当数含まれているのではないかというふうに考えるわけなのですが,その辺についてのお考えを伺います。 ◎藤井 社会部長  1点目の情報提供の守秘義務ということでございますが,まず現状を申し上げますと,ボランティアの登録につきましては,不特定多数の方々に情報を提供することを前提としているわけではございません。登録している団体の中には,提供されることを望んでいないと,そういった団体もございます。そしてまた,過去に,紹介した団体から苦情が寄せられたと,そういった事実もあるやに聞いているところでございます。  基本的には,ボランティア団体名とその代表者名について,これは団体情報でございますから個人情報には当たりませんけれども,それに住所だとか電話番号などが加わったものにつきましては,直接あるいは間接的に個人が識別される情報となりまして,先ほどの例のように,情報提供されることを望んでいない団体がある以上は,そういった情報を提供していくことについては慎重に対応しなければならないと,このように考えております。  しかし,これからのボランティア活動の広がりを考えた場合,おっしゃるように,ボランティア団体等の交流活動や,連携した活動の促進を図っていく必要があるということは十分認識しておりますので,早い時期に,ボランティアセンターに登録されている団体の情報提供が可能になるように,例えば登録時に承諾をいただくとか,そんなような方法も含めまして,社会福祉協議会に対して積極的に働きかけていきたいと,このように思っております。  以上です。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  ただいま,在宅でお待ちの方々の中で在宅福祉サービスを受けている人は70.9%,これは少ないのではないかというご指摘だと思います。  私どもは,在宅で待っておられる方は,いろんな世帯構成の中で待っておられるのだと思います。すべての方に在宅福祉サービスが本当に必要なのかどうかということについては,さらに詳しい調査をしてみなければわからないというふうに思っております。  ただ,現状,私どもの方で,各区で特養の申請を受けるわけですが,そのときに実態調査にも参りますし,いろいろとお話を聞くわけです。その際に,必要な在宅福祉サービスについては紹介もし,いろいろな相談に乗っているというような状況でございますので,そんな形で,現在,サービスに対応しているということでございます。  以上です。 ◆山口 委員  1点目に関しましては,ぜひ速やかにボランティアの情報提供ということを,もちろん承諾を得た上でということが前提ですけれども,進めていただきたいというふうに考えるわけです。  それで,今も申しましたように,役割分担,実態も含めまして,どういう部分がボランティアか。ボランティア,ボランティアと言われまして,ボランティアに何でも期待されても困るわけで,当然,役割というものがあるわけなのですが,その辺のところで,先ほども申しましたワーカーズがどこまでできるのか,ボランティアがどこまでか,あるいは福祉のまち推進センターがどういうところを担うのかというような,そういったものを,きっちり実態を把握した上で議論をする。これは,安上がりの福祉を担うすき間産業というような位置づけではなくて,きっちり札幌の福祉に厚みを増していくような,パートナーとしての位置づけみたいなものが必要で,私は,その上で支援なりというものを考えていくべきだろうというふうに思うのです。  横浜では,既に市民参加型地域福祉活動のあり方調査というものの報告が出ておりまして,このようなものも,札幌でも実態に即したものが必要だというふうに考えるわけですが,それをまず早急にやるべきだと考えますが,それについてお伺いをいたします。  それから,ヘルパーさんの部分ですけれども,申請なり訪問をしたときに,その都度,サービスの紹介をしているというお答えでありましたけれども,各区の高齢者福祉事業実績表を見ますと,区によって非常に在宅福祉サービスを受けている人数が違う,割合が違う,あるいは伸び率が違うというようなことがございます。  例えば,日常生活用具給付なんかは,中央区で見ると,この3年間,実際に受けている方が減っています。101 人,91人,90人と減っていますし,逆に,北区などでは,113 人から,平成7年度353 人,3.1 倍ぐらいにふえている。あるいは,豊平区などは1.4 倍,東区も4.8 倍,5倍近くに伸びているということで,この事業一つとっても,非常に区によってサービスの提供の仕方にばらつきがある,格差が著しいのではないかというふうに見えるわけなのですけれども,その辺の分析をしていらっしゃるのか,どう分析していらっしゃるのか,お示しをいただきたいと思います。 ◎藤井 社会部長  1点目につきまして,お答え申し上げます。  おっしゃるように,多様な形態で幅広い活動に取り組んでおられます市民の自主的な福祉活動につきましては,地域福祉推進の大きな柱になるものと認識しているところでございます。したがいまして,市民参加も含めた民間福祉活動と行政とがどのように連携できるのか,検討していく必要があると考えておりますので,まずその実態調査を行ってまいりたいと,このように考えております。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  在宅福祉サービスにかかわって,各区に格差があるというご指摘でございます。この要因は何かということで,分析をしているかというお話でございますが,各区において,要介護高齢者の数も違うでしょう,それから高齢者にかかわる福祉施設の数,在宅福祉サービスにかかわる訪問看護ステーションの数,いろんなサービス提供機関の数にも差異は実際あるわけでございます。そんなようなことも,いろんな形で在宅サービスを受けておられる方の数に変化を与えている要因の一つかなというふうに思っております。  以上です。 ◆山口 委員  長くなりますので終わりにしたいと思いますが,市民参加型福祉活動の調査につきましては,新年度からということでよろしいのか,確認をしたいと思います。
     それから,区ごとのサービスの差についてですけれども,ちょっと私は認識が違うかと思います。  4倍とか5倍にふえるということは,例えば北区が多いということを考えますと,事業別ではなくて,地区担当制を導入しているとか,そういうシステムの問題が大きいのではないかなと。特養の待機者も北区が一番多いわけですけれども,そういう地域割りにすると,地域が見えてきてしまうと,結果としてニーズが発掘されてしまうと。それは,行政にとって,ある意味つらいことかもしれないのですね。ニーズがどんどん出てきてしまうということは,財政的な問題もありますし。でも,それがないと,在宅福祉というのは,やっぱり絵にかいたもちだろうと。  ニーズ発掘を含めて,地域割りなんかのシステムの件と,それから住民に対する情報提供が区ごとにばらつきがないかとか,それから地域福祉課の窓口のあり方も含めまして,地域に格差があることの実態なりを含めて検討すべきというふうに考えるわけですけれども,それについて,最後にお答えをいただきます。 ◎藤井 社会部長  実施時期につきましては,新年度を含めて研究させていただきたいと思います。できるだけ早い時期にやるように検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  業務量と申しますか,サービス量の差の要因の中に,各区の業務執行のやり方の違いがあるのでないかという,そういうご指摘かと思います。  確かに,今ご指摘のありましたように,北区は地区割り制という形で,事業担当じゃなくて,1人の人が高齢と,障害も一部入っているのですが,そういう格好で,地区割りでやっております。そういうことをやっているのは北区ばかりではなくて,西区もやっております。そういう状況で,そのことがこのサービス量とどう因果関係があるのか,私ども,そこまでまだ詰め切っておりません。執行体制というものがサービスとどういう関係を持っているのかということは,今後,詰めてまいりたいと思います。  いずれにいたしましても,市民の方にとって,よりよいサービスを提供できる執行体制について,今後も考えてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆山口 委員  要望になりますけれども,多分,厚生省も,特養の待機が多いから,つくってくださいということでは,うんとは言わなくなったというふうに聞いておりますし,札幌も,そんなに待機がいるのだったらば,その実態を把握しないと納得しないよということを,厚生省から言われているというふうにも聞いております。  そういう意味では,サービス提供も含め,在宅福祉をどうやって厚みを増していくかということを,先ほどの武藤委員のヘルパーさんの問題も含めまして,真剣にやっていっていただきたい。特に,北区などは,そのシステムの問題と,それから今回,介護認定モデル事業を行ったということで,ますます私は,レベルが違ってきたり,あるいはニーズは北区が突出してくるということも考えられますが,結局,それが市民にとってはプラスになっていくわけですから,その辺のところは,つらいけれども,ぜひ頑張っていただきたいと。これは,要望にして終わりたいと思います。 ◆笹出 委員  私は,ぐっと視点を変えまして,健康な高齢者に対する本市の施策についてお伺いをいたします。  本市は,ともに支えあうあたたかなまちサッポロの構築に向けて,大変厳しい財政状況の中にありまして,高齢者福祉計画を中心に,福祉・保健医療充実に前年対比37.6%増の予算編成をされました。これは,政府が提唱する平成11年完成の新ゴールドプランの帰結に向けて,あるいは本市民の熱烈な要望にこたえる当然の施策であろうかとも思われます。  本市の高齢化率は,ご承知のように,もう12%弱,21万人にならんとしておりますけれども,その80%は健康な高齢者であると言われているわけでございます。  平成8年7月に閣議決定をされました高齢社会対策大綱の中で,経済社会のシステムを不断に見直し,国民の活力を維持・増進するとともに,自助・共助及び公助の適切な組み合わせによる安心できる暮らしの確保を図るのだと,これが必要であるというふうにうたわれてございます。つまり,いつまでも健康で長寿を保つことができる社会をつくろうというのが,本当の趣旨であろうと思うわけでございまして,21世紀社会に向けての高齢化対策への大きな指針であろうと思われるのであります。  本市も,既に数々の社会参加や健康保持のための施策に,全庁挙げて取り組まれてきていることも承知をしてございますけれども,今後ますます高齢化率20数%に向かう今にあって,経済的な背景を加味しながら,寝ない・寝てもらわない高齢者対策に,一層神経を使っていかなければならないのではないかと思うのであります。  これまで,ソフト部分の施策もとられてきました。老人クラブの育成や福祉のまち推進センターがそうであろうと思われますが,またハード面での整備もより一層重要なことであります。  そこで,平成9年度の予算の中で,新たな施策といたしまして,健康高齢者の生きがい対策に係る施設のあり方調査が掲げられてございます。私は,これにより,市民から要望の強いポスト老人福祉センターとしての施設の方向づけがなされるものと,大いに期待をしているところでございますけれども,ここで質問に入らせていたただきます。  この調査の目的及び内容について,お尋ねをいたします。  また,本市といたしまして,生きがい対策の検討に当たり,現段階で,施設の機能または性格といったものについて,何かお考えをお持ちなのか,あわせてお伺いをいたします。  次に,本市では,健康高齢者に対する施策として,前段も述べましたように,数多くあるわけでございますけれども,先ほど話題になりました敬老優待パス制度,老人バス事業,老人クラブの助成などは,過去20年以上にわたって実施されてきた事業でございます。確かに,喜ばれていることも理解できるのでございますけれども,ただ,老人バス事業などにつきましては,希望する日に利用したくてもできない,こういう不満も聞きます。  これは,次に述べます老人クラブの活性化にも言えることですが,一つには,会員が減少傾向にあり,今,市老連に登録されている老人クラブ,480 余と聞いておりますけれども,その半分以上は会員が減少していっている,こういう実態でございますし,二つ目は,後期高齢者といいますか,75歳以上の高齢者が,統計的には総人口の6%になってきたと,こういうことも言われております。そして,このクラブのリーダーシップをとっているケースも多く見られるわけでございまして,バス利用の抽せん日が間もなく始まるのですが,これに出かけられないということもあろうかと思われます。  また,老人クラブの活性化の問題でございますけれども,例えば今,各連町ごとに働きかけをしている福祉のまち推進センターや,今後実施される介護保険制度についても,クラブ会員や健康な高齢者に,その負担を負うところが非常に多いわけでありますし,行政もまたこれに期待をし,要請をしているところではないかと思うのであります。  従来,クラブ助成は50人以上でなければ国費が伴わないとか,各種の制限があったわけでございます。おおよそ地域型の老人クラブを結成されてきていたわけですけれども,今こそ,柔軟で大胆な発想が欲しいのであります。  そこでお伺いをいたしますが,老人バス事業及び老人クラブ活動については,健康高齢者の社会参加を促進する観点からも,今後ますますその役割が重要になってくると,こういうふうに思います。老人バス事業につきまして,より利用のしやすい制度への改善,それから老人クラブにつきましては,その活性化への対策,老人クラブ設立の対象人数の制限緩和や補助のあり方,このことについて考え方をお尋ねいたします。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  1点目の健康高齢者の生きがい対策にかかわる施設のあり方調査,この目的,内容についてということでございますが,この調査は,今後における本市の健康高齢者を対象とした施設のあり方というものを総合的に検討し,その整備方針を策定するための基礎的なデータを得ることを目的に,実施をしたいというふうに考えているものでございます。  具体的には,既存の各種の施設があるわけですが,その既存施設の利用実態,それから高齢者の方々の活動実態,そういう事柄を調査したいというふうに考えております。  次に,今後設置をする高齢者の生きがい対策施設というものについてのあるべき姿,性格ということについて,今のところ,具体的には何も形の決まったものはございませんが,イメージとして持っておりますのは,高齢者が今後,現在もそうですが,多様な活動形態をとっておられます。それに対応できるもので,しかも地域の活性化につながるようなもの,同時に,地域住民との世代間交流等が図られるようなもの,そんなものが望ましいのではないかなというふうに,今,イメージをしているところでございます。  2点目の老人バス事業の点でございますが,この事業は,主に老人クラブの会員の方々にご利用いただいております。季節によっては,希望日が重なって,利用いただけない場合もございます。今後は,そのようなことをできるだけ改善するために,複数のバス会社と契約をする等,何らかの運用方法の改善を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に,老人クラブの加入率の低下は,ご指摘のとおりでございまして,全国的な傾向でございます。私たちも,残念なことだと思っております。  本市といたしましても,老人クラブの活性化を図るために,これまでも,本市独自に,国の補助基準単価を上回って活動費の補助を実施してまいりました。そのような視点の中で,設立時の会員数が余りに弾力性のない運用の仕方でないかというお話でごさいましたけれども,これまでも弾力的に対応はしているつもりでございますが,今後とも,より実態に合うように,弾力的な運用を図って,老人クラブの育成に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆笹出 委員  近年,高齢者に対するニーズの多様化,それから需要の増大がまことに顕著になってきてございます。それに伴いまして,財政負担も一段と大きくなってきています。  平成9年度予算につきましては,主に在宅サービスの充実に見るべきものがございます。一方,先ほど申し上げましたように,健康な高齢者施策の充実が一層求められてきているところでもございます。  このような状況の中で,先ほども議論にありました敬老優待乗車証制度については,利用者から歓迎されている反面,先ほどもお話がありましたように,市民各層より,マスコミ等を介して,検討すべき意見が寄せられているわけでございます。私自身も,多くの方から意見をいただいている一人でございます。  そこでお伺いをいたしますが,巷間,1人2万円というようなことで聞かされてございますけれども,9年度の予算において,大まかな計算で結構でございますけれども,利用者1人当たり幾らの金額になるのか。そして,今後,年間どれだけの費用の伸びが見込まれるのか,重ねてお伺いをいたします。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  敬老優待乗車証事業にかかわる9年度予算でございますが,予算といたしましては28億3,775 万円,対象人口は13万2,000 人と見込んでおります。これを,単純に割り返しますと,1人当たり2万1,500 円という所要額になります。  今後の見込みでございますけれども,交付の対象者は,年間約9,000 人程度増加していくものというふうに考えて推計をいたしておりますので,それに9年度の1人当たりの単価を乗じて積算をいたしますと,1年ごとに約1億9,000 万円程度の経費増が見込まれると推測いたしております。  以上です。 ◆笹出 委員  年間1億9,000 万の増額が見込まれるということは,大変な金額でないかというふうに思います。  このような状況を考慮して,先ごろ市長が,本市の行政改革の取り組み状況の中で,高齢者にとって関心は高いわけですけれども,この敬老優待乗車証制度を取り上げて,検討懇話会を設置して,今後のあり方を検討するということを発表されたものと推察をいたしますし,私どもは,大いにこれに期待をするところでもございます。  最後に,21世紀の社会において,高齢者福祉施策の一層の充実が求められていることはもちろんでございますけれども,社会の高齢化・少子化,そして若年層の負担増などの状況を考え合わせますと,いよいよ高齢者福祉施策全体の質的な転換を図るべきでないかというふうに考えるわけでございます。  在宅福祉サービスと健康高齢者対策のバランスのいい実施をしてもらいたい,こう考えるわけでございまして,当局におかれましては,事務の効率化だとか,あるいはスリム化だとか,社会情勢に合致した施策の実施に向けて,市民の立場に立った行政改革に真摯に取り組み,だれもが長寿を喜べる社会の実現に取り組まれますよう,切に要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆小野 委員  私の方は,痴呆性高齢者向けのグループホーム事業のことと,それから在宅福祉サービスの計画の推進について質問いたしたいと思います。  先ほど来のいろんな質問,ご意見がありまして,いろんな面でオーバーラップする点があるかと思いますけれども,まず最初に,痴呆性高齢者向けグループホーム事業のことですが,私も,昨年6月の代表質問,それから昨年10月の3定において,この痴呆性高齢者向けのグループホームについて質問をいたしました。  それで,国の事業化を待つのじゃなくて,本市独自の事業としても積極的に展開すべきでないのかと,そういう要望もいたしましたけれども,一応,来年度予算の中で,国の事業化ということもありまして,1カ所をモデル事業として予算化されているわけで,この点は評価をしたいと思います。  特に,痴呆症といいますか,アルツハイマーの場合には,その原因とか治療方法などについて,まだこれから医学的な究明といいますか,そういったところに期待をしていかなければならないわけですけれども,実際問題として,そうした痴呆症の高齢者を抱えている家族,あるいは当事者にとっても,やはりその受け皿としての施策の展開ということが必要ですし,そういう面では,グループホームが非常に大きな役割を果たすものと,私自身,認識しているわけです。  質問の第1点目として,痴呆性高齢者向けグループホーム事業の国が示している基本的な事業内容,さきの代表質問の中でも,いわゆる利用定員が10人ぐらいとか,あるいは中期程度の痴呆性の人が対象であるとか,そういう説明がありましたけれども,さらに加えて,特徴的な事業内容について説明をいただきたいと思います。  あわせて,本市として来年度予算化されているわけですけれども,具体的な実施のスケジュールについて,明らかにしていただきたいと思います。  あわせて,年明けてからも,「痴呆老人と職員が共同生活,グループホーム続々開設」という札幌近郊の新聞報道なんかがあるわけですが,現在,民間ベースで設置をされているグループホーム事業の実態などについて,把握している範囲で説明をいただきたいと思います。  次に,2点目になりますが,先ほど来,いろいろ議論されているわけですけれども,高齢者保健福祉計画について,既に3年がたって,後半の,いわゆる4年目に入るわけで,そういった点で,我が会派の代表質問の中でも,この進捗状況について質問をしてまいりました。在宅サービスについては,平均して大体6割ぐらいの進捗状況と,そういう話があったわけですけれども,いわゆる3本柱について,それぞれどのような実態になっているのか。具体的に,グループホーム,デイサービス,ショートステイのそれぞれの進捗状況について,既に何人かの方から具体的な話も出ていますけれども,改めて確認をしていただきたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  1点目のグループホームの基本的な事業内容でございます。  委員ご指摘のように,定員が9人以下というようなことは,これまでもいろいろな場で申し上げてきております。利用の対象は中期程度の痴呆性高齢者ということでございまして,おおむね身辺の自立のできる,そんなに重くない方ということだと思います。設備といたしましては,個室と相互交流ができるような場との両方を持っていなきゃならないということでございまして,ケアは,あくまでも,利用者がスタッフと一緒になって自主的に行動できるという,そういうことを特徴としている施設でございます。  次に,本市のこの取り組みに対するスケジュールでございますが,今,国に対して指定の申請をしている,そういう段階でございます。具体的なスケジュールを云々ということはなかなか難しい状況でございますが,できればということでお話をさせていただくと,10月ころと申しますか,秋口ぐらいまでには何とか指定も得られて,実施もできてというのが望ましいというふうに考えております。  次に,民間ベースで設置しているところの状況でございます。  現在,私どもの掌握している施設としては,平成7年3月から,南区で老人保健施設が母体となって実施をされている施設が1カ所ございます。そのほかに,ことしの3月から,東区で1カ所開設をする予定だという情報も得ております。そのようなことで,予定の部分についてはちょっと未定でございますけれども,今,掌握している内容は,以上でございます。 ◆小野 委員  痴呆性高齢者向けグループホームは,国が導入しようとしている,いわゆる介護保険制度の対象サービスになっているわけで,新聞報道なんかでは,札幌市内は,今ご説明があった東区の予定を含めて2カ所ですが,江別あるいは当別でもそういう事業が展開されていると。  来年度,国の方も全国25カ所で,北海道では札幌市を除いた3カ所の要望を出しているという話も伺っているわけです。いずれにしても,最近は,グループホームに関する講演会なども開かれまして,非常に多くの参加者が会場あふれんばかりに来ていますし,そういう面では,民間ベースでもどんどん取り組まれてくると思います。  それで,ぜひとも10月ごろに具体化をしたい,実施をしたいということでありますけれども,その準備の過程,あるいは具体的に実施している中でのいろいろな検証,検討を進めていただいて,この事業がより前進するように努力をしていただきたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  どうも失礼いたしました,答弁漏れでございました。  計画の進捗状況についてでございます。平成8年度末の見込みと9年度予算の対比で申し上げます。  ホームヘルプサービス事業が32.3%から50.3%へ,デイサービス事業が72.4%から81.6%へ,ショートステイ事業が81.6%から93.9%へという進捗状況でございます。  以上です。 ◆小野 委員  今,質問の方に頭がいっぱいで,申しわけありませんでした。  今,在宅サービスの3本柱であるそれぞれの事業の進捗状況の説明があったわけです。デイサービスとショートステイは,残りあと2年,来年度を含めて3年ですけれども,そういった中で100 %の達成は可能かなと思うわけですが,肝心のホームヘルプサービスが,昨年32.3%から50.3%に大きく伸びたわけなのですけれども,それであっても,計画のまだ半分なわけですね。残りあと2年間で,達成が可能なのかという心配があるわけです。  従来から,福祉マップというのがありまして,常々言われて耳の痛い話かと思うのですが,ホームヘルプサービスの利用率が,全国の都道府県,政令市合わせて59ぐらいですか,その中で札幌市が最下位であると,そういう指摘があって,それに対して,私が選挙に出る以前の段階なんかでも,ニーズにはこたえているのですと,こたえながらやっていますと,問題なのはニーズの掘り起こしですと,そういうような話もされてきたことがあるわけなのです。  先ほど,山口委員の質問の中でも,地域的なアンバランスがある,あるいは地域の体制,システムとの関係があるのではないかという指摘もあったわけですが,いずれにしても,前年に比べて56%増,458 人が計画されているわけですけれども,それはそれなりの理由といいますか,背景があろうかと思うのです。ホームヘルパーをこれだけ増員をしなければならないという,そういう背景があると思うわけですが,その点について,どういう認識を持っているのか説明をいただきたいと思います。  そういった中で,先ほど来,言われているわけですけれども,平成9年度,いわゆる来年度末の段階でもまだ50.3%という状態の中で,計画達成が可能なのかということについての決意のほどをお聞きしたいと思います。  それから次に,こういった計画を達成するためにも,相当数のヘルパーの確保,これは常勤とかパートとか,いろんな議論がありますけれども,いずれにしても,マンパワーの確保が必要になってくるわけで,そのための養成といいますか,研修体制が一体どうなっているのかということについてお聞きをしたいと思うのです。  今,在宅福祉サービス協会の方で,ヘルパーさんとして働いていただくことを前提にして研修をしているわけですね。研修には非常に希望者が殺到して,ある面では必要性の高い人から,30人ぐらいずつ定員を絞って研修をされているわけですけれども,まだまだ不十分な点があろうと思います。二十四軒のあそこの小さな会議室でやっていらっしゃるようですけれども,来年度以降,これをどのように強化をしていこうとしているのか。今後の充実策についてお聞きをしたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  1点目のヘルパーの大幅な増員について,50.3%という目標を掲げたわけですが,この増員理由の点でございます。  端的に申し上げて,派遣世帯が大幅に増加をしてきております。ちなみに,平成8年3月の派遣世帯は1,001 世帯でございました。それが,平成9年1月末では1,434 世帯というように増加をいたしております。このように,派遣世帯数が急激に伸びてきているということが,ヘルパーさんの数を増強している大きな理由でございまして,今後ともこの傾向は続くのではないかと。  派遣世帯数が伸びている要因としては,公的介護の問題だとかなんとかという,いろんな情報が提供されていることもございますし,諸般の事情でこうなってきておりますので,今後もこの傾向は続くという想定のもとに,今,ヘルパーさんの増員を考えているところでございます。  目標達成の見通しでございますけれども,今後とも最大限の努力をして,需要の増大に対応していきたいと,目標達成に向かって努力してまいりたいというふうに考えております。  次に,ヘルパーさんの養成研修の今後の充実策ということでございます。  現在,サービス協会で,2級研修という形でヘルパーさんを研修しております。平成5年度から7年度の間でも,503 人が研修を終えております。平成8年度についても,162 人ということでございまして,今後とも需要に対応するためには,養成を強化してまいらなきゃならぬと思っています。  強化策としては,一つは,やはり研修の回数をふやすことだと思いまして,平成8年度の5回という実績に対して,9年度は10回ぐらいに養成回数をふやしたい。同時に,研修の施設も充実をさせたい。具体的には,在宅サービス協会の本部機能を,旧市立病院の跡にリンケージプラザということで利用される施設がございますが,そこに移転することになります。それに伴いまして,専用の介護実習室,研修室を整備して,そこで研修をやっていきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆小野 委員  一つは,ニーズ対応してきたと言うけれども,どんどんニーズがふえてきていると。なおかつ,ニーズの掘り起こしというという点では,地域的なことも含めて,先ほど山口委員のご指摘も含めて,まだまだ検討課題があろうかと思うのです。  それから,ヘルパーの養成研修の充実策についても,ぜひ強化をしていただきたいと思うわけです。ただ,いずれにしても,せっかく研修を受けて養成された,2級ヘルパーとして資格を持った人が,本当にヘルパーとして働いていただけるかどうかという点でいえば,就労条件といいますか,労働環境がやはりきちっと整っていかないと,だめだと思うのです。  私も,昨年の3定で,特に在宅介護支援センターで働いているパートヘルパーの方,在宅福祉サービス協会であれば常勤とパートが1対1ぐらいですが,介護支援センターの場合には1対10,中には1対20何ぼというところもあるわけですね。そういった中で,パートヘルパーさんが,パートタイム労働法で定める就労条件が満たされていないというか,守られていない状態の中で働いているという問題を含めて,調査なり指導について要請をしてきたわけです。  そういったことも含めて,運営主体,あるいは具体的にヘルパーを派遣する事業主体というのは,さまざまな形があると思うのですけれども,実施の主体というのは札幌市,いわゆる行政ですから,そういう意味での責任を果たすよう,努力をしていただきたいと思います。  それから,先ほど来,常勤とパートの組み合わせの議論なんかもいろいろあったわけですけれども,これからケアプランなんかが作成されてくると,いろんなマンパワーの組み合わせが出てくると思うのですね。1週間なり24時間のケアのプランを立てる場合に,有資格者が専門職として活躍できるように,家事型と介護型とがあるわけですけれども,有資格者をきちっと介護型の中心として位置づけたり,例えば,福祉のまち推進センターの活動内容として,家事援助,掃除とか外出援助,そういったものが,ワーカーズの人たちの活用だとかを含めて紹介されているわけですが,そういうこととか,あるいはチーム編成を行うとか,さまざまなことを検討していかなければならないと思うわけでして,それらのことも含めて今後のご努力を要望しまして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆宮村 委員  私は,在宅福祉サービスの一つであります在宅介護支援センターにつきまして,質問をいたしたいと思います。  本市は,地域住民へ身近に総合的な介護情報の提供ができる体制を整備することを目的にしまして,高齢者保健福祉計画において,平成11年度65カ所の設置計画を打ち出しております。  この介護支援センターの業務内容は,運営事業実施要項によりますと,介護に関して24時間体制で相談・助言を行うこと,公的サービスに関する周知や利用の啓発,各種保健・福祉サービスの適用への関係機関との連携・調整,福祉用具の展示や使用方法の指導などがあります。このような在宅介護に関しまして,幅広い役割を担います機関として位置づけられているわけですが,今後,ますます進む高齢社会にありまして,重要な役割を果たすことは間違いないと思うわけでございます。  しかし,住民の介護支援センターに対します認識度というのは,いまいち低い状況にあるのではないかというふうに推察しているところです。恐らく,介護サービスを直接提供するホームヘルプサービスやデイサービスと異なりまして,相談や連絡・調整を主たる業務とするために,市民にはどうしても見えにくい存在であると,そんなふうに見えるのではないかと思います。今後は,まさに連絡・調整の機能・機関の一層の充実というのが,在宅福祉にとっては欠かせないと,そのように考えております。  現在,国会で審議されておりますこの介護保険制度のサービスの一つとして,要介護者に対する介護内容を,介護にかかわる人だれにでもわかるよう計画する,今も論議されておりました,いわゆるケアプランの作成が位置づけられておりまして,支援センターは,その作成機関として期待されているように思います。  そこで,1点目の質問でございますが,介護支援センターの現在の事業の実績について,どのような状況になっているのか。また,現段階において,市は,介護支援センターの活動について,どのように評価されておられるのか伺います。  2点目としましては,平成9年度予算における計画達成率は53.8%となっており,なかなか厳しい状況にあると思うわけですが,目標とする65カ所の整備の達成見込みについて伺いたいと思います。また,平成9年度に設置予定の在宅介護支援センターで決まっているものがありましたら,区別開設箇所数をお聞かせ願いたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  介護支援センターの事業実績と,活動の評価でございます。  事業実績でございますが,7年度末で設置箇所は14カ所でございます。7年度中の相談実人員は,合計で6,700 人ということでございます。平成6年度に比べまして,約2倍という相談実績になっております。  相談の内容といたしましては,ホームヘルパーやデイサービスのいわゆる在宅福祉サービス関連の相談とか,介護方法に関する相談というようなものが主な内容でございます。  介護支援センターの評価でございますが,今申し上げたように,相談人員の伸びからも推測できるのですが,介護を要する高齢者や家族の方の中に,徐々に介護支援センターというものの存在が浸透し,理解されてきているというふうに評価をいたしております。  次に,在宅介護支援センターの計画達成の見込みでございます。  8年度は,予算のとおりの9カ所を開設いたしました。9年度は,12カ所の開設を計画いたしております。この時点で,ご指摘のように,53.8%の達成率になります。今後,残る30カ所の設置に向けて最大限努力をし,計画達成に向けて邁進したいというふうに考えております。  今年度の支援センターの設置場所でございますが,9年度の開設12カ所のうち,特別養護老人ホームとホームの新規開設等に伴うものが,このうち7カ所ございます。この7カ所の区別の状況といたしましては,豊平区に2カ所,そのほか,中央,北,東,白石,西,この5区に1カ所ずつ,それで都合7カ所という配置を考えております。12カ所のうちの残る5カ所につきましては,区における配置バランス等を考慮しながら,今後,決定をしていきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆宮村 委員  ただいまの活動状況について,大変利用状況が伸びているとのご報告でございましたし,また,目標達成に向けての今後の取り組み方につきましては,理解したところでございます。  私,今後は,今以上に支援センターが地域に根を張り,積極的に地域をサポートするという役割を果たすことが重要であり,これが来るべき介護保険制度の時代にも対応していけるものと考えますし,また,現在,市が検討されている保健福祉センターが,地域との連携を強化させるという観点からも,また,よりきめ細かい福祉サービスを展開するためにも,介護支援センターを高齢者福祉における地域の核として活用すべきと考えております。
     そこで,次の質問でございますが,介護支援センターの役割と今後の方向性について,介護保険制度の導入にかかわる支援センターに期待することも含めて,市としての基本的な認識を伺います。  次に,介護支援センターの地域での具体的活動を考えた場合,住民の介護ニーズに関する情報をどのようにきめ細かく収集するか,課題であろうかと思います。ただいまも,ニーズをどのように掘り起こすかと,そういったこともございましたが,現在,市は,福祉のまち推進センターの設置を進めておりまして,その活動は,だれもが安心して地域で暮らせる地域社会づくりを目的としているところであり,民生委員も,その主要な構成メンバーとして,地域の高齢者を見守り,活動をなさっていると理解しております。  私は,福祉のまち推進センターの活動の中で支え切れない,介護が必要になった高齢者のニーズに対応するために,福祉のまち推進センターと地域の介護支援センターが,積極的に連携を図るべきであると思いますし,そして,介護支援センターが,関連機関と調整を図りながら,具体的な福祉サービスに結びつけていくことが期待されると思います。それが,福祉のまち推進センターの自立的活動を意義あるものとして位置づけることになると思うわけでございます。  そこで,もう一つ質問ですが,福祉のまち推進センターと介護支援センターとの連携を積極的に図るべきであろうと思いますが,市のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  介護支援センターの役割と今後の方向性ということでございます。  介護支援センターの今後の方向性につきましては,今後,要介護の高齢者のサービスに対するニーズが,量として拡大し,質としても変化をしてくるのではないかと思います。そういう中で,需要と供給の調整ということが,社会の機能として求められているというふうに思っております。それは,国の介護保険制度におきまして,いわばケアマネジメントというふうに表現されていることが,そのことでないかと思います。そんな中で,今後,介護支援センターは,ケアマネジメントの機能を担っていく大きな役割を持たされていくのではないかなというふうに,私は思っております。  次に,在宅介護支援センターと福祉のまち推進センターとのかかわり,関連でございます。  今後,福祉のまち推進センターの地域活動という中で,高齢者にかかわる活動が多くなってくるのでないかというふうに思います。その際に,在宅介護支援センターもやはり地域活動をするわけでございますから,そういう意味で,これらの二つの機能が連携をして積極的に進められるということは,地域の福祉ニーズに対応する上で非常に有効であるというふうに思っておりますので,介護支援センターの,そういう意味での役割も充実されていくというふうに考えております。  以上です。 ◆宮村 委員  最後に要望でございますが,在宅介護支援センターに期待されているものは,非常に大きいものがあります。それゆえ,センターみずからの努力もさることながら,本市としましても,65カ所の計画達成と,センターが期待される役割を十分に担えるよう,先ほどの福祉のまち推進センターとの連携など,多様な方法により,市民が安心して地域で介護を受けられるよう,それぞれの仕組みや連携の成熟に積極的にかかわっていくことを要望いたしまして,終わりたいと思います。 ◆伊与部 委員  私は,特別養護老人ホームに関連する問題で,数点お尋ねいたします。  昨年,厚生省の岡光事務次官が逮捕されました。彩グループの小山代表も逮捕された。私は,あのマスコミ報道をずうっと見ていまして,札幌にも同じような特別養護老人ホームがあったなという実感を持って見ていました。  田中助役が,財政課長のときに,一番後ろに座っていて私の議論を聞いていたから,今だんだん思い出すと思うのですが,昭和54年5月から私が出てきて,そのときにできたのが東区の大友恵愛園です。東区北17条東5丁目,この大友恵愛園は,土地が5,740 平米,坪に直すと約1,700 坪,札幌市の土地を,市民の財産を30年間無償で貸すと。建築費については,皆さんご案内のとおり,半分以上,国と市の補助金,しかも,当時は大友建設というのがあって,大友省吾さんという理事長が実質的に会社の代表者だった。自分が発注して自分が落札した,そして,ほとんど国と市の出した補助金で建設をした。だから,土地はただ,建設費は国と市の補助金で建てたから,ほとんど金を使っていない。  あげくの果てに,この大友省吾さんという理事長は指定寄附をしていた,共同募金会に。幾らしていたかというと1万円した,指定寄附ですよ。税金逃がれで1万円指定寄附して,2,000 円控除されて8,000 円バックした。すなわち,2,000 円であの大友恵愛園ができたと言っても過言でない。だから,私は,彩グループを見て,ああ,これは札幌にも適合するなと。  当時,大友恵愛会の理事は,厚生大臣だった斉藤邦吉さんも理事になっていた。国会議員も二,三人入っていた。当時の札幌市の助役も理事に入っていた。そういうことで,あの大友恵愛園は今まで約18年間やってきた。30年間,無償で土地を貸していたわけだ。永久に貸しているのと同じみたいなものですよ。私,ここに契約書を持っていますけれども,30年済んだら,また1年繰り越しに,協議してやりましょうと,こういうことですから,これは永久に土地を貸すと。  そこで,札幌市の財産を無償で貸して,一銭も入ってこないわけですから,今,ほかの老人ホームを建てる場合は,みんなやっぱり自己資金で土地を買って,そして建てる,これが通常のパターンじゃないですか,はっきり言って。私は,田中助役の最後の置き土産として,これはやっぱり売るか,貸すかすべきだと。30年間も無償で貸す必要はない,率直に言って。これは,札幌市民の財産を無償で貸していた。大友恵愛会なんていうのは,金が余って大友財団までつくっている。札幌市の助役まで財団の理事になっている。いまだに,大友恵愛会の理事には元助役がなっているし,一方,大友財団の理事にも,現職の助役がなっている。そういうシステムの中で,金がないとは言わせない,金はあるのだから,札幌市の財産を買ってもらえばいいじゃないですか。そして,もっとそれを有効に使えばいいじゃないですか,ほかに。  同時に,ほかの老人ホームに,園長だとか施設長だとかということで,皆さんの先輩がみんな行っているのだ。ところが,大友恵愛園には,私の知る限り,昭和50年当時の議会事務局長が行った,一,二年で,やめたかやめさせられたかわからないけれども,次に建設局の管理部長が行った,これも二,三年で,やめたかやめさせられたかわからないけれども,いなくなった,しかも,今度は吉川部長の先輩である白井さんが,専門家として入っていった。これも,やめたかやめさせられたかわからないけれども,いなくなった。札幌市民の財産を30年間も無償で貸して,そして補助金を出して,措置費も出して,そしてやっている,そういう施設に行けば,部長といえば最高の指導者でしょう。指導者が行っても,みんなもういなくなっちゃうのだから。民間では使いものにならないのですか,一列目に座っている人たちは。どうしてこういうふうになるのか,どう受けとめているか,これをまず一つ,はっきりけじめをつけていただきたい。  それから,三つ目に聞きたいのは,最近の老人福祉施設の設置状況を,ちょっと明らかにしていただきたいと同時に,参考にお聞きしますけれども,7年度,8年度,9年度,9年度はこれからですけれども,新しい法人はどういうふうにできてきたか。新しい法人,これをひとつ,7・8・9年度,どういう法人ができてきたか,できようとしているか,ちょっと明らかにしてください。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  7・8・9年度における老人福祉施設の設置状況,新しい法人ということでございます。特別養護老人ホームで申し上げます。  7年度,新築をされている特養は1カ所でございます。これは,新しい法人で,法人設立をしてやっておりまして,社会福祉法人秀寿会という会が建築しております。8年度は,新築3カ所でございます。新しい法人がやりましたのは,社会福祉法人西平和会と,同じく社会福祉法人百合の会というのが新しい法人で,3カ所のうち2カ所でやっております。次に,9年度は,新築3カ所でございまして,新しい法人が手がけているのは,久里の丘福祉会という社会福祉法人でございます。  以上が,法人の設立状況でございます。  1点目の大友恵愛会と札幌市の土地の貸借関係について,説明をさせていただきます。  札幌市と大友恵愛会とは,昭和54年7月25日に,契約期間を30年間とする土地の無償契約を締結いたしております。この契約には,解除条件として,札幌市の自己利用の場合及び大友恵愛会の契約違反の場合,この2項目に該当する場合には契約を解除するという契約条件になっております。  以上,大友恵愛会との土地の関係の契約状況についてご説明いたしました。  OBも何人か行って,入れかわりがあったということでございます。まことに申しわけないのですが,私,その辺のことを,ただいま調べてきておりませんので,どういう状況であったのかご説明できません。申しわけございません。 ◆伊与部 委員  助役,やっぱりこんな答弁を部長にさせたらかわいそうよ,本当に。  皆さんの仲間が3人も,優秀な部長職や局長職が行って勤まらないなんていうことは,あり得ないのだわ,何かの事件がなければ。私が推測するのは,やっぱり皆さんたちの仲間が行って,まじめに,社会福祉法人とはこういうものだと,措置費をこういうふうに使って,こういうふうにお年寄りのお世話をするのだという一つの基準があるわけだから,それに基づいてしっかりやりなさいと言ったら,大友省吾理事長は,そんなことやっていられないと。金もうけできる場所でないのだから,ここは。公益法人,社会福祉法人なのだから,措置費をもらって,きちっと措置していれば,何もないのですよ。  それで最後に,助役,やっぱりしっかり答弁しないと,かわいそうですよ,吉川部長に答弁させるなんて。  それで,土地の問題も含めて,札幌市は,今,財源がなくて一番困っているのだから,無償で貸す必要はないから,それを処分して,何かに使いなさいと言っているのだよ,僕ははっきり言って。何で無償でもって30年間も,永久にああいうところに,200 床のベッドがある,あそこは日本一なのだから,日本でもって,200 床のベッドあるところはないのだから。それも,いろいろやっぱり政治的な背景があったのでしょう,土地を無償で貸す。そういう状況の中で18年たったから,もうそろそろ,今の部長が答弁するような事務的な,豆腐切ったような答弁じゃだめだ。もっと政治的な判断をして,社会状況にマッチした行政指導をびしっとやらないと,だめですよ,はっきり言って。  そこで吉川部長,秀寿会の理事は6名以上いると思うのだけれども,理事の名前をちょっと明らかにしてください。  それと二つ目は,秀寿会の設立当時の収入と支出,これをちょっと明らかにしてください。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  秀寿会の役員構成を申し上げます。  理事長さんが小西政秀さん,それから理事の方,年齢はちょっと記載されておりませんので,申しわけございません。  理事長,小西政秀さん,理事の方が堀北朋雄さん,西川幸子さん,小西政幸さん,慶松千代子さん,それと守屋友博さんということでございます。  それから,収入支出の関係でございます。秀寿会の建設時における収入の合計は,決算で10億9,590 万3,715 円ということでございます。支出も同額でございます。  収入の内訳も必要でしょうか。  収入の内訳としては,補助金収入6億3,505 万円でございます。そのうち国が3億6,503 万1,000 円,市が2億7,001 万9,000 円。それから,社会福祉医療事業団借入金でございます,3億2,800 万でございます。寄附金収入でございます,1億3,285 万3,715 円でございます。  以上でございます。 ◆伊与部 委員  それで,今,部長からお話しあった秀寿会の理事6名の中に,小西政秀さんというのは理事長でしょう,息子さんが小西政幸さん,この方は23歳だ。23歳で理事をやっている方はおりますかな,札幌市内の法人の理事で。  けさ,市役所へ来て,法制課長から理事の定義,理事とは何かと聞いた。理事会の理事というのは,最高の権限を持っているのです。その中で,理事長は最高の代表者だけれども,その中で23歳の理事というのは,これは,社会福祉法人法,その他の法律を見ても,少なくとも功成り名を遂げ,しかも社会的にもやっぱりそれなりの知識,人格を持った人が理事になるというふうに明確に書いてある。23歳でも,立派な人はいるかもしれない。しかし,札幌市内に法人幾つあるかわからないけれども,23歳でもって法人の理事をやっている人がいるかどうか,これをまずひとつ明らかにしていただきたい。  次に,今,吉川部長からご報告があった建設時の収入の中で10億9,590 万何がし,その中で,私,今聞いて,耳の錯覚かわからないですけれども,この法人の6人から幾ら出ているのですか。私の調べでは,寄附金の収入は,ほとんど共同募金会を通じた指定寄附なのです。どこから,この法人に対して共同募金会の指定寄附を受けているか,これをひとつ明らかにしていただきたい。  なぜかというと,新聞にもでかでかと書いているけれども,要するに,指定寄附は,寄附する側が寄附先の社会福祉法人と利用目的を指定できる一方,税制上の優遇措置として,その寄附金を決算で損金として扱える制度,これを利用したのが彩福祉グループだ。彩福祉グループは,この制度を利用して,実質的に代表が経営する建設会社などから,やはり代表が理事長の社会福祉法人に寄附をして,税金逃れを図っていた,こういうことなのです。  それで,私は指定寄附,ほとんど共同募金会を通じて,この収入の中に相当,相当でなくほとんどだ,指定寄附されているというふうに受けとめているのだけれども,その実態,内容,どこからどういうふうに来ているのか,これをひとつ明らかにしてください。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  1点目の理事の年齢でございます。  現在,札幌市内の老人福祉関係の社会福祉法人は24法人ぐらいございますが,その理事の方々の年齢構成を見ますと,20代で理事をやっている方が1人,30代でやっている方が2人,残りの方が40代以上という構成になっております。  次に,先ほど申し上げました寄附金収入としてのこれが,指定寄附か何かというご質問でございます。  この点につきましては,法人の設立に際しまして,法人の認可というのは,道の権限でございまして,札幌市は,それの取次事務をやっております。その関係で,いろんな書類を取り次ぐわけでございます。その中には,社会福祉法人設立申請時には,施設建設に必要な財源である寄附金というものの,確実に寄附がなされるかどうかは大変重要なことでございますから,それを証明するために,寄附者と法人との関係の贈与契約書等の書類の取り次ぎをいたします。その書類の中には,寄附金が幾らという額は載っておりますが,それが指定寄附なのか指定寄附でないのかという点については,掲載されておりません。  したがいまして,ただいまのご質問の,この寄附金は指定寄附なのかということについては,残念ながら,承知をしていないということでございます。  以上です。 ◆伊与部 委員  これは大事なことです。さっき,私,読みましたけれども,これが彩福祉グループの大事件になった。  それで,私は,道議会議員を通じて,共同募金会にお尋ねした。10年間ぐらいの資料をとってくれないかと,こう言ったら,7年と8年しかないと,出せないと。しかも,7年,8年のこの指定寄附については,札幌市にやっていると言うのだから,あるはずだ。わからないと言ったけれども,あるはずだ。私,聞いたのだから,道会議員を通じて。これは,文書で公表していただきたい。何も,秘密にしておく必要はない。すばらしいことやっているわけだから,逆に言うと。  これは昭和45年にできた制度ですけれども,やっぱり社会福祉施設は大変だと,資金難で。だから,お金のある人は,ひとつ指定寄附をして,税金逃れになるかどうかはわからぬけれども。税金逃れを図ったのは彩グループで,建設屋からバックさせ,また還流したということでつかまったわけだから。しかし,札幌市の福祉法人に対して,どこからその福祉法人に指定寄附をしているかという一覧表を出してください,7年,8年。どうですか。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  委員のご指摘でございますが,共同募金の取り扱う内容と申しますか,寄附が,指定寄附でございまして,取り決めによりますと,寄附の額が100 万円以上のものにつきましては,中央の共同募金の方で審査をし,100 万円未満のものについては北海道の共同募金会が審査をするというような内容になっているようでございます。  その内容については,共同募金の方では,当然,承知をしているのでしょうが,少なくても私ども高齢化担当のところには,その書類は参っておりませんので,申しわけございませんが,提出できかねます。 ◆伊与部 委員  それは,部長,うそ言っている。共同募金会では,札幌市にやっていると言っている。そして,その公表については,札幌市の判断に任せると言っている。あなた,うそ言っていますよ。  委員長,私こんなの黙って座れない。うそ言っている。持っている。持っていないのか。 ◎佐々木 民生局長  私からお答えします。  高齢化対策推進部は,共同募金会からその書類をもらってはおりません。社会部で,必要があって,見せていただいたということはあります。  ただし,これは,あくまでも必要があって見せていただいたので,その書類の帰属は共同募金会でございますから,その書類の内容をどう取り扱うかにつきましては,共同募金会と私どもが,事情を聞いて対応したいというふうに思っています。 ◆伊与部 委員  局長,私は道会議員を通じて聞いたのだから。情報公開ですよ,まさに。社会部で持ってるか,高齢化対策推進部で持っているか,そんなこと関係ない。札幌市で持っているのだから,札幌市にやっていると言うのだから。それを何で明らかにできないの。どこの会社が,どこの個人が,指定寄附を通じてどこの法人にやっているか,こんなものを公開しなかったら,おかしいじゃないですか。 ◎佐々木 民生局長  伊与部委員はそういうふうに聞いているかもしれませんけれども,私は,そういうふうに共同募金会の了解を得ておりませんから,了解を得て,その後,もしできるものであれば,公表させていただくと。(「委員長,ちょっとすれ違っているから,答弁調整も含め て,ちょっと理事会なり何なり開くようにして,少し休憩したらどうですか。すれ違いになっちゃって,このままいったら,ずるずるなっちゃうから,ちょっとした方がいいと思う。」と呼ぶ者あり) ○千葉 委員長  それでは,答弁調整のために,暫時休憩をいたします。     ───────────────       休 憩 午後9時35分       再 開 午後9時59分     ─────────────── ○千葉 委員長  委員会を再開いたします。  先ほどの伊与部委員の質疑に対する答弁を求めます。 ◎佐々木 民生局長  先ほど要求がございました書類の取り扱いにつきましては,道共募との調整が必要でございますので,時間をおかしいただきたいと思います。 ◆伊与部 委員  私,質問を留保いたします。 ○千葉 委員長  ただいまの発言のとおり,それでは,伊与部委員の老人福祉費にかかわる質疑を保留し,後日,改めて質疑を行っていただきたいと存じます。  それでは,引き続き質疑を行います。 ◆北川 委員  もう大分遅くなりましたので,私の方からは,特養の待機者の問題について,1点にのみ絞ってご質問いたします。  現在,本市の特養施設は22カ所,定員で2,030 人となっているわけですけれども,来年度予算では,新規で3カ所,並びに増築で2カ所,合計2,470 人となっています。  そこで,まず第1点,高齢者保健福祉計画による特養の進捗状況と今後の見通しについてどうか,お尋ねいたします。  次に,先ほど山口委員の方からもお話ありましたけれども,特養の待機者の現状について,2点目にお尋ねをいたします。  特養の待機者の推移とその内容についてが一つ,それから,入所までの平均待機期間の推移,三つ目は,特に長期待機者の現状とその対策をどうしているのかについて,まず最初にお尋ねいたします。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  特養の今後の目標達成の見通しでございますが,特別養護老人ホームの整備につきましては,平成8年度は250 床の整備を図り,また平成9年度においては190 床の整備を図る予定で,国と協議を進めているところであります。したがいまして,これらの整備により,現在の定員数2,030 人が2,470 人となりますことから,高齢者保健福祉計画における特別養護老人ホームの整備目標値2,850 人に対して86.7%の進捗率を確保できる予定であり,目標値の達成は可能と考えております。  次に,待機者の推移でございます。待機者の過去3年間の状況を申し上げます。  平成6年12月,平成7年12月,平成8年12月,各年12月末現在での待機者数は,平成6年507 人,平成7年720 人,平成8年1,256 人でございます。このうち,病院で待機している人は,平成6年については245 人,平成7年については317 人,平成8年は561 人でございまして,また,在宅で待機している人は,平成6年93人,平成7年126 人,同8年247 人でございます。  次に,平均の待機期間の状況でございますが,推移としては,平成6年12月末で6カ月,平成8年12月末で8カ月となっております。  長期の待機の状況でございますが,一番長く待機をされている方は,5年1カ月という方がおられます。この方は,現在,札幌市外の養護老人ホームに入っておりまして,同じく札幌市外の特別養護老人ホームに入所を希望している方ということのようでございます。次に,2番目に長い方は3年8カ月。  それで,待機期間別の待機者の状況でございますが,3年以上の待機者が6人,2年から3年が49人,1年から2年が248 人,1年未満が953 人となっております。  長期待機者への対応策でございますが,本市としては,随時,各区における待機者の状況を把握して,まずは在宅福祉サービスの提供による支援を図り,さらには,入所以外に対応方法がなく緊急を要する場合には,弾力的な対応を行うなど,待機者の実態に即した対応に努めているところでございます。  以上です。 ◆北川 委員  今の答弁でもわかるとおり,年々待機者が増加しているということが,今の数字の中にも随分出ていたというふうに思います。特に,老健施設から特養の方に入ってくる人たちが,この2年間で183 %と断トツですね。  私は,昨年の議会でも言いましたけれども,老健施設が特養の待機場所になっているということも,この数字で明らかになっていると思います。  僕が問題にしたいのは,待機している人たちが,結果的に,特養に入れず,途中で死亡されているケースが随分あるということで,私の方で調べてみましたら,昨年1年間で200 人を超える待機者が,病院か在宅かは別にして,結果的に亡くなっているという事実が一つあるわけです。  1点目,私は,こういう実態は大きな問題だというふうに思いますので,この点についてどう考えているのかお伺いいたします。その上で,先ほどの計画の進捗率では86.7%になっていますけれども,次年度以降,計画の前倒しも含めて,整備を早目にすべきだというふうに考えますが,どう考えますかお尋ねいたします。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  平成8年12月の状況で,待機をしていて亡くなられた方が8人おられます。8人のうち,病院にいた方が6人でございます。同じく,9年1月の1カ月の状況では,27人の待機者が亡くなっておりますが,このうち16人が病院で,9人が老人保健施設,合わせて25人が施設の待機中にお亡くなりになっております。  このようなことで,不幸にしてお亡くなりになった方,状況としては,施設入所の方が多いという状況でございます。  次に,計画の前倒しの点でございます。  早期の推進という意味では,特別養護老人ホームの整備につきましては,国と十分協議をしながら,前倒し等できるだけ早い時期に整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆北川 委員  最後になりますけれども,今回,こういう形で質問を準備した際,各担当者を含めて,過去の累計とか統計の数字について,ほとんど掌握していないことがよくわかりましたので,今後は,適切な福祉サービスを提供する上でも,特養の待機者の中身や対象者の動向についても,しっかりつかんでおくべきだというふうに思いますけれども,いかがお考えですか。 ◎吉川 高齢化対策推進部長  ご指摘のとおり,統計的な実態把握につきましては,十分でない面がございました。今後,待機者の状況等について,適切な実態把握に努めてまいりたいというふうに思っております。  以上です。 ○千葉 委員長  以上で,伊与部委員の質疑保留分を除き,第3項 老人福祉費及び第5款 労働費 第1項 労働費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に,第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆飯坂 委員  生活保護行政にかかわって質問いたします。
     同じ地方自治体でありながら,道と札幌市では対応に著しい格差がありますことから,保護申請に絞って端的にお聞きいたします。  質問の1点目は,申請書の配置についてであります。  保護の申請権は,憲法第25条に基づく国民の基本的な権利であり,十分確保されなければならないと思います。生活保護法による保護は,国民生活最後のよりどころとして,すべての国民に対して等しく保護申請権を認めており,どんな生活状況にある人でも保護の申請を行う権利を有することから,市民が自由に活用できるように,各区のカウンターなどに配置すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。 ◎藤井 社会部長  申請書をカウンターに配置するようにということでございますが,このことにつきましては,まず国の指導におきまして,申請手続に当たっては,本人の事情等をよく聞いた上,申請書を交付し,そして申請手続等についていろいろと相談に乗りなさいと。  本市におきましては,生活保護の相談が大変複雑で,そしてまた,プライバシーにも触れる内容等もございますので,専用の相談室を設けて対応しているところでございます。したがって,申請書につきましても,このような考え方に立ちまして相談室に配置しているもので,今後ともそのように対応してまいりたいと,このように思っております。 ◆飯坂 委員  ただいまのご答弁では,国の通知に基づいて,専用の相談室に置いてあると,こういうことなのですが,道とのかなり著しい格差ということを冒頭申し上げましたが,私が先ほど申し上げましたことは,道が,全道の福祉事務所生活保護現業職員研究協議会及び全道生活保護査察指導会議,こういう会議において,国民の保護請求権に関して指導をしているわけなのですが,その第1番目に,先ほど私が申し上げたことを,道が市町村に対して指導しているのです。  したがって,明らかに保護が必要でないと予想される人からの申請であっても,申請自体をさせない等の対応はあり得ず,保護の要否,要るか要らないかですね,これは,申請を受理した上で,実施機関として決定するものである,こういうふうに道は認識をし,各市町村を指導しているのです。そうした考えに立って,窓口,カウンターも含め,適切な場所に備えるよう説明をして,実際そうなっているわけです。  本市の対応は,著しく申請権を阻害しており,改善が必要と考えますけれども,いかがか。 ◎藤井 社会部長  確かに,道におきましては,私どもが承知しているところでは,二百三十幾つあるわけですから,47市町村がカウンターに設置している,どこがカウンターかということは非常に議論のあるところですが。ところが,実際には,政令都市を見てまいりますと,札幌市と同じ取り扱いをしているところが大多数でございます。 ◆飯坂 委員  道では,カウンターなどに置いて,自由に入手することが可能,こういう対応をしているのです。  既に,全14支庁と,今,部長がおっしゃった47市町村に設置済みと,こういう状況です。  それで,この申請権の問題にかかわって,申請書の次に,受理について質問をしたいのです。道は,個々の申請行為は,たとえそれが口頭であったとしても,その意思表示がなされた段階で,不完全ながら成立すると考えられるため,意思表示を受けた行政庁が,適法な申請となるよう必要な支援を図る義務がある,こういうふうにしているのですね。つまり,電話であっても申請行為が成立する,このようにしまして,あとは行政側が適切な支援をする義務を負う,こういうふうに認識を示しています。  それに比べて本市の場合は,申請書のほかに収入申告書だとか資産申告書,あるいは同意書,扶養義務者届,家賃等の証明書,給与証明書など,何枚もの書類を相談室で同時に渡しており,現実の事例として,精神に障害のある方だったのですが,30分以上座って人と話をすることが困難と,こういう人に対して,その場で書類をいろいろ書かせているわけですね。そうすると,その途中で長いすに倒れ込んでしまうと,こういった事例もあるわけです。本人の健康状況も顧みないこのような受理の対応というのは,即刻改めるべきだというふうに考えますが,今後の対処方針について伺います。 ◎藤井 社会部長  生活保護の申請につきましては,施行規則の中で,申請者の氏名及び住所,そのほかに要保護者の氏名,性別,それから生年月日,そして保護の開始を必要とする理由,それらの記載で受理はすることになりますが,保護の判断をするに当たっては,収入だとかいろいろなことを聞くのは当然でございまして,保護の決定の際に必要なものでございますから,例えば,今おっしゃった資産申告書であるとか収入申告書などについては,申請する側にとっても,またそれを審査する側にとっても必要なものでありますから,ひとつご理解をいただきたいと思います。 ◆飯坂 委員  添付書類が必要でないということを,私は言っているわけではありません。  実際に必要な方,そして本当に生活に困窮している方が来るわけですから,そのケースケースいろいろありますけれども,困って訪ねてくるわけですよね。それを,本市の場合は,まずは相談室という専用室に入っていただいて,そこで相談を受けるというふうに言いながら,制度の説明。これが必要ないとは私は言いませんよ,いろいろお話しするのはいいのですが,先ほど言いましたように,道では,不十分だけれども,電話でも申請の意思ありというふうに認めて,そのフォローを職員がやる。こういう対応に比べてみますと,うちの場合は,いろいろ添付書類も含めて制度を説明し,書類を渡して,本当であれば,申請書だけでも当然開始できるわけなのだけれども,それを全部そろえなきゃだめなように思っておられる市民の方もいらっしゃるし,決してそういうふうに指導はしていないとおっしゃるかもしれないけれども,一々紹介しませんが,申請に行った日にすぐ申請書を受け取ってもらえたという例が少なくて,二度三度足を運ばなければ,なかなか受理をしていただけない。これは,冒頭申し上げました市民の申請権を阻害していることになっていると思うのですよね。  ですから,適当でない人に出せとか,そういうことを言っているわけじゃありません。申請をいただいた上で,行政が,プロとしていろいろ調べて適切な方に支給する,これは法のもとでは当たり前のことですよ。しかし,申請権というのは,先ほど道が言ったように,どんな人でも持っているのだと。そういう観点からいうと,二度三度足を運ばなければ渡さないという今の札幌市の対応は,保護法からも逸脱しているのじゃないですか。厚生省の通知に基づいてとおっしゃるかもしれないけれども,実際に道は,基本的人権の尊重という立場から改善を図っているわけですから,この点については実例をいろいろ聞いていますので,改善が必要だというふうに思いますが,いかがでしょうか。 ◎藤井 社会部長  何度も足を運ぶというようなお話がございましたが,先ほども申し上げましたように,生活保護の相談にはいろいろ深い内容のこともございますし,そして,申請の意思のある方について,何らの事情もないのに相談だけで終わるということは考えられませんし,仮にあったとすれば,多分何か事情があったのではないかと,このように思っております。 ◆飯坂 委員  申請自体をさせないという対応はあり得ずと,道は言っているのですよ。いいですか。  市がやっているのは,申請意思を確認してからでなかったら申請書を渡さないと言っているのでしょう。私は,適格でない人に保護を出しなさいとか,そんなこと言っているのじゃないのです。申請書を出すこと自体は,すべて国民に等しく与えられた権利なのだと,一番最初に言ったでしょう。その上で,不適切な人には出さないと,これは当たり前ですよ。しかし,今の本市のやり方というのは,その基本的人権を侵害しながら,事前指導はしないと言いつつも,助言,アドバイスという言葉を使い,実際は「あんた,もっと働きなさい。息子はアルバイトさせなさい」,ケースワーカーなどが冷蔵庫をあけて見て「これなら餓死しないな」と,人権侵害もいいところですよ。  ですから,本当に保護行政として,市民の立場で親切に対応をしていくというのであれば,申請書の配置及び受理の仕方について改善すべきだ,このように思います。  なお,市の行政の改善とあわせて,末端での窓口の職員の対応,これが決定的なわけです。人事異動でいろいろな方がケースワーカーというか,保護業務に携わる場合が多いかと思いますが,これらの職員に対する研修について,どうなっているのかお聞かせ願いたいと思います。 ◎藤井 社会部長  生活保護事務にかかわる職員の研修についてでございますが,専門的知識あるいは技能の習得はもとより,より豊かな人間性の涵養を目的としての研修も実施しているところでございます。  研修内容といたしまして,例えば,民間の研究所の方を講師に招いて「人を知り,市民をよりよく知るために」とか,あるいは「市民とよりよい関係を築くためには」ということで,いわゆる人間性の涵養といったものを目的として,研修を進めているところでございます。  生活保護の仕事は,人と人のつながりと,これに基づく信頼関係の上に立っているわけでございますので,このためにも相手の痛みを知り,人間性を尊重する気持ちが何よりも大切であると,このように考えております。  今後とも,職員研修につきましては,特にそういった面に配慮をして,なおさら研究しつつ,研修を充実させていきたいと,このように思っています。 ◆飯坂 委員  専門性と人間性の両方が要求される職種だというふうに思うわけですね。本当に親身になって困っている人たちの相談に乗る,すばらしいケースワーカーの例を私も聞いております。しかし,私の事務所の方にも,いろいろと対応につきまして,ここで一々申し上げませんが,人権侵害の言動をされたということで,こんな思いをするぐらいだったら,もう保護にはお世話になりたくない,こういうことも,残念ながら札幌市でもやっぱり聞かれるわけですよね。  ですから,そういう点で,先ほどの憲法や保護法に基づいた人権尊重の立場での行政の改善とあわせて,職員の対応についても,今後,一層改善を図っていただきたい。また,今後の機会に,その推移を見ながら質問をさせていただきたいと思いますので,きょうはこれで終わります。 ○千葉 委員長  以上で,第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  次に,第5項 国民年金費及び第6項 医療助成費の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。  次に,議案第6号 平成9年度札幌市国民健康保険会計予算及び議案第23号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案について,一括して質疑を行います。 ◆大西 委員  私は,本市の国保会計について,数点質問をしたいと存じます。  本市の国保会計は,ご案内のとおり,急速な高齢化社会,そして医療費の増嵩,また景気の低迷,こういったことから滞納者がふえていると,こういうふうに聞いてございまして,依然厳しい会計状況になっていると,こう認識をいたしております。  本市としても,職員一丸となって,とりわけ収納対策に全身全霊の力を傾けて頑張っておられるわけでありまして,心から敬意を表したいと思います。しかし,この国保会計の問題については,保健医療部の問題だけではなくて,全庁的に取り組んでいかなければならない課題だと,こう認識をいたしてございます。  そこで,端的に3点,回答を求めたいと思います。  一つは,現時点での収納状況はどのように推移をしているのか。また,収納率は昨年比較でどのようになっているのかお伺いします。  第2点目に,平成8年度決算は,平成9年5月末に行われるわけでありますが,収納状況はどのようになると予想をしているのかお伺いをいたします。  第3点目に,遡及賦課の影響についてであります。  国は,新規加入者の場合,届け出がおくれて加入した人については,事実が発生した資格取得日にさかのぼって保険料を徴収するようにという指導がございまして,本市においても,これに基づいて,平成8年4月から,従来,遡及月数1カ月であったものを24カ月,すなわち2年にしていると聞いてございます。  こうなりますと,保険料が2年分,現年度も含めますと3年分になるわけでありますが,まとめて支払わなければいけないと,こういう取り扱いに変わっているわけでありまして,このことによる収納率の低下というのは,本市の収納率に大きく影響してきているのではないかと,こう考えているわけでありますが,この状況についてお尋ねをしたいと思います。 ◎佐藤 国保収納担当部長  まず,第1点目の現在の収納状況についてということでございます。  1月末現在での収納額は,前年同期より6.31%,額にいたしまして11億5,000 万円の増額となっております。賦課額につきましては7.95%,額にいたしまして22億9,000 万円の伸びとなっておりますことから,収納率では62.75 %と,前年同期に比べまして0.98%の減という状況でございます。  また,口座振替の加入状況についてでございますが,現在の加入率は41.58 %,前年同期より1.98%の増という状況でございまして,加入世帯は8万9,551 世帯,前年に比べまして8,206 世帯増となってございます。  次に,2点目の平成8年度の決算見込みということでございますが,賦課額につきましては,前年に比較いたしまして8.19%,額にして23億円の増で,304 億円程度になるだろうというふうに考えております。また,収納額につきましては5.88%,額にいたしまして14億円増の252 億円程度になるのではないだろうかと,このように考えておりまして,最終の収納率につきましては83.41 %程度と,前年に比べますと1.8 から2%程度下回るのではないかだろうかと,このように考えております。  収納率がこのように大きく下回る要因といたしましては,特に平成8年4月から実施いたしました2年遡及賦課によりまして,全体の収納率を引き下げているものと考えております。  なお,遡及賦課分を除く収納率といたしましては,前年を若干上回るのではないだろうかと,このように考えております。また,口座振替率につきましては,42%を超えることができるのではないだろうかと,このように思っております。  いずれにいたしましても,厳しい状況ではございますが,いろいろな手法をとりながら,現在,増収に努めているところでございます。  次に,第3点目の遡及賦課の影響ということでございます。  現時点での新規加入世帯は2万8,327 世帯でございまして,そのうち38.7%に当たる1万963 世帯が遡及賦課世帯でございまして,遡及賦課額は7億7,000 万円,その収納率は23.5%,額にいたしまして1億8,000 万円と非常に低く,このようなことが収納率に大きく影響しているものと,このように考えております。  なお,他の政令市の状況についてでございますけれども,大阪市を除く11市が8年度中に2年遡及を実施いたしておりますし,他の政令市におきましても,遡及賦課が収納率に何らかの形で影響していると,このように伺っております。  以上でございます。 ◆大西 委員  今,お聞きをいたしますと,収納状況は,昨年よりもさらに悪く推移をしているというふうにお聞きをいたしました。このままで行きますと,平成9年度の予算は昨年同率でありまして,88.80 %を達成したいと,こういうことでありますが,状況としては,大変厳しいというふうに予想されると思うのであります。  収納対策は,いろんな原因,要素が加わって収納率が上がらないということになっているわけでありまして,したがって,総合的な観点から収納対策をするということも,大変大事なことであると私は思いますけれども,例えば単身世帯について調べてみますと,収納率が大変悪い。全体の未納世帯が,単身者の場合は52.21 %,未納額では46.75 %,中でも所得が175 万円以上300 万円以下の階層では,収納率が70%を下回っていると,こういう状況になっているわけであります。そして,単身世帯の多くは,いわゆるフリーターと言われ,勤務先もつかめない。休日・夜間に訪問しても,折衝困難な状況にあると,こう聞いているわけであります。  したがって,総合的な収納対策をすることも大事だと思いますけれども,少しくポイントを絞って,例えば,平成9年度の場合には,単身世帯に重点を置いた収納対策をしてみるというような視点も大変大事でないかと,こういうふうに考えてございます。そこで,単身世帯の平成7年度における分析の結果について,どういう状況になっているのか,詳しくお聞かせをいただきたいと思います。  第2点目,遡及賦課の取り扱いについてであります。  遡及月数を24カ月,2年にしたことによって,収納率に悪影響を与えているということは,私は大変重大だというふうに思います。しかも,全24カ月の保険料を一括して払うということは,大変困難であります。  例えば,私は現在,国保加入者でありまして,最高額の50万円を年間納めているわけでありますが,遡及24カ月ですから,途中で加入した場合には,2年間さかのぼって100 万,そして,現年度の50万円を足すわけですから,150 万円をこの1年間に払わなければいけない,これが遡及賦課というものであります。  したがって,これは国の指導でありますから,本市としても,それを無視するということはできないと思うのでありますが,この支払い方法などについて,十分本人と相談をされて,ケース・バイ・ケースで,支払い可能な範囲で収納を図っていくということが私は大変大事だろうというふうに考えますが,この点について,見解をお伺いいたします。 ◎佐藤 国保収納担当部長  第1点目の単身世帯の分析についてということでございます。  年齢段階別の収納率で見ますと,20代が約49%と最も悪い状況でございまして,次いで30代が57%,40代が66%となってございます。  また,大西委員のご質問にもございますように,滞納世帯の52%に当たる2万2,646 世帯が単身世帯でございまして,その40%に当たります9,453 世帯が保険証を一回も使っていない世帯でございます。そのほとんどが,全く保険料を払っていただけないという状況でございます。さらに,この15%に当たる世帯が3,408 世帯でございますが,この世帯が1年以内に資格を喪失していっている,こういう状況でございます。  次に,2点目の遡及賦課の取り扱いについてでございますけれども,ご指摘のとおり,8年4月から実施後,届け出がおくれて,遡及賦課により保険料が高額となるわけでございますので,加入時に必ず納付相談を行い,保険料の納付時期,あるいは分割納付など,本人の支払いやすい方法を今後ともとってまいりたいと,このように考えておりますし,また届け出の遅延防止につきまして,従来から,広報活動等を通して広く実施をしているところでございますけれども,今後につきましても,さらにPRを強化してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆大西 委員  そこで,平成9年度の新たな収納対策についてお尋ねをいたします。  収納率の向上は,何回も申し上げてきておりますけれども,これが特効薬というものは,なかなかないというふうに思います。しかし,健全な国保財政を維持するためには,医療費の源であります保険料の収入は,極めて重要でございます。  そこで,平成9年度は,特に単身者の滞納が多い状況の中にあって,特別の対策を講ずるべきと思いますが,考え方についてお尋ねをいたします。  また,収納対策の一環として,区における窓口の対応でありますが,いろいろ市民の皆さんの意見を聞きますと,大変苦情が多い。すなわち,相談窓口と,受け付け窓口とが一つになっているために相当な時間を要する,こう不評を聞いているのでありまして,ぜひこの辺の解決に向けて,各区に対しての具体的な指導についてお願いをしたい,こう思う次第であります。  最後に,助役にお尋ねをしたいと思うのであります。  今,段々の質問をしてまいりましたけれども,私は,何回かにわたって国保会計について質問をしてまいりました。言葉は少し悪いのでありますが,質問をするたびに,少しくむなしい感じがするのであります。それが何かというと,いつもこの議論は出るのでありますけれども,さっぱり問題が解決されないということであります。  国保会計というものは,相互扶助の精神に基づく皆保険制度でありますから,それぞれが責任を持って保険料の収納をしなければ,この制度そのものが成り立っていかないという事情にあるかと思います。  一方,医療費で言いますと,今の状況で言いますと,高齢化がだんだん進んでいますから,年々医療費が拡大している。医療費が拡大し,収納がさっぱり上がらない,このアンバランスの状況がこれからも続いていくわけでありまして,ここのところを断たなければ,この問題の解決はできないというふうに私は思っています。  例えば,医療費の問題で申し上げますと,先ほど笹出委員からもございました,高齢者の皆さんや市民の皆さんが病気にならないように,健康なお年寄りづくりのために力を注ぐ,これは,本市の場合は衛生局が,今,一生懸命やっているわけです。そしてまた,一方では収納率,いわゆる保険料の収納に当たっては,その認識に欠けているのかどうかはわかりませんけれども,さっぱり協力をしてもらえない。むしろ,払わなくてもいいのだ式の保険者がたくさんいると。これは,私は,本市のこの会計を維持していく上で大きなマイナス材料だと思うのであります。収入と支出のバランス,この改善のためには,私は,保健・医療・福祉,まさにこの三位一体の取り組みが何としても必要だというふうに思います。  一つ例を挙げますと,今,我が党の政審で研究しておりますけれども,医療費について,入院型の医療,今,入院しますと,高齢者の場合は大体月60万円ぐらいかかるのだそうでありますが,在宅式にして,月に何回か先生に来ていただいて診療していただく,もちろん診療費は払うわけでありますが,そういう形にすると,おおよそ4分の1程度の経費で済む。  こういう研究も今なされておりまして,そのためには,市民の皆さんや,あるいは医療機関の皆さんや,そういう方々の全体的な合意が私は必要だというふうに思いますが,ぜひそういう基本的な問題について,民生局,衛生局,そして病院,そして全庁的にこの問題にぜひメスを入れていって,そのもとを断つ議論を私はぜひ展開をしていくべきだと。どこをどうちょせばこうなるという,言ってみれば,重箱の隅をつついたような議論をしていたのでは,基本的な解決にならないのではないかと,そういうふうに思いますけれども,助役の考え方をお聞きしたいと思います。 ◎佐藤 国保収納担当部長  9年度の新たな取り組みについてということでございますが,特に,滞納している単身世帯に対する取り組みは,大西委員のご質問にもございましたように,滞納世帯の52%を占めるわけでございますから,大変重要な問題であると,そういうふうに認識をいたしております。  収納対策を進めるためには,細かな情報分析と特定の滞納世帯に対する対策が必要でございます。このようなことから,新たに収納対策を支援するシステムとして,本庁と各区に,パーソナルコンピューターを今月中に設置をいたしまして,例えば,単身世帯の中から一定の条件を設定した世帯を特定して,重点的に取り組むことなどができるようになりますので,このシステムを有効に活用して,ご指摘のございました,単身世帯を初めとする収納対策の強化を図ってまいりたい,このように考えております。  また,区における窓口での相談コーナーなどの充実についてでございますが,各区におきましては,庁舎のスペースの問題,あるいは構造上の問題などがそれぞれございますけれども,いろいろと工夫をして,相談コーナー等を現在設置しているところでございますが,さらに改善が図られるのかどうか,区とも十分相談をしてまいりたいと,このように考えております。 ◎田中 助役  ただいまのお話でありますけれども,私も,大西委員と全く同じ考えであります。お言葉にもありましたけれども,何回もこういう議論をやっていて,本当にむなしいというか,残念だというか,腹立たしいというか,そういう気持ちでいっぱいであります。  それで,そうも言っておられませんので,どうするかということでありますが,一つには,非常に難しいけれども,今現在行っていることを継続して頑張っていくということは,まずこれは大事だろうと。非常に難しいけれども,また本当に腹立たしいこともあるけれども,やはり地道に,収納率のアップのために,職員,我々が汗を流さなくちゃならぬだろうということはあります。  それから一方,出る方に関しましても,レセプトの点検等を怠りなくやって,そちらの方も的確に指摘することが大事だろうと思います。  それから,今ご示唆がありました,やや中期・長期的に見た抜本的な解決の方法,これが大事なことだろうと思います。すなわち,今のような体制だったら,重箱の隅というお話がありますけれども,本当に幾らやってもその先が見えぬような状態でありますから,やはり多少時間をかけても抜本的な対策は必要だろうと思います。  お話にもありましたように,まずは病気にかからぬ,かかってもそんなに重くならぬように,事前に手を打つとか,そういうような全体の仕組みがありますから,例えば,先ほどお話があったような健康な老人,高齢者対策というものも,そこにお金がかかった分だけ歳出がふえるのではなくて,国保とか医療全体でもって節約になれば,トータルでは安くなる。  それから,在宅式の医療の方に移行すること。これは,先ほどから何回も話がありますような,ほかの在宅面でのサービスの強化の課題もたくさんありますけれども,そちらの方にだんだん移行していくという,あらゆる面でやっていかなくちゃならぬ。そのためには,単に民生局とか衛生局ばかりではなくて,役所全体あるいは市民も含めて,世の中全体でもってそういう取り組みをしていくことが大事でありますので,我々もその点を十分意識をして,これから,全庁的な対応に関して検討して,少しでも実を上げていきたいと考えております。 ◆武藤 委員  私からも,まず収納にかかわってお尋ねしたいと思います。  大西委員からもお話があったとおり,本市の収納率は決して高いわけではありません。そのことによって,国の普通調整交付金についてもペナルティーが毎年毎年かけられていると。現在でも,15%というペナルティーがあるわけですね。  こういう中で,通常もらえるものも,収納率が低いために16億7,000 万から削られてきちゃうと。そういう意味からすれば,今,田中助役の方からも,るるお話がありましたけれども,具体的な策は,今のお話からは全く感じられませんでした。私は,収納率を上げるということは,国保会計の健全化からも大切なことだと,本当に思うわけなのです。  ただ,収納率を上げるためにどうするのかということが,一番の問題なわけですね。私は,ペナルティーの金額を今お話ししましたけれども,現在の保険料,桂市長の提案説明の中で,今年度についても,1世帯当たりの平均保険料を前年度と同額にすると,こういうように述べられていますが,実際には毎年毎年,1人当たりの保険料を見れば,値上げになっていくわけなのです。そして,札幌市の滞納状況を所得別に見ましても,ちょうど中間層に滞納世帯が非常に多く固まっているわけなのですね。  札幌市の国保加入者の世帯別の構成を見ましても,いわゆる高額所得者が余りいない,そして減免を利用できる,減額されている低所得者が多い。そういう状況の中から,どうしても中間層に負担が重くなっていく,それゆえに中間層の中で滞納がふえてくる,こういう悪循環を繰り返しているわけなのです。  ですから,抜本的に収納率を上げようとすれば,保険料軽減のための一般会計からの繰り入れをもっとすべきじゃないか。そして,こういう中間層の負担を軽くして,本当に払える保険料になったときに,収納率のアップも期待できるのではないか,こう考えるのですが,この点についていかがか,1点目お尋ねしたいと思います。  それから2点目ですが,現在,滞納者に対しては,年間10期の保険料の支払い,2分の1納めなければ,資格証明書だ,短期証だということで,もう既に何年もたっていますけれども,これとは別に,滞納分を徴収しようということで,実はこういうような新たな指導もされているのですね。  出産育児一時金とか,それから高額療養費,それから葬祭費等,これら現金支給される分,区役所で手続をとって戻ってくる分の現金を滞納に回すという,こういう方法も,各区役所に本庁の方から指導文書が出されています。  私は,この問題について一言触れたいと思うのです。  本人から委任状をとりまして,そしてこの委任状は,各区役所の国保年金課給付係長あてに委任するわけなのですね。そして,私は滞納があるから,高額療養費の払い戻し分あるいは出産育児一時金については滞納分に回しますよという委任状を書かせて,滞納を埋めさせていると,こういうような実態があるわけなのです。7年度で見ましても,年間で375 件が出産一時金の滞納繰り入れ,高額療養費で見ても,年間で400 件からの繰り入れが行われています。  各区役所に出されている通達文書の中は,こういうぐあいに書かれているわけなのです。現年度分または過年度分において,保険料に滞納のある世帯主に対して,こういうことができるということなのですが,するに当たっては,本人の負担能力に応じて,給付金の半額から全額までを範囲とするもの,「本人の負担能力に応じて」と,こう明記してあるわけなのですね。  実は,昨年も幾つか例があるのですが,自営業の方が大きな手術をしまして,50万,60万もの国保を,7割給付ですから3割負担でかかったわけなのです。そして,高額療養費の請求に行ったところ,滞納があるからといって,委任状を書かされて,30数万円をその滞納に入れさせられたと,こういう経過があるわけなのですね。この方は,自営業だということも国保年金課では知っているわけなのです。そして,大きな手術をしたというのは,そのかかった医療費を見ても判断できるわけなのです。  そこでお伺いしたいのは,本人の負担能力に応じてというこの部分なのですが,何をもって本人の負担能力と見定めているのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。  また,もう1点ですが,国民健康保険は,保険料の問題でも,社会保険や政管健保などと比較しても非常に高い保険料となっています。また,医療費についても,社会保険や政管健保であれば,自己負担が本人だと1割で済むのですが,国保だと3割の負担があるわけですね。そういう中でも,例えば国保の構成から見て非常に加入の多い障害者などでは,病院に入院すると,障害者医療で医療費がかからなくて済むわけなのです。  ところが,たまたま今,大西委員の方からも,病院にかからないように在宅福祉の充実をというお話がありましたけれども,在宅福祉の一環で訪問看護ステーションというのが,今,非常に力を発揮してきています。96年度で見ても31カ所,97年度で見ても45カ所と,全道の中でも札幌市にとりわけたくさんつくられてきているわけなのです。こういうのを活用しながら,障害者なども,在宅で十分に医療を受けることができるわけなのですね。  ところが,訪問看護ステーションで見ますと,これは医療ですから,病院に入院すると障害者は障害者医療で医療費がかからないのに,訪問看護ステーションの医療を受けると,いわゆる償還払いになっていまして,まず3割払わなくちゃいけない。そして,区役所に行って,高額療養費と同じような手続をして返還されると。こういうぐあいに,非常にややこしくなっているわけなのです。  高齢者については,訪問看護ステーションの医療を受けても,自己負担分250 円で済むわけなのですね。障害者は,こういうように,実際にお金がかかることによって,在宅じゃなくて入院を選択する人も,中には生まれているという実態もあります。
     ですから,訪問看護ステーションで医療を受けやすくするためにも,病院に入院をしないで在宅で治療を受けることができるようにするためにも,高齢者と同じように,障害者に対しても,償還払いではなくて現物支給にしてはどうかということを私は求めたいのですが,この3点について質問したいと思います。 ◎猪野毛 保険医療部長  1点目,9年度の予算における保険料についてでございますけれども,これまでも何回かお話しをしてございますけれども,一般会計が財政的に大変厳しい中で,平成8年度とほぼ同額の繰り入れをいたしまして,額といたしまして総額で241 億円,それから市単独の保険料を軽減するために142 億円ほどを繰り入れる。こういう多額の金額を繰り入れいたしまして,1世帯当たり平均保険料を8年度と同額にいたしている,こういうようなことで,保険料の軽減に精いっぱい努力をしているつもりでございます。  したがいまして,さらに繰入金を増額して保険料を引き下げるというようなことは,なかなか困難であると,こういうふうに考えております。  そういうことで,中間層の負担が大変重いという話もございましたが,今年度についても,限度額につきまして若干1万円を上げさせていただいて,中間層の負担を緩和させていただきたいということも,同時に提案をしているところでございます。  それから,2点目でございます。先ほど,収納対策のことでいろいろお話がごさいましたけれども,現金給付が発生した場合,その時点では,その世帯の保険料の納付状況を確認して,滞納があった場合には,必ず滞納保険料の納付について相談をさせていただいている,こういうことで,納付相談の流れの中の一環としてやっているわけでございます。  この取り扱いについては,本市独自の基準をつくりまして,事務処理を統一的にやっているところでございますけれども,ただいま質問の本人の負担能力に応じた額というのはどういうことかという話でございます。先ほど,納付相談の一環とお話しいたしましたけれども,私たちも滞納の状況というのを十分説明しながら,納めていただくことについて話をしています。相手についても,家庭状況あるいは経済状況等をお聞きしながら,その中で本人との間で合意した額,本人が支払えると判断した額,そういうものを本人の負担能力に応じた額というような格好で,基準の中でも決めて,そういう処理をしているところでございます。  それから,3点目の訪問看護ステーションにおける療養費の助成についてでございます。  確かに,現在では,まだ償還払いというような方法で助成をしているところでございます。訪問看護ステーションは,年々増加してございますし,その利用者というのもふえていると,そういうことがございますし,今後ますますふえるだろうと予想いたしています。そういうことで,在宅医療の推進の重要性とか,あるいは利用者の利便を考えまして,この部分については現金給付にする必要があるなといういうように考えております。  そこで,実施する場合でございますけれども,現在,41カ所の訪問看護ステーションが市内にございまして,これを取りまとめる窓口というのが,まだ確立されていない状況でございまして,個々に調整をするというような格好になれば,かなりの事務というか,そういうことになるのかなと思っております。さらには,市内の事務処理体制の中での調整も出てきまして,そういうようなことからすれば,実施する時期として,もう少し時間がかかるのでないかと思いますけれども,今後,実施に向けて努力したいと,こういうふうに考えております。  以上です。 ◆武藤 委員  一般会計からの繰り入れについては,確かに,142 億円独自に入れているのだというお話でありましたけれども,9年度予算で見ますと,前年度比でさほどふえているわけではないのですよね。私は,ここのところで,田中助役も「やります,やります」と言うのではなくて,やはり具体的な手だてを講じて収納率の向上に努めるべきだと。そのためにも,だれもが安心して払える保険料にすることが大前提だということを改めて強調しておきたい。  そして,先ほど大西委員への答弁にもありましたように,昨年の4月から実施されています遡及賦課の問題でも,このこと自体が,収納率を上げることの足を引っ張っているという現実があるわけですから,それが国の決まりだからというのではなくて,ペナルティーの問題でも,札幌市も国に対していろいろ意見を上げていますが,これと同じように,国に対しても,市民の声の代弁者として,きちんとこの問題でも伝えていくべきじゃないか,そのことも収納率を上げる一助になるのではないかということで,改めてお願いもしておきたいと思います。  それと,2点目の出産育児一時金や高額療養費,葬祭費などの滞納分に充てるという問題では,今,ご答弁いただきましたけれども,本人の負担能力に応じてということですが,その負担能力を見きわめるというのは非常に困難な問題なのですね。  先ほどの納付相談の話にもありましたけれども,納付相談をしやすい環境。私は,区役所の国保の係にもよく出向いていきますけれども,職員の方は,保険料を納めていない人が窓口に来るのは,どれほど大変なことかというのを実感として感じているわけなのですよ。ですから,そういう人たちが,こういう通達をもらったから,こういうことをしなくちゃいけない,ここには非常に矛盾があるわけなのです。  ですから,私は,その職員の方々が市民の立場に立って自信と誇りを持った仕事をやっていくようにするためにも,やはりここのところの解釈自体を単純化しないでいただきたい。  生活保護の申請をするわけじゃないですから,ここで根掘り葉掘り聞くようなことにならないだろうと思うのです。だから,相手が申し出れば,それは聞くけれども,こちらからいろいろ聞くことができないというのが国保の現場の声なのですね。ですから,そういう意味では,自営業なのか,サラリーマンなのか,会社員なのか,季節労働者なのか,そういうようなことは事前にわかるわけですから,そういう状況判断もきちんとやっていただきたい。そして相手が,今,これを払っても大丈夫なのかどうかという,最低限そういう確認をとるところまで徹底した指導を各区に対してもやっていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。  それから,訪問看護ステーションの問題では前向きなご答弁いただいたのですけれども,これについても,できるだけ早い時期に実現していただき,障害者が本当に在宅でも安心して医療を受けられるような中身をつくっていただきたいなということで,前向きな答弁と確信しまして,質問を終わらせていただきます。 ○千葉 委員長  以上で,議案第6号及び議案第23号の質疑を終了いたします。  最後に,議案第7号 平成9年度札幌市老人医療会計予算の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  以上で,議案第7号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,10日月曜日午後1時から,衛生局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ───────────────       散 会 午後11時3分...