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平成21年第4回定例会(第2日)  本文 開催日:2009-09-11

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  1. 福岡市議会 2009-09-11
    平成21年第4回定例会(第2日)  本文 開催日:2009-09-11


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時 開議 ◯議長(光安 力) これより本日の会議を開きます。  日程第1、一般質問を行います。  発言通告者のうちから順次質問を許します。宮本秀国議員。 2 ◯52番(宮本秀国)登壇 皆さん、おはようございます。  私は日本共産党市議団を代表し、本市を襲った7月24日から26日の北部九州集中豪雨による水害にかかわる災害対策問題及び新型インフルエンザ対策について質問をします。  今回の記録的集中豪雨は、市内を流れる2級河川を初め、主要な河川に大量の雨水を流入させ、那珂川を初め、室見川や多々良川、樋井川などではんらん危険水位を超え、河川溢水、護岸決壊、浸水など流域住民に多大な被害を与えました。  そこで、質問の第1は、那珂川に関する諸問題についてであります。  1点目は、那珂川の被害状況とその原因についてであります。  今回の那珂川上流域での降雨状況は、南畑ダム観測点で7月26日0時から24時間で310ミリ、1時間当たりの最大降雨量は82ミリという記録でありました。これによる那珂川への雨水流入によって、中央区春吉の観測点である稲荷橋では、はんらん危険水位を大きく超え、最高水位4.3メートルまで急激に上昇しました。さらに、上流の県観測点である下曰佐橋では26日午前11時には、はんらん危険水位4.1メートルを大きく超えて6.08メートルの最高水位に達するなど、大量の雨水流入によって朝9時から午後3時までの7時間にわたってはんらん危険水位を超えるという極めて深刻な状況が続いたのであります。その結果、護岸の洗掘や向新町地区など数カ所で溢水し、住宅浸水や道路冠水など被害が続出し、中央区や南区、博多区に避難勧告が出されました。  そこで、今回の集中豪雨による那珂川への大量の雨水流入によって生じた護岸や河川敷の被害や、溢水による住宅浸水などの被害の実態はどうなっているのかお尋ねします。また、那珂川が大量の雨水流入ではんらん危険水位を長時間にわたって超えるという危機的な状況を招いた要因は何かお尋ねします。  質問の2点目は、南畑ダムの緊急放流ということにかかわる那珂川とその流域地帯に及ぼす影響とその対策についてであります。  マスコミの報道では、7月26日、南畑ダムの貯水率が一時満水時の140%を超え、ダム決壊の危険性が高まったとして、緊急放流の要請が福岡県から本市にあったと報道されています。  そこでお尋ねしますが、緊急放流に関する福岡県からの要請内容及び南畑ダムが堤防決壊のおそれという危機的状況を招いた原因は何か、答弁を求めます。また、南畑ダム決壊を初め、那珂川のはんらん浸水を想定した最悪の事態に対する対策について、那珂川の下流地域の住民に対する避難勧告や指示はどうなっていたのかお尋ねします。あわせて、はんらん、浸水が発生した場合大きな被害をこうむる地下施設を有する建築物の把握はどうなっているのかお尋ねします。また、今回それらの所有者に対する情報提供は適切に行われたのかお尋ねいたします。  質問の3点目は、那珂川の河川改修計画とその進捗状況についてお尋ねします。  福岡市の那珂川浸水想定避難図、いわゆる洪水ハザードマップは100年に1回程度起こる大雨を想定したものであります。しかしながら、近年のような異常気象というもとで大雨が発生し、那珂川がはんらんする危険性は一層高まっているのであります。このような状況のもとで那珂川の河川改修整備の緊急性が求められています。  そこで、福岡県が行っている那珂川の広域基幹河川改修事業の目的とその事業概要、全体事業費、完成時期と進捗状況、及び福岡市が行っている都市基盤河川改修事業の概要とその事業の今後の取り組み方針についてお尋ねします。あわせて、これらの計画で災害に対応できると思っておられるのか答弁を求めます。  質問の第2は、天神周辺部を中心にした都心部の浸水対策についてであります。  今回の集中豪雨による中央区今泉地区など天神周辺部一帯では店舗やオフィスビル、飲食店など店内への浸水被害が発生し、都心部における浸水対策の緊急性が求められています。現在、福岡市は天神周辺地区下水道総合浸水対策緊急事業雨水整備レインボープラン天神と称して、貯留、浸透施設を兼ねた雨水幹線整備計画事業に着手したところであります。
     そこでお尋ねしますが、天神周辺を中心にした都心部における雨水浸水対策の計画概要及び総事業費、その進捗状況についてお尋ねします。あわせて今回の災害を受け、その事業計画の再検討が必要ではありませんか、答弁を求めます。  質問の第3は、樋井川、周船寺川及び若久川にかかわる浸水対策についてであります。  今回の集中豪雨による水害等の災害は、浸水常襲地帯で道路冠水などによる床上、床下浸水などで住宅や店舗に甚大な被害を発生させました。城南区樋井川の流域では田島一丁目、四丁目地区では288戸、友泉亭地区で63戸が床上、床下浸水の被害をこうむっています。  そこで、樋井川の護岸崩落などの被害の実態及び復旧対策はどうなっているのかお尋ねします。また、田島地区を初めとするこれらの地区ではなぜ浸水被害が繰り返されているのか、その原因と責任を明らかにしていただきたいと思いますが、答弁を求めます。さらに、浸水防止の具体的対策を図っていくべきだと思いますが、あわせて答弁を求めます。  また西区周船寺川では、田尻地区の堤防決壊で農産物被害や住宅浸水被害が発生しています。周船寺川はこれまでもたびたび堤防決壊や浸水災害を受け、現在、福岡市が河川改修事業を行っています。今回の堤防決壊や住宅浸水は河川改修事業のおくれが原因であり、その早期完成が求められているのでありませんか。答弁を求めます。  また、南区若久川流域では若久三丁目、五丁目で住宅69戸、さらに道路冠水で中尾地区では精肉店など店舗や住宅等の浸水被害が出ています。  そこで、これらの地区での被害の実態及び原因把握のための調査検討を行い、災害防止策を具体化させるべきだと思いますが、答弁を求めます。  次に、新型インフルエンザ対策についてであります。  新型インフルエンザ患者は、全国的には8月24日から30日の1週間で1万2,000人で8週連続で増加しています。都道府県別の患者発症数では福岡県は沖縄、大分、大阪に次いで4番目の高さであります。福岡市においても患者数の把握が困難になった7月24日以降、さらに感染拡大が急増するなど深刻な事態が続いています。  そこで、福岡市の学校や医療関係者の発症状況はどうなっているのか、また多くの子どもたちが通う学校や幼稚園、保育園、そして医療機関での集団感染防止策の強化が求められていると思いますが、所見をお尋ねします。  以上で1間目を終わり、次回から自席で行います。 3 ◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。 4 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 那珂川における被害状況につきましては、中央区春吉、南区横手、向新町などにおいて護岸が崩壊し、道路の交通規制などが発生いたしております。また、南区向新町付近では河川からの溢水も発生して道路冠水などが生じております。  那珂川の水位がはんらん危険水位を長時間超えた要因につきましては、流域内の九千部観測所において26日、1時間最大79ミリの記録的な降雨が観測され、さらに24日から26日にかけての3日間の総雨量が562ミリと記録的な大雨が降ったことによるものと考えております。  次に、福岡県において実施中の広域河川改修事業は、河口から15.2キロメートルの区間を昭和50年度から総事業費594億円で施工中であり、完了時期は未定と聞いております。また、進捗状況は現在、河口より福博であい橋付近までの約1.1キロメートルの区間の河床掘削が完了いたしております。都市基盤河川改修事業につきましては、百年橋から番托堰までの約2.2キロメートルの区間において平成3年度より事業に着手し、今年度の完了を予定いたしております。今後新たに事業区間を延伸する計画はございません。水害の対応につきましては、一義的には那珂川の早急な河川改修が必要だと考えております。  次に、天神周辺地区の浸水対策につきましては、平成21年度より第1期計画の事業に着手しております。10年確率降雨の計画規模で事業期間は15年間で約130億円の事業費となっております。その整備に当たりましては、浸水常襲地区である今泉、警固地区などから着手することとしております。将来的には、博多駅周辺地区と同様の整備水準、1時間当たり79.5ミリ相当に対応した施設整備を計画いたしております。また、今回の浸水被害を受け、事業期間の短縮などの必要性につきましては十分に認識いたしております。樋井川における今回の災害は記録的な豪雨により堤防から溢水したものであり、護岸の崩壊が南区及び城南区の3カ所で発生いたしております。このうちの2カ所につきましては市が道路災害として復旧するもので、9月下旬に予定されております災害査定により復旧工法の認定を受け、早期復旧を目指してまいります。  次に、田島地区の浸水被害につきましては、豪雨による河川の溢水や河川水位の上昇により内水排除ができなかったことが原因と考えております。このため本市といたしましては、樋井川の管理者である福岡県に河川改修やしゅんせつなどを強く要望していくとともに、内水排除のための最重点項目として整備を進めている雨水整備Doプランを積極的に推進してまいります。周船寺川の堤防決壊につきましては、記録的な豪雨により周船寺川の堤防から溢水したことにより発生したものと考えております。堤防の決壊箇所につきましては、今回お願いしております補正予算などにより速やかな対応を行うこととしております。  また、若久、中尾地区の浸水被害につきましては、床上、床下合わせて約80世帯となっております。同地区の浸水対策は平成16年度までに完了しておりますが、さらに現地調査を行った上で早期に効果が発現できるよう局所的な対応策を検討してまいります。以上でございます。 5 ◯議長(光安 力) 阿部市民局長。 6 ◯市民局長(阿部 亨) 集中豪雨に関するお尋ねでございますが、まず南畑ダムの洪水調整についての県からの連絡についてでございます。  7月26日、南畑ダムにおける時間雨量は10時時点で59ミリ、11時時点で82ミリに達しまして、このため計画最大流入量を上回る量の水がダムに流入するという事態になったため、福岡県はダム操作規則に基づきまして12時から計画規模を超える洪水時の操作として、具体的には、通常は毎秒125トンまでの流量でございますけれども、これを1時間かけて毎秒300トンに引き上げる操作をするという、12時からこの操作をするという連絡をおおむね1時間前に通知をしてきたものでございます。また、この南畑ダムにおいて洪水調節容量の貯留水が満水近くまでになったという原因でございますけれども、ダム上流部にある九千部山で観測史上最大値を記録するほどの大雨が降ったためであるというふうに福岡県からお聞きをしております。  次に、那珂川下流域における避難勧告の状況についてのお尋ねでございます。  避難勧告は、気象情報や水位状況などを参考に、人的被害の発生する可能性が明らかに高まった状況において発令することといたしております。実態でございますけれども、7月24日と25日につきましては那珂川の水位がはんらん危険水域に到達しておりましたが、避難勧告は発令をいたしておりません。また7月26日につきましては、那珂川の水位観測点であります稲荷橋では8時50分、下曰佐橋では8時30分にはんらん危険水位を超えまして、避難勧告は10時30分から11時にかけて発令をいたしております。  次に、地下施設への情報提供についてのお尋ねでございますが、福岡地方に大雨あるいは洪水警報が発表され、福岡市災害対策本部が設置された場合、また河川水位が避難判断水位またははんらん危険水位を超えた場合、また避難勧告など緊急情報が発表された場合におきまして、天神、中洲及び博多駅周辺地区の地下施設を持つビル管理者、現在163事業所に対してございますけれども、ファクスによりましてこれらの防災情報を配信いたしているところでございます。以上でございます。 7 ◯議長(光安 力) 井上住宅都市局長。 8 ◯住宅都市局長(井上隆治) 那珂川下流域における地下を有する建築物につきましてお答えいたします。  那珂川の洪水ハザードマップ浸水範囲における城南線及び住吉通り以北の中央区と中洲地区において地下階、これは駐車場や控え室を含むため必ずしも教室、店舗等だけの数字じゃございませんが、保有する建築物の確認申請は昭和47年の政令都市移行後、合計で525棟となっております。以上でございます。 9 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 10 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ対策についてお答え申し上げます。  まず、新型インフルエンザ患者数の把握につきましては、7月24日に感染症法施行規則が改正され、個別の患者発生については医師からの届け出が不要となったことから全数把握はできなくなりました。これは、国内の発生状況から判断して、もはや封じ込めの対応は困難であり、今後は個々の事例ではなく集団感染の把握により、秋、冬に向けた大規模な患者数の増加の早期把握や重症患者対策に重点を置くという考えのもと国の方針が変更されたことによるものでございます。このため、医師や学校、社会福祉施設等からの連絡により保健所が集団発生を早期に把握するための集団発生サーベイランスを継続して実施しております。また、感染症発生動向調査インフルエンザ定点医療機関当たりの報告数により市内の流行状況を把握しております。  次に、医療関係者の感染状況につきましては、患者の全数把握は行っていないため個別事例では把握しておりません。なお、8月に市内の医療機関において複数の職員が感染した事例が1件ありますが、患者への感染は確認されておりません。また、医療機関における院内感染防止対策につきましては、各医療機関や医師会に対し院内感染対策の徹底について随時通知を行うとともに、本市のホームページに国立感染症研究所感染症情報センターが作成した感染防止策の手引き等を掲載しております。以上でございます。 11 ◯議長(光安 力) 吉田こども未来局長。 12 ◯こども未来局長(吉田恵子) 保育所における新型インフルエンザの発生状況につきましては、市内172保育所のうち32保育所で計162人が新型インフルエンザと確認または診断されたとの報告を受けております。感染防止策につきましては、当初は7保育所の17クラスで1週間の臨時休業を行いましたが、現在は新型インフルエンザにかかった児童及び職員に対し、1週間の登所自粛を要請しております。また、すべてのクラスの保護者に対する患者発生についての情報提供や、同一クラスの児童について家庭保育の協力が可能な場合には1週間程度の家庭保育を依頼するとともに、日ごろの手洗い、うがいの励行等を保護者にお願いしております。  次に、私立幼稚園につきましては、これまで休園は3園で園児3人、教諭2人、計5人の新型インフルエンザが確認されたとの報告を受けております。感染防止策としましては、福岡県私学振興課や福岡市私立幼稚園連盟と連絡を密にとりながら、市内の各園に対し随時注意喚起や情報提供を行っております。以上でございます。 13 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 14 ◯教育長(山田裕嗣) インフルエンザ対策についての御質問にお答えをいたします。  学校における新型インフルエンザ発生状況につきましては、6月に市内で初めての患者が確認されて以来、1学期は9校で90名の患者が確認されました。2学期は、新型インフルエンザの詳細検査が行われなくなったことから正確な患者数は把握できておりませんが、昨日までの時点で18校42学級で学級閉鎖の措置を行っております。また、集団感染の防止のためには一人一人が感染防止対策を自覚を持ってみずから実践することが最も効果的なことから、引き続き手洗い、うがいの励行、症状が出た場合のマスクの着用、外出の自粛、人にせきやくしゃみをかけないせきエチケットなどの日常的な感染予防策を徹底してまいります。以上でございます。 15 ◯議長(光安 力) 宮本秀国議員。 16 ◯52番(宮本秀国) まず、那珂川にかかる災害の実態の問題でありますが、答弁で言われましたように、いろいろ災害、数カ所にわたって大きな災害が発生しています。それで、具体的に言われました中央区春吉一丁目、そして向新町、横手等の具体的な復旧対策工事について、河川管理者である福岡県との協議の内容、そしてその手法と完成時期などを含めて答弁を求めます。  次に、今回の災害を招いた原因についてですが、答弁では、それぞれ記録的大雨によるものと、仕方のないことだと、こういう認識を示されたが、市長、とんでもない答弁、考えですよ。今回の那珂川の上流域での大量の雨量が記録されているが、南畑ダムへの急激な雨水流入と大量の放流に加え、那珂川の河川改修のおくれが今回の深刻な事態を招いた、これは間違いありません。答弁で、南畑ダムの堤防決壊が心配された問題について、私の手元には県が当初マスコミに報道した内容を否定するような訂正をマスコミに求めています。しかし、それは当初県の発表した内容は、まさに決壊のおそれについて言明をしております。  そこで、今回は流入と放流のバランスの維持に大きな問題が生じております。現在、南畑ダムの上流では五ケ山ダムが建設中であります。このダムは福岡県下で最大規模のもので、既に民有林114ヘクタールの用地買収と、その面積に相当する土地の伐採が既に終了しております。それによって森林は今完全に失われております。したがって、この地区一帯では雨水の保水力が著しく低下し、このため雨水は一気に南畑ダムに流れ込み,これが放流されるという極めて危険な状態が続いたのであります。したがって、南畑ダムの堤防が決壊寸前という深刻な事態を招いたのは、五ケ山ダム開発によって森林が失われ,この地域での雨水の保水力の低下により大量の雨水が南畑ダムに流入してきたことが最大の原因ではありませんか。重ねて答弁を求めます。  また、南畑ダムの緊急放流について福岡県が福岡市に行った要請内容についていろいろ言われました。しかし、今回、緊急放流が実際に行われていたならば、既に那珂川はその当時、溢水が数カ所で始まっております。これに追い打ちをかけるように下流地域一帯にはかり知れない大惨事を与えることは明らかであります。  そこで、そういう事態に対応するために、今何が求められているのかという問題であります。  まず、那珂川の下流域住民に対する避難対策についてであります。福岡市が定めている避難勧告発令等の判断基準は、河川の水位がはんらん危険水位を超えた時点で行うということであります。先ほどの答弁では、これが実行されておりません。今回の那珂川のはんらん危険水位に到達したのは7月26日午前8時50分で、避難勧告の発令はその2時間後の10時40分であります。これが適切であったのかどうかは検証されなければなりません。また、那珂川にはサイレン施設は設置されておりません。那珂川流域では今回16地区、2万4,142世帯、4万2,914人に避難勧告が発令されています。関係市民の多くの皆さんはマスコミの報道で知ったとも言われております。しかも福岡市の治水対策方針では、現在の那珂川の治水安全度は御笠川と比べて相当低い、こういうふうに位置づけているんですね、あなた方は。みずからこういうふうに指摘をしております。したがって、市民の生命と身体に直接の被害が及ぶ水害から市民の安全を守るためには、避難勧告の適正、迅速な発令及びその伝達とその方法、特にサイレンなどの警報信号設置など、那珂川における水難対策を抜本的に強化、改善を図る必要があると思いますが、答弁を求めます。  次に、地下施設への浸水対策についてであります。答弁でいろいろ言われましたが、10年前の博多駅周辺のビルの地下施設への浸水で人が亡くなられました。この教訓が今、那珂川、天神周辺の地下施設を有するビルに対して、そして、それに対する施策の立て方そのものに対して教訓が全く生かされておりません。これもまた福岡市の方針では、避難、誘導及び止水方策などで、これらの施設に対して十分配慮するよう指導するとしております。その指導対象の地下施設を有する建築物の軒数、またそれらがどういう浸水対策を施しているかどうか、この実態も把握されておりません。特に那珂川の下流域、天神周辺部は本市の都市機能の重要な役割を担っている一帯であります。災害における浸水対策の充実を図ることが今行政に求められていると思います。したがって、地下施設を有する建築物と浸水防止策の現状の把握を行うとともに、情報伝達システム及び止水板設置などの浸水防止策の確立強化を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。  次に、那珂川の河川改修事業計画についてであります。  答弁では、県が行っている広域基幹河川改修事業などの現況について触れられました。工期が未定ということですが、私の手元の資料には工期はちゃんと入っていますよ。問題は、その工期と進捗率にあります。その事業工期は1975年から2031年の何と56年もの長期にわたっています。しかも現時点の進捗率はわずかに12%、まさに遅々として進んでおらず、これでは市民の安全は決して守られません。大体福岡市は那珂川をどういうふうに位置づけているのか。あなた方が位置づけているんですね、この河川事業概要に。あなた方が作成したこの概要にどういうふうに書いて位置づけしているか。那珂川は本市都心部を貫流し、一度はんらんすると都市機能が集積する天神地区に甚大な被害を及ぼす治水上、重要な河川である。そして、平成11年、15年の博多駅地区の大水害の教訓を踏まえると、那珂川の早期改修が喫緊の課題である、こういうふうに指摘しているんですよ。那珂川の現状放置は、市長、絶対に許されません。したがって、福岡県に対して広域基幹河川改修事業の推進を強力に働きかけることは当然でありますが、福岡市としても都市基盤河川改修事業の採用を含めて那珂川の河川改修事業は喫緊の課題であり、直ちに現計画を抜本的に見直し、予算を絶対に確保し、河川改修事業に直ちに取り組むべきだと思いますが、答弁を求めます。  次に、天神周辺部を中心にした都心部の浸水対策についてであります。  答弁では、るる言われました。中部2号幹線や7号幹線の整備を、今泉、警固の浸水対策のために進めているということであろうと思います。しかし、これで天神地区の浸水対策が事足りるのか。そういう視点からいくと、生ぬるいということではないでしょうか。御笠川災害から10年たちました。その間、この天神周辺部の対策は放置されております。ようやく今年度着工したばかり、この計画は。問題は、その事業期間が余りにも長いということであります。これまでも2度にわたって博多駅地区での浸水、死亡者も出るなどの深刻な教訓が全く生かされておりません。しかもこの地区でも数年前からたびたび地下施設への浸水が起こっています。マスコミの報道では、今泉地区の婦人服経営者は「店を開いて13年目、3度の水害。行政に再発を防ぐ手だてを一日も早くとってもらいたい」、こう切実に訴えておられます。  したがって、雨水整備レインボープラン天神計画を抜本的に見直し、その事業期間を短縮することとともに、公共施設を活用した貯留池等の施設整備の導入など抜本的な見直しを行うべきではないかと思いますが、答弁を求めます。  次に、樋井川に関する問題であります。樋井川流域では歴史的水害が繰り返されてきました。過去3回の集中豪雨でも住宅浸水や河川の護岸崩壊が発生しております。また、田島地区、さらには鳥飼地区でも水害常襲地帯となっております。これは、あなた方が適切な災害対策をとっていなかった、いわゆる行政の責任、まさに怠慢であります。しかも樋井川の河川改修事業について暫定整備は既に終了しております。しかし、今回も長尾一丁目や樋井川三丁目地区などで護岸の洗掘による道路崩落など被害が発生しております。  そこで、樋井川については上流域を含めて河床掘削や護岸拡幅整備を含め河川改修計画を見直し、抜本的な対策強化を図るとともに、田島地区や鳥飼地区などの浸水対策については上流域での調整池やバイパス雨水管整備など早急に具体化されるべきだと思いますが、答弁を求めます。  また、周船寺川についてであります。今の答弁では、今回災害を受けたところについては復旧工事に着手するということですが、この周船寺川の河川改修事業計画、2001年に着工されております。現在までの進捗率はわずかに16%、まさに話にならないという状況であります。何でこんなに後回わしをするのか。これまでも何度も浸水、はんらんを繰り返してきております。したがって、護岸のかさ上げ、そして河床掘削などとともに、河川改修事業の前倒しを行い、早急に完成させるべきだと思いますが、答弁を求めます。  次に、若久地区の浸水対策についてであります。若久三丁目を初めとするこの地区での住宅被害、店舗への雨水浸水、これは毎年のように繰り返されています。私は7月26日、早朝からこの地区の溢水状況を調査して回りました。地元住民は、浸水のたびに対策を求めてきたが、市は財政が厳しいと言って何もしてくれない、と悲痛な叫びを上げておられました。るるいろいろ言いたいことはありますけどね、あなた方の、福岡市は金がない、これは自治体の幹部の皆さん、市の現場担当の職員の皆さんまで徹底していますね。これは後でまた問題を指摘しますけれども、こういう認識は問題があります。したがって、若久については、護岸のかさ上げや河床掘削、さらにはバイパス管、また調整池整備など浸水予防対策の具体化を早急に図るためにいろいろ検討し、その事業化を進めてもらいたいと思います。答弁を求めます。  次に、新型インフルエンザ対策についてであります。  感染の拡大状況や予防対策、医療体制などについて答弁されました。こういう状況のもとで福岡市の今の体制で十分なのか。予防や医療体制など、その対策の充実をどう図っていくのかが課題だと思います。国立感染研究所の報告では、感染拡大が急激にふえている状況のもとで流行のピークを迎えるのは9月下旬から10月上旬以降と見られる。新型インフルエンザは多くの人に免疫がなく、一気に広がるのが特徴と言われています。  そこで、感染拡大を防ぐには学級、園などの閉鎖や休校の際に親や家族の負担軽減のために臨時の保育体制や企業に休みを保障させる等の対策を行政の責任で行っていくことが必要だと思いますが、所見をお伺いします。  また、保険料を払えず保険証を取り上げられている人や低所得者の医療受診の際の負担軽減を図るとともに、ワクチン接種は公費負担で行うことを含めて、重症患者の拡大を防ぐためのベッドの確保など医療体制の強化を図っていくべきだと思いますが、答弁を求めます。 17 ◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。 18 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 那珂川の護岸の復旧につきましては、河川管理者である県と兼用工作物の災害復旧方針に基づき協議を行い、2カ所は市で道路災害として復旧し、1カ所は県で復旧を行うこととなっております。9月下旬に予定されております災害査定により復旧工法の認定を受け、早期復旧を目指してまいります。那珂川における治水機能につきましては、県に対し河川改修及び治水機能を持つ五ケ山ダムの整備推進について強く要望するとともに、国に対しましても改修事業等の促進について要望を行っております。  都市基盤河川改修事業区間の上下流区間につきましては、本来の河川管理者である県において現在、既に改修事業が行われておりますが、今後とも、整備促進を強く要望していきたいと思います。  レインボープラン天神の事業期間の短縮につきましては、都心部での施工となるため道路交通対策、施工ヤードの確保など事業の施工性や効果的な整備手法などについて、国とも事業の必要性や重要性など十分に協議を行いながら総合的に検討を進めてまいります。公共施設を活用した調整池などにつきましては、レインボープラン天神において新たに整備する雨水幹線に貯留機能を持たさせているところでございます。また、雨水流出の抑制につきましてはその指針を策定したところであり、河川改修や道路及び下水道整備などとあわせて雨水流出抑制にも取り組んでまいります。  樋井川につきましては、県に対し早急な堆積土砂のしゅんせつによる治水能力の確保など適正な維持管理と河川改修による治水対策につきまして要望を行っております。現在、県において現況流下能力の調査が行われており、その結果に基づき今後の対応策について検討すると聞いております。  田島及び鳥飼地区の浸水対策につきましては、Doプランにより鳥飼ポンプ場や主要な雨水幹線の整備に取り組んでおり、平成21年度末の完了を予定いたしております。また、かんがい用途がなくなった農業用ため池の転用についても、雨水流出を抑制するため位置、集水面積、容量などを勘案して治水池として効果ある池について整備を行っており、樋井川流域におきましては現在13カ所を活用いたしております。  周船寺川の改修事業につきましては、都市基盤河川改修事業により平成13年度から護岸整備などを実施しているところでございます。今回、補正予算をお願いし、工事を前倒して行い、早期完成に努めてまいります。  若久地区の浸水対策につきましては、現地調査を行った上で新開池のしゅんせつや側溝の改修など早期に効果が発現できる対策について検討をしてまいります。以上でございます。 19 ◯議長(光安 力) 松永水道事業管理者。 20 ◯水道事業管理者(松永徳壽) 五ケ山ダムの建設工事が今回の南畑ダムの事態を招いた原因ではないか、このお尋ねについて利水者としてダム建設にかかわっております立場よりお答えいたします。  五ケ山ダムは、南畑ダムの上流に建設中の利水と治水の機能をあわせ持つ多目的ダムでございまして、現在、福岡県において本体工事に先立って、つけかえ道路などの工事が進められております。  おただしのように、その事業進捗の中で立木補償の対象となりました民有林を平成15年度から19年度にかけて伐採されたわけであります。その面積は、ダムの集水面積の6%相当でございます。また、数年たった現在では草木がかなり生えた状態となってございます。このようなことから、保水力は伐採前と余り変わっていないというのが県からの見解でもございますし、今回、南畑ダムの水位が満水近くまでなりました原因は、記録的な大雨によるものと私どもも考えておるところでございます。以上でございます。 21 ◯議長(光安 力) 阿部市民局長。 22 ◯市民局長(阿部 亨) 那珂川の水害対策に関する御質問でございますが、今回の水害では市民への災害情報の伝達や避難誘導のあり方などが課題となったというふうに認識をいたしております。今後は、避難勧告前の早い段階から勧告が予測される地域の住民の方へ避難準備を促す情報を広報するとともに、迅速な勧告の発令、伝達ができる体制を整え、住民の避難行動の支援に努めてまいります。また、河川水位計設置箇所の増設などにつきましても、全市的な観点から総合的に検討を行い、水害対策の充実を図ってまいります。  次に、地下施設の浸水対策の確立、強化についてのお尋ねでございますが、現在、天神、中洲及び博多駅周辺地区の地下施設管理者に対しましては、天神地区共同防火管理協議会や博多駅地区総合共同防火管理協議会を通じまして、毎年、出水期前に止水板の設置や水防法で定められた避難確保計画の作成、公表などの水防対策の必要性を定例会で周知いたしておりますし、チラシの配布などを行っているところでございます。今後とも、両協議会との連携を強化するなどして水害対策に必要な情報提供先の拡充や止水板の設置促進など、効果的な浸水対策の充実、強化に努めてまいります。以上でございます。 23 ◯議長(光安 力) 吉田こども未来局長。 24 ◯こども未来局長(吉田恵子) 新型インフルエンザ対策についてのお尋ねですが、保育所の臨時休業につきましては、保護者に対して事前に十分な情報提供を行い、保護者の理解、協力をいただきながら行ってきましたが、感染拡大の状況や保護者の就労等に与える影響等を考慮しまして、現在は原則として保育所の臨時休業は行わないこととしております。今後とも、状況の変化に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。また、企業への働きかけにつきましては、平成21年5月に商工会議所に対し保育所等が臨時休業となった際の従業員への配慮について依頼を行っております。以上でございます。 25 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 26 ◯教育長(山田裕嗣) インフルエンザ対策についての御質問でございますが、学校の臨時休業の際の措置につきましては、児童が1人で過ごす状態もあることから、学校では毎朝、教職員が児童の健康状態について電話で聞き取りを行うとともに、困ったときには学校に電話するように声かけをするなどきめ細かな対応を行っております。状況によりましては、午後からも電話をかけるなど心のケアも含めた個別の対応を行っているところでございます。教育委員会といたしましても、休校措置を行うことを想定して各学校に対して保護者への連絡や児童生徒への家庭学習の指導について事例を示すなどの支援を行っているところでございます。今後とも、臨時休業時に児童生徒が家庭学習や生活に不安を抱かないよう支援に努めてまいります。以上でございます。 27 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 28 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ関係で、まず低所得者に対するワクチン費用の負担軽減措置につきましては、今後国において検討される予定となっておりますので、その動向を踏まえ対応してまいりたいと考えております。  また、低所得世帯や福岡市国民健康保険の資格証明書交付世帯における被保険者が新型インフルエンザのため医療機関を受診する際の医療費等の負担軽減につきましては、各種法令に基づく公費負担医療を除き、負担割合に応じた自己負担額を窓口においてお支払いいただいており、特段の措置はございませんので、御理解をお願い申し上げます。  次に、重症化防止対策につきましては、ぜんそくや糖尿病などの基礎疾患のある方や妊娠中の方、乳幼児、高齢者が感染した場合、重症化するおそれがあるため、市政だよりや市のホームページ、ポスター等により、かかりつけ医等への早期受診を呼びかけております。  次に、重症患者の入院受け入れに関する医療体制整備につきましては、これまで公的医療機関等による重症患者の入院受け入れ体制を整備するとともに、さらなる患者増への対応を図るために福岡市救急病院協会に対しても協議を行っております。今後も、より一層の医療体制の整備に努めてまいります。以上でございます。 29 ◯議長(光安 力) 宮本秀国議員。 30 ◯52番(宮本秀国) まず、新型インフルエンザ対策についてであります。  局長、保険証を持たない人、低所得者の医療費の負担軽減、一切考えていないと。冷たいですね。新型インフルエンザは今かつてない大流行が指摘されています。病院にかかれない人をあなた方は放置する、こういう無責任な行政姿勢を示されました。しかし、9月下旬から10月上旬にかけて感染拡大がピークを迎える。その後もピークが何度も襲ってくると、こういうふうに言われております。そのような状況のもとで、重症患者に対して全員に適切な手当てをとることが私は行政の責任だと思います。小児ぜんそくや糖尿病、基礎疾患がある人、また妊婦は重症化しやすいとも言われております。これらの重症患者を減らす対策が求められております。さらに重症患者の拡大に伴う医療機関や人工呼吸器など医療体制の整備も大きな課題であります。したがって、感染拡大に対応するためにも相談体制の強化を初め、学級閉鎖における患者家族などへの支援体制の確立、低所得者などの負担軽減対策、重症患者を受け入れる医療機関体制の整備など万全を期すべきだと思いますが、答弁を求めます。  次に、河川災害問題についてですが、岩崎局長は、改修について要望、県にも事業の促進を要望していくと、こうおっしゃったんですが、それは従来の行政スタンスだと思うんですね。今回の那珂川の実態から見て、そういう従来のスタンスでは市民の人命、多大な影響を受ける。そういうものを予防する、事前の予防、行政としての責任が私は果たせないと思いますよ。
     それで、そのことをちょっと指摘して、この樋井川、周船寺川、若久川にかかわる問題ですが、住民は、これは天災ではない、人災だ、とこう言って怒っております。これらの河川流域に共通しているのは常襲的に住宅浸水や護岸決壊、こういうことで被害を受け続けています。なぜ毎年のように浸水を起こすのか。これは河川改修事業の計画、そしてそれを進めている行政の姿勢、ここに問題があると思います。さらに事業が大幅におくれている、こういう問題、行政の責任でもあります。  それで私が提起したように、市民の安全を守るという行政責任を果たすためには、樋井川、周船寺川、若久川などの復旧を早急に終了させるとともに、河川改修計画の抜本的な見直しを早急に行うこと、そして災害防止策の確立と事業の取り組み強化を行うことだと思いますが、答弁を求めます。  次に、那珂川及び天神周辺部のはんらん、浸水対策についてですが、先ほど指摘をしました。そして原因ですが、集水面積の6%しか切っておりませんと。草木は生えていますと。大体ですね、こんな認識で、何というか、五ケ山ダムが堤体ができるまでの間どうなるのかと。これはあなただけの問題じゃなくて市全体の問題、県全体の問題ですけどね、こんな水準の認識の低い答弁をされるなんていうのは心外ですよ。それはあなた、集水面積が伐採されるということは、これは絶対あり得ないことです。しかし、6%、これは湛水面積ですよね。そして取りつけ道路、ここの森林が伐採されているんですから。それで今回のような事態が発生しているというところに、あなた方は真剣に考えないといけないと思うんですよ。いろいろ言いわけをいつもされるんだけど、その言いわけが説得力のない、もう低次元の話だということですね。  それで、何人かの方の答弁からするとですね、全くやっぱり危機感が感じられない。あなた方は天神が水につからんと本気にならんのですかね。私は天神は博多駅の比ではないと思いますよ。  そこで、那珂川は過去にもたびたび洪水に見舞われております。水道事業管理者、ようっと聞いておってくださいよ。近年、最大の洪水は昭和38年6月であります。これがどういう時期か、あなたは御存じですか。この時期は南畑ダムが建設中で保水機能が著しく低下しております。降雨による大量の雨水が那珂川に流入し、浸水家屋は7,533戸にも上っております。これは上流域での開発が大きな影響を与えたことは明白であります。私は7月26日当日、那珂川を見て回りました。既に向新町では堤防上の道路に水があふれ、川の流れはすごい状態でありました。もう本当に大規模なはんらん寸前という極めて危険な状態であります。  また、これ以外にも私、浸水箇所の調査をしてまいりました。先ほど指摘しましたように、自治会役員の皆さん、また市の職員は、福岡市は金がないもんなあ。何もできんよ、とこういう話をを異口同音、だれもかれも言われますね。ここはこうしましょう、ああしましょうと提案する人はだれ一人いない。あなた方のやっぱり間違った認識、主張が、よくもここまで徹底されていると。これは根本的に転換を図っていただきたい。  本来の地方自治体の役割は、住民の生命と財産を守ることであります。そのために今、市長に求められているのは税金を何に使うのか。その優先順位の問題だと思います。不要不急の大型開発事業は、これをきっぱりやめ、市民の命と財産を守る、そのための事業に税金を使っていく。この立場が今求められていると思います。那珂川の下流域には住宅や商業施設が張りつき、特に天神地区を初め、都心部には地下鉄を初め、さまざまな都市施設、都市機能が集約されております。那珂川がはんらんするということになれば一体どういうことになりますか。大惨事は免れない。あなた方は、御笠川がはんらんし大災害を起こしたその後、文書で何と言っていますか。いいですか。御笠川の河川改修、いいですか、553億円の投資をしておけば約4,600億円の被害を防ぐことができた、ここまであなた方は断定しているんですよ。那珂川のはんらんはこの比ではありません。  そして、これは市長がその気にならにゃいかんので、紹介せんでおこうと思いましたけどね、すなわち事前投資の重要性が証明されていると、大災害を防ぐためには。ここまであなた方は分析しているんですよ。それを実行するかどうかが今私は問われていると。あなたたちは九州一とかアジアに開かれた大都市とか突っ張って言っていますけどね、この天神地区が浸水したらどうなりますか。その責任はだれがとるんですか。そういう点で、これを放置することは絶対に許されないと。これは極めて重大な市長の政治責任だと思います。  したがって、那珂川の河川改修計画を国や福岡県に強力に働きかけること、福岡市が独自の河川改修計画及び雨水整備レインボープラン天神計画の見直し、その事業の大幅な期間短縮を進めていく、これらはあなた方が指摘しているように喫緊の課題であります。その事業の実行のために予算措置は絶対的条件であります。吉田市長が責任を持って実行していくべきだと思いますが、責任ある答弁を求めて私の質問を終わります。 31 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 32 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ対策についてでございますが、今後の医療体制整備につきましては、重症化防止や重症患者への適切な医療提供を最優先として整備していく必要があると考えております。今後も引き続き市内及び国内の新型インフルエンザ患者の発生動向を把握しつつ、各医療機関や医師会等の協力を得ながら医療体制の整備に努めてまいります。  また、感染拡大防止対策につきましては、ワクチン接種は重要な対策の一つでありますが、また一番の感染拡大防止策は、市民みずからうがいや手洗いの励行、特に症状がある場合には、せきエチケットや不要不急の外出自粛を徹底していただくことと考えております。このため、さまざまな機会をとらえ普及啓発に努めてまいります。以上でございます。 33 ◯議長(光安 力) 吉田市長。 34 ◯市長(吉田 宏) 本市におきまして、安全なまちづくりのために治水の根幹となります2級河川の改修については、これまで管理者である福岡県に強く要望してきました。現在も最重点の項目として要望しております。また、今回被害の発生しました樋井川、若久川、周船寺川につきましては早期回復に努めるとともに、河川の改修について県とも連携をして取り組んでまいります。  特に御指摘のあります那珂川の整備につきましては、現在、先ほど局長も答弁しましたけれども、河口から順次整備をされておりますけれども、さらなる河川改修の推進及び五ケ山ダムの整備推進について、またこれも強力に要望してまいります。  住民にとりまして、県、市という、そういう行政がどこであるかということは、これは別の問題でありまして、県だの市だのと言っているのと住民が皆さん思っていらっしゃるのとは、これは大分、行政と住民との間では当然ですけれども、受けとめ方が違うし、我々としても県と市の間でどっちがどうだというようなことをやっている結果、住民に被害が続くという、こういう事態は絶対やっぱり避けなきゃいけないと思っております。そういう意味では、県に対しても今まで要望してまいりましたけれども、さらに強く働きかけていきますし、またこれは大きな治水、九州北部、福岡県という全体の治水の問題でもありますので、国にもしっかりとこれから先、協議をしていってまいりたいと思っております。  都市機能が集積をしております都心部の天神周辺地区でございますけれども、博多駅周辺地区と同様の浸水対策を行うために今レインボープラン、作成をしましてやっており、今年度から着手をしております。着手をしたばかりでありますが、今回の豪雨によって浸水の被害も出ました。これも国と協議しながら早期完成に向けて鋭意推進をしてまいりたいと考えております。御指摘の点、我々もしっかり受けとめてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 35 ◯議長(光安 力) 渡辺裕江議員。 36 ◯41番(渡辺裕江)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表し、通園施設の車の買いかえ基準について、新型インフルエンザ本格流行への取り組みについて、並びに校庭の芝生化について質問いたします。  初めに、通園施設の車の買いかえ基準についてです。  障がい児療育の充実については以前からお願いしておりましたが、念願であった東部療育センターが2年後の平成23年4月をめどに開所の予定です。これで東部地域の障がい児療育体制の充実が図られることと期待しているところです。  東部療育センターは、自閉症などの発達障がいや重度・重複障がいのある就学前の子どもたちを対象とする施設で、現在、東区若宮にあるわかば学園を発展的に解消し、新設するものと聞いております。実は、わかば学園に子どもを通園させている保護者の方から、ここ2年くらい前から通園バスの故障が目立つようになり、かなり不安ですと御相談のお手紙をいただきましたので、ここで御紹介しますとともに、通園バスの買いかえ基準についてお尋ねします。  その内容は、施設の通園バスは購入からことしで17年目になります。現在の状況はバッテリーの異常でバスの運行ができなくなったり、冬には暖房がとまってしまい、園児が不安な思いをしています。ことしに入っても2回のトラブルが発生。2月は送迎途中で大量に白煙を出し動かなくなり、代替バスを出すということがありました。またいつとまるかと不安です。市には平成19年から20年、21年と3回、買いかえをお願いする要望を出しています。買いかえの計画はどうなのでしょうか、というものでした。  現在、障がい児通園施設で福岡市が保有する通園バスは3台です。めばえ学園が1台と、わかば学園が1台、そして西部療育センターは4台あるうち1台が市で、あとの3台はリースで昭和自動車に運行と車両の保守管理を業務委託しております。これらの施設通園バスは週5日、年間約220日稼動しており、走行距離も年間1万キロを超えるような、まさにフル稼働しております。これら市が保有する3台、それぞれの使用年数と走行距離をお示しください。  わかば学園でのことし2月の故障の原因は、ウオーターポンプの焼きつきで大量の白煙を出し、ベルト切れを起こしたのですが、これまでの故障の発生状況を調べてみますと、平成16年から21年までの5年間で18回ありました。これまでの故障の状況にどのような認識をお持ちか、西部療育センターとめばえ学園の通園バスの状況も含め、お伺いします。また、これまでの保護者からの3度の買いかえの要望に対してどのように対応したのかお聞かせください。  本市は、庁用自動車の買えかえ基準を定めており、自動車管理事務所が管理する11車種には基準がありますが、中でもバスについてはそれぞれの買いかえ基準年数とその設定根拠もお示しください。  一方、市所有の通園バスは庁用車には当たらず、買いかえ基準もありません。そもそも通園バスはなぜ自動車管理事務所が管理されていないのか、これまで何を基準にどこが買いかえ判断をしてきたのかお尋ねします。  次は、新型インフルエンザについてです。  世界保健機構は、新型インフルエンザのウイルスが変異を起こし、今後一、二年間は世界じゅうに広がり、感染終息までに三、四年かかると見解を発表しています。1918年のスペイン風邪のときも二波、三波と続き、日本は翌年の三波目で多くの死亡者を出したと言われています。  今回の新型インフルエンザは、病原性こそ当初の予測から外れて弱毒性ということでしたが、免疫力がないため感染力の強さは並ではないようです。秋から冬にかけて季節性インフルエンザと並行して猛威を振るうことは避けられないでしょう。本格的な流行が予想より早く始まったこの新型インフルエンザ感染の早期発見や急激な拡大の防止に本市がどのように取り組むのか、お尋ねしてまいります。  厚生労働省は6月19日、新型インフルエンザ対策の運用指針を改定しました。発熱外来を設けて特別な病気としての治療から地域の医療機関など一般診療に変更し、報告については集団感染の場合だけになりました。多くの人が受診しやすくなった一方で、患者の実数がとれなくなったと聞いております。本市も患者数は把握していないようですが、それでは情報の共有もできず、流行状況を何で判断するのか、本市の考えをお聞かせください。  折しも、学校は新学期を迎えました。1学期から学級閉鎖を行う学校が全国で700施設を超えております。保育所や学校での感染は集団感染の76%に当たるそうです。本市の新学期からの学級閉鎖の状況とその基準をお尋ねします。  また、ことし6月の小中学校などの集団感染で得た反省と課題は何か。今後、学校現場でどう生かすのか。その対応、指導について具体的にお示しください。あわせて、子どもに対しての予防や体調管理の指導などについて、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。  新型インフルエンザから子どもたちを守るため、一刻も早い対策が求められています。中でも6歳以下の子どもが感染した場合、インフルエンザ脳症にかかる危険があるそうです。全国では毎年100から300人がかかり、1割が死亡、2から3割が後遺症が伴うそうです。何が原因でどういった病気か。また、こういった重症児については、こども病院への受け入れ態勢はできているのか、お尋ねします。  妊娠している人が新型インフルエンザにかかると重症化しやすいことが明らかになりました。厚労省の感染症情報センターによると、妊婦に新型インフルエンザの症状が出た場合、通常はかかりつけ産婦人科に行きますが、妊婦から妊婦への感染を防ぐため直接受診することは極力避け、地域の一般病院で受診するようになっているようです。胎児への影響を心配するタミフル薬の服用についての考え方や、あわせて感染した母親の母乳の安全性などあらゆる情報の周知、徹底を市はどのように対応されたのかお尋ねします。  全国的な感染の広がりとともに、糖尿病やぜんそくなどの持病を持つ方々の死亡例や重症例の報告が相次いでいます。  そこで、優先順位の2番目の基礎疾患のある人とは、具体的な病名をお尋ねします。  ワクチン接種については、やっと接種のスケジュールが決まった段階ですが、現在わかっている厚生労働省の案についてお答えください。  本市の相談窓口についてですが、一時設置された専用相談窓口は廃止され、各区の保健福祉センターで月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで受け付けています。インフルエンザに関する相談件数を4月から8月まででお示しください。今後、相談が急増することが考えられます。時間外、休日の相談窓口の充実や発熱センターの設置についてお考えをお聞かせください。  本市の職員に新型インフルエンザが蔓延した場合、行政機能が停止してしまうおそれもあります。とまってしまっては困る機能もあります。例えば、消防署、区役所、上下水道、清掃工場などでしょうか。万が一、蔓延した際、行政機能を維持させるための対策はとっておられるのか。今後予想される流行拡大に対する危機管理対策についてお尋ねします。  次は、校庭の芝生化についてです。  「日本の砂漠、それが校庭」と例えられるように、そもそも欧米では校庭が土であるほうが珍しいそうです。  現在、校庭を芝生化にしているのは、全国の公立小中高校約3万6,000校の約4%というのが実情ですが、大阪府では知事の公約として学校の変革、その中に校庭の芝生化があったと記憶しています。今年度、年間50校を対象に1校530万円を上限に助成するそうです。また、東京都の緑の東京10年プロジェクトでは、校庭、園庭の芝生化で300ヘクタールの緑を創出する方針が打ち出されました。1校当たり2,800万円の予算です。このように一気に流れが変わり始めているのが校庭の芝生化です。  福岡市において、校庭の芝生化は市長の公約項目にあるものの、現状は百道浜小学校のグラウンドと西陵小学校の中庭の2校で、今年度の予算を見ても百道浜小学校の整備後の検証及び啓発の予算84万円しか組まれておりません。芝生化について今後の計画と、あわせて百道浜小学校の芝生化を学校側から見たメリット、デメリットについてお尋ねします。  昨年9月30日、教育委員会は新たな教育改革の指針策定に関する専門委員会を開き、校庭の芝生についても質疑がされていますが、その概要とこの会議から1年が経過しており、これまでどのような調査や検討を行ったのかお示しください。  校庭の芝生化は、その効果として子どもの発育や環境面など既にさまざまな報告がなされています。しかし、その効果の反面、維持管理の難しさ、多額の費用を要するなどからなかなか普及しない現状もあります。実際に、百道浜小学校の芝生化においては約2,300万円の費用がかかっており、仮に福岡市の全小学校を芝生化にすると、単純計算でいけば約30億から50億円かかってしまいます。  そこで、このような問題を解消する芝生化の手法が注目を集めています。通称鳥取方式と言われるもので、平成15年にスタートし、平成21年までに37都道府県、約500カ所で実施されています。これは大変興味深い事業でしたので、私も勉強させていただきました。芝生はいいけど高いというのが常識でしたが、この鳥取方式は植えつけまでの経費が1,000平方メートルで10万円以下ですので、1校で平均約50万円と破格の安さです。教育委員会も鳥取に視察に行かれているそうですが、この鳥取方式についての評価と百道浜小学校と鳥取方式で行った学校との初期費用での比較をお示しください。  これで1回目を終わり、2回目からは自席にて行います。 37 ◯議長(光安 力) 吉田こども未来局長。 38 ◯こども未来局長(吉田恵子) 市立障がい児通園施設において市が保有する通園バス3台の使用年数と走行距離についてのお尋ねですが、わかば学園の通園バスが平成5年1月の購入で車齢が17年目、走行距離は平成21年8月末時点で約16万7,000キロメートル、めばえ学園の通園バスが平成8年2月の購入で車齢が14年目、走行距離は約14万5,000キロメートル、西部療育センターの通園バスが平成11年3月の購入で車齢が11年目、走行距離は約9万4,000キロメートルとなっております。  次に、わかば学園の通園バスの故障の状況に対する認識やこれまでの対応等についてですが、わかば学園の通園バスにつきましては、平成18年度から代替バスが必要となる故障が出始めたことから、市といたしましても子どもたちの安全性確保の観点から重要な事態であると認識し、3カ月点検による不良箇所の早期発見に努めてまいりました。  しかしながら、その後も故障が発生したため、保護者からのバス買いかえの要望も踏まえまして、今回、9月補正予算案で環境対応車への買いかえをお願いしているところであります。  また、西部療育センター及びめばえ学園の通園バスにつきましては、現在まで両車両とも大きな故障もなく順調に運行されております。  続きまして、市立障がい児通園施設の通園バスの管理等につきましては、こども未来局において施設の管理運営とあわせて福岡市社会福祉事業団に委託いたしております。このため、通園バスの買いかえにつきましては、事業の所管でありますこども未来局において財政局の買いかえ基準等を参考にしながら行ってきたところでございます。以上です。 39 ◯議長(光安 力) 貞刈財政局長。 40 ◯財政局長(貞刈厚仁) 自動車管理事務所が管理するバスの買いかえ基準年数とその設定根拠についてのお尋ねでございますが、バスにつきましては中型バスとマイクロバスを所有しており、その買いかえ基準年数は両車種とも13年としております。なお、買いかえの判断につきましては、走行距離や車両の傷みぐあいも見ながら行っております。  また、買いかえ基準年数の設定根拠でございますが、それぞれの車両の年間走行距離やその損傷ぐあいを想定して一応の基準を定めております。以上でございます。 41 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 42 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザについて、まず患者数の把握につきましては、7月24日に感染症法施行規則が改正され、個別の患者発生については医師からの届け出が不要となったことから全数把握はできなくなりました。これは国内の発生状況から判断して、もはや封じ込めの対応は困難であり、今後は個々の事例ではなく、集団感染の把握により秋、冬に向けた大規模な患者数の増加の早期把握や重症患者対策に重点を置くという考えのもと国の方針が変更されたことによるものでございます。このため、医師や学校、社会福祉施設等からの連絡により、保健所が集団発生を早期に把握するための集団発生サーベイランスを継続して実施しております。また、感染症発生動向調査インフルエンザ定点医療機関当たりの報告数により、市内の流行状況を把握しております。  次に、インフルエンザ脳症につきましては、その発生の仕組みはいまだ解明されておりませんが、インフルエンザ発病後に急に症状が悪くなる病気で、呼びかけにこたえないなどの意識障害、意味不明の言動、持続性のけいれんなどの症状があらわれます。このような重症児につきましては、こども病院・感染症センターなどで受け入れる態勢が整備されております。  次に、妊娠中の方につきましては、新型インフルエンザに感染すると重症化するおそれがあることから、市の関連施設に掲示しているポスター、市政だより及び本市のホームページ等で早期に主治医への相談や受診を呼びかけております。なお、タミフルの服用等に関する情報提供につきましても、市のホームページから簡単に日本産科婦人科学会が作成され、妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての新型インフルエンザ感染に対する対応Q&Aをごらんいただけるようにしております。  次に、基礎疾患のある方につきましては、国のワクチン接種に関する素案において、ぜんそくを含む呼吸器疾患、高血圧を除く心疾患、腎疾患、肝疾患、神経疾患、神経筋疾患、血液疾患、糖尿病を含む代謝性疾患、HIV、悪性腫瘍を含む免疫抑制状態の方がこれに当たるとされております。  次に、厚生労働省のワクチン接種についての案につきましては、まず優先順位についてインフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者、妊婦、基礎疾患を有する者、1歳から就学前の小児、1歳未満の小児の両親の順に優先的に接種を開始するとされており、さらに小中高校生、65歳以上の高齢者についても優先的に接種することが望ましいとされております。なお、医療従事者や基礎疾患を有する方の対象範囲についての具体的な基準は明確になっておりません。  また、ワクチン接種の実施につきましては、国内産ワクチンの出荷が始まる10月下旬以降、都道府県が決定した接種スケジュールに従い、国と契約した医療機関で実施予定とされておりますが、費用については示されておりません。  次に、新型インフルエンザに関する相談件数につきましては、発熱外来受診の必要の有無を判断するための発熱相談センターを設置していた4月から7月22日までの期間では2万2,917件、一般の医療機関で受診が可能となったことに伴い、発熱相談センターを廃止し、新たに新型インフルエンザ電話相談窓口を設置した7月28日から8月末までの期間は1,781件となっております。  時間外、休日の電話相談窓口の充実につきましては、今後、相談件数が急増した場合には速やかに対応したいと考えております。なお、時間外の電話相談対応につきましては、まずは中央保健所を中心とした対応を行うこととしており、そのための電話回線の増設工事等につきましては既に終えております。以上でございます。 43 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 44 ◯教育長(山田裕嗣) インフルエンザ及び学校の芝生化についてお答えをいたします。  まず、インフルエンザに伴う学級閉鎖につきましては、2学期開始時点では同一学級に2人以上の患者が発生した場合に学級閉鎖としておりましたが、多くの学校において学級が閉鎖となったことから、9月7日からインフルエンザ患者もしくは疑われる症状のある者の欠席者が学級で2割以上となると学級閉鎖としているところでございまして、昨日までに18校、42学級に閉鎖の措置を行っております。  次に、6月の集団感染時の反省や課題、今後の対応につきましては、臨時休業や児童生徒の健康管理の徹底による感染拡大防止に努め、封じ込めに一定の成果が認められたところでございます。  一方、休業により授業時数や学校行事などに支障が生じたため、各学校において回復措置を行うとともに、国の指針を参考にしながら臨時休業の基準を見直しております。  また、子どもに対する予防や体調管理につきましては、一人一人が感染防止対策を自覚を持ってみずから実践することが最も効果的なことから、引き続き手洗い、うがいの励行、症状が出た場合のマスクの着用、外出の自粛、人にせきやくしゃみをかけないせきエチケットなどの日常的な感染予防策の周知徹底を行ってまいります。  次に、校庭の芝生化につきましては、学校や保護者、地域、NPO法人などの協力による維持管理体制が整った学校から取り組んでいくこととしております。  また、百道浜小学校の芝生化について学校から聞き取ったメリットといたしましては、芝生のグラウンドであるため、児童がはだしで走り回るようになったこと、すり傷などのけがの減少、草取りの際に自然と触れ合う機会がふえたこと、緑化によるいやしの効果、強風時における砂じんの軽減、夏季の照り返しの抑制などがあり、デメリットにつきましては、芝生保護のため、放課後におけるサッカーや野球などの運動や地域活動の制限、冬芝育成時の養生期間確保のための使用制限、芝生の適正管理のための芝刈りや除草、施肥などの労力、芝生の維持管理のための散水など費用の発生がございます。  次に、新たな教育改革の指針策定に関する専門委員会での校庭の芝生化に関する質疑の概要につきましては、百道浜小学校における校庭の芝生化の経緯、整備後の維持管理に関すること及び鳥取県における芝生化の取り組みなどについて討議されております。  また、その後の調査や検討につきましては、他都市における整備手法を調査するとともに、芝生化を進める方策などについて検討してきたところでございます。  次に、通称鳥取方式による芝生化の評価につきましては、芝生の植えつけや維持管理のあり方などにおいて芝生の整備手法として有効であると認識しております。一方で、児童生徒数の多い学校の場合、芝生の生育、維持管理の手間や利用制限などについて検討することも必要と考えております。  初期費用につきましては、校庭の形状や土質などの条件の違いで一概に比較できない面もありますが、最初の芝生植えつけ費用や散水設備の設置経費などで比較しますと、百道浜小学校では1平方メートル当たり約6,000円、鳥取県の白兎養護学校では1平方メートル当たり約2,300円でございます。以上でございます。 45 ◯議長(光安 力) 阿部市民局長。 46 ◯市民局長(阿部 亨) 新型インフルエンザの本格的な流行によりまして、市職員に感染が蔓延した際の行政機能を維持するための対策についてお尋ねでございます。  現在、業務への影響を最小限に抑制するとともに、市民生活に必要不可欠な業務を継続するために、各局におきまして職員に感染が蔓延した場合の必要業務の分類の作業を行うなど福岡市新型インフルエンザ対策業務継続計画の策定を9月末をめどに進めているところでございます。今後、流行の拡大が進んだ場合におきましても、必要な行政機能を維持するとともに、市民の皆様の安全、安心を確保できるよう対策をとってまいります。以上でございます。 47 ◯議長(光安 力) 渡辺裕江議員。 48 ◯41番(渡辺裕江) 2回目です。  庁用車と通園バスの扱いの違いは、同じ市の保有する車であっても管理体制によっては自動車管理事務所の管理に当たらないということがわかりました。  そこで、通園バスの買いかえは庁用車を参考にしてこども未来局が決めていると答弁されましたが、庁用車の中型バスは13年という基準があります。もちろん年数だけではなく車両状況や使用頻度、走行キロ数も買いかえの判断基準となっているわけですが、わかば学園の場合、使用年数は17年目であり、走行距離も16万キロで、頻繁に起こる故障にもう少し早い時期に見直しをされるべきであったのではないでしょうか。  先ほどの答弁によれば、わかば学園の通園バスについてはかなり緊急性を認識してこられたのでしょう。9月補正予算に上がりました。めばえ学園や西部療育センターについては調査もしていただき、順調に運行されているようで安心いたしましたが、既にめばえ学園のバスも13年が経過しております。他の政令市で見てみますと、スクールバスの買いかえ基準のあるところは平均年数約12年、また平均走行距離は約10万キロを買いかえの基準としており、車を保有している部署が独自の基準もしくは市の基準に基づいてつくられております。  本市では、こども未来局のように自動車管理事務所以外の管理をしている局は、消防や水道局、交通局で合わせて305台ありますが、いずれも買いかえ基準を設けています。この際、こども未来局もこの3台に対しての買いかえ基準を明確に定めるべきと考えます。御所見をお聞かせください。  新型インフルエンザに関しては、万が一の備えというものはなかなか難しいかもしれません。しかし、あらゆることを想定し備えることは重要です。問題は新型インフルエンザそのものよりも、感染力が強いために一度に多くの患者が出た場合に市民が混乱することです。これは福岡市だけではなく、県や医療機関と連携した情報の共有や機動的連携体制が必要と考えます。  本市は、患者数の把握はもちろん、体制づくりもできていませんが、先月8月28日、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部が都道府県、保健所設置市あてに医療提供体制の確保についての文書を出していますが、その中で重症者の発生数等について確認の上、入院診療を行う医療機関の病床数等について確認及び報告を行うとともに、受け入れ医療機関の確保や重症患者の受け入れ調整機能の確保など、地域の実情に応じて必要な医療提供体制の確保を講じておくこと、また、流行状況や対策についても医療機関等への情報提供を行うことを依頼しています。この文書を受けて市はどのような対策を講じていくのか伺います。  神戸市は9月1日から、独自の新型インフルエンザ対策、神戸モデルにおいて中心的な役割を担う専任保健師11人を新たに配置しました。平常時から学校などと連絡を密にし、感染症発生の動向を早期に発見することが目的だそうです。この専任保健師11人は、市の保健福祉担当職員の中から専任し、これに伴う職員の補充として、市は新たに5人の正規職員と6人の臨時職員を採用することを決定しました。相談窓口についても、各区の保健福祉課の窓口以外に24時間対応の神戸市発熱相談センターを既に開設しております。本市の新型インフルエンザ対策の取り組みは市民にとって安心できるものなのか、今からでもできるところから早急に対策を講じるべきと主張しておきます。  また、ワクチン接種費用は低所得者については公費による負担軽減措置を厚労省は検討しているようですが、報道によると、2回の接種で約7,000円から8,000円とも言われており、子どもや高齢者など個人の負担が大きくならないように、一部負担軽減を取り入れるべきと要望しておきます。
     多様化する危機に対して自治体はどう対応していくのか、大きな課題となっています。従来の防災・危機管理課のみでは対応できませんし、役所の縦割りでは対応できません。危機に対しては総合力が必要です。一元的で総合的な対応で市民の生命と財産を守っていただきたいと思います。新型インフルエンザ対策本部長である市長の決意をお伺いし、この質問を終わります。  次に、校庭の芝生化についてです。  鳥取方式の考案者はニュージーランドから鳥取市にやってきたニール・スミスさんです。スミスさんは「世界の子どもたちが芝生の上でやっていることを、日本の子どもたちは固い土のグラウンドでやっています。」と語り、「芝生は土と違って傷みます。しかし、それは芝生が衝撃を吸収しているからです。土のグラウンドでは子どもが傷みますが、そのかわりに芝生が傷んでくれる。それは安全性というメリットだ。」とも言われています。スミスさんの主張からすると、百道浜小学校がデメリットに上げていたように、芝生を傷めぬように遊ぶ内容に制約が生じるとか、野球やサッカーなどはほかの施設を利用してもらっているなどは校庭の使い方としては本末転倒であり、まさに価値観の違いとしか言いようがありません。草取りや水まきなどの維持管理が大変ともありましたが、鳥取方式では雑草も芝という考えで雑草を抜いたりせず、ただ刈るだけです。水やりの管理は初年度しっかり行っていれば次年度からは夏場の水やり程度でよいそうです。まず私たちが、国立競技場や日本庭園のような芝生というイメージ、概念を取り除かなければ校庭の芝生化は進みません。  教育委員会は鳥取市の視察から得たことを本市で実行に移すにはまだ不安がおありのようですが、私も先月、鳥取市に行ってまいりました。最初の視察地は、芝を植えつけて1月半になる久松公園です。既に完成かと思うくらい一面緑で、思わずはだしになっていました。ちくちくしませんし、やわらかく弾力があり、参加者一同声を上げて驚きました。破格の低コストに目が行っていた私も、子どもたちが外に出たくなるわけを実感しました。  その特徴は、成長が早くて丈夫なティフトンという品種の芝を使用し、ポットで苗を育てて、これを田植えのように50センチ間隔で1平方メートル当たり4株ほど植えます。かなりまばらですが、生育の早い芝ですので2カ月半くらいで一面芝生化するという早さなのです。専門業者でなくとも子どもたちや地域の方が一緒に芝生の校庭づくりに取り組めます。強い芝ですので、百道浜のように5カ月間も養生期間で使用制限をせずとも、植えた後もすぐに校庭が使えるので困りません。車を乗り入れても大丈夫です。費用が高いと言われる土壌改良もしなくて済み、除草剤や農薬を一切使用しないので、環境にも優しい方法なのです。費用は、苗だけであれば1平方メートル当たり100円程度。従来の芝張り方式だと5,000円から1万円くらいかかるのに対し、たったの100円で済むのです。  先ほどの答弁では、百道浜小学校と鳥取県立白兎養護学校で芝生や散水設備などの初期費用の比較をしてみると、1平方メートル当たり百道浜小学校は6,000円、白兎養護学校が2,300円と約3分の1で済むことがわかりました。また、維持管理は水やり、芝刈り、肥料まき程度ですので、維持費は大体年間で小学校なら20万円から30万円プラス水道代くらいです。作業内容からしても、教職員だけでなく地域の方やNPOなどの市民団体、PTAの保護者でも十分に対応できると考えられます。文科省もPTA、地域、NPO団体等と連携し、芝生の管理を促進することで地域と学校の連携が進むことを視野に入れているようです。今後の重要な課題である学校と地域の連携、共働を目指す意味でも芝生化の取り組みについて、教育長のお考えをお聞かせください。また、地域との連携による維持管理が難しいならば、シルバー人材センターの活用につなげるという方向性もあってよいのではないでしょうか。御所見を伺います。  これで2回目を終わります。 49 ◯議長(光安 力) 吉田こども未来局長。 50 ◯こども未来局長(吉田恵子) 通園バスの買いかえ基準設定についてのお尋ねですが、障がい児通園施設の運営において通園バスが適正に管理され、順調に運行されることは非常に重要であると考えております。このため、こども未来局といたしましても財政局の買いかえ基準に基づき、車両の状況等、注視しながら利用者の通園に支障がないよう適宜買いかえ等、対応してまいりたいと考えております。以上です。 51 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 52 ◯保健福祉局長(井崎 進) 御答弁の前に、先ほどの答弁の中で新型インフルエンザ電話相談窓口を設置した日を7月23日と申し上げるべきところを7月28日と申し上げました。おわびして訂正させていただきます。  それでは、新型インフルエンザについてでございますけど、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部からの通知につきましては、入院診療を行う医療機関の病床数等の調査を行い、その結果を県を通じて国に報告する予定でございます。  また、重症患者の入院受け入れ医療機関の確保につきましては、公的医療機関等による重症患者の入院受け入れ体制を整備するとともに、さらなる患者増への対応を図るため、福岡市救急病院協会に対しても協議を行っているところでございます。今後もより一層の医療体制の整備に努めてまいります。  なお、医療機関等への情報提供につきましては、これまで集団発生事例や医療体制変更等、適宜行ってまいりましたが、今後も引き続き適切に対応してまいります。以上でございます。 53 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 54 ◯教育長(山田裕嗣) 校庭の芝生化についての御質問でございますが、校庭の芝生化は体育活動や環境教育などの観点から多くの効果が期待できるものと考えております。また、芝生の育成や維持管理を通して学校と保護者、地域との結びつきがより一層強まり、また活動の幅も広がることが考えられることから、芝生化は地域を含んだ教育環境の向上を図る一つの有効な方策と認識しております。  次に、校庭芝生化の推進に当たっては、芝生の維持管理に多くの労力を要することから、学校や地域などによる管理体制づくりが難しい面がございます。議員御提案の芝生の維持管理にシルバー人材センターを活用することにつきましては、今後の研究課題であると考えております。以上でございます。 55 ◯議長(光安 力) 吉田市長。 56 ◯市長(吉田 宏) 今回の新型インフルエンザにつきましては、本市ではこれまで、ことしの2月に策定をしました福岡市新型インフルエンザ対策行動計画に基づいて、4月28日に市の新型インフルエンザ対策本部というのを立ち上げまして、今回のインフルエンザの特徴を盛り込んだ国の方針に基づくとともに、県との調整を図りながら柔軟に対応してきました。  具体的には、特に発生の変化があったときなどに私を本部長としまして危機管理監、高田副市長でございますが、副市長、全局長、区長で構成します福岡市新型インフルエンザ対策本部会議というものを適宜開催をしておりまして、情報共有、それから取り組みの方針、また具体的な対応などを協議をして、その場で決定をしております。  具体的に言うと、あるクラスで朝の報告で「あっ、きょうは3人から4人出た」と、こういうふうなときにですね、ぱっとやっぱりみんなで集まってどうすると。学級閉鎖、学校閉鎖、それから地域への対策をどうするというようなことを、その都度、みんな今言ったメンバーが集まって協議をし、そしてその場で決めると。そういうことをこの夏、何度も繰り返してきました。その経験といいますか、取り組みを通して、全庁的な取り組みの体制というのは一つ、今のところ我々としては確立できているんじゃないかなと思っています。  現在、8月21日に政府からインフルエンザ流行シーズンに入ったという発表がありました。ほとんどパンデミックの状態であるという意味だと思いますが、現在も予断を許さない状況が続いておりまして、新学期に入りましたけど、学級閉鎖しているところもあります。本市としましても、安全、安心を確保するために、この夏の経験を生かしまして全庁一丸となって、今後も危機感を持ってインフルエンザに取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 57 ◯議長(光安 力) 渡辺裕江議員。 58 ◯41番(渡辺裕江) 3回目です。  通園施設の車の買いかえについてですが、車は命を運ぶもので安全性が最も優先されるべきものです。今後は、市の管理事務所の基準に基づき買いかえを行うと前向きな答弁をいただきました。わかば学園の通園のバスについては、予算議案が通った場合、速やかに対応することを要望しておきます。  最後に、校庭の芝生化についてです。  本市でも9月7日、照葉小学校でアビスパ福岡の協力を得て、鳥取方式によるアビ芝プロジェクトの苗植えつけ事業を実施しました。アビスパ福岡が芝生の苗の提供と植えつけを指導します。学校と地域が一体となって行うもので、小中学生と保護者や地域の方の約600名の方が汗を流し、植えつけ作業をしました。私も参加しましたが、思ったより子どもたちが真剣に取り組んでいる姿に周りの大人たちも張り切らざるを得ない感じでした。グラウンド一面の緑を想像しながら約1時間の作業が終わりました。閉会式で校長先生の言葉ですが、「みんなでつくった校庭です。芝生がはげるくらい外で遊んでください。」と言われました。全く同感です。また、昨日の西日本新聞には鳥取方式の芝生化により、2カ月ちょっとで全面緑鮮やかに広がっている春日市の幼稚園の園庭の写真が載っていました。副園長は「どんな手間暇をかけても安心して元気いっぱい運動できる場を提供したい。」と話しています。  同志社大学の研究報告では、校庭芝生化の結果、外で遊ぶ子どもたちがふえ、ルールを伴う集団的な遊びが増加する、特にひとり遊びをしていた子どもは集団で遊ぶことが多くなり、友人関係の不安や休み時間の不安の程度が減少する、との報告がされています。これはすごいことだと思いました。群れて遊ぶことが苦手な子どもたちを、一昔前のように群れて遊べるように教師やその他の大人が教え導くのではなく、芝生がかわりにやってくれるのです。  また、校庭の芝生化は環境保全の上からも大いに期待できるものです。大成建設技術センターの調査によると、8月、地上60センチの気温は校庭土が37度、芝生は34度と約3度違うそうです。校庭の気温が下がれば、教室に設置された扇風機も有効に機能するのではないでしょうか。数々のメリットを考えたとき、校庭の芝生化は福岡の教育レベルを上げる取り組みであると考えられないでしょうか。  学力や体力の低下は教師の指導力だけで語れないと思います。環境を整えることは、行政の負うべき責任であると考えます。条件の整ったところから順次入れていくという消極的な取り組み方でなく、幼稚園の園庭や養護学校の校庭、できれば都心部の校庭や、砂ぼこりや水はけなどグラウンドに課題のあるところから年次目標を定め、予算をつけ、学校にアピールをしっかり行って、地域を巻き込むくらいの積極的な取り組みをするべきと考えます。芝生化の早期実現に向けて、少ない予算で効果の高い鳥取方式による芝生化の導入を提案いたします。教育長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。 59 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 60 ◯教育長(山田裕嗣) 校庭の芝生化についてお答えをいたします。  校庭の芝生化は児童生徒の体力向上に寄与し、教育環境の向上を図ることができるものと認識しております。今後は、新たな芝生化の手法や維持管理体制などを調査していくとともに、百道浜小学校は芝生開きから1年がたったこと、また、鳥取方式による照葉小学校の校庭芝生化が行われたことを踏まえ、その生育や維持管理の状況を整理、検証してまいります。また、これらの成果を各学校に積極的に紹介し、学校や保護者などによる協力体制づくりを促し、校庭の芝生化を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 61 ◯議長(光安 力) この際、暫時休憩いたします。  午後は1時10分に再開いたします。                                         午前11時46分 休憩                                         午後1時11分 開議 62 ◯副議長(久保 浩) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。南原茂議員。 63 ◯21番(南原 茂)登壇 自民党の皆さんも来ていただきましたので、質問させていただきます。  私は、自由民主党福岡市議団を代表し、特別支援学校、博多高等学園について、知的障がい者の就労支援についての2点について質問いたします。  まず、特別支援学校、博多高等学園についてお尋ねします。  博多高等学園は、軽度の知的障がいのある子どもたちの就労を支援する高校として、平成16年4月に博多区の旧御供所小学校校舎を改修して開校しました。早いもので開校から5年が経過し、ことしの3月には3回目の卒業生も送り出しています。この間、学校スタッフと保護者の皆さんの連携、さらに地域住民の皆さんの温かい御支援もあって、博多高等学園の教育は知的障がい者の就労率の向上に大きな貢献を果たしてきたと思っております。この教育の主要な取り組みとして、学園が日々行ってきた、そして成果を上げてきた教育課程の一つに現場実習があると伺っております。学園に入学されたばかりの1年生の皆さんは、まず校内の作業学習室で必要な職業訓練を受けた後、現場実習に行かれるとのことです。また、大博通りや博多川の遊歩道を複数のチームできびきびと清掃したり、花壇を手入れする生徒さんたちの姿は、見ていてもすがすがしいものです。  さて、博多高等学園の教育は知的障がい者の就労率の向上に大きく貢献していると申し上げましたが、ここで改めて、学園の開設の経緯と卒業生の就労実績についてお尋ねします。  また、学校用地は借地であると伺っていますので、借地期限についてもお聞かせください。あわせて、他の政令指定都市に立地する類似学校の開校状況についてお尋ねいたします。  次に、知的障がい者の就労支援についてお尋ねします。  そもそも障がい者の就労支援は、障がい者が自立して普通に暮らせること及び地域において障がいの有無にかかわらず、お互いに支え合って生活していくことを目指すノーマライゼーションの理念を実現していくために重要な柱とされております。この障がい者の就労支援については、私もかねてから非常に大切な課題と考えており、これまでも議会においてさまざまな観点から質問を行ってまいりました。私が最初に障がい者の就労を本市として積極的に支援すべきと考えた当時と比較いたしますと、確かに障がい者に関しては、すべての障がいというわけではありませんが、内部障がい、肢体不自由などを初め、身体障がい者の雇用に関し、民間企業でも若干の理解が進み、採用されていると思います。もちろん、視覚障がい者などもっともっと職域の工夫が必要な障がいもあり、決して楽観視はできませんが、身体障がい者の雇用は全体としてかなり進んできたのではないかと思っております。  しかしながら、その一方で、先日、博多高等学園の方々とお話しする機会がありました。お話では、お子さんの将来、卒業後の就職、目下の経済状況など、さまざまな不安をお持ちでおられました。その中で、知的に障がいのある子どもたちが卒業後、企業への就職を目指してひたむきに頑張る様子をお聞きし、私は自分が思っている以上に知的障がい者の雇用は厳しい現状にあるということを痛切に感じました。知的に障がいのある方は、一般的に、決まったことを毎日、決まった時間に決められた手順できちんと行うというすぐれた能力があると言われています。私は、このことは職場のちょっとした支援、工夫、理解があれば十分に戦力になり得るのではないかと思います。にもかかわらず、身体障がい者と比べて知的障がい者の就労が周囲の啓発や理解不足により、思うように進んでいないのは非常に残念なことです。さらに、現在の厳しい経済状況のもと、障がい者の就労がますます厳しさを増している中、特に知的障がい者の就労は非常に重要な課題であり、本市としても何とか支援を広げていかなければならないのです。本市においては、これまでも障がい者就労支援センターの設置や博多高等学園の開校など、障がい者の就労支援に力を入れておられるのは理解しておりますが、まず本市における知的障がい者の就労支援に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。  また、本市として知的障がい者の就労支援を図っていく上では、市みずからが率先して知的障がい者を採用することにより、その就労機会の拡大を図っていくということが大事ではないかと思います。私が平成16年10月の決算特別委員会においてこの件でお尋ねした後に、平成17年度から市においても知的障がい者の採用を始められ、平成18年10月の決算特別委員会においてお尋ねした際には3名を雇用しているとお伺いしましたが、現在の本市における知的障がい者の雇用状況はどうなっているのでしょうか。他都市における雇用状況も含めてお答えいただきたいと思います。  以上で1回目を終わり、2回目からは自席にて質問いたします。 64 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 65 ◯教育長(山田裕嗣) 博多高等学園の御質問にお答えをいたします。  まず、博多高等学園の開設時の経緯についてでございますが、学園開設の検討を始めました平成13年ごろ、現在の特別支援学校でございます知的障がい養護学校の高等部では就職率が低迷をしておりました。その原因としましては、一般の事業所への就職を目指す障がいの程度が軽い生徒と主に福祉的に就労する中重度の生徒が一つの学校に在席していたため、それらの障がいの程度に応じた教育課程に基づく作業教室での実習時間や就職先の開拓など、指導体制が十分に確保できないことによるものでございました。  そこで、障がいの程度が軽度の生徒の就職率の向上と養護学校高等部での中重度の生徒への教育の充実を図るために、平成16年度に軽度の生徒のみを対象とした博多高等学園を開設したものでございます。その際、学校の立地につきましては、通学の交通利便性が高く、近郊に現場実習を行う事業所が多いこと、さらに平成16年4月開校が可能であることを考慮しまして、博多区御供所町の旧御供所小学校校舎を改修して開校することに決定したものでございます。  次に、卒業生の就労実績につきましては、平成18年度から20年度までの卒業生、合わせて87名のうち71名が卒業時に一般の事業所に就職しておりまして、就職率は約82%でございます。  次に、学校用地の借地期限についてのお尋ねでございますが、学校の敷地は土地所有者との間で平成26年3月31日を期限とする賃貸借契約を締結しております。この契約では、期限までに本市所有の建物、工作物など一切のものを撤去し、更地に戻して返還することとしております。  次に、政令市に立地する類似の学校の開校状況についてのお尋ねでございますが、高等部単独の特別支援学校は北から札幌市に3校、新潟市、さいたま市に各1校、横浜市に2校、京都市、堺市、岡山市、北九州市にそれぞれ1校の計11校が開校いたしております。このうち、博多高等学園と同じく企業などの一般の事業所への就労を目的としております学校は6校でございます。以上でございます。 66 ◯副議長(久保 浩) 井崎保健福祉局長。 67 ◯保健福祉局長(井崎 進) 知的障がい者の就労支援についてでございますが、本市障がい者就労支援センターにおいて、能力、適性の把握から職場開拓、就労後の職場定着に至るまで、障がい者の個々の状況に応じた就労支援に取り組んでいるところでございます。  同センターでは、平成20年度末現在、約1,800人の方が登録されておりますが、このうち約4割が知的障がいの方であり、また、これまでの就労実績、約650人のうち約半数342人の方が知的障がいの方で、定着率はおおむね7割でございます。本年度は同センターに就労支援相談員3名を新規に配置し、さらなる職場開拓などを積極的に行っております。  なお、現下の厳しい雇用情勢を勘案し、国の緊急雇用対策事業基金活用により、今回の補正予算案も含め、約65人、延べ7,500日程度の知的障がい者も含めた障がい者雇用を創出するようにしております。以上でございます。 68 ◯副議長(久保 浩) 陶山総務企画局長。 69 ◯総務企画局長(陶山博道) 本市における知的障がい者の雇用状況についてでございますが、本市での就労経験を民間企業への就職へつなげることを目的といたしまして、知的障がい者を対象とした嘱託員の採用選考を平成17年度から実施しております。任用期間は1年間で、勤務成績が良好な場合は最大3年間任用できることとして、現在7人を任用しており、おおむね毎年度3人程度を採用しているところであります。  次に、他都市の状況についてでございますが、政令市におきましては、本市を含めて18政令市中11市において知的障がい者を任用しており、その任用形態としては正規職員、嘱託員、臨時職員がありますが、本市と同様、嘱託員として任用しているところが多くなっております。以上でございます。 70 ◯副議長(久保 浩) 南原茂議員。 71 ◯21番(南原 茂) 2問目です。  まず、特別支援学校、博多高等学園についてお尋ねします。  博多高等学園の学校用地についてですが、ただいまの答弁によれば、土地所有者との賃貸借契約では平成26年3月までに更地にして返還しなければならないとのことです。現在は平成21年9月11日1時20分程度でございますが、返還期限まであと4年半を残すのみです。更地にするには校舎を崩すために必要な期間を考慮しなければなりませんから、現在地で学園を運営する期間はもっと短くなると考えています。  一方で、博多高等学園の教育を継続するためには、別の場所に校舎を整備しなければならないと考えますが、一般的に新校舎を建てるとなれば、設計や建設工事でかなりの期間が必要だと思います。それを考えると学校整備に与えられた時間はそれほど長くありません。移転場所を決めて施設整備に取り組む時期は、すぐそこに迫っているのではないでしょうか。  そこで、移転場所の選定や工事時期など移転計画はどうなっているのかお尋ねします。  次に、知的障がい者の就労支援についてお尋ねします。  知的障がい者の就労支援につきましては、障がい者就労支援センターを中心に取り組んでいただき、これまで一定の成果も上げているということであります。知的障がい者の就労支援に当たっては、一人一人の能力や適性を踏まえ、きめ細かく対応していくことが重要になってきます。これからもジョブコーチを派遣するなど、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  また、民間企業に対する職場開拓についても、センターに新たに就労支援相談員を設置するなど、積極的に取り組んでいるとのことでしたが、現在の厳しい経済状況のもとで新しい職場を開拓していくわけですから、非常に大変なことは十分理解できます。したがいまして、こういった中では、民間企業を率先垂範する立場にある本市における雇用の取り組みはとりわけ重要になってくると思います。  本市においては、現在7人の知的障がい者を雇用しているとのことでしたが、さまざまな事業を実施している市役所ですから、職域を拡大すればもっと多くの方を雇い入れることができるのではないかと思います。私が知っているところでは、これは民間になりますが、保育所で知的障がい者を雇っているところもあり、とてもまじめにきちんと仕事をして、評判もいいと聞いております。また、介護老人ホームでも清掃や食事の搬送、三角きんの折り畳みなど、一般職員と同じように活躍されているとのことです。  そこでお伺いしますが、現在市で雇用している7人の方はどのような業務についているのでしょうか。私は、知的障がい者の就労の機会の拡大という観点から、今後、例えば市立保育園なども含めて職域を拡大し、市での知的障がい者の採用数をふやしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  以上で2問目を終わります。 72 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 73 ◯教育長(山田裕嗣) 博多高等学園の移転計画についてのお尋ねでございますが、移転開校の時期は現校舎を取り壊す工事の期間などを考慮しますと、借地期限の1年前の平成25年4月には開校する必要があると考えております。このため、スケジュールといたしましては、本年中に移転場所を選定して、地元説明を終え、平成22年度に設計を行い、23年度に工事着工、24年度中に完成をさせまして、25年4月に新校舎での開校を目指したいというふうに考えております。  なお、移転場所につきましては、本市の所有地を中心に幅広く検討しておりますが、通学の交通利便性や現場実習を行う事業所の立地状況などを総合的に勘案して選定をしてまいります。以上でございます。 74 ◯副議長(久保 浩) 陶山総務企画局長。 75 ◯総務企画局長(陶山博道) 本市における知的障がい者の任用についてでございますが、平成17年度に任用を開始して以来、その職域の拡大に努めてきたところであり、現在、任用しております7人につきましては、本庁舎では文書整理業務補助、本庁舎外では市民病院等における食器洗浄業務補助、図書館における図書整理業務補助、福祉施設における清掃業務補助に従事しております。今後につきましては、御指摘の保育所も含めて適職を検討していき、任用者数を現在の7人から15人程度までふやし、毎年度平均5名程度を採用することを目標として取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 76 ◯副議長(久保 浩) 南原茂議員。 77 ◯21番(南原 茂) 3問目です。  まず、特別支援学校、博多高等学園についてお尋ねします。  博多高等学園については、本年度中に移転場所を決め、25年4月の移転、開校を目指すとの答弁がありました。安心しております。  そこで、移転場所の選定について、私の考えを述べさせていただきます。
     1問目の答弁にありましたが、現在の立地は、生徒の通学のこと、現場実習のための企業が多いことなどを考慮して、博多部の御供所町に決定されました。開校後は地の利を生かして現場実習を重点とする教育課程を進め、その結果、全卒業生の82%という高い一般就労率に結びついた実績から、交通アクセスがよい上に実習先の事業所も集積している都心部が移転場所として最適であると私は考えております。  一方、博多部の住民の皆さんは、博多高等学園を開校当時から地域の小中学校と同じように地域の高等学校として愛情を持って接してこられました。もちろん、先ほど私がお話ししましたように、生徒さんたちの地道な清掃活動などがあってのことではありますが、地域の皆さんが学園を大切にされている一例として、博多小学校の夏祭りや博多中学校のバザーへの学園参加など交流を続けられているほか、博多中学校のはっぱの会の行事にも積極的に参加されています。また、博多小学校、博多中学校、博多高等学園のPTAの皆さんによる3校合同の歓送迎会も開かれています。このように地域に溶け込み、ともに活動しているのであります。  さて、去る9月9日に学園の卒業生親の会、桐花会から市長と教育長に対し次のような陳情がありました。障がいのある子どもたちの受け入れ態勢が博多部ほど整っている地域はほかにありません。学園も軌道に乗り始めたところです。障がいがあっても社会参加できるよう日々頑張っている子どもたちが安心して通学できる安住の場所を今まで同様にこの地に残してください。さらに、この思いを受けた博多部住民の皆さんの御意志を代表して、4地区自治協議会会長さん方から、愛着のある博多高等学園を博多部に残してほしいとの陳情もありました。  私は、障がいのある子どもたちを教育する場である特別支援学校を開校するには、地域住民の皆様方から学校が愛され、温かく支えていただける関係を築き上げることが非常に大切だと思っております。特に教育委員会の方針も地域で育てるという方針は常に持っておられるというふうにお聞きしておりますから、やはり地域の熱い思いというのは大切にしなければいけないんじゃないかなと特に思っております。博多高等学園を深く愛し、生徒さんたちの成長を心から願っておられる博多部住民の皆さんからの今回の申し出は願ってもないものではないでしょうか。  先ほどの答弁では、移転場所については市有地を中心に幅広く検討して選定していくとのことでありましたが、私は博多部住民の皆さんのこのような熱い思いをありがたく受けとめ、学園は博多部内に移転整備すべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。  次に、知的障がい者の就労支援についてお尋ねします。  市での知的障がい者の雇用について、現在7名のところを15人までふやし、毎年5名程度新規採用することを目標に取り組んでいくという前向きな回答をいただきました。しかし、博多高等学園だけでも毎年30名程度の生徒が卒業しているわけですから、もっと積極的にその方向で取り組んでいっていただきたいと思います。  しかし、私の希望は最終的には市職員としての正式採用であります。新規採用といっても、あくまで嘱託採用であり、1年更新、最高3年までの採用では本当に採用されたことになるのかなと、今でも疑問に思っております。嘱託ではなく正式に採用されることにより身分も安定し、やる気も起こるのではないでしょうか。また、障がい者に勇気を与えることにもなると思います。政令都市では、現在川崎市、浜松市、名古屋市、大阪市、岡山市などが正式採用しており、福岡市ができないという理由は全くないと思います。ぜひ福岡市でも率先して門戸を開くように取り組んでいただきたい。これは平成16年10月の決算特別委員会から5年間、首尾一貫して言い続けてきたことであります。  そこで最後になりますが、本市での雇用を含めた知的障がい者の就労支援全般について、市長の所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。以上です。 78 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 79 ◯教育長(山田裕嗣) 博多高等学園を博多部内に移転、整備すべきとのおただしでございますが、博多部の地元の皆様は、開校以来、市内全域から通学している生徒を温かく迎え入れ、生徒や教職員などにも地域行事に声をかけていただくなど、本学園を地域全体で支えていただいており、生徒たちも地元になじみ、安心して勉学に励んでいます。これまでの地元の皆様の温かい御支援に対しまして、教育委員会としても深く感謝をいたしているところでございます。おただしの移転先の選定につきましては、通学の交通利便性や事業所の立地状況などに加え、議員御指摘の地域連携の視点も重点に置きまして検討を進めてまいります。以上でございます。 80 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 81 ◯市長(吉田 宏) 障がいを持った方々が意欲、能力、適性に応じて働くことができるように支援をするということは、障がい者の社会参加を促すという点でも大変大事なことだと思っております。  本市におきましては、知的障がい者の任用について、平成17年度から採用を始めております。先ほど局長も答弁いたしましたけれども、その任用者数は現在政令市の中でもかなり多いほうではありますけれども、今後、嘱託員の職域をさらに拡大していくことが一つ、また、議員御指摘のように、正規の職員を含めた長期的な任用のあり方についても検討していく必要があると考えております。  また、就労支援全般、知的障がいの方の支援全般についても、現在、障がい者の就労支援センターを中心に個々の状況に応じてきめ細かな就労支援、定着支援、ビジネス講座を初めとするスキルアップということもやってきておりますし、専門職員の配置をした職場の開拓の強化ということも今後さらに努めていく必要があると考えております。 82 ◯副議長(久保 浩) 水城四郎議員。 83 ◯19番(水城四郎)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、危機管理の観点から新型インフルエンザ対策についてと、特に中国・九州北部集中豪雨について質問をいたします。  まず冒頭に、このたびの集中豪雨で被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。災害復旧に当たられた関係各位に敬意を表します。  さて、本日9月11日は米国同時多発テロから8年が経過する日であります。この事件を期に私は今日まで、あらゆる危機に対処できるよう本市の危機管理部署の設置並びに危機管理体制の充実を図るため、政策要望を訴えてまいりましたところ、このたび米国の特別プログラムの招待を受け、国防総省ペンタゴン、ホームランドセキュリティー、連邦危機管理庁、FEMAなど各関係機関で災害対策、危機管理及びテロ対策の研修を、ワシントンを初めとする各州、各地方自治体を回り、実務者レベルとの協議や災害対策訓練などに参加してまいりました。  一方、今日、我が国では災害が頻繁に発生する中、地方分権時代に向かって欧米諸国並みの制度に近づくよう制度改革や議論が活発化されていますが、分権を進めるということは、国からの関与を外す一方、市民の生命、財産を守るための災害対策や危機管理体制を地方自治体がある程度確立しなければならないにもかかわらず、その取り組みは優先順位が低く、脆弱であることを痛感しています。  この観点から、制度は違えども諸外国の例を少し紹介させていただき、限られた本市の現行体制を踏まえた上で問題点の指摘と、できる改善点を要望、要求してまいりたいと考えます。  初めに、新型インフルエンザ対策でございますが、今回の国の運用指針の改定により、新型インフルエンザ患者の把握についても、今後、個々の発生例ではなく、患者数の大幅な増加の端緒となる事例を速やかに探知するため、7月24日には感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則が改正されました。これにより、新型インフルエンザに感染した疑いのある人すべてについて、市の保健環境研究所で遺伝子検査を行い、単発の感染事例を含む患者の全数を把握する方法から集団発生事例だけを把握する制度に変更になり、患者の発生状況に関する報道もほとんど行われなくなりましたが、そこで、7月23日までの市内患者発生数とそれ以降の集団発生件数の推移、あわせて今後のワクチン投与などの関係から、今現在市内の感染患者数について把握する必要があると考え、推定でしか出せないと思いますが、どの程度いると当局は推計されているのか、お尋ねいたします。  続いて、本市において8月中旬以降、集団感染の発生件数が増加してきており、今後も新型インフルエンザ患者の発生は当分続くものと思われます。今後、新型インフルエンザ患者の増加に対応した医療体制を確保するためには、市内で発生する患者数などを予測し、対応することも重要であると考えます。  そこで、本市での発生患者数、入院患者数及び重症患者数をどのように予測しているのか、お尋ねいたします。  次に、集中豪雨ですが、時間の関係上ちょっと前段を省きまして、今回の那珂川や樋井川で被害が発生したのは土砂の堆積が一つの大きな原因と私も考えており、先日の議案質疑で出た意見に同感するものです。  重複の点は御容赦いただき、まず質問の前段に改めてお尋ねしますが、この那珂川、樋井川などの2級河川の管理や河川改修事業などについては、そもそも福岡市はどこまでが責任範囲で対処すべきことになっているのか。また、河川事業の責任の所在はどこになっているのか、確認の意味でお尋ねいたします。  また、今回の水害を受けて、今後、那珂川、樋井川流域の河川改修事業などの浸水対策事業はどのように進めていかれるのか、あわせてお尋ねいたします。  次に、洪水ハザードマップの件についてお尋ねします。  本市では、大雨による浸水被害から市民が避難する際に有効に活用していただくため、河川のはんらんによる浸水想定区域図に避難所情報や避難時の心得、雨量、水位、情報収集の方法などを掲載した洪水ハザードマップを作成しておられますが、洪水ハザードマップはどのような手続を経て作成されたのか、また、ハザードマップの作成費と、マップはどのように配布し、どの程度市民に周知されたのか、お尋ねいたします。  次に、今回の豪雨は、過去記録にないような大雨で、短時間内に市内の主要河川で急激に河川水位が上昇し、家屋の浸水被害や土砂の崩落など被害が市内の広範囲に及んでおりますが、市災害対策本部と博多区、中央区、城南区の災害対策本部における災害対応が時系列的にどのように行われたのか、詳しくお聞かせください。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。 84 ◯副議長(久保 浩) 井崎保健福祉局長。 85 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ対策についてお答えいたします。  7月23日までの市内での新型インフルエンザ患者発生数につきましては、171人となっております。また、感染症法施行規則の改正により、個別の患者発生については医師からの届け出が不要となった7月24日以降に本市が確認した集団発生件数の推移につきましては、8月初旬までは週に1件から6件程度でございましたが、8月中旬には週10件程度、8月下旬には週20件程度と増加傾向にあります。現在の市内における感染者数につきましては推計ができませんが、市内50カ所の内科及び小児科の定点医療機関でインフルエンザの発生動向調査を実施しており、8月24日から30日までの1医療機関当たりの患者報告数は3.56人となっております。この調査において、1医療機関当たりの患者報告数が1を上回ったときが流行開始の指標値とされておりますので、本市においても流行が始まっていると考えております。  次に、本市における新型インフルエンザの発生患者数等の予測につきましては、8月28日に厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部が、各自治体が医療体制整備の検討を行う際の参考とするために示した新型インフルエンザの流行シナリオに機械的に当てはめて推計いたしますと、発生患者数は29万人から44万人、入院患者数は4,000人から1万1,000人、重症患者数は400人から2,100人となっており、今後のさらなる医療体制整備の参考としたいと考えております。以上でございます。 86 ◯副議長(久保 浩) 岩崎道路下水道局長。 87 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 2級河川の管理についてでございますが、河川法第10条の規定により、当該河川の存する都道府県を統括する都道府県知事が行うこととされており、福岡県となっております。また、2級河川の整備につきましては、河川法第16条の規定により、河川管理者が河川の整備基本方針の作成を行い、整備を実施すべき区間につきまして河川整備計画を定めることとなっております。  次に、市内の主要な2級河川の改修や管理につきましては、河川改修の促進や適切な維持管理が行われるよう県に対し毎年要望を行っております。今後とも、河川改修による治水能力の向上と堆積土砂の早期しゅんせつにつきまして県に要望してまいります。  また、河川改修事業とあわせ、下水道事業につきましても、雨水整備Doプランを重点的に取り組み、今後とも整備を推進してまいります。以上でございます。 88 ◯副議長(久保 浩) 阿部市民局長。 89 ◯市民局長(阿部 亨) 集中豪雨に関する御質問にお答えします。  まず、洪水ハザードマップの作成手続でございますが、ハザードマップにつきましては、福岡県が作成しました、河川のはんらんにより浸水が予想される範囲を示しました浸水想定区域図に基づいて作成をいたしております。県作成の浸水想定区域図に避難所情報や避難時の心得、雨量、河川の水位などの情報収集方法などをあわせて表示することでハザードマップを作成しているものでございます。  次に、作成経費でございますが、御笠川分が1,509万6,900円、多々良川分が1,047万4,957円、那珂川分が1,373万4,420円、室見川分が503万2,650円、樋井川分が303万580円、瑞梅寺川分が268万8,204円、以上6河川で合計で5,005万7,711円でございます。  次に、ハザードマップの周知についてでございます。  ハザードマップは浸水想定区域内にございます校区の全世帯各戸に配布をいたしております。また、浸水想定区域に該当する区役所や情報プラザ、防災・危機管理課でも希望される方に配布をいたしております。配布部数の内訳でございますけれども、御笠川分が5万4,000部、多々良川分が4万8,000部、那珂川分が19万部、室見川分が11万7,000部、樋井川分が5万6,000部、瑞梅寺川分が1万1,000部、合計で47万6,000部でございます。なお、ハザードマップを配布する際に、各校区におきまして説明会を開催し、マップの見方や記載事項の説明を行っているところでございます。  次に、本市災害対策本部と博多区、中央区、城南区の災害対策本部における今回の災害対応でございますが、まず7月24日17時9分の大雨洪水警報の発表に伴いまして、同時刻に福岡市災害対策本部を設置しまして、降雨の状況及び河川水位が急激に上昇していることなどから、19時5分に各区の配備態勢を水防第3配備に強化するなど、災害応急活動を行っております。25日に雨が一たん小康状態になったため配備の縮小を行いましたが、26日6時35分に再び大雨警報が発表されたことに伴い、同時刻に配備態勢を水防第2配備に強化し、その後雨が強くなったため、11時30分に水防第3配備に強化をいたしております。  なお、区災害対策本部の対応状況でございますが、24日18時40分に樋井川の田島橋における水位がはんらん危険水位に達したことなどから、19時18分に城南区田島一丁目、19時40分には城南区鳥飼四丁目、20時25分には中央区草香江一丁目、二丁目にそれぞれ避難勧告を発令いたしております。  また、26日の8時50分には那珂川の稲荷橋ではんらん危険水位に到達したことなどから、10時30分に博多区住吉一丁目、二丁目、三丁目及び中央区春吉一丁目、二丁目、三丁目において避難勧告を発令しており、樋井川の田島橋で急激に水位が上昇しましたことから、9時に城南区田島一丁目、鳥飼四丁目に、それから9時40分には中央区草香江一丁目、二丁目、鳥飼一丁目にそれぞれ避難勧告を発令するなど、災害応急対応を行ったものでございます。以上でございます。 90 ◯副議長(久保 浩) 水城四郎議員。 91 ◯19番(水城四郎) 新型インフルエンザについてですが、1問目の答弁で推測でかなり人数がいるということですが、これらの対策の有効な手段としてワクチン接種が有効とされています。厚労省によれば、国内におけるワクチンの製造は7月中旬以降、各メーカーにおいて順次製造を開始し、1,800万人分が出荷可能であるが、これに海外企業からの輸入分を加えても全国民には行き渡らないとされています。  厚生労働省が現在、新型インフルエンザワクチンの接種について、素案に対する意見募集を行っていますが、それによりますと、ワクチンの量が限られており、一定量が順次供給されることになることから、優先的に接種をする対象者を決めて実施するとされています。  この優先順位については、当然ながら、流行のピークであっても医療体制の維持を必要とすることから、インフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者がまず第一優先となっています。その次に入院数や重症化率、死亡率が高いとされる妊婦及び基礎疾患をお持ちの方となっており、さらに1歳から就学前の小児、1歳未満の小児の両親と続きますが、国の試算ではここまでで既に1,900万人分のワクチンが必要となり、国内産のワクチンでは賄うことができません。輸入ワクチンについては、早ければ12月下旬以降に使用可能と考えられていますが、実際に使用するためには事前に安全性等についてさらなる確認を行う必要があるとされています。  このようにワクチン接種に対する国の方針についてある程度示されていますが、ワクチンの接種の費用がどれくらいになるのか、だれが負担するのか、どこで接種してもらえるかなど、国民が一番知りたいことについては余り触れられていません。  そこで、本市では新型インフルエンザのワクチン接種をどのように実施される予定なのか、お尋ねいたします。  次に、患者数の増加に対応するため医療体制の整備は大切ですが、新型インフルエンザについては季節性のインフルエンザを大きく上回る患者が発生すると考えられており、その急激な増加によって医療現場を初め、社会経済に深刻な影響を与えるおそれがあります。また、弱毒性とはいえ、基礎疾患を持っている人にうつしてしまえば重症化する可能性もあります。  そこで、本市は新型インフルエンザの感染拡大防止のために、市民に対する情報提供をどのように行われているのか、お尋ねいたします。  あわせて、集団感染が発生している小中学校、特に市立の学校ではあらかじめ臨時休業の取り扱いが決められ、周知されているために感染拡大防止策として臨時休業がスムーズに行われておりますが、地域の行事については、通常どおり運動会や敬老会などが予定されており、地域町内関係者から感染の機会を減らすためには中止すべきではないかと判断に迷う問い合わせが上がっております。  そこで、公民館や町内会など地域に対して、正確な対処情報を伝達することが重要と考えますが、現在までどのように情報提供が行われてきたのか、お尋ねします。  次に、集中豪雨ですが、当然御承知のとおり、2級河川の維持管理は県の管轄なのですが、県が日ごろから危機管理における災害予防の観点から、川底の掘削等を行っていれば、今回の補正の19億円もの財政負担を市が強いられなくてもよかったのではないでしょうか。過去11年、15年、そして今回も市が負担を求められます。毎回災害が起こるたびに財政出動を余儀なくされる現状をいかがお考えか。本来、危機管理対策とは、このような財政出動を減らすためにも客観的に過去の分析をして具体的な問題をつぶしていかなければならない。しかし、政令指定都市の中に県が管轄する河川があることは、縦割りの弊害が生まれていることは明らかであり、県の計画状況がはっきりわからない中、本市は、昨日の答弁で、今も答弁いただきましたが、毎回要望書を提出しているが、恐らく県は紙を受け取っただけで具体的な取り組みは進めていないことが原因である。米国でも同じ状況を打開するために、国土安全を保障する取り組みを加速させ、行政の縦割りを超え、具体的な問題点を解消するためにブリーフィングを開いております。したがって、県市水防対策という名目で県に強い働きかけを行い、実務者レベルでの具体的な問題解決の協議時間を持つよう要求していただきたいと提案いたします。  そこで、2級河川を管理している福岡県と水害を想定したふだんからの協議等を行うべきと考えますが、御所見をお尋ねいたします。  毎年ハリケーンが発生し、水害をもたらすことで有名なフロリダ州のペンサコラ市は、危機管理対策の先駆けから全米でナンバーワンの評価を受けており、その理念は災害準備態勢を具体的にとることの大切さを説いている。1ドルふやして防災対策を講じた場合には災害復旧にかかる費用が4ドル節約できる。すなわち、予防というものは経費面の効果も、国民の生命、財産、安全を守る面からも非常に重要かつ有効であると再認識いたしました。  次に、洪水ハザードマップの件ですが、このハザードマップは今年5月に作成されたばかりの一番新しいマップです。樋井川のハザードマップは2カ月後の豪雨において、マップに表示された浸水区域と実際の豪雨により浸水した範囲が全く一致していなかったという重大な問題が起きています。これはマップの作成方法に問題があります。答弁では、マップは福岡県が作成した河川のはんらんにより浸水が予想される範囲に色を塗った浸水想定区域図をもとに、福岡市において避難所情報や避難時の心得、雨量、水位などの情報収集方法などをあわせて表示し、作成したとのことですが、しかし、私が調べたところによりますと、県は浸水想定区域図を作成する段階において、専門家がいないとの理由で外部業者である株式会社東京建設コンサルタントへ委託しただけで、問い合わせに対して県は、学術的な資格は必要なしとの回答、すなわち学術的プロの知識などは全く反映されていないと考えられ、非常に信憑性の薄いものであることが発覚いたしました。そのため、被害想定や浸水時の水深もあいまいなものとなっており、県から受けた資料を市もそのまま洪水ハザードマップに反映させており、大変問題です。検証もなしに簡単にアウトソーシングされることは大変危険で、人命に係る重大な問題であり、私は、これらの外注は慎重にやっていただきたいと考えます。  そこでお尋ねですが、今回の災害を受け、ハザードマップについて現状をどう受けとめているのか。福岡市独自で作成を検討すべきと考えますが、所見をお尋ねいたします。  重ねての指摘ですが、今後改善し、作成される際は市民にわかりやすい、信憑性の置けるものにしていただくとともに、ただ配布するだけではなく、市民にきちんと災害が発生するというリスクの説明をした上で配布されるよう強く要求しておきます。  次に、災害対策本部の体制などについてですが、本市は平成11年、15年に2度の大きな水害を経験しており、この水害の対応においてさまざまな課題や問題点が明らかになったわけであります。  私も、職員の配備態勢の問題を指摘し、市も平成13年度まで水防、地震の分類のなかった配備態勢を14年から水防配備態勢を5段階にし、地震配備態勢を2段階にするなど見直しを行ってきていますが、今回の災害において私が調べたところでは、次のことがわかりました。  今回のような短時間の集中豪雨では、災害対策本部の配備態勢を強化した場合、動員から実際に職員が参集するまでの間、人員不足となり、対処に支障を来していた。市や区の災害対策本部においては、市民からの救援要請や問い合わせに追われ、後から参集する職員に業務の説明や指示ができなかったため、有効に人員を動かせていなかった。市、区お互いの災害対策本部が混乱し、被害状況の報告や災害、防災情報の伝達がおくれるなど、意思疎通や情報共有の面で支障を来した。こういった状況を見ると、参集した職員はそれぞれの担当業務をプロ意識と責任を持って業務を遂行したと言えるのでしょうか。ただ参集しただけだとしか私には思えません。また、市災害対策本部第1配備がされても、配備人員がゼロという局もありましたので、これも見直す必要があるでしょう。  今後、このような状況において迅速で的確な対応ができるよう、人事異動は関係する部署の中で行い、災害のプロフェッショナル、スペシャリストを育成していくべきであると指摘し、要求をしておきます。  次に、避難勧告の対処についてですが、樋井川の田島橋において、7月24日の18時40分にはんらん危険水位に到達したにもかかわらず、流域の城南区田島一丁目に避難勧告が出されたのは、はんらん危険水位到達から40分後となっており、流域の中央区草香江一丁目、二丁目に避難勧告が出されたのははんらん危険水位突破から何と2時間後で、既にはんらん危険水位を下回っているといった状態でした。那珂川の稲荷橋においては、24日の19時10分と25日の5時にはんらん危険水位に達したにもかかわらず、中央区と博多区では避難勧告は全く出されていませんでした。  しかし、私の手元にある資料によると、各区役所でのすべての配備人員報告書が上がってきていますが、最高でも107人集まっているにもかかわらず、11年、15年の水害以降に整備された河川水位監視カメラは、2,400万円という高額な予算で設置したのに全く有効に活用されていない。これだけの人数がいて、ただテレビの画面を見ていただけなのか。  過去の教訓で取り決めていた避難勧告広報車が回っておらず、大変問題であります。本来、危機管理を行う行政の役目は、市民の生命を守るために危険水位に達する前に広報して回るのが責任です。これらの問題は、本市及び区の職員が人事異動で2年ないし3年ぐらいでかわり、防災に関する専門職が育っていないため、特に区においては総務部との兼任という責任不明確な状態で、災害対策行動、すなわち目的と手段がわかっていないため、避難勧告をどのタイミングで出したらよいのか、また何をしたらいいのか判断できないと思われます。米国では、災害時に人員が不足することを予測し、平時から3人1組のクロストレーニングを定期的に行い、たとえ2人欠けた状態でも1人が3人分の業務を理解し、遂行できるようにしています。これらはぜひ参考にしていただきたいと思います。  行政の最大の役目は、市民の命にかかわる緊急情報、避難勧告を事前に的確に伝えることであります。これらの状況を見ると、平成11年、15年の水害時のデータの積み上げや分析が十分になされておらず、過去の水害の教訓が生かされていないということです。市民の生命や財産を守る市の対応としてこのようなことでよいのでしょうか。  そこでお尋ねですが、11年、15年の水害の教訓が今回の災害でも生かされていないようです。このお粗末な対応結果を今後どのように見直すべきと考えているのか、お尋ねいたします。  以上で2問目を終わります。 92 ◯副議長(久保 浩) 井崎保健福祉局長。 93 ◯保健福祉局長(井崎 進) まず、新型インフルエンザのワクチン接種の実施についてでございますが、本市といたしましても、準備を早急に進めなくてはならないと考えておりますが、今現在、国において優先接種対象者選定や実施方法について検討をなさっておられるところであり、本市としても具体的な実施方法は現在ちょっと未定というところでございます。  次に、市民に対する情報提供についてでございますが、市民みずから感染防止のために取り組んでいただく必要があるということから、うがい、手洗いの励行、せきエチケットの徹底などについて、市の関連施設に掲示しているポスター、市政だより及び本市のホームページ等で呼びかけるほか、どんたくなどのイベント会場等でのチラシ配布や事業所等での研修など、機会をとらえて啓発に努めております。以上でございます。 94 ◯副議長(久保 浩) 阿部市民局長。 95 ◯市民局長(阿部 亨) まず、新型インフルエンザ対策に関するお尋ねでございますが、公民館や町内会など地域に対しての情報提供につきましては、新型インフルエンザ発生後、公民館に対しまして感染予防法のポスターの掲示や発生状況についての情報提供を行いますとともに、主催事業などの対応について助言、指導を行っているところでございます。  また、地域に対する情報提供につきましては、各区での発生状況に応じまして、区の自治協議会会長会などにおいて発生の状況や予防法をお知らせしております。これらを各校区での事業実施上の自主的な判断の参考情報としていただくとともに、区役所では自治協議会などからの個別の相談に応じているところでございます。今後とも、的確な情報提供に努めてまいります。  次に、豪雨災害についてでございますが、今回の災害を受けて、洪水ハザードマップについて現状をどう受けとめるのか、福岡市独自で作成を検討すべきとの御指摘でございます。  ハザードマップを活用いただいた市民の方からは、避難する際の参考になるとの意見を伺ったこともありますが、一方で御指摘のように厳しい御意見もいただいております。このことは、洪水ハザードマップが河川のはんらんにより浸水が予想される範囲を示したもので、支川や下水道、側溝などからの、いわゆる内水はんらんによる浸水想定は盛り込まれていないことが原因であると考えております。本市といたしましても、御指摘をいただきました御意見を真摯に受けとめまして、今回の浸水被害の状況を踏まえ、福岡県との協議を行いますとともに、ハザードマップの見方など、重要事項をより目立つ位置に表示するとか、過去の浸水被害が発生した地区の表示方法をより視覚的に見やすくするなどの工夫もあわせて作成の見直しに取り組んでまいります。  次に、今回の災害での対応につきまして、どのように見直すべきかということを考えているかというお尋ねでございます。  災害対策本部の運営に関しましては、御指摘にもありましたように、市民からの救援要請や問い合わせへの対応に追われまして、参集してきた職員に業務の説明や指示ができず、有効に人員を動かせていなかった点、また、被害状況の報告や災害防災情報の伝達がおくれるなど、意思の疎通や情報共有が図られていなかった点、避難勧告につきまして発令が一部地域で遅かったといった点など課題が明らかになっておりますので、現在、職員の配備態勢の見直しや応援、支援のやり方などについて各局、各区間で確認や見直し作業を行っているところでございます。今後、全庁挙げて改善に取り組んでまいります。  また、災害時に地域と行政がいかに連携を図るかが重要でありますことから、住民、地域の協力をいただきながら、住民、地域、行政が連携し、災害対応が行える体制づくりを整備してまいります。以上でございます。 96 ◯副議長(久保 浩) 岩崎道路下水道局長。 97 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 2級河川を管理している県との協議につきましては、主要な2級河川整備促進及び適正な維持管理につきまして、福岡県に対し強く要望しているところであります。  また、周辺市町で組織しております河川改修促進協議会などにおいて、県も出席の上、協議を重ねており、今後とも引き続き2級河川の整備促進及び適正な維持管理について協議、要望を行ってまいります。以上でございます。 98 ◯副議長(久保 浩) 水城四郎議員。
    99 ◯19番(水城四郎) 3問目、新型インフルエンザですが、今2問目の答弁でもありますが、何も決まっていないことは大変不安です。  ところで、米国の機関紙を見ておりましたら、ウイルスは進化を重ね続けるものであり、現在既に登場しているタミフルが効かないウイルスと人を感染対象とするウイルスの2種類のウイルスが、豚あるいは人に感染して、2つの属性を備えたウイルスが誕生する可能性があると、ことしの春の時点で報じております。昨日、国内で死亡した患者はタミフルが効かないと報じられているが、これらのウイルス進化でないことを願いたいものです。  我が国では、各自治体への情報提供や今後の方針の伝達も決して速やかに行われていないのが現状で、昨年の6月議会で私が指摘しましたとおり、国と自治体との負担割合の協議などが解決しないまま今日を迎え、政権交代をしたものの、現在厚生労働大臣が決定しておらず、ワクチンの実際の詳細な配布方法やその数量、有料か無料かいまだ不明であることは国民に大きな不安を与えており、緊急事態時に政治空白による判断のおくれから被害者が出ないことを切に願いながら、現実の問題として、国が決めれば今度は本市を初めとする全国自治体が相当混乱することが予測されます。しっかり頑張りましょう。  米国のワクチンについては、H1N1型は事前に予測されており、2004年に70億ドルの予算をかけてワクチンを開発し、国民に行き渡るだけの用意があるとしている。それに加えて市民に対しては予防医学の観点から政府及び自治体がコマーシャルを積極的に流し、手洗い、うがいを入念にやることや、周りの人にうつさないせきエチケットを具体的に広報しており、社会機能を麻痺させない行政の責任として、感染者をふやさないために予防医学を徹底しているのです。ちなみに、ニューヨーク市では、子どもにワクチンを無料で接種すると決定したようですが、自治体トップの判断力が如実にあらわれています。  さまざまなことが決まっていない中、さらに本市としてはアジアの玄関口として、来るべきH5N1型の強毒にも同時に備えていかなければならないという危険性を十分に考慮した対応が必要です。そこで、米国の教授に福岡のこども病院に成人感染症病院が併設されている現実を話したところ、それは信じられない、本当なのかと2回聞き返されました。今回のインフルエンザ感染は特に幼少期に感染しやすいことや、今後の強毒性鳥インフルエンザの発生のことも踏まえると、やはり感染症センターは早期に返上し、分離することが妥当であると確信したところです。つきましては、昨年9月から指摘し、今般の6月議会で私の質問に対し理事から6月に返上するとの答弁をいただきましたが、その後、県への返上はいつ行われたのか確認いたします。  あわせて、鳥インフルエンザの警戒の観点から、今回の新型インフルエンザ発生時に県と疫学調査報告の不手際があり、感染拡大を防げなかった事例も報じられ、県、市の縦割りの弊害で感染拡大では済まされないので、その後、県との連携はどのように進んでいるのか、お尋ねをいたします。  これまで市は、受診方法の変更や重症化するおそれのある方への早期治療についての情報提供を市政だより、テレビ、新聞、ポスター、チラシなどによって行っておりますが、まだまだすべての市民に正しい情報が伝わっているとは言えません。  米国における感染状況は、連日マスコミで報道されていましたが、国民は冷静な対応でした。私は、新型による最初の子どもの死亡者を出したテキサスにおいて、テキサス大学健康情報科学大学院バイオセキュリティー研究所、エド・スウ教授にインフルエンザ対策の取り組みについて御指導いただいたところ、米国は医療費が高いことから予防医学が発達しており、個人の病気に対する認識が非営に高く、薬の知識もあり、今回の豚インフルエンザに対しては通常のインフルエンザ対策と何ら変わりがないとしながら、専門家は夏も流行がおさまらないと警戒は続けているとのことです。  現在、我が国の新型インフルエンザ死亡者は12名となっていますが、早目に医療機関を受診し、適切な治療を行えば、油断は禁物ですが、ほとんどの人が軽症のまま回復しているということや、毎年秋、冬に流行している季節性のインフルエンザでも、平成18年の人口動態統計ではインフルエンザを直接死因とする人が800人以上いるという現実が知らされず、予防医学のおくれを感じました。  市民の一人一人が予防医学と公衆衛生の正しい知識を持ち、対処を確実に行うことが一番の感染拡大防止策になるのではないでしょうか。社会機能を失わないために、なぜせきエチケットを守らなければならないのかなど、当局は市民を十分説得するようテレビ、新聞、配布物、あらゆる媒体を使って市民が理解しやすく、確実に実践できる内容を積極的かつ具体的に広報することが、行政の責務であり、早急に強化に取り組むことを要求しますが、今後の御所見をお伺いいたします。  これまで福岡市は2度の大きな水害の経験の中で、いろいろな課題、問題点に直面し、さまざまな教訓を得られたものだと思っておりましたが、今回の災害対策の実態を細かく見ていきますと、過去の災害データ蓄積の電子化や問題点の検証作業もなされておらず、危機管理における今回の結果は私も大変残念でなりません。本市はこれまで3度の大きな水害を経験したわけですが、改めて今後はこれまでに対応できたこと、できなかったことの検証や、その原因が何であったかについて分析作業を行い、また、専門家を交えての検証、確認を行っていくなど頑張っていただきたく期待をしています。これを確実にやらなければまた同じことの繰り返しです。米国では必ず事前対策としてのブリーフィングで、目的と手段を明確に5W1Hを議論し、事が終われば問題解決のための反省会を確実に開いていました。米国にできて日本にできないことはないと私は確信しています。今後このような事態を再度繰り返さないためにも、今回の災害対策における課題をどのように検証し、次の災害への備えを万全としていかれるのか、責任ある者の立場の責任を果していただきたく、市長の答弁を求め、私の質問を終わります。 100 ◯副議長(久保 浩) 井崎保健福祉局長。 101 ◯保健福祉局長(井崎 進) まず、新型インフルエンザ関連でございますけど、まず感染症センターについてでございます。  こども病院に併設の感染症センターが担ってきた1類、2類の感染症医療につきましては、昨年6月の福岡市病院事業運営審議会の答申におきまして、現実的な対応能力を考えると、より高次の医療機関である大学病院や国立病院で担うことが望ましいため、県等との関係機関と協議する必要があるとされたものでございます。  本市としましては、答申の趣旨を踏まえ、感染症指定医療機関としての指定の返上に向けて県との協議を進めてまいりまして、本年去る9月9日に感染症法第38条に基づき、正式な指定辞退の届け出を行ったところでございます。県においては、これまでの協議の中で本市の趣旨は十分に御理解いただいており、今後、代替医療機関との協議をさらに進めていただくこととなっております。  次に、福岡県との連携の問題についてでございますが、これまで患者発生時の疫学調査から得られた接触者の情報などを相互に迅速に共有し、患者の早期把握や感染拡大防止のための対応を行ってまいりました。現在は封じ込めのための対応ではなく、集団発生事例を早期に把握し、患者の急激な増加を緩和することが重要となっており、感染拡大防止のためには市単独ではなく広域での対応も必要となることから、今後も県と十分に情報共有を行い、連携して対応を行ってまいります。  次に、新型インフルエンザに関する市民への情報提供についてでございますけど、市民一人一人が感染予防策を実践し、感染拡大防止に努めていただくため、せきエチケットやうがい、手洗いの励行などの感染予防策や重症化するおそれのある方への早期受診の勧奨など、的確でわかりやすい情報提供を行うことが重要と考えており、今後も積極的にあらゆる機会をとらえて啓発に努めてまいります。以上でございます。 102 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 103 ◯市長(吉田 宏) 議員、ことしこの夏、アメリカに行かれて、議員のライフワークである危機管理について大分研さんを積まれたようで、ただいまの質問にもかなりその経験が生かされて、傾聴させていただきました。  御指摘の点、たくさんありましたけれども、今回の災害、大雨による被害でございます。私どもとしてはできる限りの組織力を発揮して災害の防止、また起きた後の処理もやったところでありますが、御指摘のように、いろんな課題がやはり明らかになっております。一つは、過去に何度も水害は起きたわけですけれども、今回、確かに記録的な大雨ということで、同列には論じられないまでも、なぜこのような水害が市内のいろんな箇所で起きたのかということは、その水害発生のメカニズムといいますか、これはこれまでにも増してしっかりと検証していく必要があると思っています。  御指摘のように、県、市、国もそうですけど、これは一体となって一つの協議する機関か、もしくは仕組みですが、そういったものがやっぱり必要だということは私のほうからも、今はまず後処理のほうに目が行っていますが、これはちょっと働きかけていきたいなと。内部にもそういうふうに検討していこうということで今話をしております。やはり原因がわからないと、これから先の対応の優先順位をつけるにも、どこに財政的に手当てをするにも、しっかりした原因がわからない限り、対応はまたいろんなところでちぐはぐになる可能性がありますので、まずメカニズムをできる限り、なかなか難しいところもありますが、現在ある科学の力をもってできる限り発生のメカニズムについてはしっかりと検証していく必要があると思います。  また、2点目でありますけど、我々の組織の今後の対応ということですが、マニュアルに従って、また訓練をしてきた成果の上に立ってやってきましたけれども、やはり同時多発的に水害が起きるということになれば、さまざまなところで少し漏れた対応があったのも事実でありまして、組織的な研修もこれからさらに積み重ねていく必要があると思いますし、アメリカの例を引かれましたけれども、そういうふうにしてクロスオーバーしながら、お互い補完する組織的な仕組みというのも考えていく必要があるかなと思います。  予防と財政ということ、財政措置ですね、言われました。日本人は今から起きることに対しての予測をもとにいろんな行動をするのが実は苦手かなと私個人はそう思っておりまして、起きたことに対して後何かするというのは割と得意な部分もあるかもしれませんが、特に災害については、予測をされつつ、どうやって対処していいかということが何となく後手後手に回ってきたという、そういう経緯もあると思います。もろもろの反省に立って、今回の被害については非常に重く受けとめる必要があるということを改めて申し上げまして、御答弁にさせていただきます。 104 ◯副議長(久保 浩) この際、休憩し、午後2時40分に再開いたします。                                         午後2時25分 休憩                                         午後2時41分 開議 105 ◯議長(光安 力) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。田中しんすけ議員。 106 ◯40番(田中しんすけ)登壇 私は、民主・市民クラブを代表して、本市の浸水対策について及び新型インフルエンザ対策について、以上2点について質問いたします。先に登壇された議員各位による質問と重複する部分がありますが、御容赦ください。  初めに、本市の浸水対策について質問いたします。  本年7月24日夕刻以降、本市を襲った集中豪雨は、福岡市民に甚大な被害をもたらし、被災した市民は大変不安な生活を強いられました。この九州北部豪雨を受けて、我が民主・市民クラブは平成21年7月豪雨災害発生に伴う緊急申し入れ、これを吉田市長に提出しましたが、当時その中で、本市はこれまで平成11年に発生した集中豪雨による被害を教訓とし、御笠川における河川整備や博多駅周辺部の浸水対策を中心とした浸水対策事業を推進した結果、今回の豪雨では目に見える効果が示されたと評価したところです。また、本市のこれまでの取り組みに対して敬意を表するとともに、今後は今回と同じ被害を二度と引き起こさないという覚悟のもと、ソフト、ハードの両面から、さらなる市民の安心、安全を守る体制構築を図るため、幾つかの点で要望もさせていただいたところです。今回の質問を通して、当初、要望として提示した諸点について、現時点での方向性やその進捗状況等について確認させていただくとともに、具体的な提案や要望も含めて、以下、述べさせていただきたいと思います。  1点目は、洪水ハザードマップについて質問いたします。  現在、樋井川、室見川、瑞梅寺川、那珂川、多々良川、御笠川流域に住む市民に対して作成、頒布されているハザードマップの内容について、我が会派が緊急申し入れを行った際に、被害の実態に即した内容になっていないのではないかという指摘をいたしました。  そこで、まず当該マップが災害の実態に即した内容になっていない原因についてお尋ねします。  2点目は、災害時の市職員の対応と情報収集、管理、指示のあり方について質問いたします。  さきの九州北部豪雨を受けて、災害時の市職員の対応と情報収集、管理、指示のあり方についての内部検証が行われていると聞き及んでいます。  そこで、現時点でまとめられている市、区役所職員の対応についての課題は何であったか、また、災害情報の収集、管理、指示の体制についての課題は何であったか、あわせてお尋ねいたします。  3点目は、災害時の行政と地域との役割分担について質問いたします。  今回の九州北部豪雨の際には、各校区単位に組織された自主防災組織の活躍が目を引いたとの指摘があります。  そこで、本市はこの自主防災組織の意義と役割についてどのように認識しているのか、また、今回の九州北部豪雨において、各校区の自主防災組織は具体的にどのような役割を果たしたと考えているか、お尋ねします。  4点目は、土のうの確保、運搬について質問いたします。  私は、消防団の一員としても今回の豪雨災害復旧にかかわりました。その中で、これは地域特性もあるのかもしれませんが、意外なほどに土のうの確保についての要請を受けたことが印象的でした。特に河川はんらんの際に活用される土のうではなく、内水はんらんに対応するための土のうの確保については、その運搬体制も含めて改善の余地があるのではないかと強く感じました。  そこで、内水はんらんに対応するために福岡市が管理する土のうの数と水害時の運搬体制はどのようになっているのか、また、さきの集中豪雨の際に浸水被害のあった地域の住民から本市全体で土のう運搬の要請はどの程度あったのか、現在の体制でこれら要請にどの程度こたえることができたのか、あわせてお尋ねします。  5点目は、道路冠水と側溝詰まりの因果関係について質問いたします。  さきの集中豪雨の際に発生した道路冠水は、市全体で201件と報告されています。これら冠水被害の中でも、側溝にごみや土砂がたまったままであったため、それが雨水管への排水の妨げになり、雨水を排出できなかった箇所があるのではないかとの指摘があります。  そこで、これら冠水場所と側溝の詰まりとの因果関係についてどのように認識しているのか、その根拠も含めてお伺いいたします。  6点目は、県管理河川の流下能力の向上について質問いたします。  先日、本市が県に対して提出した提言書において、那珂川及び樋井川の河川改修を早急に実施することが冒頭部分で要望されていることからも、本市の都心部を貫流する那珂川とその流域に多くの住宅が密集する樋井川については、河川はんらんへの対応が急務であることがうかがえます。  そこで、那珂川と樋井川については、浸水対策の観点から今後どのような対応が必要であると考えているか、お尋ねします。  最後に7点目は、貯水、貯留機能の向上について質問いたします。  冒頭でも言及したように、平成11年に発生した博多駅周辺の内水対策として整備された山王調整池は、観測史上最大の時間最大雨量116ミリにもかかわらず、博多駅周辺地区の浸水被害が過去2回の浸水被害に比べ非常に少なかったことからも、御笠川の流下能力向上とあわせて、その効果が非常に大きなものであることが証明されたのではないかと思っております。  そこで、さきの集中豪雨でも被害が大きかった那珂川及び樋井川流域の内水対策として、山王調整池のような貯留施設を新規に整備する方針はないのか、お尋ねいたします。  次に、新型インフルエンザ対策について質問いたします。  新型インフルエンザについては、本年6月6日の本市で初めて新型インフルエンザ患者が確認されて以降、感染患者の全数把握を行っていた7月23日までのおよそ1カ月半の間で確認された患者数は合計171名で、省令改正により全数把握を中止した7月24日以降も、本市が所管する高齢者福祉施設での感染や保育所、小中学校、留守家庭子ども会での集団感染が確認されるなど、対策については今もなお予断を許さない状況が続いております。一方で、本年4月28日にWHOにおいて新型インフルエンザの発生が宣告されて以降、当初はウイルスの国内侵入を防止する水際対策が実施されていたようですが、その後の諸外国や国内の感染事例から、国の運用指針策定に伴い、地域の実情に応じて柔軟に対応することとなり、さらにその後も当該運用指針が改定されるなど、とりわけ保育所や小中学校、留守家庭子ども会、高齢者福祉施設における新型インフルエンザへの対応については目まぐるしい変化が生じているようです。  そこで、本市が所管する小中学校や留守家庭子ども会、保育所、高齢者福祉施設において、新型インフルエンザ患者が確認された場合の対応がどのように変更されてきたのか、その際、保護者や利用者の声に柔軟に対応したのか、また、その際の保護者や利用者の反応はどうであったのか、あわせてお伺いいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 107 ◯議長(光安 力) 阿部市民局長。 108 ◯市民局長(阿部 亨) 豪雨災害に関し、まず洪水ハザードマップが実態に即していない内容という点のお尋ねでございます。ハザードマップにつきましては、福岡県が作成をいたしました河川のはんらんにより浸水が予想される範囲を示した浸水想定区域図に基づき作成をいたしております。したがいまして、支川や下水道、側溝などからの、いわゆる内水はんらんによる浸水想定は盛り込まれておりません。このことが御指摘のようなことが起こる原因であるというふうに考えております。  次に、市、区職員の対応についての課題でございますが、今回の豪雨災害では、気象状況や災害状況の変化のスピードが速く、配備態勢を強化した場合に、動員から実際に参集するまでの間、人員不足となり対応に支障を来す状況がございました。また、市民からの救援要請や問い合わせへの対応に追われまして、後から参集してきた職員に業務の説明や指示が的確にできず、有効に人員が動かせなかったなどの課題がございます。  次に、災害情報の収集、管理、指示の体制についての課題でございますが、被害状況などは災害対応支援システムにより各区から入力をされる被害情報などに基づき把握しておりましたが、被害情報の把握に漏れが生じたり、情報の伝達がおくれるなど、市及び区の災害対策本部間の意思の疎通や情報共有の面で課題がございました。  次に、自主防災組織についてのお尋ねでございますが、自主防災組織は自分たちの地域は自分たちで守るという精神に基づいて自主的に結成をされている組織でございます。また、自主防災組織の役割は、平常時には防災知識の普及や防災訓練などを行い、いざ災害が発生した場合には初期消火、救出救護、住民の避難誘導などの役割を担っておられると認識をいたしております。今回の災害に際しましては、浸水したある地域の自主防災組織では、止水板の設置、避難勧告に伴った地域の見回り、冠水道路に進入しないよう交通整理や要援護者の安否確認などの活動が自主的に行われておりまして、十分にその役割を発揮していただいたと感じております。以上でございます。 109 ◯議長(光安 力) 貞刈財政局長。 110 ◯財政局長(貞刈厚仁) 本市が管理する土のうの運搬体制などについてのおただしですが、公共土木施設の防災協定に係る事務につきましては財政局で所管しておりますので、私のほうからお答えさせていただきます。  本市においては、河川からの溢水などに備えて、これまで水防訓練などで製作した約1万7,000袋の土のうを各区役所や消防局などの保管場所に備蓄しており、また市内各所の水防倉庫には土のうの袋を約14万袋格納しております。この運搬体制につきましては、本市職員による運搬や福岡市土木建設協力会、福岡市土木建設協同組合へ運搬を依頼するなど、災害時における迅速な体制の確保に努めているところでございます。しかしながら、近年の短時間集中豪雨による浸水などの内水はんらんの対応ですが、止水板の設置や土のうなどについては、防災マップ等を配布し、市民への啓蒙活動を図っているところでございます。さきの九州北部豪雨の際の土のう運搬の要請でございますが、市民の方より各区役所へ約110件、2,500袋の要請があっており、そのうち約70%は市と協力会等で運搬しており、残りの約30%は市民の方が最寄りの保管場所へ直接受け取りにこられている状況となっております。以上でございます。 111 ◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。 112 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 道路冠水箇所と側溝詰まりの因果関係についてでございますが、側溝などの土砂の堆積は流下能力の低下の一因になることが考えられますが、今回の豪雨による道路冠水は、側溝の排水能力を大きく上回る1時間当たり100ミリ以上の記録的な雨量であったことが主な原因であると考えております。  次に、那珂川と樋井川の浸水対策につきましては、治水の根幹である河川の改修による流下能力の向上を図る必要があると考えております。したがいまして、福岡県に対して河川改修及び適正な維持管理について要望しているところであります。特に那珂川につきましては、洪水調節容量を持つ五ケ山ダムの早期完成について、県に対し強く要望してまいりたいと考えております。  次に、流域の内水対策としましては、河川改修と下水道整備を連携して総合的に推進する必要がございます。下水道の雨水排水計画は、10年に1度の確率で起こる降雨に対応できるように、下水管渠等の流下型施設の整備を基本として計画しております。しかしながら、特に今年度より第1期事業に着手したレインボープラン天神では、雨水管に貯留機能を持たせるなど、そういった幹線の計画もいたしております。以上でございます。 113 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 114 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ対策について、高齢者福祉施設の利用者が新型インフルエンザに感染した場合の対応でございますが、当初は、入所施設においては生活の場であることから事業継続を行い、通所施設におきましては原則として臨時休業の要請を行うことにしておりました。現在は、入所施設の取り扱いに変更はございませんが、通所施設については、利用者に患者発生について情報提供の上、代替措置を確保し、原則として1週間の事業自粛を要請しています。なお、機械的に判断することなく、自粛中の代替措置が確保できない利用者については柔軟に対応するよう指導をしているところでございます。市の対応に対しまして、利用者やその家族の方からの苦情等は入っておりません。以上でございます。 115 ◯議長(光安 力) 吉田こども未来局長。 116 ◯こども未来局長(吉田恵子) 留守家庭子ども会につきましては、まず1学期におきましては、小学校での対応と不整合が生じないよう、学校が臨時休業とされた場合、その期間、留守家庭子ども会も一体的に休会し、学級閉鎖となった場合は、留守家庭子ども会は開会し、当該クラス以外の児童は利用できることといたしておりました。また、学校が休みとなります夏休みにおきましては、原則として入会児童に2名以上の新型インフルエンザ患者が発生した場合は休会することといたしておりました。2学期以降につきましては、原則として開会し、学校で出席停止となった児童または学級閉鎖となったクラスの児童以外は留守家庭子ども会を利用できることとしております。留守家庭子ども会単独での休会に当たりましては、すべての保護者に対して迅速な情報提供を行い、事前準備のお願いを行ってきたところですが、これまでのところ休会に伴う苦情等のトラブルは発生しておりません。  次に、保育所につきましては、当初クラス単位または保育所全体での1週間の臨時休業の要請を行っておりましたが、国におけるサーベイランス体制の変更等も踏まえて方針を変更し、保育所全体の臨時休業の要請は行わず、クラス単位での1週間の臨時休業の要請を行うこととしておりました。しかしながら、感染拡大の状況や保護者の就労等に与える影響などを考慮し、現在は原則として保育所に対しクラス単位の臨時休業の要請を行わず、新型インフルエンザにかかった児童及び職員に対し1週間の登所自粛を要請しております。また、すべてのクラスの保護者に対し患者発生についての情報提供を行うとともに、同一クラスの児童について、家庭保育の協力が可能な場合には1週間程度の家庭保育の協力依頼を行うこととしております。保護者の反応につきましては、保育所の臨時休業を行っていた際には、保護者から就労に影響がある等の数件の苦情がありましたが、保育所の臨時休業を行わなくなって以降は、市の対応に対して保護者からの苦情等は入っておりません。以上です。 117 ◯議長(光安 力) 山田教育長。 118 ◯教育長(山田裕嗣) インフルエンザ対策についてお答えをいたします。  まず、学校における臨時休業につきましては、新型インフルエンザの発生当初は、患者が発生した学校が属する中学校ブロックの学校を休校としておりましたが、休業により授業時数や学校行事などに支障が生じたため、各学校において回復措置を行うとともに、国の指針変更等も参考にしながら、6月19日からは患者が発生した学級のみの閉鎖に変更いたしました。2学期の開始時には、学級に2人以上の患者が発生した場合に学級閉鎖としておりましたが、その後の患者の発生状況等も踏まえて、9月7日からは、インフルエンザ患者、もしくは疑われる症状のある者の欠席者が学級で2割以上となる場合に学級閉鎖としております。また、臨時休業の措置に伴う保護者の反応については、毎朝、教職員が児童の健康状態について電話で聞き取りを行うとともに、困ったときには学校に電話するよう声かけをするなど、きめ細かな対応を行っており、大きな混乱はありませんでした。以上でございます。 119 ◯議長(光安 力) 田中しんすけ議員。 120 ◯40番(田中しんすけ) 引き続き、本市の浸水対策について質問いたします。  1点目の洪水ハザードマップについてですが、今後ハザードマップの内容を災害の実態に即した内容にするため、どのようなことに取り組んでいくのでしょうか、また、現在の進捗状況も含めて、今後どのようなスケジュールで進めていく予定なのか、あわせてお示しください。  2点目の災害時の市職員の対応と情報収集、管理、指示のあり方についてですが、今後これらの体制を拡充させるために具体的にどのような取り組みを予定しているのか、現在の進捗状況も含めて、今後のスケジュールについてもお示しください。  3点目の災害時の行政と地域との役割分担についてですが、さきの豪雨災害において、自主防災組織がうまく活動できた事例と、ふだんの防災訓練の成果が最大限生かされなかった事例とがあるように聞き及んでおります。この防災訓練のあり方については、一部の自主防災組織からは、官製訓練になっており訓練自体が目的化している、訓練の目的が共有されているか不明確との声が上がっています。  そこで、これらの声に対する所見を伺うとともに、今回の浸水災害を踏まえ、今後の自主防災組織及び防災訓練はどのようにあるべきか、また、そのために本市に必要な取り組みは何か、あわせてお尋ねします。  4点目の土のうの確保、運搬についてです。  私、内水はんらんについての土のうの確保をお伺いしたんですが、これは先ほど局長から止水板とか土のうについては防災マップに書いてあるからと御答弁だったんですが、もう少し踏み込んでいただきたかったんですね。これは全体の中で大事なところなんです。実は内水はんらんに対応するための土のうというのは、例えば、ここに置いてありますから取りにいってくださいとか、実は本市に確立されていないと私は思っています。そもそも本市が内水はんらんに対応するための土のうについては積極的な対応を講じていないということもあるのですが、浸水が想定される地域の店舗や家屋においては、土のうを自前で準備しておく、あるいは地域の拠点に保管しておく等の備えが必要ではないかと考えます。しかし、現時点で各地域においてそのような備えがなされているかといえば、心もとない印象を受けるのも事実です。  そこで、このような状況を改善するために本市が取り組むべき課題をお示しいただくとともに、今後に向けた具体的な取り組み内容について、あわせてお尋ねいたします。  5点目の道路冠水と側溝詰まりの因果関係についてです。  今回のような集中豪雨による浸水被害が今後も懸念されるところですが、そもそもこれまで側溝の清掃はどのような頻度で実施されているのでしょうか、また、今後、浸水対策という観点から、何らかの取り組みを新たに実施する予定はあるのでしょうか、あわせてお示しください。  6点目の県管理河川の流下能力の向上についてですが、2級河川の中でも那珂川の河川改修及び樋井川のしゅんせつ、河川改修については、県への提言書にもあるように早急に取り組まれるべき課題ではありますが、本市独自の取り組みとして対応できることはないのでしょうか、また、仮に那珂川の河川改修及び樋井川のしゅんせつ、河川改修を、これは権限の有無は別として、本市で取り組もうとした場合、多額の事業費が必要になるのではないかと考えますが、参考として、他の河川改修等の規模と事業期間及び事業費をお示しください。  7点目の貯水、貯留機能の向上についてですが、さきの集中豪雨でも示されたように、樋井川流域の浸水被害は市内でも甚大です。樋井川流域の住民が長い間要望を出している樋井川の河川改修が遅々として進まない中で、大濠公園の池や堀、九大六本松跡地を活用できないものか、そのような声も聞かれております。  そこで、大濠公園の池や堀、九大六本松跡地の地下を調整池の機能として活用しようとした際、どのような課題があるでしょうか、お示しください。  また、本市は雨水整備レインボープランに基づき、博多駅周辺地区及び天神地区については将来的には79.5ミリ、全市的には10年確率である59.1ミリの降雨量に耐えられるまちづくりを推進しています。
     そこで、博多駅周辺地区及び天神地区について、雨水整備基準を79.5ミリに引き上げるのに必要な下水道整備事業費は幾らになるのか、また、仮に全市的に79.5ミリの降雨量に耐えられるように下水道整備を実施しようとした場合、新たに発生する費用はどの程度であると想定されるのか、あわせてお示しください。  次に、新型インフルエンザ対策について質問いたします。  御回答いただいたように、本市の所管する保育所や小中学校、留守家庭子ども会、高齢者福祉施設においては、状況に応じて国の方針や指針が目まぐるしく変更される中、児童生徒や利用者の安全確保を最優先にしながら、さらに保護者を初め関係機関からの理解や協力を得ながらも、できる範囲内での対応を行っているのではないかと思います。今後もさらに患者数が増加することが想定されることから、保護者や医療機関との連絡や連携を密にし、引き続き状況に即した対応や医療体制の整備に努めていただきたいと思います。また、新型インフルエンザ患者の急激な拡大を防止し、社会への影響を少なくするためには、市民一人一人の努力が欠かせないことは言うまでもありません。感染防止対策の実践や感染予防のための啓発にもあわせて努めていただくよう要望いたします。  しかし、これから患者数が急増することが予想される中で、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすための一番の特効薬は、何といっても早急な新型インフルエンザワクチンの接種に尽きると思います。  そこで、9月4日に厚生労働省より発表された新型インフルエンザワクチンの接種についてという文書では、優先接種対象者として、インフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者及び重症化するおそれが高いと言われている妊婦、基礎疾患を有する者、乳幼児、1歳未満の小児の両親等が上げられていますが、その優先順位は具体的にどのように示されているのでしょうか、また、国の方針によると、新型インフルエンザワクチンが本市に入ってくる時期及び手順はどのように示されているのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。  以上で2問目を終わります。 121 ◯議長(光安 力) 阿部市民局長。 122 ◯市民局長(阿部 亨) まず、ハザードマップの内容を災害の実態に即した内容にするための取り組みについてでございますけれども、本年5月に配布をいたしました3河川の洪水ハザードマップにつきましては、過去に浸水被害が発生した主な地区をあわせて記載する改善を行ったところでございます。今後の取り組みにつきましては、ハザードマップの見方などの重要事項をより目立つ位置に表示したり、過去の浸水被害が発生した主な地区の表示方法をより視覚的に見やすくするなどの改良を行いたいと考えております。水害時の避難に役立つマップとするため、多方面の意見もお聞きしながら関係局と協議するとともに、もとになりました県による浸水想定区域図の改定の時期なども考慮に入れてスケジュールを立て、検討をしてまいります。  次に、災害時の市職員の対応と情報収集、管理、指示体制の拡充に向けた今後の具体的な取り組み予定などについてのお尋ねでございますが、現在、気象状況や災害状況の変化に即応できるよう、職員の配備態勢の見直しや応援、支援のやり方などについて再検討を進めているところであります。また、地域の被害状況を迅速かつ円滑に把握するための地域、区役所、本庁の連絡体制の再整備を図るとともに、全庁的な被害状況などの迅速な情報収集や情報共有を図るため、今回お願いをいたしております9月補正予算により、災害対応支援システムの拡充を進めたいと考えております。  次に、自主防災組織の防災訓練についてのお尋ねでございますが、一部の地域からはマンネリ化しているのではないかといった御意見もお聞きしております。防災訓練の実施に当たりましては、地震か水害かなどの被害想定と何をテーマに実施するかという訓練の目的を明確にすることが重要であると考えております。また、災害発生時に、地域の特性や実情を踏まえて、住民がみずから考え、行動できる組織となることが重要であり、そのためには日ごろからのより実践的な防災訓練の実施が肝要であると考えております。本市といたしましては、各自主防災組織の災害対応力の向上につなげていくためにも、特色ある取り組み状況や訓練内容などについて、出前講座や自主防災組織リーダー研修会、市政だよりなどの機会をとらえて情報を積極的に提供するとともに、地域と行政との情報伝達訓練を実施するなど区役所と連携して支援に努めてまいります。  最後に、自前や地域での土のうの確保についてのお尋ねでございます。  災害が大きくなればなるほど、行政機関等による災害応急対策活動とともに、住民の自助や地域による共助が重要となってまいります。したがいまして、本市といたしましては、自分たちが住む地域にはどのような危険が想定されるかなどのリスク認識の周知や、土のうなどの災害時の備えにつきまして、市政だよりや出前講座、防災訓練などの機会をとらえ、積極的に防災意識の啓発や防災教育を行ってまいります。以上でございます。 123 ◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。 124 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 側溝清掃についてでございますが、各区役所での道路パトロールの際に、側溝や雨水ます等の土砂詰まりを点検いたしております。その頻度につきましては、基本的に幹線道路を1カ月で2回、その他の生活道路を3カ月から8カ月程度で1回の点検を行っております。また、下水道管渠につきましても、5年で1回程度の定期的な清掃を実施するなど、機能保全に努めているところでございます。今後、浸水対策という観点での新たな取り組みにつきましては、道路パトロールの際に、特に浸水常襲地区に留意して側溝の土砂詰まりを点検してまいります。那珂川及び樋井川の河川改修につきましては、管理者であります県に対し強く要望していくとともに、地元対策など必要に応じ協力するなど、県と連携を図りながら整備促進に努めてまいります。また、他の河川改修の事業費につきましては、御笠川河川激甚災害対策特別緊急事業で10.5キロメートル区間を事業期間9年間、総事業費404億円で実施されております。  次に、那珂川広域河川改修事業につきましては、15.2キロメートル区間を昭和50年度から総事業費594億円で実施中でございまして、完成は未定でございます。  次に、大濠公園や九大六本松跡地の調整池としての活用についての御質問でございますが、まず大濠公園につきましては、樋井川流域ではなく旧黒門川流域でありますこと、地理的に鳥飼地区の下流域にあること、また当該地区については、合流区域からの流入のため、水質や親水性の問題があること、常に池の容量をあけておく必要があるなど雨水調整池への活用には課題が多いと思われます。  次に、九大六本松跡地につきましても、既に裁判所や民間施設として利用が予定されており、土地利用の高度化として地下空間の活用が考えられることなどから、雨水調整池への活用には課題が多いと思われます。  次に、浸水対策の事業費でございますが、まずレインボープラン博多の事業費としまして、約370ヘクタールの整備で約350億円を予定いたしております。レインボープラン天神の事業につきましては、第1期事業として10年確率降雨に対応した事業計画として、約100ヘクタールの整備で約130億円を予定いたしております。天神地区及び本市全域の雨水整備水準を時間当たり79.5ミリ相当に引き上げた事業計画は、現在のところ策定いたしておりませんので、その事業費につきましても把握いたしておりません。以上でございます。 125 ◯議長(光安 力) 井崎保健福祉局長。 126 ◯保健福祉局長(井崎 進) 新型インフルエンザ対策について、ワクチン接種の優先順位につきましては、国の素案では、インフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者、妊婦及び基礎疾患を有する者、1歳から就学前の小児、1歳未満の小児の両親の順に優先的に接種を開始するとされており、さらに小、中、高校生及び65歳以上の高齢者についても優先的に接種することが望ましいとされております。なお、医療従事者や基礎疾患を有する方の対象範囲についての具体的な基準は明確になっておりません。ワクチンが本市に入ってくる時期及び手順につきましては、現時点の国の案では、まず10月下旬をめどに国内産ワクチンの最初の出荷が予定されており、国が示す接種対象者別の優先接種時期及び期間をもとに、都道府県が決定したスケジュールに従い、国と契約した医療機関で接種が行われると聞いておりますが、具体的な時期や手順等については示されておりません。以上でございます。 127 ◯議長(光安 力) 田中しんすけ議員。 128 ◯40番(田中しんすけ) まず、本市の浸水対策についてです。  今回、本市が浸水対策として取り組んでいくべき課題を、ソフト、ハードの両面から指摘させていただきました。ソフト面の対策として、まず洪水ハザードマップについてですが、このハザードマップは、市内47万6,000戸に対して総額5,000万円という予算を投じて作成、頒布されております。マップ改定作業に着手する際には、外水はんらん、内水はんらんなどの縦割りの表示ではなく、住民、市民が一目で理解できる防災情報を提供できるマップにしていただくよう強く要望いたします。  災害時の市職員の対応と情報収集、管理、指示のあり方については、職員の配備態勢の見直しや応援、支援のやり方などについて再検討を進めているとの答弁でした。今後、しかるべき時期にその結果について御報告いただきますよう要望いたします。また、災害対応支援システムの拡充については、早速9月の補正予算により行っていただくとのことですので、遅滞なく取り組んでいただきますよう要望いたします。  道路冠水と側溝詰まりの因果関係についてです。  今後の道路パトロールの際には、浸水箇所に留意して側溝の砂だまりを点検していただくとの答弁でしたが、とりわけ出水時期前の清掃については、その時期について意識的に取り組んでいただくよう要望いたします。  ソフト面の対策として最後に、災害時の行政と地域との役割分担及び土のうの確保、運搬についてお伺いいたします。  これまでの答弁や事前のヒアリングを通じて、ソフト面における本市の対策について、以下の2点が明らかになったと思っております。一つは、外水はんらんに備える体制と比べて、内水はんらんに備える体制が不十分であるということです。洪水ハザードマップにおいて内水はんらんに関する記載が不十分であったこと、出水期を意識した側溝清掃がなされていなかったこと、内水はんらんのための土のうの利用、運搬をそもそも市が想定していなかったこと、地域内で土のうの確保や運搬について明確なルールづくりができていないところが多かったことなどは、その証左ではないかと思います。  もう一つは、行政と地域を中心とした自主防災組織の役割分担に関する取り決めがなされておらず、地域において災害時の行動マニュアルが明確化されていないということです。さきの答弁からもわかるように、災害が大きくなるほど行政ができることは限られており、住民の自助、地域による共助が重要となります。自分たちが住む地域にはどのような危険が想定されるか、例えば、内水はんらんが発生しやすい地域であるとか、土砂崩れの危険性が高いとか、地域によってどのような危険が想定されるかは異なるはずです。地域としては、いざというときには地域が対応しなければならない、そういう役割分担が事前になされていれば、そのような想定されるリスクを認識した上で、例えば、あらかじめ土のうを自前で準備しておくとか、自前で準備ができなければ運搬体制を構築しておくなど、自主防災組織や地域コミュニティーの核である公民館を中心に行動マニュアルを明確にしておくことができたのではないでしょうか。もちろんすべての地域で自主防災組織が結成されているわけではなく、地域によって想定される危険もさまざまであることから、一律的な役割分担を押しつければ、かえって負担が大きくなり、効率が悪くなるという場合もあるでしょう。  以上のことから、本市において重要な取り組みは、その地域では特にどのような被害想定のもとで訓練を実施することがよいのか、実際に被害が起こったときにはどのような指針に基づいて行動すればよいのか、その地域の自主防災組織の陣容でどこまで独自に対応できるのか等々、それぞれの地域ごとに異なる実情をしっかりと共有した上で、具体的な行動マニュアルを地域が自発的に作成できるような環境づくり、これではないかと考えます。そもそも水害は発生するものだ、市民がそのようなリスク認識を前提に、自前の備えにより被害を最小限に抑える、このようなより本質的な意味での水害に強い都市、これを実現するための環境整備に取り組まれる上での吉田市長の決意をお伺いいたします。  次に、ハード面の対策として、県管理河川の流下能力の向上についてですが、県に管理権限があることから、本市独自での取り組みには限りがあるのかもしれません。しかし、できる限りの施策を動員し、浸水対策に取り組んでいただきたいと思います。また、市内の2級河川の管理については、さきの九州北部豪雨を契機に、管理権限の移譲を強く求めるとともに、将来的に2級河川の一元管理を実施する準備を進めていただきますよう強く要望いたします。  貯水、貯留機能の向上については、さきの答弁にもありましたように、大濠公園の池や堀、九大六本松跡地の地下を調整池の機能として活用しようとした場合、多くの解決されるべき課題が存在するようです。今後は、今回の答弁では示されなかった事業費用についても検討を進めていただき、市民も含めて、市全体で総合的な議論ができるように情報公開に取り組んでいただけるよう強く要望いたします。  また、さきの雨水整備基準の見直しについての答弁では、博多駅周辺地区及び天神地区についての実績がある地区についての費用は出せるものの、全市的に79.5ミリの降雨量に耐えられるように下水道整備を実施しようとした場合、新たに発生する費用は想定されていないということでした。しかし、今後、さらなる下水道整備圧力が強まることが予想される中、整備方針をめぐる議論の材料として、整備に伴う財政負担、市民負担については早い段階で明らかにしておくべきであると思いますので、この点についても適切な情報公開が行われるよう、あわせて要望しておきます。  これまでいただいた答弁を踏まえ、ハード面における対策について総括すれば、さきの九州北部豪雨レベルの大雨に耐え得る浸水しにくい都市づくりを進めるに当たって、河川整備事業及び下水道事業の推進のみに依拠した手法では限界があるということです。例えば、2級河川の河川改修については、最終的には県頼みの部分があり、県から前向きな回答を得たとしても、これまでの実績を踏まえて言えば、その整備には相当な費用と年月がかかることが予想されます。また、下水道整備についても、現状の雨水整備基準59.1ミリを満たしていない中で、さらに高い整備基準で整備しようとすれば、これも多額の費用と年月がかかることは想像にかたくありません。また、市街化の進展が著しい本市においては、河川や下水道の整備の際に建設が難しい箇所もあり、そのおかげで多くの費用と時間を要しているということもあるのではないでしょうか。このような現状を踏まえると、今後は、これまでの降った雨はなるべく急いで海に排出する、このような従来からの考え方に加えて、雨が降ったところにできるだけとどめ、そこで浸透させる、すなわち流出抑制という新たな考え方を付加することで、水害の発生しにくい都市構造に改善していく必要があると思います。浸水対策に関する質問の最後に、浸水しにくい都市、これを実現するために、今後本市が取り組むべき流出抑制施策に関する具体的な取り組みの内容も含めて、取り組みに対する決意のほどをお伺いいたします。  次に、新型インフルエンザ対策についてです。  先ほど答弁いただいたように、現時点では新型インフルエンザワクチンの優先接種対象者の順位づけについては、原則的な優先順位は示されながらも、ワクチンの出荷状況に応じてその順番を調整する必要があるなど明確な基準づくりは作業半ばのようです。また、本市にワクチンが入ってくる時期や手順についても不明確であり、今後の国の対応が急がれるところです。質問の2問目の中で言及した新型インフルエンザワクチンの接種についてという文書が出されて間もない9月8日には、厚生労働省から新型インフルエンザワクチン接種事業の実施概要案が発表されています。この文書の冒頭にある、今般の事業の目的という部分には、1、感染者の多くが比較的軽症で回復しているが、妊婦、基礎疾患を有する者、小児等の一部には重症化する事例もあるため、新型インフルエンザの予防接種による重症化防止が重要であること、2、ただし、ワクチンの製造量が追いつかないことから、より必要性が高い者に優先的に接種を行う必要があること、3、よって、臨時応急的に国が一元的にワクチンを確保するとともに、地方公共団体と役割を分担して、重症化するおそれが高い者に対する優先的な接種機会を確保する、このように記されております。国もやっと本格的に新型インフルエンザワクチンの接種事業に本腰を入れて取り組みを始めたところですが、当該文書を一読してみてもわかるように、さきに指摘した接種の優先順位のほかにも、接種方法、ワクチンの配分と円滑な流通の確保、接種に係る費用負担のあり方、ワクチン接種の安全性の確保並びに健康被害の補償等については、現場での実施段階に移せるレベルまで明確化されているとは言いがたい状況です。本市においても早いワクチン接種準備を早急に進めていただきたいと考えますが、そのためにも国が早急に具体的な接種指針を示し、迅速かつ適切な情報提供を自治体及び市民に対して行うべきであるという点は、本市議会を挙げて国に対して意見を述べていかなければならないことだと認識しております。  最後に、本市においては、新型インフルエンザ患者の発生状況やその症状等に注意深く目を向けながら、新型インフルエンザへの感染防止に向けた市民への啓発も含め、今後とも、柔軟で適切な対応を継続していただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。 129 ◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。 130 ◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 雨水流出抑制につきましては、福岡市雨水流出抑制指針を定め、全市的に取り組むこととしております。具体的な対策としましては、道路への透水性舗装や浸透側溝などの整備、公園に降った雨をそのまま浸透させるなどの施設整備を行っております。敷地面積1,000平米以上の開発者には、雨水流出抑制対策を講じるよう協力を依頼しております。また、一般家庭へは、雨水貯留タンクの普及促進に努めているところでございます。今後は、雨水の流出抑制対策に市民の皆様と行政が一体となって取り組むことが最も重要であり、その意識高揚のためにも啓発活動に積極的に取り組んでまいります。以上でございます。 131 ◯議長(光安 力) 吉田市長。 132 ◯市長(吉田 宏) 最近の雨は異常に降りまして、そのスピード、量、過去の経験値が必ずしも当てはまらず、見る見る間に水害状況に陥るというようなことになっております。この間のときも、避難勧告を出すまでの間にも、私、一番心配しましたのは、ひとりで暮らしていらっしゃるお年寄りであるとか、保護が必要な環境にある住環境のところ、そういうところ、我々が行き着く前に先に水害が行ってというときに、やはり自主防災組織、もしくは近所の見回りということのレベルかもしれませんが、地域でどうやって未然に水害の発生、もしくは被害の拡大を防いでいただくかということが初期段階でとても大事だというふうに思います。また、今回は自主防災組織、それから各種の業界団体、協力会の皆さん方もしっかりやっていただいて、かなり拡大は防止できたのではないかと思いますので、そのことについて改めて感謝を申し上げたいと思いますけれども、いずれにしましても、行政と、それから自主防災組織との連携というのが非常に大切であると思います。その中で、今度の水害の中で、やはり御指摘のように幾つも課題が浮き彫りにされたんではないかなというふうに思います。対応が少しおくれたところもありますし、ふだんからの訓練の成果が必ずしも生かされていなかったかなというような状況もあるようでございまして、やはり今回、今、水害の後、いろんな状況が今つまびらかになっておりまして、反省点も多いということで、しっかりと検証しまして、どこまで地域がやり、どこまで行政がやるかという簡単なマニュアルづくりみたいなものは、なかなかその場その場の対応が必要ですので、マニュアルというよりも意識の共有という、そういう観点だろうと思いますけれども、まずそこをしっかり今回の教訓を踏まえてもう一度構築していきたいと思っております。そのときに行政が果たす役割、大変大きいということは十分認識しておりますので、しっかりやっていきたいと思います。以上です。 133 ◯議長(光安 力) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は9月14日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 134 ◯議長(光安 力) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次の会議は9月14日午前10時に開きます。  本日はこれをもって散会いたします。                                         午後3時31分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...