• "戦争法案"(/)
ツイート シェア
  1. 多摩市議会 2016-03-01
    2016年03月01日 平成28年第1回定例会(第1日) 本文


    取得元: 多摩市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    2016年03月01日 : 平成28年第1回定例会(第1日) 本文 (120発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所) / 表示中の内容をダウンロード  / 印刷ページ        午前10時01分開会・開議 ◯議長(萩原重治君) ただいまの出席議員は25名であります。定足数に達しておりますので、これより平成28年第1回多摩市議会定例会を開会いたします。  直ちに本日の会議を開きます。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 本日の議事日程はあらかじめお手元に配付したとおりであります。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により議長において、   10番 大くま真一議員   11番 小林憲一議員 を指名いたします。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第2、会期決定の件を議題といたします。  お諮りいたします。本定例会の会期は、本日から3月30日までの30日間といたしたいと思います。  これにご異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(萩原重治君) ご異議なしと認めます。  よって、会期は30日間と決しました。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第3、諸報告を議長よりいたします。
     あらかじめお手元に配付したとおりでありますので、ご了承願います。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第4、これより行政報告を行います。阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) おはようございます。本日から開始されます平成28年第1回多摩市議会定例会、よろしくお願いいたします。  それでは、まず私から報告申し上げます。  報告事項は1件で、1月25日及び2月25日に開催された東京都市長会関係の主な審議内容について、ご報告申し上げます。  初めに、1月25日に開催された平成27年度第7回東京都市長会についてです。  まず、東京都等からの連絡事項4件について報告いたします。  1件目は、青少年・治安対策本部から、「東京都子供・若者計画の策定に至る経緯と今後の展開」について説明がありました。  本計画は、子ども・若者育成支援推進法第9条に基づく都道府県子ども・若者計画として、「東京都長期ビジョン」との整合性を図り、さまざまな分野の計画等の中から子ども・若者の育成支援にかかわる施策等を集めて一覧化し、都における取り組み・現状を示すとともに、今度の施策の枠組みづくりを推進する5年間の計画であるとのことです。  2件目は総務局から、「災害時都民台帳システム(仮称)等」について説明がありました。  国と都は共同で「被災者生活再建支援システム」を平成23年に開発しましたが、都内区市町村では予算面から導入が進んでいないとのことです。  そのため、このシステムをクラウド型に発展させ、区市町村が共同で利用できる「災害時都民台帳システム(仮称)」を構築し、スケールメリットにより費用負担の軽減等を図っていき、平成30年度から運用の開始をしたいとのことです。  3件目は、都市整備局から、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)(案)」について説明がありました。  本方針の中間まとめは議会にも報告させていただいておりますが、昨年12月に方針案がまとまり、盛り込まれた優先整備路線は、東京都施行137路線、区市町施行161路線、その他17路線、計315路線、総延長223キロメートルとなっております。  本市に関係するものとして、南多摩尾根幹線の2カ所について優先整備路線に位置づけられております。  4件目は、後期高齢者医療広域連合から「平成28・29年度保険料率案及び平成28年度予算(案)の概要について」説明がありました。  まず、保険料率案は、区市町村による特別対策の継続や財政安定化基金の活用による保険料の増加抑制に努め、均等割額が4万2,400円、所得割率が9.07%、1人当たり平均保険料見込額は9万5,492円となりました。  平成28年度予算(案)の概要は、一般会計予算の規模で44億3,518万4,000円、前年度比2.1%減。特別会計予算の規模で1兆2,425億7,840万4,000円、前年度比0.8%増となっています。  続いて、議案審議事項4件の審議が行われ、主な議案3件について報告します。  議案第1号の「東京都市長会役員の選任について」は、昨年12月に監事であった小金井市長の退任に伴い、新たに監事には町田市長が選任され、これに伴い、政策調査特別部会部会長には東村山市長が、総務文教部会部会長には国立市長が、それぞれ就任することに決定しました。  議案第2号の「平成27年度施策の見直しの取扱い」については、平成27年10月26日の市長会議において東京都から提案のあった「中等度難聴児発達支援事業」は、「厚生部会長の福生市長から協議結果の報告があり、「包括補助後も事業執行に支障のないよう、必要な補助水準を維持すること」の条件を付して東京都の提案を了承し、合意することが承認されました。  議案第4号の「各種審議会委員等の推せん」については、原案のとおり承認されました。  なお、私は、引き続き東京都卸売市場審議会委員に推薦されることになりました。  続いて、2月25日に開催された平成27年度第8回東京都市長会についてです。  まず、東京都等からの連絡事項が7件あり、主な事項3件について報告いたします。  1件目は、日本赤十字社東京都支部から、「平成28年度赤十字活動資金のお願い」について説明がありました。平成28年度の活動資金のお願いしたい額は、東京都支部全体で、前年と同額の11億8,000万円、うち多摩市分は463万6,000円となっています。  2件目は、総務局から、「新たな多摩の振興策の検討」について説明がありました。  「新たな多摩のビジョン」を策定してから3年が経過する中で、オリンピックの開催決定などの状況変化を踏まえ、新たな振興策の検討に着手し、平成29年を目途に取りまとめるとのことです。  3件目は、生活文化局から「共助社会づくりを進めるための東京都指針及び東京都多文化共生推進指針」について説明がありました。  この2つの指針は、オリンピックの開催に向けて策定されたものであり、ボランティア文化の醸成や外国人との多文化共生を進めるために策定したとのことです。  続いて議案審議事項5件の審議が行われ、主な事項2件について報告いたします。  議案第3号の「平成28年度東京都市長会一般会計歳入歳出予算(案)」については、原案のとおり承認されました。予算の規模は4億7,208万1,000円で前年度に比べ3,223万5,000円の減となっています。  議案第5号の「平成27年度東京都市長会政策提言」については、政策調査特別部会から、平成27年度政策提言「多摩地域における誇るべき文化とは~生活文化の更なる発展・深化を目指して~」について説明があり、承認されました。  そのほか、議案第1号「平成28年度東京都市長会事業計画(案)」、議案第2号「平成28年度東京都市長会主要行事日程(案)」、議案第4号「各種審議会委員等の推せん」については、原案のとおり承認されました。  以上ご報告申し上げ、市長行政報告といたします。 ◯議長(萩原重治君) 以上をもって行政報告を終わります。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第5、これより一部事務組合議会報告をいたします。  まず、多摩ニュータウン環境組合議会の報告を行います。  13番向井かおり議員。        (13番向井かおり君登壇) ◯13番(向井かおり君) 向井かおりです。2月9日に開催された平成28年第1回多摩ニュータウン環境組合議会定例会についてご報告いたします。  多摩市議会からの出席者は、あらたに隆見議員、遠藤ちひろ議員、向井かおりです。  管理者からの報告では、ごみ搬入量は、可燃・不燃・素材いずれのごみも前年同期と比べて減少しているとのことです。詳しい数字はお手元の資料をごらんください。  また、12月28日に行われた地域清掃活動である唐木田クリーンアップについては、地元住民だけでなく、大学・企業・コミュニティセンター・児童館など参加の輪が広がり、今回は9企業・106名の参加者があったこと、情報交換の場として、地域企業に大変好評であるとの報告でした。  以下、提案された議案11議案の中から、主な議案についてご説明いたします。  第2号議案平成27年度多摩ニュータウン環境組合一般会計補正予算は、2億7,438万2,000円の増額であり、年度の繰越、基金への積立などです。  これにより、施設整備基金がおおむね6億円、財政調整基金が1億4,000万円となりました。  第3号議案平成28年度多摩ニュータウン環境組合一般会計予算は、予算総額が前年比8.9%増の18億7,235万3,000円となりました。  各市の負担金では、多摩市が61.1%でおおむね8億円、町田市・八王子市はお手元の資料のとおりです。  また公債費が今年度で完済する旨の説明がありました。  予算への質疑は、組合が処理区域再編を進めていることから、ごみ量の将来見込み、今後の各市負担金など、また電力自由化後の見通し、情報共有のあり方など、3名の議員が行いました。  私からは意思形成の過程を組合議会と各市議会にも明らかにすることを求め、前向きな答弁を得ました。  全ての議案が全員挙手により可決されました。  次に、2月11日に地元住民を対象に開催された処理区域の再編についての説明会についてお知らせいたします。  人口減少、高齢化、ごみ減量意識の向上により、このままでは将来、工場が安定稼働できるごみ量が確保できないため、処理区域を広げたいとの説明に対し、住民から活発な質疑が行われました。  最後に、1月19日に議員有志で行った多摩ニュータウン環境組合東京多摩広域資源循環組合合同視察について、ご協力いただいた各組合、多摩市環境部、多摩市議会事務局、ご参加いただいた議員の皆様に対し、呼びかけ人の各組合議員を代表し、この場をおかりして感謝申し上げます。  以上、報告といたします。 ◯議長(萩原重治君) 多摩ニュータウン環境組合議会の報告は終わりました。  次に、南多摩斎場組合議会の報告を行います。  27番松田大輔議員。        (27番松田大輔君登壇) ◯27番(松田大輔君) 松田大輔です。南多摩斎場組合議会について報告いたします。  平成28年2月5日、町田リサイクル文化センターにおいて、平成28年第1回定例会が開催されました。  多摩市からの出席議員は、岩永ひさか議員と私、松田大輔であります。  議事日程の前に、組合議員の異動についての報告がございました。稲城市選出議員の辞任に伴い、稲城市から後任議員として伊藤ちか子議員が選出され、多摩市さえき美生議員の逝去に伴い、私、松田大輔が後任として選出されました。  また、諸報告の際に1月24日八王子市長選挙において再選された石森孝志市長が引き続き南多摩斎場副管理者に就任された旨、報告がございました。  以下、議題についてご報告いたします。  報告第1号、東京都市公平委員会を共同設置する地方公共団体の数の増加及び東京都市公平委員会共同設置規約の変更についての専決処分の承認を求めることについて。  質疑なく、全会一致で可決されました。  報告第2号、南多摩斎場組合議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例の専決処分の承認を求めることについて。  こちらも質疑なく、全会一致で可決されました。  第1号議案、平成27年度南多摩斎場組合会計補正予算について。  歳入歳出予算の総額をそれぞれ415万7,000円減額し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ3億2,663万4,000円とするものです。主な内容ですが、歳入は組織市負担金を減額し、繰越金を平成26年度決算の確定により増額。次に歳出につきましては、総務費における臨時職員賃金と衛生費における燃料費を減額いたしました。  質疑及び意見討論なく、全会一致にて可決となりました。  第2号議案、平成28年度(2016年度)南多摩斎場組合会計予算について、歳入歳出予算の総額はそれぞれ3億4,842万5,000円とするものです。  質疑は3件ございました。  臨時職員の賃金・休暇等の処遇対応について質問があり、事務局より町田市の条例・規則に基づいているとの説明がありました。  AEDの使用回数について質問があり、事務局より今年度は1回使用しており、器具については保守点検等あるので買い上げではなく借用しているとの説明がありました。  最後に、ホームページ管理でのネット予約申し込みの検討について質問があり、事務局より平成28年度に先進市などを調査し、実施について検討していくとの説明がありました。  意見及び討論なく、全会一致で可決いたしました。  第3号議案、南多摩斎場組合監査委員の選任につき同意方について。  稲城市からの選出議員の辞任に伴う選任として、同じく稲城市から監査委員が選任されました。こちらも質疑なく、意見及び討論はございませんでした。  最後に行政報告といたしまして、南多摩斎場ダイオキシン類等調査結果報告について。  調査結果として、ダイオキシン類は削減対策指針値をクリアし、その他の項目いずれも規制値を下回っておりました。  ダイオキシン類の発生は、棺の中に入れられる副葬品によるものと推測されるため自粛協力をお願いしており、より一層の発生防止を徹底していくという報告がございました。  他の公営斎場との比較はどうかという質疑が1件ございました。それについては、事務局より、現在比較はしていないので、今後検討していくとの説明がありました。その他意見はなく、終了しております。  南多摩斎場組合議会の報告は以上でございます。 ◯議長(萩原重治君) 南多摩斎場組合議会の報告は終わりました。  次に、東京都三市収益事業組合議会の報告を行います。  24番藤原マサノリ議員。       (24番藤原マサノリ君登壇) ◯24番(藤原マサノリ君) 東京都三市収益事業組合、平成28年第1回議会定例会が2月2日、東京自治会館にて開催されましたので、ご報告いたします。  多摩市からの出席は、議長であります増田匠議員、三階道雄議員、そして私、藤原マサノリであります。  議案6件について審議をいたしました。(1)条例改正3件、行政不服審査会条例、組合表彰条例、非常勤職員の公務災害補償等に関する条例。(2)規約改正1件、公務災害補償等組合規約の一部の改正であります。  この4件については、いずれも質疑応答なく、可決いたしました。  (3)平成28年度一般会計予算が提出されました。87億2,704万7,000円、前年度比0.56%増であります。競艇事業全体では、平成27年度決算で1兆300億円の売り上げ見込みということで、少し伸びております。これらに関して事務局より内容について説明があって、その後、質疑応答なく、これも可決いたしました。  (4)次年度の収益金配分でありますが、1市2,000万円、多摩市、稲城市、あきる野市。これらも全て全会一致で可決となりました。
     (5)その他でありますが、平成26年度から導入している「事業包括委託」を時年度も継続して、安定した収入を確保することを目指すことを確認いたしました。  裏面です。定例会に先立って全員協議会が開催されましたので、そちらのほうのご報告もいたします。  江戸川競艇、平成27年度4月から12月までの売上等の状況報告がありました。1)江戸川競走場全体では、開催日が180日あるうち134日開催され、売上が209億5,631万7,400円、前年比でマイナス2.79%であります。  三市組合全体では、開催日数が64日のうち48日を開催し、売上が51億3,200万4,400円、前年比でマイナス7.1%です。1日平均1億691万6,700円で、これも前年比でマイナス3.23%。入場者数9万2,138人で、前年比でマイナス8.31%。  3)ボートピア習志野。263日の発売で58億389万2,500円、前年比でマイナス1.65%。全部マイナスとなっています。  唯一伸びているのが外向け発売所で、これはほかの競走場のものを買えるということですが、267日発売して115億2,493万4,700円で、前年比のプラス5.75%であります。  収益の配分金が平成3年、今から25年前に15億円という時代がありまして、現在、あれから25年たって2,000万円という状況ですが、いずれも街づくりのために有効に活用されてきているという経緯に違いはありませんし、今後もそれを有効に活用していかなければいけません。  ぜひ、本場に足を運んでいただいて、議員の皆様方のご理解をぜひ深めていただきたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 東京都三市収益事業組合議会の報告は終わりました。  次に、東京たま広域資源循環組合議会の報告を行います。  26番いいじま文彦議員。       (26番いいじま文彦君登壇) ◯26番(いいじま文彦君) おはようございます。26番いいじま文彦です。東京たま広域資源循環組合議会についてご報告いたします。  平成28年第1回定例会が2月17日午後1時30分から東京自治会館にて開催されました。  第1回定例会では、まず、管理者報告として平成27年10月以降の経過報告がありました。内容は資料のとおりでございます。その後、6つの議案が提出され、全ての議案が議員全員の挙手により可決されました。  以下、各議案について、簡単ながらご報告いたします。  1つ目は、東京たま広域資源循環組合職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例です。こちらは、地方公務員法の改正に伴い、本条例が地方公務員法を引用している箇所につき、条項の項番号が変更となるため修正するものです。  2つ目は、東京たま広域資源循環組合議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例です。こちらは、地方公務員災害補償法施行令の一部改正に伴い、規定を整備するものです。  3つ目は、東京たま広域資源循環組合職員の給与に関する条例の一部を改正する条例です。こちらは、公民較差の解消及び給与制度の見直しを実施するため、当循環組合職員の給与に関し、給与表及び勤勉手当の支給割合を改めるとともに、当循環組合の規則で規定していた級別標準職務表を条例化するものです。  4つ目は、平成27年度当循環組合一般会計補正予算(第2号)です。今回の補正予算では、歳入歳出をそれぞれ9,900万円減額しています。これは、衛生費のうち清掃費が、燃料単価の下落などによって約8億円減額できたため、組合債9,900万円の起債を廃止し、また残った約7億円を基金に積み立てようというものです。  5つ目は、平成28年度当循環組合一般会計予算です。来年度の歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ103億9,539万9,000円と定められています。各款・項ごとの内訳は添付の資料をご参照ください。  6つ目は平成28年度当循環組合の負担金についてです。平成28年度組織団体別負担金の総額は、前年度と同様、同額の93億3,000万円、そのうち多摩市の負担金は4億2,085万2,000円となっています。各組織団体の負担金は添付の資料をご参照ください。  なお、議会当日の質疑の中で当循環組合の基金についての質問がありました。まず、基金の総額ですが、今回の補正予算で基金費について約7億円の増額補正がなされましたので、補正後に基金への積み立てが行われると、約21億6,000万円余りになるとの回答がありました。また、今後この基金をどの程度まで積み立てるかという具体的な目標額の設定があるのかという質問に対しては、現在のところ具体的な目標額は設定していない。平成19年度末に37億円余りあった基金残高が平成25年度には7億円まで減ってしまったという状況があったので、少なくともこれと同程度まで基金の積み立てを回復させることが必要と考える。具体的な積立目標額については、今後の財政状況等を勘案しながら検討してまいりたいとの回答がありました。  さらに、今後、基金への積み立てが一定額に達した場合に、各組織団体からの負担金の総額が減額になることがあるのかという質問に対しては、基金残高に加え、歳出の変動状況、例えば各施設の建設費用として借入を行った政府債等の償還金は、平成28年度の約18億2,000万円から、平成32年度には約5億5,000万円となり、大幅な減額となること、一方で処分場の各施設は老朽化が進んでおり、今後も大規模改修を行うための経費等がふえていくことが想定されること。また、日の出町への地域振興事業負担金については、現在の協定が平成31年度をもって終了になることから、32年度以降の負担金について改めて協議が必要な状況になってくること。そのほか消費税率のアップ、重油単価の高騰、こうした変動状況を総合的に勘案しながら、減額の可能性も含め慎重に検討してまいりたいとの回答がありました。  報告は以上です。 ◯議長(萩原重治君) 東京たま広域資源循環組合議会の報告は終わりました。  以上をもって一部事務組合議会報告を終わります。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第6、これより施政方針演説を行います。阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 平成28年第1回多摩市議会定例会の開催に当たり、平成28年度の市政運営に臨む私の所信及び市の基本方針を申し述べ、主権者である市民並びに市議会の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。  第1 はじめに          (平和への想い)  昨年末、作家の塩野七生さんは『ギリシア人の物語I.民主政のはじまり』を上梓しました。不朽の名作『ローマ人の物語』以来の本格的な執筆です。塩野さんはなぜ今になってギリシャ人の歴史を書く気になったのか、その理由の1つに「昨今とみに耳にすることが多くなった、民主主義とは何か、民主政下のリーダーはどうあるべきかについての論争が発端となる」と記しています。今年は日本国憲法公布70周年の年に当たります。戦争の惨禍と焦土の中で誕生した憲法の原点に立ち返り、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の精神をどのように次世代に引き継いでいくか、そのプロセスが大事な年と認識しています。昨年、多摩中央公園で広島市から寄贈されたアオギリ2世の植樹式を行い、広島に派遣した子どもたちから、原爆や戦争のない平和な世界は、一人ひとりの努力で築かれるものだとメッセージを発信しました。今年はもう1つの被爆地である長崎に子どもたちを派遣し、さらに平和への想いを広げていきたいと考えています。        (国政の動きと自治体)  目下、開催されている国会では、地方創生、1億総活躍など安倍内閣の施政方針演説をもとに活発な論戦が行われているところです。世界最速で進みつつある少子化と高齢化、世界的規模の気候変動への対応、文明の衝突では説明のつかない、凶悪化しているテロリズムとの闘い、コントロール力を失った原油市場と株価の低迷等々、日本を取り巻く環境は決して安穏としていられる状況ではありません。  首相演説では、人口減少や子育て・福祉の課題などについて、女性が活躍できる社会づくり、介護離職ゼロなどに果敢に「挑戦」すること、「模倣、過酷な労働、環境への負荷、安かろう、悪かろうは世界のマーケットから一掃すべき」こと、それらの実現に向けた成否は「世界で最もイノベーションに適した国」日本の活力にあり、「あらゆる壁を取り払い、攻めの経営を促す」と述べています。そのチャレンジする姿勢は基本的に肯定するものですが、個別具体策においては、より丁寧な説明と将来への明確なビジョンが必要と考えます。また、その前提として国の大きな方向性をどうかじ取りしていくのか、国民相互の「熟議」が必要なテーマも多いと感じています。特に「国のかたちを決める憲法の改正」は、国会議員だけでなく地方自治体や首長の意見も大事にしていただきたい。非常事態、地方分権、税制など中央集権の流れが強まっていると危惧する首長の1人として、このことは申し上げておきます。  さらに、これまで進められてきた法人市民税の一部国税化の拡大や法人税の実効税率の引き下げ、新たに法人も対象としたふるさと納税の拡大などを含む税制改正の動きは、市財政に深刻な打撃を与えるものです。国が偏在是正として一方的に地方の財源を移しかえる不合理な措置は、税の原則に反するばかりか、地方自治体の自主・自立を阻害するもので、地方分権に逆行します。企業業績の動向など、他の要素とのかかわりから、単年度の税収額からは見えにくいところがありますが、本市への影響額としては、平成28年度から30年度までの今後3年間で、あわせて30億円近い減収が見込まれるなど、到底受け入れがたいものです。東京都や市長会、市議会とも連携しながら、必要な要請を行ってまいります。 1 市政運営の基本姿勢  平成28年度は、第五次多摩市総合計画第2期基本計画の2年目となることから、計画の着実な推進と課題に果敢にチャレンジする年度と考えます。引き続き、将来都市像及び6つの「目指すまちの姿」の実現に向け、第2期基本計画における取り組みの方向性の3本の柱である「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」、「市民がデザインするまち・多摩の創造」、「発信! 未来へつなぐまち・多摩」の推進と持続可能な行財政構造の構築・維持を熱意と努力により進めていく所存です。  また、特に高齢化の急速な進行は本市にとって非常に大きな課題であり、平成28年度は団塊の世代が後期高齢者に達する、いわゆる「2025年問題」に向けた10年が始まる年、諸課題に着実に取り組み、成果が求められる年度でもあります。私は、多摩市版地域包括ケアシステムの構築や健康づくりの取り組みを広げていくことなどを通じて、誰もが人生の最期まで幸せに生きられる健幸都市(スマートウェルネスシティ)を実現するため、粉骨砕身の努力をしてまいる所存です。4月には庁内で一部組織改正を行い、健幸まちづくりを実現するための人事配置も行います。      (市民主体のまちづくりの推進)  多摩市ならではの成人式実行委員会による手づくりの成人式が定着し、若者たちの手で大きく育っています。行財政改革による成人式のあり方の検討をきっかけに、現在では、企画のみならず、当日の司会・舞台運営まで、実行委員会が担い、お仕着せの式ではなく、自分たちの創意工夫で、一生に一度しかない、地元・多摩市でしか味わえない輝く宝石のような式典として成長しています。若者らしいチャレンジ精神で、他市にはない誇れる感動的な式に成長させてきた、その行動力と協調力に感服です。  また、東京都操法大会で再び表彰された多摩市消防団。平成24年度の優勝に引き続き、今回は準優勝を勝ち取りました。長い歴史の中で諸先輩が築き上げてきた伝統と実績を引き継ぎ、福生市、八王子市、及び島しょの消防団などの強豪の消防団と肩を並べるところまで成長しました。家庭や仕事と両立させながら地域の安全・安心に尽くしている地元消防団の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。  このほかにも、たくさんの市民の皆さんの活動、市民の皆さんの力で多摩市のまちづくりは陰にひなたに支えられています。多摩市自治基本条例で「市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりにかかわることが大切」とうたっているまちです。広い知識と豊かな経験をお持ちの市民が地域に多くおられます。まちに暮らし、まちを支える市民の皆さんこそが、自分たちのまちをつくる主役です。市民主体のまちづくりを進めることで、市民の皆さんの満足度、幸福度が増し、住んでいてよかったと思えるまち、これからもずっと住み続けたいと思えるまちを実現できると考えています。    (持続可能な質の高い行財政運営の推進)  多摩ニュータウンの再生、高水準で整備された公共施設や都市基盤の老朽化対策、そして何よりも少子化・高齢化対応など極めて重い課題が眼前に立ちはだかっています。こういうときにこそ、ピンチをチャンスに変え、将来を見据えた長期的な戦略を構築し、次の世代に向けて、希望の持てる多摩市の姿を示すことが大切です。あわせて、柔軟かつ迅速に対応できる行財政基盤を確立していかなければなりません。  市民の皆さんのご協力もいただきながら進めてきた行財政改革の取り組みについては、「行財政刷新計画」と「公共施設見直し方針と行動プログラム」の見直しを行い、質が高く効率的な公共サービスの提供に努めます。  また、本年1月から運用が始まったマイナンバー制度につきましては、窓口での厳格な本人確認による「なりすまし」の防止やシステム上の安全管理、市民の皆さんへの情報提供などを適切に講じながら進めてまいります。  改革を支える職員の育成も重要です。新たな人財育成基本方針のもと、柔軟性にあふれた職員の育成を進めるとともに、行政課題や市民ニーズに的確に対応できる簡素で効率的な行政組織の確立に努めます。あわせて、公平公正で客観的な人事評価制度を導入し、個人の意欲や能力が十分発揮できる組織風土づくり、職員の資質や能力の向上と意識改革を進めます。 第2 多摩市を取り巻く状況と本市の課題          (東京都の動き)  東京都は、昨年10月に「まち・ひと・しごと創生法」に基づく「東京都総合戦略」を策定しました。この総合戦略は、東京都が一昨年に策定した今後の都政の大方針となる「東京都長期ビジョン」で掲げた目標や政策を基本に、特に「東京と地方」の共存共栄に焦点を当て「東京と地方が共に栄える、真の地方創生」の実現を目指すものです。2020年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた多岐にわたる取り組みのほか、首都東京が直面する人口減少、少子化・高齢化などの諸課題に対して、具体的な政策展開を提示しています。  また、「次世代に引き継ぐ良好な住環境の整備」に向けた取り組みとして、多摩ニュータウンなどの大規模住宅団地の再生が打ち出されており、さらに、南多摩尾根幹線道路の整備を推進し、広域的なネットワークを形成することにより、沿道型業務、商業用途への土地利用転換の誘導を支援することや、昭和40年代に建設した都営住宅の計画的建て替えを実施し、居住水準を向上させるなど、長年の課題解決に向けた施策が盛り込まれています。  本市としても、こうした東京都の動きと連動しながら、多摩ニュータウン再生に向けた取り組みを加速してまいります。 (人口減少と高齢化にポジティブに立ち向かう!健幸都市の取り組み)  本市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によると、平成42年には13万9,200人、平成72年には10万606人(平成22年比でマイナス32%)まで減少すると見込まれています。  一方、本市の高齢化率に目を向けると、現在、25%を超え、4人に1人が高齢者である「超高齢社会」に突入しています。本市の将来人口推計では10年後の平成37年度の老齢人口(65歳以上)の割合は約32%になることが見込まれており、約3人に1人が高齢者となることが予測されます。  しかしながら、私は、これらをネガティブに捉えず、高齢になっても元気に活躍できる地域社会をポジティブに築きます。  健康寿命を延ばして、高齢者の皆さんにも、支えられる側から、支える側になっていただくことが必要と考えています。本市では、地域の皆さんが自主的に朝のラジオ体操を行うなど、健康につながる活動が活発に行われています。まさに、健幸都市に向けた取り組みが地域で自発的に実践されていると言えます。  市民一人ひとりの予防と生活行動への意識変化が鍵を握ります。こうした地域での自主的な活動を促進しながら、支援や介護が必要になったときの安心の仕組みである「多摩市版地域包括ケアシステム」を構築し、高齢になっても、安心して暮らし続けることができる健幸都市(スマートウェルネスシティ)の実現を目指してまいります。        (地域創生の取り組み)  平成26年11月、地方を中心に深刻化する急激な人口減少や少子化・高齢化に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正することを目的に「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。  まち・ひと・しごと創生とは、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立し、その循環を通して「まち」に活力を取り戻す取り組みです。人口減少や少子化・高齢化は、本市にとっても重要な課題であり、取り組みの方向性を一にするものです。  こうした動きを受け、本市においても、総合計画の取り組みをさらに強化し、活力ある地域社会を維持していくための処方箋として「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。本市の地方創生の取り組みは、1点は安定した雇用を創出する、2点目は新しい人の流れをつくる、3点目が子育て・子育ちをみんなで支える、4点目がいつまでも安心して暮らし続けることができるまちをつくる、を大きな柱としています。子育て世代や若者の声を聞き、ニーズを捉えること、効果的に情報を発信することが共通の戦略になります。今後、この総合戦略の取り組みを本格的に推進し、総合計画とあわせて未来につながるまちづくりを進めてまいります。    (都市基盤・公共施設の老朽化への対応)  本市の都市基盤や公共施設は、他市と比較して質・量ともに高い水準にあることや、人口急増に対応するために集中的に整備を行ってきた経緯もあることから、維持管理や改修に要する経費が大きな財政負担となることが課題です。ここ数年間で、全市的な施設の大規模改修が待ち構えており、いよいよ待ったなしの状況に突入します。昨今の公共工事における労務単価の引き上げや建設資材の高騰もあり、当初の見込みを上回る費用が想定され、さらに負担が増大する見込みです。  道路などの都市基盤や各公共施設は、市民の暮らしを支え、公共サービスの拠点ともなる大切な財産です。だからこそ、人口減少と高齢化の進展を見据えて、今後のニーズに見合った機能をしっかりと見きわめながら、機能の再編や統合を図り、賢く縮む「スマートシュリンク」という考え方で、「ハコ」としての施設の総量は減らしていかなければなりません。市民の皆さんとの合意形成が難しい課題ではありますが、引き続き丁寧な説明と対話を重視して進めてまいります。       (地球環境温暖化と災害対策)  間もなく、東日本大震災から5年の節目を迎えます。復興の歩みが徐々に進んではいるものの、未だに多くの方が自宅を離れて不自由な避難生活を送られています。首都直下型震災への備え、災害時要支援者への対応、帰宅困難者対策、災害時トリアージ訓練などさらなる準備と対応を怠るわけにはいきません。  一方、今年の冬も暖冬と寒波の襲来に右往左往するという事態となっています。世界各地でも異常気象の報告や大きな被害も報告されています。昨年9月の東北・関東豪雨でも甚大な被害が発生しましたが、集中豪雨の背景には海水面上昇という地球温暖化の影響があります。昨年11月にパリで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議」、いわゆる「COP21」で、気温上昇を2度未満に抑えるという合意が採択されたように、今こそ世界が真剣に取り組むべき時と改めて考えさせられました。  地震や豪雨などへの対策を着実に推進するとともに、地域の防災力を高めるなど、災害への備えを万全にしてまいります。 第3 市政運営における基本的な考え方     (3つの取り組みの方向性について)  第五次多摩市総合計画第2期基本計画の推進に当たり、取り組みの方向性として位置づけた3つの柱の考え方について、改めて、私の考えを申し述べます。  1 健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造  本市が目指す、健幸都市(スマートウェルネスシティ)とは、身体面での健康だけでなく、市民一人ひとりが、それぞれに生きがいを感じ、安全・安心に暮らすことができ、子育て中であっても、障がいがあっても、子どもから高齢者まで、誰もが幸せを実感できるまちのことです。  本市では、既に地域でさまざまな健康づくりの活動が行われています。そこでは、健康づくりだけでなく、人と人との交流やつながりが醸成されています。こうした草の根的な活動の輪を全市的に広げていく機運を高めることに力を入れていくことが必要と考えます。  一方、健康に無関心という方も、まだまだ多くおられます。地域全体の健康度を高めるためには、まず健康への関心を高めていただくことが鍵となります。「健康無関心層」への働きかけも強めながら健幸まちづくりを展開していきます。  さらに行政内部の組織体制を強化し、市民や地域、関係機関と連携・協働しながら、本市ならではの健幸都市(スマートウェルネスシティ)を構築、発信してまいります。  2 市民がデザインするまち・多摩の創造  「市民がデザインするまち・多摩」とは、市民の主体的・自主的な思いをまちづくりに生かし、市民が力を合わせて地域課題の解決に取り組むことです。  そのためには、市が定める最高規範である「多摩市自治基本条例」の前文にあるように、「市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりにかかわること」が重要です。  少子化・高齢化の急速な進展などにより、子育て、介護、防犯・防災などあらゆる分野で、行政だけでは支え切れないさまざまな課題が生じています。また、多様化・複雑化する市民ニーズにきめ細やかに応えていくためには、行政だけでなく、市民や地域の主体的な力で、あるいは市民、地域、行政、NPO、関係機関、事業者など多様な主体が相互連携のもとに役割分担しながら、サービスの量と質を高めていくことが必要です。  市民や地域、事業者では担うことができない分野や、社会的に弱い立場の方を支えるセーフティネットとしての行政の役割をしっかりと維持しながら、協働を推し進め、多様な主体が支え合う持続可能で質の高いまちづくりへの取り組みを積極的に推進してまいります。 3 発信!未来へつなぐまち・多摩  多摩ニュータウンでは、初期入居から間もなく45年が経過する諏訪・永山地区において、具体的な再生の歩みが始まっています。平成25年に完了した諏訪2丁目の分譲住宅建て替え事業に続いて、現在、都営諏訪団地の建て替え事業が進められています。福祉施設との合築も行いながら、老朽化した住宅を順次建て替え、将来的には、今後、整備が進む南多摩尾根幹線道路の沿道ににぎわい創出を誘導できるよう、土地利用転換を進める対象です。この多摩ニュータウン再生への取り組みは、ニュータウンのある全国の自治体から注目されています。本市の取り組みを全国に発信してまいります。  聖蹟桜ヶ丘駅周辺地区では、未来を見据えた都市基盤整備を促進し、まちの防災性や快適性の向上を図ります。あわせて、駅周辺の低・未利用地の有効活用の促進を図ります。  平成32年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、オリンピック後のレガシー(遺産)に目が向けられています。オリンピック・パラリンピックを契機に、本市ならではの有形無形のレガシーを市民の皆さんとともにつくっていきたいと考えています。  本市では、他市もうらやむほど、さまざまなキャラクターたちがまちの魅力を発信しています。緑も豊かで歴史と文化も息づいています。私たちのまちの宝である地域資源を積極的に生かし、本市の魅力を内外に発信してまいります。 第4 目指すまちの姿の実現に向けて  平成28年度予算案は、第五次多摩市総合計画第2期基本計画の2年目として、本市の諸課題に着実に取り組み、成果を出す年度として編成しました。誰もが生涯にわたり幸福感を持って暮らすことのできる「健幸都市・多摩の創造」に向けた取り組みをはじめ、基本構想に定めた「目指すまちの姿」の実現に向け、各施策に取り組んでまいります。  また、市議会よりいただいた平成26年度決算審査施策評価及び「公共施設の使用料改定に関する決議」につきましては、市議会の総意として受けとめ、しっかり取り組んでまいります。  1 子育て・子育ちをみんなで支え、子どもたちの明るい声がひびくまち  子育て・子育ち支援についてです。  今年度からスタートした「子ども・子育て支援新制度」のもと、増大する多様な保育ニーズに応えるため、保育サービスの充実を図ります。昨年6月に多摩センター駅前にオープンした、本市では初めての病児保育と、2カ所目となる病後児保育により、働く家族を応援するとともに、3歳未満児に集中している待機児童対策では、小規模保育所の新設、事業所内保育所での地域枠定員の設定など、地域型保育の充実を図ります。また、幼稚園等の認定こども園への移行を通じて、地域型保育の連携先を確保するとともに、質の高い教育・保育サービスの基盤整備を進めます。将来の保育ニーズのピークアウトも見据え、さまざまな保育形態を組み合わせてニーズに対応します。  妊娠期から18歳までの切れ目のない支援では、新たに落合・諏訪の2つの児童館に子育てマネジャーを配置し、地域子育て支援拠点として再整備を進めます。あわせて、父親の育児参加を促し、中学生・高校生の居場所の拡大を図るため、一ノ宮・永山・唐木田の3施設で、日曜日開館を実施します。  学童クラブでは、児童の安全安心の確保と待機児童解消のために、小学校敷地内への移転を進めています。定員拡大の上新たに整備した(仮称)西落合小学童クラブを開所し、いわゆる「小1の壁」対策として育成時間の延長を行います。また、多摩第二小学校の建て替え完了に伴い、多摩第二小第2学童クラブの整備も行い、東寺方学童クラブの移転に向けた準備を進めます。  子どもの貧困対策としては、ひとり親家庭や生活困窮家庭の中学生・高校生を対象に家庭訪問などによる学習支援事業を行い、進級・進学への支援を通して貧困の連鎖を断つために、組織を横断した連携事業に取り組みます。  教育についてです。
     時代の変化に柔軟に対応しつつ、学校・家庭・地域の教育力を高めながら、子どもたちの「生きる力」(確かな学力、豊かな心、健やかな体)を育成するため、学校が地域の特色を生かし、さまざまな地域・社会の教育力とつながりながら、主体的に課題を追究する探究的な学習を通して、問題解決力やコミュニケーション力、社会に参画する態度などを育成する持続発展教育・ESDを引き続き推進します。  子どもたちの学びの環境整備では、教育用のパソコンの入れ替えに伴い、平成27年度に引き続き、教育用タブレット型端末を小学校8校に導入し、平成28年度からは、全ての公立小学校・中学校で基礎学力の定着や協働学習等に活用していきます。  学校施設の整備では、諏訪中学校の大規模改修工事を完了させるとともに、南鶴牧小学校、北諏訪小学校及び連光寺小学校の大規模改修工事に着手し、老朽化した学校施設の改修を計画的に進めます。2学期から新校舎がオープンする多摩第二小学校は、旧校舎の解体工事、校庭整備工事などを行い、建替事業を完了させます。子どもたちの安全・安心の確保としては、計画的に整備している小学校通学路への防犯カメラの設置について、4校の通学路を対象に進めます。あわせて、中学校敷地内に防犯カメラの設置を進めていきます。  特別支援教育では、平成29年度までに小学校全校で、特別支援教室を設置する予定です。これに向けて、子どもたちにとって適切な環境を整備するために、簡易工事等を実施します。  2020年(平成32年)に向けては、オリンピック・パラリンピック教育を推進します。家庭・地域などと連携して行う伝統文化・国際理解についての授業や海外の学校とのさまざまな交流、車いすの体験や地域のスポーツ大会にかかわる体験を通して、国際感覚を養うとともに、共生社会やオリンピック・パラリンピックへの理解を深めていきます。  図書館本館については、現在、暫定施設であり、長い間懸案であった「新たな本館」建設に係る基本構想の策定を進めてまいります。  2 みんなが明るく、安心して、いきいきと暮らしているまち  健幸まちづくりです。  健康づくりや介護予防は、健康づくりの無関心層への働きかけが急務です。まずは、団塊の世代が後期高齢者となる2025年(平成37年)を見据え、健幸クラウドシステムを導入し、市が保有する国民健康保険、介護保険及び医療費などの情報活用を図るとともに、科学的根拠に基づく現状分析を行い、今後の効果的な健康づくりと介護予防施策につなげていきます。  また、産学官連携による「健幸まちづくり推進協議会(仮称)」を設置し、健幸まちづくりについての方針策定を進めます。  健康・医療についてです。  健康センターは、施設設置から約30年が経過し、施設の老朽化が進んでいます。平成29年度の改修工事を見据えた準備として、設計業務委託費を計上します。また、生活習慣病対策の1つとして、東京都の補助金を活用した「ウォーキングマップ」を健康づくり推進員の皆さんとの協働により作成します。作成後は、平成29年度の健康推進事業月例ウォーキングで活用を図り、健幸都市は「まず、歩くことから」を実践してまいります。  高齢者福祉についてです。  身近なところで相談ができる「多摩市版地域包括ケアシステム」構築の第1歩として、現在6カ所にある地域包括支援センターを市役所内部の基幹型の包括支援センターと市内5カ所の地域包括支援センターに再配置するとともに、認知症地域支援推進員を置くなどして、機能強化を図ります。  この再配置にあわせて、中部包括支援センターをUR都市再生機構の協力により、永山地区に移転します。  また、持病がある方や認知症の高齢者が外出先で緊急搬送された場合、地域包括支援センターを通じて、緊急連絡先の照会が迅速に行えるよう、常時身につけられる見守りキーホルダーを配布します。  さらに、地域での市民の主体的な取り組みが進むように、介護予防リーダーなどを中心とした介護予防教室の支援や、自立した生活を支援する介護予防・日常生活支援総合事業を充実します。  障がい者福祉についてです。  平成28年4月から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行されます。障がいのある人もない人も互いに尊重し合う共生社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。  また、事故や病気により脳が損傷された結果、言語、思考、記憶、注意などの機能に障害が生じる「高次脳機能障害」について、相談体制を強化するとともに、関係機関との連携による支援体制の強化にも取り組みます。  地域福祉についてです。  地域課題や社会の変化に対応しながら、誰もが安心していきいきと暮らせる地域の実現に向け、地域づくりの方向性を下支えする「地域福祉計画」の改定を行います。  また、今年度、劣化度診断を実施する総合福祉センターは、その診断結果を踏まえ、設備機器等の改修工事の実施設計を行います。  3 みんなで楽しみながら地域づくりを進めるまち  コミュニティ、市民活動、都市交流についてです。  地域の中での人間関係の結びつきが希薄になりつつある中で、誰もが思いやりと支え合いの心を持ち、生きがいの持てる生活を送るために、地域コミュニティの再生・拡充や地域での支え合いが必要です。  コミュニティ活動の拠点として整備中の(仮称)和田・東寺方周辺地域コミュニティセンターについては、運営協議会の設立に向けて準備会を立ち上げ、具体的な運営方法及び管理方法について地域の皆さんと検討を進めます。  市民の文化・芸術活動を支援してきた、多摩市立複合文化施設(パルテノン多摩)は、大規模改修の時期を迎えました。国の制度改正などの情勢変化もあり、さまざまな角度から、改修手法を検証した結果、市の直接工事で行うことに決定しました。多摩中央公園を含めた周辺施設も視野に入れた大規模改修を進めていきます。  長野県富士見町との友好都市の提携は、30年目を迎えます。これからも良好な親交が深まるよう記念事業を実施します。  多摩NPOセンターは、市民で構成される多摩NPOセンター運営協議会とのパートナーシップ協定に基づき、公設備・市民設立・市民運営により事業を行ってきましたが、社会状況の変化に加えNPOセンター運営会議からも基本的な見直しが示され、事業を終了することとなりました。今後は、多摩ボランティア・市民活動支援センターなどと連携して、多様な市民活動を引き続き支援していきます。  平和についてです。  今年は非核平和都市宣言から5年の節目に当たることから、その節目の平和啓発のまとめとして、地域の歴史的戦争遺構である「多摩火工廠」の資料を2カ年で取りまとめます。平成28年度は、資料映像の作成を開始し、身近な地域にある戦争の爪痕を通して、戦争を改めて考える機会を創出します。  また、毎年実施している子どもたちの被爆地派遣について、平成28年度は新たにもう1つの被爆地である長崎に中学生を派遣し、中学生の視点からの平和の尊さを発信します。  スポーツについてです。  今年は、オリンピック・イヤーです。8月には、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催され、4年後の東京オリンピック・パラリンピックが刻一刻と迫ってくることを実感します。オリンピック・パラリンピックの取り組みとして、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックに出場する本市ゆかりの選手の応援や大会後の健闘イベントを実施するほか、スポーツ選手から、夢を持つことや努力することの大切さを伝える『JFAこころのプロジェクト「夢の教室」』を実施します。  東京ヴェルディは昨シーズンのJ2で上位の成績を残すことができ、J1昇格に期待が持てるシーズンでした。一方、日テレ・ベレーザは、なでしこジャパンの代表選手を中心に、常に優勝争いに絡む実力あるチームです。男女とも、今シーズンはチーム目標が達成できるよう、市を挙げて両チームの応援を引き続き行います。  なお、7月から8月にかけては、多摩市が幹事市となって第49回東京都市町村総合体育大会が南多摩5市の各会場で開催されます。  これらのイベントの取り組みを通して、東京オリンピック・パラリンピックに向けた、スポーツの機運醸成につなげていきます。  4 働き、学び、遊び、みんなが活気と魅力を感じるまち  産業振興、雇用、観光についてです。  まちの活力を維持して、税収を確保し、雇用機会を創出していくためには、地域経済の活性化やまちの魅力づくりが必要です。さらに、地域にある資源を生かした観光の視点からのまちの魅力づくりには、市民、市民団体、大学及びNPOなども含めた多様な担い手とともに、関係事業者や関係機関との連携や協働も一層重要となっています。  創業支援事業の拠点となるビジネススクエア多摩では、産学官連携による三者連携体制は維持しつつ、これまでの事業運営の検証から、運営手法の一部を見直し、より幅広く細やかな相談・支援を行います。  まちのにぎわい創出では、聖蹟桜ヶ丘駅周辺地区で、昨年、試験的に行った花火の打ち上げを含んだ「せいせきみらいフェスティバル」のさらなる支援や、企業との連携による「子ども向けアニメ映画祭」など、季節を通じてまちのにぎわいを創出します。  一方、多摩センター地区を盛り上げる取り組みとして、多摩センター駅への電車接近メロディ導入に向け、関係者間の協議を行っていきます。  都市農業の支援では、平成27年度から援農ボランティア制度をスタートさせ、ボランティアの育成に取り組んできました。これまでの取り組みを踏まえ、今後も都市農業支援施策として継続して取り組みを進めていきます。  また、昨年4月の国会で都市農業振興基本法が可決されたことにより、国の計画も策定されます。市としても国や都の動向を注視し、本市での都市農業支援策につなげていきます。  5 いつまでもみんなが住み続けられる安全で快適なまち  安全・安心についてです。  大地震のほか、近年、頻繁に発生している豪雨など、さまざまな自然現象に対応し、被害を最小限に抑える必要があります。そのために、日ごろの予防対策、災害発生時の迅速な応急・復旧対策を実施し、市民の皆さんとともに、「災害に強いまち・防災都市 多摩」を実現してまいります。  地域防災の要である消防団の活動に対しては、火災現場での情報伝達の向上を図るための無線トランシーバー、コンクリートを破壊する救助用機材であるストライカーを配備します。また、消防団の器具置き場は昭和50年代の半ばに建てられたものが大半です。老朽化が進んでいる器具置き場については、本年度に引き続き、順次改修します。  豪雨等による被害が、ここ数年、甚大化しています。多摩川の洪水被害の想定が見直されることを踏まえ、洪水発生時の浸水想定区域内である関戸・一ノ宮地区の電柱に浸水深を掲示することにより、万が一の場合の情報提供を行います。また、引き続き、地域防災計画に基づき、避難者などの収用に必要な食糧及び避難所用資器材の備蓄を行います。  都市づくりについてです。  多摩ニュータウン再生の取り組みは、「方針(理念)」から、いよいよ「行動」へとシフトします。  都市機能の集積や立地に応じた多様な住機能の提供など、具体的な取り組みをまとめた「多摩ニュータウン再生方針」の具現化に向け、「多摩ニュータウン再生推進会議」を立ち上げます。  また、ニュータウン初期入居地区である諏訪・永山地区については、検討内容をさらに深めるため「諏訪・永山まちづくり計画」の策定を進めます。  こうした取り組みに連動して、老朽化が進む道路、公園、橋、下水道などの都市基盤施設の更新等を具体化していきます。  第三次住宅マスタープランでは、「住み続けたくなる魅力にあふれたまち多摩」の実現に向け7つのパイロットプランを掲げています。平成28年度は、市民の住み替え支援及び高齢者や障がい者などの住宅確保要配慮者への対応として「(仮称)住替え・居住支援協議会準備会」を立ち上げます。また、旧耐震基準の非木造住宅の耐震診断助成費用及び耐震改修費助成を拡充します。  また、高齢化の進行により、市内で「空き家」が増加しており、防災、防犯、環境などの面で、その対策が全国的にも課題となっています。まずは、市内の戸建て住宅及び集合住宅について「空家実態調査」を行い、その成果をもとに法的整理を含め、私有財産である「空き家」への総合的な対策を進めます。  誰もが安全に通行できる道路環境を整えるため、視覚障がい者誘導用プレートの設置工事や段差解消工事などを行い、道路のユニバーサルデザイン化を図ります。  さらに、安全安心の取り組みでは、国費を活用して、道路の路面下空洞化調査、橋梁の耐震補強・補修工事を進め、道路や橋梁を良好な状態で保全します。  6 人、自然、地球、みんなで環境を大切にするまち  環境についてです。  先ほども触れましたが、昨年、パリで開かれた「COP21」で、「パリ協定」が採択されました。京都議定書以来18年ぶりの地球温暖化対策の新たな国際枠組みで、196の国・地域が参加し、削減目標達成に向けた取り組みの義務を負うことになりました。地域に根差した地方自治体としても、環境に優しいライフスタイルへの転換や事業活動の徹底など、全ての、そしてさまざまな主体が実践する輪を広げていくことが必要になっています。  電気消費量が多いエアコンの使用抑制を図るため、昨年に引き続き、「クールシェア事業」を実施し、家庭の電気使用量の削減とあわせて市内経済の活性化を図ります。また、市民の省エネ行動の着実な実践の推進を図るため「省エネチャレンジコンテスト」を引き続き実施します。  集合住宅への創エネ・省エネの機器導入に向け、建物に合った創エネ・省エネ導入やエコライフに向けたメニューの作成や提案を行う、集合住宅環境配慮型リノベーションモデル事業を実施します。  水素エネルギーを活用した低炭素社会の実現に向けて、水素自動車を導入し初期需要を創出するとともに、水素を含めた省エネルギー機器・設備などの普及に向けた取り組みを進めていきます。  ごみ減量・資源化の推進のため、増加傾向にある事業系ごみの減量施策を進めるとともに、長期修繕計画に沿ったエコプラザ多摩の計画的な整備を進めます。  みどりのルネッサンスの推進では、老朽化した公園施設を適切に維持・更新していくため、平成29年度に策定する「公園施設長寿命化計画」に向け、今年度の予備調査に続き、健全度調査を行います。  また、市民ワークショップ等を通じて、特色ある公園づくりや活用自由度の拡充、みどりの保全と調和した暮らしの安全安心の確保など、地域のみどりの質の向上と市民協働による持続可能なみどりを進めていきます。 第5 むすびに  一昨年4月、私が市長に再度就任して、早いもので任期の折り返し点を迎えようとしています。初心を忘れることなく、市民の皆さんからの期待と負託に応えられるよう、引き続き市政に邁進してまいります。  平成28年度は、市制施行45周年に当たります。現在の本市の輝かしい発展は、先人の英知とたゆまぬ努力によって築き上げられたものであり、多摩ニュータウンも今や「ふるさと多摩」として、次の世代に引き継がれつつあります。  冒頭に紹介した『ギリシア人の物語』で、塩野七生さんは「なぜ、彼らは、それまで誰一人考えつかなかった、民主政を創りだすきっかけになったのか、また、いつ誰が、どのようにしてそれを機能させ、また国家存亡の危機に際しても有権者はどう関与し、なぜそれが可能であったのか。そしてその後はどのような結果につながっていったのか」、渾身の力と筆をふるい、民主政治の創始者の足跡をたどる旅に私たちをいざなっています。  世界で頻発するテロの背景には、いわゆる「イスラム国」の残忍な非人権、非宗教、非協調の暗黒社会の闇があると考えますが、その闇を生み出したのも、大国の権益に支配されてきた私たちの現代社会にあります。報復の連鎖からは何物も生まれないことを、私たち人類は過去の歴史から学んできたはずです。2度の世界大戦を経験した我々人類は、21世紀においては殺戮の歴史に終止符を打ち、対話と協調の歴史を大事にしていくと決意したはずです。歴史の歯車を戻してはなりません。また、地球規模で引き起こされている気候変動による地球温暖化の危機も待ったなしです。国内では、安全保障法制が成立し、改めて立憲主義・民主主義の質と私たち国民の意識と姿勢が問われています。夏には18歳以上の若者が有権者に加わります。若者たちが国のかじ取りにどう意見表明するか、投票行動が注目されます。日本がこれまで積み重ね、国際社会に高く評価されている「平和主義」の歩みを、誇りを持って世界に訴えていかなければなりません。市政運営においても、先人の意志をつなぎ、明るい未来を築いていくことが、今を生きる私たちの責務であると考えます。  今、日本は大きな時代の転換期にあります。人口減少、少子化・高齢化、混迷する社会経済状況等の諸課題は、特効薬がなく、これまでの経験値が通用しない重い課題です。この国の未来に漠然とした不安を感じている市民の皆さんが多いことと思います。このような時代であればこそ、未来に向けて夢を持つことが肝要です。  私は、将来都市像、「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」の実現に向け、市政のかじ取り役という重責を担う者として、歴史を大切に受け継ぎ、未来をしっかりと捉え、本市のまちづくりに全身全霊で取り組んでいく決意です。  今後も、市民の皆さん一人ひとりが、多摩市に住むことに誇りや愛着、幸せを実感していただけるよう、取り組んでまいります。  最後に重ねて、市民並びに市議会の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。 ◯議長(萩原重治君) 以上をもって施政方針演説を終わります。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 日程第7、代表質問を行います。  この際、申し上げます。代表質問の質問順、質問時間は、議会運営委員会の決定により、1番改革みらい50分、2番公明党40分、3番自民党・新生会40分、4番日本共産党40分、5番生活者ネット・社民の会30分以内といたします。  これらのことについてご異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(萩原重治君) ご異議なしと認めます。  では、そのようにさせていただきます。  まず、初めに改革みらいを代表しまして、岩永ひさか議員の発言を許します。  7番岩永ひさか議員。      (7番岩永ひさか君質問席着席) ◯7番(岩永ひさか君) おはようございます。  それでは、改革みらいを代表し、平成28年度市政運営に当たっての市長施政方針について質問をいたします。  私は、市長が施政方針を述べるに当たり、あえて「主権者である市民」と呼びかけているところに市長のこだわりを感じてきました。平成24年度の施政方針から、変わらず用いているのではないかと思います。阿部市長の価値観がここに端的にあらわれていると受けとめていますし、私もとても大切なことだと考えています。  「平和」と「人権」。阿部市長が市長になる以前から取り組んでいる課題であり、市長が物事を捉え、発想するときの原点になっているのではないかと感じています。  私は、「平和」と「人権」は一人ひとりが自分自身のありようを見つめ、常に問いかけることでしか守ることができないものだと考えています。他人に自分自身の心のありようをとやかく言われることなく、個人の生き方が尊重されていくこと、1つの価値観や世界観を押しつけられる窮屈さのない社会を目指していくことが「平和」と「人権」において重要な視点であると考えています。  さて、私は昭和23年に文部省によって刊行された中学校、高校での社会科の教科書として使用された「民主主義」を読みました。「民主主義とは何か」が問われている今、私たちがこの書を手に取ることの意味は大きいと感じました。少なくとも、私が中学・高校時代を経て学んできた民主主義は「政治の手法」として語られることが多く、私たちが学んできた民主主義の根幹を支えていく哲学に改めて目が覚める思いでした。民主主義にも限界がある、民主主義が決して万能ではないことを知る必要があります。あのヒットラー政権も民主主義により誕生した政権です。今、改めて「民主主義」と「立憲主義」を対にしながら、私たちの置かれている状況や取り巻く環境を考え抜いていかなければいけないと思っています。  「平和への想い」を施政方針の冒頭で述べられた市長のお考えは「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」の実現とどのようにかかわっていくのか、市民の満足度、幸福度はこの取り組みを通じてもどのように高まっていくのか見守っていきたいと思います。  そしてまた、私たち地方政治、地方議会のありようは民主主義の学校と言われますが、「より丁寧な説明と将来への明確なビジョン」について熟議を通じてどう描いていくのか、市長は、施政方針において国政の動きに対し「熟議」が必要なテーマも多いと感じておられるようですが、私たちの市政運営に対しても同様のことが求められているのだと考えています。私たち市議会も「熟議」をどう重ねていけるか、議会の中で、そしてまた市長と行政と、そして市民とどう討議を重ねていけるのかが問われています。  今回の代表質問では、「平和」と「人権」をベースにした市政運営をともに進める立場から以下質問したいと考えています。 (1)1)市長は、冒頭で塩野七生さんの著書を引用されていますが、市長は民主政下のリーダーはどうあるべきと考えておられるのでしょうか。そしてまた、リーダーとして、市政の課題解決に向けて、具体的にどう行動されていくのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。  2)また、今、国政をめぐっては憲法改正問題が1つの争点になっていますが、市長は憲法改正に対し、どのような見解をお持ちであるか、改めて伺いたいと思います。
    (2)本年も「市民主体のまちづくり」「持続可能な質の高い行財政運営」を柱とした市政運営を進めていくとのことです。しかし、これまでもこの2つの柱を基軸として取り組んできましたが、市長は未来にどのような展望を描き、今後2年間の任期中にどこまで達成できていると考えているのか、その目標を市民に示してほしいと思います。  さて、今年度、市政世論調査の結果はご承知のことかと思います。将来にわたって、多摩市を支えていく世代の状況を市長はどう受けとめておられるでしょうか。そしてまた、主体性を発揮したくとも発揮することすら許されない世代が路頭に迷わないためにどうしていこうと思っているのか、「民主主義にも限界がある」とする指摘を乗り越えていくための手法が問われます。そこで関連して以下の2点について伺います。  1)世代別投票率の結果を評し、「シルバー民主主義」が跋扈する危機が言われることもありますが、多摩市の現況をどのように受けとめておられるのか伺います。人口構成の変化や税収の状況変化により、従来の市民サービスのあり方の見直しが問われていますが、市民と課題の共有化が図れているとお考えでしょうか。市民に理解を得るためにはさらなる工夫が必要だと思いますが、ご認識を伺います。  2)「市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりにかかわることが大切」であるとうたった自治基本条例は、市民にまちづくりにかかわることを強制するものではなく、主体的にまちづくりにかかわることで「より良くなっていく」ことを訴えるものだと考えています。  持続可能な質の高い行財政運営への転換にも「市民主体のまちづくり」の視点を欠くことはできません。市民の主体性を重視したいのであれば、そのために何をするのかが問われるのではないでしょうか。市の行財政運営の屋台骨になっていく計画の1つ「公共施設の見直し方針と行動プログラム」の見直しに当たって、市民の主体性はいかに発揮されてきたでしょうか。ワークショップなども開催してきましたが、市民の主体性が発揮され、持続可能性や質の高さを確保できるような見直しにつながってきたでしょうか。また見直しにつながっていくでしょうか。  多摩市は市民参加が進んでいると言われることもありますが、「市民の主体性」に対する多摩市の現状をどのように評価されているのか伺います。 (3)来年度予算では、今後、大規模な予算を伴うであろうパルテノン多摩の大規模改修、図書館本館基本構想、老朽化した市庁舎問題と、全市民的に関心と注目を集めるだろう課題にかかわる内容が示されています。いずれも「今後、いかにあるべきか」が問われる課題であり、ここを置き去りにして議論を進めることはできないと考えます。ご認識を伺います。  1)昨年末、総務常任委員会に提出された資料において、パルテノン多摩の改修費用は58.5億円が見込まれています。パルテノン多摩の施設劣化や陳腐化についての報告は受けておりますが、今回の大規模改修は、施設全体の再生と見直しを含んでいるのか、それとも単に施設の劣化を改修するというだけのものであるのか伺います。  2)暫定活用中の旧西落合中学校、図書館本館問題については、「桜美林大学からの小中一貫校開設」の要請があり、取り巻く環境が大きく変わりました。これを機に、これまでの懸案事項を解決していくための基本構想策定に着手していくのだと考えています。  一方、現在、「読書活動振興計画」の策定に向け、市民懇談会などが開催されていますが、読書活動の振興と図書館本館・地域館のあり方、図書館行政全体のあり方に多くの意見が出されていたかと思います。当初、この計画は今年度末までに策定される予定でしたが、本館基本構想への取り組みに向けて、どのようにつなげていくお考えなのでしょうか。また、「公共施設の見直し方針と行動プログラム」との関係はどのように整理していく予定なのでしょうか。  3)市庁舎の建設に向けては、いわゆる「備え」が必要になってきますが、今後の積立金などの見込み、計画についてお尋ねいたします。  4)市長も懸念を示している、法人市民税の一部国税化の拡大や法人税の実効税率引き下げなどの税制改定は、まさに中央集権体制の強化であり、地方創生の流れにそぐわないものです。地方自治体の自立を妨げるもので、不交付団体として健全財政を不断の努力で維持している行財政運営には大きなダメージを与えます。その影響額は、今後3年間で合わせて30億円近い減収の見込みとのことですが、その内訳と減損分にかわる恒久財源は手当てされるのでしょうか。お伺いいたします。 (4)1)市政への無関心を解消するために、政策情報誌を発行するなど丁寧な広報活動が大切だと考えています。さらに、市政に関心を寄せるきっかけを持った市民の気持ちを後押ししていけるような展開が求められます。今後は選挙権年齢の引き下げにより、子どもたちへの「主権者教育」を体系化することも求められていくと思います。  先日開催された子どもみらい会議では、「自分の知識を地域の知識へ~防災に強い街づくりへ~」というメッセージが発表されましたが、市長はこのメッセージをどのように受けとめたでしょうか。「意見が着実、確実に反映されている」という経験を持つ子どもたちの層を分厚くしていくことは、市政に関心を持つ市民層をふやしていく上でも重要だと考えています。例えば、今回のこどもみらい会議での取り組みをきっかけに、防災まちづくりに子どもたちの関心を継続させていくため、「ジュニア防災士検定」を推奨するなど、「2050年の大人づくり」に向けて教育委員会だけでなく市全体で取り組むことが求められます。そのために総合教育会議を有効に機能させてほしいと思います。ご見解を伺います。  2)また、現在、選挙管理委員会が各学校で出前講座を実施していますが、具体的に子どもたちの声を市政に反映していく仕組みも必要ではないでしょうか。あわせて市長の見解と次年度への取り組みについて伺います。  3)「人権」や「平和」を子どもたちが主体的に考え、発信していく機会になっている「被爆地への派遣」ですが、来年度は「中学生のみ」を対象にし、訪問先も広島から長崎に変更されます。距離の問題もあるのかもしれませんが、「小学生」が対象から外れたことは残念です。事業全体が拡充する方向とは逆に向いているような気がしますが、子どもたちと平和を考えていく他の有効な手立てや機会の創出ともあわせ、今後の事業展開について伺います。 (5)さて、市長のさまざまな思いを受けとめ、具体的に形にして実行していく組織づくりはどこまで進んできたでしょうか。施政方針でも改革を支える職員の育成が重要だと述べられていますが、市民の主体性をまちづくりに引き出すことのできる職員の力量がますます必要になってくると思います。その前提として、職員が現場に出かけ、現場を知ることが必要ではないでしょうか。「職員が現場を知らない」という声を市民から耳にすることが少なくありません。「公務員」という働き方が注目され、全国規模で職員採用試験に希望者が集まる時代になっているからこそ、改めて公務員としてのあるべき姿が問われてくるのではないでしょうか。  1)必ずしも、多摩市に根差した経験がなく、採用される職員も多くなっていますが、課題認識と対策を伺います。また、「現場に必要な職員」という視点から、いわゆる「現業職場」に配置する職員の必要性についても一定見直しの方向が進んでいたはずですが、新たな方針決定までの見通しを伺います。  2)平成28年度はいよいよ市長の目指す「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」の実現に向けた歩みが本格始動すると受けとめています。厚生労働省と太いパイプ役になると想定される特別任用の人材を迎え、「諸課題に着実に取り組み、成果が求められる年度とする」とのことです。今回の人事配置は、縦割り組織を是正する意味でも大きいと考えますが、現状の組織の問題点はどのようなところにあるとお考えでしょうか。具体的な事例を挙げてご説明ください。また、部長以上、副市長以下の権限を持つ役目と思いますが、市長の目指す政策を忠実に反映するためにどのような工夫や取り組みを考えているでしょうか。これまでと異なる意思決定のプロセス等はあるのでしょうか。  3)また、新たな人事配置による達成目標は何か、当面の任期の中でどのような成果を見込もうとしているのかについても具体的に伺います。そして今回の特別な人材登用が市政にとって意義あることであることを明確にしていただきたいと思います。 (6)安倍首相は施政方針演説において「子育て世代包括センター」を全国に展開していくことを表明していますが、「多摩市版地域包括ケアシステム」の想定するセーフティネットの仕組みはどのようなものになるのでしょうか。「高齢者の皆さんにも、支えられる側から支える側になっていただくことが必要と考えている」とありますが、具体的なイメージが示されているとは言えません。多摩市の健幸都市(スマートウェルネスシティ)とは、全ての市民が生きがいを感じ、どのような境遇にあっても誰もが幸せを実感できることを目標にしているのだと理解しています。また、この健幸都市の要になる仕組みが「多摩市版地域包括ケアシステム」であるとも考えています。  1)現在、「健康まちづくり担当」は健康福祉部の高齢者部門に配置されており、多摩市版地域包括ケアシステム構築の第一歩は現在の地域包括支援センターの配置見直しを含めた改革だと位置づけているようです。阿部市長は当初、多摩市の目指す健幸都市は、他市の高齢者中心の例にとどまらず、子育て世代や障がい者も対象にした取り組みを唱えていたと認識しています。そうしたもとに取り組まれる多摩市版地域包括ケアの取り組みを意識するのですが、現況に照らせば、「多摩市版」と冠をつける独自システムには、「子育て世代包括センター」を展開する道筋は含まれていないようにも感じます。今後、「多摩市版地域包括ケアシステム」をどのように展開していこうとするのか、あわせて、「子育て世代包括センター」の必要性に対する見解と今後の取り組みについて伺います。  2)また、健康無関心層への働きかけを強めながら「健幸都市」の実現に取り組んでいくとのことですが、健康無関心層とはどのような対象のことを言い、また多摩市では健康無関心層の割合はどのくらいなのでしょうか。また、健康無関心層は多世代にわたって存在するとも思われますが、どのようなアプローチを強めていくつもりなのでしょうか。  3)健康無関心層の問題については、健康格差への対策が必要とも言われています。既に先行研究においては、健康格差問題と社会的弱者との相関関係が明らかにされていると思います。健幸クラウドシステムを導入し、市の保有する情報を活用しながら、科学的根拠に基づく現状分析を行っていくようですが、保有するデータをどう活用しようとしているのか伺います。 (7)「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の共通戦略は子育て世代や若者の声を聞き、ニーズを捉えること、効果的に情報を発信することであるとありますが、そもそもまち・ひと・仕事の創生とは、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立しなければならないと認識しています。  1)「しごと」か「ひと」か、「卵」か「ひよこ」かの議論をするつもりはありませんが、「多摩市」には現状で、どれだけの雇用創出の潜在性があると考えているでしょうか。企業、事業者に協力を求めることも必要と思いますが、そのためにどんな戦略を練っていこうとされているのか伺います。  2)女性の活躍推進や介護離職ゼロに対し、国が果敢に挑戦することについては肯定的に捉えているようですが、多摩市としてこれらにどのように取り組んでいこうとされているのでしょうか。  国は、企業における女性の登用促進とともに、女性起業家の支援も重要だとしています。女性が起業時に望む支援策は男性起業家の望む支援策とは違いがあるとの指摘もありますが、女性センターやビジネススクエア多摩における今後の展開はどのように検討されていますか。また、市役所における女性の活躍推進についてもお答えください。  介護離職ゼロについては、多摩市の現状や実態をどのように把握され、「多摩市版地域包括ケアシステム」との関連も含め、今後対策を進めていくのか伺いたいと思います。  3)新たな地域社会の担い手としてNPOが注目され、NPOという働き方も選択肢の1つに存在しています。多摩市でも早い段階でNPO支援に取り組んできましたが、多摩NPOセンター事業は一定の役割を終え、次年度以降継続されないことが決まっています。今後、この分野に対しては、どのように取り組んでいこうとされているのか伺います。  4)かつて多摩市では「新しい公共」という表現が盛んに使用されていましたが、今ではほとんど聞くこともなくなった気がしますが、市長の「新しい公共」に対するご見解を伺います。 (8)いよいよ多摩ニュータウン再生に向けても「方針」から「行動」へシフトするとあります。遅々として進まなかった取り組みが加速するとき、そこにはめぐりあわせやタイミングがあると考えています。諏訪2丁目団地の建て替えも動きそうで動かない状態を乗り越えて、今に至っています。一連の取り組みについて振り返って思うことは「いざ、動く」ときに準備ができていなければ、動かないということです。  1)「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、永山地域多摩ニュータウン初期入居地域への取り組みとあわせ、聖蹟桜ヶ丘地域地区への取り組み、また多摩センター地域地区についても取り組んでいくことが示されています。それぞれ地域地区には成り立ちの歴史があり、それに伴った特色があります。多摩市全体として、地域地区の特色を生かした取り組みを進めていくことが求められます。都市計画マスタープランでも地域地区の違いを意識した方針が示されていますが、それに基づいた「にぎわい創出」を政策誘導することも必要であり、そのために関係者と連携することが求められます。関係者に向けては単に努力や協力を呼びかけるだけでなく、全国のさまざまな事例などに学び、情報提供していくことも必要です。それぞれのエリアごとにまちの魅力づくりに向けて、商業活性化支援やにぎわい創出に取り組んでいると思う一方で、全体像が見えているかと言えば必ずしもそうとは言えない現状があるように思います。過去には多摩市商業活性化計画を策定したこともありましたが、多摩市として、それぞれの地域の特色をさらに発展させていくようなグランドデザインも描き、必要な対応を講じていくべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。  2)また、4年後になった東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、スポーツの機運醸成だけでなく、いかにホスピタリティにあふれた「おもてなし」ができるまちになっているかが重要だと考えます。ホスピタリティを大切にする市長が考える「多摩市のおもてなし」というものは、どういうものか伺います。空き家対策の一環として、「特定空家」対策の条例提案が予定されていますが、ちまたで話題になっている「民泊」について、どのような見解をお持ちでしょうか。また、市内には体育学部を有する大学があり、選手が事前練習をするにもふさわしい設備を保有していると伺っていますが、海外からの選手受け入れなど連携した取り組みをする予定などはあるのでしょうか。ご見解を伺います。  3)同時に、東京オリンピック・パラリンピックを契機にした教育活動の展開にも力を入れていく方向が示されていますが、子どもたちが身につけるべき国際感覚、あるいは共生社会について、時代や社会の要請をどのように受けとめておられるでしょうか。法務省では第5次出入国管理基本計画を策定していますが、今後、少子高齢化の進展を踏まえた外国人受け入れ問題、外国人との共生政策を検討し、進めていくことが必要です。国では、内外資源の融合によるイノベーションや地域での投資拡大・雇用創出を通じて、日本経済の成長力強化及び地域活性化への貢献を推進していくともしています。「世界で一番ビジネスがしやすい国」の実現を通じて、対日直接投資の推進をしていくとのことです。オリンピック・パラリンピックの開催を通じて、海外から多摩市が評価される要素や魅力づくりにも目を向けていくべきだと考えます。お考えを伺います。 (9)先日、多摩ニュータウン再生シンポジウムにおいて、市長は「みどりが豊か」だけでないまちの魅力づくりが必要だと述べておられましたが、やはり「自然と暮らしの調和」の視点を大切にして、街全体の魅力向上を継続してほしいと願っています。ネイティブアメリカンに伝わることわざに、「自然は祖先からの贈り物ではなく、子孫からの預かり物である」というものがあります。私はこの言葉がとても好きです。未来の視点から「いま」を捉えていきたいものです。  1)多摩市内には環境にかかわって活動する団体や市民も多く、市民協働を柱にした環境保全活動を今後も後押ししていきたいと思います。その際に、拠点の1つにもなっているグリーンライブセンターはパルテノン多摩と同時期に開館し、老朽化が進んでいるのは周知のとおりです。今後、施設の存続問題を含め、議論されていくことと思いますが、公共施設のあり方を考えている現状に照らせば、緑化推進の拠点だけにとどめていくことがふわさしいと言えるでしょうか。環境学習拠点として、運営内容の幅を広げることにより、施設としての可能性がより進化していくと考えますが、見解を伺います。  2)環境に優しいライフスタイルへの転換や事業活動の徹底など、今後もさらに取り組みを強化していくことは当然のことです。「クールシェア事業」や「省エネチャレンジコンテスト」の引き続き実施など、一人ひとりの市民の行動を促していくことは必要なことだと思います。  しかし、今、市民の最大の関心事は4月からの「電力自由化」問題です。電力自由化は消費者にメリットの多い改革だと言われていますが、特に高齢者の間では、どうすればいいのかわからず、どこに相談に行けばいいのかわからないという声も伺っています。  経済産業省電力取引監視等委員会と国民生活センターは、電力小売自由化に向け、消費者保護を強化するための連携協定を締結していますが、消費者がトラブルに巻き込まれない環境整備について、市民に身近な自治体の取り組みが注目されます。お考えを伺います。 (10)行政の公平性や公正性はいかにあるべきか。これについては私たち議会も常に意識し、物事の判断をしていかなければばらないと考えています。「税の負担と公平性」はいつの時代も課題になってきましたが、さきに紹介したネイティブアメリカンの言葉をかりて考えるなら、私たちは「過去」の歴史に学びながらも「未来」の視点から「現在」を捉えていくことを大切にしたいと考えています。  来年度は、図書館行政についても「新たな本館」建設に向けた基本構想の策定が動き出します。また、市庁舎の問題についても検討が進んでいきますが、「未来」からの視点はどのように盛り込まれていくのでしょうか。  アメリカのデューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏は「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時には今は存在していない職業に就くだろう」と指摘をし、波紋が広がりました。例えば、図書館の補助員も「消える仕事」の1つになっています。業務の合理化・効率化が求められ、それに対応できる技術革新もどんどん進展しています。しかし、私たちはやはり「人を介する」ことの必要性や重要性を再認識する必要があるのではないでしょうか。そして、そこにきちんと人を手当てし、対応していける行政をつくっていくべきだと考えています。  市長は今の時代を捉え、「未来に向けて夢を持つことが肝要」としています。私たちもそのお考えを否定するものではありません。しかし、そもそも夢を持つことを諦めざるを得ない環境に置かれている市民の存在に目を向けることこそが重要だと考えています。障がい者の差別解消、子どもたちの貧困問題、女性と貧困の問題、年金生活者層の格差の問題、若年世代の非正規労働の問題などなど。「貧困・格差問題」にどう手を差し伸べていくのでしょうか。そのための対策をどう考え、取り組んでいこうと考えておられるのでしょうか。職員定数もふやせない中、これらの社会の課題に取り組んでいくためには、行政だけでは対応できないことは明らかです。そしてまた「公共をつくる」のは行政だけでないことも事実です。とは言え、「市民協働」は錦の御旗でもありません。どう市民と協働するべきなのか、現場で考えることのできる組織が必要です。  多様化する価値観や直面する課題の複雑化、そして問題が山積している今、この状況の中で「結果を出す」ことはなかなか難しいことは理解します。しかし、2期目の折り返し点を迎える市長が残り2年で「これだけは結果を出す」と考えていることは何ですか。目標をしっかりと示すことなくして、組織は一致団結して動かないのではないかと感じています。独裁的権限を振るってほしいと申し上げているわけではありませんが、「これだけは達成したい」とする市長の具体的な向こう2年間での目標を最後に伺って、私の代表質問を終わりとしたいと思います。  ご答弁の後、必要があれば再質問したいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(萩原重治君) この際暫時休憩いたします。          午前11時49分休憩     ──────── - ────────          午後1時00分開議 ◯議長(萩原重治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  答弁からです。阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 改革みらいの代表質問にお答え申し上げます。  (1)の1)についてお答えします。  塩野七生さんは、紀元前508年「人類史上初めて、一般の市民までが積極的に国政に参加できる政体が誕生したのである」と20歳以上の成年男子の全員が投票権を持つ「市民集会」が最高決定機関となった、と紹介しています。古代アテネの「デモクラシー」は紀元前322年まで、170年以上続くことになります。まさに稀有壮大な物語です。  とはいえ、当時のリーダーは名門家による特権階級により支配されていたこともまた事実です。さて、現在、進められている米国の大統領予備選挙の論戦を見ていると現代の「デモクラシー」の現実に驚愕するものもあります。  ご質問ですが、民主政下において求められるリーダーシップとは、多様な価値観に寄り添い、さまざまな意見に耳を傾けながらも、未来を見据えた総合的な決断をしていくこと、その決断のプロセスを大事にすること、説明責任を果たすことであると考えます。  今、本市は、人口減少や急速な高齢化、公共施設の老朽化、街づくりの再生など、時代の転換点とも言える難しい課題に直面し、市民の皆さんとともにそれを乗り越えようとしています。  時に利害関係がぶつかり合う課題もあります。私は、多摩市政を預かる市長として、主権者である市民の皆さんの声にしっかりと耳を傾けながら、市民の代表たる市議会の皆さんとともに、未来を見据えた決断をし、しっかりと説明責任を果たしていく決意です。  次に、2)についてお答えします。  国会における質疑の中で、安倍首相は、「国会は発議するだけで、決めるのは国民だ。国会が国民に決めてもらうことすらしないのは、責任の放棄ではないのか」と述べ、改めて憲法改正に前向きな姿勢を示しています。しかし、具体的な憲法の改正内容については、「国民の理解が不可欠で、国会や国民的な議論と理解の深まりの中で、おのずと定まってくる」と述べるにとどめ、具体的な言及はなされませんでした。  私は、施政方針の中でも述べましたが、「国のかたちを決める憲法の改正」は、国会議員だけでなく、国民相互の「熟議」が必要であると考えます。また、「非核平和都市宣言」を行っている自治体の長としては、二度と戦争を起こさないという不戦の誓い、被爆国として、核兵器の廃絶の先頭に立つことを確認した上で、熟議を尽くすことが重要であると考えます。  次に(2)の1)についてお答えします。  本年1月にまとめた「多摩市政世論調査報告書」の回答状況を見てみると、「市政への関心度」は、「関心派」は男女ともに高年齢層ほど高く、「無関心派」は、若年層で高くなっています。また、市政に関心のない理由としては、「忙しくて市政について考える暇がない」という理由が男女とも30歳代から50歳代で高い傾向を示しています。こうしたことから、本市のまちづくりにおける課題等を共有するに当たっても、若者や子育て世代、仕事を持ってなかなか市政に参画する機会がない方など、いわゆる「声なき声」をどのように受けとめ、あるいは情報を届け、どう参画していただけるかを考えることが重要であると認識しています。  現在でも、スマートフォン等を通じた市政情報の発信や無作為抽出による会議への参画などを行っていますが、SNSやオープンデータの活用などにより、市政に関心を持っていただき、ご意見をいただきやすい工夫をさらに重ねていく必要があると考えています。  次に、2)についてお答えします。  「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の策定過程、及び、平成25年11月の策定以降も、大変多くのご意見等を市民の方々からいただいています。  ご案内のとおり、多くの声は個別施設の存廃に関する部分で、施設利用者や周辺にお住まいの方々がこの問題に対して主体的に勉強会や署名活動を展開されたものと認識しています。  これまでも、自治基本条例のもとに「市民主体のまちづくり」を重視する視点から「情報の共有」、「意見表明」、「検討プロセスへの参加、参画」などに努めてきました。  「市民の主体性」について、簡単に評価できるものではありませんが、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の見直しに当たっては、これまでいただいた多くのご意見はもとより、昨年から実施してきた政策情報誌の発行による「情報共有」、無作為抽出アンケートによる「意見表明」、ワークショップの開催による検討への具体的な参加・参画の機会づくりを行ってきました。これらを通して、参加された市民の方々は主体的に公共施設の更新問題に向き合い議論をいただいたところです。これらの取り組みの中で、検討していただいた検討内容や意見については、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の更新で反映させていただきたいと考えています。  次に、(3)の1)についてお答えします。  パルテノン多摩については、昭和62年開館以来、質の高い文化芸術の発信と、市民文化活動の支援を基軸として、多摩センター地区の活性化にも大きく寄与してきました。  一方、建設から30年近くを経て、施設設備の劣化及び技術革新による陳腐化が進んできました。また、平成24年制定の「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」に、「地域社会の絆の維持及び強化を図るとともに、共生社会の実現に資するための事業を行う」とされたように、公共ホールに新たな役割も求められています。  今回の改修においては、大規模設備の劣化の改修や、特定天井などの法令適応、誰もが快適に利用できるようなバリアフリー対策や環境配慮などが大きな部分を占めます。  しかし、パルテノン多摩の役割を整理する中で、こうした社会的な要請に応えるために部屋の機能を変えていく必要性も想定できます。  たとえば、4階のキッズファクトリーは今後も子どもやその親の世代に特化していくのか、それとももっと多世代交流、国際的な交流などを意識した場としていくのかなど、今後、基本計画の検討の中で、市民の皆さんのご意見等もいただきながら、今後を見据えた「再生」としての内容も加味し、時代の要請に応えていく施設としたい考えです。  次の2)については、教育長からお答えします。  3)についてお答えします。  市役所庁舎のための財源として、「多摩市役所庁舎増改築基金」があり、平成26年度末時点で約15億4,800万円の残高があります。現在、庁内関係課長で構成する「多摩市役所庁舎のあり方検討チーム」で今後の庁舎のあり方について検討をしていますが、庁舎整備に当たっては、いわゆる頭金に当たる部分の財源が、想定事業費の3割から5割程度あることが望ましいと考えており、現在、当面の目標として、遅くとも本庁舎B棟が築60年となる平成41年度までに総額30億円の基金残高を確保したいと考えています。平成27年度は、当初予算の1億円に加え、3月補正予算で追加の1億円の積み立てを行うことで、目標に向けさらに一歩近づけていきたと考えています。今後の庁舎建て替えの具体化に向けた検討の中で、基金の目標額や積立計画を明確に定めていく必要があると考えています。  次に、4)についてお答えします。  税制改正による法人市民税の減収は、平成28年度から30年度までの3年間で、累積約28億5,000万円を見込んでおり、このうち法人実効税率の引き下げによる影響が約12億6,000万円、法人市民税の一部国税化によるものが約15億9,000万円となります。平成23年度の実効税率引き下げの際は代替財源として市たばこ税が増額されましたが、その後の改正に係る減収分の手当てはありません。  特に平成29年4月の消費税率10%への引き上げとあわせ法人市民税の一部国税化の拡大が予定されており、影響が平年度化する平成30年度以降を単年度ベースで見ると、地方消費税交付金の増収見込額、年間約4億5,000万円が法人市民税の減収でほぼ相殺される見込みとなります。  消費税率の引き上げは、急速に進む少子化や高齢化に国と地方を挙げて取り組むための安定的な社会保障財源の確保を目的とするものですが、一連の税制改正の動きは、本市にとっては逆に法人市民税の減収を消費税率の引き上げで補完する形となります。一般財源の減収は地方自治体の財政運営に非常に大きな影響を与え、長年の企業誘致の努力や自治体経営の自立に向けた取り組みを大きく損なうものです。地方分権にも逆行すると言わざるを得ません。  必要な社会保障財源を確実に確保し、社会保障施策に影響が生じることのないよう、東京都市長会を通じて、強く働きかけてまいります。  次に、(4)の1)についてお答えします。  先般2月に開催した総合教育会議では、持続発展教育・ESDを議題として、「子どもみらい会議」に関する取り組みをはじめとした市と教育委員会の取り組みについて意見交換しました。  総合教育会議は、教育委員会と市長とが意思疎通を図ることや、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層の教育行政の推進を図る場としての機能が求められていることから、毎回、一定のテーマを決めて議論を進めています。次回7月に予定されている会議では、「SNS東京ルール」について意見交換する予定です。  市政に関心のある市民をふやしていくために、教育委員会の取り組みと市長部局の取り組みをつなぎ、子どもたちの率直な意見や提案を市政に生かしていくことは大変重要な視点と考えます。これを有効に進める機能として総合教育会議を活用することも考えられますが、現在の会議の回数が年2回と限られていることなどから、まずは総合教育会議において双方の取り組みの共有化を図りつつ、教育委員会部局と市長部局が連携して、具体的な取り組みにつなげていきたいと考えています。  次に、2)についてお答えします。  現在、選挙管理委員会では、子どもたちへの主権者教育として、さまざまな取り組みをされています。  また、教育委員会では「子どもみらい会議」、市としても、先般、多摩ニュータウン再生の取り組みの中で「中学生と市長の懇談会」や、小・中学生の作文、絵画、標語の募集展示と表彰を行い、私たち大人では見過ごしてしまうような、すばらしい意見をたくさんいただきました。  こうした取り組みを通じて、今後も、市内で学ぶ大学生を対象とした「市長と市民との対話会」、成人式実行委員会の取り組み、多摩市青少年問題協議会で小・中学生を対象に行ったSNSなどの携帯端末の利用実態調査など、現状把握をしっかり行い、若い皆さんの声や希望が届く市政運営を行ってまいりたいと考えております。  2)の後段については、選挙管理委員会事務局長からお答えいたします。  次に、3)についてお答えします。  平成25年度より始めた子ども広島派遣も3年間で小・中学生20名を派遣させていただきました。参加した子どもたちは実際に被爆地に行き、さまざまなものを見たり聞いたりする中で、自分の考えや平和への想いを深めて、自分たちがすべきことを考え、それを伝えてきました。  平成28年度は、もう1つの被爆地である長崎に中学生を派遣します。現地では資料館の見学、平和祈念式典への参列、また「青少年ピースフォーラム」に参加して、被爆の実相や平和の尊さを学びます。そして現地の青少年や日本各地から派遣されてくるメンバーと交流を深める中で平和意識の高揚を図ります。  今後は3年に1回を長崎、2回を広島に派遣する予定です。長崎につきましては移動距離、体力的なことなども考慮し、中学生を対象としたいと考えています。また、来年度は小学生も原爆のことを学べる機会として、新たに各地の小・中学校で特別授業を実施している「NPO法人原爆先生」による学習会を予定しています。今後も次世代に戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えていくために子どもたちと平和を考えていく機会をつくっていきたいと考えております。また、市長としても、中学生に積極的に呼びかけていく決意です。  次に、(5)の1)についてお答えします。  公務に期待される能力を有する多くの優秀な職員を幅広く採用できるよう、「一般技術職における有資格者は1次試験免除」など職員採用試験においてさまざまな工夫を実施してきました。
     その中で、多摩市をよく知り、多摩市に愛着を持ってくれる人を採用するため、職員採用の広報活動において、市内をはじめ近隣市の大学を対象に就職セミナーを実施したり、面接選考においては、志望動機など丁寧に確認しながら、多摩市のために働こうという意欲の高い人材の採用に努めています。  また、採用後の新任研修においても、職員自身の足で市内を歩き、多摩市の地域特性を理解するための「フィールドワーク」を取り入れて、多摩市の実情について肌で感じる機会を設けています。  今後につきましても、多摩市をよく知り、多摩市に愛着を持ってくれる人をより多く採用できるよう努めてまいります。  退職者が出た場合の技能労務職の採用につきましては、業務の効率化を目的とした民間活力の導入と人件費抑制の視点から、不補充方針を決定し、再任用職員や非常勤職員を活用してきました。  その取り組みの1つとして、昨年、非常勤一般職に「学校補助用務員」という職種を追加し、学校環境の整備に努めており一定の効果を得ている状況です。  今後、技能労務職を取り巻く社会状況の変化や、必要性、非常勤職員の活用、他自治体の技能労務職場における人事施策などを検証し、具体的な技能労務職場の執行体制のあり方及び平成29年度以降の新たな採用について方針を決定していくため、現在、庁内関係所管と検討を進めているところです。  次に、2)と3)について、一括してお答えします。  このたびの「政策監」の任用は、現在の組織に問題があるとの認識から設置するものではありませんが、本市が進める健幸都市(スマートウェルネスシティ)の取り組みを強力に推進するためには、縦割り的に健康福祉分野にとどまるのではなく、全庁にまたがる組織を、「健康で幸せ」の切り口から横断する発想や調整が必要になることから、その取りまとめ役として、効果的にリーダーシップが発揮されるための新たな仕組みとして設置するものです。  意思決定のプロセスなどについては、まずは、健康福祉部における総合調整機能の発揮が中心になるとは考えますが、部を超えた横断的な調整が効果的、かつ機動的に進むように検討しているところです。  また、現在、スマートウェルネスシティの取り組みを国の政策として進めている厚生労働省からの任用を想定して調整を進めていますが、国の第一線に立つ人材に、地方自治体の現場である多摩市の実情をよく理解していただき、本市の課題や取り組みを国の政策にも生かしていただくこと、国の知見を効果的に活用すること、さらに、国を通じて、本市の取り組みを全国に発信していただくことなど、今後の市政にも大きな果実をもたらすものと考えています。  2年の任期の中では、国の知見や、国とのパイプを生かしつつ、本市が目指すスマートウェルネスシティ政策の展開に向けた基本計画や方針等を取りまとめ、「スマートウェルネスシティ・多摩」構築への道筋をつくることが、第一の目標になると考えています。  次に(6)の1)についてお答えします。  本市が目指す「健幸都市」(スマートウェルネスシティ)を進める上の5つの大きな柱の1つが、「多摩市版地域包括ケアシステム」であり、独り暮らしや高齢者のみ世帯、認知症や障がいがあるなど何らかの支援が必要な方々が、介護や福祉等の必要なサービスを利用しながら、自立した生活をできるだけ長く続けられるように地域ぐるみで支える仕組みです。  具体的な「多摩市版地域包括ケアシステム」の進め方や展開については、来年度より開始する予定の産官学連携による(仮称)健幸まちづくり推進協議会や庁内会議である(仮称)健幸まちづくり推進本部等で検討してまいりたいと考えています。  また、子育て世代包括支援センターは、国の「まち・ひと・しごと創生基本方針」等において、妊娠期から子育て期にわたるまでのさまざまなニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点の整備を図るとともに、保健師等の専門職等が全ての妊産婦等の状況を継続的に把握し、必要に応じて支援プランを作成することにより、妊産婦等に対して切れ目のない支援の実施を図るものです。いわゆる「日本版ネウボラ」で、市としても目指すべき方向性の事業と考えています。  現在多摩市では、子育て総合センターにおける、子どもと家庭に関する総合相談窓口の開設や、妊娠期から18歳まで切れ目ない支援施策として、地域子育て支援拠点に常設の子育てひろばを整備するとともに、身近な地域で相談ができるよう子育てマネジャーを配置した利用者支援事業を進めております。  まずは、地域子育て支援拠点における地域での顔が見える関係の中で安心して子育て等の相談ができるよう相談支援を充実させていきます。また、子育て総合センターを中核として子育て支援のネットワークの構築に取り組んでまいります。  将来的には、母子保健の専門性を生かして母子保健事業とどのように連携していくのか、先進自治体の取り組みなどを参考に、多摩市版地域包括ケアシステムとの連動または一体的な仕組みの構築をしてまいりたいと考えます。  次に、2)についてお答えします。  現在、私が加入する「スマートウェルネスシティ首長研究会」では、健康づくりに関心が薄い層、健康に関する情報収集を行っていない層を「健康づくり無関心層」としています。  また、この割合については一般的に7割とされており、本市においても同程度と認識しております。  さらに、この健康づくり無関心層は多世代にわたって存在すると思われるので、成人期・高齢期等の生涯を通じて健康な生活習慣を継続するためには、子どものころからの健康づくりが重要という認識を持っています。  一方、学校教育等においては、健康の保持・増進に関する学習がされていますので、今後については、成人以降、特に成人病が問題となる40歳代以降を中心にメタボリック・シンドローム対策を含めて総合的な健康づくりのアプローチを強めていきたいと考えています。  次に、3)についてお答えします。  健康クラウドにつきましては、国民健康保険被保険者の医療レセプト・検診等の情報と介護保険被保険者の情報及び健康に影響する都市環境等の情報を一元的に分析することにより、健康に関する地域ごとの詳細な現状分析等を可能とするものです。  このため、この現状分析に基づき、地域ごとの状況を見える化し、身近な地域の現状等を市民に伝えることで、自律的な健康づくりへの意識醸成を図り、健康づくり無関心層への意識変容の働きかけに活用することなどを想定しています。  次に、(7)の1)についてお答えします。  最近の雇用情勢ですが、東京においては有効求人数が有効求職者数を上回る状況が続いています。働き方が多様になってきているということもあり希望職種と求人職種のアンバランスさがないわけではありませんが、企業側の求人意欲は衰えていないと見ることができます。東京都信用金庫協会の中小企業景況調査では、「悪い」と見ている企業は減少、職種によっては「回復の兆しが見える」という状況と見ています。市では今後も就業労働相談事業の中で関係各機関との連携を深め、市内での就職セミナーや合同企業説明会、合同就職面接会なども開催し、これらの事業に市内企業が積極的に参加してもらえるよう働きかけていきます。  また、雇用創出を目的の1つとして企業誘致条例で企業の立地促進に取り組んでいます。今後も情勢変化に呼応しながら、引き続き企業の立地促進に取り組んでいきたいと考えています。  次に、2)についてお答えします。  多摩市では男女平等・共同参画社会の実現を図るため、条例を制定し、行動計画を定め、国に先駆けて女性の活躍についても取り組みを進めています。  まず、TAMA女性センターでは、職場の人間関係や仕事を始める際のさまざまな悩みに対して、専門知識を持った相談員が面接や電話で相談に当たっています。  また、講座やイベントを通じて、起業や就職の際に生じる、女性を取り巻くさまざまな課題に対し、解決に向けた取り組みを今後も継続して推進していきます。  ビジネススクエア多摩では、女性も含めた全ての創業者・創業希望者に対する支援を行っています。  現状でも、創業塾などへの女性の参加は多いものの、ビジネススクエア多摩への入居につながっていないのが実態です。  今後に向けては、コミュニティマネジャーがビジネススクエア多摩の滞在期間を長くし、丁寧な相談やきめ細かい対応をすることで、女性の創業につながる支援を強化していきたいと考えています。  次に、市役所内部における女性の活躍推進については、この法律で特定事業主行動計画の策定が義務づけられていることから、女性職員の採用率、職員割合、勤続勤務年数の男女差など全部で9つの必須項目を中心に、市役所内部の女性活躍の状況等を把握・分析し、具体的な取り組み内容及び目標値を記載した計画を3月末までに作成し、4月から実施していく予定となっています。  多摩市における介護を理由とする離職者の現状については、多摩市高齢者実態調査における「介護による仕事への影響」の項目で把握しているところです。平成22年度と平成26年度の調査を比較しますと、介護保険居宅サービスを利用した方の介護者の方で、介護により退職した方が、平成22年度は13.1%から平成26年度に11.3%に減少、及び介護保険サービス未利用の方の介護者の方でも、退職した方が平成22年度の12.8%から8.2%に減少しています。  国においては、2020年代初頭までに介護離職をなくすことを目指して、介護する家族の就労継続への支援に効果的な介護サービスのあり方を的確に把握するため、調査手法の開発のための調査研究事業を実施することとなっています。その後、各自治体がこれを効果的に活用し、地域のニーズ把握を行い、第7期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に活用することとなります。本市においても、この国の調査研究事業を注視し、多摩市版地域包括ケアシステムにおける横断的相談・支援機能の充実を図る中、対応を図ってまいりたいと考えています。  次に、3)についてお答えします。  多摩NPOセンターは平成12年5月、公設備、市民設立、市民運営の理念のもと、中間支援組織として都内でもいち早く開設され、これまで講座や情報発信等を通じて、NPO法人の設立や運営、事業支援に取り組んできました。  そして現在、多摩NPOセンターの活動をはじめ、NPOの発展に携わってこられた多くの市民の活動の積み重ねの成果として、多摩市には80を超えるNPO法人や、法人格を持たないNPOがさまざまな場面で地域社会の担い手として活躍されています。  多摩NPOセンターの設立から約16年が経過した今、NPO法人の設立や活動などの相談支援は市民協働担当や多摩市社会福祉協議会が、ビジネスに係る事業相談や支援はビジネススクエア多摩が、NPO法人の運営や会計処理など個別詳細な相談支援は東京都社会福祉協議会が行うなど、多様な支援体制が整っています。  こうした中、平成26年4月に多摩NPOセンターがヴィータへ移転したことを機に、今後の事業の必要性について多摩NPOセンターの方々と検証を行った結果、開設当初から担ってきた機能が市内外に整備されたことを受け、平成28年3月をもって事業の終了と組織の解散を決定しました。  本市では今後、さまざまな関係機関と連携してNPO団体の活動支援とともに、協働の推進を図ることが重要であると考えています。  また、時間とともに変化する地域課題や行政ニーズを捉え、改めて市内NPO団体の活動内容を把握し、新たな協働につなげるための仲介機能を強化して、今後さらなる市民協働の推進に取り組んでまいります。  次に、4)についてお答えします。  「新しい公共」とは、行政のみならず、市民、NPO、事業者など、多様な主体が対等な立場で協働・連携し、適切に役割分担しながら「公共」の領域をともに担っていこうとする考え方です。  この考え方は、第五次多摩市総合計画基本構想の「第1章 まちづくりの基本理念」、「1、市民主権による新しい地域社会の創造」でも述べており、市として、現在もその考え方を継承しています。  地域の多様な主体によるまちづくりは、今後も豊かな地域社会を構築していく上で、大切にしなければならない考え方であると認識しています。  次に(8)の1)についてお答えします。  地域ごとのまちの魅力づくりに向けたにぎわいの創出や地域活性化への取り組みについては、平成15年3月に策定された「多摩市商業活性化計画」の中で、タイプ・エリア別の施策展開として示され、既に計画に沿った取り組みとして実現しているものがあります。  永山地区では、コンパクトな生活拠点として、商業施設の核であるグリナード永山が定期的にイベントを開催し、にぎわい創出を行っています。  また、ベルブ永山内の永山公民館が中心となって、多くの市民団体が参加する「永山フェスティバル」も、地域最大のにぎわい創出イベントとして定着しています。  聖蹟桜ヶ丘地域では、地域の市民団体による映画「耳をすませば」を活用したまち歩きの取り組みが定着し、新たな市民協働による活性化事業「せいせきみらいフェスティバル」での花火打ち上げの試みなど、他地域とは違った取り組みが始まっています。  今後、駅周辺地域では、低未利用地の有効活用の促進などにより、にぎわいの連続性や回遊性のある地域を目指していきます。  多摩センター地区では、「サンリオピューロランド」のハローキティを活用し、「ハローキティにあえる街」事業として、キャラクター演出による街全体のエンターテイメント的な魅力づくりを進めています。  また、地区内の企業等で構成する「多摩センター地区連絡協議会」への支援と連携により、四季折々の特色あるにぎわいイベントを開催して、内外からの誘客を図っています。  多摩センター地区での今後の展開としては、現在、都市再生整備計画を検討していますが、今まで社会実験として実施してきたオープンカフェの本格実施に向けた取り組み等を進めてまいります。  以上のことから、これまでの事業の継続はもとより、今後、地域ごとに個別の計画を確実に推進することで、街それぞれの地域の特色が出て、経済の活性化やにぎわいの創出につながっていくよう取り組んでまいります。  次に、2)についてお答えします。  本市では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、庁内一丸となって取り組むため、昨年9月にプロジェクトチームを設置し、本年2月に「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた多摩市の取組方針」を取りまとめたところです。  2020年の東京大会は、東京に国内外の注目が集まり、多くの観光客の来訪が見込まれるなど、本市の知名度を高め、魅力を発信する絶好の機会であると考えています。  ご質問の「多摩市のおもてなし」とは、訪れる方々に多摩市の魅力を満喫していただき、心地よく過ごしていただくことだと考えています。観光ボランティア活動の促進や、多言語に対応した環境整備などにより、訪れる方々を安全・安心で快適に迎えるための取り組みを進める考えです。  急増する訪日外国人の宿泊需要に応えることは、まちの活性化の面でも重要ですが、一方で、民泊については、近隣住民とのトラブルなど課題も少なくないと認識しています。国は検討会を設置し、今後の民泊サービスのあり方について検討を行っており、今後の国の検討状況を注視しながら、適切に対応していく考えです。  また、市内に立地する大学は多摩市の財産であると認識しています。海外からの選手の受け入れや市民の健康づくりに向けて、大学との協力体制を強化していく考えです。  次に、3)についてお答えします。  日本を訪れる外国人や日本で働く外国人は年々増加しており、外国人との共生が当たり前の社会になりつつあります。  2020年の東京大会は、子どもたちにとっては、その感動と体験を通して世界を意識するまたとない機会です。オリンピック・パラリンピックを通して世界の文化や歴史を学び、交流を通して国際感覚を身につける機会としていくことが重要であると考えています。  また、外国人から見た多摩市の魅力は、緑あふれる恵まれた住環境や、世界的な知名度を持つキャラクター、江戸時代の古民家や多摩よこやまの道など、さまざまであると考えられます。海外からの視点も意識しながら、市民や市内の企業などと連携して、これらの多摩市の魅力にさらに磨きをかける取り組みを推進してまいります。  次に、(9)の1)についてお答えします。  グリーンライブセンターは、緑化に関する講習会や自然体験学習など、都市の緑化を推進し、市民の良好な生活環境の向上を目指してさまざまな事業を実施してきました。また、平成23年度からは、大学・市民団体及び市の三者連携による管理運営を開始し、それぞれの特徴を生かした事業を行っています。自然体験学習をはじめ、ごみ問題やエネルギー等環境分野全般の講習会を年間150講座開催しているほか、ESDの支援、多摩センター駅周辺で行われるイベントへの参加など、幅広い領域にわたって活動しています。  今後は、改修の機会に合わせ、環境学習の拠点としての機能をさらに発揮できるような検討を行い、充実を図っていきたいと考えています。  次に、2)についてお答えします。  電力については、本年4月1日から、一般家庭向けの電気の小売り販売への新規参入が全面自由化され、これまで各地域の電力会社が独占的に電気供給を行っていた電力市場が開放されることで競争の促進が期待されます。  消費者にとっては、電力を販売する会社を選べるようになり、電気代の削減やこれまでになかったサービスを受けるなどのメリットが期待されるほか、電力会社によっては、太陽光、水力、風力といった、発電に利用している電源の構成内容や比率を公表しているところもあり、より環境に優しい電気を選択することも可能になります。  一方、電力自由化に際して消費者がトラブルに巻き込まれることも想定され、資源エネルギー庁においては電力自由化専用のナビダイヤルを設置し、電力自由化に関する質問等を受け付けています。  本市においては、たま広報及び多摩市公式ホームページへの記事を掲載し注意喚起を図っているところですが、引き続き、啓発活動、また消費生活相談窓口の周知に努め、トラブルの防止を図ってまいります。  次に、(10)についてお答えします。  私は、ご高齢の方、障がいのある方、子どもなどの社会的に弱い立場の方、生活に困難を抱えている方々に寄り添い、耳を傾ける市政運営を行いたいと考えています。  そうした中、まずは安心して働くことができる環境を整えることが、市民の生活基盤の安定にもつながるとの考えから、官製ワーキングプアをなくすために、公契約条例の制定などにも取り組んできました。  しかし、人口減少社会の到来を見据えたときに、行政のみの力で多様化する市民のニーズに応えることは困難です。市民の皆さんとともに、誰もが健康で幸せな多摩市をつくっていくことが、私の使命と考えています。  今後2年間の具体的な行動としては、1つには「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」に向けた取り組みを進めます。  まずは、その礎となる、スマートウェルネスシティ政策の展開に向けた基本計画や方針等を取りまとめ、道筋をつくることを着実に進めていきます。いわゆる「2025年問題」への備えとして、スマートウェルネスシティの第1段階として進めている「多摩市版地域包括ケアシステム」の構築を進め、住みなれた地域で最期まで安心して暮らし続けることができる仕組みづくりを加速化します。  もう1つは、子育てしやすく、若者の活力あふれる街づくりです。「子ども未来会議」はじめESD教育のさらなる前進、子どもたちの声が響き、子ども・若者が未来を描ける環境づくりに力を入れてまいります。広島に加え長崎への子どもたちの派遣、平和を大切にしていく若者たちを育てていきます。子育てに負担感を感じない、感じさせない街づくりも目指してまいります。  いずれの課題も、短期・長期の観点から政策立案していかなければなりません。市民の皆さん、市議会の皆さんとも連携させていただきながら、いつまでも元気な多摩市であり続けられるよう、市民の皆さんお一人おひとりが、多摩市に住むことに誇りや愛着、幸せを実感していただけるまちを目指してまいりたいと考えます。 ◯議長(萩原重治君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) (3)の2)についてお答えします。  多摩市立図書館本館については、平成20年からおおむね10年間の暫定活用を行っているところです。  「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」でも、鶴牧倉庫跡地への再整備という取り組みが示されていますが、昨年、学校法人からの用地交換の申し出もあり、その実現可能性について現在検討しているところです。  現在の本館は、学校の校舎を暫定活用するために必要最小限の改修で対応しており、作業動線や管理上の課題にとどまらず、来館利用者にとっても、利便性や快適性の面で課題が多く、また多摩市立図書館全体を支える書庫も含めたバックヤード機能も不十分です。暫定活用の期限も迫っている中、本館の再構築を具体的に検討する時期に来ています。  そのため、平成28年度に、新たな本館の建設に係る基本構想の策定を進めることとしました。  一方、多摩市読書活動振興計画については、パブリックコメントと市民懇談会において、たくさんのご意見をいただきました。  現在、精査しているところですが、ご意見の数としては470件を超えるものです。  この計画は、読書活動の振興を図る取り組みや、図書館の運営の改善、特に新たな本館の再構築を行うことで、多摩市の読書活動やサービスの改善を図るためのものです。  現在、いただいたご意見をもとに計画案を精査しているところで、ご意見の数も多いことから、年度内での決定は難しい状況ですが、新たな本館の基本構想につなげていきたいと考えています。  地域館については、居場所や見守り機能など、地域の施設に市民が期待する機能との組み合わせも勘案し、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の改訂の中で、今後検討していきます。  新たな本館の基本構想の検討の中では、多摩市の図書館ネットワーク全体を見据えて、図書館本館について検討する必要があります。  施設面での行動プログラムの検討と並行して、基本構想では、地域に確保すべき図書館機能と、図書館運営全体を支える本館のあり方についても検討していきたいと考えております。
    ◯議長(萩原重治君) 越智選挙管理委員会事務局長。    (選挙管理委員会事務局長越智弘一君登壇) ◯選挙管理委員会事務局長(越智弘一君) (4)2)の後段についてお答えします。  18歳選挙権が初めて実施される今年の夏の参議院議員選挙に向けて、主権者教育の充実が求められる中で、選挙管理委員会では平成27年度に選挙啓発事業として模擬投票や出前授業を精力的に実施してきました。  政治や選挙を学ぶ早い段階からの取り組みが必要であると考え、教育委員会の協力のもと、小学校5校において出前授業と模擬投票を計7回実施し、中学校は、9月の生徒会役員選挙に合わせて選挙用資器材の貸し出し6校と、4校で有権者としての心構え等について講話を行いました。  また、昨年7月に都立永山高等学校において出前授業を実施し、3月18日には再び模擬投票の授業を行う予定です。  特別支援学校は、都立多摩桜の丘学園における生徒会役員選挙に選挙用資器材の貸し出しを行い、3月3日には出前授業と保護者向けの説明会を予定しています。  大学生に対しては、大妻女子大学の学友会後期総会において、600名の学生を前に「若者の自立と18歳選挙権」と題して講演を行いました。  こうした一連の啓発活動が評価され、3月9日に総務省の外郭団体である「明るい選挙推進協会」から「優良活動表彰」を多摩市明るい選挙推進委員会が受賞します。  次年度は、出前授業を行う小・中学校をさらに拡大するとともに、小・中・高の連携を考え、児童・生徒に「政治や選挙の仕組みなど」をわかりやすく、興味と関心が持てる内容にレベルアップしていく考えです。 ◯7番(岩永ひさか君) 大変多岐にわたる質問に非常に丁寧にお答えいただきまして、まずありがとうございました。  最後の選挙管理委員会のお答えですが、3月9日のときには今やっている一連の取り組みが評価をされるということでした。まさに多摩市らしいというか、やはり自治基本条例があるまちづくりに参加をする、参画していくということが非常にいろいろな意味で当たり前になっている、多摩市はそういうまちだと私は思っていて、その中でこういう模擬投票含めた先進的なところに職員がアイデア出しをして、こういう事業を展開していけるということは、とても多摩市らしくていいなと、うれしく思っています。  そんな中で、全体的に代表質問で気になるところだけ指摘などしておきたいと思っていますが、今回は代表質問の中で「平和」と「人権」というところにこだわりを持ちながら、市長の発言、そしてまた答弁なども伺ってまいりました。  それはやはり、今、市長の認識でもありましたが、いろいろな意味で政治の質が問われていると言いましょうか、そういう状況にあって、私たちも国のほうでの、例えば立憲主義や民主主義の質を考えていかなければいけないということを市長はおっしゃっておりましたけれども、私は、やはり同時に私たちのこのまちのいわゆる憲法とも言えるような自治基本条例、これを、今運用している私たちのこのまちの民主主義の質というものがどうなっているだろうかというところで、率直にその市長のご意見も伺いたいと思って今回は質問させていただきました。  そんな中で民主主義、やはり住民の参加というところとは切っても切り離せない関係にあるのではないかと思っておりますし、自治基本条例でも私たちは一定程度、情報共有と市民参加を進めようということで、議会のほうでも取り組みをしてきたと思っています。  それで、やはり私も、前段で申し上げましたけれども、今本当にいろいろと難しい課題がある中で、私たちは市民の参加も取り入れながら、いわゆる市長のお言葉を借りれば、まちの転換期をどう乗り越えるかというところに挑戦をしているのだろうと思っています。とりわけ「公共施設の見直し方針と行動プログラム」に関しては、これから市民の皆さんのお声もいただきながら、私たちは今後ある意味でシュリンクしていくと言いましょうか、人口の規模も小さくなっていくといった状況を踏まえながら、どういうまちにしていくのかという未来を描いていかなければいけないわけです。そこについては多分同じ土俵に立って議論を進めていけるのではないかと思っていますが、実は昨年、私は、当時はいろはの会でしたが、そのときの代表質問の中で議会と行政の情報共有について、どんな形であるべきなのかというところについてのお考えを伺っています。そのときに、お答えとしては、議会とは従来に増してより緊密な形で情報を共有して、今お話ししたような公共施設の見直し方針と行動プログラムについても更新をしていきたいというのが、このときの答弁です。  それに関連して、今回の私の代表質問の中で言えば、例えばパルテノン多摩の問題、それから図書館の問題、そしてまたもう1つ同列に並べてもいいと思いますが、今後取り組んでいかなければいけない庁舎の問題ということで、大きな財源を必要とするような、ある意味公共事業にも取りかかっていかなければいけないのだろうと思うわけですが、前回の答弁でいただいたように緊密な関係を構築しなければいけないというところに照らしますと、例えばパルテノン多摩の問題で言えば、さまざまな角度から改修手法を検討した結果、市の直接工事で行うことに決定しましたということなのですが、決定については直工で決めましたということはわかるわけですが、この「緊密な」というところに照らして言えば、私たちは緊密に情報提供されて「なるほど、直接的に工事をするんだ」というところでは納得がいっておらず、おそらく今回の定例会の中では最大の争点になっていくのではないかと思っています。  そこで伺いますが、まずパルテノン多摩の問題ですが、この老朽化対応に約60億円くらいかかるということですが、これが多摩センターエリアの浮沈にどのようにかかわっていくのか、どういうふうにかかわる工事であるのか、いわゆるそのエリアにとって、どういう意味のある工事だという認識にお立ちになっているのかということを1点伺います。  それから、施政方針でも書いてありましたが、昨今の公共工事については、当初の見込みを上回る費用が想定され、さらに負担が増大するというふうにあったかと思います。2018年、パルテノン多摩がこのままいくとちょうど閉館となり工事をする時期、平成30年度は物騰のピークとも言われているのですが、なぜその一番高いときに、このパルテノン多摩の改修工事をやらなければいけないのかというところについて、緊密に情報を交換したいと思いますので、具体的にお答えいただきたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 永尾副市長。        (副市長永尾俊文君登壇) ◯副市長(永尾俊文君) まず、パルテノン多摩の改修工事は必須なのだろうかというご質問であります。私どもは、パルテノン多摩のあの存在というのが、単に複合文化施設ということにとどまらず、多摩センターのまちのイメージ、引いては多摩市のシティイメージ全体にかかわってくるものというふうに受けとめております。あの施設をきちんと維持していくこと、そして改修は当然必要なのですが、その期間を最小にとどめておくこと、これは必要なことと考えております。まさしく多摩センターのエリアの浮沈にかかわることというふうに思っております。  数字で申し上げますと、パルテノン多摩の行っている事業に関しての、実施事業の効果のみですが、こういったものでも15億円の波及効果があるという試算がございます。  そして、パルテノン多摩をご利用いただいている市民の方、あるいは市外の方を含めてですが、これはパルテノン多摩の事業報告によれば、平均で年間約50万人という数字が出ております。平成26年度の決算ベースだと56万人という数字です。事業に参加している有料来館者というのは26万人余りというような数字が報告がなされているところです。  この数字というのが、やはりパルテノン多摩にお越しいただいている、あるいは周辺の商業施設等に対する影響も少なからずあるものと考えておりまして、パルテノン多摩がオープンしている時間が非常に多摩センターのまちづくりには有効に働いているというふうに考えております。  今、オリンピックで非常に物価が高騰しているということは、市長の第一答弁でも申し上げたとおりです。しかしながら、先ほど申しましたように、パルテノン多摩の今の状況というのは議会にも緊密な報告という中で劣化状況についてご報告させていただく機会も持ったところですが、昨年12月に議決をいただきました指定管理者の期限を2年ということでお認めいただきました。これは2年を超えての運用が事実上困難というふうに判断しているからです。  現にもう故障や補修などが頻発していることはご報告させていただいているとおりで、こういったものを市の看板、あるいは表玄関に置くべき施設の中で、帝国劇場等でも事故などありましたが、もし、ああいったものが発生する事態を招くようなことになれば、これはパルテノン多摩だけの問題ではなくて、本当に多摩市全体が非常にもう劣化した街というシティイメージを植えつけてしまうことにもなりかねないと思っています。  ですから、閉館を開始する時期というのは、ほぼ決まっていると、そうなると、その閉館時期を最も短くとどめていくためには、この時期に大規模改修工事をやらざるを得ないと思っていますし、また逆に、その高くなって実際には細かく試算してみなければわかりませんけれども、そこの部分で数億高くなるとしても、先ほど申しましたように、年間15億円という経済波及効果がもう既にあると試算されているわけですから、これを超えるベネフィットがあるというふうに私どもは考えております。 ◯7番(岩永ひさか君) 今、ご見解は一定伺いまして、うちの同じ会派でも一般質問でパルテノン多摩を取り扱うテーマにしている議員もいますので、引き続きそこでも突っ込んでいきたいと思っておりますが、例えば15億円の波及効果はどういう観点で分析をしたのかとか、そういうことについても、やはりもう少し深めていく必要があると思っています。  それで、時間が限られているので、次に図書館のことについて確認しておきます。先ほどのご答弁でも学校法人から要請があったということでしたが、その内容について具体的に、例えば時期的なものなどもあったかと思いますが、まずそのことを確認したいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 渡邊施設政策担当部長。     (施設政策担当部長渡邊眞行君登壇) ◯施設政策担当部長(渡邊眞行君) 学校法人からの要請ということでございますが、昨年10月7日、学校法人桜美林学園から桜美林学園が2021年の創立100周年を迎えるという中で、小中一貫校をアカデミーヒルズの近くで展開したいというような要請がございました。  その中で、西落合中学校跡地とアカデミーヒルズのプールの跡地等との交換等も視野に入れた中で、そういうことができないだろうかというようなご要請をいただいたところでございます。 ◯7番(岩永ひさか君) 今お話を伺いますと、2021年に創立100周年をお迎えになるということで、それに間に合わせてということになりますと、やはりこのときにも、要するに向こうが2021年にオープンをするということを考えれば、それから逆算すれば、例えばあそこから図書館も移転しなければいけないし、壊さなければいけないし、向こうはまた新しく設計して建てなくてはいけないということで、これもまたオリンピックに重なる大変きつい時期だと思います。  これは確認だけしておきたいのですが、今後、図書館については基本構想を議論する中で、規模や内容も決まっていくと思いますが、一般的に図書館の新設ということを考えたときには、どのくらいの経費を規模としては予想しているのか、伺いたいと思います。 ◯施設政策担当部長(渡邊眞行君) 経費という部分では、なかなか難しいものがあろうかと考えておりますが、今、本館の平米数が5,000から6,000というところを想定した場合、おおむね平米で40万円から60万円程度の金額がかかるだろうと考えております。 ◯7番(岩永ひさか君) 平米で言われてしまうと、私もなかなかさっと計算ができないのですが、例えば伊丹市立図書館を私たちは子ども教育常任委員会で見に行ったのですが、ここは延べ床面積で大体6,000平米です。これを全体の事業費として新しくつくるときには23億円くらいということで、うち建築の工事費が19億5,000万円程度です。このとおり行くかどいうかということはわかりませんし、建て方などにもよると思うし、そこにどんな内容を盛り込むのかとも思いますが、やはりここも一定程度大規模な予算を伴うということで、私たちは認識をしておかなければいけないということはわかりました。  それから庁舎のことですが、先ほどのご答弁だと、整備に当たっては想定事業費の3割から5割程度の頭金が必要で、まずは基金の残高の目標を30億円にするということは、やはり庁舎についても全体としては少なく見積もっても60億円、頭金の部分が30億円で、これが3割から5割ということなので、やはり全体としては60億円から100億円程度を見込んで庁舎の建て替えもやらなければいけないということになると思いますが、それでいいのかどうか確認したいと思います。 ◯施設政策担当部長(渡邊眞行君) 庁舎につきましても、ここ数年の間に整備されたと言いますと、立川市や青梅市、町田市というようなところもございます。そういう中でもおおむね70億円から80億円というような金額がかかっているという状況でございます。多摩市でも今回中間報告等も出させていただいておりますが、おおむね2万平米程度の庁舎が必要になってくるだろうという中では、そのくらいの金額が必要だろうと考えております。 ◯7番(岩永ひさか君) パルテノン多摩などの場合ですと、やはり危険が伴うということですし、図書館についても、今条件を聞くと、やはり新しいところというようなところもあって、ある意味多摩センターエリア全体の活性化の観点からも、図書館の本館をどうするかということは懸案事項になっているので取り組んでいかなければいけないということも一定理解をする、そしてまた庁舎についても同じだと思います。本当にいきなり電気が消えてしまうとか、詰まってしまうというようなことが日常茶飯事起きていて、そんな中でも10年間持たせるために約14億円の工事をしなければいけないというところにも、私は大変忸怩たる思いがあって、議会としても認めているわけですが、とかくやらなければいけない、ある意味必須というふうに市が考えているような事業に対して、とてもたくさんのお金がかかるわけです。これを聞いて、今あわせて、地域のある意味で大規模な施設から比べれば小さな小規模な施設が問題になっているのが、公共施設の見直し方針と行動プログラムなのです。  市民はおそらく、この今3つ挙げたパルテノン多摩や図書館や庁舎についても、否定はしないと思います。ただ、これらの3つの施設整備が必要だと思っても、そういうことに対して明るく応援する気持ちになれないというのが現状ではないかと。特に地域の施設の、ある意味で廃止・統合ということが掲げられている地域の皆さんというのは、とても暗い気持ちになって、こういった今からやらなければいけないというようなところを捉えていらっしゃるのではないかと思うのです。  例えばパルテノン多摩についても、私は正直言って、先ほどのお話を聞くと、いろいろな時代の要請があるから部屋の機能を変えていくとおっしゃいましたね。例えば畳の部屋が洋室がいいのか、フローリングにするのかというようなレベルのことなのだろうかと思うわけですし、例えば図書館についても何かわくわく感がないのです。新しい図書館ができるというと、普通であればすごく喜ぶと思うのです。うれしいという気持ちになるはずなのに、一方では地域館を廃止しなければいけないということを抱えながらやっていかなければいけないので、何だかそれを明るい気持ちで迎え入れることができないという感じがします。  もっと言えば庁舎が危ない、それはわかっているのです。でも市民の方は日常的に使うわけではありません。毎日ここに来るのは職員ですし、議会があれば議員が来ると。  つまり今まで庁舎の建て替えというのは、ここに常に滞在している職員や議員は喜ぶけれども、市民は全然喜ばないのではないかと思ってみたり、いろいろなことを感じると、本当に今これらの施設整備についてどうやって市民の方に語っていくのか、ここでとても大事な部分なのではないかと思っています。  そういうことから考えて、例えば公共ホールの問題や図書館、公共ホールなどでも非常に成功しているところはどういうところかというと、やはり建てるときにきちんと市民の参加があるところなのです。市民がきちんと構想をつくるところから参加していく。パルテノン多摩の場合は建物のある意味で老朽化対応ということになっていますが、それにしてもやはり市民がきちんと参加していく道筋があるような茅野市や可児市などは、建物ができた後も、きちんと市民サポーターの人がその後の企画運営にもかかわりながら、市民のネットワークでそこに集まってくる人をふやしていくという仕組みがあるのです。  図書館も同じだと思います。例えば私たち改革みらいが視察した小布施町も、やはり町民の方がすごく図書館が欲しくてきちんと参加してつくっている。これは大野さんが行ってきて資料をもらって本当にすごいと思ったのですけれども、この南相馬市立の中央図書館についても、本当に長い間かけて、何年もかけて、ある意味で1年とか2年とかいうレベルではなくて、本当に市民の人たちと一緒につくっているから、その後の運営にもきちんと市民の人がかかわれるような仕組みもあるし、かかわる市民もだんだんふえていくようなネットワークがあるのです。  庁舎も、どういうつくり方をするかというのはまだまだ先の話ですが、やはり日常的に市民の人たちもそこを利用できるような環境をつくっていくためには、「庁舎をどんなものにしていこうか。市民もそこに集まれるようにして、ある意味で協働のプラットフォームになっていけるような場所にしていこうよ」というような発想を持っていくことが必要だと思います。  やらなければいけないことはわかっていると思うのですが、でも一方では、パルテノン多摩の問題にしても、図書館の問題にしても、すごく期限が迫っているというところがあって、そういうところにどう取り組んでいくのかということが、今問われているのではないかと思っているのですが、今私が申し上げたような、やはり市民を参加させていく道筋ということについては、この大きな事業に取り組んでいく中においてはどんなふうにやっていこうとされているのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 東島くらしと文化部長。     (くらしと文化部長東島亮治君登壇) ◯くらしと文化部長(東島亮治君) パルテノン多摩のほうについてお答えいたします。  以前にもご説明したとおり、基本的にあの財団では、今までさまざまな市民の意見を伺ってきたということもあります。そういったものをベースにしながら、これから進めていこうとは思っていますけれども、やはりさらにどういうふうな将来を見据えた再生の工夫ができるのか、そこのところは今後基本計画の策定委員会でも意見を伺いますし、またいろいろな場面を通して市民の方に意見を伺っていきたいと思います。  先ほど幾つかいろいろな市の運営と市民のサポートの仕方というふうなことのお話がありましたけれども、そういうハード的なものも含めて、今後どういうふうに、今度はリニューアル後オープンをした後、運営をしていくかという、運営のあり方についても、やはりしっかりと市民と議論をしていかなければいけないと思っています。  なかなかハードのほうは時間が区切られた部分でやらなければいけないという制約がありますけれども、運営の部分はもう少し時間をかけてしっかりと市民の意見を取り入れながら、どういう運営体制が今後望ましいのかというところもしっかりと議論をしていきたいと思っています。  そういった中で、ハードに及ぶ部分があれば、予算的な制約、工事的な制約といろいろございますけれども、優先順位等を考慮しながら、反映できるものは反映させていきたいと、今のところはそういう考えでございます。 ◯議長(萩原重治君) 福田教育部長。       (教育部長福田美香君登壇) ◯教育部長(福田美香君) 図書館につきましては、基本構想をこれから検討するということでございますが、こちらの中で、基本構想の策定委員会に絡めまして、それぞれのいろいろな図書館にかかわっていただいている市民、また利用者の方、そして職員、こういったレベルでの検討も並行させて、それを策定委員会の中にインプットしていくような形で、非常に短い期間ではありますが、逆にこれまで本館につきましては5回にわたって長年にわたり市民の皆さんも検討していただいているようなこれまでの蓄積がございます。こういったところも共有しながら、幅広い意見を取り入れて検討してまいりたいと考えております。 ◯7番(岩永ひさか君) 皆さん声を聞くとか、先ほど言ったように、自治基本条例もあるから当たり前のことなのです。私が言いたいのは、いろいろ今、公共施設の見直しなどでも要するに声を聞いているわけです。去年も私は代表質問で再質問のときに申し上げたのですが、地域で、要するに声を聞きに行けば聞きに行くほど反対運動の声が高まっていくような状況になっているのではないかということを去年も指摘したのです。  やはり私は、今もう1回、民主主義の質ということを考えるときに、今はたくさんいろいろな場を用意して市民の意見を聞いてくれることはいいのです。先ほどの読書活動推進計画でも、470件も意見があって、それはすごくいいことだと思うのですが、その先がまさに課題で、やはり今改めて、私たちは自治基本条例を何のために制定したのか、住民参加とは何のためにあるのかというようなことを、もう1回考えていく時期にあるのではないかということを私は思っているのですが、ご認識をお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 飯高企画政策部長。      (企画政策部長飯高のゆり君登壇) ◯企画政策部長(飯高のゆり君) 自治基本条例の精神の中での住民参加というのは何のためにあるのかというご質問だったかと思います。  今、公共施設のことでお尋ねいただいていますが、まさに公共施設の問題のような非常に難しい課題を住民の皆さんとどういうふうに乗り越えていくかということを、施政方針でも市長が申し上げました。まずは、声を聞くというのもそうですけれども、情報を共有して一緒の認識の上に立つと、その上でどういうふうにお互いに合意形成を共有化していくかということなのだろうと思います。そこを目指していくのだろうと思います。  そういった意味では、市民の皆さんの声を私ども市長の行政機関が聞くというのもそうですが、議会との情報共有と合意形成といったあたりをどういうふうに構築していくかということも大きな課題であり、そこをともに目指していく必要があると認識しております。 ◯7番(岩永ひさか君) 机上の空論だとか、いろいろなことをおっしゃる人もいると思うのですけれども、私はやはりいろいろ自分たちがやっていることについて、この活動や具体的な行動を、ある意味で理論にしてくれているというところのものというのはとても大事なことだと思っているのです。  その中で紹介したいのが、住民参加のはしごという考え方があるのです。これはアーンスタインさんという人が提唱しているもので、市民参加やNPOと協働というところでは、非常によく用いられる考え方だし、概念です。これを改めてみると、何かというと、このアーンスタインという人は住民参加というのは住民に対して目標を達成できる権力を与えることというふうに定義しているわけです。  ここがまた議論になるところだと思うのですが、この住民に対して目標を達成できる権力を与えるというのは、行政だけが一方的にやっても解決策はおそらく見つからないわけで、私たちが議会も含めて住民主導でやってくれと言うけれども、そこに住民主導と言っているイメージは何ですかと、それを言っている議員というのは、例えば住民に対して、その主導でやるために必要な権力・権限、これはすごく大きいと思うのですが、こういうところも含めて分かち合うことをイメージしているのかということが、まさに自分たちにも返ってくる問題なのだろうと思っているのです。  あまり議論すると長くなってしまうので、この場ではこのくらいにとどめておきますが、やはり私たちが自治基本条例で目指していることは、ある意味で市民の手で、市民がまちづくりをやっていくというのはどういうことなのだろうか、そのために、今行政、そしてまた議会というのはどういうものを目指しながら住民参加をやっていくのだろうか。  このはしごというのはおもしろくて、8段階あるのですが、1段目と2段目が実質的な民意無視で、3・4・5というのは形式だけの参加、そして6・7・8と上っていくと、そこは住民の権利としての参加がありますという、非常にわかりやすい8段のはしごになっているわけです。これはアメリカのことなので、そのまま日本には当てはまらないと言うのですが、まさにこういうところに当てはめながら、要するに自分たちのやっている市民参加の仕組みがどこにあるのかということを、絶えず確認していくことが結構必要なのではないかと思っています。  なので、例えば形式だけの参加のところに、形式的な参加機会の拡大というのがあります。例えばこの5段目のところで、幾らワークショップをたくさんやっても、パブリックコメントを幾らやっても、これはもうずっと同じはしごのところで形式だけの参加をやっているわけなので、多分市民が望んでいるような、自治基本条例で市民の方が望んでいるような、そしてまた私は「さすが、ここら辺が市長の発想なんだ」と思うのですが、市長が昔、地域委員会などと言っていましたね。そこに権限も財源も与えるというお話は、このアーンスタインさんのお話で言うと、いきなりはしごを8段上ってくださいという話なので、とても難しいわけですが、そういう発想に近づくためにどういう仕組みをつくっていくのかというところが、今とても問われているのではないかと私は思っています。  質問の中では、今、住民参加など、どのように市民の主体性を評価しているのですかということでは、市民の主体性がこんなふうに発揮されていますというお答えはあったのですが、評価はなかったのです。その参加してもらった結果が「行政的にはとてもいいと思った」などがないわけです。「たくさん意見を聞き過ぎてしまって、どうしていいか困っています」とか、そういうことは全然ないわけです。ただ聞きましたという事実はわかったのですが、やはりその一歩先に踏み込んで評価をしていかなければ、高まっていかないのではないかというふうに私は感じているということを申し上げておきたいと思います。  それから、時間がないのでお話だけしておきますが、またこのことについては、予算の総括的質疑のところなどを含めて詳しくやっていけたらいいと思いますが、市長は最後に2つおっしゃいました。あと向こう2年の間でやっていきたいということについて、健幸都市については、その取り組みを加速化させていくということと、あと、平和の問題についても含めて、子どもの育成や若い人たちの人材育成などもお話しされていたと思うのですが、政策監が来ることについては私も認めてきた立場ですので、それについてどうこう言うわけではありませんが、やはり政策監1人来ただけで何か変わるわけではなくて、あわせ持ってきちんと組織をつくっていかなければいけないと思っています。  その中で、特に健康まちづくりということになった場合には、厚生労働省のほうでも非常に重要だということで、これからの保健師の育成というところに着目しておりますが、多摩市でも今後保健師の人材育成というところについては、しっかり考えていく必要があると思っていますが、この点について、今ご見解があれば伺いたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 中村総務部長。       (総務部長中村元幸君登壇) ◯総務部長(中村元幸君) まさに人材全体の中では、ごらんのとおり、多摩市の人財育成基本方針を十数年ぶりに改訂したという中で、本議会の中で、また議員の皆様にも送付する予定でございます。  今、ご質問がございました保健師ということで、多摩市では定員の管理上では、課長以上を除くと32名の保健師の職員がおります。そして7課にわたっております。そういう意味では、市のさまざまな業務の中で保健師が携わっていると認識はしてございます。  そうした中で、国のほうからも、今、岩永議員からもありましたように、保健師の活動の基本的な方向性ということで、平成25年度に見直しがありまして、その中でも所属する組織や部署にかかわらず保健師として活動する際に共通して押さえておくべき事項というものが整理されております。  そういうものを踏まえまして、国においては保健師にかかわる研修のあり方の検討会の中間まとめ等もございますので、そういう意味ではそういうものを生かしながら、人財育成基本方針をもとに、専門性としての保健師の育成等に、今後力を入れていきたいと考えております。 ◯7番(岩永ひさか君) この件については予算の中で少し詳しくやりたいと思います。  それから、市長にいただいた答弁の中で1つだけ少し毛色の変わったご答弁があったので、そこを指摘したいのですが、平和のところです。平和のところで、私たちが小学校・中学校でどういう取り組みをやるのですかというところでお答えいただいて、最後のところで平和の尊さを伝えていきたい、平和を考えていく機会をつくっていきたいということで、また、市長としても中学生に積極的に呼びかけていく決意ですと、ここだけ1行が突出して少し毛色の変わった答弁だったのですが、この「決意」はどのように具体的な行動になるのか、伺いたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) あえて中学生と言わなくてもよかったのですが、小学生の皆さんとは割と広島派遣で、その後の報告会などで特に小学生の子どもたちの参加が非常に多かったということがあります。正直言って、中学生は今回、ともに長崎へ行っていただきたいと思うわけですが、やはり中学生には積極的に声かけ、呼びかけをしていかないと、なかなか手を挙げていただける方がそう多くないかなと思います。  これも先日、ニュータウン再生のことで中学生との対話会などをさせていただいて、本当に私もびっくりするくらい中学生の皆さんから本当に思いのあふれる、多摩のまちをどうしていったらいいのかということでいろいろな提案もいただきました。ですから、そういう場をいろいろ設定していくことによって、できるのではないかと思っていますので、教育委員会とも相談しながら、いろいろな適宜な場を設定していただいて、ぜひ中学生の皆さんにも平和への思い、そしていろいろなことについて手を挙げていただけるようなきっかけづくりに取り組んでいきたいと思っています。 ◯7番(岩永ひさか君) 市全体で取り組むことだから、場を設定して、その場があるよというアンテナに引っかかった子だけが来るようなことでは困るので、積極的にというところについて、どんな取り組みをするのかということを、もう1回聞きたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 東島くらしと文化部長。     (くらしと文化部長東島亮治君登壇) ◯くらしと文化部長(東島亮治君) 多分、今の市長のご発言はご自分のいろいろ接する中で積極的に呼びかけたいということだったと思うのですが、所管としましてはもう一般的に、教育委員会を通じてそれはやるのであって、それは広くきちんとその辺の呼びかけはやっていくということでございますので、市長の今のご発言は、市長のいろいろな出たところの中で、そういった中学生と接する場面があれば積極的にそういうことも呼びかけをしていくということと捉えていただければと思います。 ◯7番(岩永ひさか君) 例えば、小学校まで行くということは大変ですが、中学校は9校しかないので、全ての中学校の朝会か何かに出席して、全部の中学生に「多摩市はこういうことをやっているから」と言って訴える機会を設けてもらうと、それは市長が思いがあっても、きちんとその場を調整するのは教育委員会だから、そういうことをぜひやってほしいと思いますが、どうですか。 ◯議長(萩原重治君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 今具体的なご提案もありました。検討するということもありますが、教育の内容にかかわる部分ですので、慎重に取り扱う必要があるというふうには思っています。  市長という立場もありますので、その辺については教育長と市長と、十分に今後相談をしながら、総合教育会議もありますので、そういう中で、どのように平和の授業を進めていくかということも十分に相談していきたいと思っております。 ◯7番(岩永ひさか君) 2回しかない総合教育会議ですから、そこの中で相談されても困りますので、違った形できちんとやってもらいたいと思います。  それで、私は今回、この『民主主義──文部省著作教科書』という分厚い本を読んだのですが、ここで民主主義の教育の実践というのがあって、おもしろいのです。これは文部省が当時の中学生・高校生に書いたものだから、すごくおもしろいのですが、「野球をするには野球のルールを学ばなければならない。けれども幾ら野球のルールを研究し、職業野球の上手な試合を熱心に見物しても、それで上手に野球ができるようにはならない。上手に野球ができるようになるために絶対必要なことは、自分で野球をやってみることである」とあるのです。  これはまさに今多摩市が住民参加などで取り組んでいかなければいけないところに当てはまることではないかと私は思うのです。やはりやらないと、私たち自身も学んでいかないわけだから、やはり住民参加の質を高めるということは民主主義の質を高めるということにもつながっていくので、ここはきちんとやり続けていかなければいけないと思っています。  この南相馬市立中央図書館のここの中で、やはりいい言葉だと思ったのですが、学習型市民参加と書いてあります。やはりこの「学習型」、ずっと学び続けながら市民参加をやっていくということは、まさに行政だけではなくて市民も学んでいくということだと思うのです。そういうところをきちんとやっていくことが必要ですので、期間が限られている中でどこまでできるのかということはあっても、やはり最大限それをやっていくのだということを目標に掲げながら、ぜひ意欲的に取り組んでいただきたいし、その中心にいるのが、やはり市長なのではないかと思っています。
     そこのところをお願いして、私の代表質問は終わりにしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 岩永ひさか議員の代表質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 次に、公明党を代表して、三階道雄議員の発言を許します。17番三階道雄議員。       (17番三階道雄君質問席着席) ◯17番(三階道雄君) 17番三階道雄でございます。公明党を代表して代表質問いたします。 市長施政方針について  本年の施政方針で、市長は冒頭に「平和への想い」として述べられました。我々公明党会派といたしまして、幾つもの平和授業の先進市を視察し、そのたびに戦争の悲惨さ、平和の尊さを肌身で感じ、議会で幾度と発言・提案させていただきました。  市長にも賛同いただき、多摩市では小・中学生の広島派遣事業や中央公園でのアオギリの植樹式など、ささやかではありますが、平和への取り組みとして進めていることは高く評価いたします。  さて昨年、国では「平和安全法制・関連法」が成立し、国民的議論となりました。  国会の中でも、誰一人戦争したいと言う人はいません。国を取り巻く厳しい安全保障環境に適切に対応するため、あくまで専守防衛であり、抑止であります。また憲法9条の政府解釈は何ら変えていません。  一部の野党は「戦争法案」との批判を繰り返しましたが、真面目な安全保障の議論から逃げる「批判のための批判」にすぎないのではないでしょうか。  国際紛争を武力で解決しようとするのが戦争であり、それは不戦条約や国連憲章で禁止されています。憲法9条でも明記しています。  今回の法整備の目的を考えれば、安保環境が変化する中で、日米同盟の信頼性を高めて他国からの武力攻撃を抑止することを目的とする“戦争防止”法と言ってもいいのではないでしょうか。ましてや「徴兵制への道」になるなど、時代錯誤であり、まともな考えではありません。  もちろん幅の広い視野で見れば、対話による外交が一番であり、尽力を尽くすのは当然であります。  この法案に対し、不安をあおることで国民への影響だけでなく、周辺諸国や国際社会の誤解を招き、国益を損なうことは大問題であります。  また、平成4年にPKO協力法の制定時においても、国民に不安をあおり、今回同様「海外派兵法だ」と反対デモを繰り返しましたが、このPKO法案、今ではノーベル平和賞を受賞し、国際社会からも国民からも高く評価されています。  戦争ほど悲惨なものはありません。二度と繰り返さぬよう、知恵を絞り、対策を立てなければなりません。  多摩市においても平和事業の充実をさらに望むところであります。  さて、施政方針には3本の柱である「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」・「市民がデザインするまち・多摩の創造」・「発信!未来へつなぐまち・多摩」、それを基本姿勢としながら、目前に迫る高齢化のいわゆる「2025年問題」や公共施設の老朽化、ニュータウンの再生と、加速をもって取り組む姿勢と成果が求められる年度であると述べられておりました。  今後、多摩市の未来を左右する大きな分岐点であり、かじをとるのも慎重かつ大胆に意欲を持って取り組むことを期待し、以下質問いたします。 1.子育て・子育ち支援について  (1)今、毎日のようにニュースでは子どもに対する虐待の話を耳にします。思わず目や耳を背けたくなるような事件ばかりであります。ニュースで取り上げられるのは特殊な親の事件が多いのですが、保護者の孤立や不安・ストレスなど幾つもの要因があります。  虐待の発生予防、早期発見・対応、親への継続的な支援について、多摩市はさまざまな取り組みを行っていますが、多くの市民への周知も大切なことであります。現状の課題と今後の取り組みについてお伺いいたします。  (2)施政方針の中には、保育ニーズに応えサービスの充実を図り、3歳未満に集中している待機児童対策においても地域型保育での対応とありますが、今でも待機児解消と市民の声が多くあります。また、保育の裾野が広がるにつれ、後々学童クラブの待機児につながることと思われます。  このような声に対して、市長はどのように応えるのか見解をお伺いいたします。 2.教育について  (1)市のさまざまな事業において多くの子どもたちも加わり、ESD教育が垣間見えるようになり、子どもたちの成長が見え将来が楽しみであります。  そのような中、学校の改修やタブレット端末の導入など、教育環境は整備されつつも使いこなすのは教員であります。  昨年、安藤元議員の代表質問に「教員の安定と充実した授業力が必要である」との質問がありました。再度、教員の授業力の向上と、あわせて特別支援教員の質向上について、教育委員会の見解と取り組みについて伺います。  (2)平成25年に制定されたいじめ防止対策推進法、これにより多摩市もさまざまな機関と連携し、また各学校においても対応、強化されたことと思われます。その取り組みや成果について伺います。  (3)暫定的な施設であった図書館本館、今後のあり方を検討している中、桜美林学園から小中一貫校のオファーにより方向性が具現化されてきました。  ただ、図書館全体のあり方や運営方法などは施政方針にも示されていません。今後の本館整備に当たり大きく指摘される部分でもあります。  図書館全体のビジョンについて、多摩市の見解を伺います。 3.健康・医療・高齢者福祉・障がい者福祉について  (1)特に市長が力を入れているスマートウェルネスシティ、まずは健康への関心を高めていくことが鍵であるとうたっています。さらに「健康無関心層」への働きかけも展開していくとありました。  平成26年12月から始まった高齢者への介護予防ボランティアポイント制度のさらなる拡充や、健康づくりを促進する新しい仕組みで、他の自治体でも広がりつつある「健康マイレージ事業」などは、健康を促すきっかけとなると思われます。  この2点の事業について、認識と見解をお伺いいたします。  (2)施政方針では「健康センターは施設設置から約30年が経過し、施設の老朽化が進んでおり、改修工事を見据えた準備として設計業務委託費計上」とありますが、以前の話では健康センター機能を本庁舎に移すような答弁もありましたが、実際どのような計画なのか、市の見解を伺います。  (3)「多摩市版地域包括ケアシステム」構築の第1歩として、地域包括支援センターを再配置し、機能強化を図るとあります。具体的にどのように強化されるのか、その点について伺います。  (4)今年の4月から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行され、共生社会へ大きく前進します。  4月に向け、広く市民や企業・団体への周知はもちろん、まずは行政の窓口やさまざまな市の事業の対応や点検が必要となります。具体的な対策や取り組みについて伺います。 4.コミュニティ、市民活動について  (1)施政方針に、多摩市立複合文化施設(パルテノン多摩)大規模改修の時期として、改修手法を検討した結果、市の直接工事に決め、中央公園を含め周辺施設も視野に入れた大規模改修を進めるとありました。  しかしながら、その改修費用は58億円プラスアルファとの試算が提示され、正直驚きました。使い勝手の悪い都市計画税を充てるとのことですが、市民は納得しないのではないでしょうか。  どの程度の改修となるのか、また中央公園を含め、どのようなビジョンがあるのか、直接工事に至った経緯もあわせて伺います。 5.スポーツについて  (1)本年8月にはリオでのオリンピック・パラリンピックが開催され、スポーツ選手だけでなく多くの国民の楽しみでもあります。  その後はいよいよ東京でのオリンピック・パラリンピックのカウントダウンに入り、機運も大いに盛り上がるのではないでしょうか。  多摩市においても企画政策部を中心に検討を開始したと伺い、大いに期待するところであります。  五輪開催都市の一部として、機運の醸成やレガシーを築くため、市が中心的な役割を果たし取り組むことは、子どもたちの夢や将来によい影響を与えるためにも大切なことだと思われます。  また、大学や企業へのアプローチや連携によるさまざまな支援の要請も積極的に取り組むべきです。また多摩市には近隣他市にはない「武道館」を持っています。そのような資源も利用し、市民が楽しめ、生涯記憶に残る一大イベントとなるよう期待いたします。東京五輪への取り組みと決意を伺います。  (2)多摩市は緑も多く、スポーツをする環境に適しています。現に子どもから高齢者まで多くの市民がスポーツを楽しんでいます。また、そのスポーツのできる環境が多摩市の魅力の1つでもあります。  しかしながら、ここ最近では廃校跡地の活用が決まり、その跡地でスポーツをしていた多くの市民から新たな場所をとの声が上がっています。  また、財政的に厳しい理由でスポーツのできる公園の整備などがされていないとの声もあります。  健幸都市を目指す多摩市として、このような声に対してどう応えていくのか、市長の見解を伺います。 6.産業振興・雇用・観光について  (1)地方都市に行くと、行政と企業がお互いに協力をしながら、まちづくりのパートナーとしてなくてはならない関係となっています。また、多くの企業の方向性としても、高度経済成長期と違い、成熟し地域に密着した取り組みを行う企業もふえてきました。  先日行われた多摩ニュータウン環境組合での地域清掃事業で、地域企業に参加を促したところ、企業から多くの参加者と清掃用具の寄附があったと伺いました。  このようなことから、現状においても多くの企業とのつながりがあるものの、さらに企業の協力を促してもよいのではないでしょうか。市長自ら渉外の第一責任者として前面に立ち、率先して行動するよう望むところです。このような件について見解を伺います。  (2)多摩よこやまの道が、新日本歩く紀行「歴史の道」100選に選定され、観光の1つとしても期待されるところです。  しかし場所によっては再整備が必要であり、看板などの案内やさらなる工夫や仕掛けづくりも必要なのではないでしょうか。  また尾根幹線に近い住人は知っているものの、多摩市民でも知らない方が多くいると伺いました。このよこやまの道が他市からも訪れる名所となるよう、再度検証すべきと考えますが、市の見解を伺います。 7.安全・安心について  (1)東日本大震災から5年たとうとしていますが、未だ防災意識が強いことが伺えます。  特に高齢化が進み、災害弱者への対応が気になるところですが、以前、馬引沢自治会をモデルケースとした災害時要援護者対策を実施しましたが、その後、他の地域への広がりはどのようになっているのか、また今後の取り組みについて伺います。 8.都市づくりについて  (1)ニュータウン再生の取り組みについては、いよいよ行動へシフトとあるように、期待するところであります。  気になるところとして、都市機能の集約、いわゆるコンパクトシティの取り組みであります。以前会派で、富山市に視察したところ、コンパクトシティの先進市であり、公共工事の真っ盛りでありました。  しかしコンパクトと言っても多摩市がすっぽり入るような範囲でのコンパクト化であります。特に違いとしては生活のインフラとも言える商店や小売店が地域に点在しているところであり、生活に不自由はしないと思われます。  ニュータウンでは、居住区域と商業区域がしっかりと分かれ、居住地域にある商店街の店も少なく、事足りません。この団地内にある近隣センターのあり方について、市の見解と取り組みについて伺います。 9.環境について  (1)環境政策の一環として、多摩市の公共施設に太陽光パネルを設置する「屋根貸し」事業を展開していますが、当初の認識では公共施設の設置を機にニュータウンの団地にも波及させる目的であるとのことでしたが、現状の実績などどのようになっているのか、その進捗状況について伺います。 10.学生・若者施策について  (1)今回の施政方針にはあまり学生や若者などの取り組みの内容がありませんでした。  周りに大学も多くあり、公明党として幾度と若い力と発想を取り入れるべきと主張してきました。  多摩市として、若い力をどう生かしていくのか、具体的な取り組みについて市の見解を伺います。  ご答弁の後、再質問いたします。 ◯議長(萩原重治君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 公明党の代表質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  この世の中に授かった貴重な命が児童虐待により奪われる悲惨なニュースは本当に目を覆いたくなります。子どもたちのシグナルとも呼べる虐待の兆候を見逃すことなく、保育園、幼稚園、学校、地域などで直ちに関係機関と連携をとる態勢を整えています。  児童虐待防止に関する市民への周知は、11月の児童虐待防止月間に行っています。毎年「たま広報」では特集記事を組み、児童虐待に関する相談の方法や、オレンジリボン運動の紹介、児童虐待防止月間啓発講演会、養育家庭体験発表会等の開催案内をしています。また、虐待を受けたときの相談先の電話番号を子どもたちに知ってもらうために、「こどもSOSカード」を、市立の小学校4年生、中学校1年生に配布しています。  しかし、児童虐待防止月間啓発講演会や養育家庭体験発表会の参加者は、子育て関係機関の職員や、日ごろから子どもの問題に関心の高い市民が中心になっています。今後、さらに新たな参加者を得られるよう、広く一般の市民に対しても、児童虐待への関心を高めることが必要と認識しています。  市では、児童虐待防止運動の象徴であるオレンジリボン運動や、児童虐待の全国相談ダイヤル「189」について、一層の周知を図る必要があると考えており、他市の実例も参考にしながら全庁的な取り組みを図ってまいります。  児童虐待防止の啓発・周知に加えて未然防止も重要な課題です。  妊娠期や子育ての不安から孤立してしまわないように、子育てマネジャーを配置した常設の子育て広場整備と、子育て総合センターを中核とした相談支援のネットワークの構築を図っているところです。  また、妊娠期からの支援を必要とする養育者を早期に発見して切れ目のない支援につなげるため、児童相談所、民生・児童委員、保育園、幼稚園、警察署、保健所、医師会、歯科医師会、人権擁護委員、保護司、学校関係者、市が連携して取り組んでいるとともに、「多摩市子ども家庭支援ネットワーク連絡会」の場で、情報共有を図っています。  今後も、市民への啓発とあわせて、関係機関と密接に連携し、児童虐待防止に取り組んでまいります。  次に、(2)についてお答えします。  保育園等の待機児童の状況は、育児休業者や特別な事情により入園しない方々を除いた新カウントで、平成27年4月1日現在49名となっています。一方、同時期の空き定員が50名ありますが、地域的なミスマッチにより待機児童が解消できない状況です。このような結果になった要因としては、第3希望までの保育園は駅周辺に集中し、駅から離れた保育園の希望者が少なくなっています。このことから、保育園を選ぶ保護者の方々の傾向が、保育環境や家からの距離よりも、生活の利便性が高い駅周辺に変化してきていると考えています。  また、3歳以上の児童の定員には余裕も発生し始めましたが、3歳未満の待機児童は減らない中、保護者の方々の要望に応えるには、駅から近くのマンションの一室や貸店舗を活用した小規模保育所や、駅から近い事業所内保育所の地域枠定員の拡大が、ニーズ量の変化にも柔軟に対応ができ、有効であると考えています。あわせて、3歳以上になったときの連携先を確保することも、安心して預けることのできる条件であると考えています。  一方、学童クラブについては、小学校からお子さん自身で通うという事業の性格から、保育園のように市内全域から幅広く選択することができず、待機児童には地域的な偏りが発生しています。また、保育園卒園時以外にも小学校入学を契機に就労を始める世帯もある中で、潜在的なニーズの推計や多数待機者が生じる期間も考慮する必要があり、施設の整備だけではなく、放課後子ども教室など、さまざまな社会資源の活用もあわせて進めていくことが必要と考えています。  今後も、安心して子どもを産み育てられる「子育てしやすいまち」を目指して総合的に取り組んでまいります。  次の、2の(1)、(2)、(3)については、教育長からお答えします。  次に、3の(1)についてお答えします。  健康無関心層に対する行動変容の方策として、活動をポイント等で評価するインセンティブ策の実施が非常に有効であると言われています。  本市において、平成26年12月より開始した介護予防ボランティアポイント制度は、介護予防事業として、高齢者のボランティア活動実績を「ポイント」として評価することで、介護予防を促進し、元気な高齢者が地域に貢献できるような取り組みを進めることを目的としています。平成28年1月末現在で161名の方が登録し、市内34機関が受け入れ機関となっており、一定程度の介護予防事業が広がっていると認識しています。  また、「健康マイレージ事業」や「健康づくりポイント事業」などについては、既に幾つかの他自治体で取り組まれているところです。
     日々の運動や健康づくりなどを楽しみながら、お一人ひとりの体力づくりと、まちの活性化に寄与することを目指しているもので、本市においては、来年度より設置を予定している(仮称)健幸まちづくり推進協議会において、今後の方向性について検討していきます。  次に、(2)についてお答えします。  健康センターの建物は本年、建設後28年を迎えます。  施設改修等に先立ち、平成26年度に「劣化度診断」を行いました。診断結果は、おおむね築年数相当の劣化は進んでいるものの、致命的な不具合は出ていないとの報告でした。  健康センターの機能を本庁舎に移転させる考えは、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の中で庁舎機能の集約化案の1つとして示しておりましたが、その後、本庁舎について設備改修は実施するが、新たに増築することは見合わせ、現庁舎の耐用年数を視野に入れ、建て替え・移転を含めた将来的な庁舎のあり方について検討を進めることから「健康センター施設は、維持補修を実施した上で継続使用する」ということとしました。  健康センター施設の改修工事には、劣化度診断の結果を踏まえ、今後10年間現行施設を活用できるよう、庁舎機能及びコミュニティセンター機能などの維持を目的として、平成28年度に工事の実施設計を行い、平成29年度以降、改修工事などを実施していきたいと考えています。  次に、(3)についてお答えします。  地域包括支援センターは、「地域ケアシステム」の中心機関として、介護予防ケアマネジメント業務、総合相談業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務を推進しています。改正介護保険法において、新たに「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援体制整備」にかかわる自治体業務が位置づけられたことに伴い、地域包括支援センターを統括する基幹型包括支援センター事業を市役所高齢支援課にて実施し、また、認知症施策の推進のために認知症地域支援推進員を各地域包括支援センターに配置します。あわせて、地域包括支援センターをコミュニティエリアに合わせて担当エリアを再編し、今般の改正で位置づけられた「生活支援サービス体制」等と連携した仕組みづくりを行ってまいります。  次に、(4)についてお答えします。  「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、いわゆる障害者差別解消法において、地方公共団体の義務として規定されている、相談及び紛争等の防止のための体制の整備、並びに、法では努力義務とされている地方公共団体等職員対応要領の制定について、4月の法施行に向けて、現在、取り組んでおり、近日中に決定し、公表を予定しています。  職員に対しては、2月19日に、管理職を対象とした研修を実施し、法の概要等について周知を図ったところです。今後も引き続き、障がい者差別の解消を含めた障がい者理解の促進に努めてまいります。  また、市民の関心と理解を深めるための啓発の一環として、2月25日に法の概要等について講演会を実施したところです。啓発活動については一過性のものとして終わるのではなく、法施行後も、広報や公式ホームページの活用を図るとともに、多摩市地域自立支援協議会においても普及啓発に向けた取り組みについて議論していくこととしており、機会を捉え、継続的に取り組んでまいります。  なお、企業等についてですが、関係部署等と協力しながら周知を行うとともに、啓発に取り組んでまいります。  次に、4の(1)についてお答えします。  パルテノン多摩の大規模改修につきましては、公共施設の見直し方針と行動プログラムにおいて、「大規模改修時に、PFI手法による改修を検討し、あわせて、多摩中央公園内の他施設とともに、民間も含めた管理運営を検討します」と位置づけており、多摩市版PFIガイドラインの作成や庁内検討組織での検討を進めてきました。この間、平成26年8月に国土交通省の都市計画運用指針が改正されたことにより、新築だけではなく、一定の要件を満たせば、改修であっても都市計画税を充当できることとなり、パルテノン多摩の改修費にも充当できる見込みが立ちました。このことにより、従来手法であっても、改修工事費用の平準化など、PFI手法で期待していた効果も同様に得られることとなり、また、多摩中央公園と一体となった都市計画事業認可の手続も迅速に進められるものと想定されることから、従来手法としたものです。  今後、多摩中央公園や関連施設も含めた多摩センター全体のまちづくりのビジョンを、都市再生整備計画などの中で検討していくことになりますが、そうした中で、パルテノン多摩の改修内容については、今後実施予定の基本計画や基本設計を策定する中で、これまで蓄積してきた市民や利用者のご意見を参考にし、今後、さらに市民の皆さんのご意見もいただきながら、どの程度までの改修がふさわしいかも含めて精査していく予定であり、単なる老朽化対応だけではなく、時代の要請にも応えていく施設としたい考えです。  次に、5の(1)についてお答えします。  本市では、2020年の東京大会に向けて庁内一丸となって取り組むため、プロジェクトチームを設置し、「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた多摩市の取組方針」を取りまとめたところです。  そこでは、国内外から多くの人々が訪れる2020年の東京大会は、本市においても地域の活力向上につなげていく大きなチャンスと捉えています。次の世代を担う子どもたちをはじめ、多くの市民がその喜びと感動を一生涯の宝物として心に刻むことができるよう、また、大会を契機とした健康づくり、まちづくりが将来にわたる多摩市の発展の原動力となるよう取り組むことが重要だと考えています。  多くの人が行きたい・見たい・住みたいと思える多摩市を目指すこととし、「スポーツ・健康」、「教育・文化」、「おもてなし・観光」、「交流・共生・平和」、「まちづくり・環境」の5つのテーマを設定し、取り組み方針を示しています。  大学との連携では、市内に立地する大学は多摩市の財産であり、連携が重要であると認識しています。そのため、海外からの選手の受け入れや、市民の健康づくりに向けて、大学との協力体制を強化していく考えです。例えば、大学の施設と市の武道館などをあわせて活用することで、海外からの選手の受け入れに向けてアピールしていきます。  企業との連携では、本市への来街促進や定着につなげるため、例えば、多言語に対応したタウンガイドや、多摩よこやまの道や市内の観光マップ、多摩ニュータウンの魅力を見学するツアーなど、市内企業等との連携による本市の広報・魅力発信の取り組みを推進していきます。  2016年のリオデジャネイロ大会が閉幕すると、2020年の東京大会に向けて世界の注目が集まります。その時期に向けて、市民の皆さんや企業、団体、大学等との連携を進めるとともに、庁内に推進本部を設置するなど、市としての推進体制を整備してまいります。  次に、(2)についてお答えします。  本市の体育施設については、総合体育館及び武道館・陸上競技場、温水プールのほか、野球場や球技場、庭球場などの屋外体育施設も市内の各公園に整備されており、多くの市民の方がスポーツを楽しんでいます。  また、暫定で校庭を使用していた旧南豊ヶ丘小学校跡地では、東京ヴェルディとの協働により、新たに人工芝のグラウンドを整備して、サッカーをはじめとするスポーツ活動の場として活用しています。  さらに、夜間や休日の学校開放においては、地域のスポーツ団体が学校の体育館や校庭を活用して、スポーツを楽しんでいただいております。  多くの体育施設を有し、ニュータウンの再生を進めなければならない中で、新たな施設の確保等は難しいところですが、現状における体育施設の維持管理を適切に行うとともに、国や都などの助成金を活用し、老朽化した施設を改修してまいります。このように、体育施設全体の整備の充実を図りながら、市民のスポーツに対するニーズに応えていきたいと考えます。  次に、6の(1)についてお答えします。  昨年12月28日に行われた多摩ニュータウン環境組合の地域清掃事業の唐木田クリーンアップ作戦2015は、昨年初めて実行委員会形式で実施されました。  その際、近隣企業に参加の協力要請をしたところ、多数の賛同をいただくとともに、当日の清掃活動に参加できないという企業からは、参加賞のご提供をいただいたと聞いております。  これまでも、市内の多くの企業から、同様の協力をはじめとして、車いすや高齢者・障がい者の疑似体験グッズなどの寄附、児童・生徒の体験学習の受け入れや出前授業、地域イベントへの参加など有形無形のご協力をいただいております。  一方、市内に立地する企業や本市に関係する企業のトップを訪問し、良好な関係づくりを進めるための渉外活動は、市を代表する立場である市長の重要な仕事の1つと認識しています。  現在このような企業訪問は、特に新年の企業訪問により行っており、絶好のトップセールスの場と考えております。毎年、企業誘致条例での指定企業を含め、市内企業など十数社に加え、時宜に応じての訪問も行っております。  このような企業訪問の成果の1つとして、京王電鉄株式会社との包括連携協定を締結することができました。  今後も企業をまちづくりの重要なパートナーと捉え、トップセールスを積極的に行っていく所存です。  次に、(2)についてお答えします。  「多摩よこやまの道」は、多摩ニュータウン区域の南端に位置し、川崎市や町田市との境をつなぐ遊歩道であり、途中には眺望のよい場所や四季折々の自然を楽しめる観察ポイントが数多くあります。  また、この道は万葉集で「防人の道」とうたわれ、古代から多くの人が往来したと思われる痕跡などもあることから、歴史やロマンも感じさせる道でもあります。  市ではこの遊歩道を、自然や眺望だけでなく歴史にも触れられるまち歩きの観光資源として、このたび、新日本歩く道紀行100選シリーズ「歴史の道コース」に応募し、昨年9月に認定を受けました。  認定発表後は、市外の方からも多くの問い合わせをいただくようになり、「多摩よこやまの道」を歩いて楽しまれる方がふえてきているのではないかと思われます。  実際に歩いた方からは、進入口や他の道との分岐など、所によっては道に迷いやすい場所があり、もっとわかりやすく案内表示等をしてほしいとの要望や意見をいただいております。  今後、こうしたご要望やご意見も踏まえつつ、従来あるガイドマップをリニューアルするとともに、道中の案内サインや分岐を示す道しるべ等も、可能な限り改善や整備を進めたいと考えます。  このたびの認定を機会に、今まで以上に多くの方に「多摩よこやまの道」を知っていただき、実際に歩いていただけるよう、多摩市の魅力1つとして内外に向け、公式ホームページをはじめ、民間の観光情報サイトなども積極的に活用して発信を強化してまいります。  次に、7の(1)についてお答えします。  災害時要援護者避難支援個別計画につきましては、平成25年2月より、馬引沢自治会防災対策委員会と協定を締結し、モデル地区として実施してきました。  同地区では最初の取り組みであったことや、避難行動要支援者数が多かったこともあり、策定に着手してから1年以上の時間を要し、平成26年3月に計画が完成しました。  その経験を生かしながら、現在は、聖ヶ丘、愛宕、豊ヶ丘の合計3組織で個別計画策定の協定を締結し、各地域における避難行動要支援者の支援体制づくりを進めています。  市としてこれらの組織づくりや体制構築が継続されるよう、協定締結より3年間、年額5万円を助成する制度を平成27年度に確立し、市職員による随時の説明会実施や、たま広報による協定締結の呼びかけを行ってきました。  また、今年度の自主防災組織リーダー研修会において、協定締結した自主防災組織の代表者に、実際の苦労話や地域での活動の様子などについてご講演いただき、個別計画策定の重要性と、より身近で必要な取り組みであることを紹介していただいています。  今後も、多くの自主防災組織に個別計画策定に取り組んでいただけるように、積極的に支援していきたいと考えています。  次に、8の(1)についてお答えします。  近隣センターは、多摩ニュータウンの各住区内に配置され、徒歩圏内に配置された日常生活のための拠点として、開発当初はスーパーマーケットと生鮮3品、日用品、日常サービス店舗などの個人商店や診療所、郵便局などの公益施設が配置されていました。  近年は、共働き世帯や単身世帯、高齢者世帯の増加といったライフスタイルの多様化、駅前や幹線道路沿いへの大型スーパーマーケットの進出、コンビニエンスストアの増加など社会状況が大きく変化し、多くの近隣センター内の物販店や飲食店は顧客数が減少し、経営が成り立たなくなってきているのが現状です。  今後は、近隣センターの核となるスーパーマーケットは極力維持しつつ、少子・高齢化支援施設などニーズがふえることが予想される分野や、コミュニティビジネスなど生活関連の分野に近隣センターの機能をシフトしていくと考えられます。  市といたしましては、今後も必要に応じてUR都市再生機構や東京都住宅供給公社と情報共有を実施し、現状把握に努め、空き店舗が生じた際には、業種のバランスへの配慮や入居の際の柔軟な対応について働きかけてまいります。  さらに、商店会と連携をとりながら、住区外からの来店者がふえるような取り組みを検討していきたいと考えております。  次に、9の(1)についてお答えします。  5年前に発生した東日本大震災の原子力発電所事故を契機として、それまでの大規模集中型の原子力発電に頼らない、自立分散型のエネルギーに注目が集まりました。  本市においても、平成23年に制定した非核平和都市宣言の中で、「原子力に代わる、人と環境に優しいエネルギー」をうたっており、再生可能エネルギーの導入促進のため太陽光発電システム導入補助金制度による取り組みを進め、普及に努めてまいりました。  また、本市では集合住宅が全体の7割を占めることから、太陽光発電の普及促進には集合住宅への導入が不可欠ですが、設置費用が高額になることから、再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用し、住宅所有者が費用負担なく太陽光発電を導入できる屋根貸し手法による事業化の検討を市民協働により実施いたしました。  検討に当たっては公共施設を活用し、太陽光発電事業を実施することにより、事業化のための技術的検討や収支のシミュレーションを行い、集合住宅の事業計画を策定するとともに、屋根の貸し手である建物所有者のリスクの洗い出しと検証、法的関係の整理をあわせて行い、普及啓発に活用できるQ&A集を作成しました。  東京都でも、貸し手と借り手を結びつける屋根貸しマッチング事業を行うなど屋根貸し推進の取り組みを進め、多摩市も屋根貸しセミナーを都と共同開催するなど、連携して取り組んでまいりましたが、固定価格買取制度における価格が急落したことにより、事業採算の見込みが立てにくい状況となりました。  こうしたことから、一部の新築集合住宅への太陽光発電導入は進んでいるものの、既存の集合住宅における屋根貸し手法による新規の事業化は困難な状況にあります。  今後は再生可能エネルギーの普及に加え、地球温暖化対策の観点から、創エネ・省エネ機器導入に対する補助制度や、創エネ・省エネメニューを集合住宅に向け提案する集合住宅環境配慮型リノベーションモデル事業により低炭素社会の構築に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、10の(1)についてお答えします。  これからの社会を担う若者のまちづくりへの参画は、市の活性化の観点からも、今後、さらに重要な視点になると考えています。  そのためには、まず、地域の身近な課題やさまざまな取り組みに関心を持ち、参画していただくことが必要です。各部署の事業展開、情報発信、学生や若者が参画しやすい仕組みづくりなど、さまざまな場面で、若い世代を意識した取り組みを進めてまいります。  例えば、学生や若者が参加しやすい仕組みづくりとして、本年2月に策定した多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略では(仮称)学生とのまちづくり協議会を設置し、近隣大学との連携を通じて、学生の意見や発想を生かしながら、まちづくりに参画できる体制整備に取り組んでいく予定です。  また、若い世代を意識した市の情報発信のあり方を考えていく中で、平成28年度の取り組みとして、市の若手職員による庁内ワーキングチームを設置し、専門のアドバイザーによる意見も得ながら、若い世代の視点を生かした具体的な提案などを取りまとめていく予定です。  あわせて、私自身も、若者の皆さんと意見交換する機会を捉えて、若い世代のまちへの関心喚起や愛着の醸成を図るとともに、若者らしい率直なご意見に耳を傾け、市政に生かしてまいりたいと考えています。  こうした取り組みを通じて、若い世代の発想や力で、未来につながるまちづくりを進めてまいります。 ◯議長(萩原重治君) この際暫時休憩いたします。          午後3時08分休憩     ──────── - ────────          午後3時25分開議 ◯議長(萩原重治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 2の(1)についてお答えします。  学校においては、学力や体力の向上、いじめ・不登校問題への対応、特別支援教育の充実に向け、組織的な対応が求められています。  このような状況の中、教員の大量退職と大量採用が続き、学校の中には急速に若手教員がふえています。  これまで学校を支えてきた経験豊かな教員の実践的な知識や指導技術を次世代に引き継ぐこと、学校組織を支える一員として、若手教員を確実に育成することが、大きな課題です。  多摩市教育委員会では、教職経験1年目から3年目までの教員を対象とする若手教員研修の充実を図り、児童・生徒理解にかかわる資質・能力や授業力などを育成しています。  また、教務主任、ESDやICTの担当者、特別支援教育コーディネーターなど、若手教員を育成する立場にある者の専門性が高まるよう、各種の研修会を開催し、学校の組織的な対応力も高めているところです。  学校を取り巻くさまざまな課題に対応するためには、このような教育委員会が主催する研修に加え、学校内の日常的な職務を通して、必要な知識や技能、意欲、態度などを、意識的、計画的、継続的に高めていくOJT(On the Job Training)の取り組みを進めていくことが必要です。  例えば、全ての教員が互いの授業をいつでも見合えるような環境を整えたり、若手教員とベテラン教員がペアを組み、授業終了後に短時間のミニ研修を行ったりするなど、各学校の実態や特色に応じた工夫が行われています。  今後は、教育委員会が主催する教員の経験や職層に応じた研修の内容や方法の質的向上を図るとともに、校長会や副校長会、研究主任会などの機会を活用して効果的なOJTの方法や内容についての情報を発信し多摩市全体の人材育成を図ってまいります。  (2)についてお答えします。  児童・生徒に豊かな人間性を育み、子どもたちの健全育成を図っていくことは、教育の根幹をなす重要な視点です。  いじめ問題については、平成26年度に策定した「多摩市いじめ防止基本方針」に基づき、夏季休業期間中に市内全小・中学校の生活指導主任等を対象とする研修会を開催しました。  この研修会においては、各学校における「学校いじめ防止委員会」の取り組みや年3回実施する「いじめに関する授業」などを通して得られた成果を発信し、その共有化を図っています。  具体的には、いじめ問題の解決に当たっては、担任だけが抱え込むのではなく、全教職員による組織的な対応が有効であること、中学生の発達段階においては生徒会主体の取り組み等が効果的であることなどが、成果として明らかになっています。  また、いじめなどに関して、子どもたちが困ったときや悩んだときには電話で相談できるよう、全ての児童・生徒にcocoro(こころ)カードを配付し、相談体制の充実を図っています。  このほかにも、教育委員会の附属機関である連絡協議会を7月と12月に開催し、いじめや不登校等にかかわる情報の共有、関係機関との連携のあり方、いじめ防止基本方針に基づく取り組みなどについて協議を行い、子どもや家庭への支援の改善・充実を図っているところです。  今後も、多摩市いじめ防止基本方針や小・中学校における学校いじめ防止基本方針に基づき、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に努めるとともに、学校・家庭・地域が連携していじめ問題の解決に当たることができるよう、各種の取り組みを進めてまいります。  (3)についてお答えします。  多摩市立図書館本館については、平成20年からおおむね10年間の暫定活用を行っているところであり、学校の校舎を一部改修して活用していることなどから、来館者への直接のサービスの面でも、また多摩市立図書館全館を支える書庫やバックヤード機能の面でも、十分とは言いがたい状況です。  多摩市立公共施設の見直し方針と行動プログラムにおいても、鶴牧倉庫跡地への移転による再配備という具体的な取り組みが示されています。  昨年、学校法人からの申し出があり、用地交換の可能性について、不動産鑑定等含め現在検討しているところですが、暫定活用の期間を考えると、いずれの候補地であっても、本館の再構築の検討を具体的に始める時期に来ていると認識しています。
     平成28年度には「新たな本館」建設に係る基本構想の策定に着手します。  基本構想の中では、多摩市の図書館全体の現状を踏まえた上で、新たな本館に必要な機能などについて検討する予定です。  施設などの制約によりこれまでの本館では対応できなかったニーズや、将来を見据えた新たなサービスの可能性について検討します。  また、多摩市立図書館全体を支え、本市の中心となるバックヤード機能の充実についても検討し、多摩市の図書館ネットワーク全体の活性化を目指します。  運営方法なども今後検討していく予定ですが、選書など図書館の運営の根本となるような機能については直営を堅持しつつ、施設整備や維持管理など、民間との連携により効率化が図れる部分については、公共施設の見直し方針の考え方を踏まえて、さまざまな手法を検討し、取り組んでいきたいと考えております。 ◯17番(三階道雄君) それでは再質問いたします。  今回の施政方針を私も読みまして、少子高齢化、また公共施設の老朽化などによる財政的な部分ということで、またニュータウン再生とか、健康の取り組みとか、まちの活性化とか、シティセールスとか、総合的な取り組みというか、本当に今後、企画力というのが非常に大事になってくるのではないかと感じました。まさに転換期であります。ぜひとも力を入れていただければと思っております。  それでは各部署の施策等について触れていきたいと思います。まず子育て支援について少し伺いたいと思います。通告でも読み上げましたが、幼児虐待のニュースが、ここ最近本当に多く取り上げられております。また何人かの議員の方も幾つか取り上げられ、本当に関心事の1つなのではないかと思っております。  児童虐待には未然防止が一番だと思いますが、学校や保育園・幼稚園など、子どもが外部と接触していれば、状況を把握ができて、その点についてはもうしっかり整備がされているというような答弁だったのですが、事件などになった例というのは、ほとんど外部との接触がなくて、特に主に就学前、事故で亡くなってしまった方の大体7割以上が4歳以下の方が多いということです。  答弁でも幾つかの対応はしていることですが、やはりその小さい子に対しては全員目が行き届いていないといったところが現状ではないかと思います。その点においては、やはり住まいの近隣や周辺の方たちの情報・通報というのがメーンになってくると思われます。  それで「189」の電話での通報はもちろんなのですが、例えばもう少し柔らかくしてメールを活用した通告や、またそのような環境の整備も必要なのではないかと思っておりますし、それから通報などになると、間違いがあったらどうしようと通報するほうも思うわけです。重たく感じてしまうと。そうすると躊躇してしまって、結局は通報しないというようなことにつながるのかなと思っております。  通報ではなく、できたらまずは相談という形での窓口対応にしていただいて、気軽に電話ができるようになれば、もっともっと通告がふえるのではないかと思いますが、その点、メール配信で気軽にできる、また相談という形での通告にできないかと、その2点についてお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 井上子ども青少年部長。      (子ども青少年部長井上勝君登壇) ◯子ども青少年部長(井上勝君) 最初のメールの方法での通告、通報についてはということで、現在、ホームページのほうからメールによって通報・通告を受けるという仕組みはでき上がっているということでございます。スマートフォン等からも市のホームページに入ってこられるというところがございます。  多分もっと簡単にスマートフォンのアプリなどから入っていけるような仕組みをというような思いのご質問かと思いますので、先進事例なども勉強させていただきながら、そうしたものがあるのかどうか、その辺は今後の課題とさせていただきながらも、現状のところでのホームページからメールで受けさせていただいているということでご答弁させていただきます。  もう1つは、相談でということでございましたが、虐待の中で、やはり虐待の通告があるというところを捉えて、家庭環境の中に踏み込んで言えるというところもあって、相談だけでその家庭に踏み込むことが難しいところはあるということもご理解いただければとは思います。  しかし、垣根を低くして、多くの相談がいただけることで、その先に見えてくる家庭環境というところもあろうかと思います。現在、総合相談業務ということで、子ども家庭支援センターのところでは総合相談の業務、多様な相談業務を受け付けているところでございます。  通告でということが重いという方につきましても、こうした相談窓口もご利用いただく中で、中を掘り下げて相談の担当の者が虐待につながるケースについては一つ一つ丁寧に扱っていけるようにさせていただければと思います。  ちなみに、先般、青少年問題協議会の中で多摩児童相談所のほうから、まだ未確定ですが、数字を少しいただいたところでは、多摩市1,000人当たりの虐待の受理件数は、多摩児童相談所の管轄している4市の中で、多摩市はかなり高いところを位置してございます。虐待が多いと言うよりも、そうした市民の方々の意識も高く、啓発も少しずつ行き届きながら、多くの方々が子どもたちの安全に目を配っていただけているのかなということが、多摩児童相談所のほうからもお話をいただいたところで、これからも垣根を低くして、相談もしくは通告がいただけるように、PR含めて努力してまいりたいと思います。 ◯17番(三階道雄君) 通報と言うよりも相談ということですが、相談と言って、当事者ではなくて周辺の方が相談しやすいということだと思います。そういう垣根が低くなれば、もう少し通報や通告がまたふえて、そういう情報が集まれば集まるほど、やはり確実性が出てくると思いますので、その辺を研究しながら取り組んでいただければと思います。  また12月に本間議員の質問の中にもありましたが、「189」の番号やオレンジリボン、これはまだまだ知られていないというか、周知していない、今、若干多摩市民は高いということがありましたが、それでもなかなか周知としては低いのかなと思っております。  その点、周知運動という点について、地道ではございますが、効果は十分にあると思っております。その点についてもあわせて充実するよう、要望したいと思います。  次に待機児童の問題にいきたいと思います。保育園については、特に3歳未満の保育所、また学童クラブにおいてもふやしてもなかなかなくならないというところが現状でございます。共働きや、女性が出産しても退職しないのが当たり前の時代であって、シングルマザーの方も非常にふえてきているというところ。  でも、結局根底には収入の問題があるのかなと感じております。本当はもう少し働きたいとか、働き続けたいとか、今後を考えると、これから少しでもいいから収入が欲しいと、しかし結局子どもを預けられるところがないので、仕方なく子育てに専念しているというような潜在的ニーズというのもかなりあるのではないかと思っております。その数に本当に応えなければ、結局は待機児童というのはなかなかイタチごっこでなくならないのではないかと思っております。  今回、一般質問で本間議員がこの待機児童ということでしっかりやるということなので、詳細はお任せするとして、私のほうから1点だけ質問しましたが、特に、先ほど答弁にありましたが、この希望が駅前に集中していると。それからまた、産休後の1歳の待機児童があふれているというところだと思います。ここがポイントだと思うのです。このポイントを絞って、市としてこの問題を解消できるのか、それともさせるのか、どうなのか、その点について端的に答えていただければと思います。 ◯子ども青少年部長(井上勝君) 私どものところで、多摩市の待機児童対策の計画を立てさせていただいております。平成29年度までに待機児童ゼロを目指すという方向は堅持しておりますので、ここに向けて最善の努力を積み重ねていきたいと考えております。  ご指摘いただきましたように、特に1歳児のところが今回の二次の入所の募集人数でも非常に厳しい状況で、また応募も多いところでございます。民間企業の中でも1歳児までの育児休暇制度等が定着してきたところもあり、1歳のところで大きく希望の方々が出てくるのだろうと考えております。  現在、認定こども園の制度なども含めて、0・1・2歳の枠を可能な限り広げているということもあわせて取り組んでいるところでございます。29年度の待機児童ゼロを目指して、全力で取り組んでまいりたいと思っています。  こうした中で、やはりニーズは駅前というところがございます。今回も多摩センター駅前の小規模保育所で新しく開園に合わせて募集をさせていただいております。これからの地域のニーズを、フルタイムで働く方、働かない方含めても、やはり駅前のニーズが高くなってくるところでございます。小規模保育所、駅前での対応などに力を入れながら対応を図り、平成29年度の待機児童ゼロに向けて努力してまいりたいと思います。 ◯17番(三階道雄君) 努力をして何とかしたいということですが、若干歯切れの悪いような答えで確実ではないのかなと思います。本当に「安心してください。やりますよ」としっかりと答えていただきたいと思います。そういう決意を持って、市民の方や子どもを持つ家庭の身になって、ぜひともその目線で取り組んでいただきたいと思っております。  今、行政に対して厳しいメールが注目を浴びていますけれども、本当に人生の設計で大きく変わるようなことにもなりかねませんので、そこら辺をしっかりと取り組んでいただければと思います。  また、待機児童が4月からあふれているということで、2年後、3年後はしっかりしていくということかもしれませんが、実際に4月からどうしようという家庭も本当に多くいますので、その点、真剣に早急に駅前と1歳の部分については検討して取り組んでいただければと思っております。  次に若干教育について質問させていただきます。まず授業力ということですが、タブレットの件では本当に1つのツールであって、それによって授業の幅が広がれば、本当にすばらしいと、またそれを使って子どもたち、または先生たちがもっと効率化され、または幅の広い教育になればいいと思っております。  それは使い方と言うよりも先生の授業力という部分についてがかなりあると思うのですが、その点についても新たな教材として、教育委員会としてもしっかりいろいろな取り組みのやり方など紹介しながら連携をとっていただければと思っております。  また、授業力ということで、今の先生がだめだと言っているわけではなくて、どの仕事もそうですが、ある程度の経験がないと厳しいところがどうしてもございます。しかし、先ほども答弁でいただきましたけれども、団塊の世代の教員の方が多く卒業されている状況でもあって、引き継ぎというところもなかなかうまくできなかったり、その点、以前よりもさまざまな研修をして取り組んでいるということですが、ほかに例えば地域の活動や、または以前になかった多くの行事などがどんどんふえてきて、教員の方の仕事量が多くなってきているのではないかと、私も子どもがいて思われるのですが、そのように変化する中で、授業力、また教員の個人差の影響が少なからずあらわれてくるのではないかと思っているのですが、今実際の現状ということについて、お伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 学校のさまざまな地域の要請、社会的な変化などに対応していく中で、確かに仕事の量というものはふえてきているのではないかと思っています。  ただ、今ご質問者からありました、先輩からの引き継ぎがうまくいっていないのだろうかというところは、やはり懸念するところだと私も思います。  特に、私が教員になったのは30年前ですが、そのころはかなり大きなクラス、学習集団であっても、極めて高い水準で維持されていた、それが学級だったと思います。それは、そのころは子どもたちの学級集団を指導する教師の腕というのが非常に日本の場合、すぐれていたのではないかとよく言われています。  それは1人の教員が多くの子どもを指導するわけですから、おのずと限界があると思います。もちろん仕事の量もあるでしょうけれども、ただ、その中で大事なことは、そのころ私が学んだことは、子ども同士の関係性や集団の学び合い、集団づくりを非常に重視していた、そういう時代がありました。要するにそういう技を先輩の教師から指導されていた。地域へのかかわり方も、当然そこで指導されていたと私は思っています。  ですので、やはりそういった教師の文化の継承のようなものが非常に今大事になってきているということは、きょうもOJTの答弁をさせていただきましたが、そういう中にも含まれるだろうと思っています。  あわせて言えば、逆にそういった教師の文化の継承が今のベテラン教師の使命でもあるのではないかと思っていますので、地域との連携や社会の要請も含めて、そういうベテラン教師の役割というものをもう1度見直して、そしてそれを学校に伝えていきたい、お願いしていきたいと教育委員会としては思っております。 ◯17番(三階道雄君) それでベテラン教員というか、退職した方も非常に多くおられると思うのですが、その方が退職して、例えばその後、また学校に残って若い人たちをフォローするようなことも、かなりいろいろな仕組みがあって、この前神山参事にもお聞きしたのですが、そのベテラン教員を雇うと若い教員を雇わなくてはいけないと。そのかわり1年期限だとか、そのような仕組みを多少伺ったのですが、その辺をお伺いしたいと思います。 ◯教育長(清水哲也君) これは新規採用教員を採用した場合、全てではないかもしれませんが、そういった教員に対してフォローするという意味から、今、質問者からありましたように、退職した教員をそこで任用して、そのフォローにつけて、そして2人で授業をしていく、そして今、私が申し上げたように、ベテラン教員の技を新任が学んでいくというような形をとっています。  例えば特別に新任の教員が授業をして、それを見て、そのベテランの教員が指導するということもあるでしょうし、ベテラン教員が授業をしたものを、初任者の先生が見て学んでいくという、そういうやり取りをしながら成長させていくというような取り組みを、東京都として今やっておりますので、多摩市としてもそれを導入しながら進めていきたいと思っております。 ◯17番(三階道雄君) 学校の校長先生の采配など、そういう取り組みかもしれないのですが、要は退職した方の力をかりるとなると、新規の若手の教員の方が来て、そういう方をベテランの力をかりると、その学校に若い先生が非常にふえてくるということで、なかなかそういうことになっているようなのですが、この辺はバランスが非常に必要だと思います。  その点、依然と経験というのが大事だとは思うのですが、どうしてもやはり保護者の方からどうして声が上がってくるということも現実ですので、しっかりと人材育成ということでは今後とも力を入れていただければと思います。  それから、フォローということでは1点気になるのですが、ピアティーチャーのことです。導入当初からするとかなり減ってきていると。予算等もあると思うのですが、次世代の教員の育成といった意味と、細かな対応ということについてはかなり有用であると思います。再度しっかり拡充してもよいのかなと思いますが、現状で方向性についてお伺いします。 ◯教育長(清水哲也君) 確かにピアティーチャーについては多摩市の教育の1つの特色と言いましょうか、また子どもたちや教員を支える大きな仕組みの1つだと思っております。  今、ピアティーチャーが担う指導の部分というのは非常に大きくなってきているのは事実だと思いますし、ピアティーチャーが特別支援教育の対象であるお子さんたちの大変大きな指導力の1つとなっていることも、また事実だと思っております。  そういう中では、拡充をということではありますが、ご存じのとおり、全ての財政の部分を見ていくとき、ピアティーチャーだけを拡充していくことはなかなか難しいところはあると思っていますので、例えば今取り組んでいる中で言えば、前回の議会でもご説明した東京都の事業の中でピアティーチャーの費用を補填できるような取り組みを、今、多摩市としても導入しておりますので、そういった中でピアティーチャーを、東京都のお金で拡充するということがこの3年間はできるだろうと思っております。  そういったこともうまく活用しながら、このピアティーチャー、多摩市としてのすばらしいこの制度を維持・継続していきたい、できれば拡大をしていきたいと思っていますが、当然費用がかかるものですから、都や国のさまざまな事業とかみ合わせながら、今後取り組んでいくことも1つ考えられるとは思っております。 ◯17番(三階道雄君) 都や国から費用をしっかり引っ張れるよう検討していただければありがたいと思います。国のほう、文部科学省などでは大学院でそういう研修を、もう少し下積みをさせようというようなことを言っていますが、私はピアティーチャーではないですが、本当に経験させたほうが何倍か有用だと思っております。  その次世代の育成という意味でも、しっかりと検討して取り組んでいただければと思っております。  それから話は変わりますが、授業のあり方ということで、中学校は教科担任制となっていますね。ただ、今後小学校でもやはり格差というか、授業力という部分については検討してもいいものかと思っています。一部算数はクラスによって分かれて授業をしているのですが、今後高学年などではそういうことを、この教科担任制というのを検討してもいいと思うのですが、その点についてどう思われていますか。 ◯教育長(清水哲也君) 確かに小学校高学年は、もう中学生の1歩手前ですから、中学校で行っているような教科担任制を経験するということも可能性としてはある、また、それを研究的にやっている学校も都内・全国にもあるというふうに思っております。  ただ、小学校というのはやはり学級を中心とした中で授業や生活が成り立っている部分があると思っています。ですので、そういったところも十分に検討しながら、こういう教師の専門性を生かすと、質問者のほうではおっしゃっていると思いますが、その教師の専門性を生かすということと、学級の経営、クラスとしての成り立ち、こういったものを小学校としてどうバランスをとっていくかということで、小学校の教科担任制というのが今後検討されていくのではないかと思っています。  中学生への入り口というところでは、非常に高学年では可能性はあるだろうと思っていますので、今後多摩市としても研究を進めていきたいと思っています。 ◯17番(三階道雄君) それも検討していただきたいと思います。「学級を中心とした」というところもあるのですが、やはり授業力の差というようなことも若干聞かれます。効率という部分についても一体どうなのかということをしっかり検討しながら、他市の状況も見ながら、ある程度検討に取り組んでいただければと思っております。  次に図書館について伺いたいと思います。公明党としては、以前より運営のあり方、人件費について、かなり訴えてまいりました。図書館の建物自体はあまりお金がかかっていないということも事実でございます。この図書館についてはほぼ人件費であって、一番市民の望むところの本自体の購入に予算が行き届いていないということが問題だと言ってまいりました。  たまに私も図書館に行くのですが、やはり本が古いです。その点、昨年も教育委員会の資料で配られたのですが、こんなことが書いてありました。「公益社団法人日本図書館協会では、最低基準的なガイドラインとして、図書館費は普通会計の1%以上、資料費は図書館費の20%を確保という政策提言を行っています。これを多摩市に当てはめると、図書館費は5億円、資料費は1億円が望ましいということになります。多摩市の平成26年度決算を見ると、図書館費は6億6,000万円に対し、資料費は5,050万円です」ということで、要はやはり人件費にお金がかかり過ぎていて、資料代は5,050万円、1億円欲しいところを5,000万円近くで、半分しか買えていないということなのです。5,000万円と言ったら、1冊1,000円の本が5万冊買えるのです。そう考えると、やはりもう少し本というものについて、市民の方も、実際人件費やサービスの部分よりも、やはり本がしっかり揃っている、充実していたほうがサービスとして一番なのではないかと私は思っております。  その点について、市はどう思っているのかお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 福田教育部長。       (教育部長福田美香君登壇) ◯教育部長(福田美香君) 多摩市の図書館は、地域館が中規模館ということもありまして、非常にそういう意味では小規模の地域館ということではないので、それなりに人の体制等もかかっていくというところでは、ご指摘のような課題があると認識しております。  平成2年に実は中央図書館の調査研究報告書というのを多摩市で委託をしまして、図書館の課題について抽出した部分があるのですが、それが例えば現在の指摘されている部分と重なっていることが非常に多いということで、例えば望ましい本の冊数に対して、超過密になっているということで、要するに開架書庫に非常にいろいろなものを詰め込んでいる。これは閉架の部分に本をストックしておく場所が少ないために、開架書庫の新鮮度が落ちているというような指摘ですとか、それから仕事や調査研究に図書館を使う市民が少ない、調べものに対応できるような図書が少ないということも、平成2年の段階でそういう指摘がされております。  また休日や遅くまで開館している図書館という要望も、その時点でもございまして、こういうことが長年の課題となっているという認識を持ってございます。  今回、そのような問題認識から、本館と拠点館に集約するというような方針を、読書活動振興計画の中で、その方向性をお示ししたところでございますが、一方、市民の方はそこを評価するご意見と、地域館の評価ということで、やはり身近なところでの機能では居場所ですとか、交流だとか、見守りとか、純粋に図書館の機能というものではないものを複合的に重ね合わせて、そこが縮小することに対しての非常に反対や、危惧するというようなご意見が多く寄せられている状況だということで認識しております。  限られた財源でいろいろな今寄せられている意見、今特に求められているのは、いろいろな課題です。特に今情報化社会ということの中では、ビジネスや医療などの情報収集、それからやはり多様な資料を収蔵・集積して、充実してレファレンス機能、それから社会教育のいろいろな事業と連携した展開などの部分で、より新しい機能をということが期待されていることもございます。  そういうニーズに応えていくということでは、新たな本館を整備する上で、全体として新しい時代の図書館の機能がどうあるべきか、役割分担をどう考えていくかということを基本構想の中で検討し、その上で新たな本館についてどういう機能にしていくかということを検討していくということで、その検討過程の中では、今いただいている意見なども踏まえて、役割分担というところを改めて全体として検討してまいりたいと考えております。 ◯17番(三階道雄君) 先ほども言いましたが、図書館自体は、本当にお金がかかるわけではなくて、ほとんどが人件費だということについては、やはり運営のあり方をまず改善すべきなのではないかと私は思っております。  地域図書館をというような声もありますが、本当に図書館が大好きな市民も多くいますし、またNPO、ボランティアなどもしっかり運営の検討に入れていくべきですし、その他さまざまな運営のあり方についてもしっかり検討して、人件費というのを抑制すべきではないかと思います。  私も幾つかの図書館を視察したのですが、市民の方が運営の中心となっているところは、本当にコミュニティが結構でき上がっていたり、民間のサービスというのも時間の延長とか、市民ニーズに合わせた柔軟性が図られるのではないかと思います。  その辺、一部図書館にかなりこだわる方も多いですが、広く多くの市民が納得できるような図書館であっていただきたいと、その点をしっかり要望したいと思います。  また、新たな本館整備についてですが、1点、整備する際、ICタグの導入について、どういう意見を持っているのでしょうか。本の貸し借りの効率化、サービスの向上、また紛失本の削減、本の整理の短縮など、初期投資にお金はかかりますが、人件費のことも考えると経費削減にもゆくゆくはつながっていくのではないかと思います。そのICタグの導入についてお伺いしたいと思います。 ◯教育部長(福田美香君) ICタグにつきましては、既に先行で実施しているところではかなり市民の方がご自分で貸し出しや返却での、人に直接かかわるというところではかなり効果があるということで、そこで浮いた人の部分をほかのいろいろな業務や求められるサービスに、人的資源を多く費やす部分に効率的に対応できる手法だと認識しております。  新たに整備ということになれば、私どもの考えとしては当然このICタグも新たな技術として組み込んでいくことで、より効率的な部分で対応していきたいと考えております。 ◯17番(三階道雄君) その点もぜひとも検討していただければと思います。  また、今の市の構想としては、アカデミーヒルズ、もとサンピアのプールがあるところを代替地ということでお伺いしているのですが、場所的に、駅からも今よりは近くなるのですが、ほとんど変わらなくて若干遠いということもあって、中央公園の一部、外れということで、ちょうど旧富澤家の目の前だと思うのですが、周辺もある程度やるのであれば一体化というつもりで整備したほうがいいと思います。今、あの辺は夕方なんか真っ暗なのです。その点について、ビジョンなどが多少あるのかについてお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 永尾副市長。        (副市長永尾俊文君登壇) ◯副市長(永尾俊文君) 今回の予算の中でも、公園のほうの事業認可を取るための検討の委託料というものを計上しています。図書館をつくるに当たっては、当然その周辺との造作は一体的につくり込まなければいけないだろうと思っています。  ただ、その具体的にどうするかというところの絵までは、今、あるのかと言われると、今はないです。まさしくこれから検討するという話になりますけれども、図書館の立地、位置の特定を最初にやって、それでその周辺環境をどう整えていくかということについては、一体性を持った考え方の中で整理する必要があると考えております。 ◯17番(三階道雄君) これからだということですが、暫定施設ではなく本館ということなので、しっかりこの周辺も見ながら検討していただければと思っております。  では次に、障害者福祉について若干気になるところなので、お伺いしたいと思います。障害者差別解消法ですが、市民説明会など開催しているということ、また答弁では徐々にこれから広げてというような感じでしたが、本来やはり行政が見本となるのは当たり前だと思います。  それについて、職員の対応として、市の窓口対応、研修、また障害の分野だけのことではないと思うのですが、もう少し準備が必要で、急いでやったほうがいいのではないかと思うのですが、答弁では周知というような形でなされていましたが、もう少し準備を持って迎えるべきではないかと思います。その辺についてお伺いします。 ◯議長(萩原重治君) 荒井健康福祉部長。      (健康福祉部長荒井康弘君登壇) ◯健康福祉部長(荒井康弘君) この4月から障害者差別解消法が施行されるに当たっては、答弁でも述べさせていただきましたが、今、庁内では2月19日に管理職を対象とした研修をして、やはり職員一人ひとりがちょっとした気づき、今、その障害者差別解消法の中では合理的配慮というふうに言われておりますが、そういうことが非常に大事ではないかということでしているところでございます。  この障害者差別解消法が始まるからというわけではないのですが、それより以前に庁内では困った人、誰かきょろきょろしているような人がいれば、職員が率先して声をかけていこうと、そしてその方の要件を聞いて窓口へつなげていこうということは、今までも副市長のほうからそういうことをみんなでやっていこうと言われてございます。  ですので、職員について言えば、今研修もさせていただいておりますし、庁内でこの障害者差別解消法が始まりますよということで、案内を2号ほど出させていただいて、職員の意識などを今一生懸命啓発しているところでございます。 ◯17番(三階道雄君) 啓発ということも大事だと思いますが、また障がい者当事者の声もしっかり聞くなど、いろいろできると思います。また具体的な事業について、これの場合はこれに関係してくるねというようなことを考えれば、すぐ出てくると思います。その点についても、見本となるようなことを、しっかり行政が率先して取り組んでいただければと要望いたします。  次に市民活動ということで、パルテノン多摩についてお伺いしたいと思います。建設された当時は、30年前になりますけれども、時代はバブルの始まりで、税収も経済も本当に急速な右肩上がりで、多くの自治体でも博物館や美術館、文化ホールなど多く建てられたような時代でもあって、当時の理念である多摩市の文化をつくり上げるといったことも、その時代であれば一定の理解はできるし、文化としての貢献もかなりあったと思われます。  しかし30年もたつと、実際問題かなり状況も変わっているのが現状でございます。今後も税収ももちろんですが、少子化に高齢化と、かなり福祉のほうにお金がかかるのは目に見えているわけであって、確かに都市計画税が充てられて財源はできたということですが、税金は税金であって、お金に色はついておりません。  その点について、問題は58.4億円ということで、あまりにもお金がかかり過ぎると、これはびっくりだなということですが、ちなみに58億4,000万円というのは、先ほども岩永議員が聞いていましたが、これによってパルテノン多摩がどう変わるのかという点と、老朽化に伴った最小限の改修ということでよろしいのか、もう少し教えていただきたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 東島くらしと文化部長。     (くらしと文化部長東島亮治君登壇) ◯くらしと文化部長(東島亮治君) 今回予定しております改修は、まず最小限と言いますか、基本的改修内容ということで、躯体及び設備の劣化対応ということが1つあります。それからバリアフリー化、あるいは環境負荷への対応、まちづくり整備指針等関係法令への対応と、この辺は今後パルテノン多摩を継続して使っていく上では必要なものだろうと思っております。
     プラス、どう変わるのかという部分で、アメニティの向上や利用勝手の改善なども若干視野に入れなければいけないと思っております。  将来的な運営にどういうふうに資するような改善があるのか、あるいは今、4階の会議室系のリニューアルはやるべきなのか、具体的には基本計画・基本設計の中で検討していきたいと思っておりますが、現段階の今まで財団がいろいろ市民の方からご意見を伺った中では、やはりホールの座席や空調の個別化、諸室の音漏れなどについて改善してほしいという市民の要望もございますので、全体予算や工事等を勘案しながら、その辺のところは入れ込めるのか、入れ込めないのか、平成28年度の中で精査していきたいと考えております。 ◯17番(三階道雄君) 今の答弁ですと、あまり大々的には変わらないのかなというような印象はありました。また、今後30年は大丈夫だと言ってはいるのですが、年間の維持費もやはり5億円近くもかかっているというようなことで、行政としては今のままのパルテノン多摩を市民が本当に望んでいるのか、これから30年、本当にパルテノン多摩が必要とされているのか、また費用対効果としてはどうなのか、また基本構想からパルテノン多摩のあり方について一体どうなのだろうかとか、まちづくりや中央公園周辺の活性化としてのあり方としてはどうなのだろうかとか、ニュータウン再生の位置づけとしてはどうなのだろうかと、さまざまな角度からもう少し検討してもいいのではないかと思います。特に多摩市のシンボルと言うのであれば、なおさらなのではないかと思います。  ちなみに、このPFI構想の比較が提示されたのですが、今言ったようなさまざまな角度というのは検証されてきたのか、その点についてお伺いします。 ◯議長(萩原重治君) 渡邊施設政策担当部長。     (施設政策担当部長渡邊眞行君登壇) ◯施設政策担当部長(渡邊眞行君) パルテノン多摩の改修ということでございます。今、議員のほうからるるございましたとおり、さまざまな角度からパルテノン多摩の存在意義というものがあるのだろうとは考えております。PFIの手法を使うかどうかに関しましては、改修の手法でございますので、そういう部分を検討すると言うよりも、その改修がどういう形で進むのが最も時間的な問題や新たな機能を持たせるということではいいかどうかというところを検討してきたものでございます。  ただ、今後の検討の中ではさまざまな視点から、最初に副市長からも答弁したとおり、経済効果などのさまざまな観点から検討した上での内容の決定という形になってくるだろうと考えております。 ◯17番(三階道雄君) 多少検討してきたということですが、それも先ほど岩永議員が言った議会または市民としてもそういう案が欲しかったというのが事実だと思いますので、それでこうやって出てきたわけです。  今回、30年の節目の更新ということですが、一般的にリニューアルと言うと、「一新」とか「再生」という意味があるわけです。この改修費が1桁違う6億円や7億円であればまだしも、これだけ費用がかかるのであれば、市民もそれなりの効果を期待しますし、それがなければ市民も簡単には納得できないのではないかと思っております。  もちろん、このような特殊な文化ホールというのは非常にお金がかかるということもわかります。今からこの更新をどうするんだ、どうするんだと、今までずっと言われてきて、いよいよその時期になって、市長や関係部課長は本当に大変だと思いますが、今回、安易に「更新」と言うだけではなくて、幾つかのさまざまなメニューをつくって、それから検証したほうが本来いいのではないでしょうか。  例えば、先ほども言いましたけれども、この中央公園と一体化してリニューアルして、数字的にもこれだけ経済効果の見通しが出ると、法人税も税収も上がって活性化される、ニュータウンの再生ということでも位置づけますとか、また現実的に縮小して将来の負担を軽減するのだというようなこととか、また答弁でもありましたが、パルテノンホールの使い勝手のよさによって、毎日多くの若い人や子どもが来るような施設にするのだと、そのような幾つかのメニューを持って、また数字を持って、市民との意見等を協議しながら決定すべきだなのではないかと、それだけ大きなことだと私は思っております。  いつ使用できなくなるかわからないということですが、ここは少し時間をとって、慎重に取り組むべきだと思われるのですが、この意見についてお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 永尾副市長。        (副市長永尾俊文君登壇) ◯副市長(永尾俊文君) 慎重にということ、あるいはさまざまな方面からの検討、それから今どういった施設を目指すのだということが寂しいではないかというお話だったと思います。  私どもも、今冒頭で58億円という金額を出したときに、やはり正直大きな金額であるということは当然認識しました。やはりそれを青天井で上げていくことはできないだろうということも考えました。  ただ、さりとて本当に夢のない話でいいのかということも一方では要請があると思います。前回私のほうでお話しする機会があったときに、基本は大規模改修だというお話をしたと思います。ただ、その後やはり皆さんの意見をこうやって聞いていくと、どうしてもそれだけでは足りないだろうという話も一方では考えています。  まさしくご質問者がおっしゃったように、こういう改修をすると、プラスどれくらいかかりそうだということを、まさしく精査していく必要もあると思います。どこかでお話ししたかもしれませんけれども、値段のついていないメニューを出されて「どれ食べる?」と言われても困ると思います。  ですから、そういったものをきちんとお示しできるようなことも、今回の設計の中には、やはりそこまでの細かいものをやっていかないといけないだろうというふうには考えております。そういったものを入れて、それで逆に市民の皆さんにも意見を聞く機会を設けて、それで進めていこうというふうには考えているところです。  それから、先ほど公園のところで申しましたが、やはり全体的なプランニングが必要だろうというご指摘はもっともだと思います。こういったものについても、今、都市整備部のほうでは地域再生整備計画を立案しています。これは主にペデと公園の関係、そのあたりでエリアマネジメント、市民の参画を得ながらどういうことができるかということがメーンになりますが、やはり多摩センター全体のリニューアルというものを少し考えながらプランニングをやっていく、その中のワン・オブ・ゼムとしてパルテノン多摩がある、そういった考え方に立っていくべきだろうと思っております。  話が非常に大きいわけですが、パルテノン多摩の改修についても市民参画の機会は設けますし、それから具体の運営について、改革みらいの方からもご質問がありましたが、学習型と言われるような市民参画の手法など、取り入れられるものはぜひ積極的に入れていきながらということも考えています。受け手の問題が若干ありますので、そこのところも相談しながらということにはなりますが、やはりそういう市民満足度の高いようなやり方は、これから必要なのだろうとは考えているところでございます。 ◯議長(萩原重治君) 飯高企画政策部長。      (企画政策部長飯高のゆり君登壇) ◯企画政策部長(飯高のゆり君) 今、いろいろな観点からの検討というお話が出ましたので、財政部門としても検討の状況をご説明しておきたいと思います。  確かに大変大きな金額ですので、財政部門としてこれだけの決断をするというのは大変重要、重い決断だと思っております。  先ほど来の答弁の中で経済効果のお話もございましたが、財政部門としても、一方で歳入、収入ということを考えたときに、多摩センター地区のところは大変企業立地が進んでおりまして、ある意味収入の中核をなすようなエリアでございます。そうした中でパルテノン多摩の存在というのは、歳入、収入という面でも非常に大きいというふうに思っておりまして、ちなみに多摩センター駅周辺の企業でどれくらいの市税の収入があるのかということを試算いたしましたら、大まかな概算でございますが、年間約30億円、5年間で150億円の税収が、この多摩センター駅周辺の立地企業からございます。  そういったことも考えたときに、やはりパルテノン多摩を一定程度きちんと改修し、また答弁させていただいているように、市民の皆さんのご意見もいただきながら、よりよくという部分もあるでしょうが、それを今決断するタイミングだと、財政部門としても判断いたしました。  あわせて、ファイナンスの部分で、都市計画税という一定の目的に沿ったものに充当できるものでございますが、その運用指針が変わりましたので、今回のパルテノン多摩の部分にもその充当が可能でございます。  そういったところから総合的に財政部門としても判断をさせていただいたということでございます。 ◯17番(三階道雄君) 多摩センター駅はペデがずっとあって、パルテノン多摩があって、公園があってと、なかなかそういうところはないのです。その分、やりようによっては価値もかなり上がってくるのではないかと思っております。  そこを、どちらかというとしっかりとした経営感覚を持っているプロデューサーのような人材をしっかり集めてきて、いろいろな方と検討しながら進めるようなことをしたほうが盛り上がり、またほかのいろいろな案が出てくるのではないかと私は思います。  その点を本当に多摩市の中心となって、お荷物と言われるのではなくシンボルと言われるように、しっかりと逆に多摩センターの中心となるような案が上がってくればありがたいと思います。その点を検討しながら進めていただきたいと思います。  もう時間もないのですが、次にスポーツということでお話しさせていただきます。東京オリンピック・パラリンピックの取り組みとして、答弁でも組織として立ち上がって、これから本当に期待したいところですが、ぜひとも多くの多摩市内の企業と連携をしながら、協力をいただきながら進めて、盛り上げていただきたいと思っております。  また、レガシーというようなことについても、ぜひともこだわっていただければと思います。  それからまた、オリンピック・パラリンピックとは別件ですが、スポーツをしている市民の声として、今まで廃校を活用して多くのスポーツを楽しんでいたのですが、だんだん廃校も少なくなってきて、場所の問題や使用料等も上がって、だんだん厳しくなり、市長は、このスポーツに関して前向きではないのかというご意見も出ております。  その点、市長は廃校跡地についてはしょうがないと思っているのか、それとも何とかすると、しっかり行動に移すのか、このどちらなのかについてお伺いしたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 東島くらしと文化部長。     (くらしと文化部長東島亮治君登壇) ◯くらしと文化部長(東島亮治君) ご案内のとおり、多摩市というのは本当にスポーツ施設が同規模の施設と比べても非常に充実している恵まれた市だということがあります。それに加えて、多摩市のほうではしっかり学校開放も行っているということで、フィールドとしては非常に多彩な数多いフィールドを市民の方に提供していると。またそのおかげもあって、いろいろ多摩市のスポーツの振興も図られてきたということも承知しております。  ただ、第一答弁でもありましたように、基本、学校跡地の活用という点については、やはり今後、いろいろな展開の中で、それを新たにまた体育施設に転用するというのは難しいだろうと思います。  ですので、そういった中では、もしかしたら市民の方に若干我慢いただく場面も当然出てくるかとは思いますけれども、その一方で、やはりいろいろ今体育施設も老朽化が進んでおりますので、そういうところについては適時補助金等も活用しながら改修を行い、また、より活用されるような仕組みなども今後考えていきながら、ニーズに応えてまいりたいと考えております。 ◯17番(三階道雄君) 今まではあくまでも余裕があったからこそということではなくて、本当に多摩市のスポーツはある種売りになるのではないかと思います。これだけ環境がいいということで、本当に多くの市民がスポーツを楽しんでおりますので、そこもしっかり検討できるところは検討していただければと思っています。  時間がないので最後にしますが、幾つか予算審査等で話すということで、最後に若い人たちへの取り組みということで、今後協議会など立ち上げていくという前向きな答弁もあり、本当にうれしく思っております。  若者も多く住んでいますが、やはり地域への思いやふるさとづくりには、一緒になって地域活動をしていく、また意見を取り入れていくというようなことをしますと、本当に多摩市にも愛着がわきますし、まちに活気が出てくると思うのです。  地方の取り組みに負けないよう、あらゆる面で若者が活躍できて、将来につながるような施策をしっかり取り組んでいただくことも期待して、私の代表質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯議長(萩原重治君) 三階道雄議員の代表質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) 次に、自民党・新生会を代表して、藤原マサノリ議員の発言を許します。24番藤原マサノリ議員。      (24番藤原マサノリ君質問席着席) ◯24番(藤原マサノリ君) 24番藤原マサノリです。自民党・新生会として、代表質問させていただきます。  サブタイトルに「東京の新たなるリーディングシティーTAMAの実現へ」というふうにさせていただきました。  我が自民党及び友党である公明党が政権を奪還してから約3年3カ月の月日が流れました。この間、経済面、外交面などにおいて危機に瀕した我が国を立て直すため、我々連立政権は全力を尽くしてまいりました。そしてアベノミクスも第2ステージに入り、新3本の矢によって一億総活躍社会の実現に取り組みながら、ますます国民・市民の皆様の負託に応えていかなければならないときと考えております。しかし、デフレからの完全脱却を目前にした今、日本経済が新たな試練に向き合っていることも事実です。海外を主因とする市場の混乱で世界中の投資家に不安が広がり、リスク回避の動きが広がる中、比較的安全な日本国債を買う動きが活発になっています。それにより国内市場では、円高・株安、そして低金利化が急速に進み、混乱はまだおさまっていないのが実情であります。これらが長引けば、既に始まっている大手企業各社の労使交渉にも影響が出てしまうものと懸念されています。しかし、これらの暗雲はいわゆるアベノミクスによる経済政策がうまくいっていないというわけではなく、世界市場が過剰に反応しているだけだと指摘する専門家が多いのも事実です。日本経済を取り巻く状況を必要以上に悲観する必要はないと言う経済アナリストも多くいます。  実際、日本企業を取り巻く環境を「生の経済情報」がわかるファンダメンタル分析の手法から見ても、昨年の企業収益は全産業において過去最高の17兆9,000億円となりました。製造業・非製造業ともに最高の伸びを示しています。中小企業の倒産も政権交代前と比べて2割減となっています。  また、労働環境も改善しました。雇用はこの3年間で110万人以上ふえ、正規雇用も増加に転じました。正社員の有効求人倍率は政権交代前より5割上昇し、統計開始以来最高の水準です。ちなみに、求人数は求職者数を上回り、昨年12月の有効求人倍率は1.27倍。完全失業率は、この5年間で1.5%も下がって3.3%になっています。春闘による賃上げ率も全体で2.20%、中小企業で1.88%と1998年以来17年ぶりに高い水準を実現しています。  このように日本経済はおおむね堅調な伸びを示していることに加え、各分野で手堅い強さを発揮しているのが現状と言えます。今回の世界株安・円高傾向は、もとをただせばアメリカのシェールガス革命に端を発しています。技術革新によって安価に手に入るようになったシェールガスの存在に、中東の産油国が反応し原油価格が暴落、それに加えて中国経済の先行き不安感がかぶさって、世界同時株安が始まりました。ドイツの中央銀行の破たんも、世界経済に不安を募らせています。  しかし見方を変えれば原油価格の下落は、一方で企業や個人消費にとってむしろ悪い状況ではなく、この4月から始まる電力の自由化にも拍車をかけるという見方もありますし、中国企業の過剰投資や不動産バブル崩壊などが、これほどまでに日本経済に与える理由はそれほどないと言う日銀トップも、今はとにかく落ち着いて冷静な対応が必要であるとの見解を示しています。  また、不幸中の幸いではありませんが、日本の経済界は長く続いたデフレ不況の間にむだをなくし、各企業ともその体質は極めて強靭な筋肉質になっています。今こそ前向きな構造改革が必要なものと考えています。  そこで、我が党が打ち出した一億総活躍社会の創造、全ての人がチャンスと希望を持てる社会づくり、そのためにも成長と分配の好循環を進める必要があるため、安倍晋三総理は新3本の矢を打ち出しました。それが国内総生産(GDP)600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロの3つの挑戦であります。いずれも容易に実現できるものではありませんが、国家百年の計に立って避けては通れない課題と強く認識しています。確かにアベノミクスは今日まで金融政策によって引っ張られてきたことは事実ですし、まだまだ地域経済に広まっていないというご指摘もそのとおりだと思います。  しかし、一方でアベノミクスはお上の仕事であるかのように指をくわえて天を眺め、その蜜がこぼれ落ちて来るのをいつまでも待っているわけにはいきません。先ほど述べた日本経済の堅調な成果を今こそ広げていくときであり、それこそが地方自治体の地方議会の使命だということを肝に銘じなければならないのです。  そこで、これら悲願の課題である新3本の矢に沿って質問を組み立てながら、一方で昨今本市の持つポテンシャルを高く評価し、新しい時代の新しい住まい方を創造する先進的な都市として、東京都が最大の協力体制を敷いていただいている現況も踏まえながら、本市の将来に向けて未来志向の質問をさせていただきたいと思います。 1.「少子化対策・日本の構造的課題に向けて」  日本の再生、そして経済成長を目指すためのネックの1つは、少子高齢化といった構造的な原因があります。それが将来に対する不安、悲観、労働供給の減少へとつながっているのも事実です。特に少子化が進む日本経済の成長力について、悲観的な見方もあることから、その克服に真正面から取り組むことが重要であります。  つまり一億総活躍社会の実現は、国民一人ひとりを対象として長年の懸案でありながら避けて通ってきた少子化対策という構造的な問題に真正面から立ち向かうものであり、新時代政治の新たな挑戦と考えています。  確かに出生率のアップは、困難な課題と認識しています。昨年の全国出生率は1.42。東京都は1.15、多摩地域は1.28、多摩市は1.22でした。過去最低だったのは、国の平成17年・2005年の1.26、多摩市は平成15年・2003年の0.98でした。そのときから比較をすれば、ずっと改善されてきてはいますが、今後も人口を維持するために必要と言われる2.07には遠く及びません。現在のままでは日本の人口は2060年には8,700万人を切るとの推計もあります。このため政府は平成32年・2020年代半ばには出生率を1.8にし、人口1億人を維持することを目標としました。  一方、子どもの数が減った大きな要因は、非婚・晩婚化です。30代前半では、男性の半数近く、女性では3割近くが未婚となっています。日本妊産婦整体協会によれば、一般的に女性の場合、身体に負担のない年齢のうちに結婚・出産することが望ましいと発表しています。しかし、政府は結婚や出産、そして子育てしやすい環境を整えることはできても、結婚しようとしない若者の意識を変えることまではできません。  真にその役割を担うことができるのは、唯一家庭なのではないでしょうか。しかし、戦前の経験から国が出産を奨励することには社会のアレルギーが残っており、政府が出生率1.8という数字を掲げるだけでも「出産の押しつけ」との批判が出るほどです。また、若い世代が結婚や出産・子育てについて幸福をイメージし「結婚したい」と望むようにすることは政府任せではできないことであります。それは、家庭の中で体験的に伝えられるものだからです。健全な次世代を育てる家庭の再生は、日本の将来を大きく左右するものと考えています。政府の政策に加え、一家庭一家庭がその重要性を認識し、可能な範囲でそれぞれの役割を果たすことが求められているのではないでしょうか。つまり、出生率の向上は家庭の協力とその再生がなければ不可能と言ってもよいでしょう。るる述べましたが、一億総活躍社会づくりを進める上で避けては通れない課題である少子化対策の背景には、社会の最小単位である家族制度のあり方をもう1度見直し、若い人たちに結婚や子育ての楽しさを知ってもらい、そして「家族っていいものだな」と思ってもらうことが大切なのではないでしょうか。  現在、多摩市の人口及び子どもの数はふえているものの、いわゆる子育て世代の自治体間の奪い合いという実態は否めず、それでは本来の求める姿ではないものと考えています。  現在、本市は主にハード面、つまり老朽化した集合住宅の建て替えといったインフラの整備によって子育て世代が転入してくださっているものの、その方々がさらに満足して住み続けていくための施策、言いかえればソフト面でのフォローに関して、市長施政方針の中からは多く読み取れず、相変わらず子育てのための施設整備のみに集中している感があります。  確かに、東京都の来年度の保育サービス施策には、認可、認証、認定こども園の設置拡大・定員増の促進、待機児童0~2歳児の受け入れ拡大、事業者の保育施設整備に向けて定期借地権の負担軽減、都営住宅整備時における子育て施設の整備促進、そして都立公園内の保育所設置特例などを進め、より一層の施設整備の拡大に取り組もうとしていることも事実です。それは、本市にとっても大変ありがたいことでありますが、一方で、一人でも多くの若者の結婚や出産の希望をかなえるため、低所得の若い世代への経済支援や不妊治療、さらには産前産後の手厚い支援策、そしてこれら支援を進めるための相談機能の強化など、若者が勇気づけられるような先進的な政策がもっと絡み合うべきではないでしょうか。また、教育にかかる経済的な負担軽減なども、もっと手厚く推進してもよいのではないでしょうか。  (1)安心して子どもをもうけ、子育てができる環境を強力に進めるためには、子育て世代の立場に立った政策を考える必要があります。そのような新たな時代の創造に向かって、市が考える少子化対策と、子育て世代への支援策をどのような課題として捉えておられるのか、そしてその上でいかなる施策を展開していくのか伺います。  また、私ども会派がかねてよりご提案申し上げている、3世代近居・同居の促進に関する考えについてもお聞きしたいと思います。現在、市内都営住宅の建て替えが本格的にスタートする直前の中で、東京都と連携しながら、どのような形で多世代・多機能型の新たな住まい方を実現していけるのか。  平成28年度の政策の中では、国も大家族による支え合いを明確に応援しています。2世帯住宅の建設費用を支援したり、URなどの賃貸住宅では近居割を5%から20%にふやすことをうたっています。国や東京都がこのように積極的に動く中、(2)本市としても単なるインフラの整備にとどまらない、新しい時代の新しい住まい方をどのように創造しようとしているのか、そしてそこにある課題はどのように捉えておられるのか、具体的に伺います。  (3)あわせて、そもそもこのような3世代近居・同居といった、いわゆる大家族制度の実現をどのようにお考えなのか、仮にこれらの施策を積極的に進めようとした場合、どのような対策が必要と思われるのか伺います。  我が国は長い歴史の中で、国民が幸せになるための社会の最適化が進められてきた国であります。家族制度の復活という言葉だけを聞けば、どこか保守的で古臭くも聞こえますが、よいところがたくさんあることも事実です。  大家族に代表される3世代同居の多い富山県や青森県では、夫婦共働き家庭が多いことで有名です。それは子育てをお年寄りに安心して頼れるからであり、お年寄りも孫の面倒を見ることで一定の生きがいを感じています。そのような中で育てられた子どもたちは精神状態が安定していると言われ、いじめや学級崩壊も他の都道府県と比較して少ないというデータが出ていることはつとに有名であります。その延長で、学力が全国でトップクラスに常にあることは今さら説明する必要もないでしょう。そして、親から子どもへ、そして孫へとさまざまな知識の継承を行うこともできるのです。国や自治体が税金で子育て施設をつくり、税金で子育て支援していることを、当たり前のように家族が行っているのです。また、生活用品や食料品なども、小単位で行う生活コストに比べて大家族の中ではかなりの削減にもつながっていくはずです。家族が近くにいれば安心であり、温かい気持ちになれるのは皆同じでありましょう。さまざまな事情によって家族と一緒に住めない方もたくさんいらっしゃいますので、決して家族制度を強要するわけではありませんが、そのような住まい方を希望する方々には積極的な支援策があってしかるべきでしょう。  しかし、最近は夫婦別姓を提唱するグループがいたり、同性婚を事実上認める条例ができたりと、世の中の流れが日本と日本人の伝統文化を崩壊させるかのような動きに大変危惧を感じています。昨年末、最高裁は夫婦同姓の是非をめぐり、これを合憲とする判断をしました。つまり、最高裁は夫婦が同じ性を名乗ることは家族の一体性を強めることであると、その意義を認めたのであります。これに反発するグループは「時代遅れ」だとか、「男女平等に反する」などとして、民法改正のキャンペーンを始めました。  一方メディアですが、これらに対する偏向報道は目に余るものがあります。夫婦別姓に関する賛否では、新聞各社でその違いが極端に出ています。また、家族の大切さよりも個人の権利を重視する偏向報道も目に余ります。加えて、報道番組の多くはいわゆる同性婚条例の制定について、ほとんど「個人の自由だから」とか、「今はそういう時代だから」といった無責任なコメントで賛同し、事の重大さをきちんと語っていないのが実情です。同性カップルが子どもをもうけ、育てることのマイナス面や同性婚の弊害などについては何も触れられていません。同性カップルや夫婦別姓を認めることが文化人であるかのような傾向は、いかがなものかと思っています。  (4)このような中、改めて家族制度とは何なのか、ご見解を伺います。また、さきの夫婦別姓に対する最高裁の判断をどのように受けとめているのか、また渋谷区で成立したいわゆる同性婚条例の是非をどう考えているのかなどを鑑みて、ご見解を伺いたいと思います。 2.「介護と仕事の両立・介護離職ゼロに向けて」  我が国のもう1つの課題は、人口減少・高齢化が進む中で、介護と仕事の両立がままならず、希望に反して離職・転職しなければならない状況がふえていることが大きな問題となっています。現在介護をしている人は全国で557万人、そのうち仕事をしている人は全体の約半分、年齢別で見ると女性は40歳を超えるころから、男性は50代後半から介護に参加する傾向があるようです。総務省の就業構造基本調査によれば、毎年十数万人を超える方が家族の介護のために離職や転職をしています。この傾向はますますふえることが予想されています。その背景には、平成28年に団塊の世代が徐々に70歳に達して要介護者がふえることや、その子ども世代である団塊ジュニアの結婚率が低いこと、そして介護を分担する兄弟などが少ないことが挙げられています。  一方、介護のためにひとたび離職をした場合、介護負担と収入の減少が1度にのしかかるのも事実です。仮に収入月額が30万円の場合、5年間離職をしたとして、経済的損失は単純計算で1,800万円、収入がなくなれば預貯金を切り崩して家計を保つのは当たり前ですし、当然将来受け取る年金額にも大きく影響が出てしまいます。加えて、その離職期間が長引けば長引くほど、介護終了時に新たに安定した雇用機会を得ることは大変厳しくなる現状があるのです。実際このような場合、介護終了後、いわゆる定職に就けたケースは4人に1人というデータもあるようです。2030年までに我が国の労働人口は毎年10万人から40万人減少すると言われています。介護離職したまま毎年7万人以上の方が再就職できない現状を放置すれば、ますます日本経済の大きな足かせと言わざるを得ません。  一方、公的な制度として認められた介護休業は最大で93日ですが、3カ月で介護が全て終わるわけでもなく、現実的な制度とは言えないようです。40代・50代と言えば結婚して家族がいる人が多く、教育費や住宅ローンなど、人生の中で最も家計の運営が厳しい時期でもあります。また日本経済にとって40歳代・50歳代といった経験豊富な人材が長期間職場からいなくなることは、当事者、企業、社会といった3者にとって大きな損失と言えます。これらさまざまに困難な状況を克服し、介護と仕事の両立ができる社会づくりに向けて官民一体で取り組むことが喫緊の課題です。日本人の中には、子どもを産んで育ててくれた親に感謝し、自分の手で介護してあげることが美学とする精神文化が根強く残っています。しかし、介護の平均は約5年と言われていますし、中には10年を超える場合も1割程度あります。いつまで続くかわからない精神的な負担、介護と仕事を背負う身体的な負担から疲弊してしまうケースが後を絶ちません。介護離職の実態を研究する専門家からも、高齢者と現役世代の共倒れを心配する声が後を絶ちません。今後さらに高齢化が進む時代、核家族化が当たり前になっている東京の中で、住宅事情も切実な課題を抱える本市においては、介護と仕事の両立社会の実現に向けては、より一層の施設整備を進めることは避けては通れません。国も施設整備のために、国有地を低額で貸し出す仕組みを進めるとし、東京都も特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅の整備の補助を加算することを来年度の政策指針に取り組んでいます。例えば、特別養護老人ホームに関しては、東京都は定員6万人の整備目標を掲げ、整備費補助に関して整備を加速するため加算対象となる整備率の基準を現行の1.25%から2.00%に見直し、加えて整備率の算定対象について区市町村単位に加えて、老人福祉圏域単位も加算するとしています。これにより、加算対象が拡大され、より高い推進が望まれます。  (5)このように国も東京都も施設整備に前向きな中、喫緊の課題である介護離職ゼロに向けて、現在の本市における介護離職の実態をさまざまなデータで示すとともに検証し、改めて施設整備などを含めてどのような課題を認識しているかを伺いたいと思います。  また、介護の受け皿には人材が必要です。そのことをどのように考えておられるのでしょうか。  例えば、(6)介護施設で働く方々の支援や働きやすい環境づくり、また今後必要とされる介護人材の確保・育成に対してなど、どのような見解をお持ちなのか伺います。  また、企業の中では、家族を介護する社員へのハラスメント、いわゆる「ケアハラスメント」が存在すると言われています。これは、介護に対する制度が充実していく中で、職場の風土がそれに追いついていない実態を示しています。  例えばよくあるケース。職場の同僚に親の介護をしていることを打ち明けた途端、「仕事が手についていない」とか、「管理職をやめたがっている」とか、「残業したがらない理由がわかった」など、尾ひれをつけられて足をすくわれるケースのことです。企業側の理解を求め、ケアハラスメントをなくすことも、介護離職と再就職を支える大きなポイントであると考えます。  (7)市内企業従業員の介護実態把握に努めるとともに、このような問題の防止策を積極的に進め、介護離職と介護後の就職が可能な社会をつくり出す必要があります。ご見解を伺います。 3.「地方創生、地域社会の活性化に向けて」  政府は平成25年末に、地方創生の実現に向けて「まち・ひと・しごと創生総合戦略」と長期ビジョンを閣議決定しました。50年後も1億人の人口を維持することや、人材の東京一極集中を見直して、平成32年・2020年までに地方で30万人の若者向けの雇用を創生することなどを目標に掲げました。これを受けて各自治体は、平成27年度中に、向こう5年間の総合戦略として、地方版「人口ビジョンと総合戦略」を策定することになりました。  本市でも2カ月ほどおくれたようですが、2月の後半にいわば「多摩市版総合戦略」が策定されました。国はこれら地方が掲げたそれぞれの総合戦略を後押しすることで、国家全体の目標達成を目指そうというものです。  各地方が戦略策定に当たり最も大切なことは、正確な人口動向の分析によって、将来にわたる人口ビジョンが適切に示されているかどうか、また、地域の変化やニーズを正しく把握しているかどうか、加えて地域にしっかり根を下ろし、住民、市職員、議会、各種団体、地元企業、専門家、ボランティアなどの積極的な参加で、地域挙げての計画になっているかどうかということでありましょう。  国は平成26年度にはそのための交付金を1,700億円用意、27年度も同様に1,000億円、28年度も地方創生をさらに深く進めることを目的に、1,080億円の交付金を予定していると聞きます。このような背景のもと、自治体は自主的で自立的な取り組みを目指し、各地域で雇用や福祉、さらには教育などでの基盤整備を行わなければなりません。  (8)今回の「多摩市版総合戦略」は、どのような背景と課題のもと、どのような分析データをもとに、何を目途に5年後のこのまちの姿を描き、そして総合戦略の策定を進めていったのか、詳しくお聞きしたいと思います。  一方、このように国が先頭に立って地域活性化を促したり、市民の間にも地域活性化に興味を持つ方がふえ続けていますが、どうもそれぞれの現場では地域活性化の妙案探しには大変苦労し、暗中模索している現状があるようです。  著名人や文化人などを招いてのイベントや、市民を巻き込んでのワークショップの開催、SNSを活用したPR戦略など、どこも地域を盛り上げようと必死ですが、その本質的な部分が議論されていないケースが多く、打ち上げ花火のように、終わってしまったら人やにぎわいもなくなるというのが現状のようです。  また、一口に地域活性化と言いますが、その捉え方はまちまちで、経済なのか、豊かな暮らしなのか、そして仮に活性化できたとしたら、その先の目的は何なのかなどが曖昧なケースが多いようです。むろん経済も豊かな暮らしも地域活性化に向けては大切な要素ですが、目的によってどちらに重心を置くのかが異なってくるのは当然ですし、何より施策内容や、目標までのプロセスがかなり違ったものになってきます。最終的にはこれら施策が上手に絡み合うことが理想ですが、目標達成のための目標づくりになっては本来の戦略づくりの意味合いが薄れてしまいます。  一方、最近よく耳にする言葉が「シティプロモーション」という言葉です。公告業界やマーケティングの専門家を名乗る人たちが、地域に眠っている資源を見つけ、外に発信しようとするのですが、多くの場合、地域の産業基盤の柱が安定していない状態で進める場合が多く、結果思ったほど成果が上がらないまま自己満足で終わるケースが多いようです。  ここまでるる述べてきましたが、今改めて地域に起きている問題を整理するならば、それは減少する人口と労働力、そしてそこに付随する地域経済力の低下であることは明白です。よって、自治体が今後生き残れるか否かのキーワードは、ずばり「産業づくり」であります。本市における強みと特徴を洗い出し、それが地域を潤し雇用を生み出す、そんな「産業」になり得るのかどうかを検証することしかありません。自らの地域が誇れる強みは一体何なのか、それが誰によって支えられているのか、その強みは現在どのような状況なのかを客観的に把握しなければなりません。
     これら、自らの地域の強み・特徴が正しく把握できないまま希望だけが膨らみ、見当違いな大規模施策を立ち上げてもうまくいくはずがありません。よくあるケースとして、地域が持つ強み・特徴のポテンシャルを考えずに、よそがやっているからと言って簡単に観光施策などに飛びつくケースがありますが、正直言って単発で終わってしまうのが関の山です。  また、地域産業づくりを目指すからには、そこには必ずお金の流れが発生します。立ち上げ時には大いにボランティアのパワーが必要になりますが、恒久的継続を真剣に考えるならば「仕事」として成り立つものでなければ続くものではありません。1産業として、お金はどこから入りどこに出ていくのか、そして地域経済や雇用にどのような潤いをもたらしてくれるのかなど、全体の流れを掌握することは地域経営の初歩であり、それこそが地域産業の活性化につながっていくのであります。今回の「地方創生・多摩市版総合戦略」を本市の明るい未来づくりのための千載一遇のチャンスと捉えて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  (9)そこで改めて地域産業とはどのようなものであるとお考えなのか、本市における強み・特徴の実情とそのあり方について、どのように考えておられるのか、そしてそれら強みや特徴が地域産業としてなり得るものなのかなどを率直に伺いたいと思います。 ◯議長(萩原重治君) 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ◯24番(藤原マサノリ君) 4.「障がいを持つ方との共生社会づくり」  また、一億総活躍社会の実現では、若者、女性、高齢者に加え、障がいを持つ方々との共生社会の実現は欠かせません。本年4月から、障害者差別解消法が新法として施行されることになりました。同時に、障害者雇用促進法も改正されます。2年前に制定され、この4月から施行されるこの2つの法律は、雇用の場で差別をなくそう、それ以外の場でも差別を禁止しますというものであることは言うに及びません。そもそも障がい者の権利を守る法律は我が国にあったものの、障がい者の差別を禁止する明確な法律はなく、国連からその整備を促されていました。今回、国際水準に近づく一歩になった点は評価したいと思います。  法律によって、企業は障がいを持つ方でも積極的に雇用していくことが求められます。また一旦雇用したならば、その方々が働きやすい環境をつくること、それを合理的配慮と言いますが、そのことが義務づけられるのです。例えば車いすをご使用の方が雇用されたときは、事業者はバリアフリーは当然のこと、車いすが通りやすくなるために通路を広げたり、デスクの高さを低くしたりするなど、働きやすい環境づくりが義務づけられるのです。  また、障がいを持つ方が直面する差別の中で最も多いものの1つとして、お店などへの入店拒否がありますが、今後このような事業者は明らかな法律違反として位置づけられることになります。一方で、この法律は、障がいを持つ方々を受け入れる側だけに対応が求められるものではありません。障がいを持つ方々にも一定の自立が求められることを忘れてはならないのです。つまり、雇う側が一定の合理的配慮を果たせば合理的排除も可能になるからです。もっと具体的に言えば、仕事ができる環境を整えたならば、しっかり仕事をすることを求められているのです。障がいを持つ方にすれば、採用時点で差別されることはなくなるかわりに「障がいがあるからこの程度でいい」とか、「障がいがあるからできない」ということが言いにくくなるのです。つまり、この2つの法律の施行で差別解消の目的が達成されたわけではなく、健常者と障がい者が共生する社会づくりのスタート地点に立ったばかりであることを示しているのです。  (10)このような実態がある中、障がいを持つ方との共生社会に向けて、行政としてどのような支援策を考える必要があるのか、また、地域社会や市内企業・事業者がどのように対応すべきなのか、見解を伺います。 5.「国のかたち、憲法改正について」  市長施政方針の中には、平和という文字が幾度か使われています。また、「国のかたちを決める憲法改正」については、国会議員だけでなく、地方自治体や首長の意見も大事にしていただきたいとご自身の意思を述べられています。  加えて、非常事態、地方分権、税制など中央集権の流れが強まっていることを危惧しているともおっしゃっておられます。確かに、今の日本は国のあり方を前向きに議論してきているとは言いがたい現状があると思います。そこに問題の核心があるのだと感じています。そして、国のあり方を定めるのは憲法にほかならないとも思っています。  一方で、憲法改正に対する国民のアレルギーは強く、この70年間、国のあり方や憲法論議を先延ばしにし、安全保障などを憲法解釈で押し切ってきた現実があるのです。よかれ悪しかれ、今日憲法論議、いや国のあり方を議論することは決してマイナスではないと思います。  夏の参議院選挙を見据えて、今国会ではにわかに憲法改正の議論が活発になってきたと思います。その焦点は「戦力の不保持」という9条の2項が中心のようです。夏の参議院選挙に向けて議論が深まり、国民的な議論にまで発展するかどうかはわかりませんが、先日の衆議院予算委員会で総理は「7割の憲法学者が憲法違反の疑いを持っている」と答弁したように、9条の改正に向けた議論は避けては通れない状態であると思います。9条はご案内のとおり、1項で「戦争放棄」をうたい、2項で「戦力の不保持」を規定しています。条文を額面どおり解釈すれば、国土防衛さえも不可能になってしまうのです。  そのため、歴代政権は「自衛隊は戦力に当たらない」という解釈で憲法と現実の整合性をとってきたのです。憲法に書かれていないから自分の国を守ることができないというのは非常にナンセンスですが、一方で、憲法学者が厳しい解釈を主張するのも当然のことなのだろうと思います。9条と現実とのギャップが国民議論を分断し、さまざまに影響してきたのが戦後政治の歩みではなかったでしょうか。自衛権が明文化されず、解釈任せになっていることの不都合は大きいと言わざるを得ません。昨年の平和安全法制の審議でも、「日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合」などに限って集団的自衛権の行使を認めるといった解釈変更に対し、野党や憲法学者から「違憲」との声が高まりました。憲法前文には国民の平和的生存権があり、13条で生命や自由、そして幸福追求権に対する国民の権利を尊重すべきだと定めています。これらを守るのは国の責任ですが、一方で国の安全保障がなくては成立しないのも確かなのです。自衛隊は創設以来、60年以上にわたって国内外で活動を積み重ね、今や国民の支持は揺るぎないものがあります。大災害での救助・救援活動には、国民全体が賛辞を送りながらも、憲法に組織を位置づけることさえしてこなかったのです。  (11)ずっと、このままでよいのでしょうか。今こそ議論すべきなのではないでしょうか。我が党の憲法改正草案では、9条を改正して自衛権を明記、新たに自衛組織の設置を規定するとしています。自民党の草案どおりでなくても、新たな条文で自衛隊の存在を盛り込むことは可能なはずです。ご見解を伺いたいと思います。  また、大規模災害を想定した「緊急事態条項」の追加も喫緊のテーマだと思います。これはご案内の平成23年3月11日の東日本大震災後に活発化した議論であります。当時、被災地では同年4月に予定されていた統一地方選を特例法で延期しましたが、国政に関しては憲法が衆議院議員・参議院議員の任期を定めており、この任期を特例法などの法律で延長すれば憲法違反になるという解釈が有力だったからです。このため政治空白を避けるために緊急事態条項が浮上した経緯があるのです。これを受けて国会内では共産党を除く与野党が一致して、本格的に議論することが合意されています。  (12)確かにこの緊急事態条項の議論は、憲法議論を加速させる手だてになることも考えられるため、中にはこれを突破口にして9条などの本丸に切り込むための「お試し改憲」などと揶揄する声もありますが、大切な憲法議論として位置づけるべきではないかと考えています。ご意見を伺います。 6.「政治・選挙に初めて参加する若者」  最後に、18歳選挙権年齢の引き下げが、いよいよ今年の参議院選挙から始まります。それに向けて、若者に選挙に参加し、どうやって政治に興味を持ってもらえるのか、真摯に取り組むことが大切であるという認識は持っています。  しかし、現状ではイデオロギーに触れることへのアレルギーが強く、選挙の仕組みを伝えることや、そのためのテクニックばかりが取りざたされがちですが、本当に意味があるのでしょうか。そのような仕組みやテクニックよりも前に、もっと大切なことがあるように思います。  若い人たちに「将来の夢は何ですか」「将来何になりたいですか」と尋ねたとき、もしかしたらその答えの中に我々政治にかかわる人間たちの姿があるかもしれません。純粋に人の役に立ちたい、正義感を持って困っている人を助けたい、そういう若者に恥じることのない真の政治の姿を見せることが、選挙の仕組みを伝えることよりも大切なのかもしれません。私たち自民党は野党時代、そのおごった姿勢を見つめ直し、国民・市民に対して常に謙虚で誠実で真面目に政治に取り組むことを約束しました。しかし、昨今の報道を見ていると、せっかく締め直したたがが緩んでいると言われても仕方がありません。これから若い人たちが政治・選挙に参加していく中で、この国の未来を憂いて政治に興味を持ち、私たちの姿に少なからず自分の未来を置きかえている若者が少しでもいるとするならば、政治の信頼を高めていく努力を最大限進めていくことが大切であると考えています。  (13)若者、とりわけこの夏から選挙に参加する方々に向けて、市としてどのような支援をしていかれるおつもりなのか、また、初めて選挙に参加する若者に何を求めるのか、見解をお聞きします。  結びに、我々自民党・新生会は、国・東京都との太いパイプをフルに生かし、責任与党として「どうにかなる」ではなく「どうにかする」といった気概のもと、市民とともに新しい時代の創造に全力を尽くしてまいる所存です。  以上申し上げまして、自民党・新生会の代表質問といたします。ありがとうございました。 ◯議長(萩原重治君) この際暫時休憩いたします。          午後5時07分休憩     ──────── - ────────          午後5時07分開議 ◯議長(萩原重治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  答弁からです。阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 自民党・新生会の代表質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  本市においては、昭和46年の多摩ニュータウンへの第一次入居の開始以来、約3万人だった人口が急激に増加し、現在では14万7,000人を超えていますが、今後は少子化や国を上回る高齢化の進行が予測されています。  今般策定した「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても、このような中で、今後も都市の機能を維持し、将来に向け持続的に発展するためには、多くの市民が「多摩市に住み続けたい」、「多摩市に住んでみたい」と思うまちづくりのために、少子化対策と子育て世代への支援策は重要な課題と捉えております。  具体的な取り組みとしては、今年度からスタートした「子ども・子育て支援新制度」のもと、増大する多様な保育ニーズに応えるため、地域型保育事業や、保育園と幼稚園のよさをあわせ持った認定こども園の普及の促進など、多様なニーズに対応できる保育サービスの充実や、質の高い教育・保育サービスの基盤整備を進めます。また、事業所内保育所の整備や、病児・病後児保育事業の充実を図り、子育てしながら安心して仕事を続けることができる環境整備を通じて、就労と子育て支援の両立を支援し、地域経済の活性化にもつなげていきます。  子育てを支え合う地域コミュニティの存在は、子育て世代にとって大きな安心につながります。新たに、落合・諏訪の2つの児童館に子育てマネージャーを配置し、地域子育て支援拠点として再整備を進めます。あわせて、父親の育児参加を促し、中学生・高校生の居場所の拡大を図るため、一ノ宮・永山・唐木田の地域子育て支援拠点施設で、日曜日開館を実施します。  そして、ひとり親家庭や生活困窮家庭の中学生・高校生を対象に家庭訪問などによる学習支援事業を行い、進級・進学への支援に取り組みます。  地域ぐるみの子育て・子育ちを支援し、安心して子どもを産むことができ、子育てしながら幸せに暮らせるまちづくりを目指してまいります。  次に、(2)についてお答えいたします。  全国的な課題となっている人口減少、少子高齢社会の進行などは、同時期に同年代の方々を多くお迎えした本市においては今後、一層、顕著になると予測されます。  住宅に関しても、建物や設備等の老朽化や居住者ニーズとの乖離、バリアフリー対応、耐震化促進などの課題が顕在化してきており、多摩ニュータウン再生への取り組みのほか、若者世代の定住促進、高齢者や障がい者・子育て世帯などの住宅確保要配慮者への対応、住み替え支援の仕組みづくりなど、これからも多摩市に長く、安心して、快適に住み続けられるようにするための対応が急務になると考えています。  さて、国においては平成23年に、住生活の安定の確保と向上の促進のための基本的施策を定める「住生活基本計画」を策定し、「1)安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築」、「2)住宅の適正な管理及び再生」、「3)多様な居住ニーズが適切に実現される住宅市場の環境整備」、「4)住宅の確保に特に配慮を要する居住の安定の確保」の4つの目標を掲げています。  また、東京都住宅マスタープランでは、例えば、都営住宅のストック再編により創出される土地については、地域特性に応じ、少子高齢化に対応する施設の整備、民間事業者による住宅供給の促進、業務・商業機能の活性化など柔軟かつ効果的に活用するとしています。  このような国や都の住宅政策の方向性を踏まえつつ、本市では現在、ニュータウン再生への取り組みとともに「多摩市第三次住宅マスタープラン」の策定を進めています。  この取り組みの中では、新しい時代の住まい方として、「家」ではなく「地域」を「終の棲家」とするという考え方のもと、ライフステージの変化などに応じて、市内で住み替えられるような仕組みづくりなどのソフト面での対応を検討していくこととしています。そのためのハード面の対応として、例えば、駅までの距離や交通の便などの条件に応じて広さや間取りなどの異なる多様な住宅を整備し、地域の中で、若い世帯から高齢世帯までの多世代が暮らせるような対応を公民連携により進めていくことなども検討してまいります。  次に、(3)についてお答えします。  3世代が同居、あるいは隣近所に住まうことは、種々の条件が許せば、若い世代を呼び込む観点、またお互いの見守りの観点などから、これを推進する意義があると考えています。  UR都市機構においては、3世代の近居を促進するため、親世帯・子世帯が一定の範囲内でUR賃貸住宅に居住する場合に、家賃の5%を割り引く「近居割」及び「近居割ワイド」の制度を実施していました。  本市としても、若い世代を多摩市に呼び込む方策の1つとして、この制度に着目し、第三次住宅マスタープランの策定過程において、子育て世帯が多摩市に転入する場合などの一定条件のもとで、URの割引5%に、市がさらに5%の割引を行う制度について実施する方向で検討した経過があります。  しかしながら、本年1月、国の補正予算において、URによる割引率を5%から20%へと引き上げる措置がなされたことから、引き上げ後の状況を見きわめるため、平成28年度予算への計上は見送ることとしました。  なお、第三次住宅マスタープランには「隣居・近居の促進」について位置づけを行い、引き続き家賃減額制度の検討を進めるほか、若い世代の転入促進策として、多摩市内に親世帯が居住し、市外の子ども世帯が多摩市内の中古住宅を購入する場合、中古住宅取引時などにおける住宅の検査・調査の費用に対して補助を行う制度なども検討することとしています。  今後も、3世代近居の促進を含め、若い世代を呼び込む施策について、東京都やURなどの関係機関とも連携し、対応してまいります。  次に、(4)についてお答えします。  家族とは、人間にとって最も小さい単位の社会性を有する集団であり、具体的な家族の概念や機能などは、法律や社会的・歴史的な慣習等により定められているものと考えています。  また、夫婦の姓は、民法第750条において「夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められています。  昨年末に示された、夫婦別姓に対する最高裁判所の判決でも、夫婦同姓規定には合理性があり合憲とする一方、制度のあり方は国会で判断されるべきとの言及もあり、家族制度全体の見直し論議を国民や国会に求める内容となっています。  このことを踏まえ、今後は家族観やライフスタイルの多様化、さらには国際化、あるいは女性のキャリア形成にプラスに働く改革として、夫婦別姓問題は男女共同参画社会を進めるに当たって避けては通れない課題であり、個人の尊厳と両性の本質的平等の観点から、国民的議論が必要であるという認識を持っています。  昨年、渋谷区では自治体が条例に基づき、同性の2人を公的にパートナーと認めるパートナーシップ証明書という形で、世田谷区では要綱に基づき、同性パートナーの気持ちを区が受けとめる取り組みとして、パートナーシップ宣誓書受領書という形で、それぞれパートナーシップ証明の発行を開始しました。昨年の12月の時点で渋谷区では4組、世田谷区では11組の方々が証明書等の発行を受けたとの報道がありました。その一方で、当事者の方々から渋谷区のパートナーシップ証明書の発行についての費用負担が大きいとの課題も投げかけられています。  また、民間シンクタンクの調査結果として、およそ13人に1人がLGBT、いわゆる性的マイノリティであるとの報道もあり、多くのLGBTの方々が差別や偏見を避けるため、表立った行動を選択していない現状と、同性婚に限らず性的指向及び性自認について、周囲から正しい理解を得られず、生活の中で無理解や困難に直面されていることも事実です。  多摩市は「女と男の平等参画を推進する条例」の中で、性的指向と性自認という言葉を定義し、性的指向や性自認に基づく暴力や差別を禁止し、個人として尊重され、個人の能力や個性を発揮し、意欲及び希望に沿って、市民が社会的責任を分かち合うことを定めています。私は、同性婚条例のような、誰がLGBTかを問う制度ではなく、LGBTに対する正しい理解を広げ、誰がLGBTであっても差別や暴力のない、自らがLGBTであることを公表しなくても生活しやすい社会を実現していくことが重要であり、そのための啓発等の取り組みを推進していくことが必要であると考えています。  次に、2の(5)についてお答えします。  介護を理由とした離職者の状況については、平成26年度の多摩市高齢者実態調査において、在宅の要介護認定を受けている方を介護しているご家族に「介護による仕事への影響」についての調査を行うことで把握しています。同調査において「退職した」と回答された方は、介護保険居宅サービスを利用している方の介護者では11.3%、現在サービスを利用していない方の介護者では8.2%でした。  また、「市が力を入れるべき介護サービス」については「特別養護老人ホームなどの介護施設をふやす」という回答が、介護保険居宅サービスを利用している方の介護者で35.6%、現在サービスを利用していない方の介護者で37.0%と、ともにトップとなっています。  そのため、在宅のサービスを充実させるとともに、施設系サービスを整備していくことが、介護離職をなくすために重要であると考えています。  一方で、施設などの介護サービスの支給量がふえると、介護保険料の負担もふえるという課題があり、実情に応じた適切な施設整備を進める必要があります。そのため、サービスを充実させていくに当たり、改めて実態調査を行い、地域のニーズを把握した上で、第7期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に反映してまいります。  次に、(6)についてお答えします。  団塊の世代が75歳以上になる平成37年には、全国で約30万人の介護人材が不足すると推計されており、介護人材を安定的に確保していくことは、国を挙げた大きな課題の1つです。  安定した介護人材の確保のためには、働く事業所での職責に応じた待遇や、報酬の引き上げが重要です。国における平成27年4月の介護報酬の改定では、事業主の取り組みがより一層促進されるよう、介護職員の職位、職責、職務内容に応じた任用要件や賃金体系整備及び、キャリアアップのための研修の実施や機会を確保するなどの「キャリアパス」の要件を強化された、処遇改善加算が拡充されています。これは介護職員の雇用の安定とモチベーションの向上につながるものと期待しています。  また、各都道府県においては介護人材確保の方策として、地域医療介護総合確保基金が設置され、東京都では介護人材の安定した確保・定着・育成の施策に取り組んでいます。  市ではこのような都の取り組みを活用するとともに、多摩市介護保険事業者連絡協議会と協働して、人材確保の情報共有や支援に取り組んでいく考えです。また、現在実施している介護職員の資質の向上や人材の育成を目的とした研修を、さらに充実させてまいります。  次に、(7)についてお答えします。  平成25年2月と、平成25年12月から平成26年1月にかけて、介護者の就労等に関するアンケートを、ハローワーク府中及び永山ワークプラザを利用した多摩市民に実施しました。  平成25年2月の調査では、回答者133名のうち、介護をしている方が12名、介護による仕事への影響で退職した方が2名でした。  平成25年12月から平成26年1月の調査では、回答者228名のうち、介護をしている方が19名、介護による仕事への影響で退職した方が7名という結果でした。  介護は突発的に発生し、期間も長期にわたることもあり、問題やその対応が多岐にわたるため、仕事との両立が困難となる方もいます。  経験を積んだ管理職や熟練した従業員が、仕事と介護の両立に悩んで離職してしまうことは、企業にとっても大きな損失となり、生産人口が減少し続ければ、国全体の経済活動にも影響が出てくると推測しています。  このため、育児・介護休業法に定められた介護休業制度などの周知徹底を図り、離職する従業員や心身ともにストレスを抱える従業員がふえる前に、仕事と介護の両立を支援する取り組みを進めることが重要であると考えます。  次に、3の(8)についてお答えします。  本年2月に策定した「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、昨年4月に策定した「第五次多摩市総合計画第2期基本計画」をベースに、「しごと・子育て・健幸で選ばれるまち・多摩」を目指した5年間の総合戦略として策定しました。  策定に当たっては、市内大学や市内企業、市民等で構成される「多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略検討委員会」を昨年5月に設置し、本市の将来人口推計等を踏まえ検討を重ねてきました。また、本市議会にも、検討委員会の提案や市の素案等をお知らせし、常任委員会や議会の質疑の中でご意見をいただいています。  まず、本市の将来人口については、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計及び内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の推計によると、「平成72年(2060年)の本市の人口が現在の14万7,000人から10万人まで減少するとともに、高齢化率は43%まで上昇する見込みとなっていますが、総合戦略では、将来的な人口減少を前提としながらも、若い世代の流入と出生の増加を目指し、本市の人口ビジョンとして、平成72年(2060年)の将来展望人口を11万7,000人としています。  また、本市の人口動態として、出生・死亡の自然増減や転入・転出の社会増減、就学・通学による流入と流出状況などを分析し、検討のためのデータとしました。  本市の総合戦略は、分析から導き出された本市での人口減少及び急激な高齢化の到来を踏まえ、定住促進や雇用創出、子育て支援等の施策を戦略的に展開することで、これに伴う諸問題を克服し、まちに活力を与え、市民一人ひとりが幸せを実感できるまちの実現を目指し策定しました。  国の交付金については、平成26年度に地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金が創設され、平成27年度に、プロフィール多摩の作成や、ふるさと納税を含めた交流人口促進事業、女性のための就業支援施設整備、多摩市内産品による新商品開発業務などに活用し、本市の活性化に役立てています。また、本年1月に創設された地方創生加速化交付金に、現在、1事業、4,000万円の交付申請をしており、3月中旬に交付対象事業が決定される予定です。  次に、(9)についてお答えします。  多摩市は、昭和30年代後半から工場誘致奨励に関する条例を設置し、工場誘致を行いました。  その後、多摩ニュータウン計画の進捗により昭和43年10月に本条例を廃止し、昭和50年代に入ると多摩ニュータウン計画の変更によりニュータウン地区内に業務施設用地が設けられました。  業務施設の進出誘導に当たっては、周辺住宅地との環境に配慮し、景観的にも調和のとれた企業立地を進め、現在、電子部品・産業装置系や研究施設などが立地しております。  また、本市は東京都の業務核都市基本構想で、八王子・立川・多摩業務核都市を形成しており、特に多摩センター地区は、多機能複合型都市を目指した企業立地に努めております。  多摩市には特定業種の産業群というものはありませんが、都心への近さや多摩地域の広域的な拠点の位置づけを有していること、良好な地盤などを背景に、多くのデータセンター施設や研修センターが立地しております。今後もこのような市の付加価値を強みとして、地域産業の創出に努力してまいります。  次に、4の(10)についてお答えします。  障害者権利条約やこの条約を踏まえて平成23年8月に改正された障害者基本法では、障害の「社会モデル」という考え方がとられています。  従来は、日常生活や社会生活を送る上で制約があるのは、個人が有する心身の機能障害に起因するものであるという「医学モデル」の考え方がとられてきました。  一方、「社会モデル」は、機能障がいがある人のことを考慮せずにつくられた社会の仕組みに原因があり、社会が障害をつくっているとする考え方です。  この「社会モデル」の考え方を踏まえると、世の中に存在するさまざまな障害を解消するためには、共生社会の実現を目指し、社会の側が変わる必要があります。  また、雇用の分野においては、ご質問にありますとおり障害者の雇用の促進等に関する法律いわゆる障害者雇用促進法が施行されます。  障害者雇用促進法では、事業者には障害を理由とする差別の禁止と合理的配慮の提供が義務づけられます。事業者が法に基づき適切に対処することで、就労を通じた障がい者の自立や自己実現の促進を図り、障がい者もともに働く1人の労働者であるとの認識のもと、共生社会の実現を目指していくことが求められています。  このような中で、市民、事業者、地域に向けてこうした考え方を普及啓発していくとともに、機能障がいがある方にとって、日常生活や社会生活を送る上での妨げとなる社会的障壁の除去や障がい者の就労環境の整備に率先して取り組んでいくことが市の役割であると考えています。
     次に、5の(11)についてお答えします。  戦争と武力紛争、そして暴力の応酬が絶えることのない今日の国際社会において、日本が世界とともに、恒久平和主義の憲法原理に立脚し、平和に生きる権利の実現を目指す意義は極めて重要です。  戦後の我が国における民主主義の歩みは、日本国憲法に掲げた三大原則である「国民主権」「基本的人権」及び「平和主義」の具体化に向けた歩みでもあると認識しています。  その意味では、集団的自衛権の行使の問題を含む安全保障法制の議論は、憲法の三大原則の1つである「平和主義」とも密接にかかわるものであり、憲法を改正するということは、国のかたちを変えることにもつながることから、国民的議論をどう尽くすのか、我が国の民主主義のあり方が問われている問題であると考えています。  「二度と戦争を起こしてはならない」という、不戦の誓いがしっかりとなされ、国民全体の共通合意のもとに、立憲主義に基づく慎重かつ十分な議論が必要と考えます。  次に、5の(12)についてお答えします。  安倍首相は、憲法改正について「緊急時に国民の安全を守るため、国家、国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置づけるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、現憲法に規定のない緊急事態条項の新設に前向きな姿勢を示しています。  緊急事態条項は、大災害などの発生時に政府の権限を強化する規定であり、憲法で保障された基本的人権が過度に制限されるのではないかという懸念、また、何をもって緊急事態とするのか、その定義が不明確で、拡大解釈されるのではないかとの懸念が言われています。  また、災害対策基本法など、既存の法律で対応できるとの指摘もあります。  いずれにしても、憲法改正の議論の中で、国民的な熟議が尽くされる必要があると考えます。  次に、6の(13)についてお答えします。  今年の夏の参議院議員選挙から、18歳の方も選挙権を有することになります。初めて選挙に参加される若者に対しては、政治をより身近に感じていただくとともに、何よりも政治に興味を持っていただくことが重要と考えています。  そして、選挙に参加する者として責任ある行動をお願いするとともに、主権者としての意識をしっかり持っていただきたいと考えます。  選挙管理委員会では、都立永山高校への出前授業や、市内小・中学校での模擬投票などの取り組みなどを積極的に進められています。  市としては、まず、最も身近な政治の場である、市政に関心を持っていただくために、まちづくりのさまざまな取り組みや課題を若い世代に知っていただき、参画していただくことが重要と考えます。各部署の事業展開、情報発信、学生や若者が参画しやすい仕組みづくりなど、さまざまな場面で、若い世代を意識した取り組みを進めてまいります。  あわせて、夏の参議院選挙の時期には、市の公式ツイッターなどを通じて、若い世代の選挙への参加を呼びかけていきます。  また、私自身も、「市長と市民の対話会」などで若者の皆さんと意見交換する中で、折に触れ、選挙への参加を含め、政治に興味を持っていただくことを意識した話題提供などに努めていきたいと考えます。 ◯議長(萩原重治君) 藤原マサノリ議員の代表質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(萩原重治君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。  これにご異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(萩原重治君) ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会することに決しました。  本日はこれにて延会いたします。          午後5時34分延会...