ただいま議題となりました議員提出第8
号議案は、
提案理由の
説明、
質疑・
委員会付託・
討論を省略し、
原案のとおり
可決されんことを望みます。
〔「
賛成」と呼ぶ者あり〕
33
◯ 議長(中山けんじ君) ただいま11番、渡辺力君から、議員提出第8
号議案は、
提案理由の
説明、
質疑・
委員会付託・
討論を省略し、
原案のとおり
可決されたいとの動議が提出され、所定の
賛成者がありますので、動議は成立いたしました。よって本動議を直ちに議題といたします。
お諮りいたします。本動議のとおり決定することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
34
◯ 議長(中山けんじ君) 御異議なしと認めます。よって議員提出第8
号議案は
原案のとおり
可決されました。
──────────────────────────────────────────
35
◯ 議長(中山けんじ君)
日程第14、議員提出第9
号議案 労働者保護ルールの見直し等雇用の安定を求める意見書を議題といたします。
〔「動議」と呼ぶ者あり〕
36
◯ 議長(中山けんじ君) 11番、渡辺力君。
37 ◯ 11番(渡辺 力君) この際、動議を提出いたします。
ただいま議題となりました議員提出第9
号議案は、
提案理由の
説明、
質疑・
委員会付託・
討論を省略し、
原案のとおり
可決されんことを望みます。
〔「
賛成」と呼ぶ者あり〕
38
◯ 議長(中山けんじ君) ただいま11番、渡辺力君から、議員提出第9
号議案は、
提案理由の
説明、
質疑・
委員会付託・
討論を省略し、
原案のとおり
可決されたいとの動議が提出され、所定の
賛成者がありますので、動議は成立いたしました。よって本動議を直ちに議題といたします。
お諮りいたします。本動議のとおり決定することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
39
◯ 議長(中山けんじ君) 御異議なしと認めます。よって議員提出第9
号議案は
原案のとおり
可決されました。
──────────────────────────────────────────
40
◯ 議長(中山けんじ君)
日程第15、第11号陳情 「慰安婦問題に関して我国政府が適切な措置を取る事を求める意見書」採択の陳情を議題といたします。
本件は
総務委員会に付託してありますので、
委員長から
報告を求めます。
総務委員長。
〔
総務委員長 渡辺たつや君
登壇〕
41
◯ 総務委員長(
渡辺たつや君)
総務委員会に付託されました第11号陳情につきまして、12月5日に
委員会を開催し、
審査を行っておりますので、その
審査経過と結果を
報告いたします。
第11号陳情 「慰安婦問題に関して我国政府が適切な措置を取る事を求める意見書」採択の陳情につきまして、まず
質疑・意見の
概要を申し上げます。
意見、慰安婦問題について、「裏づけ調査がなかった」、「軍の連行はなかった」、だから「虚偽だ」と言っても、慰安所があったという事実は否定できない。連行の事実は、資料として残っていないと言われているが、東京裁判などでも立証されている。私たちは、こういう事実を認めて、二度と繰り返さないという立場に立つべきだと思う。
子供たちに対しても、「こういうことがあったが、繰り返してはいけない」という立場に立って教育しなければ、国際社会から孤立してしまう。この陳情は、そのような立場で対処すべきである。
問い、陳情では、教科書に正しい記述をして、学校教育の是正措置をとることを要望しているが、
稲城市の学校の現状はどうなっているのか。答え、現在は、慰安婦の記述がある教科書はなく、
稲城市内の中学校においても使われていない。
問い、日本は慰安婦問題を認めて、アジア女性基金で償いとして1人当たり500万円払ったと聞くが、事実か。答え、女性のためのアジア平和国民基金については、償い金が渡されているが、金額は国によって違う。
意見、この陳情の原点は、昭和57年の朝日新聞の虚報であると思う。この報道から、河野談話が出され、石原信雄元官房副長官が証言をし、自民党政務調査会では政府に3項目の提言を行っている。この提言は陳情事項の3項目と合致しており、陳情内容は十分理解するが、政府声明を発表することについては、今ようやく氷が解けかかってきた日韓関係をまた悪化させてしまうのではないかと危惧し、陳情に対して全面的に賛同できない部分である。
意見、河野談話は、韓国からの訴えや従軍慰安婦だった方々の訴えから出たものだと思う。一番問題なのは、慰安所があったのか、慰安婦という者がいたのかということである。やはりこのことは事実であり、繰り返してはならないという立場に立つべきだと思う。日本政府は河野談話を踏襲すると言っているのだから、その事実はなかったと言い切るのではなく、事実があった中でどうするかという立場に立つべきである。
稲城市議会としても、この事実はなかったのだという認定をすると大変なことになってしまうと思うので、慎重な対応をお願いする。
意見、今回の陳情のポイントは、ことし11月に朝日新聞の社長みずからが慰安婦報道の虚偽を認め、謝罪したということである。ただし、安倍首相は、政府として河野談話は引き継いでいくと述べており、日本としても、償いをし、おわびもしてきたという事実もあるので、また政府声明を出せというのは違うのではないかと思う。そのような日本の思いを世界に理解していただくには時間と努力が必要だと思う。今後とも国際社会の中で、広報や渉外活動を通じて御理解をいただけるような努力はしていかなければいけないと感じる。
意見、慰安所が全くなかったのかということは、否定することはできないと思っており、強制連行があったのかということが問題になっていると考える。そもそも慰安婦問題自体が全くなかったかのような拡大解釈をしてしまうのも間違いだと思うが、慰安婦問題はあったのだから、強制連行も含めて韓国におわびすべきというのもやり過ぎではないかと考える。言うべきことは言っていかなくてはいけないと考えるが、100%事実無根だと反論するのもやり過ぎと思い、この陳情については、全面
賛成も全面否定もできないという立場である。
以上で
質疑・意見を終結し、
討論はなく、趣旨採択の動議が提出されましたので、その要旨を申し上げます。
陳情事項の1と2については、その趣旨は十分理解できるが、本陳情が提出された後に出された質問主意書に対して、政府は「国際社会において、客観的事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の基本的立場や取り組みに対して正当な評価を受けるべく、これまで以上に対外発信を強化していく」と答えており、陳情事項の1と2はその目的が達成されたと考える。学校教育についても、問題がないと先ほど確認することができた。以上のことから、今後、日本政府により国際社会のいわれなき誤解が正されることを要望し、第11号陳情については趣旨採択を主張する。
本動議は、
採決の結果、挙手多数により
可決され、第11号陳情は趣旨採択と決定いたしました。
以上で
総務委員会の
報告を終わります。
42
◯ 議長(中山けんじ君) 以上で、
委員長の
報告は終わりました。
ただいまの
委員長の
報告に対する
質疑に入ります。──
質疑がありませんので、
質疑を終結いたします。
これより
討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。1番、岡田まなぶ君。
〔1番 岡田まなぶ君
登壇〕
43 ◯ 1番(岡田まなぶ君) 第11号陳情 「慰安婦問題に関して我国政府が適切な措置を取る事を求める意見書」採択の陳情に反対の立場から
討論を行いたいと思います。
慰安婦問題について、日本政府は、日本軍の関与と強制性を認め謝罪を表明した
河野洋平官房長官談話を発表し、現在の安倍政権でも河野談話の継承を表明しています。今回出された陳情は、慰安婦問題は虚偽であるという前提に立って、政府声明の発表及び教育を求めるというもので、河野談話が認定した慰安婦問題を否定するもの、すなわち日本政府の見解を否定する内容になっています。
陳情事項は3点です。まず第1に、日本政府は、この30年間、国際社会での日本批判・攻撃活動に格好の材料を与えた慰安婦問題の虚偽内容を正す政府声明を発表すること、2点目は、日本政府は、慰安婦問題が虚偽であることを国連の場を初め国際社会で広報活動と渉外活動を大規模かつ緊急に展開して、国際社会からの日本へのいわれなき誤解を払拭すること、3点目は、学校教科書に史実に基づいた記述をして、学校教育を正すように是正措置をとることの3点になっています。
また、陳情の趣旨には、冒頭にはこのように書かれています。「32年前の朝日新聞の虚報に始まり、その影響のもとで平成5年8月4日に河野官房長官談話が発表された。これにより、韓国、国連、アメリカなど、国際社会でその虚報を根拠に従軍慰安婦に関して日本への批判・攻撃の活動が始まり、組織的・継続的に行われてきた」として続いています。では、この今回出された陳情の内容について、4つの点から述べたいと思います。まず第1は、この30年間、国際社会での日本批判・攻撃活動に格好の材料を与えた根拠とされている朝日新聞社の虚報とは何かということです。第2点は、陳情はその虚報の影響のもとで河野官房長官談話が発表されたと言っていますが、それは事実かという問題です。第3点、慰安婦問題について、日本の司法、国際社会はどのように見ているのか。最後に第4点目、河野官房長官談話は何を認定し、何を表明しているのかという点について述べたいと思います。
まず第1に、朝日の虚報と言われているものは何かということです。朝日の虚報とは、1982年に朝日が報じた吉田証言のことで、朝日新聞はことしの8月5日・6日付で掲載した「慰安婦問題を考える」と題した報道検証特集で、「吉田氏が韓国・チェジュ島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と訂正しました。これがまず第1点目です。2番目、陳情は、その虚報、つまり吉田証言の影響のもとで河野談話が発表されたというが、それは事実かという問題です。河野談話が認定した事実は、5点あります。まず第1に、日本軍慰安所と慰安婦の存在。第2、慰安所の設置・管理等への軍の関与。第3に、慰安婦とされる過程が本人たちの意思に反していたこと。第4に、慰安所における強制性、強制使役のもとに置かれたこと。第5、日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者だった。募集・移送・管理等は本人たちの意思に反して行われ、強制性があった。この5点です。
慰安婦問題で、日本軍の関与と強制性を認め、謝罪を表明した日本政府の見解です。それでは、吉田証言の虚報の影響のもとで河野談話が発表されたというが、それは事実でしょうか。それは事実ではありません。河野談話は吉田証言を根拠にはしていないと当事者が証言しています。改めて当時を振り返ると、1980年代から1990年代にかけて、吉田証言の信憑性に疑義があるとの見方が専門家の間で強まり、一方で元慰安婦の実名での告発や政府関係資料の公開などによって慰安婦問題の実態が次々に明らかになる中で、日本軍慰安婦問題の真相究明の上で、吉田証言自体が問題にされない
状況が生まれていました。そうした
状況の中で、1993年8月に発表された河野談話は、その作成の過程で吉田証言をどのように扱ったのか、これがこの陳情との関係でも核心になります。
この点で、9月11日に放映されたテレビ朝日系報道ステーションの慰安婦問題検証特集では、当時官房副長官として河野談話作成に直接かかわった石原信雄氏の注目すべき証言を紹介しました。そこで石原氏は吉田証言について、「あれは、何というか、眉唾物だというふうな議論はしていましたね、当時から」と述べ、日本政府として吉田証言をはなから問題にしていなかったことを明らかにしました。その上で石原氏は、「吉田証言をベースにして韓国側と議論したということは、私はありません。繰り返し申しますが、河野談話の作成の過程で、吉田証言を直接根拠にして強制性を認定したものではない」と明言しました。実際、当時、日本政府は、吉田氏をヒアリングの
対象にしましたが、証言は採用しませんでした。番組では、「当時調査に当たった担当者に取材をし、私たちは吉田さんに実際に会いました。しかし、信憑性がなく、とても話にならないと、全く相手にしませんでした」という証言も紹介しています。河野談話はもともと吉田証言を根拠にしていないのですから、陳情にある、吉田証言の虚報の影響のもとで河野談話が発表されたという陳情の根拠はそもそも成り立たないことは明らかではないでしょうか。
次に、第3点、日本の司法と国際社会は、慰安婦問題をどう見ているのか、どう裁判で扱われてきたのかという点についてです。まず、日本の司法はこの間、慰安婦問題を事実に基づいて認定してきています。元慰安婦らが日本政府に謝罪と賠償を求めた裁判では、まず第1に、8つの判決での被害者35人全員について、強制的に慰安婦にされたとの事実認定がなされています。第2に、慰安所での生活は文字どおりの性奴隷としての悲惨きわまるものだったことを35人の一人一人について具体的に事実認定しています。そして、こうした強制が国家的犯罪として断罪されるべき反人道的行為であることを日本の裁判所が「極めて反人道的かつ醜悪な行為」、「ナチスの犯行にも準ずべき重大な人権侵害」などの峻烈な言葉で告発しています。こうした日本の司法の判断のもとで、慰安婦問題は虚偽であると言えないことは明らかではありませんか。
次に、国際社会が問題にしている点について、日本軍慰安婦問題の最大の問題点は、女性の人権を無視しじゅうりんした慰安所における強制使役、性奴隷制度にほかなりません。これまでに、米国下院、オランダ下院、カナダ下院、欧州議会、韓国国会、台湾立法院、フィリピン下院外交
委員会と、7つの国・地域の議会から日本政府に対する抗議や勧告の決議が挙げられていますが、そのどれもが問題にしているのは強制連行のみではありません。軍による慰安所における強制使役、性奴隷制度こそが、国際社会から厳しく批判されている問題の核心になっているのです。2007年7月にアメリカの下院で採択された対日謝罪要求決議では、河野談話を弱めたり撤回させようとする動きを非難し、日本政府は世界に慰安婦として知られる若い女性たちに性的奴隷制を強いた日本皇軍の強制行為について、明確かつ曖昧さのない形で歴史的責任を公式に認め、謝罪し、受け入れるべきである」と求めています。朝日新聞が吉田証言を取り消したからといって、この国際的立場は全く変わるものではありません。イギリス誌エコノミスト8月30日号は、「朝日はチェジュ島の件で間違ったのだろうが、戦時中、女性たちに売春を強制した日本の責任は疑いない」と指摘しています。アメリカのオバマ大統領が「おぞましい人権侵害」と言った歴史の事実に立った慰安婦問題を虚偽だったとする立場に立つ陳情に
稲城市議会が採択や趣旨採択をしてよいのかということが問われています。日本共産党は、日本政府は、河野談話が明らかにした日本軍慰安婦制度の真実を正面から認めるとともに、歴史を改ざんする主張に対してきっぱりと反論することを強く求めています。さらに、河野談話が表明した痛切な反省と心からのおわびにふさわしい行動、事実の徹底した解明、被害者に対する公式の謝罪、その誤りを償う補償、将来にわたって誤りを繰り返さないための歴史教育などをとることを強く求めるものです。
そして最後に第4、河野官房長官談話は何を認定し、何を表明しているのか。最後に河野談話の要旨を引用したいと思います。「いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた
業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な
状況の下での痛ましいものであった。本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」。これが河野談話の要旨であります。
慰安婦問題が虚偽であるという前提に立つ本陳情は、日本政府が河野談話で明らかにした日本軍慰安婦制度の真実を認めない、歴史を改ざんする主張です。このような陳情を認めるわけにはいきません。歴史をつくりかえることはできません。歴史の真実に正面から向き合い、真摯に誤りを認め、未来への教訓としていく、こうした姿勢と態度を
稲城市として示していこうではありませんか。このことを最後に述べまして、
討論を終わりたいと思います。
44
◯ 議長(中山けんじ君) 14番、鈴木誠君。
〔14番 鈴木 誠君
登壇〕
45 ◯ 14番(鈴木 誠君) それでは、第11号陳情 「慰安婦問題に関して我国政府が適切な措置を取る事を求める意見書」採択の陳情に対しまして、子々孫々に希望あり、世界のリーダーとなってもらうためにも、日本人、鈴木誠として、採択すべきとの立場より
討論をさせていただきます。
まず、この問題に関しまして、先ほど共産党の岡田議員よりもお話がありましたとおり、慰安婦問題とはそもそも何であったのかというところでございます。時系列を追って
説明させていただきますと、まず昭和57年、私の生まれた年でございますが、この年に朝日新聞において、フィクション──虚偽の小説家である吉田清治さんの話をもとにして、それを記事として、まず話された。これにはそもそも問題が一つありまして、これを取り上げた新聞社が海外の話を出す場合には、その国駐在の特派員がその記事を掲載するのが基本であります。それがなぜか、東京の本社でもなく、大阪支社の一記者が取り上げた。これは私もすごく疑問が残るところでありまして、またその記者のことを調べてみると、その記者の義理の母親が挺対協と呼ばれる、韓国の中でも慰安婦問題に関して日本に対して訴訟を起こしている団体の代表であるということは、もう皆さんも御存じのことだと思います。この中で出された同問題の記事がだんだん膨らまされまして、先ほどお話が出ている河野談話、これは昭和57年から数年たった平成5年でございますが、そちらに出された話であります。こちらで出された話も、そもそも日韓の条約をもとにして、国と国との請求権は全て放棄するとした中で、さらに圧力があって出されたもの。その圧力のもとになったのは何なのか。それは吉田証言にほかならないと考えております。何で吉田証言がそうなっているのか。これはフィクションだと今になって認めはしました。しかし、そもそも、先ほど「眉唾物だ」という話があったとおり、慰安婦問題の話は、慰安婦狩り、奴隷狩りという内容のもとで出た。その中でも、起きたとされている済州島(チェジュ島)の済州新聞という会社がこの記事の後すぐに島内をくまなく回って、そんなことはあったのかということを調べております。その時点で、そんなことはなかったという話が出ていた。これはもう御存じのことだと思いますが、それにもかかわらずその報道を延々と繰り返している。このことには問題は感じないでしょうか。こうした中で、その国内での圧力にも押されて河野談話というものを発表しております。これが残念ながら……。(何事か呼ぶ者あり)
では、それは後ほどお聞かせ願います。平成5年の河野談話で話された、これが唯一の政府の公式見解となってしまっているということでございます。先ほどのお話の中で、河野談話は吉田証言をもとにしていないというお話でございましたが、もとにしているか、していないかではなく、これは日本の中での雰囲気の醸成というものもございます。それを受けてのものであり、それに関して御異論のあるところかもしれませんが、その吉田証言の記事と河野談話を足して、これは吉田証言をもとにしているとちゃんと明記されておりますけれども、これが平成8年の国連クマラスワミ
報告書のもとになっております。その翌年に、これをまた受けた形で、マクドゥーガル
報告書の冒頭の部分でもその点が述べられているところでございます。
この間に、先ほど性奴隷国家というお話が出ました。もちろん、女性の人権は十分に尊重されるべきものであり、当時、数十年前、日本も公娼制度があって、赤線というものがあったと思いますけれども、そういったことに対して、オール日本人弁護士の手によって「慰安婦」という言葉を「Sex Slaves」と訳された。これは非常に誤った訳であり、本来であれば「慰安婦」を訳せば「Comfort Woman」であるというのは、皆さんも御存じだと思います。この中で、これは正直レッテルです。レッテルというものを張られた状態で、日本は性奴隷国家であるというものを子々孫々に受け継いでいって、それで希望のある国にできるのですか。私は、それはできないのではないかと思います。歴史は改ざんすべきものではありません。しかし、新たな発見があれば、是正すべきものである。これは間違いがないことであると思います。
これらを受けて、平成19年、アメリカ下院、カナダ、EU、そして韓国、その翌年には台湾にて、さきのお話を統合しまして、日本に対する非難決議あるいは動議というものが採択されております。そして、それからまた6年たったことし平成26年。先ほどの吉田証言が出たのは昭和57年で、平成26年に私が32歳になったということは、この問題は32年間続いてきたということでございますが、ようやく火種である朝日新聞社がこれらは誤報であるということを謝罪した。そのときの謝罪は何だったのかというと、強制連行の件、そもそもそれがもとになっているところで、それがもともとの問題の火種であったのですけれども、それはなかったと。でも、女性の人権は大切だと。それは当たり前です。女性の人権は大切です。にもかかわらず、最初の論点を飛躍的にすりかえたというのが問題ではないでしょうか。私たちは、この小さな火種がこれだけの大火になったもの、これを消火するという作業は大変に苦労を伴うものでございます。
先般、日本はオリンピックの誘致に成功しております。オリンピック誘致の際に我々がしたことは何か。それは、
日本国内における意識の醸成です。これは海外から見たときにそうです。その国内がどう思っているのか、どのように考えているのか。それがその国の意見だと捉えるのは当たり前のことです。その中で、我々は、間違っていることは間違っていると言わなければなりません。これは、例えば
日本国内に関する話であればいいでしょう。同じ日本人であれば、惻隠の情、言わずもがなというのも通じるかと思います。しかし、相手は国外です。国外の人たちには、沈黙は金ではありません。これは銀にも銅にも劣る、まさしく、言っていることに対し日本人が極度の反応をしないということは、認めているということにもなりかねません。今、アメリカでも慰安婦像という問題が取り上げられております。ブエナパーク市等でも同問題が持ち上がっておりましたが、それはグレンデールという一つの市で起こっていることでございます。我々が地方で声を上げることは大切なことというのは、当然、地方議員の皆さんであればわかると思います。日本においても、この草の根である地方において、直すべきものは直す。そして、河野談話を否定する必要はないのです。今まで出てきたものを足して新たな談話を出すこともできるではないですか。
さらに、先ほど
委員会の動議の中でも、教科書の問題が出ました。
稲城市だけでなく日本全国ですが、
稲城市の中学校では確かに慰安婦の問題を特に取り上げておりませんが、高校に入れば、それを取り上げている教科書が多数ございます。そういったものもきちんとして、今どういう論争になっているのか、またこの問題の発端が強制連行であった、まずその点は違うのだということを直していかないと、それこそ国連で出ている
報告書、各国で出ている動議、決議などに関しましても、全てそれを認めるというわけではなく、まず強制性はなかったと、これだけでも言っていこうではありませんか。これを言わないとなってしまったらどうなるか。日本はそこも強く言えないのだということです。先ほど岡田議員からも、強制連行の話ではないといった話がありましたが、もとは強制連行の話であったというのは周知の事実でございます。そこを加味しお考えいただいて、直すべきものは直す、これをやっていくためには声を上げなければいけないという点に立ちまして、
賛成の
討論とさせていただきます。
46
◯ 議長(中山けんじ君) 3番、荒井健君。
〔3番 荒井 健君
登壇〕
47 ◯ 3番(荒井 健君) 同陳情に反対の立場から
討論に参加したいと思います。
私は、率直に言って、未来の
子供たちに何を託すのか、何をしなければいけないのかという意味で考えていけば、自分たちが歩んできた道の中の負の部分も含めて、きちんと
説明して、二度と再びこういう道をとってはいけないということが、日本の先人のあり方だと思うのです。第二次世界大戦で日本と同じようにファシズムの中で荒れ狂ったドイツのヒトラーは、御案内のように、アウシュビッツをつくり、強制連行して虐殺していった。ドイツの偉いところは、こういう事実について塞ごうとしない。むしろ、そういうものを全部残していこうではないかと。ドイツの人たちが何を言っているか。「我が優秀なゲルマン民族がなぜこんな過ちを起こしたのか、このことに立って戦後はスタートしなければいけない」。そういう立場でスタートしてきている。だから、かつてドイツの大統領のヴァイツゼッカーが来たときに、それこそ日本の与党、野党を問わず、党首と言われる人たちがみんな集まってその演説を聞きました。ヴァイツゼッカーは何を言ったか。「過去をきちんと反省できない者に未来はない」。このことにみんな感動して、そういうことも含めて、それこそ自民党からいろいろな方々まで、日本の良心としてそういうものを蓄えてきたと思っています。
ここで今問われているのは何だろうか。朝日新聞の吉田証言の話がありました。こんなことを新聞が、マスコミが取り上げてやってきたことは、決してよくない。このことは当たり前の話であります。それは朝日新聞の話なのです。そういう中で今問われている問題は、この陳情の中では、慰安婦問題は虚偽であるということをきちんと知ろうと言っているわけです。どう考えても、歴史の事実をめくってみても、日本の戦前の戦争体制の中で、慰安所をつくり、そしてそれを運営してきた。そこに軍部が半ば強制的にそのことにかかわってきたことは、歴史的にもいろいろな証言を含めて明らかなわけです。これはもう否定しようもない。問題はそのことをどうするかということなのです。私は先ほど冒頭言いましたけれども、残念だけれども、日本の戦前の中にそういうことはあったのだと、このことをわびて、二度とこれを繰り返さないということを宣言していくのが日本の姿だと思っているわけです。
今私がすごく危険だと思っているのは、確かにこの問題を含めて、中国・韓国・日本でいろいろな形で論争が起きています。この問題を通して一番危険だと思うのは、過度にこの問題を通してナショナリズムにあおられて、戦前の一番戦争のきっかけになったナショナリズムというものが本当に戦争を生んでいく。今、中東とかいろいろなところで戦争が行われている中でも、その基本はナショナリズムであったり、宗教であったり、そういうことになるわけです。そういうことを過度にあおることによってそういう緊張を高めていくよりは、頭の上を通り過ぎるのを待ちながら、事実でないことは事実でないと言うことに私は異論はないけれども、このことは戦前の日本が犯してしまった過ちだということはきちんと謝って、二度と再びそういう道を繰り返さない。それに輪をかけて中国とか韓国が賠償請求したりなどすることについては、きちんと対応していけばいいと思うのです。そんなことに動じる必要はない。ただ、一番大事なことは、そういうことがあったのだから、ナショナリズムで、日本にそういうことはなかったのだと言い切っていく姿にはちょっと無理があるし、趣旨採択をされた方々の意見も全くそういうことは認めた上でどうしようかということでありますから、極端に言えば、それはなかったのだなどということを言っていくということは絶対許せない話だと思うのです。
もう一つ、
子供たちのことについて言えば、私たちが
子供たちに歴史を学ばせるときに、日本は絶対間違いなどはなかったのだ、大和民族は間違えないといったことで歴史教育をやっていくのではなくて、日本は戦前にこういう過ちがあった、少なくともそういうことを繰り返させないという立場で教育をし、自分たちさえよければいいのだ、日本が輝けばいいのだという発想で国際社会に出ていくのではなくて、きちんと謙虚に事実に基づいて歩めるような
子供たちにしていくことが大事なのだと思っております。
後の
討論の部分は、前者がいろいろ
討論しましたので、皆さんも長いお話を聞くのはどうかと思いますので、そういう立場を表明して、
賛成討論といたします。(何事か呼ぶ者あり)
間違えました。いつも陳情にはなるべく市民の声を反映しようという立場で採択を主張しているものですから、どうしてもこういうときに
賛成と言ってしまうのですが、冒頭に言ったように、反対
討論といたします。どうもありがとうございました。
48
◯ 議長(中山けんじ君) 以上で、
討論を終結いたします。
これより第11号陳情 「慰安婦問題に関して我国政府が適切な措置を取る事を求める意見書」採択の陳情を
採決いたします。本件に対する
委員長の
報告は趣旨採択であります。本件は
委員長の
報告のとおり決することに
賛成の方の
起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
49
◯ 議長(中山けんじ君)
起立多数であります。よって第11号陳情は趣旨採択とすることに決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
50
◯ 議長(中山けんじ君)
日程第16、閉会中の議員派遣についてを議題といたします。
お諮りいたします。
地方自治法第100条第13項及び
稲城市議会
会議規則第164条の規定に基づき、お手元に配付してあります「議員派遣について」のとおり閉会中に議員派遣を行いたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
51
◯ 議長(中山けんじ君) 御異議なしと認めます。よってお手元に配付してあります「議員派遣について」のとおり閉会中に議員派遣を行うことに決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
52
◯ 議長(中山けんじ君)
日程第17、閉会中の継続調査の申し出についてを議題といたします。
各常任
委員会及び議会運営
委員会から、目下
委員会において調査中の事件につき、
会議規則第109条の規定により、お手元に配付してあります申し出書のとおり閉会中の継続調査の申し出があります。
お諮りいたします。各
委員会から申し出のとおり閉会中の継続調査とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
53
◯ 議長(中山けんじ君) 御異議なしと認めます。よって各
委員会から申し出のとおり閉会中の継続調査とすることに決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
54
◯ 議長(中山けんじ君) ここで、
市長より発言の申し出がありますので、これを許します。
市長。
55
◯ 市長(
高橋勝浩君) お時間をいただきまして、一言御挨拶を申し上げます。
このたびの第4回市議会定例会は、11月26日から本日まで会期20日間の長きにわたり、連日御熱心に御審議を賜り、まことにありがとうございました。おかげをもちまして今会期に御提案申し上げました議案につきましては御承認を賜ることができました。また、審議の過程におきまして皆様からいただきました御意見・御提案等につきましては、今後の行政運営の中で生かしてまいりたいと存じます。
昨日、衆議院議員解散総選挙が終わりました。各議員の皆様におかれましては、12月議会で大変御多忙な中で、選挙活動についてもお忙しかったことと思います。結果は報道のとおりでございますが、選挙は戦いとはいえども、終われば、この任期についてはノーサイド。それぞれの立場は違えども、現在の国難を憂い、日本の未来をよくしていこうとする志は政治家としては共通のものと信じています。今後、国政の場で与党、野党を問わず、さまざまな課題について、これまで以上に活発な議論がなされることを期待しております。
稲城市におきましては、本日無事に平成26年
稲城市議会第4回定例会が閉会となりました。年が明けますと、各陣営が4月の統一地方選挙に向けた準備に取りかかると思います。私は、さきの選挙におきまして当選以来、「緑につつまれ友愛に満ちた市民のまち
稲城」を将来都市像とする
稲城市のまちづくりに全力で取り組んでまいりました。選挙公約に掲げた課題につきましては、一部の遅延を除き、そのほとんどを達成することができたと思っておりますが、これもひとえに、市議会議員の皆様、そして参加いただいている市民の御理解・御協力、参加・協働、そうした賜物と思って感謝しております。なお、対応が不十分なものに関しましては、真摯に謙虚にそのお叱りを受けとめ、今後、市職員一丸となって、さらなる努力を続けてまいります。
稲城市は、豊かな自然環境を有し、安全・安心で住みやすいまちであるとの評価をいただいているところでございますが、ぜひこの評価を維持し、定住型・世代交代のできる持続可能なまちづくりを目指して、私は、引き続き
稲城市政の先頭に立ち、躍進する
稲城のまちづくりに取り組んでいく決意を固めた次第でございます。さらに多くの方々に我がふるさととして認知していただけるよう、そうしたまちづくりを目指し、次期統一地方選挙に向けて、決意を固めてまいります。どうぞよろしくお願いします。
いよいよ年の瀬となり、早いもので、ことしも残すところ2週間余りとなりました。日ごとに寒さも増してきております。議員の皆様におかれましては、御健康に留意されまして、新しい年を迎え、引き続き
稲城市政に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。このたびはありがとうございました。
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◯ 議長(中山けんじ君) 以上で、本日の
日程は全部終了いたしました。
これをもって平成26年第4回
稲城市議会定例会を閉会いたします。
午前11時7分 閉会
以 上 の と お り 会 議 の 次 第 を 記 録 し 、こ れ を
証 す る た め 署 名 す る 。