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令和 元年 8月23日庁舎整備に関する特別委員会-08月23日-01号
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  1. 熊本市議会 2019-08-23
    令和 元年 8月23日庁舎整備に関する特別委員会-08月23日-01号


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    令和 元年 8月23日庁舎整備に関する特別委員会-08月23日-01号令和 元年 8月23日庁舎整備に関する特別委員会            庁舎整備に関する特別委員会会議録 開催年月日   令和元年8月23日(金) 開催場所    特別委員会室 出席委員    12名         澤 田 昌 作 委員長    浜 田 大 介 副委員長         日 隈   忍 委員     高 本 一 臣 委員         西 岡 誠 也 委員     藤 永   弘 委員         寺 本 義 勝 委員     原 口 亮 志 委員         村 上   博 委員     坂 田 誠 二 委員         落 水 清 弘 委員     上 野 美恵子 委員 議題・協議事項   (1)調査事項      本庁舎に求められる機能とあり方及びこれに係る諸問題に関する調査                             午前 9時59分 開会 ○澤田昌作 委員長  ただいまから庁舎整備に関する特別委員会を開きます。
     本日は、熊本市本庁舎整備計画作成業務委託報告書並びに本庁舎の耐震性能の確保について、参考人の意見を聴取するためにお集まりをいただきました。  参考人におかれましては、大変御多忙の中、本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  委員会を代表いたしましてお礼を申し上げますとともに、忌憚のない御意見をお述べいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、調査の方法についてお諮りいたします。  調査の方法としましては、参考人より意見を聴取した後、参考人に対する質疑を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○澤田昌作 委員長  御異議なしと認め、そのようにとり行います。  それでは、参考人に意見の開陳をお願いいたします。 ◎高橋治 参考人  まず、最初に簡単に自己紹介しますと、私、今東京理科大学、東京ですが、工学部建築学科で教員をやっております。1991年に就職いたしまして、最初は民間企業、熊本にも縁があると思いますが、そちらの会社で構造設計をやっておりました。ですので、熊本城関係もありますが、近くの九州郵政には何回か来ておりました。  それから、大学のほうには2015年に戻りまして、その間も民間、社団法人、財団法人の審査機関のほうで耐震診断や調査なども10カ所ぐらいやらせていただいております。それが私の略歴です。  では、手持ち資料のほうで、特別委員会の資料が配付されていますので、そちらについて私のほうの所見を簡単に述べさせていただきます。  まず、私と熊本の地元の大学の先生方数名で報告書を見せていただいております。建物は一応こちらですが、37年が経過していると、図面等で確認しております。耐火被覆のほうも古い建物ですので、アスベストが使用されていることも多少わかっていると。また、最近できた法律の方で天井についての耐震性等も新たな懸念事項としてあるかと思います。青字で書いてあるもの、こちらの業務は、2016年に2回にわたって震度7の地震がありましたが、熊本市庁舎防災拠点としての耐震性能があるかを求めるために、現行法のいろいろな構造的な手法によって耐震性能を数値化しております。  それで、まずこの建物の評価をしていると。その後、小規模な改修による手法、それから大規模な改修による手法、また、最近よくありますオイルダンパー等を使った制振装置を使った建物での手法、また近隣の、多分熊本市の病院等でもそうかと思いますが、下にゴム等を入れて、地震を隔てるというか、遮断する免震の手法などで検討しているのを確認しております。また、増ぐい、周りに低層棟もありますので、その辺の基礎ぐいの改修などもさまざまな図面等で確認をさせていただきました。  その結果、別に耐震以外で改修ありきというわけではないのですが、コスト比較の方も何年間使うかとかいうことの比較をされている資料が公表されているのを私も確認しておりますが、引っ越しなど、アスベスト除去、耐震の執務室の影響、近隣ビル分散の可能性、施工に伴う移転などを含めて25年後にはどうなる、50年後にはどうなるというものを評価した上で、どれがいいかということを検討されている状況だと思います。まずそこまでです。  それから、機能維持ということで、官庁施設、こちら熊本市役所ですので、当然官庁施設です。官庁施設は民間の施設、基準法の最低レベルというか、基準法で決められている必ず守らなければいけないレベルの何倍か割り増しましょうという指針があります。それは官庁施設の指針と呼ばれている国交省から出ている指針です。こちら熊本市の考え方、執行部としての考え方はここに書いてある官庁施設総合耐震・対津波計画基準及び官庁施設総合耐震基準改修基準というものをベースに考えて、設計クライテリア目標を考えている資料となっております。ですので、通常の建物よりは当然高目の地震力・外力・津波力、津波は余り熊本市は影響ないと思いますが、などを考慮しようという指針に基づいております。  私が、確認した資料では、この市役所は当然防災拠点として重要と思いますので、通常の建物の1.5倍ということで検討を進められていると思います。  また、このガイドラインは一番下の行に書いてありますが、柱、はりなどの構造体の損傷だけでなくて、非構造部材の落下及び次のページにもありますが、この表を見てもらうと、第Ⅰ類を熊本市役所は目指すと。私が考えるには、ほかの県庁舎、都庁舎、私が今まで設計した地方の市庁舎でもⅠ類というのは、市役所では多いと思います。多いというか、ほとんどそうだと思います。こちらはBCP、続けられるという話、機能継続で支障ないようにしたいということで、大地震後に構造体の補修がないこと、それから人命の安全の確保、これがもうⅢ類という一番通常の最低の基準では人命安全確保最大目標ですが、それ以上のすぐに継続作業が行われて、周りの方々への救助、復興支援などができるということをしたいというのがⅠ類で、今回もそれに該当するように検討していると思われます。それが国のほうでも官庁施設の指針というところがそこを定めているところ、そして真ん中辺、①というところの上に書いておりますが、防災拠点等となる建築物にかかわる機能継続ガイドラインに掲載された内容を使って、それぞれ設計クライテリアを目標としております。  それでは、4ページ目です。  こちら、今回はⅠ類ですので、本来はさらに大きな大地震動についても検討したほうがいいということも書かれております。その中では、耐震性の余力を確保すること、極めてまれに起こる地震についても検討することを考えております。その極めてまれ、もしくはまれという言葉は今までも出てきたと思いますが、簡単に説明しますと、まれに発生する地震というのが建物が建っている間に、地震学者等が言っている確率的に起こりうる地震、大体言われているのは震度5強ぐらいと、レベルとしては言われております。  今回は、極めてまれに起こる地震に対しても即日復興支援が行われるようにしたいという目標ですので、極めてまれというのは、その場所に起こり得る最大級の地震、ただ、想定外は最近いっぱいありますので、何とも言えませんが、地震学者等が言っているところでは震度7、最大級ということが言われております。またそのときに、いろいろな活断層等が見つかっていたり、過去の歴史地震も記録が残っていて、その地震波でつくればここの場所の地震が予想できるのではないかというようなことも、もしかしたら言われる方もいるかもしれませんが、地震予知は私の知見でも、まだ世界中にできない状況と思います。  例えばイタリア地震予知をした学者がいて、その地震波で設計したらいいだろうということで、イタリアも地震国ですので、地震波で設計したときには、その地震学者等設計者等が、施主も、裁判で問題になったということも過去では事例があります。ですので、今回周期特性と言っていますが、いろいろな地震の起こる可能性を考慮して、国交省がつくった告示波というものを想定して設計には考慮しようというものが、資料の中で確認できております。  また、それら設計外力、設計の地震力を決めた上で建物の構造検討をしております。そこには、変形量の低減、通常国交省からも層間の変形、例えば階高が4メーターなら4センチぐらいの変形以内に抑えよう、100分の1です、ということが言われています。また、青字にはなっておりませんが、柱、はり部材も鉄骨造、この場合鉄骨造と思いますので、鉄骨の針金等を曲げると最後戻らなくなりますね、小さい力のときは普通にゼロに戻りますけれども、そういう変形の支障、継続に支障となる損傷が生じないぐらいの損傷度に抑えようということで検討しているのを見ています。  また、構造体の耐震設計で当然基礎等も建物を支えていますので、そちらについても上部構造から基礎に伝達する力の影響及び地盤の変形によって、くい体に作用する力の影響も考慮して検討しております。ただ、建築はどうしてもその場所だけの検討になっていますので、建築と土木を比べてもらうといいと思いますが、実際地球は地震波は下から来るだけではないです。横からも斜めからも地震波というのは伝わってきます。土木等の大きいものではそういう検討をしていますが、今回の場合は横から来るとか、例えばこちらの石垣の堀に反射してくるとか、そういうところまではやっておりませんが、法律で定められていないので、そこまでやる必要はないかもしれませんけれども、やっていないので、その辺についてはよく考慮して設計地震力を決める必要があるかなというのが、私は当時伝えた知見の一つです。  では、5ページ目いきまして、先ほども言いましたⅠ類としております。私が途中、何度か言ってしまっていますが、青字のところの建築基準法は建築物に関する最低限の基準です、最低限というのは言い方悪いですが、崩壊、倒壊はしないで、人命の安全を確保しようというレベルの法律基準です。ただ、これを守らないことが、10年ぐらい前、熊本市にも影響があったと思いますが、耐震、構造計算の偽装事件等あったと思います。そういう意味ではあれは守らずに設計を進めてしまっていたと。今回はそれを守るのは当然ながら、それ以上に防災拠点としての1.5倍について高い性能を求めるということを検討している書類です。  ちょっと難しい言葉ですが、青字の下2行が私は建築に対して考えている重要なことと思います。過去の震災とかわかっている断層及び国の法律基準を含めて将来の可能性、きょうの時点でどう考えるか。局所的な対応だけではなくて、後の世の中、社会に対しての影響を考えて、言葉は難しいんですが、最近建築の構造で言われている冗長性、少し余裕を持とうと、あといろいろなことも考えながらやっていこうということと復旧、復興ができることがいいので、その辺を確保したいというのがⅠ類のまた新たな目標、目的と思います。  では、6ページ目いきます。  こちらは皆さんも、かなりもう勉強されて知っている方も多数いると思いますが、あえてもう一回言わせてもらいますと、2016年に起きた熊本地震は内陸型、活断層型の地震、②となります。ですので、地球が生きている感じで動いています。太平洋側のプレートが日本列島には大きな影響を与えます。その影響がマントル、右側に書いてありますが、潜っていく中、日向灘でこの辺では潜っているかと思いますが、潜っていく中で、九州の土地、またはプレートAと言っているところで亀裂が入るということが今回の直下型地震のよくあるパターンです。当然地球も生き物みたいなものですので、こういう亀裂が入った場所が活断層と呼ばれており、過去に地震が起こったところは多分古傷みたいなもので、同じ場所で何回か傷が起こることは人間の体と同じですのであります。かさぶたが剥がれるみたいな影響かもしれませんが、そういうことで直下型地震が右側のような影響、それから熊本も将来的には忘れてはいけないのが、東海・東南海・南海、それから日向灘も含めた南海トラフの地震が起こるということを国の推進本部では言っております。その影響もなくはないと思っております。  ただ、そちらも言い方悪いですが、全部が一緒に起こる地震がないだろうということもありますが、過去の歴史の地震の中では、昭和では東南海と南海は数日後だったか、32日後ぐらい、それから江戸時代でも数日後に連動して起きております。ただ、その前の宝永地震というのがちょうど徳川吉宗のころにありまして、あれは全部一緒に動いて、なおかつ49日後に富士山が噴火するという影響も起きています。ですので、熊本ちょっと西側ですが、実施設計等が今後進んだ場合、日向灘の地震も多少考慮には、入れていく必要もあるのかなと思っております。  6ページの下側、今、熊本市はハザードマップを用意しております。こちらがちょっと私が先ほど長く言ってしまった日向灘等が入っていないのです。もしかしたら多少考慮したほうがいいかと思うことの背景です。立田山、布田川・日奈久の断層がこちらでは考慮されております。  次のページ、これは公表されているので、皆さん見られていると思いますが、一応震度6強が起こるということで公表されている状況です。この辺も踏まえて、設計地震力は考えておる書類です。  次、8ページ目いきます。  設計地震動の話が、私ここに来るまでの間もいろいろな方に聞かれています。それはいろいろなところでこの市庁舎にとって話題になっているからだと思います。例えば順番書かれていますが、表を見ていただいて、観測波、これはよく使われるものはエルセントル波というアメリカ西海岸の波、タフトという波、それを割り増して地震動を使うことが多いです。これはなぜかというと、霞ヶ関ビル、日本で最初の霞ヶ関ビルは当時地震の知見が日本には余りなく、アメリカ等ヨーロッパ等の、ヨーロッパは余り地震はないですが、アメリカ西海岸等の影響を考えた上で霞ヶ関ビルで最初に使用しています。ただ、最近になっては、これだけでは地震波は小さいです。日本は大きいですが、観測波が小さいです。ですので、日本ではそれを全部包括して、日本列島を考えた波の告示波というのを国交省から使うように、法律で定められております。  ただ、これには熊本は地域計数、今0.9です。東京は1.0です。ですので、法律上は0.9を掛けることで検討できるということになっています。ただこの前の震度7が2回起きた地震で、本当に0.9でいいかという議論もあったかと思います。私は法律をつくる側にはいませんので、何とも言えませんが、設計者、もしくは熊本市に今後私が住むということも考えたり想定していくと、0.9で本当に足りるのかは、自分は学者として懸念するところではあります。  告示波で0.9掛けています。本当に地震が起こるだろうと言われている静岡、あれは東海地震が100年以上起きていないからです。東南海・南海は昭和の戦後ぎりぎりのころに続けて起きています。ただ、あのとき、静岡だけ動いていないです。ですので、静岡はとても地震を懸念しておりまして、県の条例として全県で1.2倍にしましょうということになっております。  その後、活断層の神戸の地震などが起きたり、3.11が起きたり、熊本でも同じように直下型地震が発生して、告示波では小さいんではないかと言われている地域も多いです、日本の場合。それはさっき静岡もそうですけれども、告示波では小さいだろうと言われている地域が多々あります。大阪もそうです。最近大阪ではよく言われています。そういう意味では、サイト波という地震学者等がまとめています最新の知見に基づいて地震波をつくる。ただこれはどうしても人間が知っている範囲の知見ですので、つくって設計するということが行われています。  そういうものがあっても、どうしても想定外の地震というのは地球相手ですので、起きますので、その辺は私も設計していましたので、非常に悩みながら設計外力に関してはいつも決めているところです。  それで、9ページ目いきます。  ちょっとこれは難しいかと思いますが、地盤の揺れ方、建物の揺れ方で、それぞれの影響があると。地盤の柔らかさ、建物の柔らかさ、地盤のかたさ、建物の柔らかさ等がいろいろ組み合せがあると思いますが、例えば関東大震災で言われているのは、関東大震災では地盤の柔らかい側、下町では柔らかい建物が揺れたと。同じ周期帯型の共振です。地盤のかたい東大あたりの地盤がいい山の手側では蔵等が壊れたということで、共振の可能性がそれぞれの地震にはあると思います。そういう意味では、与えられてくる外力が地盤だけではなくて、周りの活断層からの距離や直下型か、もしくはどういう角度で入ってくるかで、いろいろな地震が当然地球ですので起こります。そのときに、全てのいろいろなものに対して最大限の検討をしておこうというのが告示波、1つ2000年に改正に伴って作成された人工地震波、告示波があります。これは今最低守るべき基準と言われております。  この建物の場合も、10ページ目にいきまして、ちょっと見てわかるか難しいところですみませんが、図2.5がその影響です。この建物はおおむね周期が健全な状態で大体1.5秒ぐらい、昔の物理で言うT=2π√m/kでいきます。合成と重量です、で決まってきますが、1.5秒ぐらいです。その中ではちょうど谷間というか、ちょうど外力が小さいところにありますので、サイト波だけを用いれば建物の揺れは小さくなる影響です。この縦軸側は大体エネルギーに値します。この建物にとっては告示波はその部分を補う形で用意されている。熊本市役所にとっては用意されている状況と思います。  例えば、私が学校等で学生に伝えるのは、全周期帯にエネルギーがある地震波を使って建物を設計するのが望ましい。当然法律でもそう言われているというところの中では、例えば交通事故等である車だけが当たるわけではなくて、いろいろな車が当たる可能性があるかと思います。例えば小さい軽自動車だったり、大き目のトラックだったり、その辺も全部含めて検討しましょうというのが告示波で、私の知るところでは、私の今まで設計した建物でも告示波は大体使用しております。それが11ページ目にありますが、告示波及びサイト波で3波以上、青字のところです、加えて観測波、先ほど言ったエルセントロ、タフトなどの外国の波等です、などで3波以上というのが官庁施設の、国土交通省建築構造設計基準の資料において定義されております。  今回の私、資料見せていただいて、比較的丁寧にやっていると思いますのは、この下に書いてありますように、何と12波について全て振動解析、建物の解析、構造計算を行ってそれを公表しております。本来はこの中で告示波及びサイト波で3波使用すればいいと言っておりますが、いろいろ使った中で、自分の都合のいい小さい3波だけを用いるというのは私は余り望ましくないと思います。それは起こる可能性がなくはない。想定外の地震が起こるところがあるからだと思います。それは私の所見ですが、もう1個、国交省の指針の中に書いてあるのは、特定のスペクトルに偏らないように注意が必要となっておりますので、大体告示波とサイト波の方は併用がされているのがほぼほぼです。  逆にサイト波だけの場合というのは、たまに見かけます。それは、先ほど言いました静岡とか、東南海地区とか、大阪でもよく最近上町断層、言われていますが、そちらは告示波より大きくなりますので、言われているものが大きいです。そちらの場合はサイト波だけという場合がありますが、小さい方だけというのは100人ぐらいの評定委員とおつき合いしていますが、多分ほとんどの方は言わないと思います。半数ではなく、ほとんどの方が言わないと思います。それが今言ったスペクトルの話です。  ②はそのままとしまして、12ページ目いきます。  先ほどから言っていますが、変形と先ほど言った外力、地震力を設計者が決めて検討する中で、建物の変形量と部材の損傷度を検討しなければいけないと。その中では、①の2行目ぐらいに書いてありますが、先ほどもちょっと言いましたが、建物の変形は層間変形角100分の1ぐらい、鉄骨造の場合には大体が具材の応答塑性率は4を超えないぐらいを目指します。下に書いてありますけれども、生じる変形が力が作用しなくなってももとに戻れない、1だと戻れますが、4というのは戻れない側です。戻れないけれども、そこまでは人命の安全確保等、もしくは建物が地震後、復旧復興に使えるだろうというレベルで考えてそこまでとしております。  また、この建物は②外装材ですが、私も昔から見せていただいていますけれども、きのう入りましたので、じっくり見せていただきましたが、とてもきれいな茶色い外装で、鉄骨造ですので、うまく熊本地震のときには、熊本地震がここで震度7がなかったのが幸いかとも思いますが、変形が追随できたかと。そういう意味で周辺の鉄筋コンクリートの建物に比べるとひび割れ等がないのがよくわかると思います。  また、設計時の検討値、診断時の資料を見せていただくと、過去に部材の外装材が追随できるかの検討も実験等で行っているようですので、その辺もうまく作用したのかなというのが私の印象です。  細かいグラフ等は13ページにあります。  あとは最後に、くいの検討です。私もこの建物の伏せ図を検討資料の中で見せていただきました。15階建ての建物、その建物にしてはくいの太さはそれほどでもないと思いますが、くいの量は比較的多いというのは図面を見た中でも私も印象があります。ですので、当時の設計者はそれをちゃんと支えようという意思で一生懸命くいをふやした。くいは値段が高いですから、それをちゃんと入れたんだなという気がします。  それが、過去の建物は非常に難しいです、今は建物とくいをしっかり結ぶべく、ちゃんと地震時に変形しても伝達できるだけの鉄筋の長さ、鉄筋の太さを入れていますが、過去のものは余り入れていない場合が多いです。今回の場合は図面等でそこら辺がわかるんですが、ただ施工時にどうなっているかということは確認できていないので、私はそのままくいの安全性をいろいろ、地震力の低減になるんではないか等の提案がなされたこともあると言われていますが、今後の調査等でもしかしたら使えるかもしれない。例えば既存ぐいをもしかしたらより検討に使える可能性はあると思います。それは、過去の施工と設計は図面が残っているんで大丈夫だと思うんですけれども、施工等がしっかり行われたかの確認とこの前の地震で余り、ほとんど使えるぐらい損傷がなかったということがわかればできますが、私は過去の経験で、自分の設計で既存のくいをそのまま使って建物を乗せたこともあります。それは民間企業の建物で、民間企業の施主がそれでいいと、そういう私どもの話し合いの中で、そういう可能性もあるということで、コスト等を考えて決定したことがあります。  ただ、市庁舎ですので、そこはきょうも市議会の方いっぱいいますが、それらの方々と市役所の執行部の方々がよく話し合って、使うか使えないかを、私じゃなくてもいいと思いますが、構造技術者学識経験者等、くいの専門家に確認した上で再度使うことは可能かとも思います。  ただ、本当に地震動が低減できているかどうかは難しいかなとも思っています。それは、先ほども言いましたけれども、真下から来るだけの地震ではないので、その横等の入力低減、②に書いていますが、入力低減については今後より一層の実施設計等がこの後、進む段階に行った場合に、より検討していく必要があるのかなと思います。  ただ、過去のものをそのまま使う勇気が今の設計者や私がもと設計が同じ会社のものでも、なかなか先輩たちのものを使えるかなというのはちょっと何とも言えないです。その場でまた考える状況かなと思います。  では、最後、ちょっと時間が30分ちょうどぐらいですが、まとめとしては、いろいろな検討をしております。新聞等読みますと、建てかえありきみたいなことが書かれている内容も見せていただきましたが、私が見せていただいた資料では、ホームページにも出ていますが、コスト等を比較検証して、コスト等はこれよりもっとかかるものもあると思います。それに向かっていろいろ検討していることがよくわかりましたので、耐震改修が現実的に困難かどうかというのは、私の見る限りでは資料としては特に困難というよりはコストパフォーマンス、もしくは性能のパフォーマンスとして建てかえの可能性も高いんではないかと思います。クライテリアを今のままでいった場合ですね、落としてもいいんですが、落とさないと思います。クライテリアを落とさない方がいいと思います。落とさない中ではそういうことが結論かなと思います。そこが防災拠点施設として書いています、先ほどから何度も言ってますんで伝わったと思いますが、Ⅰ類の建物だということを認識していただきたくて、Ⅲ類で、Ⅲ類はぎりぎりのラインです、いいかということは多分誰も思っていないと思いますので、Ⅰ類でいくように皆さんが議論していっているのかなと思います。  設計用地震動に関してはⅠ類に対して官庁施設ですので、官庁施設として告示波及びサイト波の両方、もしくは観測波も入れた12波で検討を実施しているので、十分丁寧にやられていると思います。ここから外すものがあるとしたら、応答が大きい側ではなく、なるべく小さい側を外して仕様をまとめる等のことは実施設計ではあるんではないかと思います。構造体の耐震設計については構造体についてはもう先ほど言っていますように、層間変形100分の1、塑性率は4以下にしたいですが、この今の建物では超えております。  ここは途中で言いませんでしたが、地震等に関しても、低層の建物のくいは壊れてもいいんじゃないかという意見がどこかであったということを新聞等で聞きましたが、2回続けて来ると、低層が壊れていると、外力が今度高層は2倍来るんです。そういうことも考えながら進めていく必要がある、残す、残さないの判断もしていく必要があるかなと思います。  最後⑧は、それぞれの不確定要素を極力なくして、予測を明確にしていく必要があって、防災拠点としての資料としては比較的丁寧に検討された建物の仕様だと感じております。 ○澤田昌作 委員長  ありがとうございました。  以上で、参考人からの意見の開陳は終わりました。  それでは、参考人に対する質疑をお願いいたします。  なお、念のために申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言をし、委員に対する質疑はできないこととなっておりますので、御了承をお願いいたします。  それでは、お願いいたします。 ◆高本一臣 委員  高橋先生におかれましては、お忙しい中、熊本の方に足を運んでいただいてありがとうございました。  まず、何点かお伺いさせていただきますけれども、この報告書を読まれての先生の見解聴取、昨年1度8月24日、1時間の時間で先生が報告書に対して質問されて、見解聴取をされております。その中におきまして、他の3人の先生の、合わせて4人の先生の見解聴取をもとに、この資料が執行部の方が建てかえの必要性について、これは先生ごらんになられていらっしゃいますか。 ◎高橋治 参考人  見たと思います。 ◆高本一臣 委員  この執行部の庁舎の建てかえの必要性は、先生たちの見解、先生を含めた学識経験者の先生たちの、おおむねこの調査結果に対する耐震性能不足というのは妥当であるという見解を根拠として、この建てかえの必要性という資料が配付をされております。このことはとても私はこれからのこの庁舎のあり方に対しては物すごく重要な、先生たちのおおむね妥当であるということが非常に大きいことだと私は思っておりますけれども、その点について先生どういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。 ◎高橋治 参考人  妥当であるという日本語はありますが、資料見せていただいて、ほかの先生方の意見もあったかもしれませんが、私もいろいろな建物を審査する側で見ている場合も多いです。地震は本当にあした来るかきょう来るか、今来るかわからないし、もしかしたら100年来ないかもしれない。そこは難しいところですが、地震が極めてまれに起こると、さっき言ったレベルで国交省が言っている発生するという形でいった場合には、Ⅰ類として存続、継続、地震後に作業、活動ができるようにするために、今のままではいけない。今のままではいけないというのは妥当という意見の一つです。それ以外の建てかえかどうかというのは、その構造的な検討だけでなくて、資料に多分載っているんだと思いますが、いろいろなコスト比較をされています。そこから聞いた中で、コスト比較が当然合っていると思うんですけれども、また経済なので、多少変動はあると思います。その中でコスト比較を見て25年後、50年後にはこのまま置いておくと、地震の発生確率等から逆転する可能性というのを聞いて、建てかえが妥当かどうかという意見として言ったと言うのであれば、そういうこと、コスト比較によるものから私が伝えたと思います。 ◆上野美恵子 委員  きょうは本当にお忙しい中ありがとうございます。  今、意見をお聞きいたしまして、確認したい点をお尋ねいたします。  1つは、先生の資料の11ページのところで、先ほど設計用の地震動について安井設計が行った報告書というのは、12波使っているので、大変丁寧に検証がされているということと、それからそのことに含めて告示波とサイト波をどういうふうに扱っていくかというところで、さっきほぼほぼ両方使う場合が多いというふうな表現で御説明なさったかと思うんですけれども、資料の方には、義務づけられているという表現をおとりになっていらっしゃるんですけれども、これは私たちはどんなふうに解釈したらいいんでしょうか。 ◎高橋治 参考人  ちょっとこれは2行一緒に書いている、私理科系なので、文章が弱いのかもしれませんが、官庁施設の中でも告示波、及びサイト波で3波以上、加えて観測波で3波以上が望ましいというか、推奨されています。義務づけられているととれるところは、特定のスペクトラムに偏らないように注意が必要というところだと感じています。 ◆上野美恵子 委員  ということは、説明がほぼほぼだったので、後段の告示波とサイト波の併用が義務ということではないんですね。 ◎高橋治 参考人  併用が義務ということではないですが、ほぼほぼというのは、先ほどもちょっと説明の中で言いましたけれども、100人の人がこの建物で話したときに、告示波を外すという人はいないと感じます。例えば100名ぐらいの評定の先生方、私知っていますが、その先生方と議論している中で告示波は特定のスペクトルに偏らないように注意が必要というところで使いますので、使わないという選択はないと思います。 ◆上野美恵子 委員  財団法人の日本建築センターの時刻歴応答解析建築物性能評価業務方法書というので、もちろん告示波は3波以上作成すること、だけれども、告示波にかえて、サイト波を用いることができるという定めがあるんです。だから確かに強度に、深く安全安全という、それは確かにそれは一番安全の方でやっていくにこしたことはないと思うんですけれども、法律的に言うならば、それは読みかえてできるということは法の定めとしてはそうですよね。学者の方がどういうお考えをとるかということではなくて、法の定めとして読みかえることができるというふうに定まっているということについては間違いないですよね。 ◎高橋治 参考人  難しいところですけれども、ただ、ガイドラインは、法律というよりはガイドラインであって、法律ではない。ガイドラインを経た上で、日本建築センター、もしくは第三者の審査機関で本当の評定がありますから、その場でサイト波だけで出した場合に、それでいいと言われる建物も私が先ほどから言っていますけれども、あると思う。それは地震波がサイト波が大きいところです。静岡等です。評定委員の評定がありますので、そこで出して差し戻しになる可能性がほぼほぼ、僕が熊本の設計者ならあると思います。 ◆上野美恵子 委員  実際出したときにどうこうということではなくて、要するに、日本建築センターの方法書の中では読みかえることができるということについての御認識を伺ったんですけれども、それは確かにいろいろな先生のお考えというのもあるし、日本建築センターの考えもあると思うので、でも、そういうガイドラインとか、指針とか、定めによるならば、それは読みかえることもできるということは確かにそれは事実としてあるというふうに私たちは認識をしていいのかなと思っているんです。 ◎高橋治 参考人  差し戻されたときのことを考えると、今議論していることが全部無駄になるので、そこは非常に難しいところかなと思います。 ◆上野美恵子 委員  伺いましたのは、前回の委員会のときに、先生も所属されておられます日本建築構造技術者協会の名誉会員でもいらっしゃる先生が、この点についてはこういう考え方があるのでということをここでお述べになりましたので、それについてちょっと確認をさせていただいたところです。  それから、さっき先生のおっしゃった資料の14ページ、確かに先生の御説明にあったように、市役所の地下のくいの問題で、くいはたくさんあるし、だけれども、直ちに安全と言えないというふうなお考えでお述べになったかと思うんです。場所打ちコンクリートぐいでも被害の事例がありますと、確かにそれは皆無ではないと思うんですけれども、ここの市役所の場合は先生もおっしゃった2メートル口径のかなり大き目の場所打ちコンクリートぐい、鉄筋も入っているものがほかの建物よりはより多く打ち込まれているということとあわせて、建物の敷地を囲うように厚さが60センチで、深さが19メートルぐらい、約20メートルにわたって、地盤を囲うように入っているんです。そのことによって非常に地盤の揺れを抑えられているというふうなことが言われていたんですけれども、その囲いも含めた、くいだけではなくて、揺れに対する考え方についてお聞かせいただいていいですか。 ◎高橋治 参考人  一応、私もJSCA、日本建築構造技術者協会の正会員ですから、建築構造士も持っていますので、別に自分のものに対して責任持ってしゃべろうと思います。基礎の話しとしては、確かに今の新築のものでは例えば業者名出していいのかわかりませんが、地盤が強いのは大林、竹中が強いですから、大林組や竹中工務店ではそういう外壁の地中連壁も含めた地盤の建物への地震動の影響が少ない設計ができるようなやり方、工法を開発して使っております。ただ、それは日本建築センター等の基礎の大臣認定をとった工法ですので、それを新築で同じものを使うんであれば、私は地震外力が低減するようにできるものとして使えるんじゃないかとは思います。今ちょっと鉄筋とはつながっていないのは図面で確認しているんですが、今回の建物でもしそれを使うとしたら、調査をして、その工法を大臣認定で別にこれを使いますということをしてからの手順が本来あるべきかなと思います。 ◆上野美恵子 委員  現庁舎がそういう構造になっているということについて、どんなふうにお考えなのかを聞いたんですけれども、建てかえる場合じゃなくて。 ◎高橋治 参考人  現庁舎の、連壁にはなっていませんが、新築だと構造で言うと連壁という言葉に近いんですけれども、そういうふうに用いられたのは当時の設計者がよく考えて使ったと思います。ただ、手落ちかなと思うのは、本体とつながっていないので、あくまで仮設のものに今はなっていると思うんです。ですので、今後使っていく中では、別の手順が必要かなと思います。 ◆上野美恵子 委員  もともと、地震力と地盤の変形という2つの点から非常に建物が揺れるということで、地震力による影響の部分は確かにクリアすると思うんです。ですけれども、安井設計の報告書でも、地盤の変形があるので、くいやら基礎が損傷しているというふうな結論になっていたんですけれども、それに対してそこのところ、くいがかなり巨大で底地の面積のかなりの部分を占めることになるし、そこに先生もおっしゃった囲いというのは強度を増すものですので、それが確かに本体とつながっていなくても、地盤の揺れというのがかなり抑えられるというふうな御見解を聞いたんです。だからそこのところ、それはちょっと私たちは確かにくいは損傷するというふうにおっしゃいますけれども、かなりくいが守られている、特に中間層での損傷はほとんどないんじゃないかというお話しだったんです。 ◎高橋治 参考人  いろいろしゃべられてしまうと、どれを答えていいかわからなくなっているところがあるんですが、くいの変形が守られているか、守られていないかと言った場合には、今ある連壁が効果がゼロではないと思います。ゼロではない。ただ、それを定量的構造計算としてまずどういうふうに反映するかが、もしあれでしたら、本当にくいの専門家がいないとできないということだと思います。かつそれプラス何回も伝えていますが、それを使用するには、例えば建築は、普通に使うにはJIS材しか使えない、あとはJAS材の材料しか認められていないです。それ以外の材料を使うには必ず国交省の大臣の認定を得ています。そういう意味で、今回も何も言わずにそれを使うのはとても、気持ち的には可能性はありそうですけれども、計算書もちゃんとまとめていって、法的につくるとなると、まだちょっと手を出せないところのような気がしています。 ◆上野美恵子 委員  今の建物の耐震性についての検証ということで私どもは考えているので、そういう観点でいろいろな識者の方々の御意見というのを聞いているわけでありまして、もう一つはもともとの今の本庁舎の原設計、山下設計というところがやっているんですけれども、その設計事務所が想定した地震力と、今回の検討に使われた地震力の大きさというのについては先生はどんなふうに今見ていらっしゃるんですか。 ◎高橋治 参考人  今の質問は、昭和56年に設計したときの地震波と今の地震動のレベルが違うという質問。 ○澤田昌作 委員長  上野委員、もう一回説明をして。 ◆上野美恵子 委員  要するに、今、私たちが比べているのは、今の建物の耐震性能がどうかということを考えているわけです。それに対して安井設計事務所が委託を受けていろいろな調査検討をやった結果を示していただいているんですけれども、この建物を設計したときも、その点地震が来るということは想定されていたと思うし、この地震力には耐えるということを基礎にして建てられた建物なので、その地震力の考え方と、安井設計が今回検証に使われた地震力、これは同等なのか、それとも今回はもっと大きな地震力で検証されたというふうに捉えて意見を述べていらっしゃるのか。 ◎高橋治 参考人  先ほど聞いた昭和56年のときの建物を設計したときの検討の地震動と今回の検討の地震動のレベルの話しですね。そういった場合には、昭和56年はちょうど新耐震設計、1981年、昭和56年に改定されています。その前は、何でかというと、宮城県沖地震が経緯というか、発端となって改定されたと思います。それまでの地震は逆に言うと、構造設計者はそれより、宮城県沖地震のような大きな地震は来ないというぐらいで考えていたんではないかと僕は先輩たちから聞いていると思います。その後、僕は95年の神戸まで、大きな地震がなかった時代も長かったと思うんです。86年からちょうど10年ぐらいで、景気もよかったので、いろいろ建物を建てていますが、ちょっと長くなるかもしれませんけれども、本当に地球が想定外の地震を日本列島に何度も何度も発生させたので、建築基準法も国交省もどんどん地震波が大きくなっているのは、私はもう一応30年ぐらい構造設計やっていて日々感じております。特に地震波、95年の神戸と2011年の3.11が契機でどんどん大きくなっているのは感じております。だから、同じかと言われたら大きいもので検討をしています。 ◆上野美恵子 委員  前回、委員会のときに、意見述べられた方が、今回の検討されたのに使われた地震力と原設計の地震力は同等だったということを、今、先生がおっしゃったように、以前の設計は建築基準ももうちょっと古いものだったし、それがどんどん厳しくなってきて、地震もたくさん大きなものが起こるようになってきているので、原設計の地震力よりも今回の検討に使われた地震力というのは、大きな地震力で検討したというふうに何かちょっと思われているかもしれないけれども、原設計当時から今回の検討に使われた地震波程度のものを考慮して、もともとの設計は行われていたというふうな御意見を述べられているんです。  その点について、数値的な面での何か検証とかがあって、先生がそういう御意見をおっしゃっているのか、ちょっときょうは言えないんですけれども、前回配られた資料に、そのことについて、御自分の検証、データをもとに御意見述べられたので、私専門家でもないから、ちょっとここで同じように繰り返して言うことはできないんですけれども、いただいた資料にはそこについていろいろなデータ的なものも載せてあって、そしてこの意見を言われたんです。だから、先生がもし同等だというふうにおっしゃるのであれば、同等だという数値的な検証のものをお手元にお持ちなのか。 ◎高橋治 参考人  私は同等とはなから言っていないです。 ◆上野美恵子 委員  同等ではない。違うということについてです。 ◎高橋治 参考人  違うというのが、もうちょっと細かい資料が必要ならば、抜粋したり、私の方で計算して提出してもよろしいですが、11ページにありますように、細かく説明すると周期帯が横軸です、縦軸が速度です、SV、Vはベロシティー、速度です。ですので、建物もエネルギー的に物理的には動きますから、エネルギーは2分の1mv2なんです。高校等でみんな勉強したと思いますが、そういう意味では、地震波のエネルギーとしては速度が大きいところは二乗できいてくるんです。エルセントル、タフト、八戸という上の3波は昔からあります。昭和56年当時の設計でもこれは使われていた。それ以上の、この青とか、黄色、いろいろな色のものがみんな大きくなっています。それは見てわかると思いますが、建物の周期帯と、健全だと計算されている周期帯の水色ゾーンはエネルギー的にはもうここでも既に大きい地震波です。  それで、建物はだんだん言い方悪いですけれども、地震が起こると壊れます。継続時間60秒、みんな避難訓練60秒で計算やります。60秒の最初の地震のころと地震が終わったときでは建物は当然傷んでいます。傷んだときは周期が延びます。だんだん柔らかくなります。ですので、ここからだんだん右側に長くなってきます。そうすると、たまたま熊本市役所本庁舎、水色ゾーンのところからだんだん地震波は傷んでいたときに駆け上がってくるという、言い方はよくないですけれども、上っていくものも多いです。ですので、そういうものも含めてエネルギー的に前回と同じかと言ったら、同じではないものを使用していると思います。 ◆上野美恵子 委員  私は前回の資料を手元にいただいているので、何かお忙しくて申しわけないんですけれども、よく目で見てわかるようなものを示していただけるとありがたいと、これはちょっと思っております。  そこら辺が何か今の検討されたものが本当に耐震性能が不足しているのか、いないのかの、私たちも判断していくとても大事なところになっていくのかなというふうに思いますので、もう少し私たちも検証しなければいけないかな。今聞いていて思ったのは、いろいろな考え方があるのかなというふうに思ったんです。同じ学会の中でなさっている専門家の先生たちでも、こんな考えもあれば、こんな考えもあるということで御意見を述べていただいておりますので、私たちは私たちなりに検証していかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆原口亮志 委員  いろいろ今先生にも質問が出たかと思うんですけれども、要は議会としても非常にせっぱ詰まった状態でして、本当に建てかえなければ今度来た地震でこの本庁舎が倒れるのか。また、それを乗り越えていけるのか。そこら辺の判断を迫られておって、こういう形になっておるんですが、この報告書の中にも例えば、先生も十分熟読されて、研究されたと思うんですけれども、2の63あたりに載っている写真はこれはまさにくいが破損しておりますけれども、PHCくいということですが、これは熊本の本庁舎のくいとは全く違いますし、また、右の土の中に入っているくいがかくんかくんと曲がって折れている。これはあくまでもイメージ像だろうと思うんですけれども、誰も検証したことがないわけです。この誰も検証していない、恐らくそうであろうという想定の中で、多額の費用を投下しながら新しい本庁舎を建てかえるべきなのか、建てかえなくてもいいのか。  先ほど、先生が説明されたように、今度、建てかえるというのが前提であるとするならば、全ての告示波も使いながら、あらゆる入力損失も考慮しながら建てていくというのがそれはもう当然のことだろうと思いますが、今回はこの本庁舎がさきの地震で受けたダメージが本当にくいに対してダメージを与えたのか否か、そこら辺が私たちとしても執行部としても判断を迫られておるところだろうと思うんです。  そこで質問ですけれども、一方での専門家の先生は当時の建物としては非常に強固につくられているということで、くいに対する損傷はないものと考えられると、一方では、主要強度部分の損失があるかもしれないから、この次の地震には耐えられないということで、今専門家の先生たちが議論されておるところでございますけれども、調べたらどうだというお話しはなかったんでしょうか。 ◎高橋治 参考人  今もちょっと質問がいっぱいあったので、どこから回答するかですが、ちょっとくいに注目する話も後でつけます。
     今回建てかえの場合には、くいだけではないですから、骨組みの損傷とか、いろいろな変形の検討も踏まえた上での建てかえの可能性はコストの比較です。それは私が見た感じでの資料でしかないですが、構造的な検討としては、全体、柱、はり、この上の方も含めての検討での損傷度が話題になっているのだと思います。くいだけがひとり歩きしそうなところもありますが、今の建物の検証としてくいがもっているか、もっていないかの調査をどうするかという話です。今まで、私が建てかえで既存ぐいを使った建物、民間の建物ですけれども、あくまで民間です。ですけれども、それも建物を解体した後の調査をもってしてなおかつ大手のデベロッパーでしたが、そちらの方々構造のプロもいますので、よく議論した上で使うということでの検討でした。ですので、調査がくいは難しいです。本当にどうやってやるかです。どうするかで、建てかえの金額もおおむねホームページで見ていますが、くいの調査がこれの何%かというと、相当のパーセンテージを占めると思います。新たなくいの調査は、今設計事務所が検討している設計量では済まないレベルと、僕は自分でやっているプロというか経験値から思います。  ですので、ちょっと僕先ほど言いましたけれども、実施設計の中で議論の可能性はまだ残ってはいると思います。解体後。解体なしという話もあるから、もし解体できて、くいの調査ができたら、でもそれも官庁施設だから本当に全員が総意で昔のものを使えますと決めないとできないと思います。 ◆原口亮志 委員  すみません。私の質問の仕方が悪かったんです。  新しく建てるために、既存のくいを使うということではなくて、くいも先生の出す現場打ち込みコンクリートの例も挙げて、これもほかのところの、兵庫県、こんなふうに壊れていますということで、例を挙げて出されているんですけれども、実はこのくいを使って本庁舎を建てましょうと言っているんではなくて、このくい、今あるくいが損傷を受けているから結局は次の地震に耐えることができませんという話だから、部分的にでも調査をして、本当にこうなっているのかという調査ができないかというお話で、さきの先生のほうから、できるというお話も聞きましたんですけれども、まずは本当にそうやって熊本市役所のくいがこれだけダメージを受けているか、受けていないのかを調べてから、判断するというのは非常に正しい方法だと思いますけれども、それができるかできないかという相談なんです。それを使うか使わないかの話しではありません。 ◎高橋治 参考人  回答したと思ったんですが、どれだけのコストがあるかをはじいてみればわかりますけれども、もう数字言えないですが、くいの調査は本当に設計委託料のレベルではないと思います。 ◆原口亮志 委員  それはどのような調査をするかによって、その金額というのははじかれるわけで、前回の先生からは全然費用もかからない。そんなにかからないというお話しだったもので、これはどちらを私たちは信用していいかわからないということで、ですからその調査のレベルの話しだと思います。全く今回調査というのはやっていないわけですから、部分的にでもちょっとやってみて見てみるということはどうなのかという質問なんです。 ◎高橋治 参考人  部分的にやるなりという、大丈夫ですと言って、部分的にではどれぐらいの確立で抜き取るかもあると思います。でも抜き取ったら100%ではないですから、そこをどう考えるかです。安いですというけれども、絶対に安くないと思います。見積もりぐらいならみんなやってくれると思いますので、そこは見積もりされてもいいと思います。その調査内容がそのまま本当に熊本市のヘッドオフィスとして、使える資料かどうかのレベルの調査をしっかりやるべきと思います。 ◆藤永弘 委員  私の認識が大きく違っておったらあれなんですけれども、今回の熊本地震では、くいの損傷は見受けられないという認識だったと思うんですけれども、どうなんですか。 ◎高橋治 参考人  今回の地震では被害があったかないかは、あけてみたらあったりすると何とも言えませんが、今回の地震に関してはここの地域の地震は益城町などに比べたらそんなに大きくないです。ですから、顕著な建物が傾くような損傷はなかったんだと思います。 ◆藤永弘 委員  それで、損傷がなかったとしても、12波の告示波で調べたら危険があると。損傷がなかったとしても損傷があるんだという認識なんですけれども、その辺どうでしょうか。 ◎高橋治 参考人  おっしゃるとおりと思います。 ◆落水清弘 委員  高橋先生、きょうはありがとうございます。  結局、私たちは素人なものだから、先生の細かい学術的な話を理解できる部分は限定されますものですから、素朴な今藤永委員がお話しになったみたいに、損傷を受けていない、ガラスが1枚とタイルは全く外装材は剥げていないというのが物すごく私ども一市民の代表者としては、これを建てかえると言われると、じゃぶじゃぶお金が余っているバブルの時代ならば、どうぞどうぞ、より強固なものを建てたらいいですというふうに賛成できるんですけれども、結局国税、市税入れて、ある意味では高橋先生の納められた一部の税金も国税へ回って熊本市役所を建てるのに回ってくるわけです。それどころか、高橋先生の子供さんの税金までそれに回ってくるような状態の財政状況の中で建てかえるという議論が出てきたものですから、私たちはとても不安になったわけです。そこが理由なんです。  要するに、建てかえがいいか悪いかというのは、それはもう今実際の調査をやったらどうかという話も出ておりますように、やはりそういうことも今後は検討しなければいけない立場に我々があるということ、そのことに関して先生が幾らお金がかかるというお話をされても、我々はそういう義務が生じていますものですから、それはもうやむを得ないんです。我々のこれは義務であって、立場が違いますので、先生はそれに1億円かかる、2億円かかる、3億円かかる、10億円かかるとおっしゃっても、400億円よりもいいだろうというふうな考え方に当然なっていくんで、そこのところはどうか御理解いただきたいわけです。  それで、どうしても気になってくるのは、タイルは1枚も剥げなかった。基礎ぐいの損傷も多分ないだろう。ガラスも割れなかった。実は、私大学、建築学科卒業なもので、今でも幸いにも恩師が生きておりますものですから、この間ゆっくり話を聞きに行きましたら、まず、現場だと言うんです。現場がどうなっているのかをきちんと精査しないと、しょせん耐震調査をやると言っても、どこの設計事務所がやってもそこに差は出るんだと。だから、この設計事務所さんのが100%正しいというわけでは絶対ないわけだから、現場をみんなで確認した上で事を進めないといけない時期ではないかという話を助言いただいたわけです。  そういう中で、上の方の高層階の方の壁をはいで、はりと柱の接合部分のところの溶接あたりも見たらどうかとか、今のくいのコア抜きの話しも出たんです。だから、そういうことをやる必要性に私たちは迫られていますものですから、そういうことをすることに関して先生は別に御異存はないでしょう。ただ心配なのは、お金がかかるということをおっしゃっているだけであって、することに関しては私たちの立場もわかっていただけますね。その辺の御答弁をお願いします。 ◎高橋治 参考人  ちょっと議論がずれている可能性もあるんですが、今回の2回の地震に対してこの建物が被害があるかないかという議論ですか。  私が今この資料で確認すべきことは、今後の起こる地震でどういう被害があるかだとも思うんです。この今の建物が被害があるかどうかは、何回か僕は言っていますけれども、益城町の地震がここであったわけではないので、そんなに大きい地震ではないと思うんです。だからそれで被害があるかないかという話を今されても、難しいと思います。今、彼らの計算書も被害があった建物をもう一回構造解析したわけではないです。もし被害があったりしたことが確認されたら、もっと被害がある資料が出てくる可能性はあると思うんです。  ですので、被害があったかどうか調査しましょうというのはちょっと議論が違うと私は思いますが、どうですか。 ◆落水清弘 委員  先生の言われる意味は理解します。  ただ、私どもの、先ほどから申し上げましたとおり、立場として市民の多くの方々の了承をとらないといけないような大きな事業なんです。そういう中での説得力として、被害がほとんどなかったと、そして学識経験者の先生方も、これはいいという方とこれはだめだという方が出てこられてお話をされるとなると、私たちの選択肢というものは、これを何としても市民に納得できるように説明責任が生じるわけです。  そういう意味で、この間の地震が私は6だったのか、5弱だったのか、正確な数値は知りませんけれども、ここで起きた地震に対してどれほどの損傷を受けたのかということは当然知っておくべき、市民に知らせるべき情報として必要性があるというふうなことを申し上げているわけです。  そのことが言えないと、結局その先の建てかえるに関して、どれだけ先生方は数値を出しても、おいでになる先生方がみんな建てかえんといかんですと言われるならば、私たちは議論の必要性がなくなってくる。先生方の御意見をそのまま受け取ればいいわけなんですけれども、ところが、A先生は大丈夫ですと、B先生は、耐震はもう補強せんとだめです、建てかえんとだめですという話になってくると、我々としての選択肢というものが、私は先生を信じないわけではないです。すばらしい先生だと思います。お話を聞いていて能力の高い先生だなとは思いますけれども、我々の選択肢としての話を今やっているわけなんです。なもので、今、そういう中での調査をやって、現実を市民に知らせるべきというふうなことは我々の義務だと思うんです。  ですから、そこのところに関して了承してくれという話をしているわけではなくて、あくまでも先生のそれに対しての御意見は、どう思われるかということを聞いているだけです。特段意見はないなら意見はないで結構です。 ◎高橋治 参考人  話が繰り返されているようですが、熊本の地震があって、ここの建物が健全かどうかと、本当にあした起こるか、いつ起こるかは地球しかわからないけれども、国交省が言っている大きなレベルの地震が起きたときの被害と、話は別だと思います。  地震が例えばあした起きたりして、国交省が今の資料を見ても、何か今までの昭和56年ごろの調査を見ても、かなり継続的に活動できない庁舎は多々見られている。これは僕の今までの経験ですけれども、多々見られていると思います。そんな中で、市民に説明、すごくわかります、お金の話は本当に僕なんかよりも皆さんの方がよく考えていると思います。それが当然です。そのときに、市民に説明で、では壊れてしまってこなかった、例えばサイト波だけやっておけばいい。大丈夫だ、来なかったといったときに、説明できないと思います。僕は誰もできない。その人が責任取ってくれるなら、その人にお願いすればいいんではないかと僕は思います。  私が構造設計やっている中で、ここの設計事務所の方も当然もうさっき出たJSCAなんかだと、会長やっている人ですから、その人たちも学識経験者に近いレベルだと思いますが、その人たちの報告を聞いている中では、多数決取りましょうかという話だったら、少数派の意見をどれだけ立てるかということにもなるのではないかと私は思います。 ◆原口亮志 委員  ちょっと議論がずれていると思います。そういう話ではなくて、今、あらゆる状況証拠から考えて、先ほど落水委員の方からありましたけれども、本体に対する傾きも、被害もないということであるとするならば、その2つの地震を乗り越えて、さらにその次にはまるで耐えられないというような考え方をするのは、少し困難ではないかというような、状況証拠の中では考えられるんですけれども、そこの点については先生、いかがでしょうか。 ◎高橋治 参考人  それが熊本市に住まれて、建物を愛しているからの気もしますが、私の経験でいくと、兵庫県南部地震で耐えたあるゴムメーカーがあります。同じつくりのビル物と工場を兵庫県のあの地震のときに耐えた建物のところが、東北の地震のときには仙台の工場が地震で壊れて閉鎖になっています。ですので、どんな地震が来るかは国交省が言っているレベルが本当に最低レベルで、今、提起されているものと思います。  もう一回、話し、繰り返していて悪いんですが、今回の議論はいろいろな国交省が認めるレベルの検討で、あした、あさってのこの建物は継続できるかの話ですよね。熊本地震、震度7、2回をここで震度5強ぐらいだと思いますが、耐えられたかどうかの話ではないですね。そこがちょっとずれているのは、私がずれているんでしょうか。 ○澤田昌作 委員長  先ほどからちょっと行き違いというか、ちょっとありますけれども、この庁舎が使えるか使えないかということを調査できるんではないかということだったんですけれども、先生は1本、2本コア抜きだったり、調査をしたので使えるということは自分の方からは言えないというような状況、解体してみてそのくいが大丈夫かという上でやれるということで、そのコストやいろいろなことを考えたら建てかえというのも妥当ではないかという御意見なんでしょうか。 ◎高橋治 参考人  あるかもしれませんというか、ほとんどないと思うんですけれども、もう全て図面のとおりに計算した上で、応答値がもう国交省レベルの地震が来たら、被害があるということだと思います。ですので、その地震が来ないという議論を逆にしてほしいぐらいであって、それが来ないときにさっき言った何百億円、わかります、すごく大変なお金だと思います。ただ、それが来てしまって、それに市民説明が難しいし、後の人のためとか、さっきお孫さんの代とかの話も出ましたけれども、そういう人のためを思ったら、別にちゃんと議論した上でも、あした大きい地震が来るか来ないかは本当に地球しか知りませんけれども、来たときには、可能性があるんだから、そこからコストはまた別に議論していただく。後のためのことを考えたら、早目に直っている方が私はいいと思います。それはもう昭和56年の技術と今の技術、全然違いますから、それは入れられるものなら、使って市民を守るためのものなら私はそれは応援かなりできるかなと思います。応援したいと思います。 ◆原口亮志 委員  いろいろこの話をしても、あした来るか来ないの話をしておってもどうにもなりませんので、そういうことよりも、この報告書の中には、先ほどのイメージの写真とか像も含めてですけれども、4-1には、もう既存不適格ということで、はっきりうたわれておりますけれども、本当に熊本市のこの庁舎は既存不適格というふうに考えてよろしいんでしょうか。簡単にお願いします。 ◎高橋治 参考人  現行法規の告示波等の応答値では、既存不適格、ただこれは最後は第三者機関が見るものだと思いますので、今内部では設計事務所が検討した上ではそのような結果だと思います。 ◆原口亮志 委員  高橋先生もそうなんですけれども、3人の先生たちの見解も、おおむねというような表現で、今回の総括の部分で、調査は丁寧な検討過程で実によくやっており、妥当なものと考えると。妥当なものと考えるということは、こういった内容も全て含めて妥当性があるということなんでしょうけれども、計算式や数値はもう当然、うそいつわりはないところなんですけれども、こういったイメージ画像であったり、既存不適格ということは、もう違法建築物というふうに理解してよいのかと、そういう質問です。 ◎高橋治 参考人  まず既存不適格が違法建築物かというと、当時の法律には従っていますので、既存不適格ではなくて、私が書いたわけではないから、それは設計事務所が書いたのがよろしくないかもしれないのは、既存不適格相当、おおむねというような言い方かもしれませんが、既存不適格相当という表現の方が正しい気はします。それを最後、審査するのは本当に、私は今学識経験者の一人で来ていますが、本当にそういうさっき出た日本建築センターだとか、日本ERIだとか、そういうところの審査機関で見てもらった上で、どのレベルかは見ると思うんです。今、そのためのベースの資料での議論だと思います。 ◆原口亮志 委員  これも、この報告書、立派な報告書、7,000万円ぐらいかかってでき上がった報告書ですので、決して軽んずることはできないと思いますが、ちょっと違和感があるところも幾つもありまして、専門家の先生たちが見て、これは本当にそうなのかということを聞いておかんと、私たち素人が見て、おかしいなというのが幾つかあって、先ほど申しました2点についてもイメージ画像を載せたり、見てもいないことを出して、それがどういうことにつながったかというと、市の報告書、説明資料につながってしまったんです。市の説明書にも、そのような形で載っています。ちょっと感想を聞かせていただきたいんですけれども、行政棟と議会棟ともに現行の建築基準法において、防災拠点施設はもとより、一般施設としても基準を満たさないと、こういう説明がなされるようになったわけです。ですから、先生方の本当に慎重審議の中で出た答えが、行政側にはこういう響きとして入ってくるということについて、専門家としてのコメント、御意見をいただきたいと思います。 ◎高橋治 参考人  今いろいろ文章があったようですが、細かい文章を読まないと、いろいろなことがあったんで言いづらいところがありますが、現行の建築基準法において防災拠点としては継続できない結果は出ています。  一般施設としてというのは何類相当かだと思いますが、そのⅢ類相当の検討は過去は行っているのかもしれませんが、今回の資料ではないのではないかと思います。 ◆原口亮志 委員  一般施設としては問題はないわけでしょう。一般施設としても問題があるんですか。 ◎高橋治 参考人  一般施設をどこに持っていくかで、最初からⅠ類だと言っています。Ⅲ類だと誰かが言っているのならそれはそれでまた別の検討だと思います。ただ、やったところの結果がどうかは私はまだ資料を見ていないからわからないです。ただ、Ⅰ類であって、継続したいと考えているのなら、基準を満たしていないというところです。 ◆上野美恵子 委員  今の一般とⅠ類の施設ということで、ただ、私たちは執行部の方からこういう資料をもらって、Ⅰ類の施設、あるいは一般的な施設も含めてというふうに書かれるものだから、こうなるとかなり拠点ではなくても、普通の施設として使う場合でも、もう何か不適格だというふうな印象を受けてしまうんですけれども、例えば今、先生は詳しいところあれでしょうけれども、例えばここの本庁舎の機能をどうするかについての議論も私たちが議会でしているわけではまだないんです。  今、例えば消防署のところに別の拠点、一部増強してつくっていたりとか、これからのここの本庁舎が防災拠点としてどういう任務を担っていくかということは、私たちもこれからの課題なわけですから、要するに、今の施設を倒壊の危険がないような状態なのか、それとも一定の地震が来ればかなりのダメージを受けていくのかということを検証しているということなので、そこに一般施設にしても、だめですというふうに書かれてしまうと、一般の市民が見られたときに、もうこれは大変だというふうに思って、ちょっとイメージ的に何か間違って捉えてしまうんではないかという心配もあるので、そういう書き方については、どうなのかという疑問があるんです。 ◆落水清弘 委員  先生ずばりお伺いいたします。Ⅲ類であれば、本庁舎、議会棟、何もしなくていいんですか。 ◎高橋治 参考人  ずばり答えると、そういう検討はされていないからわからないです。わからないけれども、予測でしゃべると先ほど出た告示波等は地域計数、熊本の0.9掛けています。そういうところからいくと、Ⅲ類相当も継続できるかどうかは不明で、Ⅲ類というのは、何かという話で、人命の安全を確保するかです。人命の安全を確保だけでいけば、もう次の月は使わないですよ。ちょっと僕の言い方が悪いですね。一般建物というのは、Ⅲ類より下かもしれない。Ⅲ類、すみません、ちゃんとよく見ると、大地震により構造体の部分的な損傷が生じるが建築物の耐力は著しく低下しないこと、骨組みの壊れ方は4を超えていますから、著しく損傷しているところには今はいっています。だから、今の結果はⅢ類としても守られてはいない。私の見解が悪かったです。一般建物の人命安全確保だけだったら、可能性はなくはないかと思います。 ◆落水清弘 委員  もう1点ずばり。  違法建物ですか、違いますか。 ◎高橋治 参考人  違法というのは難しいんですけれども、過去のものはもう既に過去のその時点でよければ違法ではないんです。だから、既存不適格のところは別ですけれども、そこは違法ではないと思います。 ◆西岡誠也 委員  この建物が昭和56年にできて、当時は建築基準法を満たしてつくられて、今度地震があって、地震でもどうにか建物自体は大丈夫だったと。ただこれから先どうなのかということで、告示波を想定すれば耐えられないというのが結論、それを補強できないかということでいろいろ検討したけれども補強は難しいというのが報告書、それは間違いないというのが先生の主張なわけです。  前回は、その辺の告示波についての見解の違いだろうと思うんです。だからそれはここでやり取りしても何か変わらんような気がして、告示波をどう見るかということだろうというふうに思いますけれども、それで間違いないんでしょうか。 ◎高橋治 参考人  告示波を外してサイト波だけという意見が新聞等に載っていましたが、それはちょっと乱暴ではないかとは思います。 ◆西岡誠也 委員  乱暴ということはもう少しちょっと詳しくお話をいただけますか。 ◎高橋治 参考人  この前来られた方、私会ったわけでもないし、話したこともないし、過去の研究とかは論文等で少し見ましたが、そこだけで話はできないですけれども、先ほど、僕が何回か繰り返している中で、100人中何人いるかとかちょっと言ってしまったと思いますが、100人中その先生1人が入っていたとすると、99人は告示波外さないのではないかと感じます。 ◆上野美恵子 委員  長くなっているので、申しわけないんですけれども、1点だけ確認させてください。  報告書の2の64ページと2の65ページ、要するに、くいがたくさん損傷するから、大規模なくいの補修とかもしなければいけないし、それが物理的にも、またいろいろなお金の面でも大変になってくるということもあるんですけれども、2の64ページに書いてあるのを、私なりにちょっと読んでいるのは、地震力の場合は大丈夫だけれども、さっきも言いました、地盤の変形があるので、地盤そのものが揺れていくから、揺れていくし、くいの部分にもかなり影響してくるので、この65ページということになっているんではないかというふうにこの2ページを私は見ているんですけれども、ただ、この地盤の変形をどう見るかについては、日本建築センターが建築主の方で協議をして、これを考慮するかしないかは判断してくださいというコメントを出されているんです。  熊本市がどうしたかというと、地盤の強制変形も踏まえて、くいも損傷するという結論をここの65ページの方に出されているんです。それは、私説明、事前に聞いたんですけれども、要するに地盤の強制変形がこんなふうに起こらないんではないかという考えがあるので、先生は地盤はこんなふうにぶれて変形するのでというふうに考えられているんですか。 ◎高橋治 参考人  地盤の変形はこんなふうに、この絵は絶対にオーバーに書いてあると思います。それはそうだと思います。何十メーター、その中での本当に1センチ、2センチ、3センチぐらい動いたら、今までの経験からいくと、当然ひびが入ると思いますから、それはオーバーだと思いますが、これは圧倒的にすごい動いていますから、質問は何でしたか。 ◆上野美恵子 委員  このページのつくり方がこの地盤の強制変形も考慮するから、右の図のようにたくさんのくいが損傷していくのだというふうな関連になっているんです。  でも、要するに、前回、今回といろいろな方のお話を聞いていると、実際くいの損傷は誰も見ていないし、調査も行われていないし、わからないわけです。計算上こうなっていると思うんですけれども、その場合、計算の根拠が何かというと、この2ページでは地盤がこんなふうに揺れているから、くいがこんなふうにたくさん損傷するんですという理由づけになっていると思うんです。  私たちわからないんです、そうとしか思えないから私はそう読んでいるんですけれども、そうなると、さっき要するに地盤の変形がどうかということによって、右のページの65ページのように、くいがどの程度損傷していくのかというふうに何かなってしまっているので、ここの関連が全然わからないんです。そして、この結果として出されたくいがこれだけたくさん損傷しているんだから、もうこれは危ないからだめだということになって、建てかえを考えていかないと難しいと、くいの補強というのはかなり困難になっていきますと。  ただ、この地盤の変形は、さっき私が言ったように、くいの大きさ、つくり方、そして面積、打ち方、そしてまた囲いのつくり方を考えると、熊本市役所の地下の地盤というのは揺れを一定抑えるような仕様に、さっき先生が、建てかえる場合は、今の設計で言うなら、そういう囲いの部分を上とつなげてつくっていくというふうな構造を、取り入れたりしているというふうに言われましたけれども、そういう構造が既にされているから、地震力に対して実際強いというか、そうなると、こういうふうなくいの損傷になるという、ここの関連づけが私たちではわからないんです。 ◎高橋治 参考人  また話が繰り返していくかもしれませんが、熊本地震で壊れたか壊れていないかは別の話、告示波相当の大きい地震が来たときに、壊れるか壊れないかです。そのときに、今見たからと言って、壊れている、壊れていないは別の話しと思います。それで、なおかつここで日本建築センターにわざわざ質問しているのは、聞いていませんが、そういう議論が出るだろうということももしかしたら背景にあったのではないかと思います。それで、日本建築センターは当然国交省の外郭に近いところですから、そこの意見として当然皆さんで話し合ってくださいということですから、私が設計者であったら、話し合えと言われたときには考慮します。これを無視して壊れたら、さっきのサイト波だけでやるのと同じで、責任がどこにあるのかとれないと思います。ですので、地盤の変形を考慮すると思います。  なおかつ、最初に言った一つに入っている外周の壁は悪くはないと思うんです。昔よく考えてつくったと思うんです。ただ、それが実際に構造躯体として使えるか使えないか、考慮していいかいけないかは、また別の話しだと思います。大臣認定とっていない工法ですから、今の時点では考慮はできないと思います。ですので、考慮しない結果に今なっているんだと思います。 ○澤田昌作 委員長  ほかには、いいですか。         〔発言する者なし〕 ○澤田昌作 委員長  ほかに参考人に対する質疑はございませんか。  ほかに質疑もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  本日は大変お忙しい中に本委員会に御出席をいただき、貴重な御意見を述べていただき、心より感謝を申し上げる次第でございます。  本委員会といたしましては、本日いただいた御意見を今後の調査に十分に生かしてまいりたいと考えております。  本日は大変ありがとうございました。  どうぞ、御退席をお願いいたします。         〔参考人 退席〕 ○澤田昌作 委員長  以上で、参考人からの意見聴取を終了いたします。  次に、執行部に対する質疑に移りますが、これに先立ちまして、市民説明会の開催状況に関する報告を求めます。 ◎高本修三 政策企画課長  お配りしております市民説明会及び動画視聴の結果報告の資料をごらんいただきたいと思います。  市民説明会につきましては、ことしの6月から8月にかけて実施いたしております。まちづくりセンター17カ所ほかの場所で開催しております。あわせてホームページ上でも説明に使う動画を上げているところでございます。内容につきましては、これまで議会の方にも御説明してきました調査結果に至る経緯でありますとか、調査の結果、耐震性能が不足しているでありますとか、これまでにこちらのほうから説明した内容を説明してまいったところでございます。  1の説明会の開催実績でございますが、まちづくりセンター単位での説明会としまして17カ所で実施して260名の参加を得ました。そのほか、地域で行われる会議として、例えば校区自治協議会の会議の中にお邪魔させていただいたりしながら10カ所で実施し、328名御参加いただいたところでございます。合計で27カ所、588名の参加をいただきました。  また、ホームページに掲載しております説明動画の視聴回数につきましては、再生回数、21日の時点で733回ということとなっております。また、説明会とホームページ上の中でもアンケート調査を行っておりまして、回答数につきましては900件、その結果につきましては、ここに質問項目書いてございますけれども、内容がわかりやすかったかとか、説明が理解できたかとかというようなことをお尋ねして、大体8割以上の方がおおむね理解できたと、わかりやすかったとか、そういった回答をいただいているところでございます。  また、あわせて、その上の段に説明会で寄せられた主な意見の方を掲載しております。 ○澤田昌作 委員長  執行部からの報告は終わりました。  それでは、執行部に対する質疑をお願いいたします。 ◆上野美恵子 委員  今説明していただいた説明会の報告の件なんですけれども、まだ意見等については取りまとめた簡単なものですので、ちょっとこれについていろいろ私どもが見てどんなふうに評価をするかというのは、ちょっときょうは言えないんですけれども、動画の視聴再生回数、これはあくまでも回数ですね。何人の人が見たというふうではないですよね。10回見た人もいるかもしれないし、3回見た人もいるかもしれないし、1回の人もいるというか、そういうことで、延べ人数はわからないんですね。 ◎高本修三 政策企画課長  おっしゃるとおり、再生の回数ということになります。 ◆上野美恵子 委員  では733回よりも見た人の人数は少ないということですね。わかりました。  私は、前回、今回と参考人の方のお話を聞いて、先ほども言いましたように、専門家の方であっても、御自分のいろいろな研究のやり方とか、なさっていらっしゃることいろいろによって、一つの物事であっても、意見というのはいろいろあるのかなというのを感じたんです。私が何かしつこく聞いた地盤の揺れとかはないと前の方はおっしゃった。きょうの人はあると言われた。くいは損傷していないという人もいれば、いや、壊れる可能性もあるとか、告示波の扱いについても何人が何人、皆同じじゃないというふうなことがわかったんです。  この説明会について、ちょっと言うならば、今議会で前回、今回と本格的にいろいろな方のお話も聞いて議論をしていく中で、私たちも本当に本庁舎の耐震不足そのものについても確固として絶対に不足をしているという、私は確証はありません。今お2人聞いたんですけれども、お1人の方はいや、そんな意見は100分の1でしょうと言われても、片方の方にすれば、いや、どっちが多いかというのはわからないというふうに多分言われると思うので、すごく今の時点で言うなら、本庁舎の耐震性能が大丈夫なのか、あるいは不足をしているのかということについては、専門家も含めておっしゃっていることが違うわけだから、私は意見の分かれているときではないかと思うんです。  もちろん、私たちも専門ではないけれども、意見を聞く限りで確かにいろいろな意見があるんだなというふうに、まだまだその必要性についても確固としたものはありません。ですけれども、それは多分今ここにいらっしゃる執行部の方も前回、今回と一緒に参加をしていれば、いろいろな見解があるのだというふうに思わざるを得ない面があると思うんです。  ですけれども、実際上は74万市民の人を対象に、参加者自体は何百人であったかもしれないけれども、耐震が不足しているということを前提にして、それだけを前提にして説明をするということについては、それでよかったのかと思うんです。だから、私は建てかえたらだめだとか、建てかえなければいけないとか、それは今では決まっていないし、私たちもまだ確信になっていないので、私もどちらということは言えません。ですけれども、だったら専門家の意見はこちらもあるし、こちらもありますと、市役所としてはこんなふうに考えていますとか、議会としてはまだまだ今議論の真っ最中ですというふうに、全体像がわかるような市民の皆さんに対する提示というか、説明というのも私は大事ではないかというふうに思うんです。何か、ここにパーセントが何割がわかった、わからないとか書いてあるけれども、これはあくまでも耐震性能がもう不足をしているというこれだけを前提にして、補強もできないですよ、例えば災害の拠点としてはこうですということについてわかりましたと幾ら言われても、何かすごく私は違和感を持っています。  ですから、もう説明会自体は、これ自体は終わっているんですけれども、そんなやり方をしてしまったことについては何かちょっと拙速ではなかったかと思うし、本当ならば今のこのいろいろな意見があります。今、検証もやっていますという、そのことを市民の皆さんにしっかりお伝えしなければ、何か市民の皆さんも建てかえしかないですよばかり言われてわかりましたというのでは、ちょっと何となくあれではないかと思うんですけれども、これはちょっと何か私はすごくこの説明会自体がちょっと急ぎ過ぎたんではないかと思うんです。意見ですし、納得いかないところです。  何か、お考えがあれば、教えてください。 ◎古庄修治 政策局長  この市民説明会をさせていただくのには、今回、見解の相違というよりも、考え方のいろいろなお2方の御意見ありましたけれども、基本的には調査結果、そして我々も議会からの御意見をいただいた上で、高橋先生を初め熊本におられる3名の方で確認して、現行法の耐震性能の基準を満たしていないという結果についてはそこで確認できたんで、熊本市としてはそのことを踏まえて、それと、耐震性能を満たしていないということであれば、当然それに対応するために耐震改修か、もしくは建てかえるというこの2つの方法しかないんで、その上で耐震改修の実現困難性というところを含めて、建てかえざるを得ないという判断に至ったその熊本市の考え方について、住民の皆さんに御説明を申し上げたということでございます。  そこで御理解いただきたいと思っています。 ◆上野美恵子 委員  今、古庄局長がおっしゃった耐震性能を満たしていないので、そのことについての市の立場を説明したと言われましたけれども、今、前回、今回、議論しているその議論はそのことそのものです。調査の上では一旦、一設計事務所の調査報告ではそういう結果も出ているけれども、それに対して専門家の御意見も一旦は聞いたけれども、本当にそれで十分か、そんなふうに断定していいのかということに私たち議会もまだよくわからないので、参考人をお2人、また新たに前回、今回お呼びして御意見を聞いた。そうしたら、実際聞いてみたら、性能は不足していないんじゃないかというふうな側の意見と、いや、いろいろ安全面を考えたら、耐震性能は不足しているのだという側で意見をおっしゃった方、両方です。  私が言っているのは、一つは議会でもこの問題についてこんなふうに突っ込んで議論が前回、公共施設マネジメントの委員会では議論が多少されていたけれども、私も議事録は読んだんですけれども、まだまだ本当にこの性能の専門的なことも含めて、立ち入って詳細な検証というのはまだ前回まではできていなかったと思うんです。今回、この特化した庁舎の特別委員会ができて、初めてこの問題について、本当に掘り下げてちゃんとやっていこう、何百億円もお金のかかる仕事だから、ちゃんと検証せずにやっていけば、将来に禍根を残すというのが私たち議会の立場だし、そのことをきちんとやっていきたいから、こういう会議をやっているわけです。  だから、私は古庄局長がそんなふうにおっしゃっても、御理解くださいとおっしゃっても、専門家でもこんなに意見が分かれている。私たちも議会として本当に性能が不足しているのか、改修ができないのか、何とかというここのところの詰めた話ができないままに、確かに執行部はそう思っているかもしれないけれども、でも最終的に方向性にしても、あるいは予算面でのことにしても、議会も理解納得もしなければ進まないことだから、議会が今一生懸命議論しているのに、それはまだ待たずにさっさと説明会を先にやってしまったというのは、私は拙速だったというふうに言わざるを得ないと思っています。  ですから、今後の議論がいろいろあると思うんですけれども、これをやってしまったものをもとに戻すということはできないので、でもどこかの時点で、こういうふうにいろいろな意見があるということなんかを市民の方々に対してお知らせをしていくというか、言うことが必要ではないかと思うんです。それをしなかったら、何かもう執行部がこう思ったら何でもそれがもうそういうふうになってしまうということになって、私たち議会としても検証する必要ないですよね。そんなやり方というのは私は余りよくないと思うんです。  執行部の考えていることを議会でもよく議論して、深めて検証して、みんなが納得をして、分かれているなら分かれているということをきちんと説明していく。まとまったらまとまったことをきちんと示していく。そして意見を仰いでいくというふうにしていかないと、何かすごくそこが定まっていないのに、執行部の考えはこうだからこれを言いましたというのは、すごく執行部サイドだけの一方的なやり方のように思えてしまうんです。だから、そうではないことをきちんとやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。 ◎古庄修治 政策局長  もちろんこういった議会での御議論については当然そういう形で、こういうオープンの場でも議論していますし、当然そういう議会の議論の内容、あるいは状況についても市民の皆様方にも情報を提供していきたいと思います。その手段はまた検討はさせていただきたいと思います。 ◆上野美恵子 委員  どうぞよろしくお願いいたします。 ◆高本一臣 委員  大分長くなっていますけれども、先ほど、高橋先生はこの今の現状、市庁舎の現状は別の話しとおっしゃっていたんですけれども、私はそうではないと思うんです。現状をしっかり十分な検証をした上で、こうですから、建てかえる必要がありますという話に持っていかないといけないと思うんです。
     実際、あした地震が来るかもしれないとか、くいが壊れている可能性がある、かもしれないとか可能性というのはあくまでも想像での状況であって、実際この庁舎は大きな地震が2度ありましたけれども、ほとんど損傷はなかった。例えば県庁の場合、高さが10メートルぐらい違いますけれども、県庁の場合はくいが打っていないんですけれども、壁とかの改修が始まっています。ということは、考えてみればそういう現実を見てみれば、多数のくいが打ってあって、60センチの壁が深さ19メートル、そういう中によって、私は守られたんじゃないかというふうに思っております。  そういう現状を十分検証して、そして市民の皆さん、あるいはもっともっとこの議会で深い議論をするためには、充分な現状を調査するべきだと思いますけれども、その辺についての御意見をお聞かせください。 ◎古庄修治 政策局長  私ども、先ほど高橋先生の方からお話がありましたように、今回の判断、建てかえざるを得ないという判断に至ったのは、あくまでもこの庁舎は基本的にくいの損傷とか、倒れた、見た目なんですが、大きな影響はなかったという前提で調査をしたところで、その調査結果として、今の現行の建築基準法、先ほど高橋先生が言われましたように、建築基準法というのは最低限度の基準を定めた法律ということなんですが、その現行の法の耐震性能の基準を満たしていないということで、それでは対応しなければならないという判断をしたわけですので、確かにおっしゃったように、熊本地震で耐えられたのは、こういう口径の大きなくいがあった、あるいは60センチのそういったものをつくっていたということも、当然それが影響してちゃんと耐震が、対応したかもしれませんけれども、そうではなくて、現行法上の基準を、先ほどお話がありましたように、既存不適格というこの状況は対応しなければならないと考えています。  ですから、その対応には先ほど言いましたように、耐震改修するのか、もしくは建てかえるのか、この2つの方法で対応しなければならないと。今の現状を、熊本地震を経験した熊本市としてそのままにしてはおけないということが我々の考えでございますので、今後耐震改修する、あるいは建物を建てかえるときには検証は必要だと思いますが、この判断については私は熊本地震に耐えたからということでの判断を変えるということではないと思います。 ◆原口亮志 委員  力強い答弁だったですけれども、ちょっと違うところが幾つかありました。  まず、違法建築物ではないと。現行の告示波をクリアしていないということで、これは国土交通大臣のほうから告示波は入れなくてもよいということになっているんで、それはちょっと違います。それと、既存不適格という話は、先ほど先生も不適格相当ということで不適格ではないと、だから捉え方とか、考え方で大きく判断が違ってきますので、ここで一回前の委員会の中でもあったような考え方、それと今、高橋先生のお話、それともう一つは、もともとこの資料をつくられたほか3名の学識の方にも話を聞きたいと思うんですけれども、これは不可能なんですか。 ◎古庄修治 政策局長  もちろん、議会の方からそういう御意見をいただけば、我々としても一応最初に御意見は聞いていますんで、こういった場で御意見を表明されることが可能かどうかというのは、我々も議会事務局と一緒になってそこはお願いするというのはあれなんですが、そこは先生方がどう判断されるかと思います。御本人がどう判断されるかということで、御協力、こういった場で意見を表明していただきたいというお願いとか、そういうことは執行部としても一緒にさせていただきたいと思います。  既存不適格の話については、確かに相当ということでございましょうが、先ほどの告示波とサイト波の併用は、基本的に国土交通省の特に官庁施設の営繕を実施するための基準書を見ましたけれども、これは併用しなければならないというところでされておりますので、そこは先ほど先生も99人は告示波を併用するのが当然という形で言われていましたように、我々としてもこの調査はそういう面では妥当だろうと思いますし、確かに、違法ではない、既存不適格は違法ではないので、当然それはそうなんですが、それで、既存不適格相当ということがはっきりわかっているというところで、そのままにはできないということです。 ◆原口亮志 委員  何か長たらしかったですけれども、相当ということは既存不適格ではないというふうにもおっしゃったじゃないですか。見解の相違かな。  それと、もう一つ、国土交通大臣の認定が必要となっているのは、告示1461号の添付の中にありますけれども、告示波のかわりにサイト波でよいとあるということでございますので、これも違法ではないと思うんですけれども。 ◎古庄修治 政策局長  先ほど言われたように、法律上、例外規定としてあるというところで違法ではないということではありますけれども、先ほどの先生がおっしゃったように、特に防災拠点となるような官公庁の施設において、やらない選択肢はないとおっしゃったと思いますが、我々としてもそう思っておりますんで、突き詰めると確かに違法ではない。あるいはそういう相当という言葉ではありますものの、そういう相当である以上は、このまま私どもの判断としては何も対応しないという話ではないと思います。 ◆原口亮志 委員  よくわかります。例えば不安があれば、豊かな財政力のあるところはどんどんやっていくし、市民の税金を使っていくわけですので、できるだけ使えるものは長く使ってそして将来市民に負担をかけない。これは行政の基本中の基本ではないですか。それを前提として、そうかもしれないということでどんどん新しくしていくということであれば、これは社会に与える影響も物すごく大きいと思います。もう少し、市民の税金を使ってできるだけ長く使っていこうという考え方も、いろいろな考え方で100分の99が違うとおっしゃるけれども、それは高橋先生のお話であって、この前の先生が世にも奇妙な変人みたいな、たった一人ということであれば、そういうことにもなりますので、もう少し偏った考えではなくて、そういった両方の意見があったということで、中立的なところで再検討していくという考え方も必要ではないかと思いますけれども、問題は財源の話しです。 ◎古庄修治 政策局長  もちろん、最終的には財源のこともきちんと御議論いただいた上で、判断をお願いしたいと思っておりますが、我々としてはやはり先ほど、繰り返しになりますが、こういった市民の生命財産をまずこういう大災害のときにそこを守る核の施設として、そういう問題があるということであれば、対応するというのを前提に考えるというのが我々としては当然だと思っております。その上で、財源の問題、いろいろな問題を含めて、いろいろな私どもの考え方あるいは資料を出させていただいて、御議論いただいて、御判断をいただきたいと思っていますが、私たちとしての判断としては、そのままにしてはおけない、何らか対応せざるを得ないと思っているということでございます。 ◆上野美恵子 委員  お尋ねしますけれども、熊本市の長寿命化の基本方針では、コンクリートの建物というのは何年使うことになっているんですか。 ◎田中陽礼 財政局長  70年でございます。 ◆上野美恵子 委員  本当に私、不思議でしようがないんです。古庄局長は何かさっき庁舎の大災害が起こったときにとか、いろいろなことを言って、とにかくもう今は危ないから建てかえなければいけないというふうにおっしゃるけれども、あくまでもそれは安井設計の委託の報告書を見られて、そして執行部だけが今そういうふうに考えているのであって、例えば議会はまだ今やっているわけです。そして執行部そのものも、長寿命化計画ではコンクリートの建物は基本70年使うということを目指して補強をしたり、検証したり、調査をしたりしてやるというのが基本にあるはずなのに、とにかく建てかえなければいけないというふうに、危ないから建てかえるというふうになっていることが、とても出発点のところで私たちは疑問があるんです。  お金のこともありますけれども、今、要は意見が分かれている問題なんだということを、執行部の皆さんにもきちんと踏まえていただきたいというふうに思います。古庄局長がいろいろ述べられているお考えというのは、きょうの高橋先生のいろいろな御意見の立場で言われています。でも前回同じ専門家の方がおっしゃったことについては、何ら踏まえない立場で今ずっと答弁されたと思うんです。  でも、議会としては両方の意見があるということを今聞いているところなのに、執行部はこちらのことしか聞かないというのは何かすごく変だと思うし、執行部の皆さんにも両方の専門家の意見を踏まえて再検証する。再確認をしながら、物事を考えていくということをしないならば、何のためにここに一緒に座って両方の意見を聞いているのか、全然わからない。  原口委員もおっしゃったように、本当に公共施設の長寿命化の問題というのは、市庁舎も含めて今ある建物は長く使っていくということを基本にしなければ、将来の財政負担なんか考えたときは、本当に何かパンクすると思うんです。  だから、もう何かあれも集約して、これも集約して、床面積減らしてとか言っているけれども、災害というふうにおっしゃるのであれば、今災害のときの本庁舎機能のあり方についてもいろいろな考えがあるんです。だから、この大きな建物に一極集中で全ての機能を置いて、もうここだけは頑強に絶対大丈夫な建物にしておきますという考えもあるかもしれないし、一方では地震というのはきょうの先生もおっしゃったように、想定外だから、何が起こるかわからない。どんな頑強な建物も何があるかわからないのだから、防災拠点は基本いろいろ分散化をして、何があってもいろいろな機能がこちらで補完する、こちらで補完するというふうな、分散型の防災システムということを公の施設に求めるべきではないかという御意見とかもあるんです。  だから、そういうことも含めてそんなふうにおっしゃるなら、その議論もここでしていかないと、一点集中ここだけは頑強にというふうなその考えそのものも、もう少し検証が私は要るのではないかと思っていますので、そういうことを執行部にも踏まえていただきたいと思います。 ◆落水清弘 委員  要するに、執行部が考えている方向に行かないような情報でも、市民に開示しなければならないという話を皆さんされているわけですから、そこはもう当然考えるべきです。そこが一番の問題なんです。要するに、今の話は市民説明会の話しですから、ここに関して、あなた方の都合のいい、くいが折れている写真とか、得体のしれないものを開示するようなことではいけないという話をしているわけです。要するに、あなた方が中立な立場として、あなた方はこうしたい、議会でもこういう話が出ているというふうなことをきちんと説明会でやっていかないと、客観的でないではないですか。そのことをぜひお願いしておきたい。  答弁は要りません。  それと、開会日までに日本建築センター審査機関のようなものが何十社もあります。今、日本建築センターだけではありませんので、その一覧表を作成して届けてください。お願いしておきます。 ○澤田昌作 委員長  ほかにございませんか。 ◆日隈忍 委員  市民感覚として、今地域の皆さんが心配するのが建てかえると300億円、400億円という話がどんどん広がって、非常に心配をしている方も多いんですけれども、ただ、建てかえなくてもこの庁舎の整備には、これで見るとライフサイクルコストというのを見ると、200億円とか150億円とかいう単位の投資というのは当然必要になってくるんですけれども、もう少しその辺のコストのところ、説明会の中でも詳しく出してもらわないと、なかなか市民の人たちにもその辺のところの情報がないままに、いいでしょうか、いいでしょうかというところになるんで、ぜひその辺のところもお願いをしたいと思います。 ○澤田昌作 委員長  ほかにございますか。 ◆上野美恵子 委員  今の日隈委員の御意見なんですけれども、コスト面で言うなら、多分今おっしゃったのは、それこそ前段の第2章のところの現建物の損傷というか、それをもとにしての改修ということになるので、大規模改修もそれをもとにしてのことでしょう。だったら、そこのところに今疑義が出ているわけだから、それも勝手にひとり歩きをすると、どちらに転んでもお金がたくさんかかるというふうに、この建物そのものが余りそんなに耐震性能不足していないという御意見もあるわけだから。 ◎古庄修治 政策局長  ここの建物は地震による影響はなかったという前提で全部やっておりますんで。 ◆上野美恵子 委員  2のところをもとにしての話しでしょう。 ◆日隈忍 委員  私がライフサイクルコスト、建物はさわらずに、今地下にあるいろいろな設備を上に上げる水害対策をするとそれぐらいかかるというふうに、私は理解をしているところなんですけれども、それでよかったですか。 ◎古庄修治 政策局長  給排水とかも、それこそ長寿命化のための設備改修については200億程度、190億円ぐらいかかると、いずれにせよ、耐震改修とかに対応しなくてもそれは救急にやらんといかんというところでは出しております。 ◆日隈忍 委員  その辺のところもしっかり市民の人にも伝えていかないと、いかんのかなというふうに思っております。 ○澤田昌作 委員長  それぞれ委員の方からきょうはいろいろな意見もありましたし、市民説明会の今後の進め方、また市民への発信の仕方、いろいろとそういったこともございましたので、そういったことを受けて、今後配慮していただきたいと思います。  ほかにございませんか。         (「なし」と呼ぶ者あり) ○澤田昌作 委員長  ほかにないようであれば、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。  この際、本職より申し上げます。  本庁舎の耐震性能にかかわる問題に関し、前回と今回の委員会において、参考人より、それぞれに貴重な意見を述べられたというふうに思っております。本件につきましては議会においても我々としても検証が必要でありますことから、それぞれ委員の方々、各会派におかれましても、御協議をいただきたいというふうに思います。そして、今後、庁舎整備に関する議論をさらに深めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  なお、次回の当委員会につきましては、来る第3回定例会中にまた開催をさせていただきたいと思いますので、日時につきましては、改めて皆様方に御相談をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  では、これをもちまして、庁舎整備に関する特別委員会を終わります。                             午後 0時12分 閉会 参 考 人    東京理科大学    工学部建築学科教授  高 橋   治 出席説明員  〔政 策 局〕    局長       古 庄 修 治    総括審議員    田 中 俊 実    総合政策部長   江   幸 博    政策企画課長   高 本 修 三    危機管理防災総室長吉 永 浩 伸  〔総 務 局〕    局長       萱 野   晃    総務課長     石 坂   強    人事課長     小 島 雅 博    管財課長     宮 崎 晶 兆  〔財 政 局〕    局長       田 中 陽 礼    財政課長     黒 木 善 一    資産マネジメント課長             村 上 史 郎  〔市 民 局〕    局長       石 櫃 仁 美    市民生活部長   白 石 義 晴    地域政策課長   早 野 貴 志  〔経済観光局〕    局長       平 井 英 虎    産業部長     山 田 信一郎    経済政策課長   伊 藤 幸 喜  〔都市建設局〕    局長       田 中 隆 臣    都市政策課長   角 田 俊 一    建築指導課長   小 山 博 徳    公共建築部長   東 野 洋 尚    営繕課長     林 田 敬 成    設備課長     吉 村 和 敏  〔中央区役所〕    区長       井 上   学    区民部長     甲 斐 嗣 敏    首席審議員兼総務企画課長             岡 村 公 輝...